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JP5269326B2 - 自動二輪車用タイヤ - Google Patents

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JP5269326B2
JP5269326B2 JP2007023053A JP2007023053A JP5269326B2 JP 5269326 B2 JP5269326 B2 JP 5269326B2 JP 2007023053 A JP2007023053 A JP 2007023053A JP 2007023053 A JP2007023053 A JP 2007023053A JP 5269326 B2 JP5269326 B2 JP 5269326B2
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Description

この発明は、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部を具える自動二輪車用空気入りタイヤ、特にはドライ路面を高速走行するための自動二輪車用空気入りタイヤに関するものであり、特にかかる自動二輪車用空気入りタイヤの直進走行時におけるグリップ性能及び高速耐久性の向上を図る。
自動二輪車用空気入りタイヤは、そのタイヤを構成するゴムの性質及びトレッド部の溝形状により、グリップ性能(直進走行時の加速グリップ性能及び減速グリップ性能並びにコーナリング走行時のグリップ性能)が規定される。また、レース用タイヤでは、高いグリップ性能が必要とされるため、トレッド部全体のゴム硬度及びモジュラスを小さくし、損失正接を大きくすることでグリップ性能を向上させた自動二輪車用空気入りタイヤが使用されてきた。しかし、かかる自動二輪車用空気入りタイヤでは、グリップ性能は充分に確保されるものの、頻繁に直進走行時に高速走行することから、ゴムの発熱を充分に抑制することができずに、発熱に起因したトレッド部の故障を招いたり、グリップ性能の低下を招いたりする。
そこで、例えば、特許文献1及び2に記載されているように、タイヤ赤道面を含む中央トレッド部領域と、かかる中央トレッド部領域を挟んで位置する両ショルダートレッド部領域の3つのトレッド部領域からなるトレッド部を具え、中央トレッド部領域を損失正接の小さなゴムで構成し、ショルダートレッド部領域を損失正接の大きなゴムで構成することにより、コーナリング走行時のグリップ性能を確保しつつも、直進走行時には、損失正接の小さなゴムにより、発熱を抑制した自動二輪車用空気入りタイヤが開発されている。
また、特許文献3に記載されているように、トレッド部が、タイヤ赤道面を含む中央トレッド部領域と、かかる中央トレッド部領域を挟んで位置する両ショルダートレッド部領域の3つのトレッド部領域からなるトレッド部を具え、中央トレッド部領域を構成するゴムの損失正接はショルダートレッド部領域を構成するゴムの損失正接よりも小さく、ショルダートレッド部領域は、タイヤ径方向に見て、損失正接の比較的小さなゴムにより構成されるベースゴム層、そのベースゴム層を構成するゴムよりも損失正接の大きなゴムにより構成されるキャップゴム層を積層されており、コーナリング走行時のグリップ性能を確保しつつも、中央トレッド部領域のみならず、ショルダートレッド部領域においてもゴムの発熱を抑制した自動二輪車用空気入りタイヤが開発されている。
特開昭60−94804号公報 特開2006−273240号公報 特開平8−72505
しかし、特許文献1〜3に記載されている空気入りタイヤは、直進走行時のトレッド接地域におけるトレッド部の損失正接を小さくすることで、直進走行時のトレッド接地域における過剰な発熱を抑制して、発熱に起因したトレッド部の破壊は充分に抑制することができるが、トレッド接地域における損失正接が小さくなり過ぎることから、好ましいグリップ性能が得られる温度域までトレッド部の温度が上昇せずに、グリップ性能が充分に確保されない可能性がある。このように、グリップ性能を充分に確保することと発熱を抑制することで耐久性を確保することを両立することは困難であった。
したがって、この発明の目的は、トレッド部を構成するトレッドゴムの損失正接の分布を適正化することにより、直進走行時のグリップ性能を確保しつつも、高速耐久性の向上した自動二輪車用空気入りタイヤを提供することにある。
上記の目的を達成するため、この発明の第1の態様は、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部を具え、該トレッド部は、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面を含む中央トレッド部領域を、タイヤ径方向外側に位置するキャップゴム層とタイヤ径方向内側に位置するベースゴム層の二層で構成してなり、前記中央トレッド部領域の少なくとも一方のトレッド半域において、該キャップゴム層を構成するゴムの損失正接が、該ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内にあり、前記トレッド部は、タイヤ赤道面を境界とする左右の半域間で前記トレッド部の構成が異なり、前記中央トレッド部領域を挟んで位置する中間トレッド部領域を有し、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中央トレッド領域を構成するゴムの損失正接よりも大きく、かつ、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が前記ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5倍よりも大きく3.2倍以下の範囲にあり、前記トレッド部の一方のトレッド半域のみにおいて、前記中間トレッド部領域のタイヤ幅方向外側に位置し、かつ、前記中間トレッド部領域のタイヤ径方向外側にある表面ゴム層として積層させてなる、ショルダートレッド部領域を有し、前記ショルダートレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接よりも大きいことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤである。このような自動二輪車用空気入りタイヤは、トレッド部を構成するゴムの損失正接の分布が適正化されていることから、直進走行時のゴムの発熱を抑制して、ゴムの過剰な発熱に起因するトレッド部の故障を有効に防止しつつも、接地域におけるゴム温度が、好ましい加速グリップ性能及び減速グリップ性能を確保することができる温度域となることから、直進走行時の高速耐久性及びグリップ性能を充分に向上させることが可能となる。ここでいう「損失正接」とは、損失弾性率と動的弾性率の比で表される損失正接(tanδ)のことであり、かかる損失正接は上島製作所製スペクトロメータを用い、温度100℃、初期伸長率6%、加振歪率4%、振動数52Hzの条件下で測定した
さらにまた、前記一方のトレッド半域のみにおいて、該キャップゴム層を構成するゴムの損失正接が、該ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内あることが好ましい。
加えて、この発明の第2の態様は、ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部を具え、該トレッド部は、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面を含む中央トレッド部領域を、タイヤ径方向外側に位置するキャップゴム層とタイヤ径方向内側に位置するベースゴム層の二層で構成してなり、該キャップゴム層を構成するゴムの損失正接が、該ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内にあり、前記中央トレッド部領域を挟んで位置する中間トレッド部領域を有し、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中央トレッド領域を構成するゴムの損失正接よりも大きく、かつ、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が前記ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5倍よりも大きく3.2倍以下の範囲にあり、前記中間トレッド部領域のタイヤ幅方向外側に位置し、かつ、前記中間トレッド部領域のタイヤ径方向外側にある表面ゴム層として積層させてなるショルダートレッド部領域を有し、前記ショルダートレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接よりも大きいことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤである。
また、ベースゴム層のタイヤ幅方向幅はトレッド幅の0.5倍未満であることが好ましい。ここでいう「トレッド幅」は、タイヤ幅方向断面にてトレッド部のペリフェリに沿って測定した距離をいうものとする。
更に、キャップゴム層の厚さが、ベースゴム層の厚さの50〜350%の範囲内にあることが好ましい。
加えてまた、中央トレッド部領域の幅はトレッド幅の0.15〜0.35倍の範囲内にあり、二つの中間トレッド部領域の幅の和はトレッド幅の0.25〜0.80倍の範囲内にあり、二つのショルダートレッド部領域の幅の和はトレッド幅の0.05〜0.40倍の範囲内にあることが好ましい。ここでいう「トレッド部領域の幅」は、タイヤ幅方向断面にてトレッド部領域のペリフェリに沿って測定した距離をいうものとする。
この発明によれば、トレッド部を構成するトレッドゴムの損失正接の分布を適正化することにより、直進走行する際のグリップ性能及び高速耐久性の向上した自動二輪車用空気入りタイヤを提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつこの発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う代表的な自動二輪車用空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)のタイヤ幅方向断面図であり、図2は図1に示すタイヤのタイヤ幅方向断面の斜視図であり、図3〜図8はこの発明に従うその他のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
図1及び図2に示すタイヤは、ビードコアを埋設した一対のビード部1、ビード部1からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部2、及び両サイドウォール部2の間にまたがって延びるトレッド部3を具える。そのトレッド部3は、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面4を含む中央トレッド部領域5を、タイヤ径方向外側に位置するキャップゴム層6とタイヤ径方向内側に位置するベースゴム層7の二層で構成している。また、キャップゴム層6を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内にある。このようなタイヤは、直進走行する際の、路面に接地する部分の損失正接が大きく、路面に接地しない部分の損失正接が小さいことから、直進走行時のゴムの発熱を抑制して、ゴムの過剰な発熱に起因するトレッド部3の故障を防止し、また、路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮することができる温度域となることから、直進走行時の高速耐久性及びグリップ性能を充分に向上させることが可能となる。このとき、キャップゴム層6を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の1.5倍未満の場合には、路面接地域におけるゴムが充分に発熱しないことから、発熱に起因したトレッド部3の破壊を防止することはできるが、路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮する温度域まで上昇せずに、グリップ性能が充分に確保されない。一方、キャップゴム層6を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の3.2倍を超える場合には、路面接地域におけるゴムの発熱が過剰となり、発熱に起因したトレッド部3の破壊を招き、また、路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮する温度域を超えてしまうことから、グリップ性能が充分に確保されない。なお、100℃条件下において損失正接を規定しているのは、レースに使用するような高速走行用タイヤが、高速走行する際にトレッド部3のゴム温度が80〜100℃といった高温になるためである。
また、ベースゴム層7のタイヤ幅方向幅はトレッド幅の0.5倍未満であることが好ましく、より好ましくは0.4倍未満である。なぜなら、ベースゴム層7のタイヤ幅方向幅はトレッド幅の0.5倍以上になる場合には、ベースゴム層が配設されている範囲が狭くなり過ぎることから、高速にて直進走行する際に路面接地域における発熱を充分に抑制することができずに、ゴムの過剰な発熱に起因したトレッド部の故障を招く可能性があり、また、路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮する温度域を超えてしまうことから、グリップ性能が充分に確保されない可能性があるからである。
更に、キャップゴム層6の厚さが、ベースゴム層7の厚さの50〜350%の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは100〜300%の範囲内にある。なぜなら、キャップゴム層6の厚さが、ベースゴム層7の厚さの350%を超える場合には、損失正接の小さなゴムで構成されるゴム層の比率が低くなり過ぎ、高速走行する際に路面接地域におけるゴム温度を充分に抑制できないことから、ゴムの発熱に起因したトレッド部3の故障が発生する可能性があり、また、路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮することができる温度域を超えてしまい、グリップ性能が充分に確保されない可能性があり、一方、キャップゴム層6の厚さが、ベースゴム層7の厚さの50%未満の場合には、損失正接の小さなゴムで構成されるゴム層の比率が高くなり過ぎて、高速走行する際にゴム温度が充分に上昇しないことから、路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮することができる温度域まで到達せずに、グリップ性能が充分に確保されない可能性があるからである。
更にまた、図3に示すように、トレッド部3が、中央トレッド部領域5、中央トレッド部領域5を挟んで位置するショルダートレッド部領域8からなり、キャップゴム層6を構成するゴムの損失正接よりも、ショルダートレッド部領域8を構成するゴムの損失正接が大きく、かつ、ショルダートレッド部領域8を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の1.5倍よりも大きく3.2倍以下の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、1.7〜3.0倍の範囲内である。なぜなら、ショルダートレッド部領域8を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の1.5倍以下である場合には、ショルダートレッド部領域8を構成するゴムの損失正接が小さくなり過ぎ、コーナリング走行時の路面接地域におけるゴムの発熱が抑制され、コーナリング走行時の路面接地域にけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮する温度域まで上昇しないことから、コーナリング走行時のグリップ性能を充分に確保することができない可能性があり、一方、ショルダートレッド部領域8を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の3.2倍を超える場合には、ショルダートレッド部領域8を構成するゴムの損失正接が大きくなり過ぎ、コーナリング走行時の路面接地域におけるゴムが過剰に発熱し、発熱に起因するショルダートレッド部領域8の破壊を招く可能性があり、また、コーナリング走行時の路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮することができる温度域を超えてしまい、コーナリング走行時のグリップ性能を充分に確保することができない可能性があるからである。
加えて、図4に示すように、トレッド部3は、中央トレッド部領域5、トレッド接地端を含む二つのショルダートレッド部領域8、中央トレッド部領域5とショルダートレッド部領域8とで挟まれる二つの中間トレッド部領域9からなり、中間トレッド部領域9を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の1.5倍よりも大きく3.2倍以下の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは、1.7〜3.0倍の範囲内である。なぜなら、中間トレッド部領域9を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の1.5倍以下である場合には、中間トレッド部領域9を構成するゴムの損失正接が小さくなり過ぎるので、コーナリング走行時の路面接地域におけるゴムの発熱が抑制され、グリップ性能を有効に発揮する温度域までゴム温度が上昇せずに、コーナリング走行時のグリップ性能を充分に確保することができない可能性があり、一方、中間トレッド部領域9を構成するゴムの損失正接が、ベースゴム層7を構成するゴムの損失正接の3.2倍を超える場合には、中間トレッド部領域9を構成するゴムの損失正接が大きくなり過ぎるので、コーナリング走行時の路面接地域におけるゴムが過剰に発熱し、発熱に起因する中間トレッド部領域9の破壊を招く可能性があり、また、コーナリング走行時の路面接地域におけるゴム温度が、グリップ性能を有効に発揮する温度域までゴム温度を超えてしまい、コーナリング走行時のグリップ性能を充分に確保することができない可能性がある。
加えてまた、中央トレッド部領域5の幅はトレッド幅の0.15〜0.35倍の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.20〜0.30倍の範囲内にある。また、二つの中間トレッド部領域9の幅の和はトレッド幅の0.25〜0.80倍の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.35〜0.70倍の範囲内にある。更に、二つのショルダートレッド部領域8の幅の和はトレッド幅の0.05〜0.40倍の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは0.08〜0.30倍の範囲内にある。なぜなら、夫々の範囲内から外れる場合には、直進走行時の高速耐久性及びグリップ性能並びにコーナリング走行時のグリップ性能のバランスが偏ることとなり、走行性能が低下する可能性があるからである。
なお、上述したところはこの発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を交互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図5に示すように、トレッド部3が、比較的損失正接の大きいゴムにより構成される左右の中間トレッド部領域9と、これら中間トレッド部領域9に挟まれ、中間トレッド部領域9を構成するゴムよりも小さな損失正接を有するゴムにより構成される中央トレッド部領域5を具え、かかる中央トレッド部領域5はキャップゴム層6とベースゴム層7とで構成してなり、また、中間トレッド部領域9のタイヤ幅方向外側に、ショルダートレッド部領域8を中間トレッド部領域9のタイヤ径方向外側にある表面ゴム層10として積層させることも可能である。なお、表面ゴム層10は中間トレッド部領域9を構成するゴムよりも損失正接の大きなゴムにより構成される。このようなタイヤは、トレッド部3を5つのトレッド部領域に分割した図3に示すタイヤと同様に、コーナリング走行時にはグリップ性能が確保され、直進走行時には高速耐久性及びグリップ性能が充分に確保される。そして、更には、表面ゴム層10を積層している中間トレッド部領域9の損失正接が大きいことから、トレッド部3全体として過剰な発熱を抑制することができ、タイヤの耐久性が向上する。また、図6に示すように、トレッド部3の一方のトレッド半域(図示の例では右半域)のみに表面ゴム層10を配設することもできる。更に、図7に示すように、トレッド部3の一方のトレッド半域(図示の例では右半域)のみにショルダートレッド部領域8を配設することもできる。また、図8に示すように、トレッド部を左右のトレッド半域で損失正接の異なるゴムで構成し、そのトレッド半域のタイヤ径方向内側にトレッド半域を構成するゴムの損失正接よりも小さなゴムにより構成されるベースゴム層7を配設することが可能である。図6〜8に示すタイヤは、損失正接の小さなゴムで構成されるベースゴム層により、過剰な発熱を抑制し、直進走行時に高速耐久性及びグリップ性能を充分に確保することができ、また、左右のトレッド半域で構成が異なることから、コーナリング走行時のグリップ性能の特性が左右のトレッド半域で異なり、例えば、レース用コースにおけるコーナリング走行する方向、距離又はバンキングさせる角度によって所望されるコーナリング走行時のグリップ性能がタイヤの左右で異なる場合などに適用することができる。もちろん、トレッド部の構成は夫々に異なり、コーナリング走行時のグリップ性能の特性も異なるので、走行条件によって使い分けることができる。
次に、タイヤを試作し、走行性能を評価したので、以下に説明する。
タイヤ1及び2は、図4に示すようにトレッド部を、ベースゴム層及びキャップゴム層を積層してなる中央トレッド部領域、ショルダートレッド部領域並びに中間トレッド部領域からなる5つのトレッド部領域で構成しており、ベースゴム層のタイヤ幅方向幅はトレッド幅の0.38倍であり、キャップゴム層の厚さがベースゴム層の厚さの160%であり、ベースゴム層を構成するゴムの損失正接が0.3であり、トレッド部には溝を配設しない、タイヤサイズ190/650R16.5の自動二輪車用空気入りスリックタイヤであり、表1に示す諸元を有する。なお、表1に示す損失正接の数値は、タイヤ1、2の中央トレッド部領域のベースゴム層の損失正接を100としたとき、その他のトレッド部領域における損失正接を相対値で現したものである。
Figure 0005269326
また、比較のため、以下の従来例タイヤ1及び2についても併せて試作した。従来例タイヤ1は、図9に示す構成を具え、表1に示す諸元を有する。更に、従来例タイヤ2は、図10に示す構成を具え、表1に示す諸元を有する。
これら各供試タイヤをサイズMT6.25×16.5のリムに取付けてタイヤ車輪とし、テストに使用する1000ccクラスのレース用車両に装着して、空気圧:220kPa(相対圧)、タイヤ負荷荷重2.0kNを適用し、ドライ路面を走行した際の高速耐久性並びに直進走行時の加速グリップ性能及び減速グリップ性能の評価を行った。なお、加速グリップ性能は、実車テストにおいて、加速走行した際のライダーによるフィーリング評価及び計測器により測定したリアタイヤのスリップ率の両者を総合的に評価し、減速グリップ性能は、実車テストにおいて、減速走行した際のライダーによるフィーリング評価及び計測器により測定したリアタイヤのスリップ率の両者を総合的に評価した。また、直進走行時の高速耐久性は、レーシングコースにおいて直進高速走行した際のタイヤの発熱温度条件に設定し、室内において、耐久ドラム試験を行い、トレッド部のもげやクラックが発生する走行速度を検証することにより評価した。
なお、各種テストの評価の数値は10点満点として評価されており、その評価結果は表2に示す。
Figure 0005269326
表2の結果から明らかなように、タイヤ1及び2は、従来例タイヤ1に比べ、高速耐久性は同様なレベルにあるが、加速グリップ性能及び減速グリップ性能は向上している。また、タイヤ1及び2は、従来例タイヤ2に比べ、加速グリップ性能及び減速グリップ性能は同様なレベルにあるが、高速耐久性は向上している。つまり、タイヤ1及び2では、従来技術のタイヤでは両立することが困難であった高速耐久性、加速グリップ性能及び減速グリップ性能のいずれも向上していた。
以上のことから明らかなように、この発明により、トレッド部を構成するトレッドゴムの損失正接の分布を適正化することにより、直進走行する際のグリップ性能及び高速耐久性の向上した自動二輪車用空気入りタイヤを提供することが可能となった。
タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 図1に示すタイヤのタイヤ幅方向断面の一部の斜視図である。 その他のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 その他のタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従うその他の代表的なタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従うその他の代表的なタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従うその他の代表的なタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従うその他の代表的なタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 従来例タイヤのタイヤ幅方向断面図である。 従来例タイヤのタイヤ幅方向断面図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 タイヤ赤道面
5 中央トレッド部領域
6 キャップゴム層
7 ベースゴム層
8 ショルダートレッド部領域
9 中間トレッド部領域
10 表面ゴム層

Claims (6)

  1. ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部を具え、
    該トレッド部は、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面を含む中央トレッド部領域を、タイヤ径方向外側に位置するキャップゴム層とタイヤ径方向内側に位置するベースゴム層の二層で構成してなり、前記中央トレッド部領域の少なくとも一方のトレッド半域において、該キャップゴム層を構成するゴムの損失正接が、該ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内にあり、
    前記トレッド部は、タイヤ赤道面を境界とする左右の半域間で前記トレッド部の構成が異なり、
    前記中央トレッド部領域を挟んで位置する中間トレッド部領域を有し、
    前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中央トレッド領域を構成するゴムの損失正接よりも大きく、かつ、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が前記ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5倍よりも大きく3.2倍以下の範囲にあり、
    前記トレッド部の一方のトレッド半域のみにおいて、前記中間トレッド部領域のタイヤ幅方向外側に位置し、かつ、前記中間トレッド部領域のタイヤ径方向外側にある表面ゴム層として積層させてなる、ショルダートレッド部領域を有し、
    前記ショルダートレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接よりも大きいことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記一方のトレッド半域のみにおいて、該キャップゴム層を構成するゴムの損失正接が、該ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内ある、請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. ビードコアを埋設した一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部、及び両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部を具え、
    該トレッド部は、タイヤ幅方向断面にて、タイヤ赤道面を含む中央トレッド部領域を、タイヤ径方向外側に位置するキャップゴム層とタイヤ径方向内側に位置するベースゴム層の二層で構成してなり、該キャップゴム層を構成するゴムの損失正接が、該ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5〜3.2倍の範囲内にあり、
    前記中央トレッド部領域を挟んで位置する中間トレッド部領域を有し、
    前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中央トレッド領域を構成するゴムの損失正接よりも大きく、かつ、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接が前記ベースゴム層を構成するゴムの損失正接の1.5倍よりも大きく3.2倍以下の範囲にあり、
    前記中間トレッド部領域のタイヤ幅方向外側に位置し、かつ、前記中間トレッド部領域のタイヤ径方向外側にある表面ゴム層として積層させてなるショルダートレッド部領域を有し、
    前記ショルダートレッド部領域を構成するゴムの損失正接が、前記中間トレッド部領域を構成するゴムの損失正接よりも大きいことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 前記ベースゴム層のタイヤ幅方向幅はトレッド幅の0.5倍未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記キャップゴム層の厚さが、前記ベースゴム層の厚さの50〜350%の範囲内にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記中央トレッド部領域の幅はトレッド幅の0.15〜0.35倍の範囲内にあり、前記二つの中間トレッド部領域の幅の和はトレッド幅の0.25〜0.80倍の範囲内にあり、前記二つのショルダートレッド部領域の幅の和はトレッド幅の0.05〜0.40倍の範囲内にある、請求項3に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
JP2007023053A 2007-02-01 2007-02-01 自動二輪車用タイヤ Active JP5269326B2 (ja)

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