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JP5905038B2 - 不整地用モーターサイクルタイヤ - Google Patents

不整地用モーターサイクルタイヤ Download PDF

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JP5905038B2 JP2014005275A JP2014005275A JP5905038B2 JP 5905038 B2 JP5905038 B2 JP 5905038B2 JP 2014005275 A JP2014005275 A JP 2014005275A JP 2014005275 A JP2014005275 A JP 2014005275A JP 5905038 B2 JP5905038 B2 JP 5905038B2
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Description

本発明は、不整地の走行に適したモーターサイクルタイヤに関する。
山林、原野等の不整地では、路面が起伏に富んでいる。この路面を走行する自動二輪車は、ジャンプと着地とを繰り返す。この自動二輪車に装着されるモーターサイクルタイヤ(以下、タイヤ)が着地時に受ける衝撃は、大きい。不整地走行時のタイヤは、一般公道走行時と比較して、高い頻度で大きな荷重を受ける。このタイヤには、衝撃吸収性と、大きな荷重に耐える剛性とが求められる。この自動二輪車用タイヤとして、ラジアル構造のカーカスを備えたタイヤ(ラジアルタイヤ)が検討されている。このタイヤの衝撃吸収性及び剛性は、バイアス構造のカーカスを備えたタイヤ(バイアスタイヤ)のそれよりも優れる。
図8は、従来の不整地用モーターサイクルタイヤ2の一部が示された断面図である。このタイヤ2は、架橋ゴムからなるトレッド4と、トレッド4の両端から延びるサイドウォール6と、一対のビード8と、両ビード8に架け渡されたカーカス10と、カーカス10に積層されたバンド12とを備える。このバンド12は、周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを有している。このバンド12は、ジョイントレス構造である。ジョイントレス構造のバンド12は、トレッド4の剛性の向上に寄与する。このバンド12を備えたタイヤ2は、トラクション性に優れる。このカーカス10は、ビード8の周りを軸方向内側から外側に向かって折り返されたカーカスプライ14からなる。このタイヤ2では、折返されたカーカスプライ14の端は、トレッド4の外端の半径方向内側で、かつサイドウォール6の軸方向内側に位置している。
不整地走行時に生じる大きな荷重による負荷は、サイドウォール6に集中する。不整地走行時に、サイドウォール6は変形を繰り返す。カーカスプライ14の端が、サイドウォール6の軸方向内側に位置しているタイヤ2では、変形による負荷がカーカスプライ14の端に集中して、セパレーションが発生しやすい。セパレーション抑制の観点から、カーカスプライの構造が検討されたタイヤが、特開平10−305712号公報、特開平5−8615号公報及び特開2006−76385号公報に開示されている。
サイドウォールの剛性確保の観点から、カーカスプライとバンドとのオーバーラップについて検討されたタイヤが、特許第2821022号公報、特許第4912668号公報、特開2005−1629号公報及び特許第4319278号公報に開示されている。
特開平10−305712号公報 特開平5−8615号公報 特開2006−76385号公報 特許第2821022号公報 特許第4912668号公報 特開2005−1629号公報 特許第4319278号公報
図9には、カーカスプライ16の端部を、バンド18の端部にオーバーラップさせたタイヤの一部が示されている。このバンド18はジョイントレス構造である。図9において、一点鎖線CLはタイヤの赤道面であり、破線BEはバンド18の端であり、直線PEは、カーカスプライ16の端である。このタイヤでは、カーカスプライ16の端部にオーバーラップされているバンド18の領域と、オーバーラップされていないバンド18の領域との境界は、略直線状である。図9において、この境界線の向きは、バンドコードの向きとほぼ同じである。このタイヤの剛性は、この境界線の両側で、大幅に異なる。このタイヤが大きな荷重を受けると、バンド18はこの境界線の近傍で屈曲する。バンド18の屈曲は、タイヤの不適切な変形の原因となる。タイヤの過剰な変形は、カーカスの疲労やトレッド表面のクラックを誘発する。このタイヤは、耐久性に劣る。さらに、タイヤの過剰な変形は、操縦安定性を阻害する。
本発明の目的は、耐久性及び操縦安定性に優れた不整地用モーターサイクルタイヤの提供である。
本発明に係る不整地用モーターサイクルタイヤは、トレッドと、一対のビードと、このトレッドの半径方向内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスに積層してトレッドの半径方向内側に位置するバンドとを備えている。トレッドは、半径方向略外向きに起立する多数のブロックを有している。カーカスは、それぞれのビードの周りで折り返されたカーカスプライを備えている。カーカスプライは、赤道面からそれぞれのビードに向かって延びる主部と、主部から半径方向略外向きに延びる一対の折返し部を備えている。バンドは、周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを備えている。このタイヤでは、トレッドの半径方向内側において、折返し部の端部とバンドの端部とがオーバーラップしている。本発明に係るタイヤでは、この折返し部の端の位置が周方向において変動する。
折返し部の端とバンドの端との距離がdとされ、この距離dの最大値と最小値との平均値が、バンドの端部と折返し部の端部とのオーバーラップ量Lとされたとき、オーバーラップ量Lとバンドの軸方向幅Dとの比(L/D)は、1/12以上1/6以下が好ましい。
この距離dが最大となるときの折返し部の端が点A1とされ、この点A1に隣接して距離dが最小となるときの折返し部の端が点A2とされたとき、点A1と点A2とを結んでできる直線が周方向に対してなす角度θは、15°以上60°以下が好ましい。
好ましくは、折返し部の端部は、バンド端部の半径方向外側に位置する。
好ましくは、軸方向最外部に起立するブロックの軸方向内側側面を延長してできる直線とバンドとの交点Kと、折返し部の端との距離Wは、2mm以上である。
軸方向最外部に起立するブロックの全ての側面がそれぞれ半径方向略内向きに延長されて、バンド又は折返し部と交差する位置が仮想線として示されたとき、好ましくは、この仮想線により形成される領域の内部に、距離dが最大となる折返し部の端が位置するように形成される。
本発明に係る不整地用モーターサイクルタイヤでは、折返し部の端の位置が、周方向において変動している。このタイヤでは、剛性の異なる境界の位置は、周方向において変動している。換言すれば、このタイヤの剛性は、軸方向において極端には変化しない。このタイヤでは、バンドの屈曲が抑制される。このタイヤでは、高荷重時の過剰な変形が回避される。このタイヤは、耐久性及び操縦安定性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る不整地用モーターサイクルタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された展開図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係る不整地用モーターサイクルタイヤの一部が示された展開図である。 図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る不整地用モーターサイクルタイヤのトレッド面の展開図である。 図5は、図4のタイヤの一部が拡大されて示された説明図である。 図6の(a)から(e)は、実施例及び比較例のタイヤの一部が示された説明図である。 図7の(a)及び(b)は、実施例のタイヤの一部が示された展開図である。 図8は、従来のタイヤの一部が示された断面図である。 図9は、従来のタイヤの一部が示された展開図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。この実施形態に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る不整地用モーターサイクルタイヤ20の一部が示された断面図である。図1において、上下方向がタイヤ20の半径方向であり、左右方向がタイヤ20の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ20の周方向である。一点鎖線CLはタイヤ20の赤道面を表す。このタイヤ20の形状は、赤道面CLに対して対称である。
このタイヤ20は、トレッド22、サイドウォール24、ビード26、カーカス28、バンド30及びチェーファー38を備えている。このタイヤ20は、空気入りタイヤである。このタイヤ20は、チューブタイプである。このタイヤ20は、不整地を走行する自動二輪車に装着される。このタイヤ20がチューブレスタイプとされてもよい。
トレッド22は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド22は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。このトレッド22は、半径方向略外向きに起立する多数のブロック40を有している。このブロック40の外面が、トレッド面44である。一のブロック40と他のブロック40との間は、溝42である。このタイヤ20では、隣接するブロック同士はこの溝42によって隔てられる。
平滑な路面では、このブロック40の外面が主として路面と接触する。軟弱な地面においては、タイヤ20の一部が埋没してこのブロック40が泥を掻く。このブロック40は、タイヤ20の牽引力に寄与しうる。この観点から、それぞれのブロック40の高さは、6mm以上19mm以下が好ましい。本明細書において、ブロック40の高さは、溝底からトレッド面44までの距離である。軸方向外側に位置するブロックの外端が、このトレッド22の軸方向端である。本明細書では、溝42が無いと仮定されたときのトレッド22の表面積に対する、トレッド面44の合計面積の比率がランド比と称される。耐久性及びグリップ性の観点から、好ましいランド比は10%以上30%以下である。
サイドウォール24は、トレッド22の軸方向端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール24は、架橋ゴムからなる。サイドウォール24は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらに、このサイドウォール24は、カーカス28の損傷を防止する。
ビード26は、サイドウォール24よりも半径方向略内側に位置している。ビード26は、コア46と、このコア46から半径方向外向きに延びるエイペックス48とを備えている。コア46はリング状である。コア46は、複数本の非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス48は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス48は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス28は、両側のビード26の間に架け渡されており、トレッド22及びサイドウォール24の内側に沿っている。このカーカス28は、カーカスプライ50を備えている。カーカスプライ50は、コア46の周りを軸方向内側から外側に向かって折返されている。この折り返しにより、カーカスプライ50には、主部52と、一対の折返し部54とが形成されている。主部52は、赤道面からそれぞれのビード26に向かって延びている。折返し部54は、この主部52から半径方向略外向きに延びている。折返し部54は、主部52に積層されている。図1において、折返し部54の端が点PEで示されている。このカーカスプライ50は、タイヤ20の剛性の向上に寄与しうる。
図示されていないが、カーカスプライ50は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。好ましくは、それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、45°以上である。この角度の絶対値が45°以上であるタイヤ20は操縦安定性に優れる。この観点から、より好ましい角度の絶対値は、65°以上90°以下である。角度の絶対値が65°以上90°以下であるカーカス28はラジアル構造である。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。カーカス28が、複数のカーカスプライを備えてもよい。バイアス構造のカーカスが採用されてもよい。
チェーファー38は、ビード26の近傍に位置している。タイヤ20がリムに組み込まれると、このチェーファー38がリムと当接する。この当接により、ビード26の近傍が保護される。チェーファー38は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファーが用いられてもよい。
バンド30は、トレッド22の半径方向内側に位置している。図示されていないが、このバンド30は、略周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを備えている。このバンド30は、ジョイントレス構造である。好ましくは、このバンドコードが赤道面に対してなす角度は、5°以下であり、より好ましくは2°以下である。このバンドコードによりカーカス28が拘束される。このバンド30は、トレッド22の半径方向における剛性の向上に寄与する。このバンド30は、タイヤ20のトラクション性に寄与する。このバンド30を備えたタイヤ20は、高速走行時に優れた操縦安定性を発揮する。
バンドコードには、スチール及びポリアミド繊維(アラミド繊維)が好適に用いられ得る。ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維及びポリエチレンナフタレート繊維等の有機繊維がもちいられてもよい。拘束力が大きく、高い剛性が得られるとの観点から、ポリアミド繊維がより好ましい。
図1において、バンド30の端が点BEで示されている。このタイヤ20では、バンド30の端BEは、折返し部54の端PEの軸方向外側に位置している。このタイヤ20では、バンド30の端部は、折返し部54の端部に積層されている。即ち、バンド30の端部と、折返し部54の端部とはオーバーラップしている。図示されていないが、このタイヤ20のバンド30の端部は、タイヤ20の全周にわたって折返し部54の端部とオーバーラップしている。バンド30の端部と折返し部54の端部とのタイヤ全周におけるオーバーラップは、タイヤ20の剛性の向上に寄与しうる。このタイヤ20はベルトを備えていない。バンド30の端部と折返し部54の端部とのオーバーラップは、特に、ベルトを備えていないラジアル構造のタイヤ20のサイドウォール24の剛性向上に顕著な効果を発揮する。
このタイヤ20が、ベルトを備えてもよい。ベルトは、カーカス28の半径方向外側に積層して配置される。ベルトは、カーカス28を補強する。このベルトは、トレッド22の剛性向上に寄与する。ベルトを備えたタイヤ20において、バンド30の端部と折返し部54の端部とがオーバーラップされた場合、トレッド22とサイドウォール24において高い剛性が得られる。このタイヤ20は、不整地走行時の大きな衝撃に耐えうる。ベルトは、並列された多数のベルトコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのベルトコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常10°以上35°以下である。ベルトコードの好ましい材質は、スチールである。ベルトコードに有機繊維が用いられてもよい。このタイヤ20が複数のベルトを備えてもよい。
図1から明らかなように、このタイヤ20では、バンド30の端部は、折返し部54の端部の半径方向内側に位置している。このタイヤ20では、バンド30の端部が、タイヤ20の全周にわたって、カーカスプライ50の主部52と折返し部54の端部とに挟まれている。このタイヤ20では、バンド30の端部が強固に拘束されている。バンド30の端部の拘束は、タイヤ20の剛性向上に寄与する。このタイヤ20は、高速走行時の操縦安定性に優れる。
バンド30の端部が、折返し部54の端部の半径方向外側に位置してもよい。バンド30の端部が、折返し部54の端部の半径方向外側に位置するタイヤ20では、過剰な剛性が回避される。適正な剛性のタイヤ20は、衝撃安定性及び乗り心地性に優れる。本発明に係るタイヤ20では、要求される操縦安定性能に応じて、折返し部54の端部の位置を選択することができる。
図1において、両矢印D/2で示されているのは、バンド30の軸方向幅Dの1/2である。両矢印dは、バンド30の端BEから折返し部54の端PEまでの軸方向の距離である。この距離dは、折返し部54の端部とバンド30とがオーバーラップしている部分の長さに等しい。バンド30が強固に拘束されるとの観点から、この距離dは、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましい。過剰な剛性を回避するという観点から、この距離dは30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。バンド30の軸方向幅Dは、バンド30の外周面に沿って測定される。距離dは、折返し部54の外周面に沿って測定される。
図2は、図1のタイヤ20の一部が示された展開図である。図2において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ20の半径方向である。一点鎖線CLはタイヤ20の赤道面であり、破線BEは、バンド30の端BEの位置を示しており、曲線PEは、折返し部54の端PEの位置を示している。このバンド30の端部は、カーカスプライ50の折返し部54の端部にオーバーラップされている。
図示される通り、このタイヤ20では、折返し部54の端PEは、略S字状の形状を呈する。このタイヤ20では、折返し部54の端PEの位置は、周方向において変動する。折返し部54の端の位置が変動するタイヤ20では、折返し部54にオーバーラップされている領域と、オーバーラップされていない領域との境界において、タイヤ20の剛性が極端には変化しない。不整地走行時に、このタイヤ20が高い荷重を受ける場合、バンド30の大きな屈曲が抑制される。このタイヤ20では、過剰な変形によるトレッド22の損傷が回避される。このタイヤ20の操縦安定性は阻害されない。この観点から、折返し部54の端PEの位置の変動は、周方向において一定の周期をもって、タイヤ全周にわたって繰り返されることことが好ましい。
図2において、両矢印dmaxは距離dの最大値であり、両矢印dminは距離dの最小値である。本明細書では、バンド30の端部と、折返し部54の端部とのオーバーラップ量Lは、最大値dmaxと最小値dminとの平均値を意味する。オーバーラップ量Lと、バンド30の軸方向幅Dとの比(L/D)は、1/12以上1/6以下が好ましい。比(L/D)が、1/12以上のタイヤ20では、バンド30がより強固に拘束され得る。このタイヤ20は、不整地走行時の操縦安定性に優れる。この観点から、比(L/D)は1/10以上がより好ましい。比(L/D)が1/6以下のタイヤ20では、トレッド22の過剰な剛性を抑制できる。このタイヤ20では衝撃吸収性が阻害されない。この観点から、比(L/D)は1/8以下がより好ましい。
図2において、直線S2は、周方向に延びる直線である。点A1は、距離dが最大となる折返し部54の端PEの位置である。点A2は、距離dが最小となる折返し部54の端PEの位置である。点A1と点A2とを結んでできる直線が、直線S1として示されている。このタイヤ20では、直線S1と直線S2とは交差している。図2において、直線S1と直線S2とのなす角が、角度θとして示されている。角度θは、直線S1と直線S2が含まれる仮想平面上において測定される。この角度θは、通常90°よりも小さい。タイヤ20の剛性確保及び製造容易との観点から、角度θは60°以下が好ましい。より好ましくは、45°以下である。角度θは15°以上が好ましい。角度θが、15°以上のタイヤ20では、オーバーラップされた折返し部54の端PEがバンド30に与える応力の集中が分散されるので、バンド30の損傷が抑制される。このタイヤ20は耐久性に優れる。この観点から、より好ましい角度θは、30°以上である。
図1において、軸方向最外部に位置するブロックの、軸方向内側側面を延長してできる直線が、2点鎖線T1として示されている。2点鎖線T1と、バンド30との交点が、点Kとして示されている。この点Kの近傍のトレッド22は薄い。このタイヤ20において、折返し部54の端PEとこの点Kとの距離Wは、2.0mm以上が好ましい。距離Wが2.0mm以上であるタイヤ20では、バンド30と折返し部54とがオーバーラップしている領域と、オーバーラップしていない領域との境界が、トレッド22の薄い部分から十分に離れている。このタイヤ20では、不整地走行時の大きな荷重によるトレッド22の損傷が抑制される。このタイヤ20は、耐久性に優れる。この観点から、距離Wは、4.0mm以上がより好ましい。剛性向上との観点から、距離Wは、8.0mm以下が好ましい。
図3は、本発明の他の実施形態に係るタイヤ60の一部が示された展開図である。図示されていないが、このタイヤ60は、トレッド、サイドウォール、ビード、カーカス68、バンド70及びチェーファーを備えている。サイドウォール、ビード及びチェーファーには、タイヤ20について前述されたものが同様に用いられうる。カーカス68は、カーカスプライを備えている。カーカスプライは、コアの周りを軸方向内側から外側に向かって折返されている。この折り返しにより、カーカスプライには、主部と、一対の折返し部84とが形成されている。折返し部84は、主部に積層されている。バンド70は、略周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを備えている。このバンド70は、ジョイントレス構造である。
図3において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ60の半径方向である。一点鎖線CLはタイヤ60の赤道面であり、破線BEは、バンド70の端BEの位置を示しており、曲線PEは、折返し部84の端PEの位置を示している。このバンド70の端部は、カーカスプライの折返し部84の端部にオーバーラップされている。両矢印dは、バンド70の端BEから折返し部84の端PEまでの距離である。図示される通り、このタイヤ60では、折返し部84の端PEが、連続した山形を呈する。このタイヤ60では、距離dは、周方向において変動する。直線S4がなす方向は、周方向である。点A3は、距離dが最大となる折返し部54の端PEの位置である。点A4は、距離dが最小となる折返し部84の端PEの位置である。点A3と点A4とを結んでできる直線が、直線S3として示されている。角度θは、直線S3と直線S4とのなす角である。このタイヤ60では、角度θの制御が容易である。
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤ120のトレッド面144の展開図である。図4において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向である。紙面との垂直方向がタイヤ120の半径方向である。一点鎖線CLは、このタイヤ120の赤道面である。軸方向におけるトレッド面144の端が、符号TEとして示されている。
図示されていないが、このタイヤ120は、トレッド122、サイドウォール、ビード、カーカス、バンド130及びチェーファーを備えている。サイドウォール、ビード及びチェーファーには、タイヤ20について前述されたものが同様に用いられうる。
図4に示される通り、トレッド122には、多数のブロック140が形成されている。隣接するブロック140は、溝142により隔てられている。ブロック140は、外面と、この外面から半径方向略内向きに延びる複数の側面を備えている。ブロック140の外面が、トレッド面144である。軸方向最外部に位置するブロック140aの外面の軸方向外側端が、トレッド面144の端TEである。
トレッド面144において、赤道面の近傍がセンター領域である。センター領域の軸方向外側からトレッド面144の端TEまでの領域がショルダー領域である。ショルダー領域には、複数のブロック140aが、周方向に間隔を空けて配置されている。これらのブロック140aは、ショルダーブロックとも称される。
ブロック140が形成されている部分のトレッド122の厚さは、溝142の部分の厚さよりも大きい。このトレッド122において、ブロック140が存在する領域の剛性は、溝142の領域の剛性よりも大きい。このトレッド面144には、多数のブロック140により、剛性の異なる領域が形成されている。このトレッド面144のショルダー領域では、複数のブロック140aの配置に基づく剛性分布が存在する。
図4に示されているB1及びB2は、ブロック140aの周方向側面である。本実施形態では、側面B1及びB2はそれぞれ、軸方向に略平行に配置されている。両矢印BLは、ブロック140aの周方向長さである。周方向長さBLは、トレッド面144が平面に展開された展開図において測定される。ブロック140aの形状は、本発明の目的が達成される限り、特に限定されない。ブロック140aとして他の形状が選択される場合、略周方向を向いた複数の側面のうち、周方向距離が最大となる2の側面間で、周方向長さBLが測定される
図5は、図4のタイヤ120が備えるカーカスとバンド130の一部が拡大されて示された展開図である。図5において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向である。紙面との垂直方向がタイヤ120の半径方向である。図示されていないが、カーカスは、カーカスプライを備えている。カーカスプライは、コアの周りを軸方向内側から外側に向かって折返されている。この折り返しにより、カーカスプライには、主部と、一対の折返し部154とが形成されている。折返し部154は、主部に積層されている。バンド130は、略周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを備えている。このバンド130は、ジョイントレス構造である。
図5において、曲線PEは、折返し部154の端PEの位置を示しており、破線BEは、バンド130の端の位置を示している。バンド130と、折返し部154とは、トレッド122の半径方向内側に積層されている。バンド130の端部は、折返し部154の端部にオーバーラップされている。
折返し部154の端部とバンド130の端部とがオーバーラップしている領域の剛性は、オーバーラップしていない領域の剛性より大きい。図5に示される通り、折返し部154の端PEの位置は、周方向において変動する。このタイヤ120では、折返し部154の端PEの位置の変動により、カーカスに剛性の異なる領域が形成される。このカーカスは、折返し部154の端PEの位置の変動に基づく剛性分布を有している。
図5において、バンド130の端BEとの距離dが最大となる折返し部154の端PEの位置が、点A5として示されている。この実施形態に係るタイヤ120では、点A5は、バンド130の端BEの軸方向内側に位置している。軸方向最外部のブロック140aのそれぞれの側面が、半径方向略内向きに延長されてバンド130又は折返し部154と交差する位置を示す仮想線が、2点鎖線Mとして示されている。仮想線Mの位置は、図1の断面図において前述された点Kと同様にして求められる。符号M1は、ブロック140aの周方向側面B1に対応する仮想線である。符号M2は、ブロック140aの周方向側面B2に対応する仮想線である。
図示される通り、本実施形態に係るタイヤ120では、点A5が、仮想線Mにより形成される領域Rの内部に位置するように設定されている。このタイヤ120では、ブロック140aの半径方向内側で、バンド130と折返し部154とがオーバーラップしている。このタイヤ120では、ショルダー領域においてトレッド面144の剛性の大きい部分の内側に、カーカスの剛性の大きい部分が位置するように形成されている。
このタイヤ120が装着された自動二輪車が走行するとき、ブロック140が接地する。ブロック140の半径方向内側に位置するバンド130及びカーカスには、大きな力が負荷される。旋回走行時には、特にショルダー領域において、ブロック140aの半径方向内側に位置するバンド130及びカーカスに、大きな力が負荷される。前述した通り、点A5が領域Rの内部に位置するように設定されたタイヤ120では、大きな荷重が負荷されるブロック140aの内側で、カーカスの剛性が大きくなるように形成されている。このタイヤ120は、旋回走行時のグリップ性及びトラクション性に優れる。この観点から、より好ましくは、ブロック140aの外面がバンド130又は折返し部154に投影された領域の内部に、点A5が位置するように設定される。
本実施形態に係るタイヤ120では、バンド130の端BEとの距離dが最大となる折返し部154の端PEと、軸方向最外部に位置するブロック140aとの、周方向における位置関係が、旋回時の走行性能の向上に寄与する。図5には、距離dが最大となる折返し部154の端PEから、軸方向最外部のブロック140aの周方向側面B1に対応する仮想線M1までの周方向距離が、両矢印Wdとして示されている。周方向距離Wdが、ブロック140aの他の周方向側面B2に対応する仮想線M2までの距離として測定されてもよい。
旋回時の走行安定性との観点から、周方向距離Wdの、ブロック140aの周方向長さBLに対する比(Wd/BL)は、0.30以上0.70以下が好ましい。より好ましい比(Wd/BL)は、0.40以上0.60以下であり、さらに好ましくは、0.45以上0.55以下である。このタイヤ120では、トレッド面の剛性分布とカーカスの剛性分布とが大きくは異ならない。理想的には、比(Wd/BL)は0.50である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。なお、図6(a)から(e)には、後述する実施例及び比較例のタイヤにおける、バンドの端部と、折返し部の端部とのオーバーラップ状態が示されている。図6において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤの半径方向である。一点鎖線CLはタイヤの赤道面であり、破線BEは、バンドの端BEの位置を示しており、実線PEは、折返し部の端PEの位置を示している。
[実験1]
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記表1に示された仕様を備えた実施例1の不整地用モーターサイクルタイヤ対を得た。このタイヤ対において、フロントタイヤのサイズは、80/100−21であり、リアタイヤのサイズは、120/80−19である。それぞれのタイヤにおいて、カーカスは、周方向に対して65°をなすコードを有するカーカスプライを備えている。このコードは、ポリエステル繊維からなる。このカーカスプライは、ビードのコアの周りで軸方向内側から外側に折返されている。バンドは、略周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを備えている。このバンドコードの材質は,ポリアミド繊維である。このバンドコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、0.5°である。このバンドは、ジョイントレス構造である。このバンドの構造は、表1において、「JLB」として示されている。
このバンドの端部は、タイヤの全周にわたってカーカスプライの折返し部の端部とオーバーラップしている。この折返し部の端の位置は、周方向において変動している。折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(a)で示されている。図6(a)において、折返し部の端PEは、バンドの端BEの半径方向外側に位置する。このバンドの端部は、折返し部の端部と主部とに挟まれている。折返し部の端PEは、略S字状の形状を呈する。
このタイヤにおける、折返し部の端PEとバンドの端BEとの距離dの最大値dmaxは、16mmであり、最小値dminは8mmである。バンドの端部と折返し部の端部とのオーバーラップ量Lと、バンドの軸方向幅Dとの比(L/D)は、1/10である。距離dが最大となる折返し部の端(点A1)と、距離dが最小となる折返し部の端(点A2)とを結んでできる直線が、周方向に対してなす角度θは、45°である。軸方向最外部に位置するブロックの軸方向内側の側面を延長してできる直線とバンドとの交点Kと、折返し部の端との距離Wは、6.0mmである。
[実施例2−5]
角度θを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5の仕様のタイヤ対を得た。実施例2−5における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(a)として示されている。
[比較例1及び3]
表2に示される比較例1及び3は、従来のタイヤ対の仕様である。比較例1及び3における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(b)で示されている。図6(b)において、折返し部の端部は、バンドの端部とオーバーラップしていない。この折返し部の端PEの形状は、略直線状である。このタイヤでは、折返し部の端PEの位置は、周方向において変動しない。なお、比較例1のバンドの構造は、ジョイントレス構造ではない。
[比較例2]
表2に示される比較例2は、従来のタイヤ対の仕様である。このタイヤ対のバンドは、ジョイントレス構造ではない。比較例2における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(c)に示されている。図6(c)において、バンドの端部は、折返し部の端部の半径方向内側に位置している。このバンドの端部は、タイヤの全周にわたってカーカスプライの折返し部の端部とオーバーラップしている。この折返し部の端PEの形状は、略直線状である。このタイヤでは、折返し部の端PEの位置は、周方向において変動しない。
[比較例4]
比較例4のタイヤ対では、折返し部の端部の一部が、バンドの端部とオーバーラップしていない。このオーバーラップ状態の一部が、図6(d)で示されている。図6(d)において、バンドの端部は、折返し部の端部の半径方向内側に位置している。このバンドの端部の一部は、カーカスプライの折返し部の端部に積層されていない。この折返し部の端PEは、略S字状の形状を呈する。このタイヤでは、折返し部の端PEの位置は、周方向において変動する。このタイヤのオーバーラップ状態以外の構成は、実施例1と同様である。
[実施例6−9]
比(L/D)を下記の表3に示される通りとした他は、実施例1と同様にして実施例6−9の仕様のタイヤ対を得た。実施例6−9における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(a)で示されている。
[比較例5−7]
比(L/D)を下記の表4に示される通りとした他は、比較例2と同様にして比較例5−7の仕様のタイヤ対を得た。比較例5−7における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(c)で示されている。
[実施例10]
折返し部の端PEの位置をバンドの半径方向内側とした他は、実施例1と同様にして実施例10の仕様のタイヤ対を得た。実施例10における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(e)で示されている。図6(e)において、折返し部の端PEは、バンドの端BEの半径方向内側に位置している。このバンドの端部は、折返し部の端部と主部とに挟まれていない。この折返し部の端PEは、略S字状の形状を呈する。このタイヤでは、折返し部の端PEの位置は、周方向において変動する。
[実施例11及び12]
カーカスプライのコードが周方向に対してなす角度を下記の表5に示される通りとした他は、実施例1と同様にして実施例11及び12の仕様のタイヤ対を得た。実施例11及び12における折返し部の端部と、バンドの端部とのオーバーラップ状態の一部が、図6(a)で示されている。
[操縦安定性]
表1−5に記載の各タイヤ対を、排気量が450cmであるモトクロスバイクに装着した。このモトクロスバイクをモトクロスコースで、最高時速約60km/h、平均時速約30km/hで走行させた。このコースの一周あたりの走行時間は、略1分30秒である。その後、ライダーに5回走行後のトラクション性、タイヤ剛性感及び衝撃吸収性を評価させた。比較例1のタイヤ対に関する各評価項目の評価点を5.00点とし、実施例1−12及び比較例2−7のタイヤ対が、1−10点で採点された結果が、表1−5に示されている。各評価項目の平均値が、操縦安定性として評価される。数値が大きいほど、操縦安定性に優れている。この数値が0.25点変わると、評価者であるライダーには、操縦安定性の有意な変化として感得される。
[耐久性]
表1−5に記載の各タイヤ対を、排気量が450cmであるモトクロスバイクに装着した。このモトクロスバイクをモトクロスコースで45分間走行させ、走行後のタイヤ対の損傷の有無を検査した。目視により確認された損傷の度合い基づき、下記の格付けをおこなった。実施例1−12及び比較例1−7について検査された結果が、表1−5に示されている。
A:損傷無し
B:1−5箇所に損傷視認
C:6箇所以上に損傷視認
Figure 0005905038
Figure 0005905038
Figure 0005905038
Figure 0005905038
Figure 0005905038
[実験2]
[実施例13−16]
軸方向最外部に位置するブロックに対する折返し部の端の周方向における位置関係を、下記の表6及び図7に示される通りとした他は、実施例1と同様にして、実施例13−16の仕様のタイヤ対を得た。なお、図7は、軸方向最外部に位置するブロックに対する折返し部の端の位置関係を説明するための展開図である。図7において、上下方向が周方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤの半径方向である。破線BEはバンドの端BEの位置を示しており、曲線PEは、折返し部の端PEの位置を示している。軸方向最外部に位置するブロックの側面が半径方向略内向きに延長されて、バンド又は折返し部と交差する位置が、仮想線Mとして示されている。仮想線Mにより形成される領域が、符号Rにより示されている。点Aの位置で、折返し部の端PEとバンドの端BEとの距離dが最大となる。
実施例13−15における折返し部の端と軸方向最外部のブロックとの位置関係が、図7(a)として示されている。実施例13−15では、バンドの端PEとの距離が最大となる折返し部の端PE(点A)が、領域Rの内部に位置している。実施例16における折返し部の端とブロックとの位置関係が、図7(b)として示されている。実施例16では、点Aが、領域Rの内部に位置していない。
[操縦安定性及び耐久性]
実施例13−16の各タイヤ対の操縦安定性及び耐久性について、実験1において前述された方法により評価された結果が、表6に示されている。
Figure 0005905038
表1−6に示されるように、実施例のタイヤは、比較例及び従来例のタイヤに比べて操縦安定性及び耐久性に優れる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、種々の不整地を走行する自動二輪車に装着されうる。このタイヤは、モトクロスレース用の自動二輪車に特に適している。
2、20、60、120・・・タイヤ
4、22、122・・・トレッド
6、24・・・サイドウォール
8、26・・・ビード
10、28、68・・・カーカス
12、18、30、70、130・・・バンド
38・・・チェーファー
40、140、140a・・・ブロック
42、142・・・溝
44、144・・・トレッド面
46・・・コア
48・・・エイペックス
14、16、50・・・カーカスプライ
52・・・主部
54、84、154・・・折返し部

Claims (6)

  1. トレッドと、一対のビードと、上記トレッドの半径方向内側に沿って一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されたカーカスと、このカーカスに積層して上記トレッドの半径方向内側に位置するバンドとを備えており、
    上記トレッドが、半径方向略外向きに起立する多数のブロックを有しており、
    上記カーカスが、それぞれのビードの周りで折り返されたカーカスプライを備えており、
    上記カーカスプライが、並列された多数のコードを備えており、この多数のコードが、それぞれタイヤ赤道面に対してなす角度の絶対値が、65°以上90°以下であり、
    上記カーカスプライが、それぞれのビードの周りで折り返されることにより、赤道面からそれぞれのビードに向かって延びる主部と、この主部から半径方向略外向きに延びる一対の折返し部とを備えており、
    上記バンドが、周方向に沿って螺旋巻きされたバンドコードを備えており、
    上記トレッドの半径方向内側において、上記バンドの端部と、上記折返し部の端部とがオーバーラップしており、
    上記折返し部の端の位置が周方向において変動する不整地用空気入りモーターサイクルタイヤ。
  2. 上記折返し部の端と上記バンドの端との距離がdとされ、上記距離dの最大値と最小値との平均値が、上記バンドの端部と上記折返し部の端部とのオーバーラップ量Lとされたとき、上記オーバーラップ量Lとバンドの軸方向幅Dとの比(L/D)が、1/12以上1/6以下である請求項1に記載の不整地用モーターサイクルタイヤ。
  3. 上記折返し部の端と上記バンドの端との距離dが最大となるときの折返し部の端が点A1とされ、上記点A1に隣接して距離dが最小となるときの折返し部の端が点A2とされたとき、点A1と点A2とを結んでできる直線が周方向に対してなす角度θが、15°以上60°以下である請求項1又は2に記載の不整地用モーターサイクルタイヤ。
  4. 上記折返し部の端部が、上記バンドの端部の半径方向外側に位置する請求項1から3のいずれかに記載の不整地用モーターサイクルタイヤ。
  5. 上記多数のブロックのうち、軸方向最外部に起立するブロックの位置で得られる周方向に垂直な任意の断面において、上記軸方向最外部に起立するブロックの軸方向内側側面を延長してできる直線と上記バンドとの交点Kと、上記折返し部の端PEとの距離Wが、2.0mm以上である請求項1から4のいずれかに記載の不整地用モーターサイクルタイヤ。
  6. 軸方向最外部に起立するブロックの側面がそれぞれ半径方向略内向きに延長されて、上記バンド又は折返し部と交差する位置が仮想線として示されたとき、この仮想線により形成される領域の内部に、上記距離dが最大となる折返し部の端が位置するように形成された請求項2から5のいずれかに記載の不整地用モーターサイクルタイヤ。
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