JP5036680B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents
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Description
前記隔壁を有する支持基板に陽極が形成された基板を用意する工程と、
金属ドープモリブデン酸化物層形成工程と、
前記隔壁間に、有機発光材料を含む有機発光インキを供給して、有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、
を有し、
前記有機発光層形成工程では、前記複数本の隔壁間の凹溝に、該凹溝に対応する凸部を備える凸版印刷版を用いて、隔壁の長手方向に沿って、前記有機発光インキを連続的に供給することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
したがって、本発明の有機EL素子は、照明装置、面状光源、フラットパネルディスプレイ等の表示装置として好適に使用できる。
支持基板1としては、有機EL素子を形成する工程において変化しないものであればよく、リジッド基板でも、フレキシブル基板でもよく、例えば、ガラス板、プラスチック板、高分子フィルムおよびシリコン板、並びにこれらを積層した積層板などが好適に用いられる。さらに、プラスチック、高分子フィルムなどに低透水化処理を施したものを用いることもできる。前記基板としては、市販のものが使用可能である。また前記基板を公知の方法により製造することもできる。
前記支持基板1上に形成する陽極2は、支持基板1から光を取り出す場合では、光透過性を示す電極であり、陽極として機能する。
陽極2は、電気伝導度の高い金属酸化物、金属硫化物や金属の薄膜を用いることができ、透過率が高いものが好適に利用でき、該陽極2と発光層との間に設ける層の構成材料に応じて適宜選択して用いることができる。陽極2の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(略称IZO)、金、白金、銀、および銅等の薄膜が用いられる。これらの中でも、ITO、IZO、酸化スズが好ましい。
前述のいずれかの基板材料からなる基板を準備する。ガスおよび液体の透過性が高いプラスチック基板を用いる場合は、必要に応じて、基板上に下部封止膜を形成しておく。
図1は、隔壁の形成された基板の平面図であり、図2は、図1の切断面線II−IIから見た基板の断面図である。前記陽極2上に、ストライプ状に配置される複数本の隔壁13aを形成する。なお、ここに言う「ストライプ状に配置される」とは、複数本の隔壁13aが略平行に縦縞状もしくは横縞状に配置されることを意味している。
本実施形態では、陽極2はストライプ状に配置され、基板1の厚み方向の一方から見て、陽極2間の間隙に重なるように隔壁13aが配置される。
なお、電気絶縁層13bを設けない場合には、隔壁13a間において陽極2が帯状に露出することになるが、この帯状の領域が画素領域14となる。
まず、プラズマCVD法やスパッタ法等の公知の方法によりSiO2、SiN等の無機絶縁材料からなる0.1〜0.2μm厚の絶縁膜を形成し、次いでフォトリソグラフィーとエッチングによって、複数の画素領域を除去し、格子状にパターニングすることで、電気絶縁層13bを形成する。
次に、前記格子状の電気絶縁層13b上に2〜3μm厚のフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をストライプ状のマスクを介して露光し、ストライプ状に配置される複数本の陽極2間にのみレジスト層が残るように現像し、熱硬化させる。
上記ストライプ状にパターニングされたレジスト層が上記隔壁13aを構成する。
絶縁性隔壁13aの形成後、陽極2と不図示の発光層の間に金属ドープモリブデン酸化物層3が設けられる。
なお、金属ドープモリブデン酸化物層3以外に、陽極2と発光層との間には、さらに所定の層が設けられてもよい。陽極2と発光層との間に設けられる層としては後述する正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層などを挙げることができる。
したがって、陽極2と発光層との間に、金属ドープモリブデン酸化物層のみが設けられている素子構成と、金属ドープモリブデン酸化物層および他の層が設けられている素子構成とがある。
なお、発光層と陰極との間に設けられる層としては、電子注入層、電子輸送層および正孔ブロック層などを挙げることができる。
(i)陽極および正孔輸送層に接して設けられる
(ii)陽極および電子ブロック層に接して設けられる
(iii)正孔注入層および発光層に接して設けられる
(iv)正孔注入層および電子ブロック層に接して設けられる
(v)陽極および発光層に接して設けられる
陽極と発光層との間には、少なくとも金属ドープモリブデン酸化物層が設けられる。また前述したように、金属ドープモリブデン酸化物層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層等が設けられてもよい。なお金属ドープモリブデン酸化物層は、これら正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層のうちの少なくとも1つの層として機能する。
正孔注入層は、上述のように、陽極と正孔輸送層との間、または陽極と発光層との間に設けることができる。正孔注入層を構成する材料としては、公知の材料を適宜用いることができ、特に制限はない。例えば、フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
正孔輸送層を構成する材料としては、特に制限はないが、例えば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)4,4’−ジアミノビフェニル(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)等の芳香族アミン誘導体、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
溶液からの成膜方法としては、前述した正孔注入層の成膜法と同様の塗布法を挙げることができ、述する凸版印刷法を用いて成膜することが好ましい。
上記金属ドープモリブデン酸化物層3および必要に応じて他の層が形成された後、発光層が形成される。この発光層形成工程の特徴は、有機発光材料を含む有機発光インキを凸版印刷法を用いて塗布することと、その場合に用いる凸版印刷版として、図3に示すように、前記複数本の隔壁13a間の幅にそれぞれ対応する幅を有し、前記複数本の隔壁13aの配置される間隔にそれぞれ対応する間隔でストライプ状に配置される複数本の凸部21を備える凸版印刷版20を用いることである。さらに、凸版印刷版20が、円筒状または円柱状であることが好ましく、前記凸部の長手方向が周方向と重なるように、前記複数本の凸部21を配列することが好ましい。
発光層は、通常、主として蛍光または燐光を発光する有機物を有し、さらにドーパント材料を含んでいてもよい。なお、有機物は、低分子化合物でも高分子化合物でもよく、発光層は、ポリスチレン換算の数平均分子量が、103〜108である高分子化合物を含むことが好ましい。発光層を構成する発光材料としては、例えば、以下のものが挙げられる。なお、陽極と陰極との間には、一層の発光層に限らず、複数の発光層が配置されてもよい。
色素系材料としては、例えば、シクロペンダミン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマーなどが挙げられる。
金属錯体系材料としては、例えば、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体など、中心金属に、Al、Zn、BeなどまたはTb、Eu、Dyなどの希土類金属を有し、配位子にオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造などを有する金属錯体などを挙げることができる。
高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化したものなどが挙げられる。
また、緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
また、赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、およびそれらの重合体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などを挙げることが出来る。なかでも高分子材料のポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体などが好ましい。
発光層中に発光効率の向上や発光波長を変化させるなどの目的で、ドーパントを添加することができる。このようなドーパントとしては、例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾンなどを挙げることができる。なお、このような発光層の厚さは、通常約20〜2000Åである。
発光層の形成後、必要に応じて、一層または複数の所定の層が設けられる。発光層と陰極との間には、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層等が設けられる。
陰極と発光層との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という場合がある。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、電子注入層または陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
電子輸送層を形成する材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
電子注入層としては、発光層の種類に応じて、アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいは前記金属を一種類以上含む合金、あるいは前記金属の酸化物、ハロゲン化物および炭酸化物、あるいは前記物質の混合物などが挙げられる。
この電子注入層の膜厚としては、1nm〜1μm程度が好ましい。
陰極の材料としては、仕事関数が小さく、発光層への電子注入が容易な材料が好ましい。さらに陰極の材料としては電気伝導度が高く、可視光反射率の高い材料が好ましい。かかる陰極材料としては、具体的には、金属、金属酸化物、合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物、酸化亜鉛(ZnO)等の無機半導体などを挙げることができる。
a)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
b)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
c)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
i)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
k)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
a)〜l)において、陽極と発光層との間に設けられる層の一層が金属ドープモリブデン酸化物層である。
m)陽極/(繰り返し単位A)/電荷注入層/(繰り返し単位A)/陰極
また、3層以上の発光層を有する有機EL素子としては、「(繰り返し単位A)/電荷注入層」を「繰り返し単位B」とすると、以下のn)に示す層構成を挙げることができる。
n)陽極/(繰り返し単位B)x/(繰り返し単位A)/陰極
なお記号「x」は、2以上の整数を表し、(繰り返し単位B)xは、繰り返し単位Bがx段積層された積層体を表す。
ここで、電荷発生層とは電界を印加することにより、正孔と電子を発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を挙げることができる。
上述のように陰極が形成された後、基本構造として陽極−発光層−陰極を有してなる発光機能部を保護するために、該発光機能部を封止する保護層(上部封止膜)が形成される。この保護層は、通常、少なくとも一つの無機層と少なくとも一つの有機層を有する。積層数は、必要に応じて決定され、基本的には、無機層と有機層は交互に積層される。
(A:真空蒸着法による、ガラス基板へのAlドープMoO3の蒸着)
複数のガラス基板を用意し、その片面を蒸着マスクを用いて部分的に被覆し、蒸着チャンバー内に基板ホルダーを用いて取り付けた。
成膜後、得られた基板を大気中に取り出し、光学顕微鏡(500倍)で膜表面を観察したところ、結晶構造が認められず、アモルファス状態であることが確認された。
得られた基板を純水に1分間曝し、光学顕微鏡で再び観察したところ、変化は無く、表面は溶けていなかった。この基板をさらに純水に3分間曝し続けるか、又は純水を含ませた不織布(商品名「ベンコット」、小津産業株式会社製)で膜を拭いた後、目視で観察したところ、いずれの場合も膜は変化無く残っていた。
また、成膜後の蒸着膜の透過率を、透過率・反射率測定装置(Scientific Computing International社製、商品名「FilmTek 3000」)を用いて測定した。結果を後出の(表1)に示す。光の波長約300nmぐらいから透過スペクトルが立ち上がり、波長320nmにおける透過率が21.6%、360nmにおける透過率が56.6%であった。後述する比較例1と比較して、320nmにおいて3.6倍、360nmにおいて1.6倍の透過率を有していた。
蒸着中に、チャンバーに酸素を導入した他は作製例1の(A)と同様に操作し、共蒸着膜が設けられた基板を得た。酸素量はマスフローコントローラーにより15sccmに制御した。蒸着中の真空度は約2.3×10−3Paであった。得られた共蒸着膜(金属ドープモリブデン酸化物層)の膜厚は約10nmであり、膜中のMoO3及びAlの合計に対するAlの組成比は約3.5mol%であった。
蒸着速度を、MoO3については約0.37nm/秒、Alについては約0.001nm/秒に制御した他は作製例1の(A)と同様に操作し、共蒸着膜(金属ドープモリブデン酸化物層)が設けられた基板を得た。得られた共蒸着膜の膜厚は約10nmであり、膜中のMoO3及びAlの合計に対するAlの組成比は約1.3mol%であった。
作製例1の(A)で得られた基板を、大気雰囲気のクリーンオーブンに入れ、250℃で60分間加熱処理した。冷却後、蒸着膜(金属ドープモリブデン酸化物層)の透過率を実施例1の(C)と同様に測定した。結果を後出の(表1)に示す。波長320nmにおける透過率が28.9%、360nmにおける透過率が76.2%であった。下記比較例1と比較して、320nmにおいて4.7倍、360nmにおいて2.2倍の透過率を有していた。
Alを蒸着せず、MoO3のみを約0.28nm/秒で蒸着した他は作製例1と同様に操作し、膜厚約10nmの蒸着膜が設けられた基板を得た。
成膜後、得られた基板を大気中に取り出し、光学顕微鏡(500倍)で膜表面を観察したところ、結晶構造が認められずアモルファス状態であることが確認された。
攪拌翼、バッフル、長さ調整可能な窒素導入管、冷却管、温度計をつけたセパラブルフラスコに 2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン158.を29重量部、ビス−(4−ブロモフェニル)−4−(1−メチルプロピル)−ベンゼンアミン136.を11重量部、トリカプリルメチルアンモニウムクロリド(ヘンケル社製 Aliquat336)を27重量部、トルエンを1800重量部を仕込み、窒素導入管より窒素を流しながら、攪拌下90℃まで昇温した。
ポリスチレン換算重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。GPCの検量線の作成にはポリマーラボラトリーズ社製標準ポリスチレンを使用した。測定する重合体は、約0.02重量%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、GPC装置に10μL注入した。
(有機EL素子の作製)
基板としてITOの薄膜が表面にパターニングされたガラス基板を用い、このITO薄膜上に、作製例1と同様の手順で、膜厚10nmのAlドープMoO3層(金属ドープモリブデン酸化物層)を真空蒸着法により蒸着した。
得られた有機EL素子は、ガラス基板/ITO膜/AlドープMoO3層(金属ドープモリブデン酸化物層)/インターレイヤー層/発光層/Ba層/Al層/封止ガラスの層構成を有していた。
作製した素子に、輝度が1000cd/m2となるよう通電し、電流−電圧特性を測定した。また、10mAで定電流駆動し、初期輝度約2000cd/m2で発光を開始させてから、そのまま発光を持続させ、発光寿命を測定した。結果を後出の(表2)及び(表3)に示す。後述する比較例2と比較して、最大電力効率が若干高く、1000cd/m2発光時の駆動電圧が低下し、寿命が約1.6倍延長している。
AlドープMoO3層(金属ドープモリブデン酸化物層)を、作製例3と同様の手順で成膜した他は、作製例5と同様に操作し、有機EL素子を作製し、電流−電圧特性及び発光寿命を測定した。発光寿命は、10mAで定電流駆動し、初期輝度約2000cd/m2で発光を開始させてからそのまま発光を持続させて測定した。結果を下記(表2)及び(表3)に示す。下記比較例2と比較して、最大電力効率が若干高く、1000cd/m2発光時の駆動電圧が低下し、寿命が約2.4倍延長している。
AlドープMoO3層を成膜する代わりに、比較例1と同様の手順でMoO3層を成膜した他は、作製例5と同様に操作し、有機EL素子を作製し、電流−電圧特性及び発光寿命を測定した。発光寿命は、10mAで定電流駆動し、初期輝度約2000cd/m2で発光を開始させてから、そのまま発光を持続させて測定した。結果を下記(表2)及び(表3)に示す。
(基板の準備および陽極の形成)
まず、200mm(縦)×200mm(横)×0.7mm(厚み)の透明ガラス板上にITO薄膜を形成し、さらにパターニングを行ってストライプ状の陽極を形成した。陽極の繰り返し間隔(ピッチ)は、80μmで、陽極の幅(ライン幅)70μmに対して陽極間の間隔(スペース幅)は10μmであった(ライン/スペース=70μm/10μm)。陽極の厚みは、150nmであった。基板の厚み方向の一方から見て画素の形成される画素領域は、一方向に伸びるITO薄膜上において、前記一方向に所定の間隔をあけて島状に設定される。
次に、プラズマCVD法によりSiO2からなる絶縁膜を形成し、次いでフォトリソグラフィーとエッチングによって、幅50μm×長さ150μmの矩形形状の複数の画素領域を除去し、電気絶縁層を形成した。
次に、上記基板上の全面に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製、商品名「OFPR−800」)を用いて、慣用のフォトリソグラフィーにより、図1および図2に示す形状の隔壁13aを形成した。形成した隔壁13aの幅寸法は30μm、高さ寸法は2μmとした。また、隔壁13a同士の隣接間寸法は75μmとした。
上記隔壁に対応して、図3に示す構造のフレキソ印刷版(材質:ポリエステル系樹脂)を準備した。この凸版印刷版20の凸部21の高さ寸法は100μm、幅寸法は30μm、ピッチ幅は75μmで、版胴の軸心方向Yに直交する周方向にストライプ状に形成した。
次に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(Bayer社製、商品名「BaytronP AI4083」)の懸濁液を調製し、この懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した。この濾過液を上記凸版印刷版を用いて、上記画素領域に塗布した。続いて、この塗布層を200℃×20分間、加熱処理して、80nm厚の正孔注入層を形成した。
有機発光材料として、赤、緑、青の3色の高分子発光材料(サメイション社製、商品名「RP158(赤)」、「GP1300(緑)」、「BP361(青)」)をそれぞれ溶媒(アニソール/シクロへキシルベンゼン=重量比1/1の混合溶媒)に溶解させた3色の有機発光インキ(濃度:1重量%)を準備した。
次に、上記発光層の上に、陰極として、カルシウムを100Åの厚さで蒸着し、さらに、酸化保護層としてアルミニウムを2000Åの厚さで蒸着した。これにより、ボトムエミッション構造の有機EL素子を作製した。
格子状に形成された隔壁を設けた基板と、前記隔壁により画成された画素領域に対応する凸部を有する凸版印刷版を用いて、上記作製例7と同様の印刷機および印刷条件にて、有機発光インキを印刷し、乾燥して有機発光層を形成した。それ以外は、上記作製例7と同様にして有機EL素子を製造した。形成した隔壁の寸法は、高さ2μm、幅50μm、長さ150μmであった。
2 陽極
3 金属ドープモリブデン酸化物層
13a 隔壁
13b 電気絶縁層
14 画素領域
15 凹溝
20 凸版印刷版
21 凸版印刷版の凸部
Claims (6)
- 陽極と、陰極と、前記陽極および陰極間に配置された有機発光層と、前記陽極および前記有機発光層の間に配置された金属ドープモリブデン酸化物層とを含み、かつ互いに略平行に載置された複数本の隔壁を有する支持基板に設けられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
前記隔壁を有する支持基板に陽極が形成された基板を用意する工程と、
金属ドープモリブデン酸化物層形成工程と、
前記隔壁間に、有機発光材料を含む有機発光インキを供給して、前記有機発光層を形成する有機発光層形成工程と、
を有し、
前記有機発光層形成工程では、前記複数本の隔壁間の凹溝に、該凹溝に対応する凸部を備える凸版印刷版を用いて、隔壁の長手方向に沿って、前記有機発光インキを連続的に供給し、
ドーパント金属としてアルミニウムを用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記金属ドープモリブデン酸化物層形成工程では、酸化モリブデンとドーパント金属とを同時に堆積することにより金属ドープモリブデン酸化物層を形成する、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 金属ドープモリブデン酸化物層形成工程において形成された前記金属ドープモリブデン酸化物層を加熱する工程をさらに含む請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記金属ドープモリブデン酸化物層の可視光透過率を50%以上とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記金属ドープモリブデン酸化物層に含まれるドーパント金属の割合を、0.1〜20.0mol%とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記凸版印刷版が、円筒状または円柱状であり、前記複数本の凸部の長手方向が周方向と重なるように、該複数本の凸部を配列することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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