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JP5608381B2 - 植物の高温耐性誘導剤および高温耐性誘導方法 - Google Patents

植物の高温耐性誘導剤および高温耐性誘導方法 Download PDF

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Description

本発明は、植物の高温耐性誘導剤および高温耐性誘導方法に関するものである。
近年の地球温暖化により、夏期の高温障害は農業現場で大きな問題となっている。従来、高温障害を防止するために、屋外での日よけの設置やハウスでの換気扇の設置などが行われているが、多額の費用を要するため容易に実施できるものではない。それゆえ、多くの農業現場で容易に利用可能な植物の高温耐性誘導剤の開発が望まれている。
本発明者は、ストレス環境下で植物体に発生する活性酸素により、植物細胞膜に多く含まれる脂肪酸が酸化されて生成するマロンジアルデヒド(以下「MDA」と記す。)が、高温ストレスを与えた植物に対して耐性を付与することを見出し報告している(非特許文献1、2参照)。しかしながら、MDAは不安定であるため、安定な複合体から煩雑な工程を経てMDAを用時調製して使用する必要があり、実用化には適していない。
中本ちひろ、平岡幸浩、山内靖雄、杉本幸裕、「44.高温にさらされたシロイヌナズナでのマロンジアルデヒドの機能解析」、植物化学調節学会第41回大会研究発表記録集、平成18年10月4日発行、p59 山内靖雄、杉本幸裕、「S05−5(S27)高温ストレス下のシロイヌナズナにおけるマロンジアルデヒドの二面的な生理機能」、第49回日本植物生理学会年会要旨集、2008年3月15日発行、p83
本発明は、農業現場において容易に利用可能である実用的な植物の高温耐性誘導剤および簡便な高温耐性誘導方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の各発明を包含する。
[1]一般式(I)
(式中Rは水素原子、ヒドロキシル基、C1−C9アルキル基を表し、Rは水素原子、C1−C5アルキル基を表す。)
で示される化合物であって、マロンジアルデヒド(ヒドロキシアクロレイン)を除く化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物の高温耐性誘導剤。
[2]Rが水素原子、ヒドロキシル基またはメチル基であり、Rが水素原子、メチル基またはエチル基である前記[1]に記載の高温耐性誘導剤。
[3]一般式(I)で表わされる化合物が、
である前記[2]に記載の植物の高温耐性誘導剤。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載の高温耐性誘導剤で植物を処理する工程を包含することを特徴とする植物の高温耐性誘導方法。
[5]前記工程において、高温耐性誘導剤を栽培担体に施用することによって植物を処理することを特徴とする前記[4]に記載の高温耐性誘導方法。
[6]高温耐性誘導剤中の有効成分を0.01〜10μMの濃度に希釈して栽培担体に施用することを特徴とする前記[5]に記載の高温耐性誘導方法。
[7]一般式(I)
(式中Rは水素原子、ヒドロキシル基、C1−C9アルキル基を表し、Rは水素原子、C1−C5アルキル基を表す。)
で示される化合物であって、マロンジアルデヒド(ヒドロキシアクロレイン)を除く化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物の蒸散促進剤。
本発明によれば、農業現場において容易に利用可能である実用的な高温耐性誘導剤および簡便な処理で植物に高温誘導耐性を誘導できる高温耐性誘導方法を提供することができる。それゆえ、高温障害の発生を簡便かつ容易に防止することができる。また、本発明によれば、植物の蒸散促進剤を提供することができる。植物の蒸散を促進することにより、肥料や農薬を迅速かつ効率よく植物体の全体に輸送することができる。
また、本発明により、蒸し込みのような害虫の高温駆除に際し、植物の高温障害を低下させることができる。夏期に、台風や雷雨などの悪天候後に一過的に生じる気温の急激な上昇に対する植物の生育障害を抑制することができる。さらに、継続的に使用すれば、地球温暖化等により恒常的に気温が上昇した条件下でも、植物の生育を保証することができる。
エチルビニルケトン(EVK)処理によるトマトの高温耐性誘導を検討した結果を示す図である。 高温障害が生じたトマトの成長点を示す図である。 エチルビニルケトン(EVK)処理によるトマトの蒸散促進効果を検討した結果を示す図である。 エチルビニルケトン(EVK)のコマツナの発芽に及ぼす影響を検討した結果を示す図である。
本発明は、一般式(I)
(式中Rは水素原子、ヒドロキシル基、C1−C9アルキル基を表し、Rは水素原子、C1−C5アルキル基を表す。)
で示される化合物を有効成分として含有する植物の高温耐性誘導剤を提供する。
C1−C9アルキル基は、炭素数1〜9の直鎖状または分岐状のアルキル基であればよい。Rとして、好ましくは水素原子、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基であり、より好ましくは水素原子、ヒドロキシル基、メチル基である。
C1−C5アルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐状のアルキル基であればよい。Rとして、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
一般式(I)で示される化合物として、具体的にはエチルビニルケトン、メチルビニルケトン、アクロレイン、ヒドロキシアクロレイン、クロトンアルデヒド、3−ペンテン−2−オン、2−ペンテナル、2−ヘキセナル、2−ヘプテナル、2−オクテナル、2−ノネナル、4−ヘキセン−3−オン、5−ヘプテン−4−オン、6−オクテン−5−オン、7−ノネン−6−オンなどが挙げられる。中でも、エチルビニルケトン、ヒドロキシアクロレイン、3−ペンテン−2−オンが好ましく、特に好ましくは、下記式(II)で示されるエチルビニルケトン(1−ペンテン−3−オンともいう。以下「EVK」と記す。)
本発明の高温耐性誘導剤は、有効成分である一般式(I)で示される化合物を適当な不活性担体に、必要に応じて補助剤と一緒に適当な割合で配合して溶解、懸濁、混合、含浸、吸着、付着等させ、適切な剤型、例えば、懸濁剤、乳懸濁剤、乳剤、液剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、粉剤、錠剤、ジャンボ剤等に製剤化して使用することができる。
不活性担体は固体および液体のいずれであってもよい。固体の不活性担体としては、例えば、植物質粉末類(例えば、ダイズ粉、穀物粉、木粉、樹皮粉、鋸粉、タバコ茎粉、クルミ殻粉、ふすま、繊維素粉末等)、粉砕合成樹脂等の合成重合体、粘土類(例えば、カオリン、ベントナイト、酸性白土等)、タルク類(例えば、タルク、ピロフィライト等)、シリカ類(例えば、珪藻土、珪砂、雲母等)、活性炭、天然鉱物質類(例えば、イオウ粉末、軽石、アタパルジャイト、ゼオライト等)、焼成珪藻土、レンガ粉砕物、フライアッシュ、砂、プラスチック担体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等)、無機鉱物性粉末(例えば、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム等)、化学肥料(例えば、硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)、堆肥等を挙げることができ、これらは単独、もしくは二種以上の混合物の形で使用できる。
液体の不活性担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(例えば、エチルエーテル、ジオキサン、セロソルブ、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(例えば、ケロシン、鉱油等)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、アルキルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、ジイソプロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、ジメチルスルホキシド類等を挙げることができ、これらは単独、もしくは二種以上の混合物の形で使用できる。
補助剤は必要に応じて使用でき、単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。有効成分化合物の乳化、分散、可溶化等のために界面活性剤を補助剤として使用できる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、アルキルアリールスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸縮合物、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有効成分化合物の分散安定化、粘着、結合等のために、例えば、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、松根油、糠油、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩等を補助剤として使用することができる。固体製品の流動性改良のために、例えば、ワックス、ステアリン酸塩、燐酸アルキルエステル等を補助剤として使用することができる。消泡剤として、例えば、シリコーン油等を補助剤として使用することができる。
本発明の高温耐性誘導剤全体に対する有効成分化合物の配合割合は特に限定されず、必要に応じて加減することができる。通常約0.01〜約90質量%程度であり、約0.1〜約50質量%程度が好ましい。
本発明は、上記本発明の高温耐性誘導剤で植物を処理する工程を包含する植物の高温耐性誘導方法を提供する。本発明の高温耐性誘導方法を適用可能な植物は、気孔を有する植物であれば特に限定されない。好ましくは農園芸用植物である。本発明の高温耐性誘導剤を適用可能な農園芸用植物は特に限定されないが、例えば、穀類(稲、大麦、小麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ等)、豆類(大豆、小豆、そら豆、エンドウ、落花生等)、果樹・果実類(リンゴ、柑橘類、梨、ブドウ、桃、梅、桜桃、クルミ、アーモンド、バナナ、イチゴ等)、野菜類(キャベツ、トマト、ナス、ほうれん草、ブロッコリー、レタス、タマネギ、ネギ、ピーマン等)、根菜類(ニンジン、馬鈴薯、サツマイモ、大根、かぶ等)、加工用作物類(綿、麻、コウゾ、ミツマタ、菜種、ビート、ホップ、サトウキビ、テンサイ、オリーブ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等)、瓜類(カボチャ、キュウリ、スイカ、メロン等)、牧草類(オーチャードグラス、ソルガム、チモシー、クローバー、アルファルファ等)、芝類(高麗芝、ベントグラス等)、花卉類(キク、バラ、ラン等)、香料等用作物類(ラベンダー、ローズマリー、タイム、パセリ、胡椒、しょうが等)などが挙げられる。
高温耐性誘導剤で植物を処理するとは、本発明の高温耐性誘導剤の有効成分を対象植物に到達させることをいう。したがって、例えば、本発明の高温耐性誘導剤をそのまま、または水等で適宜希釈して、対象植物に高温耐性を誘導するための有効量を、高温障害の発生を防止しようとする対象植物または対象植物の栽培担体に施用すればよい。例えば、対象植物への直接散布、株元処理、作条処理、土壌混和等の施用方法を好適に用いることができる。また、水耕栽培における水耕液を本発明の高温耐性誘導剤で処理してもよい。本発明の高温耐性誘導方法は、栽培担体に本発明の高温耐性誘導剤を施用する方法、すなわち、株元処理、作条処理、土壌混和、水耕液処理等の施用方法が好ましい。また、高温耐性誘導剤で植物を処理する時期は特に限定されないが、高温障害の発生が予想される時期の前が好ましい。
栽培担体とは、植物を栽培するための支持体を意味し、植物が生育しうる材質であればよい。例えば、いわゆる各種土壌、育苗マット、水等を含むものである。具体的には、例えば、砂、バーミキュライト、綿、紙、珪藻土、寒天、ゲル状物質、高分子物質、ロックウール、グラスウール、木材チップ、バーク、軽石等を挙げることができる。
本発明の高温耐性誘導剤の施用量は、有効成分化合物の配合割合、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、対象植物等により異なるが、通常、有効成分化合物として1アール当たり約0.01g〜約10gの範囲から適宜選択して施用すればよく、好ましくは約0.1〜約5gの範囲である。
本発明の高温耐性誘導剤の有効成分が、上記EVKである場合、栽培担体に施用する際の濃度が約0.01〜約10μMであることが好ましく、約0.05〜約5μMであることがより好ましく、約0.1〜約1μMであることがさらに好ましい。EVKは劇毒性の化合物であるが、上記濃度範囲であれば、植物に対して毒性を発現しないことが確認されている。
本発明の高温耐性誘導剤の有効成分は、植物の蒸散を促進することが本願発明者により確認されている。したがって、本発明は、上記一般式(I)で示される化合物を有効成分として含有する植物の蒸散促進剤を提供する。本発明の蒸散促進剤により、肥料や農薬を植物体全体に分布させ、肥料や農薬を効率よく利用できるという効果を奏する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:EVKを含有する高温耐性誘導剤の調製〕
EVK原液(10M、シグマ社製)を1Mとなるようにエタノールで希釈後、さらに水で終濃度が0.01mM〜10mMとなるように希釈した。希釈後のEVK溶液に、10%(v/v)となるように水に溶解した界面活性剤(ニューカルゲンD−945(商品名)、竹本油脂株式会社製、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート)を、終濃度が0.1%(v/v)となるように添加し、高温耐性誘導剤(1000倍濃度)とした。この高温耐性誘導剤(1000倍濃度)は冷蔵庫(約4℃)で保存可能である。
高温耐性誘導剤(1000倍濃度)を使用時に水で1000倍希釈し、濃度0.01μM〜10μMで土壌等の栽培担体に施用した。
〔実施例2:トマトの高温耐性誘導〕
トマト苗(4週齢、米倉園芸)を購入し、実験に使用した。トマト苗は300mLの培養土を含むポットを用いて1ポットに1個体を栽培した。EVK処理区3個体、水処理区(対照)3個体を用いた。EVK処理区には、実施例1で調製した高温耐性誘導剤(濃度1mM)を水で1000倍希釈し(濃度1μM)、ポット当たり100mLを添加した。水処理区には、水をポット当たり100mL添加した。各個体の高さを測定した後、45℃で7時間の高温処理を行った。その後25℃の人工気象器に戻し、1週間観察した後に各個体の高さを測定した。
結果を図1に示した。図1からわかるように、水処理区の個体は高温処理後1週間が経過しても高温処理前と高さがほとんど変わらず、高温処理により生育が停止したことが明らかとなった。一方、EVK処理区の個体は、高温処理を行っても生育が停止することなく、高温処理後1週間で約20cm高くなった。この結果から、EVKを栽培担体に施用することにより、トマトに高温耐性が誘導されたことが明らかとなった。
図2に示したように、水処理区の個体は成長点(図中丸印)が障害を受けていた。したがって、EVK処理は、成長点の障害を緩和するものと考えられる。
〔実施例3:トマトの蒸散促進効果〕
トマト苗(4週齢、米倉園芸)を購入し、実験に使用した。トマト苗は300mLの培養土を含むポットを用いて1ポットに1個体を栽培した。ポロメーターLI−6400(LI−COR社製)の測定チャンバーをトマト葉にセットし、25℃における蒸散速度を測定した。光に依存しない蒸散を測定するために、光照射を行わずに測定した。測定値は約10秒ごとに(1時間当たり350回)ポロメーター内のメモリーに記録した。2分間予備測定を行った後、EVK処理区には、実施例1で調製した濃度0.5mM高温耐性誘導剤を水で1000倍希釈して(濃度0.5μM)ポット当たり100mLを添加し、1時間測定を行った。水処理区には、水をポット当たり100mL添加し、1時間測定を行った。
結果を図3に示した。図3から明らかなように、EVK処理により蒸散が促進されることが示された。この結果から、蒸散の際の気化熱が高温耐性付与に関わっているものと推測できる。
〔実施例4:EVKの毒性試験〕
EVKは劇毒性化合物であるが、食品添加物(香料)として認可されている。そこで、使用濃度において植物に対して毒性を発現しないことを確認するために、日本バーク堆肥協会が推奨するコマツナによる幼植物検定に準拠してEVKの毒性試験を実施した。具体的には、プラスチックトレイに500mLの培養土を敷き詰め、1トレイ当たり20粒のコマツナ種子を播種した。水処理区、0.01%エタノール処理区、0.1μM EVK処理区、0.5μM EVK処理区および1μM EVK処理区の5試験区を設け、それぞれ300mLを培養土に添加した。23℃で発芽、生育させ、10日目に状態を観察した。
結果を図4に示した。図4において、左から水処理区、0.01%エタノール処理区、0.1μM処理区、0.5μM処理区、1μM処理区である。図4から明らかなように、すべての試験区において発芽率は100%であった。この結果から、使用濃度のEVKはコマツナの発芽に影響を及ぼさず、毒性を発現しないことが明らかとなった。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    (式中Rは水素原子、ヒドロキシル基、C1−C9アルキル基を表し、Rは水素原子、C1−C5アルキル基を表す。)
    で示される化合物であって、マロンジアルデヒド(ヒドロキシアクロレイン)を除く化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物の高温耐性誘導剤。
  2. が水素原子、ヒドロキシル基またはメチル基であり、Rが水素原子、メチル基またはエチル基である請求項1に記載の高温耐性誘導剤。
  3. 一般式(I)で表わされる化合物が、
    である請求項2に記載の高温耐性誘導剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の高温耐性誘導剤で植物を処理する工程を包含することを特徴とする植物の高温耐性誘導方法。
  5. 前記工程において、高温耐性誘導剤を栽培担体に施用することによって植物を処理することを特徴とする請求項4に記載の高温耐性誘導方法。
  6. 高温耐性誘導剤中の有効成分を0.01〜10μMの濃度に希釈して栽培担体に施用することを特徴とする請求項5に記載の高温耐性誘導方法。
  7. 一般式(I)
    (式中Rは水素原子、ヒドロキシル基、C1−C9アルキル基を表し、Rは水素原子、C1−C5アルキル基を表す。)
    で示される化合物であって、マロンジアルデヒド(ヒドロキシアクロレイン)を除く化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物の蒸散促進剤。
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