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JP7401363B2 - 建物の基礎構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の基礎構造に関する。
建物の基礎構造として、建物を多数の杭で支持する杭基礎と、建物を地盤反力で支持する直接基礎とがある。
杭基礎では、建物の全重量を杭が支持することを前提に杭の本数を算定するため、使用する杭の本数が非常に多くなってしまい、その分工期がかかり、コストも上昇してしまう。また、直接基礎では、地盤(地盤反力)で建物の全重量を支持するため、地盤の地耐力が十分でない場合には採用することができない。
そこで、杭基礎と直接基礎とを組み合わせた基礎構造として、パイルドラフト基礎が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-68253号公報
しかしながら、特許文献1の構造物の基礎構造などに記載されているパイルドラフト基礎では、基礎コンクリートからなる基礎上部の下面に杭の杭頭部が接合されているため、基礎上部と杭とを接合する必要があった。そのため、建物の施工が煩雑になっていた。
また、地震時に建物に水平力が生じた場合、基礎上部と杭とが接合されていると基礎上部と杭頭部との間における力のやり取りが複雑になるため、建物の設計が困難になる場合があった。
そこで、基礎上部に杭を接合しない構成とすると、建物に大きな水平力が生じた場合に基礎上部が大きく滑ってしまうことが考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、パイルドラフト基礎を用いて複数の杭と基礎上部とにより建物を支持する場合に、建物の施工および設計を容易にするとともに基礎上部の過大な滑りを抑制する建物の基礎構造を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明は、複数の杭と基礎上部とにより建物を支持する建物の基礎構造であって、前記基礎上部の下面に下方が開放された複数の凹部が設けられ、前記複数の杭それぞれの杭頭部は、前記複数の凹部にそれぞれ挿入され、前記杭頭部の外周面と前記凹部の内周面との間に、前記基礎上部と前記杭頭部との相対的な水平方向の移動を許容する間隙が設けられ、前記基礎上部の直下に、パイルドラフト基礎が適用可能な地盤である上層地盤が設けられていることを特徴とする。
パイルドラフト基礎を用いて複数の杭と基礎上部とにより建物を支持する場合に、建物の施工および設計を容易にするとともに基礎上部の過大な滑りを抑制する上で有利となる。
第1の実施の形態にかかる建物の基礎構造を示す平断面図である。 第1の実施の形態にかかる建物の基礎構造を示す側断面図である。 (A)は第1の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図であって、(B)は(A)において建物に水平力が発生した場合の断面図である。 第2の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第3の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第4の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第5の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第6の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第7の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第8の実施の形態にかかる杭とフーチングとの構成を示す断面図である。 第9の実施の形態にかかる建物の基礎構造を示す平断面図である。 第9の実施の形態にかかる建物の基礎構造を示す側断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の建物の基礎構造は、複数の杭と、基礎上部(建物の基礎構造のうち、杭を含まない部分)とにより建物を支持するパイルドラフト基礎を用いた建物の基礎構造である。
本実施の形態では、建物の基礎構造1が構築される地盤Gの表面側である上側の地盤が、パイルドラフト基礎が適用できない地盤であった場合について説明する(図2参照)。
パイルドラフト基礎が適用できない地盤とは、例えば、泥や多量の水を含んだ柔らかい土などからなり建物の荷重を支えきれず建物が沈下するおそれがある軟弱地盤などである。
そして、本実施の形態の地盤Gは、パイルドラフト基礎が適用できない軟弱地盤からなる軟弱層の下方に、パイルドラフト基礎が適用可能な支持層がある地盤となっている。
したがって、本実施の形態では、上側の地盤である軟弱地盤を地盤改良し、パイルドラフト基礎が適用可能な改良地盤、すなわちパイルドラフト基礎が適用可能とされる地盤と同等の性状を有する地盤である上層地盤G1とした後に、建物の基礎構造1を構築している。
本実施の形態の地盤改良は、例えば、流動化処理工法や浅層混合処理工法等のセメント系固化材を用いた工法を用いて行う。
流動化処理工法は、発生土に流動性を高めるための調整泥水(粘土・シルト程度の細粒土に所定の水を加えた泥水)と固化材を適切な配合で混合し、用途に適した流動状態にして、直接またはポンプ圧送により流し込む工法である。
また、浅層混合処理工法は、表層改良などとも呼ばれ、バックホウ等を用いて改良対象地盤を平面的に掘削し、50cm~3m程度の深さまで石灰、セメント、セメント系固化材等を混合しながら埋め戻す。埋め戻しの際は厚さ30cm~50cm程度の間隔でローラやランマーにより十分に転圧し締め固める工法である。
図1~3(A)、(B)に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造1は、複数の杭10と、基礎上部20Aとで構成されている。本実施の形態において、基礎上部20Aは、複数のフーチング22、耐圧版24、および基礎梁26で構成されたラフトである。
図2は、図1の平断面図のA-A断面における側断面図である。
基礎上部20Aの直下には、上述した改良地盤、本実施の形態では軟弱地盤を改良した上層地盤G1が設けられている。
そして、上層地盤G1の上には、不図示の砕石や捨てコンクリートなどが設けられている。
杭10は、鋼管杭やコンクリート杭などであって、支持層まで到達しない所定の長さおよび径を有する円筒状に形成されている。円筒状の杭10の長さ方向において、フーチング22近傍の部分を杭頭部12と称する。
杭10は、水平方向に所定の間隔をあけて地盤Gに打設されており、杭頭部12が上層地盤G1から上方に向けて突出している。この突出している杭頭部12の上下方向の長さ(鉛直方向の長さ)は、例えば10cm程度である。
杭は、既製杭でも、場所打ち杭でも適用することができる。
杭10の上面、すなわち杭頭部12の上面には、滑り材14が取着されている。
滑り材14は、上面に接する部材に対して滑りやすくするものであって、例えば、フッ素原子と炭素原子のみからなるフッ素樹脂(フッ化炭素樹脂)であるポリテトラフルオロエチレン(テフロン:登録商標)などの材質で構成されている。
フーチング22は、鉄筋コンクリート製の直方体形状の部材であって、複数の杭10それぞれの杭頭部12の上方に配置され、下面が上層地盤G1の上面に接している。
複数のフーチング22は、上層地盤G1の上面近傍で基礎梁26により繋がれており、複数のフーチング22それぞれの上面には、上部構造を構成する柱28が立設されている。
耐圧版24は、平面視において、複数のフーチング22間を繋ぐ基礎梁26に囲まれた領域に設けられ、所定の厚さを有する鉄筋コンクリート製の板状部材である。
本実施の形態の耐圧版24は、4つのフーチング22を繋ぐ4本の基礎梁26に囲まれた矩形状の領域に設けられている。
また、複数のフーチング22は、それぞれの下面の中央部分に、内周面2202と内周面2202の上部を接続する底面2204とで構成され下方が開放された円筒状の凹部22Aが設けられている。
複数の杭10それぞれの杭頭部12は、複数の凹部22Aにそれぞれ挿入されている。
凹部22Aの底面2204は、杭頭部12の上面に取着された滑り材14の上面に当接している。滑り材14と凹部22Aの底面2204との摩擦係数は、杭頭部12の上面と凹部22Aの底面2204との摩擦係数よりも小さい。言い換えると、滑り材14は、杭頭部12の上面と凹部22Aの底面2204の間の摩擦力を低減するように設けられている。
また、杭10を構成している杭主筋(不図示)は、フーチング22に定着させずに杭10の内部に設置されている。
複数のフーチング22は、基礎梁26よりも広い幅を有しており、建物の荷重を複数の杭10それぞれに伝達している。
また、凹部22Aの内周面2202に、円筒状に形成された鋼管30が軸心方向を上下方向にして設けられている。
鋼管30は、例えば、厚さが5mm~10mm程度であり、上下方向の長さ(軸心方向の長さ)は、上層地盤G1から突出している杭頭部12の長さとほぼ等しくなっている。
ここで、本実施の形態では、フーチング22に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられているため、凹部22Aの内周面が鋼管30の内周面3002となっている。
凹部22Aに挿入された杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に、基礎上部20Aと杭10との相対的な水平方向の移動を許容する間隙Cが設けられている。
間隙Cには、基礎上部20Aと杭頭部12との相対的な水平方向の移動用のスペースを確保するために環状の間隙充填材40が設けられている。
間隙充填材40は、杭10の上方にフーチング22を設けるためにコンクリートを打設する際、コンクリートが間隙Cに入り込んで基礎上部20Aと杭頭部12との相対的な水平方向の移動用のスペースがなくならないように、すなわち、移動用のスペースを確保するため、間隙Cに配置するものである。
間隙充填材40は、例えば、ポアソン比が比較的小さくコンクリートより柔らかい材料である発泡スチロールなどである。
凹部22Aの内径は、上部構造の大きさや杭10の外径との関係を考慮して定められるが、例えば、杭10の外径をdとし、凹部22Aの内径Dをとした場合、以下の式(1)を満たすように形成する。

D=1.1d~1.5d ・・・(1)

したがって、例えば、杭10の外径が1mであった場合は、凹部22Aの内径は1.1m~1.5mとなるため、半径方向の幅が5cm~25cm程度の環状の間隙Cが杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられる。
このように本実施の形態の建物の基礎構造1は、複数のフーチング22と耐圧版24とを含む基礎上部(ラフト)20Aの直下には上層地盤G1があり、複数のフーチング22の下方に複数の杭10が打設されている。
したがって、基礎上部20Aは、建物の荷重を受けると、鉛直荷重を複数の杭10に伝達する。このため、建物の荷重は基礎上部20Aと複数の杭10の両方で支持されている。
また、本実施の形態の建物の基礎構造1は、複数のフーチング22それぞれの下面に設けられた凹部22Aに杭10の杭頭部12が挿入され、杭頭部12に取着された滑り材14の上面と凹部22Aの底面2204が当接している。そして、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に間隙Cを設け、その間隙Cに間隙充填材40が設けられている。
したがって、例えば地震が発生した場合、図3(B)に示すように、基礎上部20Aが建物の水平力Fを受け、基礎上部20Aは杭10に対して水平方向に移動すると、基礎上部20Aの下面と上層地盤G1の上面との間に摩擦力が発生する。
一方、杭頭部12の上面には滑り材14が取着されているため、杭10の杭頭部12の上面とフーチング22の凹部22Aの底面2204との間の摩擦力は低減される。
その結果、比較的小さな地震が発生した場合は、間隙Cが設けられていることより、基礎上部20Aが杭10に対して水平方向に移動できるが、比較的大きな地震が発生した場合は、基礎上部20Aが水平方向に大きく移動するため、図3(B)に示すように、凹部22Aの内周面3302が杭10の杭頭部12の外周面1202に接触する。
つまり、建物の荷重(鉛直荷重)は地震が発生した場合でも基礎上部20Aと複数の杭10の両方で支持されているが、建物の水平力は、小さい地震の場合には基礎上部20Aの摩擦力により抵抗し、大きい地震の場合には杭10が抵抗力として働くことになる。
次に、建物の基礎構造1の施工方法の一例の概要について説明する。
まず、改良した上層地盤G1の所望の位置に、滑り材14をそれぞれの上面に取着した複数の杭10を配置し、上層地盤G1から所定の長さの杭頭部12を突出させて打設する。
次に、上層地盤G1の上に砕石を敷き、さらにその上に位置確定のための墨出しや型枠が載る下地となる捨てコンクリートを打設する。
そして、複数の杭10のそれぞれの杭頭部12の外周面1202に間隙充填材40を取着し、間隙充填材40の外周部に鋼管30を設置する。
間隙充填材40の取り付け方法は、例えば、環状の間隙充填材40を直径で2つに分割した分割体を、杭頭部12を挟んで対向する位置から突き合わせて嵌め込み、端部同士を接着剤などで接合する。
次いで、複数の杭10それぞれの上方に複数のフーチング22の配筋を行い、杭頭部12、間隙充填材40、および鋼管30を覆うようにコンクリートを打設して複数のフーチング22を設置する。
そして、基礎梁26、耐圧版24の配筋を行い、複数のフーチング22間を繋ぐ複数の基礎梁26を設け、基礎梁26に囲まれた領域に耐圧版24となるコンクリートを打設する。
その後、複数のフーチング22の上面に柱28を立設し、上層階の梁、スラブ、および柱を含む上部構造を建設する。
このように、第1の実施の形態にかかる建物の基礎構造1によれば、複数の杭10それぞれの杭頭部12は、基礎上部20Aである複数のフーチング22の下面に設けられた複数の凹部22Aにそれぞれ挿入されている。複数の杭10それぞれの杭主筋は、複数のフーチング22には定着させておらず、凹部22Aの底面2204は杭頭部12の上面に取着された滑り材14の上面に当接している。
したがって、建物の荷重(鉛直荷重)を複数のフーチング22および耐圧版24を含む基礎上部(ラフト)20Aと複数の杭10との両方で支持するというパイルドラフト基礎構造の特性を維持しつつ、地震時になどに生じる建物の水平力は複数の杭10には伝達されにくい。
このため、杭10の杭主筋をフーチング22内に飲み込ませて基礎上部20Aと杭10とを接合することによる建物の煩雑な施工や、基礎上部20Aと杭頭部12との間における力のやり取りを考慮しなければならない困難な設計を回避でき、建物の施工および設計を容易にする上で有利となる。
また、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に、基礎上部20Aと複数の杭10との相対的な水平方向の移動を許容するスペースが間隙Cおよび間隙充填材40を介して確保されている。
したがって、比較的小さな地震が発生した場合は、建物に水平力が生じて基礎上部20Aが複数の杭10に対して水平方向に移動できるため、基礎上部20Aの上層地盤G1に対する摩擦力により建物の水平力に抵抗することができる。このとき、複数の杭10は基礎上部20Aに追随して移動することがないため、杭10の変形を抑制する上で有利となる。
また、比較的大きな地震が発生した場合は、建物に大きな水平力が生じて基礎上部20Aが水平方向に大きく移動して凹部22Aの内周面3002が杭10の杭頭部12の外周面1202に接触するため、複数の杭10が抵抗力として働き、基礎上部20Aの過大な滑りを抑制する上で有利となる。
また、複数の杭10の上面、すなわち杭頭部12の上面に滑り材14が取着されていることで、建物に水平力が生じると複数の杭10に対して基礎上部20Aが滑るため、複数の杭10の杭頭部12の上面と複数のフーチング22に設けられた凹部22Aの底面2204との間の摩擦力が低減される。
したがって、地震時における建物の水平力(慣性力)が基礎上部20Aから複数の杭10に伝わることを抑制し、複数の杭10で負担する水平力を低減させることができる。そのため、複数の杭10の杭径を小さくすることが可能となり、コストを抑える上で有利となる。
また、複数のフーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられているため、凹部22Aの内周面3002(鋼管30の内周面3002)が杭10の杭頭部12の外周面1202に接触した際に複数のフーチング22に損傷が生じることを抑制できる。
また、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに間隙充填材40が設けられているため、フーチング22を作製する際のコンクリート打設時において間隙Cにコンクリートが入り込むことを抑制できる。
また、建物の基礎構造1では、基礎上部20Aの直下にはパイルドラフト基礎が適用可能な地盤である上層地盤G1が設けられていることが好ましい。
しかしながら、本実施の形態では、上側の地盤がパイルドラフト基礎が適用できない地盤であったため、上側の地盤を地盤改良してパイルドラフト基礎が適用可能な上層地盤G1としている。
したがって、上側の地盤がパイルドラフト基礎が適用できない地盤であっでも、地盤を改良することでパイルドラフト基礎を用いた本実施の形態の建物の基礎構造1を適用することができる。
地盤を改良していない一般の地盤と比較すると、地盤が改良された改良地盤からなる上層地盤G1が設けられている方が建物の荷重に対する鉛直支持力、および地震時に水平力が生じた場合の基礎上部20Aの上層地盤G1に対する水平方向の摩擦力を厳密に評価して正確に把握する上で有利となる。
また、改良地盤からなる上層地盤G1では、上層地盤G1の性状が偏ることを抑制できるため、建物の荷重を複数の杭10それぞれに確実に伝達する上で有利となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、フーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられていたのに対して、第2の実施の形態では、杭10の杭頭部12の外周面1202に鋼管が設けられている点が異なっている。
なお、以下の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様な個所、部材に同一の符号を付してその説明を省略し、第1の実施の形態と異なった個所について重点的に説明する。
図4に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造2では、杭10の杭頭部12の外周面1202に、鋼管32が設けられている。
したがって、鋼管32の外周面3202と凹部22Aの内周面2202との間に、基礎上部20Aと複数の杭10との相対的な水平方向の移動を許容する間隙Cが設けられており、間隙Cには第1の実施の形態と同様に環状の間隙充填材40が設けられている。
本実施の形態の建物の基礎構造2を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、複数の杭10のそれぞれの杭頭部12の外周面1202に鋼管32を取着し、鋼管32の外周面3202に間隙充填材40を取着する。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第2の実施の形態にかかる建物の基礎構造2によれば、複数の杭10の杭頭部12の外周面1202に鋼管32が設けられているため、凹部22Aの内周面2202が杭10の杭頭部12の外周面1202に接触した際に複数の杭10の杭頭部12に損傷が生じることを抑制できる。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態の鋼管30を設けたことによる効果以外の効果を奏する。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、フーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられ、第2の実施の形態では、杭10の杭頭部12の外周面1202に鋼管32が設けられていたのに対し、第3の実施の形態では、凹部22Aの内周面2202および杭頭部12の外周面1202の両方に鋼管が設けられている点が異なっている。
図5に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造3では、複数のフーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられており、杭10の杭頭部12の外周面1202に、鋼管32が設けられている。
したがって、鋼管30の3002内周面と鋼管32の外周面3202との間に、基礎上部20Aと複数の杭10との相対的な水平方向の移動を許容する間隙Cが設けられており、間隙Cには第1の実施の形態と同様に環状の間隙充填材40が設けられている。
本実施の形態の建物の基礎構造3を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、複数の杭10の杭頭部12の外周面1202に鋼管32を取着し、鋼管32の外周面3202に間隙充填材40を取着し、さらに間隙充填材40の外周面4002に鋼管32を設置する。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第3の実施の形態にかかる建物の基礎構造3によれば、複数のフーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202、および複数の杭10の杭頭部12の外周面1202にそれぞれ鋼管30、32が設けられているため、凹部22Aの内周面3002が杭10の杭頭部12に設けられた鋼材32の外周面3202に接触した際に複数のフーチング22および複数の杭10の杭頭部12に損傷が生じることを抑制できる。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態の鋼管30を設けたことによる効果以外の効果を奏する。
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態では、フーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられ、第2の実施の形態では、杭10の杭頭部12の外周面1202に鋼管32が設けられていたのに対し、第4の実施の形態では、凹部22Aの内周面2202および杭頭部12の外周面1202のいずれにも鋼管が設けられていない点が異なっている。
図6に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造4では、凹部22Aの内周面2202および杭頭部12の外周面1202のいずれにも鋼管が設けられておらず、凹部22Aの内周面2202と杭頭部12の外周面1202との間に基礎上部20Aと複数の杭10との相対的な水平方向の移動を許容する間隙Cが設けられており、間隙Cには第1の実施の形態と同様に環状の間隙充填材40が設けられている。
本実施の形態の建物の基礎構造4を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、複数の杭10の杭頭12の外周面1202に間隙充填材40を取着する。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第4の実施の形態にかかる建物の基礎構造4によれば、鋼管が設けられていないため、施工を容易にするとともにコストを抑える上で有利となる。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態の鋼管30を設けたことによる効果以外の効果を奏する。
(第5の実施の形態)
第1の実施の形態では、フーチング22の下面に設けられた凹部22Aの内周面2202に鋼管30が設けられていたのに対し、第5の実施の形態では、凹部22に有蓋円筒状の鋼材が設けられている点が異なっている。
図7に示すように、本実施の形態の鋼材34は、円筒状の鋼管36と鋼管36の一方の端部を塞ぐ蓋板38とにより構成されており、他方の端部は開放されている。
鋼材34は、軸心方向を上下方向にして設けられ、蓋板38を上側とし、開放された他方の端部を下側とし鋼管36の下部が上層地盤G1に接触して設置されている。
本実施の形態の建物の基礎構造5では、複数の杭10の杭頭部12を覆うように鋼材34が被せられて設置されており、杭頭部12の上面に取着された滑り材14の上面に蓋板38の下面3802が当接している。
したがって、杭頭部12の外周面1202と、蓋部38の下面3802と、鋼管36の内周面3602と、上層地盤G1の上面とにより環状の空間が形成され、この空間が基礎上部20Aと複数の杭10との相対的な水平方向の移動を許容する間隙Cとなっている。本実施の形態の間隙Cには、間隙充填材は設けられていない。
本実施の形態の建物の基礎構造5を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、鋼材34を杭10の上方から杭頭部12を覆うように載置する。これにより、杭10の杭頭部12の外周に内部が空間となる間隙Cが形成される。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第5の実施の形態にかかる建物の基礎構造5によれば、杭10の杭頭部12を覆うように鋼材23が設けられており、杭10の杭頭部12の外周面1202に間隙充填材を取着しなくても間隙Cを形成できるため、施工を容易にする上で有利となる。なお、鋼材23の代わりに、鋼材23と同様の形状の木材からなる木枠を設けてもよい。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態の間隙充填材40を設けたことによる効果以外の効果を奏する。
(第6の実施の形態)
第1の実施の形態では、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに環状の間隙充填材40が設けられていたのに対して、第6の実施の形態では、間隙Cに粒状の間隙充填材が設けられている点が異なっている。
図8に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造6では、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに粒状の間隙充填材42が設けられている。
間隙充填材43は、例えば、球体に形成された粒状の発泡スチロールであって、間隙Cを埋められる所定量の発泡スチロールが充填されている。
本実施の形態の建物の基礎構造6を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、複数の杭10の杭頭部12の外周部1202に鋼管30を設置し、杭頭部12の外周面1202と鋼管30の内周面3002とにより形成された間隙Cに間隙充填材42を充填する。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第6の実施の形態にかかる建物の基礎構造6によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに粒状の間隙充填材42が充填されているため、杭10の外径や鋼管30の内径に関わらず所望の量の間隙充填材42により間隙Cを埋めることができ利便性を向上させる上で有利となる。
また、別途型枠を設けなくとも、鋼管30を型枠とすることで間隙Cに粒状の間隙充填材42を充填できるため、施工を容易にするとともにコストを抑える上で有利となる。
(第7の実施の形態)
第1の実施の形態では、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに環状の間隙充填材40が設けられていたのに対して、第7の実施の形態では、間隙Cに緩衝材および間隙充填材が設けられている点が異なっている。
図9に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造7では、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに環状の緩衝材44および環状の間隙充填材46A、46Bが設けられている。
緩衝材44は、間隙Cを埋め、基礎上部20Aと複数の杭10との相対的な水平方向の移動を緩衝するものであって、例えば、ポアソン比が0.5に近い弾性体であるゴム材などである。
緩衝材44は、上下方向の長さ(鋼管30の軸心方向に沿った長さ)が、鋼管30の上下方向の長さ(軸心方向の長さ)よりも短く形成されており、緩衝材44の上下方向の長さの中央を、鋼管30の上下方向の長さの中央に合致させて杭頭部12の外周面1202に設けられている。
間隙充填材46A、46Bは、例えば、第1の実施の形態と同様、環状の発泡スチロールなどである。
間隙充填材46Aは、緩衝材44の上面と凹部22Aの底面2204との間に設けられ、間隙緩衝材46Bは、緩衝材44の下面と上層地盤G1の上面との間に設けられており、緩衝材44の上下方向の変形を許容するスペースを確保するものである。
本実施の形態では、杭頭部12の外周面1202において、緩衝材44を上下方向から挟むように間隙充填材46A、46Bが設けられているため、基礎上部20Aが建物の水平力を受け水平方向に移動した際に、緩衝材44が間隙充填材46A、46Bを押圧して上下方向(鉛直方向)に変形し広がることを許容する。
本実施の形態の建物の基礎構造7を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、複数の杭10の杭頭部12の外周面1202に下から順に、間隙充填材46B、緩衝材44、間隙充填材46Aを取着し、緩衝材44および間隙充填材46A、46Bの外周面に鋼管30を設置する。
緩衝材44の取り付け方法は、例えば、緩衝材44の内径を杭頭部12の外径よりわずかに小さく形成しておき、杭頭部12の上端部から通してはめ込むことで取着する。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第7の実施の形態にかかる建物の基礎構造7によれば、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに緩衝材44が設けられているため、地震時などに建物に水平力が発生して基礎上部20Aが水平方向に移動した際、凹部22Aの内周面3002に押圧された緩衝材44が抵抗力として作用する。このため、基礎上部20Aが過度に滑ることによる水平方向の移動を抑制することができる。
また、本実施の形態では、緩衝材44を上下方向から挟むように間隙充填材46A、46Bを設けることにより、地震時などに建物に水平力が発生して基礎上部20Aが水平方向に移動する際、凹部22Aの内周面3002に押圧された緩衝材44が上方および下方の間隙充填材46A、46Bを押圧して上下方向に変形して広がることが許容されている。このため、フーチング22に設けられた凹部22Aの底面2204を緩衝材44が押圧することによるフーチング22の損傷を防止できる。
また、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに、緩衝材44を挟んで間隙充填材46A、46Bが設けられているため、フーチング22を作製する際のコンクリート打設時において間隙Cにコンクリートが入ることを抑制できる。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態の間隙充填材40を設けたことによる効果以外の効果を奏する。
第7の実施の形態では、緩衝材44の上面と凹部22Aの底面2204との間、および緩衝材44の下面と上層地盤G1の上面との間にそれぞれ間隙緩衝材46A、46Bが設けられた構成となっていたが、いずれか一方に設ける構成としてもよい。
このように構成しても、建物に水平力が生じて基礎上部20Aが水平方向に移動した際に緩衝材44が上方向、または下方向に変形して広がることを許容することができ、フーチング22の損傷を防止できる。
また、間隙充填材44に代えて、空間を設けてもよい。すなわち、例えば、施工時に緩衝材44の上下端の杭頭部12の外周部1202に型枠を設けることにより、緩衝材44の上面と凹部22Aの底面2204との間、および緩衝材44の下面と上層地盤G1の上面との間に空間を確保してもよい。
このように構成しても、建物に水平力が生じて基礎上部20Aが水平方向に移動した際に緩衝材44が上方向および下方向に変形して広がることを許容することができ、フーチング22の損傷を防止できる。
(第8の実施の形態)
第7の実施の形態では、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに緩衝材44および間隙充填材46A、46Bが設けられていたのに対して、第8の実施の形態では、間隙Cに中空の環状体である緩衝材を設けた点が異なっている。
図10に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造8では、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに中空の環状体である緩衝材48が設けられている。
緩衝材48は、例えば、薄肉のゴムなどの弾性体で製造された中空の環状体であって、杭頭部12の外周面1202に装着されている。
本実施の形態の建物の基礎構造8を施工する場合、地盤Gに複数の杭10を打設し、砕石や捨てコンクリートを配置した後、複数の杭10の杭頭部12の外周面1202に緩衝材48を取着し、緩衝材48の外周面に鋼管30を設置する。
そして、第1の実施の形態と同様に、複数のフーチング22を設置し、基礎梁26を設け、耐圧版24を打設する。その後、柱28を立設し、上部構造を建設していく。
このように、第8の実施の形態にかかる建物の基礎構造8によれば、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに中空の環状体である緩衝材48が設けられているため、地震時などに建物に水平力が発生して基礎上部20Aが水平方向に移動した際、凹部22Aの内周面3002に押圧された緩衝材48が抵抗力として作用する。このため、基礎上部20Aが過度に滑ることによる水平方向の移動を抑制することができる。
また、本実施の形態の緩衝材48は、中空形状であるため、地震時などに建物に水平力が発生して基礎上部20Aが水平方向に移動する際、凹部22Aの内周面3002に押圧されると内部に向けて変形することが許容されている。このため、フーチング22に設けられた凹部22Aの底面2204を緩衝材48が押圧することによるフーチング22の損傷を防止できる。
また、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に設けられた間隙Cに、緩衝材48が設けられているため、フーチング22を作製する際のコンクリート打設時において間隙にコンクリートが入ることを抑制できる。
また、本実施の形態においても、第1の実施の形態の間隙充填材40を設けたことによる効果以外の効果を奏する。
(第9の実施の形態)
第1の実施の形態では、複数のフーチング22と複数のフーチング22間を繋ぐ基礎梁26に囲まれた領域に設けられた耐圧版24とを有する基礎上部20Aが設けられていたのに対して、第9の実施の形態では、基礎上部20Bとして複数のフーチングや基礎梁を有しておらず、所定の厚さを有するマットスラブが設けられている点が異なっている。
図11、図12に示すように、本実施の形態の建物の基礎構造9は、複数の杭10と基礎上部20Bとで構成されている。本実施の形態において、基礎上部20Bはマットスラブ50である。
図12は、図11の平断面図のB-B断面における側断面図である。
マットスラブ50は、複数の杭10それぞれの杭頭部12の上方に配置され、上部構造に合わせた大きさで所定の厚さを有する鉄筋コンクリート製の板状部材である。
そして、マットスラブ50の上面の所望の位置には、上部構造を構成する柱28が接合されている。
このようなマットスラブ50を用いることで、基礎梁やフーチングなどを設けず、スラブ一体を基礎とすることができる。
マットスラブ50は、全体で建物の荷重等を受け、下面全体で建物の荷重等(鉛直荷重)を下方に伝達するため、複数の杭10をマットスラブ50に対して均等に設けなくてもよい。
なお、図11では、12本の柱28が均等に設けられた例を示しているが、柱の本数や配置位置は、建物の設計に応じて設けることができる。
また、マットスラブ50の下面には、第1の実施の形態と同様に、内周面2002と内周面2002の上部を接続する底面2204とで構成され下方が開放された円筒状の凹部22Aが複数設けられている。
複数の杭10それぞれの杭頭部12は、複数の凹部22Aにそれぞれ挿入されている。
凹部22Aの底面2204は、杭頭部12の上面に取着された滑り材14の上面に当接しており、滑り材14が杭頭部12の上面と凹部22Aの底面2204の間の摩擦係数を小さくしている。
また、複数の杭10をそれぞれ構成している杭主筋(不図示)は、マットスラブ50に定着させずに杭10の内部に設置されている。
このように本実施の形態の建物の基礎構造9は、マットスラブ50を含む基礎上部(ラフト)20Bの直下には上層地盤G1があり、地盤Gには複数の杭10が打設され凹部22Aの底面2204に杭頭部12の上面が滑り材14を介して当接している。
したがって、第1の実施の形態と同様に、基礎上部20Bは、建物の荷重を受けると、鉛直荷重を複数の杭10に伝達する。このため、建物の荷重は基礎上部20Aと複数の杭10の両方で支持されている。
また、本実施の形態の建物の基礎構造9は、マットスラブ50の下面に設けられた複数の凹部22Aに複数の杭10の杭頭部12が挿入され、杭頭部12に取着された滑り材14の上面と凹部22Aの底面2204が当接している。そして、杭頭部12の外周面1202と凹部22Aの内周面3002との間に間隙Cを設け、その間隙Cに間隙充填材40が設けられている。
したがって、第1の実施の形態と同様に、建物の荷重(鉛直荷重)は地震が発生した場合でも基礎上部20Bと複数の杭10の両方で支持されているが、建物の水平力は、小さい地震の場合には基礎上部20Bの摩擦力により抵抗し、大きい地震の場合には複数の杭10が抵抗力として働くことになる。
このように、第9の実施の形態にかかる建物の基礎構造9によれば、第1の実施の形態と同様の効果に加え、建物の基礎構造9としてマットスラブ50を用いることで、マットスラブ50(基礎上部20B)に対する複数の杭10の配置位置の自由度を向上させる上で有利となる。
上述した実施の形態では、杭頭部12の上面に滑り材14が取着された構成となっているが、凹部22Aの底面2204に滑り材14を取着する構成としてもよい。滑り材14が凹部22Aの底面2204に取着されている場合、滑り材14と杭頭部12の上面との摩擦係数は、凹部22Aの底面2204と杭頭部12の上面との摩擦係数よりも小さい。さらに、滑り材14は、少なくとも、杭頭部12と凹部22Aが互いに接する位置に取着されていればよい。このように構成した場合でも、建物に水平力が生じると複数の杭10に対して基礎上部20Aが滑るため、複数の杭10の杭頭部12と凹部22Aとの間の摩擦力が低減される。
また、上述した実施の形態では、上側の地盤がパイルドラフト基礎が適用できない地盤である場合に建物の基礎構造を構築する例について説明したため、上側の地盤の地盤を改良して、パイルドライブ基礎が適用可能な地盤である上層地盤G1とした上で建物の基礎構造を構築する構成となっていた。
しかしながら、地盤を改良をしなくとも上側の地盤がパイルドラフト基礎の適用可能な地盤であった場合は、その地盤をそのまま上層地盤G1として用い建物の基礎構造を構築すればよい。
1、2、3、4、5、6、7、8、9 建物の基礎構造
10 杭
12 杭頭部
1202 外周面
14 滑り材
20A 基礎上部(ラフト)
20B 基礎上部(マットスラブ)
22 フーチング
22A 凹部
2202 内周面
2204 底面
24 耐圧版
26 基礎梁
28 柱
30、32 鋼管
3002 内周面
34 鋼材
40、42、46A、46B 間隙充填材
44、48 緩衝材
50 マットスラブ
C 間隙
G 地盤
G1 上層地盤

Claims (7)

  1. 複数の杭と基礎上部とにより建物を支持する建物の基礎構造であって、
    前記基礎上部の下面に下方が開放された複数の凹部が設けられ、
    前記複数の杭それぞれの杭頭部は、前記複数の凹部にそれぞれ挿入され、
    前記杭頭部の外周面と前記凹部の内周面との間に、前記基礎上部と前記複数の杭との相対的な水平方向の移動を許容する間隙が設けられ、
    弾性体で製造された中空の環状体である緩衝材が前記杭頭部の外周面に装着され、前記間隙を塞ぐように設けられ、
    前記基礎上部の直下に、パイルドラフト基礎が適用可能な地盤である上層地盤が設けられている、
    ことを特徴とする建物の基礎構造。
  2. 前記杭頭部の上面に、滑り材が取着されており、前記滑り材と前記凹部の底面との摩擦係数は、前記杭頭部の上面と前記凹部との摩擦係数よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物の基礎構造。
  3. 前記凹部の底面に、滑り材が取着されており、前記滑り材と前記杭頭部の上面との摩擦係数は、前記凹部の底面と前記杭頭部との摩擦係数よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の建物の基礎構造。
  4. 前記緩衝材の外周面に鋼管が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  5. 前記基礎上部は、前記複数の杭それぞれの前記杭頭部の上方に配置された複数のフーチングと、平面視において前記複数のフーチング間を繋ぐ基礎梁に囲まれた領域に設けられた耐圧版とを有し、
    前記複数の凹部は、前記複数のフーチングの下面に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  6. 前記基礎上部は、所定の厚さを有するマットスラブである、
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
  7. 前記上層地盤は、パイルドラフト基礎が適用可能に改良した改良地盤である、
    ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の建物の基礎構造。
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