JP6715633B2 - パイル布帛およびその製造方法および繊維製品 - Google Patents
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Description
しかしながら、吸水拡散性に優れたパイル布帛はこれまであまり提案されていない。
その際、前記ループパイル糸において、ねじれが1回以上であることが好ましい。また、前記ループパイル糸のパイル長が2mm以上であることが好ましい。また、前記ループパイル糸が、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、およびポリ塩化ビニル繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、前記ループパイル糸が異型断面糸であることが好ましい。また、前記ループパイル糸が、単糸数12本以上のマルチフィラメントからなることが好ましい。また、前記地組織部に、30T/m以下のトルクを有する捲縮繊維が含まれることが好ましい。また、パイル布帛が経編物であることが好ましい。
また、本発明によれば、ループパイル糸用糸条として、捲縮率が10%以下かつ30T/m以上のトルクを有する仮撚捲縮加工糸を用いて、地組織部と、該地組織部の少なくとも一方の面から伸び出たループパイル糸とを有するパイル布帛であって、前記ループパイル糸が捲縮繊維からなり、かつねじれを有するパイル布帛を製造した後、親水化剤を付与することを特徴とするパイル布帛の製造方法が提供される。
ここで、30T/m以下のトルクを有する捲縮繊維が、製造条件または繊度において互いに異なる2種以上の仮撚捲縮加工糸を含む複合糸であることが好ましい。
前記のようなパイル布帛は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。すなわち、ループパイル糸用糸条として低捲縮かつ高トルクの仮撚捲縮加工糸を用いて常法により、地組織部と、該地組織部の少なくとも一方の面から伸び出たループパイル糸とを有するパイル布帛を製編織する方法が好ましい。その際、低捲縮かつ高トルクの仮撚捲縮加工糸として、捲縮率が10%以下(より好ましくは0.1〜4.0%)かつ30T/m以上(より好ましくは30〜90T/m)のトルクを有する仮撚捲縮加工糸を用いることが特に好ましい。
その際、前記ループパイル糸が肌側に位置するように用いることが好ましいが、表面に使用してもよい。
糸サンプルに0.044cN/dtexの張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約3300dtexのカセを作成した。該カセの一端に0.0177cN/dtexおよび0.177cN/dtexの2個の荷重を負荷し、1分間経過後の長さS0(cm)を測定した。次いで、0.177cN/dtexの荷重を除去した状態で100℃の沸水中にて20分間処理した。沸水処理後0.0177cN/dtexの荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥し、再び0.0177cN/dtexおよび0.177cN/dtexの荷重を負荷し、1分間経過後の長さをS1(cm)測定した。次いで、0.177cN/dtexの荷重を除去し、1分間経過後の長さを測定してS2(cm)を求めし、次の数式で捲縮率を算出した。なお、本実施例および比較例では10回の測定値の平均値で表した。
捲縮率(%)=((S1−S2)/S0)×100
試料(捲縮糸)約70cmを横に張り、中央部に0.18mN×表示テックス(2mg/de)の初荷重を吊るした後、両端を引揃える。
糸は残留トルクにより回転しはじめるが初荷重が静止するまでそのままの状態で持ち、撚糸を得る。こうして得た撚糸を17.64mN×表示テックス(0.2g/de)の荷重下で25cm長の撚数を検撚器で測定する。得られた撚数(T/25cm)を4倍にトルク(T/m)を算出する。
JIS L1096 6.26吸水速度A法(滴下法)により測定した。
JIS L1096 6.26により、パイル面から滴下し、表裏の拡散径を測定した。
端部(根元)から端部(先端)までのねじれの回数をn数5で測定しその平均を求めた。
地組織部用として、セミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸110dtex/72filからなる糸種1、セミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸110dtex/72filからなる糸種2を用意した。
一方、セミダルポリエチレンテレフタレート(艶消し剤の含有率0.3重量%)を用いて通常の紡糸装置から280℃で溶融紡糸し、2800m/分の速度で引取り、延伸することなく巻取り、半延伸されたポリエステル糸条(単糸繊維の断面形状:偏平断面)を得た。次いで、該ポリエステル糸条を用いて、仮撚数2633T/m、ヒーター温度(第1ヒーター160℃、第2ヒーター170℃)、糸速140m/分の条件で2ヒーター仮撚捲縮加工方式の同時延伸仮撚捲縮加工を行い、総繊度84dtex/36filの仮撚捲縮加工糸(捲縮率2.5%、トルク53.6T/m)を得てループパイル糸用糸種3とした。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地は、パイル糸が地組織部の面と直交する方向に対して傾斜を有して伸び出ており、かつ捩れを有しており、鎖状の外観を呈していた。また、吸水拡散径はパイル面を裏面とした場合、表面の吸水拡散径が2倍以上であり、パイル面にほとんど水分が残らなかった。
次いで、該編地(パイル布帛)を、ループパイル糸が肌側に位置するようにTシャツ(スポーツウエア―)を得て着用したところ、汗冷えを防ぐことができた。
地組織部用として、セミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸110dtex/72filからなる糸種1、セミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸110dtex/72filからなる糸種2を用意した。
一方、セミダルポリエチレンテレフタレート(艶消し剤の含有率0.3重量%)を用いて通常の紡糸装置から280℃で溶融紡糸し、2800m/分の速度で引取り、延伸することなく巻取り、半延伸されたポリエステル糸条145dtex/36fil(単糸繊維の断面形状:丸断面)を得た。次いで、該ポリエステル糸条を用いて、延伸倍率1.6倍、仮撚数3568T/m、ヒーター温度(第1ヒーター200℃、第2ヒーター200℃)、糸速140m/分の条件で2ヒーター仮撚捲縮加工方式の同時延伸仮撚捲縮加工を行い、総繊度84dtex/36filの仮撚捲縮加工糸(捲縮率22.0%、トルク5.0T/m)を得てループパイル糸用糸種3とした。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地は、パイル糸が捲縮を有するものの、図2に模式的に示すように塊状になっており、地組織部の面に対して伸び出ているものではなかった。また、パイル面を裏面とした場合、裏面に水を滴下したところ、裏面に水が残った。
次いで、該編地(パイル布帛)を、ループパイル糸が肌側に位置するようにTシャツ(スポーツウエア―)を得て着用したところ、汗が残り不快であった。
地組織部用として、セミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸110dtex/72filからなる糸種1、セミダルポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸110dtex/72filからなる糸種2を用意した。
一方、セミダルポリエチレンテレフタレート(艶消し剤の含有率0.3重量%)を用いて通常の紡糸装置から280℃で溶融紡糸し、2800m/分の速度で引取り、延伸することなく巻取り、半延伸されたポリエステル糸条145dtex/36fil(単糸繊維の断面形状:丸断面)を得た。次いで、該ポリエステル糸条を用いて、延伸倍率1.6倍、仮撚数3148T/m、ヒーター温度(第1ヒーター130℃、第ヒーター170℃)、糸速140m/分の条件の条件で2ヒーター仮撚捲縮加工方式の同時延伸仮撚捲縮加工を行い、総繊度84dtex/36filの仮撚捲縮加工糸(捲縮率3.2%、トルク5.0T/m)を得てループパイル糸用糸種3とした。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地は、パイル糸が図3のようにねじれたパイルを有するものではなかった。また、パイル面を裏面とした場合、裏面に水を滴下したところ、裏面に水が残った。
次いで、該編地(パイル布帛)を、ループパイル糸が肌側に位置するようにTシャツ(スポーツウエア―)を得て着用したところ、汗が残り不快であり、ループがひっかかりやすく、物性面でも十分なものが得られなかった。
地組織部用として、S方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸とZ方向のトルクを有する仮撚捲縮加工糸との複合糸に交絡が交絡の個数50個/mの範囲内で付与され、かつ30T/m以下のトルクを有する複合仮撚捲縮加工糸66dtex/72filからなる糸種1、および糸種1と同じ糸種2を用意した。
一方、セミダルポリエチレンテレフタレート(艶消し剤の含有率0.3重量%)を用いて通常の紡糸装置から280℃で溶融紡糸し、2800m/分の速度で引取り、延伸することなく巻取り、半延伸されたポリエステル糸条(単糸繊維の断面形状:偏平断面)を得た。次いで、該ポリエステル糸条を用いて、仮撚数2633T/m、ヒーター温度(第1ヒーター160℃、第2ヒーター170℃)、糸速140m/分の条件で2ヒーター仮撚捲縮加工方式の同時延伸仮撚捲縮加工を行い、総繊度84dtex/36filの仮撚捲縮加工糸(捲縮率2.5%、トルク53.6T/m)を得てループパイル糸用糸種3とした。
次いで、該編地を染色工程で親水化剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)と同浴処理を行うことにより、該編地に吸水性を付与した。
得られた編地は、パイル糸が地組織部の面と直交する方向に対して傾斜を有して伸び出ており、かつ捩れを有しており、鎖状の外観を呈していた。また、吸水拡散径はパイル面を裏面とした場合、表面の吸水拡散径が2倍以上であり、パイル面にほとんど水分が残らなかった。
次いで、該編地(パイル布帛)を、ループパイル糸が肌側に位置するようにTシャツ(スポーツウエア―)を得て着用したところ、汗冷えを防ぐことができた。
2:ループパイル糸
3:地組織部
4:ループパイル糸
5:地組織部
6:ループパイル糸
Claims (10)
- 地組織部と、該地組織部の少なくとも一方の面から伸び出たループパイル糸を有するパイル布帛であって、前記ループパイル糸が捲縮繊維からなり、かつねじれを有し、親水化剤を付与してなることを特徴とするパイル布帛。
- 前記ループパイル糸において、ねじれが1回以上である、請求項1に記載のパイル布帛。
- 前記ループパイル糸のパイル長が2mm以上である、請求項1または請求項2に記載のパイル布帛。
- 前記ループパイル糸が、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、およびポリ塩化ビニル繊維からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のパイル布帛。
- 前記ループパイル糸が異型断面糸である、請求項1〜4のいずれかに記載のパイル布帛。
- 前記ループパイル糸が、単糸数12本以上のマルチフィラメントからなる、請求項1〜5のいずれかに記載のパイル布帛。
- 前記地組織部に、30T/m以下のトルクを有する捲縮繊維が含まれる、請求項1〜6のいずれかに記載のパイル布帛。
- パイル布帛が経編物である、請求項1〜7のいずれかに記載のパイル布帛。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のパイル布帛を用いてなる、下着、スポーツウエア、アウトドアウエア、裏地、紳士衣服、婦人衣服の群より選ばれるいずれかの繊維製品。
- ループパイル糸用糸条として、捲縮率が10%以下かつ30T/m以上のトルクを有する仮撚捲縮加工糸を用いて、
地組織部と、該地組織部の少なくとも一方の面から伸び出たループパイル糸とを有するパイル布帛であって、前記ループパイル糸が捲縮繊維からなり、かつねじれを有するパイル布帛を製造した後、親水化剤を付与することを特徴とするパイル布帛の製造方法。
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