JP6994421B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕 制御分布型スチレン系ブロック共重合体Aと、(メタ)アクリル系ブロック共重合体Bとを、30/70~90/10の質量比(A/B)で含有する、熱可塑性エラストマー組成物、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の熱可塑性エラストマー組成物とポリアセタールとが熱融着した、複合成形体
に関する。
1~5が好ましく、1.05~3がより好ましい。
〔スチレン系単量体単位の含有量〕
核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)によって、プロトンNMR測定を行い、スチレンの特性基の定量を行うことによってスチレン及び/又はスチレン誘導体の含有量を決定する。他の単量体単位の含有量もプロトンNMR測定により求めることができる。
ハードセグメントとソフトセグメントの質量比は、核磁気共鳴装置(ドイツ国BRUKER社製、DPX-400)を用いて、重クロロホルム溶媒中、3~5vol%濃度、25℃でプロトンNMR測定を行い、分子構造中の各種酸素に隣接するメチレンピークのシグナル強度比から算出する。
以下の測定条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算で分子量を測定し、重量平均分子量を求める。
・ポンプ:JASCO(日本分光(株))製、PU-980
・カラムオーブン:昭和電工(株)製、AO-50
・検出器:日立製、RI(示差屈折計)検出器 L-3300
・カラム種類:昭和電工(株)製「K-805L(8.0×300mm)」及び「K-804L(8.0×300mm)」各1本を直列使用
・カラム温度:40℃
・ガードカラム:K-G(4.6×10mm)
・溶離液:クロロホルム
・溶離液流量:1.0ml/min
・試料濃度:約1mg/ml
・試料溶液ろ過:ポリテトラフルオロエチレン製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルタ
・検量線用標準試料:昭和電工(株)製ポリスチレン
〔ハードセグメント/ソフトセグメント(質量比)〕
(メタ)アクリル系ブロック共重合体における各重合体ブロックの構成割合(質量比)は、1H-NMR(1H-核磁気共鳴)測定によって求める。
・装置:BRUKER社製 核磁気共鳴装置「AVANCE III」
・重溶媒:重水素化クロロホルム
JIS K 6253 タイプAにて測定をする。
示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、JIS K 7121で規定される方法に準拠して10℃/minで昇温して得られる融解ピークの温度を融点とする。融解ピークが複数表れる場合は、より低い温度で表れる融解ピークを融点とする。
動的粘弾性測定装置(ティーエーインスツルメント(株)製のRSAIII)を使用し、-100~280℃の温度範囲、5℃/minの昇温速度、周波数10Hzの条件で試験片を加熱した際に観測される、損失正接(Tanδ)のピーク温度をガラス転移温度(Tg)とする。試験片としては、厚さ2mm、幅12mm、長さ30mmのものを使用する。
複数のブロック(ソフトセグメントとハードセグメント)を有するエラストマーでは、普通、複数の損失正接のピークが観測されるが、この場合低温側のピークがソフトセグメントに由来するものであり、高温側のピークがハードセグメントに由来するものである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)より、以下の装置、カラム及び溶媒を使用し、ポリスチレン換算から求める。
・装置:東ソー製、HLC-8120
・カラム:Inertsil WF300
・溶媒:テトラヒドロフラン
〔動粘度〕
JIS Z 8803に従って、40℃の温度で測定する。
(1) 熱可塑性エラストマー組成物(ペレット)の作製
成分C以外の表5、6に示す材料をドライブレンドし、これに成分Cを含浸させて混合物を作製した。その後、混合物を下記の条件で、押出機で溶融混練して、ストランドに押出し、冷水中で冷却しつつカッターによって、直径3mm程度、厚さ3mm程度に切断し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。
押出機:KZW32TW-60MG-NH(商品名、(株)テクノベル製)
シリンダー温度:180~220℃
スクリュー回転数:300r/min
ペレットを、下記の条件で射出成形し、厚さ2mm×幅125mm×長さ125mmのプレートを作製した。
射出成形機:100MSIII-10E(商品名、三菱重工業(株)製)
射出成形温度:200℃
射出圧力:30%
射出時間:3sec
金型温度:40℃
○:プレートの状態が良好なもの
×:プレートは成形できるが、プレートからブリードアウトが発生するもの
××:プレートは成形できるが、離型性が悪いもの
×××:プレートが成形できない、または状態が悪いもの
射出成形から1日経過したプレート(125mm角プレート)を用い、JIS K 6253で規定される方法に準拠してデュロメータA硬度を測定し、以下の評価基準に従って、柔軟性を評価した。
<評価基準>
A硬度が
◎:55以上80以下
○:80を超えて90以下
△:55未満又は90を超える
厚さ4mm×幅25mm×長さ125mmの金型内に下記の極性樹脂をインサートし、下記条件で、実施例及び比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物を射出成形し、短冊状の融着試験片を作製した。
(1)サイズ:厚さ2mm×幅25mm×長さ120mm
(2)種類
・ポリアセタール(POM):ジュラコンM90-44(ポリプラスチック社製)
・ポリカーボネート(PC):ユーピロンH-3000、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
射出成形機:三菱重工業(株)製、100MSIII-10E
射出成形温度:260℃(POM)又は240℃(PC)
射出圧力:98MPa、射出速度:50%、保持圧:20%、保持時間:10sec
射出時間:2sec
金型温度:40℃
剥離強度が
〇:30N/25mm以上
×:30N/25mm未満
Claims (10)
- 制御分布型スチレン系ブロック共重合体Aと、(メタ)アクリル系ブロック共重合体Bとを、30/70~90/10の質量比(A/B)で含有する、熱可塑性エラストマー組成物であって、前記制御分布型スチレン系ブロック共重合体Aがハードセグメントとソフトセグメントを有し、該ハードセグメントがスチレン系単量体の重合単位であるブロック単位(ブロック単位S)であり、該ソフトセグメントが、共役ジエンとスチレン系単量体との共重合単位であり、制御分布構造を有するブロック単位(ブロック単位B)であり、該ブロック単位Bが、共役ジエン単位を主要構成単位として含有する領域を2個以上、スチレン系単量体単位を主要構成単位として含有する領域を1個以上有し、ブロック単位Sに隣接する両末端が共役ジエン単位を主要構成単位として含有する領域である、熱可塑性エラストマー組成物。
- さらに、可塑剤Cを、制御分布型スチレン系ブロック共重合体Aと(メタ)アクリル系ブロック共重合体Bの合計量100質量部に対して、1~50質量部含有する、請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 可塑剤Cが、パラフィンオイル、ナフテン系オイル、及び芳香族系オイルからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 可塑剤Cの40℃における動粘度が、50~400mm2/sである、請求項2又は3記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 制御分布型スチレン系ブロック共重合体Aの重量平均分子量が、100,000~500,000である、請求項1~4いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (メタ)アクリル系ブロック共重合体Bが、ハードセグメントを構成するブロック2個以上とソフトセグメントとを構成するブロック1個以上を有するブロック共重合体である、請求項1~5いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (メタ)アクリル系ブロック共重合体Bのハードセグメントを構成するブロックのガラス転移温度が20~200℃であり、ソフトセグメントを構成するブロックのガラス転移温度が-100~19℃である、請求項6記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- (メタ)アクリル系ブロック共重合体Bの重量平均分子量が20,000~500,000である、請求項1~7いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- ポリアセタールと熱融着させるための、請求項1~8いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1~9いずれか記載の熱可塑性エラストマー組成物とポリアセタールとが熱融着した、複合成形体。
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