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JP5702584B2 - 半導体デバイスの製造方法および基板処理装置 - Google Patents

半導体デバイスの製造方法および基板処理装置 Download PDF

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JP5702584B2 JP2010266741A JP2010266741A JP5702584B2 JP 5702584 B2 JP5702584 B2 JP 5702584B2 JP 2010266741 A JP2010266741 A JP 2010266741A JP 2010266741 A JP2010266741 A JP 2010266741A JP 5702584 B2 JP5702584 B2 JP 5702584B2
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Description

本発明は、半導体デバイスの製造方法、基板処理装置および半導体デバイスに関する。
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)等の半導体デバイスには、例えば金属を材料とするゲート電極を備えるものがある。係るゲート電極は、例えば下地への金属の拡散を抑制するチタン窒化(TiN)膜と、低抵抗のタングステン(W)膜との積層構造を備えていた。
しかしながら、TiN膜とW膜とでは形成時に用いるガス種や処理温度等が異なるため、異なる基板処理装置(或いは異なる処理室内)で別々に形成する必要があった。すなわち、積層構造を備えるゲート電極を同一の処理室内で連続的に製造することは困難であった。そのため、半導体デバイスの製造コストの増大や、生産性の低下を招いてしまう場合があった。
そこで本発明の目的は、積層構造を備えるゲート電極を同一の処理室内にて連続的に形成でき、製造コストを低減させ、生産性を向上させることが可能な半導体デバイスの製造方法、基板処理装置および半導体デバイスを提供することである。
本発明の一態様は、処理室内に基板を搬入する基板搬入工程と、前記基板にチタンアルミニウム窒化膜を形成する第1窒化膜形成工程と、前記基板にチタン窒化膜を形成する第2窒化膜形成工程と、前記処理室内から前記基板を搬出する基板搬出工程と、を有し、前記第1窒化膜形成工程と前記第2窒化膜形成工程とを同一の前記処理室内で実施する半導体デバイスの製造方法である。
本発明の他の態様は、pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとを備えるCMOSとして構成された半導体デバイスの製造方法であって、前記pMOSトランジスタのゲート電極を、アルミニウムに対するチタンの組成比が高い前記チタンアルミニウム窒化膜と、前記チタン窒化膜とをこの順に積層して形成し、前記nMOSトランジスタのゲート電極を、チタンに対するアルミニウムの組成比が高い前記チタンアルミニウム窒化膜と、前記チタン窒化膜とをこの順に積層して形成する半導体デバイスの製造方法である。
本発明のさらに他の態様は、基板を収容する処理室と、前記処理室内にチタン含有ガスを供給するチタン含有ガス供給系と、前記処理室内にアルミニウム含有ガスを供給するアルミニウム含有ガス供給系と、前記処理室内に窒素含有ガスを供給する窒素含有ガス供給系と、前記処理室内の雰囲気を排気する排気系と、基板が収容された前記処理室内にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にチタン窒化膜を形成させ、前記処理室内にアルミニウム含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にアルミニウム窒化膜を形成させ、前記チタン窒化膜の形成と前記アルミニウム窒化膜の形成とを所定回数ずつ交互に実施させることによりチタンアルミニウム窒化膜を形成させ、基板が収容された前記処理室内にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にチタン窒化膜を形成させるよう、前記チタン含有ガス供給系、前記アルミニウム含有ガス供給系、前記窒素含有ガス供給系及び前記排気系を制御する制御系と、を備える基板処理装置である。
本発明のさらに他の態様は、pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとを備えるCMOSとして構成された半導体デバイスであって、アルミニウムに対するチタンの組成比が高いチタンアルミニウム窒化膜と、チタン窒化膜とがこの順に積層された前記pMOSトランジスタのゲート電極と、チタンに対するアルミニウムの組成比が高いチタンアルミニウム窒化膜と、チタン窒化膜とがこの順に積層された前記nMOSトランジスタのゲート電極と、を備える半導体デバイスである。
本発明によれば、積層構造を備えるゲート電極を同一の処理室内にて連続的に形成でき、製造コストを低減させ、生産性を向上させることが可能な半導体デバイスの製造方法、基板処理装置および半導体デバイスが得られる。
本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の斜透視図である。 本発明の第1実施形態に係る処理炉の構成図であって、特に処理室部分を断面図で示す図である。 本発明の第1実施形態に係る処理炉の構成図であって、図2の処理室部分のA−A断面図である。 本発明の第1実施形態に係る基板処理工程を例示するフロー図である。 本発明の第1実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第1実施形態に係るCMOSが備えるトランジスタの主要構造部を示す断面図である。 ALD法により形成されたTiN膜の抵抗率と、CVD法により形成されたTiN膜の抵抗率とをそれぞれ示すグラフ図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理工程を例示するフロー図である。 本発明の第2実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第2実施形態の変形例1に係る基板処理工程のガス供給タイミング図であって、(a)はチタン含有ガスの供給時間を延ばした図であり、(b)はアルミニウム含有ガスの供給時間を延ばした図である。 本発明の第2実施形態の変形例2に係る基板処理工程のガス供給タイミング図であって、(a)はチタン含有ガスの供給流量を増やした図であり、(b)はアルミニウム含有ガスの供給流量を増やした図である。 本発明の第2実施形態の変形例3に係る基板処理工程のガス供給タイミング図であって、(a)はアルミニウム含有ガスの供給回数を減らした図であり、(b)はチタン含有ガスの供給回数を減らした図である。 本発明の第3実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第4実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第4実施形態の変形例に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第5実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 本発明の第5実施形態の変形例に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。 従来例のCMOSが備えるトランジスタの主要構造部を示す断面図である。
<発明者が得た知見>
まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、発明者等が得た知見について説明する。
図19に、従来のCMOSが備えるpMOSトランジスタ500p、nMOSトランジスタ500nの断面構成をそれぞれ例示する。各トランジスタは、シリコン(Si)基板等のウエハ200上に、ゲート絶縁膜としてのハフニウム酸化(HfO)膜510p,510n、拡散抑制膜としてのチタン窒化(TiN)膜521p,521n、低抵抗金属膜としてのタングステン(W)膜522p,522nが順次形成されてなる積層構造を備えている。
TiN膜521p,521nは、W膜522p,522n等と比べると抵抗率が高く、特性的に劣るものの、W膜522p,522nとHfO膜510p,510nとの界面に形成することにより、W膜522p,522nを構成する金属(W)のHfO膜510p,510nへの拡散(ゲート絶縁膜の金属汚染)を抑制したり、HfO膜510p,510nを構成する酸素(O)のW膜522p,522nへの拡散(ゲート電極の酸化)を抑制したりすることができる。そこで、ゲート電極は、例えばW膜等の単層により構成するのではなく、TiN膜とW膜との積層構造により構成することとしていた。図19においては、TiN膜521pとW膜522pとが積層されることでpMOSトランジスタ500pのゲート電極が構成され、TiN膜521nとW膜522nとが積層されることでnMOSトランジスタ500nのゲート電極が構成されている。
ゲート電極を構成するTiN膜521p,521n及びW膜522p,522nは、それぞれCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により形成されていた。しかしながら、TiN膜521p,521nとW膜522p,522nとでは形成時に用いるガス種や処理温度等が異なるため、異なる基板処理装置(或いは異なる処理室内)で別々に形成しなければならなかった。すなわち、積層構造を備えるゲート電極を同一の処理室内で連続的に製造することは困難であった。そのため、装置台数が増えて製造コストが増大したり、ウエハ200の搬入出に時間を要して生産性が低下したりしてしまう場合があった。また、ゲート電極の形成途中でウエハ200を搬送することで、ゲート電極の下層を構成するTiN膜521p,521n等が大気に曝され、その特性が損なわれてしまう場合があった。
そこで本発明者等は、上記課題を解決すべく種々の試みを行った。すなわち、同一の処理室内での連続的な形成が可能な積層構造の組合せについて鋭意研究を行った。その結果、ゲート電極の上層(低抵抗金属膜)として、W膜522p,522nの代わりに例えばTiN膜を形成することで、積層構造を備えるゲート電極を同一の処理室内で連続的に形成することが可能となるとの知見を得た。また、ゲート電極の上層を構成するTiN膜を、従来のようなCVD法ではなく、ALD(Atomic Layer Deposition)法により形成することで、TiN膜の電気的特性を向上でき、半導体デバイスの特性を向上できるとの知見を得た。また、ゲート電極の下層(拡散抑制膜)として、TiN膜521p,521nの代わりにTiAlN膜を形成し、さらにTiAlN膜中のTiとAlとの組成比を所定の値に調整することで、半導体デバイスの特性をいっそう向上させることができるとの知見を得た。本発明は、発明者等が見出した上記知見に基づくものである。
<本発明の第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成について説明する。
(1)基板処理装置の全体構成
図1は、本実施形態に係る基板処理装置101の斜透視図である。図1に示すように、本実施形態にかかる基板処理装置101は筐体111を備えている。基板としてのウエハ200を筐体111内外へ搬送するには、複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収納容器)としてのカセット110が使用される。筐体111の正面には、カセット110を筐体111内外へ搬送する開口であるカセット搬入搬出口(基板収納容器搬入搬出口、図示せず)が設けられている。カセット搬入搬出口の筐体111内側には、カセットステージ(基板収納容器受渡し台)114が設けられている。カセット110は、図示しない工場内搬送装置によってカセットステージ114上に載置され、また、カセットステージ114上から筐体111外へ搬出されるように構成されている。
カセット110は、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、工場内搬送装置によって、カセットステージ114上に載置されるように構成されている。カセットステージ114は、カセット110を筐体111の後方に向けて90°回転させてカセット110内のウエハ200を水平姿勢とさせ、カセット110のウエハ出し入れ口を筐体111内の後方に向かせることが可能なように構成されている。
筐体111内を前後方向でみた略中央部には、カセット棚(基板収納容器載置棚)105が設置されている。カセット棚105は、複数段、複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105には、後述するウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。また、カセットステージ114の上方には、予備カセット棚107が設けられ、予備のカセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収納容器搬送装置)118が設けられている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収納容器昇降機構)118aと、カセット110を保持したまま水平移動可能な搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収納容器搬送機構)118bと、を備えている。これらカセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連携動作により、カセットステージ114、移載棚123を除くカセット棚105の所定位置、予備カセット棚107、移載棚123の間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設けられている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bと、を備えている。なお、ウエハ移載装置125aは、ウエハ200を水平姿勢で保持するツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連携動作により、ウエハ200を移載棚123上のカセット110内からピックアップして後述するボート(基板保持具)217へ装填(ウエハチャージ)したり、ウエハ200をボート217から脱装(ウエハディスチャージ)して移載棚123上のカセット110内へ収納したりするように構成されている。
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部には開口が設けられ、かかる開口は炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。なお、処理炉202の構成については後述する。
処理炉202の下方には、ウエハ200を移載棚123上のカセット110内からボー
ト(基板保持具)217へ装填・脱装する空間である移載室124が設けられている。移載室124内には、ボート217を昇降させて処理炉202内外へ搬入搬出させる昇降機構としてのボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設けられている。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が設けられている。アーム128上には、ボート217を垂直に支持するとともに、ボートエレベータ115によりボート217が上昇したときに処理炉202の下端部を気密に閉塞する炉口蓋体としてのシールキャップ219が水平姿勢で設けられている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚から150枚程度)のウエハ200を、水平姿勢で、かつその中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に保持するように構成されている。
カセット棚105の上方には、供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット134aが設けられている。クリーンユニット134aは、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。
また、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびボートエレベータ115の反対側、筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット(図示せず)が設置されている。クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a、ボート217を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるように構成されている。
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施形態にかかる基板処理装置101の動作について説明する。
まず、カセット110が、工場内搬送装置によってカセット搬入搬出口(図示せず)から搬入され、ウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ114上に載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、筐体111の後方に向けて90°回転させられる。その結果、カセット110内のウエハ200は水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口は筐体111内の後方を向く。
次に、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105(移載棚123を除く)ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へ自動的に搬送されて受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107から移載棚123に移載されるか、もしくは直接、移載棚123に搬送される。
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによって、ウエハ出し入れ口を通じてカセット110からピックアップされ、ウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連携動作によって移載室124の後方にあるボート217に装填(ウエハチャージ)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載機構125は、カセット110に戻り、次のウエハ200をボート217に装填する。
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ147が開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、ウエハ200群を保持したボート217が処理炉202内へ搬入(ボートロード)される。ボートロードした後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。かかる処理については後述する。処理後は、ウエハ200およびカセット110は、上述の手順とは逆の手順で筐体111の
外部へ搬出される。
(3)処理炉の構成
続いて、本実施形態に係る処理炉202の構成について、図2および図3を参照しながら説明する。図2は、図1に示す基板処理装置101の処理炉202の構成図であって、特に処理室201部分を断面図で示してある。また図3は、図2の処理室部分のA−A断面図である。
(処理室)
本実施形態に係る処理炉202は、例えばALD法によるバッチ式縦型ホットウォール型の処理炉として構成されている。図2に示すように、処理炉202は、反応管203とマニホールド209とを備えている。反応管203は、例えば石英(SiO)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性を有する非金属材料から構成され、上端部が閉塞され、下端部が開放された円筒形状に構成されている。マニホールド209は、例えばSUS等の金属材料から構成され、上端部及び下端部が開放された円筒形状に構成されている。反応管203は、マニホールド209により下端部側から縦向きに支持されている。反応管203の下端部、マニホールド209の上部および下部の開口端部にはそれぞれ環状のフランジが設けられている。反応管203下端部と、マニホールド209上端部のフランジとの間にはOリングなどの封止部材220が設けられ、両者の間は気密に封止されている。
反応管203及びマニホールド209の内部には、基板としてのウエハ200を複数積層して収容する処理室201が形成されている。そして、基板保持具としてのボート217が、上述した基板保持具昇降機構としてのボートエレベータ115によって下方から処理室201内に挿入されるように構成されている。
ボート217は、複数枚(例えば50枚から150枚程度)のウエハ200を、略水平状態で所定の隙間(基板ピッチ間隔)をもって多段に保持するように構成されている。ウエハ200を装填したボート217の最大外径は、反応管203及びマニホールド209の内径よりも小さくなるように構成されている。ボート217は、ボート217を保持する保持体としてのボート支持台218を介してシールキャップ219上に搭載されている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるように構成されている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。ボートエレベータ115が上昇した際には、マニホールド209下端部のフランジとシールキャップ219との間に設けられた封止部材220によって、両者の間は気密に封止されるように構成されている。先に述べた反応管203とマニホールド209との間、並びにマニホールド209とシールキャップ219との間が気密に封止されることで、処理室201内の気密性が保たれる。また、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を垂直方向に昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬送することが可能となっている。
シールキャップ219の下方には、回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されており、処理室201内の気密性を保持したまま、複数のウエハ200を搭載したボート217を回転させることができるように構成されている。ボート217を回転させることで、ウエハ200の処理均一性を向上させることができる。
反応管203の外周には反応管203と同心円状の円筒形状に、加熱部としてのヒータ207が設けられており、処理室201内に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱するように構成されている。ヒータ207は、保持板としてのヒータベース210に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータベース210は、マニホールド20
9に固定されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づき、ヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、後述する多孔ノズル270a,270b,270cと同様に、L字形状に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
(多孔ノズル)
マニホールド209には、多孔ノズル270a,270b,270cが設けられている。多孔ノズル270a,270b,270cは、垂直部と水平部とを有するL字形状にそれぞれ構成されている。多孔ノズル270a,270b,270cの垂直部は、処理室201の内壁に沿うように、ウエハ200の積層方向に沿って鉛直方向にそれぞれ配設されている。多孔ノズル270a,270b,270cの水平部は、マニホールド209の側壁をそれぞれ貫通するように設けられている。
多孔ノズル270a,270b,270cの垂直部側面には、複数のガス供給口248a,248b,248cが鉛直方向に配列するようにそれぞれ設けられている。ガス供給口248a,248b,248cは、積層されたウエハ200の間にそれぞれ開口するように構成されている。ガス供給口248a,248b,248cは、処理室201内の略中心(処理室201内に搬入されたウエハ200の略中心)を向くようにそれぞれ構成されており、ガス供給口248a,248b,248cから供給されるガスは、それぞれ処理室201内の略中心に向けて噴射されるように構成されている。なお、ガス供給口248a,248b,248cの開口径は、それぞれ下部から上部にわたって同一であってもよく、下部から上部にわたって徐々に大きくなっていてもよい。
なお、多孔ノズル270aは、図3に示すように多孔ノズル270b,270cと近接する位置に設けられている。ただし図2においては、便宜上、多孔ノズル270aを多孔ノズル270b,270cと対向する紙面右側の位置に図示している。
(窒素含有ガス供給系)
多孔ノズル270aの上流端(水平端)には、例えば窒素(N)含有ガス(窒化剤)としてのアンモニア(NH)ガスを供給する窒素含有ガス供給管232aの下流端が接続されている。窒素含有ガス供給管232aには、上流側から順に、図示しないNHガス供給源、流量制御機構であるマスフローコントローラ241a、開閉弁であるバルブ252aが設けられている。
バルブ252aの下流側には、キャリアガス及びパージガスとしてのNガス等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234aの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234aには、上流側から順に、図示しない不活性ガス供給源、図示しないマスフローコントローラ、バルブ254aが設けられている。バルブ252a,254aを開けることにより、マスフローコントローラ241aにより流量制御されたNHガスを、キャリアガスとしての不活性ガスとともに処理室201内に供給可能なように構成されている。
また、バルブ252aを閉じた状態でバルブ254aを開けることにより、図示しないマスフローコントローラにより流量制御しながら、パージガスとしての不活性ガスを処理室201内に供給可能なように構成されている。不活性ガスを供給することで、例えばNHガスの供給終了後、処理室201内に残留したNHガス等を排除したり、処理室201内に供給された他のガスの窒素含有ガス供給管232a内への逆流を防止したりすることができる。なお、パージガスを供給するパージガス供給管と、キャリアガスを供給す
るキャリアガス供給管とを別に設けてもよい。
主に、窒素含有ガス供給管232a、NHガス供給源、マスフローコントローラ241a、バルブ252a、不活性ガス供給管234a、不活性ガス供給源、マスフローコントローラ、バルブ254a、多孔ノズル270a、ガス供給口248aにより、処理室201内に窒素含有ガスとしてのNHガスを供給する窒素含有ガス供給系が構成されている。また、主に、不活性ガス供給管234a、不活性ガス供給源、マスフローコントローラ、バルブ254a、窒素含有ガス供給管232a、多孔ノズル270a、ガス供給口248aにより、処理室201内にキャリアガス及びパージガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給系が構成されている。
(アルミニウム含有ガス供給系)
以下、アルミニウム(Al)含有ガスとして、例えば液体原料としてのTMA(トリメチルアルミニウム:(CHAl)を気化させて得られるTMAガスを用いる場合について説明する。液状のTMAを気化させて処理室201内に供給する方法としては、TMAを加熱して気化させてから供給する方法や、キャリアガスとなるヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、窒素(N)ガスなどの不活性ガスを液状のTMA中に供給することで得られたTMAガスを、キャリアガスと共に処理室201内へと供給する方法(バブリング方式)などがある。以下、例えばバブリング方式を用いる場合について説明する。
多孔ノズル270bの上流端(水平端)には、Al含有ガスとしてのTMAガスを供給するAl含有ガス供給管233bの下流端が接続されている。Al含有ガス供給管233bの更に上流側には、TMA容器261bを介して、キャリアガスを供給するキャリアガス供給管232bが設けられている。キャリアガス供給管232bには、上流側から順に、図示しないキャリアガス供給源、マスフローコントローラ241b、バルブ252b、TMA容器261bが設けられている。TMA容器261b内にはTMAの液体が貯留されている。キャリアガス供給管232bの下流端は、TMAの液体中に浸漬されている。Al含有ガス供給管233bの上流端は、TMA容器261b内のTMAの液面上方に配置されている。Al含有ガス供給管233bの下流側にはバルブ253bが設けられている。Al含有ガス供給管233bの下流端は、上述のように多孔ノズル270bの上流端に接続されている。Al含有ガス供給管233bにはヒータ281bが設けられている。ヒータ281bは、Al含有ガス供給管233bを例えば50℃〜60℃程度に保つことが可能なように構成されている。バルブ252bを開けることにより、マスフローコントローラ241bにより流量制御しながら、キャリアガス供給源からTMA容器261b内にキャリアガスを供給してTMAの気化ガスを発生させることが可能なように構成されている。そして、バルブ253bを開けることにより、TMA容器261b内で気化させたTMAガスをキャリアガスと共に処理室201内に供給することが可能なように構成されている。
なお、TMA容器261b内は、図示しないヒータにより加熱可能に構成されていてもよい。ヒータにより加熱温度を調整することにより、TMAの気化ガスの生成を促進させたり抑制させたりして、処理室201内へのTMAガスの供給流量を制御することができる。
Al含有ガス供給管233bのバルブ253bの上流側には、ガス排気管236bの上流端が接続されている。ガス排気管236bにはバルブ256bが設けられている。ガス排気管236bの下流端は、後述する排気管231のAPCバルブ251より下流側に接続されている。バルブ256bを開けることにより、処理室201を介さずにTMAガスを排気することができるように構成されている。TMAガスを安定して生成するには所定
の時間を要するため、処理室201内へのTMAガスの供給を停止している間も、TMA容器261b内にキャリアガスを供給して、TMAガスの生成を継続することが望ましい。キャリアガスによるTMAガスの生成を継続したまま、バルブ253b及びバルブ256bの開閉切り替え動作をすることによって、処理室201内へのTMAガスの供給開始と供給停止とを素早く行なうことができるように構成されている。
Al含有ガス供給管233bのバルブ253bの下流側には、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234bの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234bには、上流側から順に、図示しない不活性ガス供給源、図示しないマスフローコントローラ、バルブ254bが設けられている。バルブ254bを開けることにより、マスフローコントローラにより流量制御しながら、パージガスとしての不活性ガスを不活性ガス供給源から処理室201内に供給可能なように構成されている。不活性ガスを供給することで、例えばTMAガスの供給終了後、処理室201内に残留したTMAガス等を排除したり、処理室201内に供給された他のガスのAl含有ガス供給管233b内への逆流を防止したりすることができる。
主に、キャリアガス供給管232b、キャリアガス供給源、マスフローコントローラ241b、バルブ252b、TMA容器261b、Al含有ガス供給管233b、バルブ253b、ガス排気管236b、バルブ256b、多孔ノズル270b、ガス供給口248bにより、処理室201内にAl含有ガスとしてのTMAガスを供給するアルミニウム含有ガス供給系が構成されている。また、主に、不活性ガス供給管234b、不活性ガス供給源、マスフローコントローラ、バルブ254b、Al含有ガス供給管233b、多孔ノズル270b、ガス供給口248bにより、処理室201内にパージガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給系が構成されている。
(チタン含有ガス供給系)
以下、チタン(Ti)含有ガスとして、例えば液体原料としてのテトラクロロチタン(TiCl)を気化させて得られるTiClガスを用いる場合について説明する。液状のTiClを気化させて処理室201内に供給する方法としては、TMAと同様に、TiClを加熱して気化させてから供給する方法や、キャリアガスとなる不活性ガスを液状のTiCl中に供給することで得られたTiClガスを、キャリアガスと共に処理室201内へと供給する方法(バブリング方式)などがある。以下、例えばバブリング方式を用いる場合について説明する。
多孔ノズル270cの上流端(水平端)には、Ti含有ガスとしてのTiClガスを供給するTi含有ガス供給管233cの下流端が接続されている。Ti含有ガス供給管233cの更に上流側には、TiCl容器261cを介して、キャリアガスを供給するキャリアガス供給管232cが設けられている。キャリアガス供給管232cには、上流側から順に、図示しないキャリアガス供給源、マスフローコントローラ241c、バルブ252c、TiCl容器261cが設けられている。TiCl容器261c内にはTiClの液体が貯留されている。キャリアガス供給管232cの下流端は、TiClの液体中に浸漬されている。Ti含有ガス供給管233cの上流端は、TiCl容器261c内のTiClの液面上方に配置されている。Ti含有ガス供給管233cの下流側にはバルブ253cが設けられている。Ti含有ガス供給管233cの下流端は、上述のように多孔ノズル270cの上流端に接続されている。Ti含有ガス供給管233cにはヒータ281cが設けられている。ヒータ281cは、Ti含有ガス供給管233cを例えば40℃程度に保つことが可能なように構成されている。バルブ252cを開けることにより、マスフローコントローラ241cにより流量制御しながら、キャリアガス供給源からTiCl容器261c内にキャリアガスを供給してTiClの気化ガスを発生させることが可能なように構成されている。そして、バルブ253cを開けることにより、
TiCl容器261c内で気化させたTiClガスをキャリアガスと共に処理室201内に供給することが可能なように構成されている。
なお、TiCl容器261c内は、図示しないヒータにより加熱可能に構成されていてもよい。ヒータにより加熱温度を調整することにより、TiClの気化ガスの生成を促進させたり抑制させたりして、処理室201内へのTiClガスの供給流量を制御することができる。
Ti含有ガス供給管233cのバルブ253cの上流側には、ガス排気管236cの上流端が接続されている。ガス排気管236cにはバルブ256cが設けられている。ガス排気管236cの下流端は、後述する排気管231のAPCバルブ251より下流側に接続されている。バルブ256cを開けることにより、処理室201を介さずにTiClガスを排気することができるように構成されている。TiClガスを安定して生成するには所定の時間を要するため、処理室201内へのTiClガスの供給を停止している間も、TiCl容器261c内にキャリアガスを供給して、TiClガスの生成を継続することが望ましい。キャリアガスによるTiClガスの生成を継続したまま、バルブ253c及びバルブ256cの開閉切り替え動作をすることによって、処理室201内へのTiClガスの供給開始と供給停止とを素早く行なうことができるように構成されている。
Ti含有ガス供給管233cのバルブ253cの下流側には、不活性ガスを供給する不活性ガス供給管234cの下流端が接続されている。不活性ガス供給管234cには、上流側から順に、図示しない不活性ガス供給源、図示しないマスフローコントローラ、バルブ254cが設けられている。バルブ254cを開けることにより、マスフローコントローラにより流量制御しながら、パージガスとしての不活性ガスを不活性ガス供給源から処理室201内に供給可能なように構成されている。不活性ガスを供給することで、例えばTiClガスの供給終了後、処理室201内に残留したTiClガス等を排除したり、処理室201内に供給された他のガスのTi含有ガス供給管233c内への逆流を防止したりすることができる。
主に、キャリアガス供給管232c、キャリアガス供給源、マスフローコントローラ241c、バルブ252c、TiCl容器261c、Ti含有ガス供給管233c、バルブ253c、ガス排気管236c、バルブ256c、多孔ノズル270c、ガス供給口248cにより、処理室201内にTi含有ガスとしてのTiClガスを供給するチタン含有ガス供給系が構成されている。また、主に、不活性ガス供給管234b、不活性ガス供給源、マスフローコントローラ、バルブ254c、Ti含有ガス供給管233c、多孔ノズル270c、ガス供給口248cにより、処理室201内にパージガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給系が構成されている。
(排気系)
マニホールド209の側壁には、排気管231が接続されている。排気管231には、上流側から順に、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245、圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ251、真空排気装置としての真空ポンプ246が設けられている。APCバルブ251は、弁を開閉することで真空排気・排気停止ができ、さらに弁を開度調節することが可能な開閉弁である。真空ポンプ246を作動させつつ、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づき、APCバルブ251の開閉弁の開度を調整することにより、処理室201内を所望の圧力とすることが可能なように構成されている。
主に、排気管231、圧力センサ245、APCバルブ251、真空ポンプ246によ
り、処理室201内の雰囲気を排気する排気系が構成されている。
(制御系)
制御系としてのコントローラ280は、マスフローコントローラ241a,241b,241c、APCバルブ251、バルブ252a,252b,252c,253b,253c,254a,254b,254c,256b,256c、温度センサ263、ヒータ207、圧力センサ245、真空ポンプ246、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。コントローラ280により、マスフローコントローラ241a,241b,241cの流量調整動作、APCバルブ251、バルブ252a,252b,252c,253b,253c,254a,254b,254c,256b,256cの開閉動作、APCバルブ251の圧力調整動作、温度センサ263の温度検出動作、ヒータ207の温度調整動作、圧力センサ245の圧力検出動作、真空ポンプ246の起動・停止、回転機構267の回転速度調節、ボートエレベータ115の昇降動作の制御が行なわれる。
(4)基板処理工程
続いて、本実施形態に係る基板処理工程について説明する。本工程は、例えば図6に示すCMOS等の半導体デバイスの製造工程の一工程として、上述の処理炉202により実施される。本工程では、ウエハ200上に予め形成された高誘電率絶縁膜としてのHfO膜上に、拡散抑制膜としてのTiAlN膜と、低抵抗金属膜としてのTiN膜とを、この順に積層する。これらの積層膜は、本工程の実施後にエッチング工程等が実施されることにより、図6に示すように、pMOSトランジスタ300pのゲート電極としてのTiAlN膜321pとTiN膜322pとの積層膜、及びnMOSトランジスタ300nのゲート電極としてのTiAlN膜321nとTiN膜322nとの積層膜にそれぞれ加工される。また、HfO膜も、ゲート絶縁膜としてのHfO膜310p、及びHfO膜310nにそれぞれ加工される。
なお、本工程では、ゲート電極の下層(拡散抑制膜)を構成するTiAlN膜、及びゲート電極の上層(低抵抗金属膜)を構成するTiN膜を、それぞれALD法により形成する。ALD法は、複数種の処理ガスをウエハ200に混合させることなく交互に供給し、例えば1原子層未満から数原子層単位で吸着させ、表面反応を生じさせることで成膜を行なう手法である。TiAlN膜を形成する際には、処理ガスとして例えばTi含有ガス、Al含有ガス及び窒素含有ガスを用い、TiN膜を形成する際には、処理ガスとして例えばTi含有ガス及び窒素含有ガスを用いる。このとき、処理ガスの供給回数を制御することにより、形成する薄膜の膜厚を制御することができる。例えば、成膜速度が0.1nm/サイクルであれば、20サイクル実施することで2nmの薄膜を形成できる。またこのとき、ガス供給時の供給流量や供給時間、処理温度等の成膜条件をそれぞれ制御することにより、薄膜の組成を制御することができる。
図4は、本実施形態に係る基板処理工程を例示するフロー図である。図5は、本実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。以下の説明において、図2に示す処理炉202を構成する各部の動作は、コントローラ280により制御される。
(基板搬入工程S110)
まず、HfO膜が予め形成された複数枚のウエハ200をボート217に装填(ウエハチャージ)する。そして、複数枚のウエハ200を保持したボート217を、ボートエレベータ115によって持ち上げて処理室201内に搬入(ボートロード)する。この状態で、シールキャップ219は封止部材220を介してマニホールド209の下端を気密に封止した状態となる。基板搬入工程S110においては、バルブ254a,254b,254cを開けて、処理室201内にパージガスとしてのNガス等の不活性ガスを供給し
続けることが好ましい。
(減圧工程S120、昇温工程S130)
続いて、バルブ254a,254b,254cを閉じ、処理室201内を真空ポンプ246により排気する。また、ウエハ200が所定温度、具体的には350℃以下であって、例えば350℃となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合をフィードバック制御して、処理室201内の温度を調整する。そして、回転機構267によりボート217、すなわち、ウエハ200の回転を開始させる。
なお、工程S110〜工程S130と並行して、液体原料としてのTMAを気化させたTMAガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブ253bを閉じたまま、バルブ252bを開け、マスフローコントローラ241bにより流量制御しながら、図示しないキャリアガス供給源からTMA容器261b内にキャリアガスを供給し、TMAの気化ガスを予め生成させておく。このとき、真空ポンプ246を作動させつつ、バルブ253bを閉じたまま、バルブ256bを開けることにより、TMAガスを処理室201内に供給することなく、処理室201をバイパスして排気しておく。
またこのとき、液体原料としてのTiClを気化させたTiClガスを生成(予備気化)させておく。すなわち、バルブ253cを閉じたまま、バルブ252cを開け、マスフローコントローラ241cにより流量制御しながら、図示しないキャリアガス供給源からTiCl容器261c内にキャリアガスを供給し、TiClの気化ガスを予め生成させておく。このとき、真空ポンプ246を作動させつつ、バルブ253cを閉じたまま、バルブ256cを開けることにより、TiClガスを処理室201内に供給することなく、処理室201をバイパスして排気しておく。
バブリングによる供給方式では、TMAガスやTiClガスが安定して生成される状態となるには所定の時間を要するため、生成初期にTMAガスやTiClガスの供給が開始されると供給が不安定になってしまう。そこで、本実施形態では、上述のようにTMAガスやTiClガスを予め生成させておくことで安定供給可能な状態としておき、バルブ253b,256b,253c,256cの開閉を切り替えることで、TMAガス及びTiClガスの流路を切り替える。これにより、TMAガス及びTiClガスの処理室201内への供給開始・供給停止を、安定的かつ迅速に行うことができる。
(第1窒化膜形成工程)
続いて、ウエハ200上に予め形成されたHfO膜上に、第1窒化膜(拡散抑制膜)としてのTiAlN膜を形成する。第1窒化膜形成工程は、後述する工程S141a〜工程S144aを所定回数実施(S145a)する第3窒化膜形成工程と、後述する工程S141b〜工程S144bを所定回数実施(S145b)する第4窒化膜形成工程と、を有し、この第3窒化膜形成工程と第4窒化膜形成工程とを所定回数ずつ交互に実施(S150)して、TiAlN膜を形成する。以下に、第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程について詳述する。
(第3窒化膜形成工程)
(チタン含有ガス供給工程S141a)
チタン含有ガス供給工程S141aでは、処理室201内にTi含有ガスとしてのTiClガスを供給する。具体的には、バルブ256cを閉じ、バルブ253cを開けることにより、キャリアガスと共に、TiCl容器261c内で気化させたTiClガスの処理室201内への供給を開始する。このとき、APCバルブ251の開度を調整して、処理室201内の圧力を20Pa以上50Pa以下の範囲内であって、例えば30Paに維持する。TiClガスの供給流量は、例えば1.0g/min以上2.0g/mi
n以下の範囲内とする。TiClガスの供給時間は、例えば3秒以上10秒以下の範囲内とする。所定時間が経過したら、バルブ253cを閉じバルブ256cを開け、TiClガスの供給を停止する。
処理室201内に供給されたTiClガスは、ウエハ200上のHfO膜に供給され、排気管231から排気される。このとき処理室201内に存在するガスは、TiClガス並びにNガス等の不活性ガスのみであり、NHガス等の窒素含有ガスは存在しない。したがって、TiClガスは気相反応を起こすことなく、ウエハ200上のHfO膜等の表面部分と化学吸着(表面反応)を起こして、TiCl分子の吸着層またはTi層を形成する。TiCl分子の吸着層とは、TiCl分子の連続的な吸着層のほか、不連続な吸着層をも含む。Ti層とは、Tiにより構成される連続的な層のほか、これらが重なってできるTi薄膜をも含む。なお、以下においては、これらすべてを指してTi含有層ともいう。
なお、処理室201内にTiClガスを供給する間、窒素含有ガス供給管232aに接続される不活性ガス供給管234a、及びAl含有ガス供給管233bに接続される不活性ガス供給管234bのバルブ254a,254bを開けて不活性ガスを流すと、窒素含有ガス供給管232a内及びAl含有ガス供給管233b内にTiClガスが回り込むのを防ぐことができる。
(排気工程S142a)
バルブ253cを閉じ、処理室201内へのTiClガスの供給を停止した後は、APCバルブ251を開けて処理室201内の圧力が例えば20Pa以下になるように排気し、処理室201内に残留しているTiClガスや反応生成物等を排除する。このときN等の不活性ガスを、不活性ガス供給管234a,234b,234cからそれぞれ処理室201内に供給してパージすると、処理室201内から残留ガスを排除する効果をさらに高めることができる。所定時間経過後、バルブ234a,234b,234cを閉じて排気工程S142aを終了する。
(窒素含有ガス供給工程S143a)
窒素含有ガス供給工程S143aでは、処理室201内に窒素含有ガスとしてのNHガスを供給する。具体的には、バルブ252a,254aを開けることにより、キャリアガスとしての不活性ガスと共に、マスフローコントローラ241aにより流量制御されたNHガスの処理室201内への供給を開始する。このとき、APCバルブ251の開度を調整して、処理室201内の圧力を50Pa以上1000Pa以下の範囲であって、例えば60Paに維持する。NHガスの供給流量は、例えば1slm以上10slm以下の範囲内とする。NHガスの供給時間は、例えば10秒以上30秒以下の範囲内とする。所定時間が経過したら、バルブ252a,254aを閉じ、NHガスの供給を停止する。
処理室201内に供給されたNHガスは、ウエハ200上のTi含有層に供給され、排気管231から排気される。このとき処理室201内に存在するガスは、NHガス並びにNガス等の不活性ガスのみであり、TiClガス等のTi含有ガスは存在しない。したがって、NHガスは気相反応を起こすことなく、ウエハ200上のTi含有層と表面反応する。その結果、Ti含有層が窒化されて、1原子層未満から数原子層のTiN層がHfO膜上に形成される。
なお、NHガスを供給する間、Al含有ガス供給管233bに接続される不活性ガス供給管234b、及びTi含有ガス供給管233cに接続される不活性ガス供給管234cのバルブ254b,254cを開けて不活性ガスを流すと、Al含有ガス供給管233
b内及びTi含有ガス供給管233c内にNHガスが回り込むことを防ぐことができる。
(排気工程S144a)
バルブ252aを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止した後は、APCバルブ251を開けて処理室201内の圧力が例えば20Pa以下になるように排気し、処理室201内に残留しているNHガスや反応生成物等を排除する。このときN等の不活性ガスを、不活性ガス供給管234a,234b,234cからそれぞれ処理室201内に供給してパージすると、処理室201内から残留ガスを排除する効果をさらに高めることができる。所定時間経過後、バルブ234a,234b,234cを閉じて排気工程S144aを終了する。
このように、本実施形態では、TiClガスとNHガスとをそれぞれ独立して供給し、さらに各供給工程の間で排気工程S142a,S144aを実施することで、TiClガスとNHガスとが互いに混合しないようにしている。
(所定回数実施工程S145a)
上述の工程S141a〜工程S144aを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数実施することにより、ウエハ200上に予め形成されたHfO膜上にTiN層を1層以上積層し、所定膜厚、例えば0.8nm以上15nm以下の厚さの第3窒化膜としてのTiN膜を形成する。図5に、サイクルの実施回数をp回とする例を示す。図5の横軸は経過時間を示し、縦軸は各ガスの供給タイミングを示している。工程S141a〜工程S144aのサイクルの実施回数(pの数値)を調整することで、第3窒化膜としてのTiN膜の厚さを制御することができる。
(第4窒化膜形成工程)
(アルミニウム含有ガス供給工程S141b)
アルミニウム含有ガス供給工程S141bでは、処理室201内にAl含有ガスとしてのTMAガスを供給する。具体的には、バルブ256bを閉じ、バルブ253bを開けることにより、キャリアガスと共に、TMA容器261b内で気化させたTMAガスの処理室201内への供給を開始する。このとき、APCバルブ251の開度を調整して、処理室201内の圧力を20Pa以上50Pa以下の範囲内であって、例えば30Paに維持する。TMAガスの供給流量は、例えば1.0g/min以上2.0g/min以下の範囲内とする。TMAガスの供給時間は、例えば3秒以上10秒以下の範囲内とする。所定時間が経過したら、バルブ253bを閉じバルブ256bを開け、TMAガスの供給を停止する。
処理室201内に供給されたTMAガスは、ウエハ200上のTiN膜に供給され、排気管231から排気される。このとき処理室201内に存在するガスは、TMAガス並びにNガス等の不活性ガスのみであり、NHガス等の窒素含有ガスは存在しない。したがって、TMAガスは気相反応を起こすことなく、HfO膜上に形成されたTiN膜等の表面部分と化学吸着(表面反応)を起こして、TMA分子の吸着層またはAl層を形成する。TMA分子の吸着層とは、TMA分子の連続的な吸着層のほか、不連続な吸着層をも含む。Al層とは、Alにより構成される連続的な層のほか、これらが重なってできるAl薄膜をも含む。なお、以下においては、これらすべてを指してAl含有層ともいう。
なお、TMAガスを供給する間、窒素含有ガス供給管232aに接続される不活性ガス供給管234a、及びTi含有ガス供給管233cに接続される不活性ガス供給管234cのバルブ254a,254cを開けて不活性ガスを流すと、窒素含有ガス供給管232a内及びTi含有ガス供給管233c内にTMAガスが回り込むのを防ぐことができる。
(排気工程S142b)
バルブ253bを閉じ、処理室201内へのTMAガスの供給を停止した後は、上述の排気工程S142aと同様の手順にて、処理室201内に残留しているTMAガス等を排気し、処理室201内をパージする。
(窒素含有ガス供給工程S143b)
窒素含有ガス供給工程S143bでは、上述の窒素含有ガス供給工程S143aと同様の手順及び処理条件にて、処理室201内に窒素含有ガスとしてのNHガスを供給する。なお、このとき、他のガス供給系から処理室201内に不活性ガスを流してもよい。
処理室201内に供給されたNHガスはウエハ200上のAl含有層に供給され、排気管231から排気される。このとき処理室201内に存在するガスは、NHガス並びにNガス等の不活性ガスのみであり、TMAガス等のAl含有ガスは存在しない。したがって、NHガスは気相反応を起こすことなく、ウエハ200上のAl含有層と表面反応する。その結果、Al含有層が窒化されて、1原子層未満から数原子層のAlN層がTiN膜上に形成される。
(排気工程S144b)
バルブ252aを閉じ、処理室201内へのNHガスの供給を停止した後は、上述の排気工程S144aと同様の手順にて、処理室201内に残留しているNHガスや反応生成物等を排気し、処理室201内をパージする。
このように、本実施形態では、TMAガスとNHガスとをそれぞれ独立して供給し、さらに各供給工程の間で排気工程S142b,S144bを実施することで、TMAガスとNHガスとが互いに混合しないようにしている。
(所定回数実施工程S145b)
上述の工程S141b〜工程S144bを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数実施することにより、第3窒化膜としてのTiN膜上にAlN層を1層以上積層し、所定膜厚、例えば0.2nm以上1nm以下の厚さの第4窒化膜としてのAlN膜を形成する。図5に、サイクルの実施回数をq回とする例を示す。工程S141b〜工程S144bのサイクルの実施回数(qの数値)を調整することで、第4窒化膜としてのAlN膜の厚さを制御することができる。
なお、第4窒化膜としてのAlN膜を形成する際、処理温度(ウエハ200の温度)が高すぎるとAlN膜の面内膜厚分布が不均一となってしまう。しかし、本実施形態においては、上述のとおり処理温度を350℃以下としているので、AlN膜の面内膜厚分布の均一性を向上させることができる。その結果、第1窒化膜としてのTiAlN膜の膜厚の面内均一性や、TiAlN膜中のAl濃度分布の均一性をそれぞれ向上させることができる。
(所定回数実施工程S150)
所定回数実施工程S150では、上述の第3窒化膜形成工程と第4窒化膜形成工程とを1セットとしてこのセットを所定回数実施することにより、ウエハ200上に予め形成されたHfO膜上に、所定膜厚、例えば1nm以上16nm以下の厚さの第1窒化膜としてのTiAlN膜、すなわち、第3窒化膜としてのTiN膜と第4窒化膜としてのAlN膜との積層膜を形成する。第3窒化膜形成工程と第4窒化膜形成工程とのセットの実施回数を調整することで、第1窒化膜としてのTiAlN膜の厚さを制御することができる。
ゲート電極の下層(拡散抑制膜)を構成する第1窒化膜を、TiN膜ではなくTiAlN膜により形成することで、CMOS等の半導体デバイスの特性を向上させることができる。例えば、pMOSトランジスタでは、ゲート絶縁膜に接する第1窒化膜の仕事関数は大きいほうが好ましく、nMOSトランジスタでは、ゲート絶縁膜に接する第1窒化膜の仕事関数は小さいほうが好ましい。本実施形態では、ゲート絶縁膜に接する第1窒化膜をTiAlN膜により形成し、さらに、TiAlN膜中のTiとAlとの組成比を制御することにより、第1窒化膜の仕事関数を制御することができる。そして、要求特性の異なるpMOSトランジスタとnMOSトランジスタとのそれぞれに対し、所望の特性を有するゲート電極を提供することができる。すなわち、TiN中に添加されるAlは仕事関数を下げる性質を有するため、Alに対するTiの組成比を相対的に高めたTiAlN膜(TiリッチなTiAlN膜)を第1窒化膜として形成することで、pMOSトランジスタに好適なゲート電極を提供することができ、Tiに対するAlの組成比を相対的に高めたTiAlN膜(AlリッチなTiAlN膜)を第1窒化膜として形成することで、nMOSトランジスタに好適なゲート電極を提供することが出来る。
なお、TiAlN膜中のTiとAlとの組成比は、第3窒化膜としてのTiN膜の膜厚と、第4窒化膜としてのAlN膜の膜厚との比率を調整することで容易に制御できる。すなわち、第3窒化膜形成工程における所定回数実施工程S145aでの実施回数(図5のp回)と、第4窒化膜形成工程における所定回数実施工程S145bでの実施回数(図5のq回)との比率を調整することで、TiとAlとの組成比を容易に制御することが出来る。例えば、p>qとして、第3窒化膜形成工程1回あたりに形成されるTiN膜の膜厚を、第4窒化膜形成工程1回あたりに形成されるAlN膜の膜厚の膜厚より厚くすれば、Alに対するTiの組成比を相対的に高めたTiAlN膜(TiリッチなTiAlN膜)を形成することができる。また、p<qとして、第3窒化膜形成工程1回あたりに形成されるTiN膜の膜厚を、第4窒化膜形成工程1回あたりに形成されるAlN膜の膜厚の膜厚より薄くすれば、Tiに対するAlの組成比を相対的に高めたTiAlN膜(AlリッチなTiAlN膜)を形成することができる。
なお、Tiに対するAlの組成比の上限は50%程度とすることが好ましい。これによって、ゲート電極の抵抗率を低く抑えることができる。
なお、上記においては、第1窒化膜としてのTiAlN膜を形成する際に、第3窒化膜形成工程から開始することとしたが、第4窒化膜形成工程から開始してもよい。つまり、ウエハ200上のHfO膜上にまずは第4窒化膜としてのAlN膜を形成し、次に第3窒化膜としてのTiN膜を形成し、このセットを所定回数実施することにより、TiAlN膜を形成するようにしてもよい。
(第2窒化膜形成工程)
続いて、ゲート電極の下層を構成する第1窒化膜(拡散抑制膜)としてのTiAlN膜上に、ゲート電極の上層を構成する第2窒化膜(低抵抗金属膜)としてのTiN膜を形成する。なお、第2窒化膜としてのTiN膜の形成は、ウエハ200を処理室201内から搬出することなく、同一の処理室201内で連続的に行う。
このときの成膜手法は、CVD法を用いずにALD法を用いる。すなわち、図4に示すように、チタン含有ガス供給工程S161、排気工程S162、窒素含有ガス供給工程S163、排気工程S164を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数実施(S165)することにより、所定膜厚、例えば5nm以上30nm以下の厚さの第2窒化膜としてのTiN膜を形成する。図5に、サイクルの実施回数をr回とする例を示す。工程S161〜工程S164のサイクルの実施回数(rの数値)を調整することで、第2窒化膜としてのTiN膜の厚さを制御することができる。
このとき、チタン含有ガス供給工程S161、排気工程S162、窒素含有ガス供給工程S163、排気工程S164は、上述の第3窒化膜形成工程(S141a〜S144a)と同様の手順にて行う。また、処理条件についても、第3窒化膜形成工程と同様とすることができるが、処理温度(ウエハ200の温度)については、例えば350℃以上550℃以下の範囲内であって、例えば550℃とすることが好ましい。
ゲート電極の上層を構成する第2窒化膜としてのTiN膜を、CVD法ではなくALD法により形成することで、CMOS等の半導体デバイスの特性を向上させることができる。すなわち、TiN膜をCVD法ではなくALD法により形成することで、TiN膜の抵抗率を低減することができ、ゲート電極の電気的特性を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2窒化膜としてのTiN膜を形成する際の処理温度を350℃以上550℃以下の範囲内であって、例えば550℃に高めることで、第2窒化膜としてのTiN膜の抵抗率をいっそう低減することができる。
(降温工程S170、常圧復帰工程S180)
第1窒化膜としてのTiAlN膜と第2窒化膜としてのTiN膜との積層膜が形成されたら、ヒータ207への電力供給を停止し、ボート217およびウエハ200を所定の温度にまで降下させる。温度を降下させる間、バルブ254a,254b,254cを開放したまま維持し、処理室201内にパージガスの供給を継続する。これにより、処理室201内をパージガスで置換すると共に、処理室201内の圧力を常圧に復帰させる。
(基板搬出工程S190)
ウエハ200が所定の温度にまで降下し、処理室201内が常圧に復帰したら、上述の基板搬入工程S110の手順とは逆の手順により、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を下降して、マニホールド209の下端を開口するとともに、処理済のウエハ200を保持したボート217をマニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)する。その後、処理済みのウエハ200はボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。なお、ボート217を搬出するときには、バルブ254a,254b,254cを開け、処理室201内にパージガスを供給し続けることが好ましい。以上により、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
(5)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示すひとつまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、第1窒化膜形成工程と第2窒化膜形成工程とを実施して、第1窒化膜としてのTiAlN膜と第2窒化膜としてのTiN膜との積層構造を、同一の処理室201内で連続的に形成している。これにより、ゲート電極の積層構造を別々の基板処理装置や処理室内で形成する必要がなく、製造コストを低減し、生産性を向上させることができる。また、ゲート電極の積層構造を、真空度の保たれた同一の処理室201内で連続的に形成することにより、半導体デバイスの特性を向上させることができる。すなわち、ゲート電極の積層構造の形成途中でウエハ200を処理室201外へ搬出しないため、例えばゲート電極の下層を構成するTiAlN膜等が大気に曝されること等を回避でき、ゲート電極の酸化や、ゲート電極中への異物の混入等を抑制することができる。
(b)また、本実施形態によれば、ゲート電極の下層(拡散抑制膜)を構成する第1窒化膜を、TiN膜ではなくTiAlN膜により形成している。これにより、CMOS等の半導体デバイスの特性を向上させることができる。例えば、pMOSトランジスタでは、ゲート絶縁膜に接する第1窒化膜の仕事関数は大きいほうが好ましく、nMOSトランジス
タでは、ゲート絶縁膜に接する第1窒化膜の仕事関数は小さいほうが好ましい。本実施形態では、ゲート絶縁膜に接する第1窒化膜をTiAlN膜により形成し、さらに、TiAlN膜中のTiとAlとの組成比を制御することにより、第1窒化膜の仕事関数を制御することができる。そして、要求特性の異なるpMOSトランジスタとnMOSトランジスタとのそれぞれに対し、所望の特性を有するゲート電極を提供することができる。すなわち、TiN中に添加されるAlは仕事関数を下げる性質を有するため、Alに対するTiの組成比を相対的に高めたTiAlN膜(TiリッチなTiAlN膜)を第1窒化膜として形成することで、pMOSトランジスタに好適なゲート電極を提供することができ、Tiに対するAlの組成比を相対的に高めたTiAlN膜(AlリッチなTiAlN膜)を第1窒化膜として形成することで、nMOSトランジスタに好適なゲート電極を提供することが出来る。
(c)また、本実施形態によれば、第1窒化膜としてのTiAlN膜を、第3窒化膜形成工程と第4窒化膜形成工程とを1セットとしてこのセットを所定回数実施することにより形成している。これにより、TiAlN膜中のTiとAlとの組成比を容易かつ高精度に制御できる。すなわち、第3窒化膜形成工程における所定回数実施工程S145aでの実施回数(図5のp回)と、第4窒化膜形成工程における所定回数実施工程S145bでの実施回数(図5のq回)との比率を調整し、第3窒化膜としてのTiN膜の膜厚と、第4窒化膜としてのAlN膜の膜厚との比率を調整することで、TiAlN膜中のTiとAlとの組成比を容易に制御することが出来る。これにより、ゲート電極の下層の仕事関数を、容易かつ高精度に制御できる。
(d)また、本実施形態によれば、第4窒化膜としてのAlN膜を形成する際の処理温度(ウエハ200の温度)を、350℃以下であって、例えば350℃としている。これにより、第4窒化膜としてのAlN膜の膜厚の面内均一性を向上させることができる。その結果、第1窒化膜としてのTiAlN膜の膜厚の面内均一性や、TiAlN膜中のAl濃度分布の均一性をそれぞれ向上させることができる。
(e)また、本実施形態によれば、ゲート電極の上層(低抵抗金属膜)を構成する第2窒化膜としてのTiN膜を、CVD法ではなくALD法により形成する。つまり、チタン含有ガス供給工程S161、排気工程S162、窒素含有ガス供給工程S163、排気工程S164を1サイクルとしてのこのサイクルを所定回数実施(S165)することにより、所定膜厚の第2窒化膜としてのTiN膜を形成する。これにより、CMOS等の半導体デバイスの特性を向上させることができる。すなわち、TiN膜をCVD法ではなくALD法により形成することで、TiN膜の抵抗率を低減することができ、ゲート電極の電気的特性を向上させることができる。
(f)また、本実施形態によれば、第2窒化膜としてのTiN膜を形成する際の処理温度(ウエハ200の温度)を、350℃以上550℃以下の範囲内であって、例えば550℃としている。これによって、TiN膜の抵抗率をいっそう低減させることができる。
図7に、ALD法により形成されたTiN膜(ALD−TiN膜)の抵抗率と、CVD法により形成されたTiN膜(CVD−TiN膜)の抵抗率とをそれぞれ示す。図7の横軸は各形成方法における処理温度(℃)を示し、縦軸は抵抗率(μΩ・cm)を示している。図中、●印はALD−TiN膜の抵抗率を示し、△印はCVD−TiN膜の抵抗率を示している。
図7に示すように、少なくとも350℃以上550℃以下の範囲内の温度領域においては、ALD−TiN膜の方が、CVD−TiN膜に比べて抵抗率が低く、いずれも200μΩ・cm以下の抵抗率であった。なお、CVD−TiN膜、ALD−TiN膜ともに、
処理温度を上げると抵抗率がそれぞれ低下することが分かる。
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る基板処理工程について説明する。本実施形態に係る基板処理工程では、第1窒化膜形成工程におけるTiClガス、TMAガス、NHガスの供給順序が上述の実施形態とは異なる。すなわち、第3窒化膜としてのTiN膜と第4窒化膜としてのAlN膜とが交互に積層してなるTiAlN膜を形成するのではなく、TiClガス、TMAガスを順次供給した後、まとめてNHガスを供給し、Ti原子とAl原子とが厚さ方向により均一かつ連続的に分散してなるTiAlN膜を形成する点が、上述の実施形態と異なる。他の構成については、上述の実施形態と同様である。以下、主に異なる点について説明する。
(1)基板処理工程
以下に、本実施形態に係る基板処理工程について、主に図8および図9を用いて説明する。図8は、本実施形態に係る基板処理工程を例示するフロー図であり、図9は、本実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。なお、本実施形態に係る基板処理工程も、図2及び図3の処理炉202を用いて実施される。また、各部の動作はコントローラ280により制御される。
(基板搬入工程S210〜昇温工程S230)
基板搬入工程S210、減圧工程S220、昇温工程S230の各工程は、上述の実施形態の各工程S110〜S130と同様の手順にて行う。
(第1窒化膜形成工程)
続いて、後述する工程S241a〜工程S250を実施して、ウエハ200上に予め形成されたHfO膜上に、第1窒化膜としてのTiAlN膜を形成する。これについて、以下に詳述する。
(チタン含有ガス供給工程S241a)
チタン含有ガス供給工程S241aでは、上述の実施形態に係るチタン含有ガス供給工程S141aと同様の手順及び処理条件にて、処理室201内にTi含有ガスとしてのTiClガスを供給する。これにより、ウエハ200上に予め形成されたHfO膜上にTi含有層が形成される。
(排気工程S242a)
上述の実施形態に係る排気工程S142aと同様の手順にて処理室201内の雰囲気を排気し、また、処理室201内をパージする。
(アルミニウム含有ガス供給工程S241b)
上述の実施形態に係るアルミニウム含有ガス供給工程S141bと同様の手順及び処理条件にて、処理室201内にAl含有ガスとしてのTMAガスを供給する。これにより、Ti含有層上にAl含有層が形成される。或いは、Ti含有層とAl含有層とが交じり合った層が形成される。なお、以下においては、これらすべてを指してTiAl含有層ともいう。
(排気工程S242b)
上述の実施形態に係る排気工程S142bと同様の手順にて処理室201内の雰囲気を排気し、また、処理室201内をパージする。
(窒素含有ガス供給工程S241c)
窒素含有ガス供給工程S241cでは、上述の実施形態に係る窒素含有ガス供給工程S143a,S143bと同様の手順及び処理条件にて、処理室201内に窒素含有ガスとしてのNHガスを供給する。これにより、TiAl含有層が窒化されてTiAlN層が形成される。
(排気工程S242c)
上述の実施形態に係る排気工程S144a,S144bと同様の手順にて処理室201内の雰囲気を排気し、また、処理室201内をパージする。
このように、本実施形態では、TiClガス、TMAガス、NHガスをそれぞれ独立して供給し、さらに各供給工程の間で排気工程S242a,S242b,S242cを実施することで、TiClガスとTMAガスとNHガスとが異種ガス間で互いに混合しないようにしている。
(所定回数実施工程S250)
上述の工程S241a〜工程S242cを1サイクルとしてこのサイクルを所定回数実施して、ウエハ200上に形成されたHfO膜上に所定膜厚、例えば2nm以上10nm以下の厚さの第1窒化膜としてのTiAlN膜を形成する。図9に、サイクルの実施回数をm回とする例を示す。工程S241a〜工程S242cのサイクルの実施回数(mの数値)を調整することで、TiAlN膜の厚さを制御することができる。
なお、上記においては、TiClガス、TMAガス、NHガスの順に供給することとしたが、供給順はこれに限られず、例えばTMAガス、TiClガス、NHガスの供給順に供給してもよい。
(第2窒化膜形成工程)
続いて、上述の実施形態に係る各工程S161〜S164と同様の手順及び処理条件にて、図8の工程S261〜工程S264を1サイクルとしてこのサイクルを所定回数実施(S265)することにより、第1窒化膜としてのTiAlN膜上に、所定膜厚、例えば5nm以上30nm以下の厚さの第2窒化膜としてのTiN膜を形成する。図9に、サイクルの実施回数をn回とする例を示す。工程S261〜工程S264の実施回数(nの数値)を調整することで、TiN膜の厚さを制御することができる。
(降温工程S270〜基板搬出工程S290)
降温工程S270、常圧復帰工程S280、基板搬出工程S290の各工程は、上述の実施形態の各工程S170〜S190と同様の手順にて行う。以上により、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
(a)また、本実施形態によれば、TiClガス、TMAガス及びNHガスを所定の順序で所定回数供給する。これによって、上述の実施形態のようにTiN膜とAlN膜とが交互に積層してなるTiAlN膜ではなく、Ti原子とAl原子とが厚さ方向により均一かつ連続的に分散してなるTiAlN膜を形成することができる。上述の実施形態のようにTiN膜とAlN膜とを交互に積み重ねてTiAlN膜とするか、或いは本実施形態のようにより均一かつ連続的なTiAlN膜とするかは、所望の半導体デバイスの要求特性等に応じて適宜、選択することができる。
(b)また、本実施形態によれば、各ガスの供給順をTiClガス、TMAガス、NH
ガスの順、或いはTMAガス、TiClガス、NHガスの順とする。これによって、1回の窒素含有ガス供給工程S241cで、Ti含有層とAl含有層とを同時に窒化することができ、ガス供給の工程数を削減することができる。よって、生産性をさらに向上させることができる。
(c)また、本実施形態によれば、TiClガス及びTMAガスの供給時間、供給流量又は供給回数の少なくともいずれかを制御して、TiAlN膜中のTiとAlとの組成比を自在に制御することができる。これによって、半導体デバイスの特性をいっそう向上させることができる。
以下に、本実施形態の変形例として、TiとAlとの組成比の制御方法について説明する。なお、これらの手法は、単独で用いる場合に限らず、任意に組み合わせることが出来る。
(変形例1)
本実施形態の変形例1について、図10を用いて説明する。図10は、本変形例に係る基板処理工程のガス供給タイミング図であって、(a)はTi含有ガスの供給時間を延ばした図であり、(b)はAl含有ガスの供給時間を延ばした図である。
図10(a)に示すように、第1窒化膜形成工程におけるTi含有ガスの供給時間を、Al含有ガスの供給時間よりも相対的に長くすれば、TiAlN膜中のAlに対するTiの組成比を相対的に高めることができる。また、図10(b)に示すように、第1窒化膜形成工程におけるTi含有ガスの供給時間よりも、Al含有ガスの供給時間を相対的に長くすれば、TiAlN膜中のTiに対するAlの組成比を相対的に高めることができる。
(変形例2)
本実施形態の変形例2について、図11を用いて説明する。図11は、本変形例に係る基板処理工程のガス供給タイミング図であって、(a)はTi含有ガスの供給流量を増やした図であり、(b)はAl含有ガスの供給流量を増やした図である。
図11(a)に示すように、第1窒化膜形成工程におけるTi含有ガスの供給流量を、Al含有ガスの供給流量よりも相対的に多くすれば、TiAlN膜中のAlに対するTiの組成比を相対的に高めることができる。また、図11(b)に示すように、第1窒化膜形成工程におけるTi含有ガスの供給流量よりも、Al含有ガスの供給流量を相対的に多くすれば、TiAlN膜中のTiに対するAlの組成比を相対的に高めることができる。
なお、本実施形態のようにガス供給をバブリング方式とした場合、各ガスの供給流量は、例えば各ガスの液体原料容器が備えるヒータにより制御することができる。すなわち、TiCl容器261c及びTMA容器261b内の温度を上昇させれば、液体原料の揮発量を増加させて処理室201内へのガスの供給流量を増加させることができる。また、TiCl容器261c及びTMA容器261b内の温度を低下させれば、液体原料の揮発量を減少させて処理室201内へのガスの供給流量を減少させることができる。
(変形例3)
本実施形態の変形例3について、図12を用いて説明する。図12は、本変形例に係る基板処理工程のガス供給タイミング図であって、(a)はAl含有ガスの供給回数を減らした図であり、(b)はTi含有ガスの供給回数を減らした図である。
図12(a)に示すように、第1窒化膜形成工程おけるTi含有ガスの供給回数を、Al含有ガスの供給回数よりも相対的に多くすれば、TiAlN膜中のAlに対するTiの
組成比を相対的に高めることができる。また、図12(b)に示すように、第1窒化膜形成工程おけるTi含有ガスの供給回数を、Al含有ガスの供給回数よりも相対的に少なくすれば、TiAlN膜中のTiに対するAlの組成比を相対的に高めることができる。
なお、図12(a),(b)には、Ti含有ガス及びAl含有ガスの供給回数が、それぞれ3回:1回,1回:3回となる場合について示したが、係る供給回数の値や比率は、所望の組成比に応じて適宜、変更可能である。
<本発明の第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る基板処理工程について説明する。本実施形態に係る基板処理工程では、第3窒化膜としてのTiN膜を、ALD法により形成するのではなく、TiClガスとNHガスとを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気するパルスモードCVD法により形成する点が、第1の実施形態と異なる。また、第4窒化膜としてのAlN膜を、ALD法により形成するのではなく、TMAガスとNHガスとを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気するパルスモードCVD法により形成する点が、第1の実施形態と異なる。また、パルスモードCVD法を第2窒化膜としてのTiN膜の形成にも適用する。その他の構成については、第1実施形態と同様である。以下、主に異なる点について説明する。
(1)基板処理工程
以下に、本実施形態に係る基板処理工程について、主に図13を用いて説明する。図13は、本実施形態に係る基板処理工程のガス供給タイミング図である。なお、本実施形態に係る基板処理工程も、図2及び図3の処理炉202を用いて実施される。また、各部の動作はコントローラ280により制御される。
(第1窒化膜形成工程)
本実施形態では、第1実施形態の工程S110〜工程S130と同様の工程を実施した後、後述する第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程を順に実施して、ウエハ200上に形成されたHfO膜上に、第1窒化膜としてのTiAlN膜を形成する。
(第3窒化膜形成工程)
第3窒化膜形成工程では、処理室201内にTiClガスとNHガスとを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程を所定回数実施し、第3窒化膜としてのTiN膜を形成する。TiClガス及びNHガスの供給は、第1実施形態に係るチタン含有ガス供給工程S141a及び窒素含有ガス供給工程S143aと同様に行う。また、このときの処理条件を、例えば以下のようにすることができる。
処理室内圧力:10Pa以上900Pa以下の範囲であって、例えば20Pa、
TiClガスの供給流量:0.1g/min以上1.0g/min以下の範囲内、
NHガスの供給流量:0.1slm以上15slm以下の範囲内、
ガス供給時間:2秒以上90秒以下の範囲内
(第4窒化膜形成工程)
第4窒化膜形成工程では、処理室201内にTMAガスとNHガスとを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程を所定回数実施し、第4窒化膜としてのAlN膜を形成する。TMAガス及びNHガスの供給は、第1実施形態に係るアルミニウム含有ガス供給工程S141b及び窒素含有ガス供給工程S143bと同様に行う。また、このときの処理条件を、例えば以下のようにすることができる。
処理室内圧力:10Pa以900Pa以下の範囲であって、例えば20Pa、
TMAガスの供給流量:0.1g/min以上1.0g/min以下の範囲内、
NHガスの供給流量:0.1slm以上15slm以下の範囲内、
ガス供給時間:2秒以上90秒以下の範囲内
なお、第3、第4窒化膜形成工程において、各ガスを「同時に供給する」とは、各ガスを供給している時間が少しでも重なることをいう。つまり、各ガスの供給開始と停止とのいずれか一方又は両方のタイミングが一致している場合を含むほか、各ガスの供給開始と停止とのタイミングが両方ともずれている場合も含む。
(所定回数実施工程S250)
上述の第3窒化膜形成工程と第4窒化膜形成工程とを1セットとしてこのセットを所定回数実施することにより、ウエハ200上に予め形成されたHfO膜上に、所定膜厚のTiAlN膜を形成する。
(第2窒化膜形成工程)
上述の本実施形態に係る第3窒化膜形成工程と同様の手順及び処理条件にて、第1窒化膜としてのTiAlN膜の上に第2窒化膜としてのTiN膜を形成する。
その後、第1実施形態の降温工程S170、常圧復帰工程S180、基板搬出工程S190と同様の工程を順次実施し、本実施形態に係る基板処理工程を終了する。
(2)本実施形態に係る効果
以上、本実施形態においても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。
(a)また、本実施形態によれば、処理室201内にTiClガスとNHガスとを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する第3窒化膜形成工程と、処理室201内にTMAガスとNHガスとを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する第4窒化膜形成工程と、を1セットとしてこのセットを所定回数実施することにより、第1窒化膜としてのTiAlN膜を形成する。このように、各ガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気することで、CVD法の利点とALD法の利点との双方が得られる。
例えば一般的なCVD法では、形成する膜を構成する複数の元素を含む複数種類のガスを基板に同時かつ連続的に供給する。この場合、ALD法にくらべて比較的高い成膜速度を得ることができる。しかしながら、ALD法のような高精度の膜厚制御性や良好なステップカバレッジは得られ難かった。
本実施形態においては、各ガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気することで、膜厚の制御性やステップカバレッジに優れたALD法の利点を活かしつつ、成膜速度を向上させることが可能となる。
(b)また、本実施形態によれば、TiClガスとNHガス、あるいはTMAガスとNHガス、をそれぞれ単独で供給せずに同時に供給するので、ガス供給の工程数を少なくさせることができる。よって、生産性をさらに向上させることができる。
(変形例)
本実施形態の第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程では、複数種のガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程をそれぞれ複数回ずつ実施していたが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、図14に例示したように、第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程において、複数種のガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程をそれぞれ1回ずつ実施するようにしてもよい。本変形例は、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせることで得られる。
<本発明の第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る基板処理工程について説明する。本実施形態に係る基板処理工程は、図15に示すように、第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程のそれぞれにおいて、2種類のガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気した後、主にNHガスのみを単独で供給して排気する工程を更に有する点が、第3実施形態とは異なる。また、第2窒化膜形成工程においても、NHガスを単独供給して排気する工程を更に有する。その他の構成については、第3実施形態と同様である。
本実施形態では、NHガスを単独供給する工程をさらに追加したので、Ti含有層及びAl含有層の窒化をより確実に行うことができる。
(変形例)
本実施形態の第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程では、複数種のガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程と、主にNHガスのみを単独で供給して排気する工程と、を1サイクルとして、このサイクルをそれぞれ複数回ずつ実施していたが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、図16に例示したように、第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程において、複数種のガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程をそれぞれ1回ずつ実施するようにしてもよい。本変形例は、第3実施形態の変形例と第4実施形態とを組み合わせることで得られる。
なお、図15及び図16には、複数種のガスを同時かつ間欠的(パルス的)に供給して排気する工程の実施する度に、毎回、NHガスを単独供給する工程を実施する例を示したが、NHガスを単独供給する工程のタイミングや回数は、任意に選択することが可能である。
<本発明の第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る基板処理工程について説明する。本実施形態に係る基板処理工程は、図17に示すように、NHガスを間欠的(パルス的)に供給せず、一定の流量で連続的に供給する点が、第4実施形態と異なる。すなわち、本実施形態に係る第3窒化膜形成工程では、NHガスを処理室201内に連続的に供給しつつ、TiClガスを処理室201内に間欠的(パルス的)に供給する工程を所定回数実施する。また、本実施形態に係る第4窒化膜形成工程では、NHガスを処理室201内に連続的に供給しつつ、TMAガスを処理室201内に間欠的(パルス的)に供給する工程を所定回数実施する。また、第2窒化膜形成工程でも、NHガスを処理室201内に連続的に供給しつつ、TiClガスを処理室201内に間欠的(パルス的)に供給する工程を所定回数実施する。その他の構成については、第4実施形態と同様である。
本実施形態では、NHガスを連続的に供給するので、Ti含有層及びAl含有層の窒化をさらに確実に行うことができる。
また、本実施形態では、処理室201内にNHガスの流れが常に形成されることによって、処理室201内でのTiClガス及びTMAガスの拡散を促進することができる。また、処理室201内におけるTiClガス及びTMAガスの流れを安定させることができる。また、NHガスの供給が連続して行われることで、処理室201内の圧力変動が抑制されて、ウエハ200の処理特性を安定させることができ、また、処理室201内での異物(パーティクル)の飛散等を抑制することができる。
また、本実施形態では、NHガスを連続的に供給するので、バルブの開閉動作数を減らすことができ、基板処理装置の制御を簡素化することができる。また、バルブの消耗を抑制することができる。
(変形例)
本実施形態の第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程では、TiClガス又はTMAガスを間欠的(パルス的)に供給して排気する工程をそれぞれ複数回ずつ実施していたが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、図18に例示したように、第3窒化膜形成工程及び第4窒化膜形成工程において、TiClガス又はTMAガスを間欠的(パルス的)に供給して排気する工程をそれぞれ1回ずつ実施するようにしてもよい。本変形例は、第4実施形態と第5実施形態とを組み合わせることで得られる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態においては、TiAlN膜とTiN膜との積層構造によりCMOSのゲート電極を形成する場合について説明したが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体デバイスが備えるMIM(Metal−Insulator−Metal)キャパシタの上下部電極や、耐酸化性と低抵抗の両立が必要なコンタクト電極のバリアメタル膜を形成する際にも、本発明を好適に適用することができる。
MIMキャパシタは、例えばHfO膜等からなるキャパシタ絶縁膜を挟む上下部電極を備えている。係る上下電極の形成に本発明を適用する場合、基板上に第2窒化膜としてのTiN膜と第1窒化膜としてのTiAlN膜とをこの順に積層して下部電極を形成したり、キャパシタ絶縁膜上に第1窒化膜としてのTiAlN膜と第2窒化膜としてのTiN膜とをこの順に積層して上部電極を形成したりすることができる。デバイス特性に影響を及ぼすキャパシタ絶縁膜界面での接合状態を良好なものとするため、いずれの場合にも、キャパシタ絶縁膜側にTiAlN膜を形成することが好ましい。
また、上述の実施形態においては、Ti含有ガスとしてTiClガスを用いる場合について説明したが、Ti含有ガスはこれに限られず、例えばTDMAT(テトラキスジメチルアミノチタン:Ti(NMe)ガス、TDEAT(テトラキスジエチルアミノチタン:Ti(NEt)ガス等を使用することができる。
また、上述の実施形態においては、Al含有ガスとしてTMAガスを用いる場合について説明したが、Al含有ガスはこれに限られず、例えば三塩化アルミニウム(AlCl)等を使用することができる。
また、上述の実施形態においては、窒素含有ガス(窒化剤)としてNHガスを用いる場合について説明したが、窒素含有ガスはこれに限られず、例えば窒素(N)ガスや三フッ化窒素(NF)ガス、ヒドラジン(N)ガス等を使用することができる。なお、窒素含有ガスをプラズマ励起させて、処理室201内に供給するようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、各ガスの供給手法等を第1窒化膜形成工程と第2窒化膜形成とで同じにしたが、第1窒化膜形成工程と第2窒化膜形成工程とで異なる供給手法等を用いてもよく、上述の実施形態やその変形例にて例示したいずれの手法であっても任意に組み合わせて実施することができる。
また、上述の各実施形態において、第1窒化膜形成工程と第2窒化膜形成工程とのいずれか一方若しくは両方の工程の後に、基板上に形成された窒化膜を加熱するアニール処理を施してもよい。アニール処理は、例えば処理室内の圧力を50Pa以上1000Pa以
下の範囲であって、例えば150Paに維持し、NHガスを例えば1slm以上91slm以下の範囲内で供給し、例えば1分以上10分以下の範囲内で実施することができる。処理温度は、例えば各膜の形成工程に合わせることができる。なお、本明細書では、一連の処理が同一の処理室内で施されていれば、途中、アニール処理等の他の工程を実施した場合であっても、TiAlN膜とTiN膜とを連続的に形成しているものと表現している。
なお、アニール処理中に処理室内に供給するガスとしては、NHガスのほか、Nガスやモノメチルヒドラジン(CH)ガス等の窒素含有ガス、Hガス等の水素(H)含有ガス、ArガスやHeガス等の不活性ガス等を用いることができる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
本発明の一態様は、
処理室内に基板を搬入する基板搬入工程と、
前記基板にチタンアルミニウム窒化膜を形成する第1窒化膜形成工程と、
前記基板にチタン窒化膜を形成する第2窒化膜形成工程と、
前記処理室内から前記基板を搬出する基板搬出工程と、を有し、
前記第1窒化膜形成工程と前記第2窒化膜形成工程とを同一の前記処理室内で実施する半導体デバイスの製造方法である。
(付記2)
好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
前記基板にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給して前記基板にチタン窒化膜を形成する第3窒化膜形成工程と、
前記基板にアルミニウム含有ガス及び窒素含有ガスを供給して前記基板にアルミニウム窒化膜を形成する第4窒化膜形成工程と、を所定回数ずつ交互に実施し、
前記第2窒化膜形成工程では、
前記基板にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給する。
(付記3)
また、好ましくは、
前記第3窒化膜形成工程では、
チタン含有ガスと窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
前記処理室内にチタン含有ガスを供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施し、
前記第4窒化膜形成工程では、
アルミニウム含有ガスと窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスを供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する。
(付記4)
また、好ましくは、
前記第3窒化膜形成工程では、
前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程を所定
回数実施し、
前記第4窒化膜形成工程では、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程を所定回数実施する。
(付記5)
また、好ましくは、
前記第3窒化膜形成工程では、
前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施し、
前記第4窒化膜形成工程では、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する。
(付記6)
また、好ましくは、
前記第3窒化膜形成工程では、
窒素含有ガスを前記処理室内に連続的に供給しつつ、チタン含有ガスを前記処理室内に間欠的に供給する工程を所定回数実施し、
前記第4窒化膜形成工程では、
窒素含有ガスを前記処理室内に連続的に供給しつつ、アルミニウム含有ガスを前記処理室内に間欠的に供給する工程を所定回数実施する。
(付記7)
好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
前記基板にチタン含有ガス、アルミニウム含有ガス及び窒素含有ガスを所定の順序で所定回数供給し、
前記第2窒化膜形成工程では、
前記基板にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給する。
(付記8)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
異種ガス間で互いに混合しないよう、
前記処理室内にチタン含有ガスを供給して排気する工程と、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスを供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ順に実施する。
(付記9)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する。
(付記10)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ順に実施する。
(付記11)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
窒素含有ガスを前記処理室内に連続的に供給しつつ、
チタン含有ガスを前記処理室内に間欠的に供給する工程と、
アルミニウム含有ガスを前記処理室内に間欠的に供給する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する。
(付記12)
また、好ましくは、
前記第2窒化膜形成工程では、
チタン含有ガスと窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
前記処理室内にチタン含有ガスを供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する。
(付記13)
また、好ましくは、
前記第2窒化膜形成工程では、
前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程を所定回数実施する。
(付記14)
また、好ましくは、
前記第2窒化膜形成工程では、
前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとを同時に供給して排気する工程と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する。
(付記15)
また、好ましくは、
前記第2窒化膜形成工程では、
窒素含有ガスを前記処理室内に連続的に供給しつつ、チタン含有ガスを前記処理室内に間欠的に供給する工程を所定回数実施する。
(付記16)
また、好ましくは、
前記基板上に、前記チタン窒化膜と前記チタンアルミニウム窒化膜とをこの順に積層してキャパシタの下部電極を形成する。
(付記17)
また、好ましくは、
前記基板に形成された絶縁膜上に、前記チタンアルミニウム窒化膜と前記チタン窒化膜とをこの順に積層してキャパシタの上部電極を形成する。
(付記18)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程と前記第2窒化膜形成工程とでは、互いに異なる処理温度で前記基板を加熱する。
(付記19)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程での処理温度を、前記第2窒化膜形成工程での処理温度以下とする。
(付記20)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程での処理温度を、350℃以下とし、
前記第2窒化膜形成工程での処理温度を、350℃以上550℃以下とする。
(付記21)
本発明の他の態様は、
pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとを備えるCMOSとして構成された半導体デバイスの製造方法であって、
前記pMOSトランジスタのゲート電極を、アルミニウムに対するチタンの組成比が高い前記チタンアルミニウム窒化膜と、前記チタン窒化膜とをこの順に積層して形成し、
前記nMOSトランジスタのゲート電極を、チタンに対するアルミニウムの組成比が高い前記チタンアルミニウム窒化膜と、前記チタン窒化膜とをこの順に積層して形成する
半導体デバイスの製造方法である。
(付記22)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
チタン含有ガス及びアルミニウム含有ガスの供給時間、供給流量又は供給回数の少なくともいずれかを制御して、前記チタンアルミニウム窒化膜中のチタンとアルミニウムとの組成比を制御する。
(付記23)
また、好ましくは、
前記第1窒化膜形成工程では、
前記チタンアルミニウム窒化膜中の前記チタン窒化膜と前記アルミニウム窒化膜との膜厚の比率を制御して、前記チタンアルミニウム窒化膜中のチタンとアルミニウムとの組成比を制御する。
(付記24)
本発明のさらに他の態様は、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内にチタン含有ガスを供給するチタン含有ガス供給系と、
前記処理室内にアルミニウム含有ガスを供給するアルミニウム含有ガス供給系と、
前記処理室内に窒素含有ガスを供給する窒素含有ガス供給系と、
前記処理室内の雰囲気を排気する排気系と、
基板が収容された前記処理室内にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にチタン窒化膜を形成させ、前記処理室内にアルミニウム含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にアルミニウム窒化膜を形成させ、前記チタン窒化膜の形成と前記アルミニウム窒化膜の形成とを所定回数ずつ交互に実施させることによりチタンアルミニウム窒化膜を形成させ、
基板が収容された前記処理室内にチタン含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にチタン窒化膜を形成させるよう、前記チタン含有ガス供給系、前記アルミニウム含有ガス供給系、前記窒素含有ガス供給系及び前記排気系を制御する制御系と、を備える
基板処理装置である。
(付記25)
本発明のさらに他の態様は、
前記いずれかの半導体デバイスの製造方法又は基板処理装置を用いて形成される
半導体デバイスである。
(付記26)
本発明のさらに他の態様は、
pMOSトランジスタとnMOSトランジスタとを備えるCMOSとして構成された半導体デバイスであって、
アルミニウムに対するチタンの組成比が高いチタンアルミニウム窒化膜と、チタン窒化膜とがこの順に積層された前記pMOSトランジスタのゲート電極と、
チタンに対するアルミニウムの組成比が高いチタンアルミニウム窒化膜と、チタン窒化膜とがこの順に積層された前記nMOSトランジスタのゲート電極と、を備える
半導体デバイスである。
(付記27)
本発明のさらに他の態様は、
基板に形成されたゲート絶縁膜上にチタンアルミニウム窒化膜を形成し、
前記チタンアルミニウム窒化膜上にALD法によりチタン窒化膜を連続的に形成して、MOSトランジスタのゲート電極を形成する
成膜方法である。
(付記28)
本発明のさらに他の態様は、
ゲート絶縁膜上に形成されたチタンアルミニウム窒化膜と、
前記チタンアルミニウム窒化膜上にALD法により形成されたチタン窒化膜と、を備える
ゲート電極である。
(付記29)
好ましくは、
前記チタン窒化膜上には低抵抗金属膜を形成しない。
(付記30)
本発明のさらに他の態様は、
基板上に、ALD法によりチタン窒化膜を形成し、
前記チタン窒化膜上にチタンアルミニウム窒化膜を連続的に形成して、MIMキャパシタの下部電極を形成する
成膜方法である。
(付記31)
本発明のさらに他の態様は、
基板に形成されたキャパシタ絶縁膜上にチタンアルミニウム窒化膜を形成し、
前記チタンアルミニウム窒化膜上にALD法によりチタン窒化膜を連続的に形成して、MIMキャパシタの上部電極を形成する
成膜方法である。
(付記32)
好ましくは、
前記いずれかの成膜方法において、
チタン含有ガス、アルミニウム含有ガス及び窒素含有ガスを用いて前記各膜を成膜し、
チタン含有ガスがテトラクロロチタンガスであり、アルミニウム含有ガスがトリメチルアルミニウムガスであり、窒素含有ガスがアンモニアガスである。
(付記33)
また、好ましくは、
前記いずれかの成膜方法において、
前記チタンアルミニウム窒化膜と前記チタン窒化膜とを異なる温度で成膜する。
(付記34)
また、好ましくは、
前記いずれかの成膜方法において、
前記チタンアルミニウム窒化膜の膜厚を2nm以下および/または前記チタン窒化膜の膜厚を2nm以上に成膜する。
(付記35)
また、好ましくは、
前記いずれかの成膜方法において、
前記チタン窒化膜の抵抗率が300μΩ・cm以下である。
(付記36)
本発明のさらに他の態様は、
前記いずれかの成膜方法で用いる基板処理装置であって、
同時に複数枚の基板を処理する
基板処理装置である。
101 基板処理装置
200 ウエハ(基板)
201 処理室
280 コントローラ

Claims (6)

  1. 処理室内に基板を搬入する基板搬入工程と、
    前記基板にチタンアルミニウム窒化膜を形成する第1窒化膜形成工程と、
    前記チタンアルミニウム窒化膜上にチタン窒化膜を形成する第2窒化膜形成工程と、
    前記処理室内から前記基板を搬出する基板搬出工程と、を有し、
    前記第1窒化膜形成工程と前記第2窒化膜形成工程とを同一の前記処理室内で実施し、
    前記第2窒化膜形成工程では、
    チタン含有ガスと窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
    前記処理室内に前記チタン含有ガスを供給して排気する工程と、
    前記処理室内に前記窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  2. 前記第1窒化膜形成工程と前記第2窒化膜形成工程とでは、互いに異なる処理温度で前記基板を加熱する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
  3. 前記第1窒化膜形成工程では、
    前記チタン含有ガスと前記窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
    前記処理室内に前記チタン含有ガスを供給して排気する工程と、
    前記処理室内に前記窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する工程と、
    アルミニウム含有ガスと前記窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
    前記処理室内に前記アルミニウム含有ガスを供給して排気する工程と、
    前記処理室内に前記窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施する工程と、
    を所定回数ずつ交互に実施することを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の半導体デバイスの製造方法。
  4. 前記第1窒化膜形成工程では、
    前記チタン含有ガスとアルミニウム含有ガスと前記窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、
    前記処理室内に前記チタン含有ガスを供給して排気する工程と、
    前記処理室内に前記アルミニウム含有ガスを供給して排気する工程と、
    前記処理室内に前記窒素含有ガスを供給して排気する工程と、を所定回数ずつ交互に実施することを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の半導体デバイスの製造方法。
  5. 処理室内に基板を搬入する基板搬入工程と、
    前記基板にチタンアルミニウム窒化膜を形成する第1窒化膜形成工程と、
    前記チタンアルミニウム窒化膜上にチタン窒化膜を形成する第2窒化膜形成工程と、
    前記処理室内から前記基板を搬出する基板搬出工程と、を有し、
    前記第1窒化膜形成工程と前記第2窒化膜形成工程とを同一の前記処理室内で実施し、
    前記第2窒化膜形成工程では、
    前記処理室内に窒素含有ガスを連続的に供給した状態で、チタン含有ガスを間欠的に供給して排気することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  6. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内にチタン含有ガスを供給するチタン含有ガス供給系と、
    前記処理室内にアルミニウム含有ガスを供給するアルミニウム含有ガス供給系と、
    前記処理室内に窒素含有ガスを供給する窒素含有ガス供給系と、
    前記処理室内の雰囲気を排気する排気系と、
    基板が収容された前記処理室内にチタン含有ガスアルミニウム含有ガス及び窒素含有ガスを供給させて基板にチタンアルミニウム窒化膜を形成させ、
    前記チタンアルミニウム窒化膜が形成された基板が収容された前記処理室内にチタン含有ガスと窒素含有ガスとが互いに混合しないよう、チタン含有ガスを供給して排気する処理と、窒素含有ガスを供給して排気する処理と、を所定回数ずつ交互に実施させて、前記チタンアルミニウム窒化膜上にチタン窒化膜を形成させるよう、前記チタン含有ガス供給系、前記アルミニウム含有ガス供給系、前記窒素含有ガス供給系及び前記排気系を制御する制御系と、を備える
    ことを特徴とする基板処理装置。
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