JP5679180B2 - 麺用熱処理小麦粉の製造方法 - Google Patents
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Description
小麦粉の加熱処理の例として、小麦粉を開放系中で乾熱処理するに当たり、小麦粉の水分含量を5%以上に保持しつつ小麦粉の品温を90〜110℃に達せしめ、次いで前記品温および水分含量の条件下に10〜50分間保持することを特徴とする焙焼小麦粉の製造法が知られている。
焙焼小麦粉の調製方法として、バンドオーブンその他のオーブン中で加熱する方法、パドルドライヤー等の加熱装置付きミキサーで加熱する方法、焙焼釜で加熱する方法が例示されている(例えば特許文献1参照)。
また、小麦粉または小麦粉および澱粉からなる原料粉を品温110〜160℃の条件下で50〜150分間焙焼することを特徴とする、グルテンバイタリティ10〜65%を有する焙焼小麦粉の製造法が知られている。
焙焼小麦粉の調製方法として、バンドオーブンその他のオーブン中で加熱する方法、パドルドライヤー等の加熱装置付きミキサーで加熱する方法、焙焼釜で加熱する方法が例示されている(例えば特許文献2参照)。
また、小麦粉及び/又はコーンスターチを水分含量が5質量%以下、好ましくは4.5質量%以下にまで、乾燥すること、乾燥後の品温が100℃を越えないこと、更には、乾燥処理後にシフターによって粒度調製することを特徴とするルウ用乾燥小麦粉及び/又は乾燥コーンスターチの製造方法が知られている。
焙焼小麦粉/又はコーンスターチの調製方法として、気流乾燥による方法、流動層乾燥による方法が例示され、乾燥条件として流動層乾燥の場合は、品温70℃〜100℃で5分間〜40分間、気流乾燥を使用する場合は、1秒〜10秒、ないし数十秒という条件が開示されている(例えば特許文献3参照)。
本発明の目的は、小麦粉の空気輸送中に熱処理を行うことによりグルテンが失活せず変性のみがおこる製造条件を設定することで特徴ある二次加工性を有する麺用小麦粉及びその製造方法並びにこれを使用した麺類を提供することである。
なお、本発明においてグルテン失活とはグルテンが熱変性を起こしグルテン特有の性質である弾性と伸展性が完全に失われた状態をいい、グルテン変性とは非加熱のグルテンからその性質は変化しているものの、グルテン失活には至っていない状態をいう。
従って、本発明は、小麦粉の空気輸送中に小麦粉を熱処理する麺用熱処理小麦粉の製造方法であって、空気輸送中の混合比が1以上10以下となる輸送条件で100℃以上130℃以下の温度の空気により小麦粉を1分間以上60分間以下熱処理することを特徴とする麺用熱処理小麦粉の製造方法である。
本発明で使用する小麦粉には特に限定はなく、求める製品に応じて薄力小麦粉、中力小麦粉、強力小麦粉を適宜使用することができる。
これらは単独で又は2種以上を混合して熱処理を行うことができる。
本発明の麺用熱処理小麦粉が効果的に使用できる麺類として中華麺、生パスタを挙げることができる。
本発明の麺用熱処理小麦粉の使用割合には特に限定はないが穀粉中、本発明の麺用熱処理小麦粉の使用割合が多いほど効果的である。
循環輸送することによる加熱も可能である。
混合比は、1以上10以下である。
本発明の混合比とは、空気の輸送流量(kg/h)/小麦粉の輸送流量(kg/h)で求められる。
空気輸送では、混合比は適宜選択され高濃度輸送なども行われているが、本発明においてグルテン失活を起こさずグルテン変性を効率的に起こす熱処理を行うには、その混合比が、1以上10以下となる条件が必要である。
混合比が1未満の場合はグルテン変性が不十分となり不適当であり、混合比が10を超えるとグルテンが失活してしまい不適当である。
好ましい混合比は、3以上6以下である。
グルテンは熱処理をすることにより弾力が増すといった加工性に変化が生じるという変性を起こすことが知られており、さらに強い熱処理をした場合にはグルテンが失活して加工性を著しく損なうことも知られている。
湿熱処理やパドルドライヤーによる熱処理では水蒸気や金属の熱伝導率が高いため、同じ温度、時間で熱処理を行った場合グルテン失活や焦げが生じるが、空気加熱ではこれが起こらずにグルテン変性のみを起こすことが可能である。
空気の温度は100℃以上130℃以下である。
100℃未満の場合はグルテン変性が不十分となり、130℃を超えるとグルテンが失活してしまい不適当である。
好ましい温度は、110℃以上120℃以下である。
1分間未満だとグルテン変性が不十分であり、60分間を超えるとグルテンが失活するため不適当である。
[実施例1〜12、比較例1〜9]うどん
中力小麦粉(日本製粉株式会社製 商品名:讃岐菊)を熱交換器により過熱した空気によりブロアーを使用して輸送圧力0.2kPaで空気輸送し、表1〜3に示す処理時間、空気温度、混合比で熱処理し麺用熱処理小麦粉を得た。
前記中力小麦粉は水分13.5質量%ベースで水分補正をし、試験を行った。
小麦粉の水分をm質量%とした場合の水分補正の方法は次のとおりである。
小麦粉の実際の使用量(単位:質量部)=100×(100−m)/(100−13.5)
水の実際の使用量(単位:質量部)=(100+加水量)−小麦粉の実際の使用量
うどんの製法及び製麺作業性の評価方法は次のとおりである。
1.小麦粉100質量部に食塩2質量部、水34質量部を加えて、5分間ミキシングを行い生地とした。水の実際の使用量(単位:質量部)=(100+34)−小麦粉の実際の使用量
2.前記生地を製麺ロールにより整形1回、複合2回、圧延3回行い、最終の麺帯の厚みを2.5mmとし、10番(角)の切歯で切り出し麺線とした。麺線の長さは約25cmとした。
3.前記麺線を麺線質量の約15倍の茹で水(pHを5.5〜6.0に調整)で22分間茹で、冷水で締めてからざるに盛った。
[評価]
これを10名の熟練のパネラーにより、以下の評価基準で評価を行った。
色調
5点・・・黄色味が強く明るく非常に良い
4点・・・やや黄色味が強くやや明るく良い
3点・・・普通
2点・・・やや黄色味が弱くやや暗くやや悪い
1点・・・黄色味が弱く暗く悪い
食感
5点・・・硬さと粘弾性のバランスが非常に良くつるみがあり非常に良い
4点・・・硬さと粘弾性のバランスが良くややつるみがあり良い
3点・・・普通
2点・・・硬さと粘弾性のバランスがやや悪く、ややつるみがなくやや悪い
1点・・・硬さと粘弾性のバランスが悪く、つるみがなく悪い
結果を表1〜3に示す。
なお、本発明の総合評価は、◎、○、△、×の4段階とし、この順で評価が下がる。
よって◎が一番良い評価となる。
実施例1において使用する小麦粉を準強力小麦粉(日本製粉株式会社製 商品名:特寿)に変更した以外は実施例1と同様にして、表4〜6に示す処理時間、空気温度、混合比で熱処理し麺用熱処理小麦粉を得た。
実施例1と同様にして水分13.5質量%ベースで水分補正を行って試験を行った。
中華麺の製法及び製麺作業性の評価方法は次のとおりである。
1.準強力小麦粉(日本製粉株式会社製 商品名:特寿)100質量部に食塩1質量部、かんすい1質量部、水32質量部を加えて、5分間ミキシングを行い生地を得た。
かんすいは炭酸カリウム60質量%、炭酸ナトリウム40質量%の混合物を使用した。
2.前記生地を製麺ロールにより整形1回、複合2回、圧延4回行い、最終の麺帯の厚みを1.5mmとし、20番の切歯で切り出し麺線を得た。
麺線の長さは約25cmとした。
3.前記麺線は、麺線質量の約10倍の茹で水で3分間茹で、茹で水を切った上で、あらかじめ準備しておいたスープに入れた。
スープは市販の醤油ラーメン用スープを使用した。
[評価]
これを10名の熟練のパネラーにより、以下の評価基準で評価を行った。
5点・・・黄色味が強く明るい
4点・・・やや黄色味が強くやや明るい
3点・・・普通
2点・・・やや黄色味が弱くやや暗い
1点・・・黄色味が弱く暗い
食感
5点・・・硬さと粘弾性のバランスが非常に良く、茹で伸びが遅い
4点・・・硬さと粘弾性のバランスが良く、茹で伸びがやや遅い
3点・・・普通
2点・・・硬さと粘弾性のバランスがやや悪く、茹で伸びがやや速い
1点・・・硬さと粘弾性のバランスが悪く、茹で伸びが速い
結果を表4〜6に示す。
実施例1において使用する小麦粉をデュラム小麦粉(日本製粉株式会社製 商品名:ジョーカーA)に変更した以外は実施例1と同様にして、表7〜9に示す処理時間、空気温度、混合比で熱処理し麺用熱処理小麦粉を得た。
実施例1と同様にして水分13.5質量%ベースで水分補正を行って試験を行った。
パスタの製法及び製麺作業性の評価方法は次のとおりである。
1.小麦粉100質量部に食塩1質量部、水33質量部を加えて、5分間ミキシングを行い生地とした。
水の実際の使用量(単位:質量部)=(100+33)−小麦粉の実際の使用量
2.前記生地を製麺ロールにより整形1回、複合2回、圧延3回行い、最終の麺帯の厚みを1.3mmとし、10番(角)の切歯で切り出し麺線とした。麺線の長さは約25cmとした。
3.前記麺線を麺線質量の約15倍の茹で水(pHを5.5〜6.0に調整)で4分間茹で、湯切りをして皿に盛った。
[評価]
これを10名の熟練のパネラーにより、以下の評価基準で評価を行った。
5点・・・黄色味が強く明るい
4点・・・やや黄色味が強くやや明るい
3点・・・普通
2点・・・やや黄色味が弱くやや暗い
1点・・・黄色味が弱く暗い
食感
5点・・・硬さと弾力のバランスが非常に良い
4点・・・硬さと弾力のバランスが良い
3点・・・普通
2点・・・硬さと弾力のバランスがやや悪い
1点・・・硬さと弾力のバランスが悪い
結果を表7〜9に示す。
Claims (1)
- 小麦粉の空気輸送中に小麦粉を熱処理する麺用熱処理小麦粉の製造方法であって、空気輸送中の混合比が1以上10以下となる輸送条件で100℃以上130℃以下の温度の空気により小麦粉を1分間以上60分間以下熱処理することを特徴とする麺用熱処理小麦粉の製造方法。
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JP2011001638A JP5679180B2 (ja) | 2011-01-07 | 2011-01-07 | 麺用熱処理小麦粉の製造方法 |
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JP2011001638A JP5679180B2 (ja) | 2011-01-07 | 2011-01-07 | 麺用熱処理小麦粉の製造方法 |
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