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JP4962324B2 - ペースト塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

ペースト塩化ビニル系樹脂の製造方法 Download PDF

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JP4962324B2 JP2008005519A JP2008005519A JP4962324B2 JP 4962324 B2 JP4962324 B2 JP 4962324B2 JP 2008005519 A JP2008005519 A JP 2008005519A JP 2008005519 A JP2008005519 A JP 2008005519A JP 4962324 B2 JP4962324 B2 JP 4962324B2
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Description

本発明は、ペースト塩化ビニル系樹脂(以下、ペースト塩ビと略記する。)、その製造方法に関するものである。更に詳しくは、ペースト塩ビを使用し成形加工する際、成形品の表面平滑性及び凹凸模様の鮮明さに優れた発泡成形体を提供するペースト塩ビ、その製造方法に関するものである。
ペースト塩ビは、一般的に可塑剤、安定剤、発泡剤等の配合剤と混練することにより、ペースト塩ビゾルとして加工に供され、種々の加工法により様々な成形品が得られる。その中でも壁紙、床材のような建築資材はペースト塩ビの主要な用途の一つである。
一般に、壁紙、床材は、難燃紙などの裏打ち材料にペースト塩ビゾルを塗布し加熱する原反作製工程、原反にグラビア印刷等で着色を施す印刷工程、印刷された原反を加熱発泡する発泡工程からなる方法で製造される。このようにして得られた発泡成形品は、意匠性を付与するために各工程で工夫され様々な凹凸模様が施されている。発泡成形品に凹凸模様を施す方法としては、発泡体に凹凸の付いた金属ロールを押しつけるメカニカルエンボス法、印刷工程で発泡抑制剤を原反に含浸させるケミカルエンボス法、原反上にロータリースクリーンからペースト塩ビゾルを押し出し転写させるロータリースクリーン法などが挙げられる。この中でもケミカルエンボス法においては、凹凸模様が鮮明に入ること(以下、エンボスシャープ性という。)及び発泡体表面の平滑性(以下、発泡表面平滑性という。)が良好であることが重要である。
しかし、従来のペースト塩ビではエンボスシャープ性を重視する場合には、ペースト塩ビの溶融粘度を高くすることが必要となり、その結果、重合度の高いペースト塩ビとすることが必要となる。一方、発泡表面平滑性を重視する場合には、ペースト塩ビが加熱により速やかに均一に溶融することが必要となるために重合度の低いペースト塩ビとすることが必要となり、両方の特性を同時に満足するペースト塩ビはなかった。
そこで、本発明は、従来のペースト塩ビには得られないケミカルエンボス加工でのエンボスシャープ性及び発泡表面平滑性の特性を同時に満足するペースト塩ビ及びそれより得られるペースト塩ビ組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の化合物を配合し、特定の平均重合度を有するペースト塩ビがケミカルエンボス加工でのエンボスシャープ性及び発泡表面平滑性の特性を同時に満足することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される化合物を0.01〜0.50重量%含み、且つ、平均重合度が1200〜2000であることを特徴とするペースト塩ビと、塩化ビニル系単量体を乳化剤、緩衝剤、必要に応じて乳化補助剤の存在下において水性媒体中でシードミクロ懸濁重合するにあたり、下記一般式(1)で示される化合物を重合開始前に塩化ビニル系単量体100重量部に対し、0.01〜0.50重量部添加し、重合温度42〜56℃で重合することを特徴とする、下記一般式(1)で示される化合物を0.01〜0.50重量%含み、且つ、平均重合度が1200〜2000であるペースト塩ビの製造方法に関するものである。
Figure 0004962324
(一般式(1)中、Xはアルカリ金属イオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)
以下に、本発明をより詳細に説明する。
本発明のペースト塩ビとは、上記一般式(1)で示される化合物0.01〜0.50重量%含み、且つ、平均重合度が1200〜2000の範囲内であるペースト塩ビである。
ここで、上記一般式(1)で示される化合物(以下、KAと略記する。)としては、例えばアントラキノンスルホン酸アルカリ金属塩、アントラキノンスルホン酸アンモニウム塩を挙げることができ、その際のアルカリ金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、ルビジウムイオンを挙げることができる。そして、KAとしては、2種以上の混合物として用いても良い。
本発明において、KAのペースト塩ビ中の含有量は0.01〜0.50重量%の範囲内であり、KAの含有量が0.01重量%未満である場合、得られるペースト塩ビを発泡体とした際のエンボスシャープ性、発泡表面平滑性が劣るものとなる。一方、KAの含有量が0.50重量%を超える場合、得られるペースト塩ビを発泡体とした際に着色したり、発泡表面平滑性が劣るものとなる。
本発明のペースト塩ビは、その平均重合度が1200〜2000の範囲内のものである。ここで、ペースト塩ビの平均重合度が1200未満である場合、得られるペースト塩ビを発泡体とした際のエンボスシャープ性が劣るものとなる。一方、ペースト塩ビの平均重合度が2000を超える場合、得られるペースト塩ビを発泡体とした際の発泡表面平滑性が劣るものとなる。ここで、平均重合度は、JISK6721を準拠し測定することが可能である。
本発明のペースト塩ビの製造方法としては、一般的なミクロ懸濁重合法、乳化重合法、シードミクロ懸濁重合法、シード乳化重合法等により塩化ビニル系樹脂ラテックスを得、該塩化ビニル系樹脂ラテックスを噴霧乾燥し、顆粒状ペースト塩ビとする方法、又はさらにその顆粒状ペースト塩ビを粉砕し製造する方法等を挙げることができ、その中でも特に本発明のペースト塩ビを製造する際には、効率よくエンボスシャープ性及び発泡表面平滑性の特性を同時に満足するペースト塩ビを製造することが可能となることから、シードミクロ懸濁重合法により製造することが好ましい。
以下に、本発明のペースト塩ビを製造する際の好ましい製造方法の一態様として、シードミクロ懸濁重合法による製造方法を示す。
シードミクロ懸濁重合方法とは、1)ミクロ懸濁重合法により油溶性重合開始剤を含む塩化ビニル系樹脂粒子を有する塩化ビニル系樹脂シードラテックス(以下、シードラテックスという。)を得る第一段階、2)該シードラテックスと塩化ビニル系単量体とを脱イオン水、乳化剤、緩衝剤、必要に応じて高級アルコール等の乳化補助剤の存在下で緩やかな攪拌下で重合を行い、該シードラテックスを肥大化させて塩化ビニル系樹脂ラテックスを得る第二段階、からなる重合方法である。
そして、本発明のペースト塩ビを製造する際には、特に良好な発泡表面平滑性と優れたエンボスシャープ性を有するペースト塩ビが得られることから、上記一般式(1)で示される化合物を重合開始前に塩化ビニル系単量体100重量部に対し、0.01〜0.50重量部添加し、重合温度42〜56℃で乳化剤、緩衝剤、必要に応じて乳化補助剤の存在下、水性媒体中でシードミクロ懸濁重合を行うことが好ましい。また、シードミクロ懸濁重合を行う際のシードラテックスとしては、重合効率よく発泡表面平滑性、成形加工性に優れるペースト塩ビが得られることから平均粒子径が0.3〜0.7μmの範囲内である塩化ビニル系樹脂粒子を有するシードラテックスを塩化ビニル系単量体100重量部に対し5.5〜7.5重量部となる範囲で用いることが好ましい。
ここで、塩化ビニル系単量体とは、塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体と塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体との混合物をいう。そして、塩化ビニル単量体と共重合可能なビニル単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物類;アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、桂皮酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエーテル、ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のモノオレフィン類;塩化ビニリデン、スチレン及びその誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を挙げることができ、これらビニル単量体は1種類以上で用いることが可能である。
また、乳化剤としては、例えばラウリル硫酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルの如きアルキル硫酸エステル塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウムの如きアルキルアリールスルホン酸塩類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムの如きスルホコハク酸塩類;ラウリン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウムの如き脂肪酸塩類;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類などのアニオン系乳化剤:ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートの如きソルビタンエステル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルエステル類などのノニオン系乳化剤などの従来より知られているものを1種類又は2種類以上用いることができる。
緩衝剤としては、例えばリン酸一水素アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩、フタル酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ酸−苛性カリウム溶液等が挙げられ、必要に応じて用いられる乳化助剤としては、例えばセチルアルコール、ラウリルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、そのエステル;芳香族炭化水素;高級脂肪酸炭化水素;塩素化パラフィンのようなハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
シードミクロ懸濁重合法に用いられるシードラテックスは、以下のようなミクロ懸濁重合法で調整することが可能である。まず、塩化ビニル系単量体、油溶性重合開始剤、界面活性剤、緩衝剤、高級アルコール,高級脂肪酸,高級脂肪酸エステル,塩素化パラフィンなどの分散助剤、必要に応じて重合度調整剤を加えてプレミックスし、ホモジナイザーにより均質化処理して油滴の調整を行う。この際のホモジナイザーとしては、例えばコロイドミル、振動攪拌機、二段式高圧ポンプなどを用いることができる。そして、均質化処理した液を重合器に送り、緩やかに攪拌しながら重合器内の温度を上げて重合反応を開始し、所定の転化率に達するまで重合を行うことにより油溶性重合開始剤を含有するシードラテックスを調整することが可能である。この際の重合温度としては30〜55℃であることが好ましい。
この際の油溶性重合開始剤としては、10時間半減期温度30〜70℃のジアシルパーオキサイドが好ましく、そのような重合開始剤としては、例えばイソブチリルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイドなどがあげられる。
そして、シードミクロ懸濁重合法により得られた塩化ビニル系樹脂ラテックスから、ペースト塩ビを得る方法としては、いかなる方法をも用いることが可能であり、効率よく該塩化ビニル系樹脂ラテックスから水分を除去することができることから、噴霧乾燥による方法が好ましい。このような噴霧乾燥に使用する乾燥機は、一般的に使用されているものでよく、例えば「SPRAY DAYINGHANDBOOK」(K.Masters著、3版、1979年、Georgegodwin Limitedより出版)の121頁第4.10図に記載されている各種のスプレー乾燥機があげられる。また、この際の乾燥条件としては、例えば乾燥温度は、乾燥機の入口で80〜200℃、また出口では40〜70℃、特に45℃〜65℃が好ましい。そして、噴霧乾燥後に得られるペースト塩ビは、塩化ビニル系樹脂ラテックスを構成する粒子の凝集体であり、通常10〜150μmの顆粒状である。乾燥機出口温度が52℃を超える場合には、得られるペースト塩ビは可塑剤への分散性が劣るため顆粒状ペースト塩ビを粉砕して用いることが好ましく、乾燥出口温度が52℃以下である場合は、顆粒状のままでも粉砕して用いてもどちらでもよい。
本発明のペースト塩ビは、可塑剤、充填剤を配合することにより、ペースト塩ビ組成物とする場合、良好な発泡体が得られることから該ペースト塩ビ100重量部に対し、可塑剤30〜200重量部、充填剤300重量部以下、発泡剤2〜20重量部を配合してなることが好ましい。
ここで、可塑剤としては、例えばジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;トリオクチルトリメリテート、ジオクチルアジペート、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステル、塩素化脂肪酸エステル、リン酸トリス−β−クロルエチル、塩素化パラフィン等の可塑剤が挙げられ、これらの可塑剤は2種以上を混合して用いることもできる。
発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、アミド化合物、ホウ水素化ナトリウム等の無機系発泡剤;イソシアネート化合物、アゾジカーボンアミド,アゾビスイソブチロニトリル,バリウムアゾジカルボキシレートらのアゾ化合物、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド,p−トルエンスルホニルヒドラジドらのヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、アジ化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミンらのニトロソ化合物、トリアゾール化合物等の有機系発泡剤が挙げられ、これらの各種発泡剤を2種以上組み合わせて使用することもできる。そして、必要に応じて上記発泡体と亜鉛華(酸化亜鉛)等の分解促進剤を併用することも可能である。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、ケイソウ土、炭酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。
また、安定剤を併用することも可能であり、該安定剤の具体例としては、例えばエポキシ系安定剤、バリウム系安定剤、カルシウム系安定剤、スズ系安定剤、亜鉛系安定剤等が挙げられ、これらは1種類以上を併用することもできる。又、市販のカルシウム−亜鉛系(Ca−Zn系)、バリウム−亜鉛系(Ba−Zn
系)等の複合安定剤を使用することもできる。そして、これら安定剤の添加量としては、ペースト塩ビ100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。
本発明のペースト塩ビは、ケミカルエンボス加工により発泡体とした際にエンボスシャープ性及び発泡表面平滑性に優れる発泡体を得ることが可能となり、その工業的価値は非常に高いものである。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
〜塩化ビニル系樹脂ラテックスの平均粒子径の測定〜
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製、商品名LA−700)を使用し、屈折率1.3の条件にて2回測定を行い、その平均値を平均粒子径として測定した。
〜シードラテックス中の開始剤含有量測定〜
200ml三角フラスコに塩化ビニル樹脂固形分で1gとなるようにシードラテックスを秤量した。続いてベンゼン20ml、イソプロピルアルコール80ml、10%酢酸溶液20ml、10%ヨウ化カリウム水溶液20mlを添加した。該三角フラスコに五球コンデンサを付設し、スターラーで攪拌しながら15分間加熱し、冷却後、1/100Nチオ硫酸ナトリウムで滴定した。
シードラテックス中の開始剤含有量は、次式(2)及び(3)により算出した。
A=(V1−V2)/1000×(1/100N)×(1/2) (2)
(ここで、Aはシードラテックス中の開始剤のモル数を示し、V1はサンプルの1/100Nチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)を示し、V2はブランクの1/100Nチオ硫酸ナトリウムの滴定量(ml)を示し、Nは1/100Nチオ硫酸ナトリウムの規定度を示す。)
塩化ビニル樹脂中の開始剤含有量(%)=A/W×398×100 (3)
(ここで、Wは開始剤等含有シード固形分(g)を示す。)
〜合成例1(シードラテックスの製造例)〜
1mステンレス製オートクレーブ中に脱イオン水360kg、塩化ビニル単量体300kg、過酸化ラウロイル5.7kg及び15重量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液30kgを仕込み、該重合液をホモジナイザーにより3時間循環し、均質化処理を行った後、反応系の温度を45℃に上げて重合を開始した。重合系の圧力が低下した後、未反応塩化ビニル単量体を回収し、固形分含有率35重量%、粒子が0.55μmの平均粒子径を有し、且つ、ポリマーを幹として2重量%の過酸化ラウロイルを含有するシードラテックスを得た。
以下に実施例により得られたペースト塩ビの評価方法を示す。
〜ペースト塩ビの重合度〜
JISK6721を準拠して測定した。
〜エンボスシャープ性〜
得られた発泡体のエンボス性を観察し評価した。
エンボス性の評価基準を以下に示す。
○:互いに接する凹凸面の角度が85度以上95度未満。
×:互いに接する凹凸面の角度が85度未満又は95度以上。
〜発泡表面平滑性〜
得られた発泡体の表面平滑性を目視で観察することにより評価した。
発泡表面平滑性の評価基準を以下に示す。
○:表面が平滑
×:表面が粗い
実施例1
2.5lステンレス製オートクレーブ中に脱イオン水650g、塩化ビニル単量体550g、5重量%ラウリル硫酸ナトリウム5.5g、1重量%ホウ酸−苛性カリウム溶液11.0g、合成例1により得られた平均粒子径0.55μmのシードラテックスを塩化ビニル単量体100重量部に対し6.5重量部、アントラキノンスルホン酸ナトリウムを塩化ビニル単量体100重量部に対し0.05重量部仕込んだ後、この反応混合物の温度を52℃に上げて重合を開始した。重合を開始してから重合終了までの間、塩化ビニル単量体に対して0.75重量部の5重量%ラウリル硫酸ナトリウムを連続的に添加した。重合圧が52℃における塩化ビニル単量体の飽和蒸気圧から0.569MPa迄降下した時に重合を停止し、未反応塩化ビニル単量体を回収し塩化ビニル樹脂ラテックスを得た。
得られた塩化ビニル樹脂ラテックスは、回転円盤式のスプレードライヤーを用い、熱風温度158℃、出口温度55℃で噴霧乾燥した後、得られた顆粒状のペースト塩ビを粉砕して、ペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを0.05重量%含有し、平均重合度1360であった。
得られたペースト塩ビ100重量部に対し、可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)((株)ジェイ・プラス製)55重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル(株)製、商品名ホワイトン H)70重量部、顔料として二酸化チタントナー(大日精化(株)製、商品名1010トナー)20重量部、化学発泡剤(大塚化学(株)製、商品名AZH25)2.5重量部、安定剤(共同薬品(株)製、商品名KF83F3)2重量部、キッカーとして酸化亜鉛(大協化成(株)製、商品名MZ−100)0.5重量部、希釈剤(大伸化学(株)製、商品名ミネラルスピリット)8重量部を配合し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業製)を用い3000rpmで2分間混練し、発泡性を有するペースト塩ビ組成物を調製した。
得られたペースト塩ビ組成物を予め140℃で5秒加熱した難燃紙上に、0.17mmの厚みでコーティングし145℃で40秒加熱することにより、半ゲル化状のシートを作成し、該シートを室温まで冷却した後、シート上に卓上グラビア印刷機を用い発泡抑制剤溶液として無水トリメリット酸/メチルエチルケトン15重量%溶液の塗布を行いグラビア印刷し発泡抑制剤を樹脂層に浸透させた。210℃に加熱されたオーブン中で50秒加熱することにより発泡させ、ケミカルエンボス処理を行った発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表1に示す。
実施例2
アントラキノンスルホン酸ナトリウムを塩化ビニル単量体100重量部に対し、0.40重量部仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを0.40重量%含有し、平均重合度1365であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表1に示す。
実施例3
重合温度を43℃とした以外は、実施例1と同様の方法でペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを0.05重量%含有し、平均重合度1850であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表1に示す。
実施例4
重合温度を55℃とした以外は、実施例1と同様の方法でペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを0.05重量%含有し、平均重合度1250であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表1に示す。
比較例1
アントラキノンスルホン酸ナトリウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法でペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを含有せず、平均重合度1380であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表2に示す。
得られた発泡体はエンボスシャープ性が劣るものであった。
比較例2
アントラキノンスルホン酸ナトリウムを塩化ビニル単量体100重量部に対し、0.80重量部仕込んだ以外は、実施例1と同様の方法で重合を試みたが、重合反応の途中で重合反応が失速し、ペースト塩ビを得ることができなかった。
比較例3
重合温度を40℃とした以外は、実施例1と同様の方法でペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを0.05重量%含有し、平均重合度2280であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表2に示す。
得られたペースト塩ビは、平均重合度が2280と高く、発泡体は発泡表面平滑性が劣るものであった。
比較例4
重合温度を59℃とした以外は、実施例1と同様の方法でペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはアントラキノンスルホン酸ナトリウムを0.05重量%含有し、平均重合度1000であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表2に示す。
得られたペースト塩ビは、平均重合度が1000と低く、発泡体はエンボスシャープ性に劣るものであった。
比較例5
アントラキノンスルホン酸ナトリウムの代わりに、塩化ビニル単量体100重量に対しジエチルヒドロキシルアミン0.05重量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビの製造を試みたが、重合途中で重合反応が失活し、ペースト塩ビを得ることができなかった。
比較例6
アントラキノンスルホン酸ナトリウムの代わりに、塩化ビニル単量体100重量に対しジエチルヒドロキシルアミン0.05重量部とし、重合温度を56℃とした以外は、実施例1と同様の方法でペースト塩ビを得た。得られたペースト塩ビはジエチルヒドロキシルアミン0.05重量%を含有し、平均重合度1000であった。
得られたペースト塩ビは、実施例1と同様の方法によりペースト塩ビ組成物とし発泡体を得た。
得られたペースト塩ビ、ペースト塩ビ組成物及び発泡体の評価結果を表2に示す。
得られたペースト塩ビは平均重合度が1000と低く、発泡体はエンボスシャープ性が劣るものであった。
Figure 0004962324
Figure 0004962324

Claims (1)

  1. 塩化ビニル系単量体を乳化剤、緩衝剤、必要に応じて乳化補助剤の存在下において水性媒体中でシードミクロ懸濁重合するにあたり、重合開始前に塩化ビニル系単量体100重量部に対し、下記一般式(1)で示される化合物を0.01〜0.50重量部及びミクロ懸濁重合法によって得られた平均粒子径0.3〜0.7μmの塩化ビニル系樹脂シードラテックスを5.5〜7.5重量部添加し、重合温度42〜56℃で重合することを特徴とする、下記一般式(1)で示される化合物を0.01〜0.50重量%含み、且つ、平均重合度が1200〜2000であるペースト塩化ビニル系樹脂の製造方法。
    Figure 0004962324
    (一般式(1)中、Xはアルカリ金属イオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。)
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