第1の発明は、被加熱物を載置するトッププレートと、略同一平面状に配置された複数の加熱コイルと、前記加熱コイルを制御する制御部と、前記制御部に指示を入力する複数の加熱操作部と、誘導加熱部の位置、大きさ、数量の少なくともいずれか1つを調整するために、複数の前記加熱コイルのうち、通電可能な前記加熱コイルと通電不可能な前記加熱コイルを選定する情報と、かつ、前記各誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作する前記各加熱操作部を選定する情報からなる加熱コイルパターン情報を記憶した情報記憶部と、前記情報記憶部に記憶した複数の前記加熱コイルパターン情報から1つの前記加熱コイルパターン情報を選択する選択手段とを備え、さらに、前記加熱操作部は、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作するかを表示する加熱コイルパターン情報表示部を備えるとともに、前記制御部は、前記選択手段で選択された1つの加熱コイルパターン情報に応じて、各前記誘導加熱部に対応する通電可能な加熱コイルの加熱動作または停止を各加熱操作部に入力した指示に基づいて略同時に行うとともに、前記加熱コイルパターン情報表示部に、2口以上の誘導加熱部のうち、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作するかを表示する電磁調理器であって、
前記加熱コイルパターン情報表示部は複数の光表示手段を備え、前記制御部は、前記選択手段で選択された1つの加熱コイルパターン情報に応じて、前記光表示手段の一部を発光させ、かつ、それ以外を消灯させることで、2口以上の誘導加熱部のうち、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作するかを表示することにより、選択手段の指示に基づいて通電可能な加熱コイルの位置を変化させることが可能となり、2口以上の誘導加熱部の位置を調整させることで調理メニューに必要な誘導加熱部を供給することができるだけでなく、いずれの誘導加熱部に加熱の入切、火力の調節などの指示をどの加熱操作部で行うことができるか明確かつ簡潔にユーザーに知らせることが可能となり、分かり易い表示と簡単な操作によって、ユーザーが使い易い電磁調理器を提供することが
できる。
また、選択手段の指示に基づいて通電可能な加熱コイルの位置を変化させることが可能となり、2口以上の誘導加熱部の大きさを調整させることで調理メニューに必要な誘導加熱部を供給することができるだけでなく、いずれの誘導加熱部に加熱の入切、火力の調節などの指示をどの加熱操作部で行うことができるか明確かつ簡潔にユーザーに知らせることが可能となり、分かり易い表示と簡単な操作によって、ユーザーが使い易い電磁調理器を提供することができる。
また、選択手段の指示に基づいて通電可能な加熱コイルの位置を変化させることが可能となり、2口以上の誘導加熱部の数量を調整させることで調理メニューに必要な誘導加熱部を供給することができるだけでなく、いずれの誘導加熱部に加熱の入切、火力の調節などの指示をどの加熱操作部で行うことができるか明確かつ簡潔にユーザーに知らせることが可能となり、分かり易い表示と簡単な操作によって、ユーザーが使い易い電磁調理器を提供することができる。
また、加熱コイルパターン情報表示部は複数の光表示手段を備え、前記制御部は、前記選択手段で選択された1つの加熱コイルパターン情報に応じて、前記光表示手段の一部を発光させ、かつ、それ以外を消灯させることにより、2口以上の誘導加熱部のうち、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作するかを表示することが可能となり、ユーザーが分かり易い表示部を有する電磁調理器を提供することができる。
また、1つの誘導加熱部に対応する複数の加熱コイルを略同時に加熱動作または停止することにより、複数の加熱コイルを1つの加熱コイルとして動作させることが可能となり、使用者が複数の加熱コイルそれぞれを操作する必要がなくなり、操作回数を減らして使いやすい調理器を供給することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の電磁調理器において、加熱コイルパターン情報表示部は外周枠を備え、前記外周枠の形状をトッププレートの形状と相似形にしたことにより、2口以上の誘導加熱部のうち、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作するかをさらに分かりやすく表示することができ、鍋などの被加熱物が載置されている誘導加熱部の位置をトッププレートとの相対位置で認識することが可能となり、ユーザーがさらに分かり易い表示部を有する電磁調理器を提供することができる。
第3の発明は、特に、第1または2の発明の電磁調理器において、少なくとも一部を発光させることにより誘導加熱部をトッププレートに表示する誘導加熱部表示手段を前記トッププレート下に備え、加熱コイルパターン情報は、さらに、前記各誘導加熱部を表示する前記誘導加熱部表示手段の発光情報を備え、前記制御部は、前記選択手段で選択された1つの加熱コイルパターン情報に応じて、前記誘導加熱部表示手段を発光させることにより、使用者に誘導加熱部の位置、大きさ、数量を視認させることが可能となり、使用者が調理メニューに応じて必要な位置、大きさ、数量を選択することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器1の上面図(b)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の側面図を示すものである。図2は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の回路図である。
図1、図2において、電磁調理器1は、100Vや200Vの商用電源2から入力された交流電力を直流電力に変換するフィルタ回路部3と、フィルタ回路部3が出力する直流電力から所定の周波数を有する高周波電力をそれぞれ発生させる複数のインバータ回路4からなるインバータ部5と、インバータ部5を駆動し制御する制御部6と、高周波電力により高周波磁束を発生させる複数の加熱コイル7からなる加熱コイル部8と、加熱コイル
部8に供給される電力を検知する電力検知部9と、複数の加熱コイル7の上方に配置されたトッププレート10と、使用者が操作して制御部6を制御する操作パネル48と、複数の加熱コイルパターンを記憶する情報記憶部14と、商用電源2とフィルタ回路部3を接続しかつ切断する主電源スイッチ47とを備えている。
操作パネル48は、使用者が電力または温度を調節するための加熱操作ユニット12と、表示部13と、情報記憶部14に記憶した複数の加熱コイルパターンから1つの加熱コイルパターンを選択する選択部15と、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な前記加熱コイルを操作するかを表示する加熱コイルパターン情報表示部112を有する。
さらに、加熱コイルパターン情報表示部112は、外周枠113と、枠114と、枠114内に設けられた複数の光表示部115を有する。
主電源スイッチ47は、インバータ部5への通電をオン・オフする。情報記憶部14、制御部6はマイクロコンピュータで構成されている。フィルタ回路部3は整流回路や力率改善回路を包含する。
インバータ回路4は、フィルタ回路部3で変換された直流電力を所定のタイミングでオン・オフするスイッチング素子を有する。トッププレート10は硬質ガラス等の耐熱性と光透過性を有する材料よりなる。トッププレート10は、鍋等の被加熱物11が載置されるよう構成された上面10Aと、上面10Aの反対側の下面10Bとを有する。
複数の加熱コイル7は、トッププレート10の下面10Bに沿って、トッププレート10の下面10Bの下方に実質的に同一平面上に配置されている。
使用者は、加熱操作ユニット12を操作することでコイル部8に供給される高周波電力の大きさ、または被加熱物11を加熱する温度を設定する。表示部13は、設定された電力もしくは温度と、自動調理メニューなどのメニューの進行状態を表示する。
加熱コイルパターン情報は、複数の加熱コイル7のうち高周波電力を供給することが可能である加熱コイル7と高周波電力を供給することが不可能である加熱コイル7とを示す情報であり、トッププレート10の前記上面に加熱可能領域の位置、大きさ、数量を決定する。
図3は複数の加熱コイル7である加熱コイル7(1)〜7(40)の配置を示すトッププレート10の上面図である。複数の加熱コイル7(1)〜7(40)は直径70mmの渦巻き型の円形状を有し、横方向に8列と縦方向に5行のマトリクス状に配置されている。
加熱コイル7(1)〜7(40)のそれぞれは、発光できる誘導加熱部表示手段16で囲まれている。加熱コイル7は長方形、楕円形、多角形等の他の形状を有してもよく、すべての加熱コイル7(1)〜7(40)が同じ形状を有していなくてもよい。
また、複数の加熱コイル7の数は40に限らず、またマトリクス状の他の形状に配置されていてもよい。
図4(a)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の情報記憶部が記憶している加熱コイルパターンPT1を示す図(b)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の情報記憶部が記憶している加熱コイルパターンPT2を示す図(c)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の情報記憶部が記憶している加熱コイルパターンPT
3を示す図(d)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の情報記憶部が記憶している加熱コイルパターンPT4を示す図である。
図4(a)において、加熱コイルパターンPT1は、複数の加熱コイル7の少なくとも1つをそれぞれ含む群27A、群28A、群29A、群51Aを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域27、28、29と加熱不可能領域51とを定める。
群27Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(17)〜7(19)、7(25)〜7(27)、7(33)〜7(35)で構成する。群28Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)で構成する。
群29Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(4)、7(5)、7(12)、7(13)で構成する。群51Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(1)〜7(3)、7(6)〜7(8)、7(9)〜7(11)、7(14)〜7(16)、7(20)、7(21)、7(28)、7(29)、7(36)、7(37)で構成する。
群27Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域27を形成している。群28Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域28を形成している。
群29Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域29を形成している。群51Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが不可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱不可能領域51を形成している。
図4(b)において、加熱コイルパターンPT2は、複数の加熱コイル7の少なくとも1つをそれぞれ含む群52A、群53A、群54A、を定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域52、53、54を定める。
群52Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(1)〜7(5)、7(9)〜7(13)、7(17)〜7(21)、7(25)〜7(29)、7(33)〜7(37)で構成する。群53Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)で構成する。
群54Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)で構成する。
群52Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域52を形成している。群53Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域53を形成している。群54Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域54を形成している。
図4(c)において、加熱コイルパターンPT3は、複数の加熱コイル7のすべてを含む群56Aを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域56を定める。群56Aは加熱コイル7(1)〜7(40)で構成する。
群56Aの複数の加熱コイル7は高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域56を形成している。
図4(d)において、加熱コイルパターンPT4は、複数の加熱コイル7の少なくとも1つをそれぞれ含む群57A、群58Aを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域57,58を定める。
群57Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(1)〜7(4)、7(9)〜7(12)、7(17)〜7(20)、7(25)〜7(28)、7(33)〜7(36)で構成する。群58Aは、複数の加熱コイル7のうちの加熱コイル7(5)〜7(8)、7(13)〜7(16)、7(21)〜7(24)、7(29)〜7(32)、7(37)〜7(40)で構成する。
群57Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域57を形成している。群58Aの複数の加熱コイル7は、高周波電力を供給することが可能で制御部6に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域58を形成している。
図5は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の誘導加熱部表示手段16の構成図である。図5において、誘導加熱部表示手段16は、トッププレート10の下面10Bに配置された導光部16Aと、トッププレート10を透過する光を発生させる発光部16Bとを有する。発光部16Bは発光ダイオード、レーザー、または蛍光管などの発光素子で構成されている。
制御部6は、発光部16Bを制御して、複数の誘導加熱部表示手段16のうち、使用者が選択部15で選択した加熱コイルパターン情報に基づいて形成される加熱可能領域を囲む誘導加熱部表示手段16を、発光情報111に基づいて発光させ、その加熱可能領域の外周をトッププレート10の上面10Aを通して使用者に視認させる。発光情報111は加熱コイルパターン情報に含まれている。
電磁調理器1では、被加熱物11の大きさ、位置、数量に合わせて加熱可能領域の大きさ、位置、数量を調整することにより、効率よく被加熱物11を加熱することができる。
図6は、本発明の第1の実施の形態における電磁調理器のインバータ回路4の回路図である。図6において、インバータ回路4は複数の加熱コイル7のそれぞれに対応して設けられている。
インバータ回路4は、スイッチング素子17、18と、スイッチング素子17、18のスイッチング損失を低減するスナバコンデンサ19と、加熱コイル7に供給する電力を検知する電力検知部9と、スイッチング素子17、18の導通比を設定する導通比設定部20と、共振コンデンサ21とを備えている。
導通比設定部20は制御部6(図2)から送られた信号と電力検知部9で検知された電力に基づいてスイッチング素子17、18の導通デューティを設定する。
使用者の加熱操作ユニット12への操作に応じて、制御部は電力を設定する加熱電力信号と加熱開始信号と加熱停止信号とを導通比設定部20に送る。導通比設定部20は加熱電力信号で設定された電力と電力検知部9で検知された電力と比較することでスイッチング素子17、18の導通比を設定して加熱コイル7に供給する電力を制御する。
実施の形態1による電磁調理器1では1つのフィルタ回路部3(図2)が複数のインバータ回路4に直流電力を供給しており、少ない部品点数で安価で小型な電磁調理器1が得られる。
複数の加熱コイル7を同じ数の複数のインバータ回路4を備えることで、複数の加熱コイル7に高周波電力を供給することができる。
なお、実施の形態1におけるインバータ回路4はシングルエンデッドプッシュプル方式であるが、ブリッジ方式等の他の方式や、1個のスイッチング素子から成る1石方式のインバータであってもよい。
電磁調理器1はフィルタ回路部3とインバータ回路4の間に設けられた昇圧回路、降圧回路または昇降圧回路をさらに備えてもよい。
1つのインバータ回路4は1つの加熱コイル7に電力を供給して、加熱コイル7の加熱量を制御している。すなわち、実施の形態1における電磁調理器1の複数のインバータ回路4(1)〜4(40)は加熱コイル7(1)〜7(40)に電力をそれぞれ供給して加熱量を個別に制御している。
例えば、制御部6はインバータ回路4(1)〜インバータ回路4(40)の動作周波数やスイッチング素子17、18の導通デューティを異ならせることで、例えば、図4(a)に示す加熱可能領域27で鉄または磁性ステンレスの鍋等の磁性体の被加熱物を加熱し、加熱可能領域28で非磁性ステンレスやアルミなどの鍋等の非磁性体の被加熱物を加熱することができる。
図7は、本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の操作パネル48の構成図である。図7において、加熱操作ユニット12は、使用者が3つの加熱可能領域をそれぞれ操作するための3つの加熱操作部12A〜12Cを備える。
加熱操作部12A〜12Cはそれぞれ「加熱入切」キー22、「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を備えている。
これらのキーは静電容量を検知するタッチキー、プッシュスイッチキー、または音声キー等のスイッチで構成されている。選択部15は、加熱操作ユニット12とは異なる位置でかつ加熱操作ユニット12の近傍に設けられている。
さらに操作パネル48は、いずれの誘導加熱部に対応する通電可能な加熱コイルを操作するかを表示する第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)を第1の加熱操作部12Aの近傍に、第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)を第2の加熱操作部12Bの近傍に、第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)を第3の加熱操作部12Cの近傍に備えている。
図8は、本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の第1の加熱コイルパターン情報表示部の構成図、図9は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の第2の加熱コイルパターン情報表示部の構成図、図10は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の第3の加熱コイルパターン情報表示部の構成図である。
図8において、第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)は、ユーザーにTP(トッププレート)をイメージさせる外周枠113(1)と、誘導加熱部表示手段16を
イメージさせる枠114(1)と、6個の光表示部115(1)〜(6)を備えている。
図9において、第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)は、ユーザーにTPをイメージさせる外周枠113(2)と、誘導加熱部表示手段16をイメージさせる枠114(2)と、6個の光表示部116(1)〜(6)を備えている。
図10において、第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)は、ユーザーにTPをイメージさせる外周枠113(3)と、誘導加熱部表示手段16をイメージさせる枠114(3)と、6個の光表示部117(1)〜(6)を備えている。
図11は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)の光表示部115の構成図である。
図11において、第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)の光表示部115(1)〜(6)(図8)は、トッププレート10の下面10Bに配置された導光部115Aと、トッププレート10を透過する光を発生させる発光部115Bとをそれぞれ有する。
また、第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)の光表示部116(1)〜(6)(図9)は、前記、第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)と同様に、トッププレート10の下面10Bに配置された導光部116Aと、トッププレート10を透過する光を発生させる発光部116Bとをそれぞれ有する。
また、第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)の光表示部117(1)〜(6)(図10)は、前記、第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)と同様に、トッププレート10の下面10Bに配置された導光部117Aと、トッププレート10を透過する光を発生させる発光部117Bとをそれぞれ有する。
なお、第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)の光表示部115(1)〜(6)、第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)の光表示部116(1)〜(6)、第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)の光表示部117(1)〜(6)のそれぞれの発光部115B(1)〜(6)、116B(1)〜(6)、117B(1)〜(6)は発光ダイオード、レーザー、または蛍光管などの発光素子で構成されている。
図12は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の情報記憶部に記憶された使用者が選択部で選択した加熱コイルパターンと加熱コイルパターン情報表示部の表示パターン図である。
図12において、情報記憶部14に記憶されており、使用者が選択部15(図2)で選択した加熱コイルパターンと加熱コイルパターン情報表示部112の表示パターンの対応関係情報である。
制御部6は、使用者が電磁調理器1の主電源スイッチ47をオンにした時、または使用者が選択部15を操作した時に、現在選択されている加熱コイルパターンに応じた対応関係情報を情報記憶部14から読み出して、発光部115B(1)〜(6)、116B(1)〜(6)、117B(1)〜(6)を制御して、第1〜第3の加熱操作部12A,12B,12C(図7)がいずれの加熱可能領域の下方にある誘導加熱部に指示することができるか、その対応関係をトッププレート10の上面10Aを通して使用者に光で視認させる。
すなわち、加熱操作部12Aに関連する誘導加熱部の情報は、加熱操作部12Aの近傍に備えた第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)の表示内容で認識することができる。
また、加熱操作部12Bに関連する誘導加熱部の情報は、第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)の表示内容で認識することができる。
また、加熱操作部12Cに関連する誘導加熱部の情報は、第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)の表示内容で認識することができる。
本実施の形態では、指示を入力可能な加熱可能領域の下方に位置する誘導加熱部に対応する加熱コイル群を1の色(本実施例では赤色で、図12中の実線枠かつ斜線部を表す)で表示し、その他の加熱可能領域の下方に位置する誘導加熱部に対応する加熱コイル群を他の色(本実施例では白色で、図12中の実線枠かつ白色部を表す)で表示し、通電不可とされた加熱不可能領域の下方に位置する誘導加熱部に対応する加熱コイル群を消灯(図12中の点線枠かつ白色部を表す)する。
本発明の第1の実施の形態では、図8、図9、図10に示す光表示部115(1)、116(1)、117(1)は,図3に示す加熱コイル7(17)〜7(19)、7(25)〜7(27)、7(33)〜7(35)に対応する。
また、図8、図9、図10に示す光表示部115(2)、116(2)、117(2)は、図3に示す加熱コイル7(20)、7(21)、7(28)、7(29)、7(36)、7(37)に対応する。
また、図8、図9、図10に示す光表示部115(3)、116(3)、117(3)は、図3に示す加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する。
また、図8、図9、図10に示す光表示部115(4)、116(4)、117(4)は、図3に示す加熱コイル7(1)〜7(3)、7(9)〜7(11)に対応する。
また、図8、図9、図10に示す光表示部115(5)、116(5)、117(5)は、図3に示す加熱コイル7(4)、7(5)、7(12)、7(13)に対応する。
また、図8、図9、図10に示す光表示部115(6)、116(6)、117(6)は、図3に示す加熱コイル7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する。
以上の動作により、図4(a)〜(d)に示した加熱コイルパターン1〜4(PT1〜4)において、第1〜第3の加熱操作部12A〜Cがいずれの加熱可能領域の下方にある誘導加熱部に指示することができるか、その対応関係をトッププレート10の上面10Aを通して使用者に光で視認させることが可能となり、使い勝手を向上させることができる。
また、加熱コイルパターン情報表示部112の外周枠113をトッププレート10の形状と相似形にしている。すなわち、図8、図9、図10に示す寸法y0と図1に示す寸法Y0の比と、図8、図9、図10に示す寸法x1と図1に示す寸法X1の比が等しくなるように設計している。
これにより、ユーザーは鍋などの被加熱物が載置されている誘導加熱部の位置をトッププレート10との相対位置で認識することが可能となり、さらに分かり易く、使い勝手を向上させることが可能となる。
また、加熱コイルパターン情報表示部112の枠114の形状を誘導加熱部表示手段16の形状と相似形にしている。すなわち、図8、図9、図10に示す寸法a0と図1に示す寸法A0の比と、図8、図9、図10に示す寸法b0と図1に示す寸法B0の比が等しくなるように設計している。
同様に、図8、図9、図10に示す寸法a1と図1に示す寸法A1の比と、図8、図9、図10に示す寸法b1と図1に示す寸法B1の比が等しく、図8、図9、図10に示す寸法b2と図1に示す寸法B2の比が等しくなっている。
これにより、ユーザーは鍋などの被加熱物が載置されている誘導加熱部の位置を大きさで認識することが可能となり、さらに分かり易くなり、使い勝手を向上させることが可能となる。
以上のように構成された電磁調理器について、以下その動作、作用を説明する。
制御部6は初期加熱コイルパターンとして図4(a)に示す加熱コイルパターンPT1を設定している。使用者が電磁調理器1の主電源スイッチ47をオンにして商用電源2とフィルタ回路部3を接続する。
制御部6は初期加熱コイルパターンである加熱コイルパターンPT1を情報記憶部14から読み込み、インバータ回路4を制御して加熱コイルパターンPT1の加熱可能領域27〜29内の加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能となるように通電し、加熱不可能領域51内の加熱コイルには高周波電力を供給することが不可能になるようにする。
制御部6は発光情報111を読み出し、加熱可能領域27〜29を囲む誘導加熱部表示手段16の発光部16Bを制御して、トッププレート10上に加熱可能領域27〜29を囲む光を出して使用者に加熱可能領域27〜29を視認させる。
さらに制御部6は、情報記憶部14より、図12に示す対応情報を読み込み、第1〜第3の加熱コイルパターン情報表示部112(1)〜(3)の光表示部115、116、117を制御して、操作部12A〜Cがいずれの加熱可能領域の下方にある誘導加熱部に指示することができるか、その対応関係をトッププレート10の上面10Aを通して使用者に光で視認させる。
使用者が選択部15を操作すると、その操作の度に制御部6が情報記憶部14から所定の順番で加熱コイルパターンPT1〜PT4を順次読み出して、加熱コイルパターンPT1〜PT4で定められた加熱可能領域内の複数の加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能となるようにインバータ部5を制御し、加熱不可能領域内の複数の加熱コイル7に高周波電力を供給することが不可能となるようにインバータ部5を制御する。
さらに、制御部6は誘導加熱部表示手段16によりトッププレート10上の加熱可能領域を使用者に視認させる。また制御部6は、選択された加熱コイルパターンPT1〜PT4に応じて、情報記憶部14から図12に示す加熱コイルパターンと加熱コイルパターン情報表示部112の対応関係情報を読み出して、発光部115Bを制御して、第1〜第3の加熱操作部12A,12B,12Cがいずれの加熱可能領域の下方にある誘導加熱部に指示することができるか、その対応関係をトッププレート10の上面10Aを通して使用者に光で視認させる。
情報記憶部14は、トッププレート10の上面10Aに1つ以上の加熱可能領域27、2
8、29と1つ以上の加熱不可能領域51とを定める加熱コイルパターンPT1と、トッププレート10の上面10Aに1つ以上の加熱可能領域52、53、54を定める加熱コイルパターンPT2と、トッププレート10の上面10Aに1つの加熱可能領域56を定める加熱コイルパターンPT3と、トッププレート10の上面10Aに1つ以上の加熱可能領域57、58を定める加熱コイルパターンPT4とを記憶する。
制御部6は、加熱コイルパターンPT1、PT2、PT3、PT4のうちの加熱コイルパターンPT1を選択する。
すると、複数の加熱コイル7のうち、選択された加熱コイルパターンPT1の1つ以上の加熱可能領域27、28、29に位置する加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能とするようにインバータ部5を制御する。
また、制御部6は、複数の加熱コイル7のうち、選択された加熱コイルパターンPT1の1つ以上の加熱不可能領域51に位置する加熱コイル7に高周波電力を供給することが不可能となるようにインバータ部5を制御する。
また、加熱可能領域27の下方に位置する誘導加熱部27Aは第1の加熱操作部12Aで操作可能であるから、制御部6は、第1の加熱操作部12Aの近傍に配置される第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)において、誘導加熱部27Aに対応する加熱コイル7(17)〜7(19)、7(25)〜7(27)、7(33)〜7(35)に対応する光表示部115(1)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域28の下方に位置する誘導加熱部28Aに対応する加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する光表示部115(3)と、加熱可能領域29の下方に位置する誘導加熱部29Aに対応する加熱コイル7(4)、7(5)、7(12)、7(13)に対応する光表示部115(5)をその他の色(本実施例では白色)で点灯し、その外の通電不可とされた加熱コイル7(20)、7(21)、7(28)、7(29)、7(36)、7(37)、7(1)〜7(3)、7(9)〜7(11)、7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する光表示部115(2)、(4)、(6)を消灯する。
また、加熱可能領域28の下方に位置する誘導加熱部28Aは第3の加熱操作部12Cで操作可能であるから、制御部6は、第3の操作部12Cの近傍に配置される第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)において、誘導加熱部28Aに対応する加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する光表示部117(3)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域27の下方に位置する誘導加熱部27Aに対応する加熱コイル7(17)〜7(19)、7(25)〜7(27)、7(33)〜7(35)に対応する光表示部117(1)と、加熱可能領域29の下方に位置する誘導加熱部29Aに対応する加熱コイル7(4)、7(5)、7(12)、7(13)に対応する光表示部117(5)をその他の色(本実施例では白色)で点灯し、その外の通電不可とされた加熱コイル7(20)、7(21)、7(28)、7(29)、7(36)、7(37)、7(1)〜7(3)、7(9)〜7(11)、7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する光表示部117(2)、(4)、(6)を消灯する。
また、加熱可能領域29の下方に位置する誘導加熱部29Aは第2の加熱操作部12Bで操作可能であるから、制御部6は、第2の加熱操作部12Bの近傍に配置される第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)において、誘導加熱部29Aに対応する加熱コイル7(4)、7(5)、7(12)、7(13)に対応する光表示部116(5)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域
27の下方に位置する誘導加熱部27Aに対応する加熱コイル77(17)〜7(19)、7(25)〜7(27)、7(33)〜7(35)に対応する光表示部116(1)と、加熱可能領域28の下方に位置する誘導加熱部28Aに対応する加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する光表示部116(3)をその他の色(本実施例では白色)で点灯し、その外の通電不可とされた加熱コイル7(20)、7(21)、7(28)、7(29)、7(36)、7(37)、7(1)〜7(3)、7(9)〜7(11)、7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する光表示部116(2)、(4)、(6)を消灯する。
同様に、制御部6は、加熱コイルパターンPT1、PT2、PT3、PT4のうちの加熱コイルパターンPT2を選択する。すると、複数の加熱コイル7のうち、選択された加熱コイルパターンPT2の1つ以上の加熱可能領域52、53、54に位置する加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能となるようにインバータ部5を制御する。
また、加熱可能領域52の下方に位置する誘導加熱部52Aは第1の加熱操作部12Aで操作可能であるから、制御部6は、第1の操作部12Aの近傍に配置される第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)において、誘導加熱部52Aに対応する加熱コイル7(1)〜7(5)、7(9)〜7(13)、7(17)〜7(21)、7(25)〜7(29)、7(33)〜7(37)に対応する光表示部115(1)、(2)、(4)、(5)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域53の下方に位置する誘導加熱部53Aに対応する加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する光表示部115(3)と、加熱可能領域54の下方に位置する誘導加熱部54Aに対応する加熱コイル7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する光表示部115(6)をその他の色(本実施例では白色)で点灯する。
また、加熱可能領域53の下方に位置する誘導加熱部53Aは第3の加熱操作部12Cで操作可能であるから、制御部6は、第3の操作部12Cの近傍に配置される第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)において、誘導加熱部53Aに対応する加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する光表示部117(3)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域52の下方に位置する誘導加熱部52Aに対応する加熱コイル7(1)〜7(5)、7(9)〜7(13)、7(17)〜7(21)、7(25)〜7(29)、7(33)〜7(37)に対応する光表示部117(1)、(2)、(4)、(5)と、加熱可能領域54の下方に位置する誘導加熱部54Aに対応する加熱コイル7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する光表示部117(6)をその他の色(本実施例では白色)で点灯する。
また、加熱可能領域54の下方に位置する誘導加熱部54Aは第2の加熱操作部12Bで操作可能であるから、制御部6は、第2の操作部12Bの近傍に配置される第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)において、誘導加熱部54Aに対応する加熱コイル7(6)〜7(8)、7(14)〜7(16)に対応する光表示部116(6)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域52の下方に位置する誘導加熱部52Aに対応する加熱コイル7(1)〜7(5)、7(9)〜7(13)、7(17)〜7(21)、7(25)〜7(29)、7(33)〜7(37)に対応する光表示部116(1)、(2)、(4)、(5)と、加熱可能領域53の下方に位置する誘導加熱部53Aに対応する加熱コイル7(22)〜7(24)、7(30)〜7(32)、7(38)〜7(40)に対応する光表示部116(3)をその他の色(本実施例では白色)で点灯する。
同様に、制御部6は、加熱コイルパターンPT1、PT2、PT3、PT4のうちの加
熱コイルパターンPT3を選択する。すると、複数の加熱コイル7のうち、選択された加熱コイルパターンPT3の1つの加熱可能領域56に位置する加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能となるようにインバータ部5を制御する。
また、加熱可能領域56の下方に位置する誘導加熱部56Aは第2の加熱操作部12Bで操作可能であるから、制御部6は、第2の加熱操作部12Bの近傍に配置される第2の加熱コイルパターン情報表示部112(2)において、誘導加熱部56Aに対応する加熱コイル7(1)〜7(40)に対応する光表示部116(1)〜(6)全てを操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯する。
同様に、制御部6は、加熱コイルパターンPT1、PT2、PT3、PT4のうちの加熱コイルパターンPT4を選択する。すると、複数の加熱コイル7のうち、選択された加熱コイルパターンPT4の1つ以上の加熱可能領域57、58に位置する加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能となるようにインバータ部5を制御する。
また、加熱可能領域57の下方に位置する誘導加熱部57Aは第1の加熱操作部12Aで操作可能であるから、制御部6は、第1の加熱操作部12Aの近傍に配置される第1の加熱コイルパターン情報表示部112(1)において、誘導加熱部57Aに対応する加熱コイル7(1)〜7(4)、7(9)〜7(12)、7(17)〜7(20)、7(25)〜7(28)、7(33)〜7(36)に対応する光表示部115(1)、(2)、(4)、(5)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域58の下方に位置する誘導加熱部58Aに対応する加熱コイル7(5)〜7(8)、7(13)〜7(16)、7(21)〜7(24)、7(29)〜7(32)、7(37)〜7(40)に対応する光表示部115(3)、(6)をその他の色(本実施例では白色)で点灯する。
また、加熱可能領域58の下方に位置する誘導加熱部58Aは第3の加熱操作部12Cで操作可能であるから、制御部6は、第3の操作部12Cの近傍に配置される第3の加熱コイルパターン情報表示部112(3)において、誘導加熱部58Aに対応する加熱コイル7(5)〜7(8)、7(13)〜7(16)、7(21)〜7(24)、7(29)〜7(32)、7(37)〜7(40)に対応する光表示部117(3)、(6)を操作対象であることを表す1の色(本実施例では赤色)で点灯し、その他の加熱可能領域57の下方に位置する誘導加熱部57Aに対応する加熱コイル7(1)〜7(4)、7(9)〜7(12)、7(17)〜7(20)、7(25)〜7(28)、7(33)〜7(36)に対応する光表示部117(1)、(2)、(4)、(5)をその他の色(本実施例では白色)で点灯する。
使用者は、図4(a)に示す加熱可能領域27〜29をそれぞれ形成する群27A〜29Aの加熱コイル7を図12に示す対応関係で指示の入力可能と設定されている加熱操作部12A〜12Cでそれぞれ操作する。
加熱可能領域27で被加熱物11を加熱する場合、加熱操作部12Aの「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、加熱可能領域28で被加熱物11を加熱する場合、加熱操作部12Cの「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、加熱可能領域29で被加熱物11を加熱する場合、加熱操作部12Bの「加熱入
切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、使用者は、図4(b)に示す加熱可能領域52〜54をそれぞれ形成する群52A〜54Aの加熱コイル7を図12に示す対応関係で指示の入力可能と設定されている加熱操作部12A〜12Cでそれぞれ操作する。
加熱可能領域52で被加熱物11を加熱する場合、加熱操作部12Aの「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、加熱可能領域54で被加熱物11を加熱する場合、加熱操作部12Bの「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、加熱可能領域53で被加熱物11を加熱する場合、加熱操作部12Cの「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、使用者は、図4Cに示す加熱可能領域56を形成する群56Aの加熱コイル7すなわち全ての加熱コイルを図12に示す対応関係で指示の入力可能と設定されている加熱操作部12A〜12Cのうちの1つの加熱操作部で操作する。
加熱可能領域56で被加熱物11を加熱する場合、その1つの加熱操作部の「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、使用者は、図4(d)に示す加熱可能領域57、58をそれぞれ形成する群57A、58Aの加熱コイル7を図12に示す対応関係で指示の入力可能と設定されている加熱操作部12A〜12Cのうちの2つの加熱操作部でそれぞれ操作する。
加熱可能領域57で被加熱物11を加熱する場合、それら2つの加熱操作部のうちの一方の加熱操作部の「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
また、加熱可能領域58で被加熱物11を加熱する場合、それら2つの加熱操作部のうちの他方の加熱操作部の「加熱入切」キー22で加熱を開始して、調理状況にあわせて「出力アップ」キー23、「出力ダウン」キー24、「調理メニュー」キー25、「タイマー」キー26を操作する。
このように、選択部15を操作して調理メニューに最適な加熱可能領域が表示されると、使用者はトッププレート10の上面10A上の加熱可能領域に鍋やフライパンなどの被加熱物11を置いて、その加熱可能領域に図12に示す対応関係で指示の入力可能と設定されている加熱操作部を加熱コイルパターン情報表示部112で視認し、対応する加熱操作部12A,12B,12Cの「加熱入切」キー22を操作して被加熱物11の加熱を開始する。
制御部6はインバータ部5を制御して、図4(a)に示す加熱可能領域27を形成する群27Aの9個の加熱コイル7は実質的に同時に加熱を開始し、実質的に同時に加熱量を
調整し、実質的に同時に加熱を停止する。
加熱可能領域28を形成する群28Aの9個の加熱コイル7は実質的に同時に加熱を開始し、実質的に同時に加熱量を調整し、実質的に同時に加熱を停止する。
加熱可能領域29を形成する群29Aの4個の加熱コイル7は実質的に同時に加熱を開始し、実質的に同時に加熱量を調整し、実質的に同時に加熱を停止する。
主電源スイッチ47をオンすると、制御部6は初期加熱コイルパターンとして加熱コイルパターンPT1を情報記憶部14から読み出すが、前回主電源スイッチ47を切ったときに使用していた加熱コイルパターンを初期コイルパターンに設定してもよい。
主電源スイッチ47をオンすると、制御部6は初期加熱コイルパターンを情報記憶部14から読み出して、初期コイルパターンに応じてインバータ回路4や加熱コイル7を制御する。
これにより、使用頻度が高い加熱可能領域を含む加熱コイルパターンを初期加熱コイルパターンに設定することができ、使用者が加熱コイルパターンを選択する手間を省いて電磁調理器1の使い勝手を向上させることができる。
図13は、本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の鉄製の鍋を加熱し停止した場合の群を形成する複数の加熱コイルそれぞれに流れる電流の波形図である。
図13において、トッププレート10の上面10Aの加熱可能領域27に被加熱物11として鉄製の鍋を載置して、加熱し、その加熱を停止した場合の、加熱可能領域27内に位置する群27A(図4)を形成する複数の加熱コイル7である加熱コイル7(17)〜7(19)、7(25)〜7(27)、7(33)〜7(35)にそれぞれ流れる電流i(17)〜i(19)、i(25)〜i(27)、i(33)〜7(35)の波形を示す。
図14は、本発明の第1の実施の形態における電磁調理器のアルミ製の鍋を加熱し停止した場合の群を形成する複数の加熱コイルそれぞれに流れる電流の波形図である。
図14において、トッププレート10の上面10Aの加熱可能領域29(図4)に被加熱物11としてアルミ製の鍋を載置して、加熱し、その加熱を停止した場合の、加熱可能領域29内に位置する群29Aを形成する複数の加熱コイル7である加熱コイル7(4)、7(5)、7(12)、7(13)にそれぞれ流れる電流i(4)、i(5)、i(12)、i(13)の波形を示す。
図13に示すように、インバータ回路4で構成したインバータ部5(図2)は、加熱可能領域27に位置する複数の加熱コイル7に同じ周波数を同じ位相を有する電流を供給する。
また、インバータ部5は、加熱可能領域27に位置する複数の加熱コイル7に、加熱の開始の際に実質的に同時に電流を流しはじめ、加熱の停止の際に実質的に同時に電流を停止する。
図14に示すように、インバータ部5は、加熱可能領域29に位置する複数の加熱コイル7に同じ周波数を同じ位相を有する電流を供給する。
また、インバータ部5は、加熱可能領域29に位置する複数の加熱コイル7に、加熱の開始の際に実質的に同時に電流を流しはじめ、加熱の停止の際に実質的に同時に電流を停止する。
使用者の加熱操作ユニット12の操作に応じて、また、被加熱物11の材質・形状に応じて、制御部6はインバータ部5を制御し、加熱可能領域27の複数の加熱コイル7に流す電流と加熱可能領域29の複数の加熱コイル7に流す電流とを、周波数や供給の時点、停止の時点を互いに独立して設定することができる。
制御部6は、図4(a)に示す加熱可能領域28内に位置する群28Aを形成する複数の加熱コイル7や、図4(b)に示す加熱可能領域52内に位置する群52Aを形成する複数の加熱コイル7、53内に位置する群53Aを形成する複数の加熱コイル7、54内に位置する群54Aを形成する複数の加熱コイル7や、図4(d)に示す加熱可能領域57内に位置する群57Aを形成する複数の加熱コイル7、58内に位置する群58Aを形成する複数の加熱コイル7に同様に電流を供給する。
このように、インバータ部5は、1つの加熱可能領域に位置する複数の加熱コイル7に、加熱の開始の際に実質的に同時に電流を流しはじめ、加熱の停止の際に実質的に同時に電流を停止する。
使用者の加熱操作ユニット12の操作に応じて、また、被加熱物11の材質・形状に応じて、制御部6はインバータ部5を制御し、1つの加熱可能領域の複数の加熱コイル7に流す電流と他の加熱可能領域の複数の加熱コイル7に流す電流とを、周波数や供給の時点、停止の時点を互いに独立して設定することができる。
これにより、使用者が複数の加熱コイル7をそれぞれ操作する必要がなくなり、電磁調理器1の操作回数を減らすことができる。
図4(a)に示す加熱不可能領域51に位置する複数の加熱コイル7は高周波電力を供給することが不可能であるので、加熱しない鍋、フタ、ナイフなどの金属物を加熱不可能領域51に置くことができる。
加熱可能領域を囲んで光で表示する誘導加熱部表示手段16で加熱可能領域を使用者に視認させることができるので、使用者は加熱しない金属物を置く場所を明確に視認させることができ、電磁調理器1の使い勝手と安全性を向上させることができる。
また、制御部6は、インバータ回路4が少なくとも1つの加熱可能領域の加熱コイル7に電流を供給している時は、使用者が選択部15を操作しても加熱コイルパターンを変えないように選択部15を無効にする。
これにより、調理の失敗や鍋が空焼きされて不安全になることを防ぐことが可能となる。
以上のように、本実施の形態においては、電磁調理器1は、高周波電力を供給することが可能となるように制御部6に制御された加熱コイルと、高周波電力を供給することが不可能となるように制御部6に制御された加熱コイルとの組合せを使用者が選択部15で選択することが可能となり、加熱可能領域の位置、大きさ、数量の少なくとも1つを調整することができる。
また、本実施の形態では、使用者が加熱可能領域の位置、大きさ、数量の少なくとも1つを調整することにより、使いやすい位置で被加熱物11を加熱したり、使いたい被加熱物11の大きさに合わせて加熱したり、使いたい被加熱物11の数量に合わせて加熱する
ことができる。
さらに、使用者が加熱不可能領域の位置、大きさ、数量の少なくとも1つを調整することにより、使用者が調整した加熱不可能領域に加熱しない金属物を退避させることで、使用者の意向に反してその金属物が加熱されることを防ぐことが可能となり、電磁調理器1の使い勝手と安全性を向上させることができる。
図4(c)に示す加熱コイルパターンPT3では、全ての加熱コイル7に高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、トッププレート10の上面10Aのほぼ全面に1つの大きな加熱可能領域56を形成する。
これにより、電磁調理器1は、鉄板焼きなどの大きい加熱面積が必要な調理メニューでも被加熱物11の底面を均一に加熱することができるようになり、調理性能を向上することができる。
また、制御部6は、主電源スイッチ47がオンされてから所定時間のみ選択部15を有効にし、その所定時間の経過後に操作部15を無効にしてもよい。これにより、被加熱物11の加熱中に使用者が誤って選択部15を操作して加熱可能領域を変化させることを防ぐだけでなく、加熱しない金属物が加熱されることを防ぐことが可能となり、電磁調理器1の使い勝手と安全性を向上させることができる。
図15は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器の他の電磁調理器1Aの上面図である。図15において、図3に示す電磁調理器1と同じ部分には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
図3に示す電磁調理器1では、誘導加熱部表示手段16は、複数の加熱コイル7間の部分のうち図4(a)〜図4(d)に示す加熱可能領域27〜29、52〜54、56〜58をそれぞれ囲む部分にのみ設けられ、それら以外の部分には設けられていない。
図15に示す電磁調理器1Aでは、複数の加熱コイル7の全てをそれぞれ囲む部分に誘導加熱部表示手段16が設けられている。
これにより、情報記憶部14に記憶することができる加熱コイルパターンを増やすことが可能となり、トッププレート10上の加熱可能領域の位置、大きさ、数量の選択肢が増えてさらに使い勝手の良い電磁調理器1Aとすることが可能である。
この場合においても、図16に示すように、誘導加熱部表示手段16に合わせて加熱コイルパターン情報表示部112内の光表示部115〜117の数量を増やすことで、各操作部がいずれの加熱可能領域の下方に位置する誘導加熱部に対応する加熱コイルに指示を入力可能か表示することが可能である。
図17は、本発明の第1の実施の形態における電磁調理器のさらに他の電磁調理器1Bの上面図である。図17において、図3と図4(a)〜図4(d)に示す電磁調理器1と同じ部分には同じ参照番号を付し、その説明を省略する。
図17に示す電磁調理器1Bは、図3に示す電磁調理器1の40個の加熱コイル7(1)〜7(40)の代わりに6つの加熱コイル77(1)〜77(6)を備える。
図18(a)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器のさらに他の電磁調理器1Bの情報記憶部が記憶する加熱コイルパターンPT11を示す図、(b)は本発明の第
1の実施の形態における電磁調理器のさらに他の電磁調理器1Bの情報記憶部が記憶する加熱コイルパターンPT12を示す図、(c)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器のさらに他の電磁調理器1Bの情報記憶部が記憶する加熱コイルパターンPT13を示す図、(d)は本発明の第1の実施の形態における電磁調理器のさらに他の電磁調理器1Bの情報記憶部が記憶する加熱コイルパターンPT14を示す図である。
図18(a)に示す加熱コイルパターンPT11は、複数の加熱コイル77(1)〜77(6)の少なくとも1つを含む群101A〜104Aを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域101、102、103と加熱不可能領域104とを定める。
群101Aは、加熱コイル77(4)で構成する。群102Aは加熱コイル77(6)で構成する。群103Aは加熱コイル77(2)で構成する。群104Aは77(1)、77(3)、77(5)で構成する。
群101A、102A、103Aの加熱コイル77(4)、77(6)、77(2)は高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域101、102、103をそれぞれ形成している。
群104Aの複数の加熱コイルは高周波電力を供給することが不可能となるように、インバータ部5に制御されて、トッププレート10の上面に加熱不可能領域104を形成している。
図18(b)に示す加熱コイルパターンPT12は、複数の加熱コイル77(1)〜77(6)の少なくとも1つを含む群105A〜107Aを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域105、106、107を定める。
群105Aは加熱コイル77(1)、77(2)、77(4)、77(5)で構成する。群106Aは加熱コイル77(6)で構成する。群107Aは加熱コイル77(3)で構成する。
群105Aの複数の加熱コイルは高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域105を形成している。群106Aの加熱コイル77(6)は高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域106を形成している。
群107Aの加熱コイル77(3)は高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、トッププレート10の上面に加熱可能領域107を形成している。
図18(c)に示す加熱コイルパターンPT13は、加熱コイル77(1)〜77(6)の全てで構成した群108Aを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域108を定める。
群108Aの複数の加熱コイルは高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、被加熱物を加熱するよう構成された大きな1つの加熱可能領域108を形成している。
図18(d)に示す加熱コイルパターンPT14は、加熱コイル77(1)、77(2)、77(4)、77(5)で構成した群109Aと、加熱コイル77(3)、77(6
)で構成した群110Aとを定め、トッププレート10の上面に加熱可能領域109、110を定める。
群109Aの複数の加熱コイルは高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、被加熱物を加熱するよう構成された加熱可能領域109を形成している。
群110Aの複数の加熱コイルは高周波電力を供給することが可能となるように、インバータ部5に制御されて、加熱可能領域110を形成している。使用者が選択部15を操作することで、電磁調理器1と同様に、制御部6は加熱コイルパターンPT11〜PT14のうちの1つの加熱コイルパターンを情報記憶部14から読み出し、読み出した加熱コイルパターンに応じてインバータ部5を制御して加熱コイル77(1)〜77(6)により加熱可能領域101〜103、105〜110と加熱不可能領域104を形成する。
また、使用者が加熱操作部12A〜12Dを操作することにより、制御部6はインバータ部5を制御して加熱可能領域101〜103、105〜110の加熱開始、加熱停止、加熱量の調節を行う。
図17に示す電磁調理器1Bは、図3に示す電磁調理器1に比べて、複数の加熱コイルと複数のインバータ回路4の数を減らすことができ、電磁調理器1Bを小型・軽量化することができる。