JP7139212B2 - コネクタ - Google Patents

Description

本開示は、コネクタに関する。

従来、２つのケーブルを接続するコネクタが用いられている。このようなコネクタとして、特許文献１には、金属製のバネを用いて嵌合状態を維持するものが開示されている。

ＷＯ２０１８／０５０９８０

ケーブル同士を接続するコネクタは、その機動性を向上させるために、少しでも小型化されることが望まれている。
本開示の一局面においては、小型化を図ることができるコネクタを提供することが望ましい。

本開示の一態様は、２つのケーブルを接続するコネクタであって、第１ハウジングと、第２ハウジングと、を備える。第１ハウジングは、２つのケーブルのうちの一方のケーブルと電気的に接続する第１端子を保持する。第２ハウジングは、２つのケーブルのうちの他方のケーブルと電気的に接続する第２端子を保持する。

上述した第１ハウジングは、挿入部と、変位部と、を備える。挿入部は、所定方向に長さを有する柱状である。変位部は、挿入部の外周面に設けられ、所定方向と交差する方向である交差方向に弾性変位可能である移動片を備える。

上述した第２ハウジングは、第１端子と第２端子とが電気的に接続する位置である係止位置まで、挿入部を挿入可能に構成された筒状部を備える。
筒状部は、移動片が弾性変位していない状態では、移動片と当接することで、挿入部の係止位置までの挿入を抑制すると共に、移動片が挿入部の中心軸側の位置である内側位置まで弾性変位している状態では、挿入部の係止位置までの挿入及び係止位置からの抜去が可能に構成されている。また筒状部は、挿入部が係止位置にあるときに、移動片の内側位置よりも外側への移動を許容すると共に、移動片と係止して、挿入部が筒状部から抜去されることを抑制するように構成された係止部を備える。

このような構成であれば、変位部の弾性力を利用して、移動片と係止部との係止により第１ハウジングと第２ハウジングとの嵌合状態が維持される。変位部は挿入部の外周面に配置されており、第１ハウジングと第２ハウジングとを嵌合させる際には、移動片が挿入部の中心軸側（即ち、内側）に向かって変位する。そのため、移動片が変位するための空間を第２ハウジングの筒状部側に形成する必要がないので、第２ハウジングの小型化が可能となり、コネクタ全体の小型化を図ることができる。

上述したコネクタでは、第１ハウジングが保持する第１端子が、挿入部に配置されていてもよい。
仮に、第１端子を挿入部の外部に設けると、第１ハウジングが大きくなってしまう。しかしながらこのような構成であれば、第１端子を挿入部の内部に設けることで、第１端子によって第１ハウジングが大型化してしまうことを抑制できる。

上述した挿入部には、中心軸側に窪んだ溝部が形成されていてもよい。変位部は、少なくともその一部が溝部に配置されていてもよい。このような構成であれば、変位部の挿入部からの突出量を低減することができるため、筒状部の小型化が可能となり、コネクタ全体の小型化を図ることができる。

また上述したコネクタにおいて、変位部は、第１ハウジングに固定される板状の固定部と、屈曲部を介して固定部と連接され、固定部と対向する対向面を有する可動部と、を備えるバネ部材であってもよい。さらに、移動片は、可動部に設けられていてもよい。

このような構成であれば、折り曲げられた形状のバネ部材によって好適な弾性反発力を得ることができるため、移動片と係止部との係止を好適に実現することができる。またバネ部材は、折り曲げられた形状であるため可動域が大きくなることから、耐久性が向上する。

上述した変位部は、屈曲部が挿入部の突出方向側となるように配置されてもよい。このような構成であれば、バネ部材の自由端が挿入部の根元側に位置することとなるため、挿入部を筒状部に挿入するときにバネ部材の破損が生じ難くなる。

また上述したコネクタにおいて、移動片は、変位部における挿入部の突出方向と反対方向側の部分に設けられていてもよい。
例えば筒状部によって移動片が内側位置に向かって押圧されている状態では、摩擦力が生じるため、挿入部と筒状部の相対的な移動に、より大きな力が必要となってしまう。しかしながら移動片が上述した配置であれば、挿入部を筒状部に深く挿し込むまでは移動片と筒状部とが当接しないため、着脱操作をより広い範囲でスムーズに行わせることが可能となる。

また上述したコネクタにおいて、第１ハウジングには、挿入部の外側に配置されると共に、挿入部が係止位置まで筒状部に挿入された状態で、筒状部の周囲を覆う筒状のカバー部が設けられていてもよい。

このような構成であれば、第１ハウジングと第２ハウジングとが接続されたときに、カバー部によって挿入部が覆われるため、第１端子及び第２端子の破損を抑制することができる。

上述したカバー部の内側面には、周方向に拡がる第１環状部が設けられていてもよい。筒状部の外側面には、周方向に拡がる第２環状部が設けられていてもよい。第１環状部及び第２環状部は、挿入部が係止位置まで筒状部に挿入されたときに互いに接触して防水構造を形成してもよい。このような構成であれば、コネクタに防水機能を付与することができ、第１端子及び第２端子の高度な保護を実現できる。

上述した第２環状部は、筒状部における少なくともその周囲の部分よりも外側に突出した部分を含んでもよい。このような構成であれば、第１環状部と第２週壁部とを良好に接触させることができる。

また、上述した第１環状部及び第２環状部の少なくともいずれか一方は、弾性変形可能な柔軟性を有する材料にて構成されていてもよい。このような構成であれば、第１環状部と第２環状部とを良好に接触させることができる。

また、上述した第１環状部及び第２環状部の少なくともいずれか一方は、突出した先端の断面形状が尖った形状であってもよい。このような構成であれば、摩擦力が過剰に大きくなってしまうことを抑制できる。

また、上述した本開示の一態様のコネクタにおいて、一方のケーブルは、電動作業機に接続され、前記他方のケーブルは、前記電動作業機に電力を供給するバッテリーに接続されていてもよい。このような構成であれば、当該コネクタを用いて、電動作業機とバッテリーとの接続を実現できる。

図１Ａは実施形態のコネクタの正面図であり、図１Ｂは本実施形態のコネクタの底面図であり、図１Ｃは図１ＢのＩＣ－ＩＣ断面図である。 実施形態のコネクタを用いて接続された電動作業機とバッテリーとを示す図である。 図３Ａは第１ハウジングの底面図であり、図３Ｂは図３Ａの部分断面図である。 図４Ａは第１ハウジングの側面図であり、図４Ｂは図４ＡのＩＶＢ－ＩＶＢ断面図であり、図４Ｃは図４ＡのＩＶＣ－ＩＶＣ断面図である。 図５Ａは第１ハウジングの底面図であり、図５Ｂは図５Ａの部分断面図である。 図６Ａは第２ハウジングの側面図であり、図６Ｂは図６ＡのＶＩＢ－ＶＩＢ断面図である。 図７Ａ及び図Ｂは図１Ｃと同じ平面による断面図であって、図７Ａは挿入部が筒状部に挿入される途中の状態であり、図７Ｂは図７Ａよりも深く挿入され、移動片が中心軸側に最も移動した状態を示す図である。 図８Ａは、係止状態である第１ハウジングと第２ハウジングを示す断面図であり、図８Ｂは、係止状態から僅かに第１ハウジングと第２ハウジングとが離れたときの断面図であり、図８Ｃは、給電を許可するための信号を通信に用いられる端子の接触が解除されたときの断面図であり、図８Ｄは、給電のための端子の接触が解除されたときの断面図である。

以下に本開示の実施形態を図面と共に説明する。
［１．実施形態］
［１－１．全体構成］
図１Ａ－１Ｃに示す本開示のコネクタ１は、２つのケーブル（ケーブル３ａ及びケーブル３ｂ）を接続するコネクタである。コネクタ１を介して２つのケーブルを接続することで、各ケーブルに接続された複数の装置の間で、電力供給、通信、又はそれらの両方などが実現可能となる。なお、図１Ｃ及びそれ以降の断面図では、ケーブル内部の電線については表示を省略する。

本実施形態では、図２に示されるように、電動作業機５と、電動作業機５に電力を供給するバッテリー７と、の接続を行う。電動作業機５はチェーンソーである。バッテリー７は、バッテリー保持ユニット９に設けられている。バッテリー保持ユニット９は、１つ以上のバッテリー７を着脱可能に保持するが、バッテリー７が着脱不能に備えられていてもよい。

コネクタ１は、第１ハウジング１１と、第２ハウジング１２と、を備える。図１Ｂに示されるように、第１ハウジング１１と第２ハウジング１２は、指示マーク１１ａと指示マーク１２ａとが向かい合う予め定められた位置で嵌合可能である。

第１ハウジング１１は、ケーブル３ａと電気的に接続する複数の端子（後述する端子５１－端子５５）を保持する。第２ハウジング１２は、ケーブル３ｂと電気的に接続する複数の端子（後述する端子５６－端子６０）を保持する。なお、端子５１－端子５５が本開示における第１端子に相当し、端子５６－端子６０が本開示における第２端子に相当する。本実施形態では、ケーブル３ａは電動作業機５に接続され、ケーブル３ｂはバッテリー７に接続される。

［１－２．第１ハウジング］
図１Ｃ、図３Ａ－３Ｂ、及び図４Ａ－４Ｃに示されるように、第１ハウジング１１は、挿入部２１と、カバー部２２と、変位部３１と、を備える。

挿入部２１は、所定方向に長さを有する柱状の形状である。ここでいう所定方向とは、第１ハウジング１１と第２ハウジング１２とを連結する際に、第１ハウジング１１が第２ハウジング１２に対して相対的に移動する方向である。

カバー部２２は、上述した所定方向を軸方向とする筒状の形状であって、挿入部２１の外側にて挿入部２１の側面を囲うように配置される。カバー部２２の内側面には、周方向に拡がる第１環状部２５が設けられている。ここでいう周方向とは、カバー部２２の軸を中心とする円周方向である。

変位部３１は、挿入部２１の外周面２３に設けられる。変位部３１は弾性変形が可能なバネ部材であって、図３Ｂに示されるように、固定部３２と、屈曲部３３と、可動部３４と、を備える。変位部３１は、例えば、金属の薄板をプレス加工することで製造されたものであってもよい。

固定部３２は、第１ハウジング１１に固定される板状の部分である。なお、ここでいう第１ハウジング１１への固定とは、屈曲部３３及び可動部３４に対して、相対的に第１ハウジング１１に対して変位が制限された状態であることを意味する。本実施形態では固定部３２の一部が第１ハウジング１１に対して固定されているが、固定部３２は間接的に第１ハウジング１１に固定されていてもよい。

固定部３２は、屈曲部３３及び可動部３４よりも幅方向の大きさがわずかに大きい。可動部３４は、固定部３２と対向する対向面を有する部分である。固定部３２と可動部３４とは、屈曲部３３を介して連接される。固定部３２は、屈曲部３３が挿入部２１の突出方向側、即ち第２ハウジング１２に近い側に位置するように配置される。変位部３１の可動部３４には、移動片３５が設けられている。

移動片３５は、可動部３４の一部が屈曲して、挿入部２１から離れる方向に突出した部分である。移動片３５は、変位部３１における挿入部２１の突出方向と反対方向側の部分（即ち、挿入部２１の根元に近い部分）に設けられている。

変位部３１の配置をより詳細に説明する。挿入部２１には、当該挿入部２１の中心軸側に窪んだ溝部２４が形成されている。変位部３１は、固定部３２が、溝部２４に配置されている。溝部２４は、図４Ａに示されるように、中心軸側の奥部２４ａが固定部３２の幅に合わせて若干広く形成されている。固定部３２はその奥部２４ａに挿入されるため、移動範囲が制限されている。

変位部３１は上述した構成であるため、可動部３４が、上述した所定方向と交差する方向である交差方向に弾性変位可能である。言い換えると、可動部３４は、固定部３２に接近したり離れたりするように弾性変位可能である。移動片３５は、可動部３４と共に変位することから、上述した交差方向に弾性変位可能である。

図４Ａ－４Ｃに示されるように、第１ハウジング１１が保持する端子５１－端子５５は、挿入部２１に配置されている。より詳細には、端子５１－端子５５は、挿入部２１に形成された上述した所定方向に貫通する貫通孔５１ａ－貫通孔５５ａの内部に配置されている。

端子５１－端子５３は、電力供給用の端子である。端子５４－端子５５は、通信用の端子である。本実施形態では、バッテリーと電気機械との間で、端子５４は給電を許可するための信号を通信するために用いられる。また、端子５５は、相手方装置を識別するための信号を通信するために用いられる。

［１－３．第２ハウジング］
図１Ｃ、図５Ａ－５Ｃ、及び図６Ａ－６Ｂに示されるように、第２ハウジング１２は、筒状部４１を備える。筒状部４１は、挿入部２１を挿入可能である。挿入部２１を筒状部４１の最も奥まで挿入すると、第１ハウジング１１の端子５１－５５と、第２ハウジング１２の端子５６－６０と、が電気的に接続する。このときの挿入部２１の相対的な位置を、以下の説明では、係止位置と記載する。また、係止位置まで挿入部２１が筒状部４１に挿入されたときのコネクタ１の状態を係止状態と記載する。

筒状部４１は、係止部４２を備える。この係止部４２は、筒状部４１に設けられた貫通孔であり、移動片３５が挿入可能な広さを有している。そのため係止部４２は、挿入部２１が係止位置にあるときには移動片３５が係止部４２の内部に進入し、移動片３５と係止する。

また筒状部４１の外側面には、周方向に拡がる第２環状部４３が設けられている。ここでいう周方向とは、筒状部４１の軸を中心とする円周方向である。この第２環状部４３は、筒状部４１の他の部分とは別の材料で構成されている。この材料は、エラストマなどの弾性変形可能な柔軟性を有する材料であって、第１ハウジング１１及び第２ハウジング１２よりも柔らかく剛性の低い材料を用いることができる。具体的には、第２環状部４３には、ＴＰＥ（Thermoplastic Elastomers、熱可塑性エラストマ）、ＰＶＣ（Polyvinyl Chloride、ポリ塩化ビニル）などの材料を用いることができる。

第２環状部４３は、筒状部４１における少なくともその周囲の部分よりも外側に突出した２つの突出部４４を含む。図５Ｃに示されるように、２つの突出部４４における筒状部４１の軸と平行な平面による断面形状は、外側方向の先端が尖った形状である。ここでいう外側方向とは、係止状態においてカバー部２２の第１環状部２５に向かう方向である。

図６Ｂに示されるように、第２ハウジング１２が保持する端子５６－端子６０は、筒状部４１の内部に配置されており、筒状部４１の底面４５から開口部に向かって延び出している。端子５６－端子５８は、電力供給用の端子である。端子５９－端子６０は、通信用の端子である。端子５９は端子５４と接続し、端子６０は端子５５と接続する。

［１－４．第１ハウジングと第２ハウジングとの嵌合］
図１Ｃ及び図７Ａ－７Ｂを用いて、第１ハウジング１１と第２ハウジング１２との嵌合時の挙動を説明する。

図７Ａに示されるように、移動片３５が弾性変位していない状態（荷重が加えられていない状態）では、筒状部４１は、移動片３５と当接することで、挿入部２１の係止位置までの挿入を抑制する。

挿入が抑制された状態は、移動片３５に対して荷重が加わって移動片３５が挿入部２１の中心軸側に弾性変位することで解除される。本実施形態では、挿入部２１を筒状部４１に挿入するように所定以上の大きさの力を加えると、変位部３１が弾性変形して可動部３４が固定部３２側に変位し、それに伴って移動片３５も変位する。

図７Ｂに示されるように、移動片３５が挿入部２１の中心軸側の位置である内側位置まで弾性変位している状態では、移動片３５が筒状部４１の端部と当接することにより挿入を阻害することがなく、挿入部２１の係止位置までの挿入が可能となる。

図１Ｃに示されるように、係止部４２は、挿入部２１が係止位置にあるときに、移動片３５の内側位置よりも外側への移動を許容する。それにより移動片３５が係止部４２の内部に進入して係止部４２と移動片３５とが係止して、挿入部２１が筒状部４１から抜去されることを抑制する。

また、係止状態において、所定以上の力で第１ハウジングと第２ハウジングを引き離すことで、変位部が弾性変形し、図７Ｂに示される内側位置まで移動片が変位した状態となる。この状態では、挿入部２１の係止位置からの抜去が可能である。

カバー部２２は、上述した係止状態では、筒状部４１の周囲を覆う。そして、第１環状部２５と、第２環状部４３の突出部４４と、が互いに接触する。突出部４４は、第１環状部２５の内径よりも大きい外径を有しているため、内側に向かって弾性変形する。突出部４４は高い柔軟性を有しているため、突出部４４と第１環状部２５とは密着する。このようにして、第１環状部２５及び第２環状部４３は、挿入部２１が係止位置まで筒状部４１に挿入されたときに防水構造を形成する。

［１－５．嵌合による端子の接続について］
図８Ａ－８Ｄを用いて、端子の接続状態について説明する。
図８Ａに示されるように、係止状態である第１ハウジング１１と第２ハウジング１２の各端子は、いずれも対応する端子と接触している。図８Ａでは、端子５１と端子５６、端子５４と端子５９、端子５５と端子６０がそれぞれ接触している状態が示されている。

図８Ｂに示されるように、係止状態から僅かに第１ハウジング１１と第２ハウジング１２とが離れても、全ての端子は相手方の端子と接触している。
図８Ｃに示される位置まで第１ハウジング１１と第２ハウジング１２を離すと、端子５４と端子５９の接触が解除される。しかしながら、他の端子は相手方の端子と接触したままである。接触が解除された端子５４と端子５９は、給電を許可するための信号を通信するために用いられる端子であるため、図８Ｃに示される位置まで第１ハウジング１１と第２ハウジング１２とが離れると、バッテリーからの給電が中止される。

図８Ｄに示される位置まで第１ハウジング１１と第２ハウジング１２を離すと、全ての端子が相手方の端子と離れる。
このように、コネクタ１は最初に給電を許可するための信号を通信する端子の接触が解除されるように構成されているため、第１ハウジング１１と第２ハウジング１２とを外すと、まず給電が中止され、その後、給電用の端子の接触が解除される。そのため、給電用の端子の損傷が発生してしまうことを抑制できる。仮に、例えば端子５１と端子５６の接触が解除されるときまでそれらの端子を用いた給電が行われていると、端子５１と端子５６が離れるタイミングでアークが発生し、端子が損傷してしまうおそれがある。しかしながら、本実施形態のコネクタ１では、そのような危険が低減される。

なお本実施形態では、端子５９の突出量が端子５６の突出量より小さいことで、上述したように先に給電を許可する信号を切断する構成を実現した。しかしながら、給電を許可するための信号を通信するために用いられる２つの端子の切断が、給電のための端子の切断よりも早く行われる構成であれば、上記の構成に限定されない。切断のタイミングは、組み合わせる端子の相対的な位置関係を調整することで、容易に調整できる。例えば、端子５９の突出量を端子５６と同じにして、端子５４を端子５１よりも挿入部２１の奥に配置することでも実現できる。

［１－６．効果］
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
（１ａ）コネクタ１では、変位部３１の弾性力を利用して、移動片３５と係止部４２との係止により第１ハウジング１１と第２ハウジング１２との嵌合状態が維持される。変位部３１は挿入部２１の外周面２３に配置されており、第１ハウジング１１と第２ハウジング１２とを嵌合させる際には、移動片３５が挿入部２１の中心軸側（即ち、内側）に向かって変位する。そのため、移動片３５が変位するための空間を第２ハウジング１２の筒状部側に形成する必要がないので、第２ハウジング１２の小型化が可能となり、コネクタ全体の小型化を図ることができる。

（１ｂ）第１ハウジング１１が保持する端子は、挿入部２１の内部に設けられている。仮に挿入部２１の外部に端子を設けると第１ハウジング１１が大きくなってしまうが、挿入部２１の内部に端子を設けることで、第１ハウジング１１全体として大型化してしまうことを抑制できる。

（１ｃ）変位部３１の少なくとも一部が溝部２４に配置されているため、変位部３１の挿入部２１からの突出量を低減することができ、それにより筒状部４１の小型化が可能となり、コネクタ全体の小型化を図ることができる。

（１ｄ）変位部３１がバネ部材であることにより、第１ハウジング１１と第２ハウジング１２との良好な嵌合強度を得ることができる。また、変位部３１は折り曲げられたバネ形状であるため、バネの可動域が大きくなり、バネの耐久性が向上する。

また、変位部３１の可動部３４の自由端が挿入部２１の根元側に位置することとなるため、挿入部２１を筒状部４１に挿入する場合に、バネ部材の破損が生じ難くなる。
また、移動片３５が内側位置に向かって筒状部４１により押圧されている状態では、移動片３５と筒状部４１との間に摩擦力が生じるため、挿入部２１と筒状部４１の相対的な移動に、より大きな力が必要となってしまう。しかしながら移動片３５が上述した配置であれば、挿入部２１を筒状部４１に深く挿し込むまでは移動片３５と筒状部４１とが当接しないため、着脱操作をより広い範囲でスムーズに行わせることが可能となる。

（１ｅ）第１ハウジング１１には、筒状のカバー部２２が設けられているため、端子のより高度な保護が可能となる。さらに、カバー部２２の第１環状部２５と筒状部４１の第２環状部４３とによって防水構造を形成することで、防水機能を高めることができる。

なお、第２環状部４３は、筒状部４１における少なくともその周囲の部分よりも外側に突出した突出部４４を含むため、第１環状部２５と良好に接触することができ、防水機能を向上させることができる。さらに、突出部４４は、突出した先端の断面形状が尖った形状であるため、摩擦力が過剰に大きくなってしまうことを抑制できる。それにより、着脱の容易さ、及び、移動片３５が溝部２４に挿入したときのクリック感などを損なってしまうことを抑制できる。また、第２環状部４３は弾性変形可能な柔軟性を有する材料にて構成されていることから、高い密着性を得ることができ、防水機能を向上させることができる。

［２．その他の実施形態］
以上本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。

（２ａ）本開示のコネクタの形状は、上記実施形態のコネクタ１の形状に限定されない。例えば、上記実施形態では円柱状の挿入部２１と円筒状の筒状部４１とを例示したが、挿入部が筒状部に挿入可能であれば挿入部と筒状部の具体的な形状は特に限定されない。例えば、挿入部が直方体であり、筒状部が角筒形状であってもよい。

（２ｂ）上記実施形態では、変位部３１がバネ部材であって、折り曲げた板状の形状である構成を例示した。しかしながら移動片が弾性変位可能であれば、変位部の構成は特に限定されない。例えば、上記実施形態で開示した形態以外の形態のバネ部材であってもよいし、バネ部材以外のゴムなどの弾性体を用いてもよい。また、第１ハウジングの一部を、切り欠きを形成するなどにより弾性変位可能に構成し、その部分に移動片を設けてもよい。

また上記実施形態では、変位部３１が挿入部２１の溝部２４に設けられる構成を例示したが、挿入部２１には溝部２４が形成されていなくてもよく、また、変位部３１は溝部２４ではない部分に設けられていてもよい。

また上記実施形態では、移動片３５が変位部３１における挿入部２１の突出方向と反対方向側の部分に設けられている構成を例示したが、移動片３５が設けられる位置は特に限定されず、例えば変位部３１における上記突出方向側に設けられていてもよい。

（２ｃ）上記実施形態では、第１ハウジング１１がカバー部２２を備える構成を例示した。しかしながら、第１ハウジング１１には、カバー部２２が設けられていなくてもよい。また、カバー部２２とは異なる形状のカバー部を備えていてもよい。また、カバー部によって防水機構が構成されていなくてもよい。

（２ｄ）上記実施形態では、第２環状部４３に突出部４４が設けられ、第１環状部２５に向かって突出する構成を例示したが、第２環状部４３に替えて第１環状部２５が第２環状部４３に向けて突出していてもよいし、第１環状部２５及び第２環状部４３のいずれも突出していてもよいし、第１環状部２５及び第２環状部４３のいずれも突出していなくてもよい。また、上記実施形態では先端が尖った形状である突出部４４を例示したが、この形状に限定されない。例えば、いわゆる突出部４４に替えて、Ｏリングを用いてもよい。

（２ｅ）上記実施形態では、第１ハウジング１１及び第２ハウジング１２にそれぞれ５つの端子を配置する構成を例示したが、端子は各ハウジングに１つ以上設けられていれば、その具体的な数は特に限定されない。また、第１端子（端子５１－５５）は第１ハウジング１１の挿入部２１に配置される構成を例示したが、挿入部２１以外の位置に配置されていてもよい。また第１端子は、挿入部２１において、挿入部２１の外側に突出するように配置されていてもよい。

（２ｆ）上記実施形態では、電動作業機の一例としてチェーンソーを例示したが、本開示のコネクタは、バッテリーから電力が供給されるよう構成された各種の電動作業機とバッテリーとの接続に対して適用できる。電動作業機としては、例えば、電動ハンマ、電動ハンマドリル、電動ドリル、電動ドライバ、電動レンチ、電動グラインダ、電動レシプロソー、電動ジグソー、電動ハンマ、電動カッター、電動カンナ、電動釘打ち機（鋲打ち機を含む）、電動ヘッジトリマ、電動芝刈り機、電動芝生バリカン、電動刈払機、電動クリーナ、電動ブロア、等が例示される。もちろん、本開示のコネクタは、電動作業機とバッテリーとの接続以外に用いられてもよい。

（２ｇ）上記実施形態における１つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、１つの構成要素が有する１つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、１つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される１つの機能を、１つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。

１…コネクタ、３ａ…ケーブル、３ｂ…ケーブル、５…電動作業機、７…バッテリー、９…バッテリー保持ユニット、１１…第１ハウジング、１１ａ…指示マーク、１２…第２ハウジング、１２ａ…指示マーク、２１…挿入部、２２…カバー部、２３…外周面、２４…溝部、２４ａ…奥部、２５…第１環状部、３１…変位部、３２…固定部、３３…屈曲部、３４…可動部、３５…移動片、４１…筒状部、４２…係止部、４３…第２環状部、４４…突出部、４５…底面、５１～６０…端子、５１ａ～５５ａ…貫通孔

Claims (13)

1. 第１ケーブルと第２ケーブルとを接続するコネクタであって、
   前記第１ケーブルと電気的に接続する第１電力供給用端子及び第２電力供給用端子を保持する第１ハウジングと、
   前記第２ケーブルと電気的に接続し、前記第１電力供給用端子及び前記第２電力供給用端子にそれぞれ対応する第３電力供給用端子及び第４電力供給用端子を保持する第２ハウジングと、を備え、
   前記第１ハウジングは、
   前記第２ハウジングへの挿入方向に長さを有する柱状の挿入部と、
   前記挿入方向と交差する方向である交差方向に互いに対向するように前記挿入部の外周面に設けられた一対の変位部であって、各々が前記交差方向に弾性変位可能である移動片を備える一対の変位部と、を備え、
   前記挿入方向から見たときに、前記第１電力供給用端子及び／又は前記第２電力供給用端子は、前記交差方向において前記一対の変位部が並んでいる列から逸脱して前記挿入部に配置され、
   前記第２ハウジングは、前記第１電力供給用端子と前記第２電力供給用端子とが前記第３電力供給用端子と前記第４電力供給用端子とにそれぞれ電気的に接続する位置である係止位置まで、前記挿入部を挿入可能に構成された筒状部を備え、
   前記筒状部は、前記一対の変位部の各々の前記移動片が弾性変位していない状態では、前記移動片と当接することで、前記挿入部の前記係止位置までの挿入を抑制すると共に、前記移動片が前記挿入部の中心軸側の位置である内側位置まで弾性変位している状態では、前記挿入部の前記係止位置までの挿入及び前記係止位置からの抜去が可能に構成されており、
   また前記筒状部は、前記挿入部が前記係止位置にあるときに、前記一対の変位部の各々の前記移動片の前記内側位置よりも外側への移動を許容すると共に、前記移動片と係止して、前記挿入部が前記筒状部から抜去されることを抑制するように構成された一対の係止部を備える、コネクタ。
2. 請求項１に記載のコネクタであって、
   前記挿入部には、前記中心軸側に窪んだ一対の溝部が形成されており、
   前記一対の変位部は、少なくともそれらの一部が、前記一対の溝部にそれぞれ配置されている、コネクタ。
3. 請求項１又は請求項２に記載のコネクタであって、
   前記一対の変位部の各々は、前記第１ハウジングに固定される板状の固定部と、屈曲部を介して前記固定部と連接され、前記固定部と対向する対向面を有する可動部と、を備えるバネ部材であって、
   前記一対の変位部の各々の前記移動片は、前記可動部に設けられている、コネクタ。
4. 請求項３に記載のコネクタであって、
   前記一対の変位部の各々は、前記屈曲部が前記挿入部の突出方向側となるように配置される、コネクタ。
5. 請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のコネクタであって、
   前記一対の変位部の各々の前記移動片は、前記一対の変位部の各々における前記挿入部の突出方向と反対方向側の部分に設けられている、コネクタ。
6. 請求項１から請求項５のいずれか１項に記載のコネクタであって、
   前記第１ハウジングには、前記挿入部の外側に配置されると共に、前記挿入部が前記係止位置まで前記筒状部に挿入された状態で、前記筒状部の周囲を覆う筒状のカバー部が設けられている、コネクタ。
7. 請求項６に記載のコネクタであって、
   前記カバー部の内側面には、周方向に拡がる第１環状部が設けられており、
   前記筒状部の外側面には、周方向に拡がる第２環状部が設けられており、
   前記第１環状部及び前記第２環状部は、前記挿入部が前記係止位置まで前記筒状部に挿入されたときに互いに接触して防水構造を形成する、コネクタ。
8. 請求項７に記載のコネクタであって、
   前記第２環状部は、前記筒状部における少なくともその周囲の部分よりも外側に突出した部分を含む、コネクタ。
9. 請求項７又は請求項８に記載のコネクタであって、
   前記第１環状部及び前記第２環状部の少なくともいずれか一方は、弾性変形可能な柔軟性を有する材料にて構成されている、コネクタ。
10. 請求項７から請求項９のいずれか１項に記載のコネクタであって、
    前記第１環状部及び前記第２環状部の少なくともいずれか一方は、突出した先端の断面形状が尖った形状である、コネクタ。
11. 請求項１から請求項１０のいずれか１項に記載のコネクタであって、
    前記第１ケーブルは、電動作業機に接続され、前記第２ケーブルは、前記電動作業機に電力を供給するバッテリーに接続されている、コネクタ。
12. 請求項１から請求項１１のいずれか１項に記載のコネクタであって、
    前記第１ハウジングは、給電を許可するための信号を通信するための第１通信用端子を備え、
    前記第２ハウジングは、前記挿入部が前記係止位置にあるときに前記第１通信用端子と電気的に接続するように前記第２ハウジングに設けられた第２通信用端子を備え、
    前記第１通信用端子及び前記第２通信用端子は、前記挿入部が前記係止位置から抜去されるときに、前記第１通信用端子と前記第２通信用端子との電気的接続が、前記第１電力供給用端子と前記第３電力供給用端子との電気的接続及び前記第２電力供給用端子と前記第４電力供給用端子との電気的接続よりも先に解除されるように前記第１ハウジング及び前記第２ハウジングにそれぞれ設けられている、コネクタ。
13. 請求項１から請求項１２のいずれか１項に記載のコネクタであって、
    前記第１ハウジングは、前記第１ケーブルと電気的に接続する第５電力供給用端子を保持し、
    前記第２ハウジングは、前記第２ケーブルと電気的に接続し、前記第５電力供給用端子に対応する第６電力供給用端子を保持し、
    前記挿入方向から見たときに、前記第１電力供給用端子及び前記第２電力供給用端子は、前記交差方向において前記一対の変位部が並んでいる前記列から逸脱して前記挿入部に配置され、前記第５電力供給用端子は、前記一対の変位部の間において前記列に並ぶように前記挿入部に配置されている、コネクタ。

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