JP2001026922A - 既設トンネルの耐震補強方法 - Google Patents
既設トンネルの耐震補強方法Info
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Landscapes
- Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 地震時に於て、既設トンネル外周の地盤のせ
ん断変形量を低減させるように該既設トンネルの耐震補
強を行う。 【解決手段】 トンネル1外周へ該トンネル1内又は地
表面6より地盤改良材を注入し、該トンネル1の外周の
地盤7のせん断剛性を高めることにより、該トンネル1
の外周の該地盤7の地震時せん断変形量9を低減させ、
且つ、該トンネル1のせん断変形量を低減させることで
該トンネル1の地震時発生断面力を低減させる。
ん断変形量を低減させるように該既設トンネルの耐震補
強を行う。 【解決手段】 トンネル1外周へ該トンネル1内又は地
表面6より地盤改良材を注入し、該トンネル1の外周の
地盤7のせん断剛性を高めることにより、該トンネル1
の外周の該地盤7の地震時せん断変形量9を低減させ、
且つ、該トンネル1のせん断変形量を低減させることで
該トンネル1の地震時発生断面力を低減させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設トンネルの耐
震補強方法に関するものであり、特に、トンネル外周地
盤を改良し、トンネル横断面のせん断変形自体を小さく
抑制する既設トンネルの耐震補強方法に関するものであ
る。
震補強方法に関するものであり、特に、トンネル外周地
盤を改良し、トンネル横断面のせん断変形自体を小さく
抑制する既設トンネルの耐震補強方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤内にシールド機を掘進させト
ンネルを形成する際、シールド機の周囲の地山を繊維状
の補強材を混入した固化剤を注入しながら攪拌し、シー
ルド機の周囲に固化剤と地山とを混練した繊維補強固化
層を形成するものがある。(特開平2−210198号
公報)一方、既存の地下鉄、道路及び下水道トンネル等
の地下構造物に対し、大地震時に備えて耐震補強をする
際、側壁や床版の鉄筋コンクリート巻き付けによるせ
ん断補強、鉄板や強化プラスチック(FRP)シート
貼着によるせん断及び曲げ補強、中柱を有するトンネ
ルに於ける中柱の靱性補強及びせん断補強等が行われ
る。
ンネルを形成する際、シールド機の周囲の地山を繊維状
の補強材を混入した固化剤を注入しながら攪拌し、シー
ルド機の周囲に固化剤と地山とを混練した繊維補強固化
層を形成するものがある。(特開平2−210198号
公報)一方、既存の地下鉄、道路及び下水道トンネル等
の地下構造物に対し、大地震時に備えて耐震補強をする
際、側壁や床版の鉄筋コンクリート巻き付けによるせ
ん断補強、鉄板や強化プラスチック(FRP)シート
貼着によるせん断及び曲げ補強、中柱を有するトンネ
ルに於ける中柱の靱性補強及びせん断補強等が行われ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記シールド機の周囲
の地山を補強する方法はトンネル構築後の地山の崩壊や
漏水を防止し、トンネルの安定性を維持するものであ
り、大地震時の耐震性は考慮されていない。
の地山を補強する方法はトンネル構築後の地山の崩壊や
漏水を防止し、トンネルの安定性を維持するものであ
り、大地震時の耐震性は考慮されていない。
【0004】一方、前記耐震補強のうち及びの補強
は、部材の断面を増加させるせん断補強や構造物の内面
が引張となる曲げ補強には有効であるが、構造物の外面
が引張となる曲げに対する補強に対しては有効とならな
い。更に、構造物自体の空間の制限から構造物の部材断
面を増加させることによって内空断面を減少させること
ができない場合が多い。
は、部材の断面を増加させるせん断補強や構造物の内面
が引張となる曲げ補強には有効であるが、構造物の外面
が引張となる曲げに対する補強に対しては有効とならな
い。更に、構造物自体の空間の制限から構造物の部材断
面を増加させることによって内空断面を減少させること
ができない場合が多い。
【0005】又、前記の補強に於ては、地下鉄の駅部
等に採用する場合には、供用しながらの補強工事とな
り、且つ、建築空間の制限等により補強作業が困難とな
る。依って、構造物の外部を補強し、部材断面を増加さ
せたり、曲げ耐力を増加させることは、周囲を地盤で覆
われている地下構造物(トンネル)では、構造物位置ま
で地盤を掘削しない限り不可能である。
等に採用する場合には、供用しながらの補強工事とな
り、且つ、建築空間の制限等により補強作業が困難とな
る。依って、構造物の外部を補強し、部材断面を増加さ
せたり、曲げ耐力を増加させることは、周囲を地盤で覆
われている地下構造物(トンネル)では、構造物位置ま
で地盤を掘削しない限り不可能である。
【0006】そこで、トンネルの大地震時に対する耐震
補強をトンネル内及び地表面から行い、トンネル外周の
地盤のせん断剛性を高めることにより、トンネル外周の
地盤のせん断変形量を低減させる既設トンネルの耐震補
強方法を得るために解決すべき技術的課題が生じてくる
のであり、本発明はこの課題を解決することを目的とす
る。
補強をトンネル内及び地表面から行い、トンネル外周の
地盤のせん断剛性を高めることにより、トンネル外周の
地盤のせん断変形量を低減させる既設トンネルの耐震補
強方法を得るために解決すべき技術的課題が生じてくる
のであり、本発明はこの課題を解決することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、トンネルの耐震診断
によって耐震補強が必要との評価を受けた既設トンネル
の耐震補強方法に於て、該トンネル外周へ該トンネル内
又は地表面より地盤改良材を注入し、該トンネル外周の
地盤のせん断剛性を高めることにより、該トンネル外周
の該地盤の地震時せん断変形量を低減させ、且つ、該ト
ンネルのせん断変形量を低減させることで該トンネルの
地震時発生断面力を低減させる既設トンネルの耐震補強
方法、及びトンネル外周の地盤のせん断剛性を高める地
盤改良部の範囲と必要とされる改良後の地盤の剛性は、
数値解析によって決定する既設トンネルの耐震補強方
法、並びに地盤改良部の範囲及び必要とされる改良後の
地盤の剛性は、耐震設計に於けるトンネル部材断面力の
許容値と該地盤改良部の範囲又は改良地盤のヤング率と
の関係から決定されると共に、該ヤング率の該改良地盤
となるように配合した地盤改良材をトンネル外周の地盤
へ注入する既設トンネルの耐震補強方法を提供するもの
である。
するために提案されたものであり、トンネルの耐震診断
によって耐震補強が必要との評価を受けた既設トンネル
の耐震補強方法に於て、該トンネル外周へ該トンネル内
又は地表面より地盤改良材を注入し、該トンネル外周の
地盤のせん断剛性を高めることにより、該トンネル外周
の該地盤の地震時せん断変形量を低減させ、且つ、該ト
ンネルのせん断変形量を低減させることで該トンネルの
地震時発生断面力を低減させる既設トンネルの耐震補強
方法、及びトンネル外周の地盤のせん断剛性を高める地
盤改良部の範囲と必要とされる改良後の地盤の剛性は、
数値解析によって決定する既設トンネルの耐震補強方
法、並びに地盤改良部の範囲及び必要とされる改良後の
地盤の剛性は、耐震設計に於けるトンネル部材断面力の
許容値と該地盤改良部の範囲又は改良地盤のヤング率と
の関係から決定されると共に、該ヤング率の該改良地盤
となるように配合した地盤改良材をトンネル外周の地盤
へ注入する既設トンネルの耐震補強方法を提供するもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1乃至図3に従って詳述する。図1は周囲を地盤7に覆
われている既設の開削トンネル1を示す。該開削トンネ
ル1は上部を上床版2、下部を下床版3、両側を側壁
4,4で構成する横長の矩形断面を有し、中央には中柱
5を立設する。該開削トンネル1を大地震時の地盤7の
せん断変形8等から防護するための耐震補強を必要とす
る。該開削トンネル1を新設する際には周辺地盤とトン
ネルとの間に免震層(図示せず)を形成することによ
り、トンネルの横断面変形に伴って発生する断面力を大
きく低減させて地震時の安全性を向上させることができ
る。しかし、既設トンネルに該免震層を形成することは
困難である。
1乃至図3に従って詳述する。図1は周囲を地盤7に覆
われている既設の開削トンネル1を示す。該開削トンネ
ル1は上部を上床版2、下部を下床版3、両側を側壁
4,4で構成する横長の矩形断面を有し、中央には中柱
5を立設する。該開削トンネル1を大地震時の地盤7の
せん断変形8等から防護するための耐震補強を必要とす
る。該開削トンネル1を新設する際には周辺地盤とトン
ネルとの間に免震層(図示せず)を形成することによ
り、トンネルの横断面変形に伴って発生する断面力を大
きく低減させて地震時の安全性を向上させることができ
る。しかし、既設トンネルに該免震層を形成することは
困難である。
【0009】尚、トンネルの横断面に断面力を発生させ
る地震荷重は、上下床版の間で相対的に発生する地盤
の相対変位、トンネルの剛性と地盤の剛性との違いに
起因する周面せん断力、トンネル自体の質量による慣
性力から構成される。該地震荷重の割合を比べた場合、
トンネルの断面形状や剛性によって前記とのどちら
が大きいか一概には云えないが、ととで該地震荷重
の大部分を占め、前記の占める割合は小さい。
る地震荷重は、上下床版の間で相対的に発生する地盤
の相対変位、トンネルの剛性と地盤の剛性との違いに
起因する周面せん断力、トンネル自体の質量による慣
性力から構成される。該地震荷重の割合を比べた場合、
トンネルの断面形状や剛性によって前記とのどちら
が大きいか一概には云えないが、ととで該地震荷重
の大部分を占め、前記の占める割合は小さい。
【0010】そこで、該開削トンネル1の外周の該地盤
7のせん断剛性を高めることによって、該開削トンネル
1の外周の該地盤7の地震時せん断変形量9を低減さ
せ、且つ、該開削トンネル1のせん断変形量を低減させ
ることで該開削トンネル1の地震時発生断面力を低減さ
せるため、該開削トンネル1の該上床版2、該下床版3
及び該側壁4,4の内部の所定箇所より周囲の該地盤7
に向けて穿孔機(図示せず)で複数穿孔し、該穿孔部
(図示せず)より該開削トンネル1の外周地盤7へセメ
ントミルク、微粒子セメント粉体等の地盤改良材をノズ
ル(図示せず)で注入・噴射し、地盤改良部10を構築
する。該地盤改良部10の範囲及び必要とされる改良後
の該地盤7の剛性は、後述するように予め実施する数値
解析により設定する。
7のせん断剛性を高めることによって、該開削トンネル
1の外周の該地盤7の地震時せん断変形量9を低減さ
せ、且つ、該開削トンネル1のせん断変形量を低減させ
ることで該開削トンネル1の地震時発生断面力を低減さ
せるため、該開削トンネル1の該上床版2、該下床版3
及び該側壁4,4の内部の所定箇所より周囲の該地盤7
に向けて穿孔機(図示せず)で複数穿孔し、該穿孔部
(図示せず)より該開削トンネル1の外周地盤7へセメ
ントミルク、微粒子セメント粉体等の地盤改良材をノズ
ル(図示せず)で注入・噴射し、地盤改良部10を構築
する。該地盤改良部10の範囲及び必要とされる改良後
の該地盤7の剛性は、後述するように予め実施する数値
解析により設定する。
【0011】尚、該地盤改良材の注入等に於てシールド
トンネルの場合には、該シールドトンネルの裏込め注入
に使用したグラウトホール(図示せず)を利用して行う
ことができる。又、地表面6から比較的浅い位置にトン
ネルが構築されている場合には、該地表面6より直接ボ
ーリングマシン(図示せず)によるボーリング孔(図示
せず)を利用して該地盤改良部10を形成する。
トンネルの場合には、該シールドトンネルの裏込め注入
に使用したグラウトホール(図示せず)を利用して行う
ことができる。又、地表面6から比較的浅い位置にトン
ネルが構築されている場合には、該地表面6より直接ボ
ーリングマシン(図示せず)によるボーリング孔(図示
せず)を利用して該地盤改良部10を形成する。
【0012】次に、図2及び図3に従い既設の該開削ト
ンネル1の耐震補強方法について説明する。図2(a)
は該開削トンネル1の耐震補強として地盤改良を行うた
めの解析モデルを示し、該地盤7は基盤12上より該地
表面6までの層厚を15m、該開削トンネル1の該上床
版2と該地表面6の間隔を4.5mとし、又、該開削ト
ンネル1の該上床版2と該下床版3とのトンネル高さは
7m、両端の該側壁4,4間の該開削トンネル1の幅方
向長さは17mの矩形断面として中央に該中柱5を立設
する。
ンネル1の耐震補強方法について説明する。図2(a)
は該開削トンネル1の耐震補強として地盤改良を行うた
めの解析モデルを示し、該地盤7は基盤12上より該地
表面6までの層厚を15m、該開削トンネル1の該上床
版2と該地表面6の間隔を4.5mとし、又、該開削ト
ンネル1の該上床版2と該下床版3とのトンネル高さは
7m、両端の該側壁4,4間の該開削トンネル1の幅方
向長さは17mの矩形断面として中央に該中柱5を立設
する。
【0013】該地盤7のヤング率Eは1000 kgf/cm
2 、単位体積重量は1.7tf/m3、ポアソン比は0.4
8の均一地盤とする。又、該開削トンネル1は、該地盤
7のせん断変形の影響が比較的大きくなるように該基盤
12に近い位置、即ち、該基盤12と該下床版3との間
隔を3.5mとして埋設する。尚、解析は周辺地盤を平
面ひずみ要素、トンネル部材を梁要素でモデル化して2
次元有限要素モデルを用いて行う。更に、該地表面6に
於て300 galとなる正弦波状の水平加速分布11を仮
定し、これに相当する地盤慣性力を地震荷重として解析
モデルの各節点に静的に作用させることにより、該地盤
7及び該開削トンネル1の変形を線形で解析する。
2 、単位体積重量は1.7tf/m3、ポアソン比は0.4
8の均一地盤とする。又、該開削トンネル1は、該地盤
7のせん断変形の影響が比較的大きくなるように該基盤
12に近い位置、即ち、該基盤12と該下床版3との間
隔を3.5mとして埋設する。尚、解析は周辺地盤を平
面ひずみ要素、トンネル部材を梁要素でモデル化して2
次元有限要素モデルを用いて行う。更に、該地表面6に
於て300 galとなる正弦波状の水平加速分布11を仮
定し、これに相当する地盤慣性力を地震荷重として解析
モデルの各節点に静的に作用させることにより、該地盤
7及び該開削トンネル1の変形を線形で解析する。
【0014】図2(b)は該開削トンネル1の両側の該
側壁4,4より2mの幅と該開削トンネル1の四つの角
部は、該上床版2と該下床版3から夫々45°の範囲に
地盤改良した改良パターン(Type -1)を想定し、又、
図2(c)は、該開削トンネル1の全外周を2mの幅に
亘って地盤改良した改良パターン(Type -2)を想定
し、夫々の解析モデルに於て改良範囲をもとの該地盤7
の10倍から1000倍までヤング率を増大させて解析
する。解析は、該開削トンネル1の中心位置に於ける該
上床版2から該下床版3間の水平相対変位、トンネル部
材の断面力に関し、地盤改良及び地盤改良を行わない基
本ケースに対する各解析ケースの最大値の比を求めて解
析結果を整理する。
側壁4,4より2mの幅と該開削トンネル1の四つの角
部は、該上床版2と該下床版3から夫々45°の範囲に
地盤改良した改良パターン(Type -1)を想定し、又、
図2(c)は、該開削トンネル1の全外周を2mの幅に
亘って地盤改良した改良パターン(Type -2)を想定
し、夫々の解析モデルに於て改良範囲をもとの該地盤7
の10倍から1000倍までヤング率を増大させて解析
する。解析は、該開削トンネル1の中心位置に於ける該
上床版2から該下床版3間の水平相対変位、トンネル部
材の断面力に関し、地盤改良及び地盤改良を行わない基
本ケースに対する各解析ケースの最大値の比を求めて解
析結果を整理する。
【0015】図3(a)は横軸に基本ケースに対する該
地盤改良部10の該ヤング率の比E R を取り、地盤改良
による相対変位RDR の変化を示したものである。該相
対変位RDR の変化を考察すると、該側壁4,4の外側
のみを地盤改良するType -1の改良パターンでは、前記
ヤング率の比ER を1000倍とした場合でも該開削ト
ンネル1の該相対変位RDR を略60%までしか低減で
きない。これに対し全外周を地盤改良するType -2の改
良パターンでは、該ヤング率の比ER が100倍で該相
対変位RDR を40%まで低減でき、しかも、該ヤング
率の比ER が1000倍では10%近くまで該相対変位
RDR を低減できており、地盤改良が地震荷重の1つで
ある地盤変位の低減に有効であることがわかる。
地盤改良部10の該ヤング率の比E R を取り、地盤改良
による相対変位RDR の変化を示したものである。該相
対変位RDR の変化を考察すると、該側壁4,4の外側
のみを地盤改良するType -1の改良パターンでは、前記
ヤング率の比ER を1000倍とした場合でも該開削ト
ンネル1の該相対変位RDR を略60%までしか低減で
きない。これに対し全外周を地盤改良するType -2の改
良パターンでは、該ヤング率の比ER が100倍で該相
対変位RDR を40%まで低減でき、しかも、該ヤング
率の比ER が1000倍では10%近くまで該相対変位
RDR を低減できており、地盤改良が地震荷重の1つで
ある地盤変位の低減に有効であることがわかる。
【0016】図3(b)はせん断力の比SR と該ヤング
率の比ER との関係を示し、該側壁4,4の外側のみを
改良する前記Type -1では殆ど効果が得られないが、全
外周を改良する前記Type- 2の改良パターンでは基本ケ
ースに対し該ヤング率の比E R を大きくとれば1以下と
なり、断面力低減に有効であることがわかる。
率の比ER との関係を示し、該側壁4,4の外側のみを
改良する前記Type -1では殆ど効果が得られないが、全
外周を改良する前記Type- 2の改良パターンでは基本ケ
ースに対し該ヤング率の比E R を大きくとれば1以下と
なり、断面力低減に有効であることがわかる。
【0017】又、図3(c)は曲げモーメントの比MR
と該ヤング率の比ER との関係を示し、前記せん断力の
比SR との関係と同様に該Type -1では殆ど効果が得ら
れないが、該Type -2では該ヤング率の比ER を500
倍程度に半減させることが可能であることがわかる。
と該ヤング率の比ER との関係を示し、前記せん断力の
比SR との関係と同様に該Type -1では殆ど効果が得ら
れないが、該Type -2では該ヤング率の比ER を500
倍程度に半減させることが可能であることがわかる。
【0018】以上のことから、各技術基準に基づいて耐
震設計を行った結果、既設の該開削トンネル1の曲げ耐
力がないとした場合に、例えば図3(c)に示すように
発生モーメントを0.5にしないと耐震設計が成立しな
いという該開削トンネル1の部材断面力の許容値から該
ヤング率の比ER =600を求め、周辺地盤のヤング率
に対し600倍のヤング率に地盤改良すれば、許容範囲
内の曲げモーメントに導くことができる。
震設計を行った結果、既設の該開削トンネル1の曲げ耐
力がないとした場合に、例えば図3(c)に示すように
発生モーメントを0.5にしないと耐震設計が成立しな
いという該開削トンネル1の部材断面力の許容値から該
ヤング率の比ER =600を求め、周辺地盤のヤング率
に対し600倍のヤング率に地盤改良すれば、許容範囲
内の曲げモーメントに導くことができる。
【0019】このように数値解析してヤング率を変えて
地盤改良を行えば、必要最少限の地盤改良で必要とする
地盤の剛性が得られる。尚、所定のヤング率の地盤にす
るためにはセメントミルクの注入率を変えること等によ
り行う。又、前記の全外周の改良に変えて該側壁だけの
改良でも同様の効果が得られるものであれば耐震補強が
可能である。
地盤改良を行えば、必要最少限の地盤改良で必要とする
地盤の剛性が得られる。尚、所定のヤング率の地盤にす
るためにはセメントミルクの注入率を変えること等によ
り行う。又、前記の全外周の改良に変えて該側壁だけの
改良でも同様の効果が得られるものであれば耐震補強が
可能である。
【0020】而して、本発明は、本発明の精神を逸脱し
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明
が該改変されたものに及ぶことは当然である。
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明
が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明は、トンネル内又は地表面より地盤改良材を注入し、
トンネル外周の地盤のせん断剛性を高めるのでトンネル
内空断面を低減させることなく、耐震補強を行うことが
でき、且つ、トンネルの横断面のせん断変形を効率よく
低減させることができる。
明は、トンネル内又は地表面より地盤改良材を注入し、
トンネル外周の地盤のせん断剛性を高めるのでトンネル
内空断面を低減させることなく、耐震補強を行うことが
でき、且つ、トンネルの横断面のせん断変形を効率よく
低減させることができる。
【0022】請求項2記載の発明は、地盤改良部の範囲
及び必要とされる改良後の地盤の剛性は、数値解析によ
って決定するので容易に、且つ、効果的な地盤改良ゾー
ンを設定することができる。
及び必要とされる改良後の地盤の剛性は、数値解析によ
って決定するので容易に、且つ、効果的な地盤改良ゾー
ンを設定することができる。
【0023】請求項3記載の発明は、地盤改良部の範囲
及び必要とされる改良後の地盤の剛性を耐震設計に於け
るトンネル部材断面力の許容値と該地盤改良部の範囲又
は改良地盤のヤング率との関係から決定して、トンネル
外周の地盤を改良するので、必要最少限の地盤改良材の
注入等で必要な箇所だけの地盤改良を行うことができる
と共に、余分な地盤改良を行う必要はないため経済的な
地盤改良を行うことができ、コストダウンを図ることが
できる。
及び必要とされる改良後の地盤の剛性を耐震設計に於け
るトンネル部材断面力の許容値と該地盤改良部の範囲又
は改良地盤のヤング率との関係から決定して、トンネル
外周の地盤を改良するので、必要最少限の地盤改良材の
注入等で必要な箇所だけの地盤改良を行うことができる
と共に、余分な地盤改良を行う必要はないため経済的な
地盤改良を行うことができ、コストダウンを図ることが
できる。
【図1】本発明の一実施の形態を示し、開削トンネルの
外周を地盤改良した状態を示す横断面図。
外周を地盤改良した状態を示す横断面図。
【図2】(a)解析対象地盤と開削トンネルを示す解説
横断面図。 (b)開削トンネルの両側壁部を地盤改良したType -1
を示す横断面図。 (c)開削トンネルの全外周部を地盤改良したType -2
を示す横断面図。
横断面図。 (b)開削トンネルの両側壁部を地盤改良したType -1
を示す横断面図。 (c)開削トンネルの全外周部を地盤改良したType -2
を示す横断面図。
【図3】(a)上床版〜下床版間の相対変位比RDR と
ER の関係図。 (b)せん断力比SR とER の関係図。 (c)曲げモーメント比MR とER の関係図。
ER の関係図。 (b)せん断力比SR とER の関係図。 (c)曲げモーメント比MR とER の関係図。
1 トンネル(開削トンネル) 6 地表面 7 地盤 9 地盤の地震時せん断変形量 10 地盤改良部 SR せん断力比 MR 曲げモーメント比 ER ヤング率
Claims (3)
- 【請求項1】 トンネルの耐震診断によって耐震補強が
必要との評価を受けた既設トンネルの耐震補強方法に於
て、該トンネル外周へ該トンネル内又は地表面より地盤
改良材を注入し、該トンネル外周の地盤のせん断剛性を
高めることにより、該トンネル外周の該地盤の地震時せ
ん断変形量を低減させ、且つ、該トンネルのせん断変形
量を低減させることで該トンネルの地震時発生断面力を
低減させることを特徴とする既設トンネルの耐震補強方
法。 - 【請求項2】 トンネル外周の地盤のせん断剛性を高め
る地盤改良部の範囲及び必要とされる改良後の地盤の剛
性は、数値解析によって決定することを特徴とする請求
項1記載の既設トンネルの耐震補強方法。 - 【請求項3】 地盤改良部の範囲及び必要とされる改良
後の地盤の剛性は、耐震設計に於けるトンネル部材断面
力の許容値と該地盤改良部の範囲又は改良地盤のヤング
率との関係から決定されると共に、該ヤング率の該改良
地盤となるように配合した地盤改良材をトンネル外周の
地盤へ注入することを特徴とする請求項2記載の既設ト
ンネルの耐震補強方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11199462A JP2001026922A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 既設トンネルの耐震補強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11199462A JP2001026922A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 既設トンネルの耐震補強方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001026922A true JP2001026922A (ja) | 2001-01-30 |
Family
ID=16408215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11199462A Withdrawn JP2001026922A (ja) | 1999-07-13 | 1999-07-13 | 既設トンネルの耐震補強方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001026922A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002309567A (ja) * | 2001-04-13 | 2002-10-23 | Kumagai Gumi Co Ltd | 既設地中線状構造物の耐震補強方法 |
JP2008248649A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Railway Technical Res Inst | 地中構造物近傍の地盤改良方法 |
JP2011026942A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-02-10 | Shimizu Corp | ボックスカルバートの耐震補強構造 |
CN109001081A (zh) * | 2018-07-17 | 2018-12-14 | 中铁十二局集团第二工程有限公司 | 模拟隧道开挖对桩基影响的试验装置及方法 |
CN110106883A (zh) * | 2019-04-23 | 2019-08-09 | 天津大学 | 一种矫正地铁隧道水平变形的实时反馈注浆方法 |
JP7578345B1 (ja) * | 2024-05-31 | 2024-11-06 | 強化土エンジニヤリング株式会社 | 地盤注入工法 |
JP7665166B1 (ja) | 2024-09-09 | 2025-04-21 | 強化土エンジニヤリング株式会社 | 既設地下構造物を地下シェルターとして活用するための地盤補強方法 |
-
1999
- 1999-07-13 JP JP11199462A patent/JP2001026922A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
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