JP7194854B1 - 仮撚加工糸からなる編地 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]単糸の繊維軸方向に垂直な断面形状が扁平形である合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を40重量%以上含む編地であって、該仮撚加工糸の単糸の、平均扁平度が2.0~3.0であり、扁平度の標準偏差値が1.0未満であり、JIS L 1013 8.12法に従い測定した捲縮復元率が30~50%であり、そして、該編地の、JIS L 1923 B法に従い測定した防透指数が90%以上であり、JIS L 1096 8.18 A法に従い測定した破裂強度が600kPa以上であることを特徴とする編地。
[2]前記合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸の仮撚係数が35000~45000である、前記[1]に記載の編地。
[3]前記合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸の総繊度が56~176dtexであり、かつ、単糸繊度が0.3~5.0dtexである、前記[1]又は[2]に記載の編地。
[4]前記編地の目付が120~220g/m2である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の編地。
[5]前記編地の、0.6ml拡散性残留水分率の測定において該水分率が10%を切る乾燥時間が60分以内である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の編地。
[6]前記編地が丸編地であり、該丸編地を構成する編組織の(ニット):(ウェルト+タック)の比率が1:1~10:1である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の編地。
[7]前記編地が経編地であり、該経編地を構成する編組織が、デンビ組織とコード組織の組み合わせた2バー組織、又は、該2バーの組織に挿入組織を加えた3バー組織である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の編地。
[8]以下の工程:
単糸の繊維軸方向に垂直な断面形状が略丸形である合成繊維マルチフィラメントを、ピン仮撚機を用いて、仮撚速度100~300m/分、該合成繊維の融点温度-100℃~-60℃の仮撚温度、延伸倍率1.50~1.65倍で仮撚して、単糸の平均扁平度が2.0~3.0であり、扁平度の標準偏差値が1.0未満であり、かつ、JIS L 1013 8.12法に従い測定した捲縮復元率が30~50%である、仮撚係数35000~45000の合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を得る工程;及び得られた合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を40重量%以上用いて編成して、編地を得る工程;を含む、前記[2]~[7]のいずれかに記載の編地の製造方法。
本発明の1の実施形態は、単糸の繊維軸方向に垂直な断面形状が扁平形である合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を40重量%以上含む編地であって、該仮撚加工糸の単糸の、平均扁平度が2.0~3.0であり、扁平度の標準偏差値が1.0未満であり、JIS L 1013 8.12法に従い測定した捲縮復元率が30~50%であり、そして、該編地の、JIS L 1923 B法に従い測定した防透指数が90%以上であり、JIS L 1096 8.18 A法に従い測定した破裂強度が600kPa以上であることを特徴とする編地である。
い、また、CR値が50%超では、捲縮が高すぎるため、編地にしたときに捲縮が汗をため込んでしまい拡散性が低下するため、好ましくない。捲縮復元率が35~45%であれば、特に好ましい。
、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β-ヒドロキシエトキシ安息香酸、p-オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸を挙げることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物として、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物、ポリオキシアルキレングリコール等を挙げることができる。
度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造されたものであることができる。
で、捲縮が高い加工糸を使用しても汗だまりを防ぎ、拡散性を発揮させることができる。
防透指数(%)=(黒色バッキング使用時の明度/白バッキング使用時の明度)×100
により求められる防透指数が90%以上であり、93%以上であれば好ましく、95%以上であればより好ましい。防透指数が90%未満であると、編地を用いた衣服を着用した際、下に着ている衣服の色や下着が透けることで着用者に不快感をもたらすため好ましくない。
トな風合いが得られなくなる。
単糸の繊維軸方向に垂直な断面形状が略丸形である合成繊維マルチフィラメントを、ピ
ン仮撚機を用いて、仮撚速度100~300m/分、該合成繊維の融点温度-100℃~-60℃の仮撚温度、延伸倍率1.50~1.65倍で仮撚して、単糸の平均扁平度が2.0~3.0であり、扁平度の標準偏差値が1.0未満であり、かつ、JIS L 1013 8.12法に従い測定した捲縮復元率が30~50%である、仮撚係数35000~45000の合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を得る工程;及び 得られた合成繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を40重量%以上用いて編成して、編地を得る工程;を含む、前記編地の製造方法である。
染色時に同浴加工するか、ファイナルセット工程で編地に付与することが好ましい。また、かかる親水化剤の付着量は、編地の重量に対して0.25~0.5重量%であることができる。
編地から糸を解舒して適当な長さの糸を1本採取する。採取したフィラメントをパラフィンで包埋し、ミクロトームでフィラメントの断面切片を切り出し、当該切片を光学顕微鏡にてフィラメント断面写真を撮影した。このとき全単糸フィラメントが一枚の画像に入りきるように画像を撮影した。単糸断面の中心部を通るように測定した端から端の長辺をA、短辺をBとして長さを測定し。下記式(1):
扁平度=A/B (1)
により、扁平度を算出した。
尚、全ての単糸フィラメントの扁平度を算出し、1本目の糸の扁平度とした。同編地の解舒を更に進め、別の部分から採取した2本目の糸(1本目の採取部分から10本以上解して採取したものが好ましい)の扁平度を同様の操作で算出し、1本目の扁平度と平均して、対象の糸の扁平度とした。また、扁平度は、編地から取り出したマルチフィラメント仮撚加工糸と、仮撚に供する原糸との両者について測定した。
全単糸フィラメントの扁平度から算出した平均扁平度を標準偏差式により求めた。すなわち、各単糸フィラメントの扁平度と平均扁平度の差の2乗の合計値をフィラメントの総数で割った値の正の平方根値を求めた。
JIS L 1013 8.12法に基づき、以下の方法で測定・算出される伸縮弾性率を捲縮復元率とした。0.176mN×表示テックス数の荷重をかけてかせ長40cm,巻き数10回のかせを作った。このかせを前処理として沸騰水にて20分ボイル処理を行った。前処理したかせを0.176 mN×20×表示テックス数の荷重と、更に8.82 mN×20×表示テックス数の荷重を加えて温度20±2 ℃の水中に2分間浸せきした後、かせ長を測り、直ちに8.82 mN×20×表示テックス数の荷重を除いて2分間放置後,再びかせ長を測り、下記式(2)によって伸縮復元率(%)を算出した。
試験回数は5回行い、その平均値を捲縮復元率CRとした。
伸縮復元率(%)=a-b/a×100 (2)
a:0.176mN×20×表示テックス数の荷重に,更に8.82mN×20×表示テックス数の荷重をかけたときのかせ長(mm)
b:0.176 mN×20×表示テックス数の荷重をかけたときのかせ長(mm)
仮撚加工糸を標準状態(20℃×65%RH)の環境で1日静置して調湿を行った。その後、検尺機で100m巻き、かせを作製して重量を測定した。その値に100を乗じて総繊度を求めた。2回測定を行い、平均値を対象の糸の総繊度とした。
仮撚係数は、以下の式:
仮撚係数=撚数(T/m)×D1/2
{式中、D:仮撚加工糸の総繊度}から算出した。撚数はJIS L 1013 8.13法に基づき測定した。
編組織の完全組織図を基に、ニットループ、ウェルト、タックの個数をそれぞれ数えた。その後ニットループ数を、ウェルト+タックの数で除して、ウェルト+タックの比数を1としたときのニットループ数との比を求めた。
JIS L 1923 B法に基づき、生地の下に白色バッキングがある時と黒色バッキングがある時のそれぞれの明度を測定し、下式:
防透指数(%)=(黒色バッキング使用時の明度/白色バッキング使用時の明度)×100
により防透け指数を算出した。
JIS L 1096 8.18 A法 ミューレン形法に基づき、破裂強度を測定した。
20℃×65%RHで1日調湿した編地から10cm×10cmのサンプルを切り出し、精密天秤で重量をgで測定し100を乗じてg/m2に換算して、編地の目付を求めた。
20℃×65%RHで1日調湿した編地から15cm×15cmのサンプルを切り出し、初期の重量(W0)を求めた。0.6mlの水滴を精密天秤で測り取って、サンプルに吸水させた後、5分後ごとに重量(Wt)を測定し、下式:
0.6ml拡散性残留水分率(%)={(Wt-W0)/0.6}×100により求められる水分率が10%を切った時間を乾燥時間(分)とした。
酸化チタン含有率が1.0重量%、扁平度1.0である、半延伸ポリエステル144dtex/36fをピン仮撚機にて仮撚速度100m/分、延伸倍率1.50、撚数4200になるように仮撚加工を行い、87dtex/36f、単糸繊度2.41dtexの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は2.0、扁平度の標準偏差値は0.75、捲縮復元率は39.7%、破断強度3.3cN/dtex、仮撚係数は39174であった。この糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機を用いて図1に示す組織図の給糸口F1~F6に給糸し87dtex/36fの混用率が100%、ニット比が5:1のモックロディ組織の生機を作製した。次いで、拡布状にして80℃で精錬したあと、190℃でプレセットを行い、吸水加工剤を添加して130℃×60分の染色処理をした。その後シワを取り除くために適度に生地を伸長させ170℃のファイナルセットを行って白色の生地を得た。得られた生地の目付は156g/m2、防透指数は93.9、破裂強度1150kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は55分であった。
酸化チタン含有率が2.5重量%、扁平度1.0である、半延伸ポリエステル144dtex/36fをピン仮撚機にて仮撚速度100m/分、延伸倍率1.50、撚数4200になるように仮撚加工を行い、87dtex/36f、単糸繊度2.41dtexの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は2.0、扁平度の標準偏差値は0.75、捲縮復元率は39.7%、破断強度3.1cN/dtex、仮撚係数は39174であった。この糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機を用いて図1に示す組織図の給糸口F1~F6に給糸し87dtex/36fの混用率が100%、ニット比が5:1のモックロディ組織の生機を作製した。次いで、拡布状にして80℃で精錬したあと、190℃でプレセットを行い、吸水加工剤を添加して130℃×60分の染色処理をした。その後シワを取り除くために適度に生地を伸長させ170℃のファイナルセットを行って白色の生地を得た。得られた生地の目付は160g/m2、防透指数は95.1、破裂強度1115kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は55分であった。
酸化チタン含有率が2.5重量%、扁平度1.0である、半延伸ポリエステル140dtex/72fをピン仮撚機にて仮撚速度150m/分、延伸倍率1.50、撚数4100になるように仮撚加工を行い、91dtex/72f、単糸繊度1.26dtexの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は2.1、扁平度の標準偏差値は0.60、破断強度3.4cN/dtex、捲縮復元率は35.6%、仮撚係数は39111であった。この糸を、福原精機社製36ゲージシングル丸編機で図2に示す組織図の給糸口F1、F3に、通常のポリエステル加工糸84dtex/48fをF2、F4に給糸し、91dtex/72fの混用率が51.9%、ニット比が1:1のシングルカノコ組織の生機を作製した。次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は120g/m2、防透指数は93.4、破裂強度755kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は50分であった。
実施例3と同様の91dtex/72f加工糸を用いて、福原精機社製32ゲージダブル丸編機を用いて図3に示す組織図の給糸口F1~F4に給糸し91dtex/72fの混用率が100%、ニット比3:1のフラット組織の生機を作製した。次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は195g/m2、防透指数は97.1、破裂強度1142kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は60分であった。
酸化チタン含有率が2.5重量%、扁平度1.0である、半延伸ポリエステル128dtex/72fをピン仮撚機にて仮撚速度150m/分、延伸倍率1.60、撚数4500になるように仮撚加工を行い、80dtex/72f、単糸繊度1.1dtexの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は2.5、扁平度の標準偏差値は0.92、破断強度は3.1cN/dtex、捲縮復元率は41.3%、仮撚係数は40249であった。この糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機で図1に示す組織図の給糸口F1~F6に給糸し87dtex/36fの混用率が100%、ニット比が5:1のモックロディ組織の生機を作製した。次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は155g/m2、防透指数は93.8、破裂強度612kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は60分であった。
酸化チタン含有率が2.5重量%、扁平度が1.5である半延伸ポリエステル135dtex/36fをピン仮撚機にて仮撚速度150m/分、延伸倍率1.53、撚数4200になるように仮撚加工を行い、88dtex/36f、単糸繊度2.44dtexの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は3.0、扁平度の標準偏差値は0.8、破断強度は3.6cN/dtex、捲縮復元率は36.8%、仮撚係数は38493であった。この糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機を用いて図1に示す組織図の給糸口F1~F6に給糸し84dtex/36fの混用率が100%、ニット比が5:1のモックロディ組織の生機を作製した。次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行った。得られた生地の目付は170g/m2、防透指数は96.6、破裂強度675kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は50分であった。
カールマイヤー社製28ゲージトリコット経編機を用いてフロント筬に通常のポリエステル加工糸56デシテックス24フィラメントを使用し、バック筬に実施例3と同様の91dtex/72f加工糸を用いて、図6に示すフロント筬が12/10//、バック筬が10/23//であるバックハーフ組織の生機を作製した。次いで、実施例2と同様の方法で染色加工処理を行った。得られた生地の目付は164g/m2、防透指数は95.2、破裂強度962kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は45分であった。
芯部に酸化チタンを7.0重量%含有し、鞘部に酸化チタンを0.5重量%含有した、扁平度1.0である芯鞘型半延伸ポリエステル135dtex/36fをベルトフリクション仮撚機にて仮撚速度350m/分、延伸倍率1.50、撚数3000T/mで仮撚加工を行い、88dtex/36f、単糸繊度2.44の仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は1.4、扁平ばらつきは0.28、破断強度3.3cN/dtex、捲縮復元率は26.8%、仮撚係数は28142であった。この糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機で図4に示す組織図の給糸口F1、F2に給糸し、88dtex/36fの混用率が100%、ニットループのみからなるスムース組織の生機を作製した。次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は151g/m2、防透指数は95.3、破裂強度1150kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は75分であった。
本比較例は、鞘芯型防透け糸に、単純に捲縮を強くつけた比較例である。防透性や破裂強度は満足しているが、編組織のループ比が悪く、扁平度も足りないため、吸水速乾性に劣っていた。
酸化チタン含有率が0.5重量%、扁平度1.0である半延伸ポリエステル56dtex/36fを、(株)石川製作所製IVF-910ディスクフリクションタイプ仮撚機にて仮撚速度400m/分、延伸倍率1.60、仮撚方向Zと、仮撚方向Sの仮撚糸をそれぞれ作製しインターレースノズルで、2つの糸に110個/mの交絡を与えて、72dtex/72f複合加工糸を得た。得られた加工糸の扁平度は1.9、扁平ばらつきは0.75、破断強度4.1cN/dtex、捲縮復元率は35.6%、仮撚係数は33516であった。この複合糸を、福原精機社製32ゲージダブル丸編機にて、図1に示す編組織で、第1、第3、第4、第6給糸口(F1、F3、F4、F6)に供給すると
ともに、通常のポリエステル84dtex/72f加工糸を、第2、第5給糸口(F2、F5)に供給し、72dtex/72f複合加工糸の混用率が70%のモックロディ丸編地を得た。
次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は175g/m2、防透指数は96.7、破裂強度1200kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は65分であった。
本比較例は、SZの加工糸を複合して製造したトルク0の高捲縮糸を使った編地で、防透け性を有する比較例である。捲縮復元率や、ニット比も満たしたが、扁平度が低いため、速乾性が低かった。
酸化チタン含有率が2.5重量%で、扁平度が2.0である半延伸ポリエステル135dtex/72fをピン仮撚機にて仮撚速度300m/分、延伸倍率1.61、撚数4200になるように仮撚加工を行い、84dtex/72f、単糸繊度1.16dtexの仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の扁平度は2.4、扁平度の標準偏差値は1.2、破断強度2.5cN/dtex、捲縮復元率は42.0%、仮撚係数は38493であった。この糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機を用いて図1に示す組織図の給糸口F1~F6に給糸し84dtex/72fの混用率が100%、ニット比が5:1のモックロディ組織の生機を作製した。次いで、拡布状にして80℃で精錬した
あと、190℃でプレセットを行い、吸水加工剤を添加して130℃×60分の染色処理をした。その後シワを取り除くために適度に生地を伸長させ170℃のファイナルセットを行って白色の生地を得た。得られた生地の目付は160g/m2、防透指数は95.2、破裂強度482kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は60分であった。
本比較例は、扁平度が範囲内で、扁平度ばらつきが高く範囲外の比較例である。破裂強度が未達であった。
酸化チタン含有率が2.5重量%、扁平度3.0である、W型断面の半延伸ポリエステル117dtex/30fをディスクフリクション仮撚機にて仮撚速度600m/分、延伸倍率1.40、撚数3011で仮撚加工を行い、84dtex/30f、単糸繊度2.80の加工糸を得た。得られた加工糸の扁平度は3.3扁平ばらつきは1.18、破断強度2.9cN/dtex、捲縮復元率は34.1%、仮撚係数は27660であった。この加工糸を、福原精機社製32ゲージダブル丸編機にて、図5に示す編組織で、給糸口F1に供給するとともに、通常のポリエステル89dtex/36f加工糸をF2、F4給糸口へ高収縮ポリエステル33dtex/12fをF3に供給し、W型断面84dtex/30f加工糸の混用率が25.5%、ニット比4:1のカノコ調丸編地を得た。次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は167g/m2、防透指数は92.4、破裂強度476kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は45分であった。
本比較例は、原糸から異形断面糸である防透け加工糸を使用した比較例である。異形度が高く、ニット比も満足するため吸水速乾性に優れたが、異形度のばらつきが高いため、破裂強度が低くなった。
カールマイヤー社製28ゲージトリコット経編機を用いてフロント筬に通常のポリエステル加工糸56デシテックス24フィラメントを、バック筬に比較例4と同様の84dtex/30f加工糸を用いて、図6に示すフロント筬が12/10//、バック筬が10/23//であるバックハーフ組織の生機を作製した。次いで実施例1と同様の方法で染色加工処理を行った。得られた生地の目付は165g/m2、防透指数は94.4、破裂強度571kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は60分であった。 本比較例は、比較例4(扁平度が高く、ばらつきが高い例)の糸を使用したトリコット生地の比較例である。破裂強度が悪化した。
酸化チタン含有率が2.5重量%、扁平度1.0である半延伸ポリエステル140dtex/72fを、ディスクフリクション仮撚機にて仮撚速度500m/分、延伸倍率1.70倍、撚数2900で仮撚加工を行い、86dtex/72f加工糸を得た。得られた加工糸の扁平度は1.5、扁平ばらつきは0.45、破断強度3.6cN/dtex、捲縮復元率は28.0%、仮撚係数は26893であった。この複合糸を、福原精機社製28ゲージダブル丸編機にて、ニットループのみからなるスムース組織の生機を作製した。
次いで、実施例1と同様の方法で染色加工処理を行なった。得られた生地の目付は145g/m2、防透指数は89.0、破裂強度970kPa、拡散性残留水分率測定による乾燥時間は70分であった。
本比較例は、高スピード、高延伸倍率で試作した加工糸を使った編地で、防透け性を有する比較例である。破裂強度が高いが、捲縮が低く、扁平度が低いため、防透性、速乾性が低かった。
以上の実施例1~7、比較例1~6の結果を以下の表1と2に示す。
Claims (8)
- 単糸の繊維軸方向に垂直な断面形状が扁平形であり、かつ、酸化チタン含有率が1.0~2.5重量%であるポリエステル繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を40重量%以上含む編地であって、該仮撚加工糸の単糸の、平均扁平度が2.0~3.0であり、扁平度の標準偏差値が1.0未満であり、JIS L 1013 8.12法に従い測定した該仮撚加工糸の捲縮復元率が30~50%であり、そして、該編地の、JIS L 1923 B法に従い測定した防透指数が90%以上であり、JIS L 1096 8.18 A法に従い測定した破裂強度が600kPa以上であることを特徴とする編地。
- 前記ポリエステル繊維マルチフィラメント仮撚加工糸の仮撚係数が35000~45000である、請求項1に記載の編地。
- 前記ポリエステル繊維マルチフィラメント仮撚加工糸の総繊度が56~176dtexであり、かつ、単糸繊度が0.3~5.0dtexである、請求項1又は2に記載の編地。
- 前記編地の目付が120~220g/m2である、請求項1又は2に記載の編地。
- 前記編地の、0.6ml拡散性残留水分率の測定において該水分率が10%を切る乾燥時間が60分以内である、請求項1又は2に記載の編地。
- 前記編地が丸編地であり、該丸編地を構成する編組織の(ニット):(ウェルト+タック)の比率が1:1~10:1である、請求項1又は2に記載の編地。
- 前記編地が経編地であり、該経編地を構成する編組織が、デンビ組織とコード組織の組み合わせた2バー組織、又は、該2バーの組織に挿入組織を加えた3バー組織である、請求項1又は2に記載の編地。
- 以下の工程:
単糸の繊維軸方向に垂直な断面形状が略丸形であり、かつ、酸化チタン含有率が1.0~2.5重量%であるポリエステル繊維マルチフィラメントを、ピン仮撚機を用いて、仮撚速度100~300m/分、該ポリエステル繊維の融点温度-100℃~-60℃の仮撚温度、延伸倍率1.50~1.65倍で仮撚して、単糸の平均扁平度が2.0~3.0であり、扁平度の標準偏差値が1.0未満であり、かつ、JIS L 1013 8.12法に従い測定した仮撚加工糸の捲縮復元率が30~50%である、仮撚係数35000~45000のポリエステル繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を得る工程;及び得られたポリエステル繊維マルチフィラメント仮撚加工糸を40重量%以上用いて編成して、編地を得る工程;を含む、請求項1又は2に記載の編地の製造方法。
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