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JP4927609B2 - 全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法、及び全固体電池の製造方法 - Google Patents

全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法、及び全固体電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法、及び全固体電池の製造方法に関する。更に詳しくは、電極との接続界面における接続抵抗を低減することが可能な全固体電池用の固体電解質構造体を製造する方法、及びこのような固体電解質構造体を用いた全固体電池の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が大幅に拡大している。このような用途に用いられる電池においては、イオンを移動させる媒体として、有機溶媒等の液体の電解質(電解液)が従来使用されている。このような電解液を用いた電池においては、電解液の漏液等の問題を生ずる可能性がある。
このような問題を解消すべく、液体の電解質に代えて固体電解質を使用するとともに、その他の要素の全てを固体で構成した全固体電池の開発が進められている。このような全固体電池は、電解質が固体であるために、発火等を誘引する漏液の心配がなく、また、腐食による電池性能の劣化等の問題も生じ難いものである。なかでも、全固体リチウム二次電池は、容易に高エネルギー密度とすることが可能な二次電池として各方面で盛んに研究が行われている(例えば、特許文献1参照)。
このような全固体電池は、上記したように安全性等においては優れたものであるが、電解質までが全て固体であるため、固体電解質自体のイオン伝導性向上や、電極と電解質との接続界面における接続抵抗(インピーダンス)の低減が大きな課題となっていた。
例えば、従来の液系リチウムイオン二次電池は、電解質が液体であるため、固体電極の粒子間にも電解質が浸透しており、固体電極と電解質との接合面積は、単なる固体電極の表面の面積ではなく、固体電極の比表面の面積に相当するものとなる。また、固体電極と電解質との接続に関しても、電解質が固体電極に十分に浸透していれば良好な状態を確保することができる。
一方、上記した全固体電池においては、電極と電解質とが共に固体であるため、両者の接合面積は、双方の粒子が接触する面積に依存することになる。電極と電解質との焼成温度が低く焼結が進んでいない状態では、これらの粒子間の接続はほぼ点接触となるが、焼結が進み粒子間の融着が進むことにより接合面積(接触する面積)が拡大して、接続界面における接続抵抗(インピーダンス)が低減される。即ち、粒子間の接続部分(ネッキング)が太くなるほど接続抵抗が低下する。但し、十分なネッキングを得る焼成温度域においては、双方の材料間の反応性をも考慮に入れる必要があり、実質的な接合面積は容易に得られるものではない。
従来、全固体電池を試作する場合には、固体電解質の表面に電極材料(例えば、活物質前駆体)を平面に塗工し、これを焼成して電極を形成する方法を用いていたが、その場合の接合面積は、電極が形成される領域の平面積を超えるものではない。実際には、電極と固体電解質の粒子が接触する面積の合計となるため、上記した電極の表面の面積よりも更に小さくなることが一般的である。
このようなことから、電極と固体電解質との接続界面における接続抵抗(インピーダンス)を低減するために、例えば、正負極の活物質粒子間に固体電解質を介在させた全固体電池が開示されている(例えば、特許文献2参照)。具体的には、正負極のそれぞれの電極は、活物質と電解質とを混合したスラリーをシート状に成形して得られたグリーンシートを焼成して形成し、それぞれの電極間に配置する固体電解質(固体電解質層)は、固体電解質の素材のみで成形したシートを焼成して形成するものである。このようにして得られた正電極、固体電解質層、及び負電極を加圧接触、若しくは加圧焼成して全固体電池を製造する。このような全固体電池は、正負電極の活物質中に電解質ネットワークを形成することができるとされている。
特開平5−205741号公報 特開2000−311710号公報
しかしながら、この特許文献2の全固体電池の製法の場合、用いる活物質と固体電解質の双方の焼結温度が異なる場合においては、接続界面における接続抵抗(インピーダンス)を低減することができず、良好な充放電特性を得ることができないという問題があった。この原因としては、特許文献2の全固体電池は、正負極の活物質に固体電解質を混合した材料を用いて電極を形成しているが、活物質と固体電解質の焼結温度が異なるために、焼結温度の高い材料では十分な接続部分(ネッキング)を形成できなかったためと推測される。
一方で、活物質と固体電解質の焼結温度を近い設計にした場合には、今度は双方の材料間で反応が生じ、材料間に異なる物質が生成され、結果、逆にインピーダンスが増加するという問題があった。
また、二次電池の充放電過程において、電極を構成する活物質内でのイオンの出入りに際し、活物質が膨張収縮を繰り返している。例えば、液系の二次電池の場合には、流動性を有する液体の電解質が用いられているため、その膨張収縮に伴う応力は緩和され、電極と電解質との接続界面に問題が生じることはなかったが、従来の全固体電池においては、この膨張収縮に伴う応力が接続界面に直接作用してしまうため、接続界面にクラック等が生じて剥離し、充放電動作を妨げたり、剥離がより大きくなった場合には、電池としての機能を果たさなくなってしまうという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、電極との接続界面における接続抵抗を低減することが可能であるとともに、充放電過程における活物質の膨張収縮によって生じる応力を効果的に分散して緩和することが可能な全固体電池用の固体電解質構造体を製造する製造方法、及び全固体電池の製造方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、粉末状の固体電解質を用いて成形されたグリーンシートと、粉末状の固体電解質及び造孔剤を用いて成形されたグリーンシートとを積層し、その積層体を焼成することにより、固体電解質緻密体と固体電解質多孔体と有し、固体電解質多孔体が固体電解質緻密体の少なくとも一の表面に一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体を製造する製造方法によって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法、及び全固体電池の製造方法が提供される。
[1] 固体電解質緻密体と、固体電解質多孔体とを有し、前記固体電解質多孔体が前記固体電解質緻密体の少なくとも一の表面に一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体を製造する方法であって、粉末状の固体電解質をシート状に成形して第一のグリーンシートを得る工程と、粉末状の固体電解質と造孔剤とをシート状に成形して第二のグリーンシートを得る工程と、得られた前記第一のグリーンシートの少なくとも一の表面に、前記第二のグリーンシートを積層してシート積層体を得る工程と、得られた前記シート積層体を焼成することによって、前記第一のグリーンシートからなる前記固体電解質緻密体の少なくとも一の表面に、前記第二のグリーンシートからなる前記固体電解質多孔体が固着して一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体を得る工程と、を備えた全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
[2] 前記第二のグリーンシートを、前記造孔材が前記固体電解質に対して、体積比率で1倍以上含有された材料粉体を用いて成形する前記[1]に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
[3] 前記第二のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質として、前記第一のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質よりも平均粒子径が大きな粒子を用いる前記[1]又は[2]に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
[4] 前記第一のグリーンシート及び前記第二のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質として、それぞれ平均粒子径が5μm以下の前記固体電解質を用いる前記[1]〜[3]のいずれかに記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
[5] 前記第一のグリーンシート及び前記第二のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質として、チタン酸化物型の固体電解質、又はナシコン型のリン酸化合物からなる固体電解質を用いる前記[1]〜[4]のいずれかに記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって全固体電池用の固体電解質構造体を得、得られた前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質を形成する工程を備えた全固体電池の製造方法。
[7] 前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、前記微粒子状の活物質、及び前記微粒子状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填した後、前記ゾル状の活物質、及び前記ゾル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を更に前記細孔内に充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に前記電極活物質を形成する前記[6]に記載の全固体電池の製造方法。
[8] 前記[1]〜[5]のいずれかに記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって、前記固体電解質緻密体の両方の表面に前記固体電解質多孔体が形成された全固体電池用の固体電解質構造体を複数個形成し、得られた前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に活物質からなる電極活物質が形成された活物質充填固体電解質構造体を得る工程と、得られた前記活物質充填固体電解質構造体の複数個を、集電体を介して、電気的に直列となるように積み重ねる工程と、を備えた全固体電池ユニットの製造方法。
本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によれば、電極との接続界面における接続抵抗(インピーダンス)を低減させて、良好な充放電特性を実現可能な固体電解質構造体を簡便且つ安価に製造することができる。また、本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法は、生産性に優れており、全固体電池用の固体電解質構造体を工業的に製造することができる。
また、本発明の全固体電池の製造方法は、本発明の全固体電池用の固体電解質構造の製造方法によって得られた固体電解質構造体を用いて、小型で且つ高電位を発生させることが可能な全固体電池を製造することができる。これは、固体電解質を用いていることから一つの電池パッケージ内に複数の電池セルを積層して構成した場合でも、液系電解質の場合と異なり電解質が短絡することなく形成することが可能であるため、このような電池ユニット(電池セルの積層体)としての構成が可能となるものである。更に、全固体電池ユニットの製造方法は、本発明の全固体電池用の固体電解質構造の製造方法によって得られた固体電解質構造体を用いて複数の活物質充填固体電解質構造体を積み重ねた電池ユニットを用いているため、小型で且つ極めて高電位を発生させることが可能な全固体電池ユニットを製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法:
まず、本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法(以下、単に「固体電解質構造体の製造方法」ということがある)の一実施形態について具体的に説明する。ここで、図1は、本発明の固体電解質構造体の製造方法の一実施形態によって得られる固体電解質構造体を示す斜視図であり、図2は、図1に示す固体電解質構造体のA−A’断面を示す図である。
本実施形態の固体電解質構造体の製造方法は、図1及び図2に示すような、固体電解質緻密体2と、固体電解質多孔体3とを有し、固体電解質多孔体3が、固体電解質緻密体2の少なくとも一の表面(図1及び図2においては、板状(シート状)の固体電解質緻密体2の両方の表面)に一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体を製造する方法である。
本実施形態の固体電解質構造体の製造方法は、図3に示すように、粉末状の固体電解質をシート状に成形して第一のグリーンシート12を得る工程と、図4に示すように、粉末状の固体電解質と造孔剤とをシート状に成形して第二のグリーンシート13を得る工程と、図5に示すように、得られた前記第一のグリーンシート12の少なくとも一の表面(図5においては、第一のグリーンシート12の両方の表面)に、第二のグリーンシート12を積層してシート積層体11を得る工程と、得られた前記シート積層体11を焼成することによって、図1及び図2に示すような、前記第一のグリーンシート12(図5参照)からなる前記固体電解質緻密体2の少なくとも一の表面に、第二のグリーンシート13(図5参照)からなる固体電解質多孔体3が固着して一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体1を得る工程と、を備えた全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法である。
このように、本実施形態の固体電解質構造体の製造方法は、異なる二種類のグリーンシート(第一及び第二のグリーンシート)を用いて形成されたシート積層体を焼成することによって、固体電解質緻密体2と固体電解質多孔体3とが一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体1を製造することができる。
このような固体電解質構造体1は、実質的な固体電解質部分となる固体電解質緻密体2と、比表面の面積が大きく、活物質との接合面積を増大させることが可能な固体電解質多孔体3とが焼成一体化した積層体であり、この固体電解質多孔体3の細孔4内に活物質を充填して電極活物質を形成することにより、接続界面における接続抵抗(インピーダンス)を低減させて、良好な充放電特性を実現することができる。
本発明においては、積層一体化した状態のまま固体電解質緻密体と固体電解質多孔体を同時焼成して一体化できるため、一度の焼成で形成可能となり、工程短縮、及びコスト低減が可能となる。
例えば、本発明の製造方法とは異なり、固体電解質緻密体の焼成体の上に固体電解質多孔体を後付けする場合には、固体電解質緻密体の焼成体の上に固体電解質多孔体を印刷形成する等の方法を用いることができるが、固体電解質緻密体がある程度の剛性を有する必要がある。本発明においては、固体電解質緻密体を構成する部位に対しての剛性は要求されない。また、一方で、固体電解質多孔体(第二のグリーンシート)を積層して一体化するために、総厚として厚い状態での取り扱いとなる。そして、グリーンシートを積層してシート積層体を作製することから、得られる固体電解質多孔体表面の平坦性が確保でき、集電極とのコンタクトも良好なものとすることが可能となる。
こうしたことから、電池容量を向上されるためにも必要となる電極部分へ充填する活物質量を増量するために必要となる固体電解質多孔体を厚く、一方で、内部インピーダンスの元となる固体電解質緻密体を薄くしても工程的な難易度が上がることなく容易に実現が可能となり、その結果として固体電解質緻密体のインピーダンス低減に大きな効果を得ることができる。
[1−1]全固体電池用の固体電解質構造体の構成:
ここで、本実施形態の固体電解質構造体の製造方法によって製造される固体電解質構造体(以下、「本固体電解質構造体」ということがある)の構成について説明する。なお、上記した「固体電解質多孔体」とは、その表面から内部にかけて三次元的に連通する多数の細孔を有する多孔質から構成されたものであり、固体電解質構造体を、全固体電池として用いる際に、この細孔内に活物質を充填して電極活物質を形成することができる。一方、「固体電解質緻密体」とは、積極的に細孔を形成することなく上記したような細孔が存在しないものであり、具体的には、固体電解質を主成分とするセラミックスが比較的密に詰まって形成された部材のことである。
なお、上記した固体電解質緻密体は、粉末状の固体電解質をシート状に成形したグリーンシート(第一のグリーンシート)を焼成して得られるものであるため、緻密体といえども気孔率が0%の完全な緻密構造を有するものではなく、上記固体電解質多孔体と比較して、より緻密に構成された焼結体のことを示す。例えば、本固体電解質構造体においては、固体電解質多孔体の気孔率は20%以上(より好ましくは、30〜60%)であることが好ましく、固体電解質緻密体の気孔率は、10%未満(より好ましくは、0.1〜5.0%)であることが好ましい。
図1及び図2に示すように、この固体電解質緻密体2と固体電解質多孔体3とは焼成一体化した積層体であるため、実質的な固体電解質部分となる固体電解質緻密体2と、活物質を充填して電極活物質が形成される固体電解質多孔体3との接続状態(ネッキング)も良好となり、単に電極と電解質層とを積層して圧接触させた従来の全固体電池と比較して、固体電解質緻密体2と固体電解質多孔体3の間の接続抵抗(インピーダンス)も低く抑えることが可能となる。
更に、固体電解質多孔体3の細孔4内に活物質を充填する場合には、活物質と電解質との接続界面が三次元的にランダムに存在する。そのため、充放電動作に伴う活物質の膨張収縮により生じる応力の発生方向も、三次元的にランダムに生じるため、充放電過程の活物質の膨張収縮によって生じる応力を効果的に分散し緩和することができる。
[1−1a]固体電解質緻密体:
本固体電解質構造体1の固体電解質緻密体2は、粉末状の固体電解質をシート状に成形した第一のグリーンシートを焼成して形成されたものである。この固体電解質緻密体2は、全固体電池において、正極と負極を隔てるように配置され、実質的な固体電解質部分となるものである。
[1−1b]固体電解質多孔体:
本固体電解質構造体1の固体電解質多孔体3は、上記した第一のグリーンシートの固体電解質と同一又は異なる粉末状の固体電解質と造孔剤とをシート状に成形した第二のグリーンシートを焼成して、固体電解質緻密体2の少なくとも一の表面に一体形成されたものである。この固体電解質多孔体3は、その表面から内部にかけて三次元的に連通する多数の細孔4を有し、全固体電池として用いる際に、この細孔4内に活物質を充填することにより電極活物質を形成することができる。
この固体電解質多孔体は、固体電解質緻密体の少なくとも一の表面に一体形成されていればよいが、図1及び図2に示すように、板状(シート状)の固体電解質緻密体2の両方の表面にそれぞれ一体形成されたものであることが好ましい。このように構成することによって、全固体電池の正極(即ち、正極活物質)と負極(即ち、負極活物質)の両方を、それぞれの固体電解質多孔体3の細孔4内に形成することができる。なお、図示は省略するが、固体電解質緻密体の一の表面のみに固体電解質多孔体が形成されている場合には、正極活物質又は負極活物質のいずれか一方の電極活物質を固体電解質多孔体の細孔内に形成し、他方の電極(電極活物質)を、固体電解質緻密体の固体電解質多孔体が形成された側とは反対側の表面に配設して全固体電池を製造してもよい。
[1−2]固体電解質構造体の製造方法:
以下、本実施形態の固体電解質構造体の製造方法の各工程についてより具体的に説明する。
[1−2a]第一のグリーンシートの成形工程:
本実施形態の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法においては、まず、図3に示すように、粉末状の固体電解質をシート状に成形して第一のグリーンシート12を得る。この第一のグリーンシート12は、図1に示す固体電解質構造体1における固体電解質緻密体2となるグリーンシートである。
第一のグリーンシートを成形するための固体電解質の種類については特に制限はなく、従来公知の固体電解質を粉末状にしたものを用いることができる。本実施形態の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法においては、例えば、可動イオンとしてのリチウムを含むものを好適に用いることができる。具体的な固体電解質としては、LiPOをはじめ、LiPOに窒素を混ぜたLiPON、LiS−SiS、LiS−P、LiS−B等のリチウムイオン伝導性ガラス状固体電解質や、これらのガラスにLiIなどのハロゲン化リチウム、LiPOなどのリチウム酸素酸塩をドープしたリチウムイオン伝導性固体電解質などを挙げることができる。なかでも、リチウムとチタンと酸素を含むチタン酸化物型の固体電解質、例えば、LiLaTiO(但し、xは0<x<1、yは0<y<1)及びナシコン型のリン酸化合物からなる固体電解質、例えば、Li1+xAlTi2−x(PO(但し、xは0<x<1)などは酸素雰囲気下での焼成においても安定な性能を示すため好ましい。
固体電解質のより好適な具体例としては、Li0.35La0.55TiOを挙げることができる。
第一のグリーンシートを成形する際には、上記した粉末状の固体電解質の他に、バインダ、分散剤、可塑剤等を必要に応じて加えることができる。
第一のグリーンシートの成形工程は、従来公知のセラミックスグリーンシートの製造方法を用いることができる。例えば、この粉末状の固体電解質と、必要に応じて、バインダ、可塑剤等とを含む材料粉末に、溶剤を加えてスラリーを調製する。
本実施形態の固体電解質構造体の製造方法においては、第一のグリーンシートの成形に用いる固体電解質として、平均粒子径が5μm以下の粒子(粉末状の固体電解質)を用いることが好ましい。このように構成することによって、グリーンシートの成形を良好に行うことができるとともに、固体電解質の粒子が適切に詰まって形成された固体電解質緻密体を形成することができる。
次に、粉末状の固体電解質を用いて調製したスラリーを脱泡処理した後、ドクターブレード法、リバースロールコーター法等の従来公知のシート成形方法を用いて、スラリーをシート状に成形する。
第一のグリーンシートの厚さについては、特に制限はないが、この第一のグリーンシートは固体電解質構造体における固体電解質緻密体、即ち、正極と負極を隔てるように配置される実質的な固体電解質部分となることから、全固体電池は、この第一のグリーンシートの厚さに応じた内部インピーダンスを持つこととなる。このため、全固体電池の内部インピーダンスを低減させるためには、第一のグリーンシートの厚さを極力薄くすることが好ましい。具体的には、第一のグリーンシートの厚さを100μm以下とすることが好ましく、50μm以下とすることが更に好ましい。
なお、第一のグリーンシートの厚さの下限については、ハンドリングが可能である限り特に制限はなく、特に薄くする場合にはテープ塗工時に用いるルミラーごとハンドリングすることが可能であるため、実質的には、数μm、例えば5μmや1μmの厚さであってもよい。
なお、第一のグリーンシートの成形に用いる材料粉末に含有されるバインダ、分散剤、可塑剤等については、従来のセラミックスグリーンシートを製造する際に用いられるバインダ、分散剤、可塑剤等を好適に用いることができる。
例えば、バインダとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機バインダを使用することができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
例えば、可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソノニル等を使用することができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
スラリーを調製するための溶剤としては、例えば、トルエンやキシレン、ブタジエン等の有機溶剤を用いることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[1−2b]第二のグリーンシートの成形工程:
次に、図4に示すように、粉末状の固体電解質と造孔剤とをシート状に成形して第二のグリーンシート13を得る。この第二のグリーンシート13は、図1に示す固体電解質構造体1における固体電解質多孔体3となるグリーンシートである。
第二のグリーンシートを成形するための固体電解質の種類については特に制限はなく、従来公知の固体電解質を用いることができる。例えば、固体電解質としては、上記第一のグリーンシートに用いられる固体電解質として挙げた物質を用いることができる。また、この固体電解質は、第一のグリーンシートに用いられる固体電解質と同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。なお、製造される固体電解質構造体において、固体電解質緻密体との接続抵抗をより低減させることが可能であることから、固体電解質緻密体となる第一のグリーンシートに用いられる固体電解質と同一の固体電解質を用いることが好ましい。
第二のグリーンシートは、図1に示す固体電解質構造体1における固体電解質多孔体3となるグリーンシートである。このため、本実施形態の固体電解質構造体の製造方法においては、図4に示すように、粉末状の固体電解質とともに、造孔剤17を用いて第二のグリーンシートの成形を行う。
なお、固体電解質と造孔剤との配合割合については特に制限はないが、例えば、造孔材が、固体電解質に対して、体積比率で1倍以上含有されたものを用いることが好ましく、体積比率で2倍以上含有されたものを用いることが更に好ましい。このように構成することによって、固体電解質構造体における固体電解質多孔体の気孔率を高くすることができ、活物質を充填するための細孔を多く確保することが可能となる。
なお、第二のグリーンシートを成形する際には、第一のグリーンシートと同様に、上記粉末状の固体電解質と造孔剤とに、必要に応じて、バインダ、分散剤、可塑剤等を含有させることができる。シートの成形工程は、従来公知のセラミックスグリーンシートの製造方法を用いることができ、例えば、上記した第一のグリーンシートの成形工程にて説明した方法と同様の方法を用いることができる。
第二のグリーンシートの厚さについては、特に制限はないが、この第二のグリーンシートは固体電解質構造体における固体電解質多孔体となり、全固体電池においては、この固体電解質多孔体の細孔内に活物質を充填して電極活物質が形成される。電池の容量は、この電極活物質の量に応じて決まるため、全固体電池の小型化を実現しつつ、細孔内に充填する活物質の量をより多く確保することができるような厚さであることが好ましい。具体的な第二のグリーンシートの厚さとしては、10μm以上であることが好ましく、100μm以上であることが更に好ましい。
なお、第二のグリーンシートの厚さを厚くすることにより、電池の容量を増大することが可能であるため、第二のグリーンシートの厚さの上限については特に制限はない。但し、本実施形態の製造方法においては、グリーンシートを用いて固体電解質構造体を製造することによって、電極との接続界面における接続抵抗を低くし、且つ従来では製造困難であった薄型の固体電解質構造体の製造を可能とするものであるため、第二のグリーンシートの厚さは、100〜500μmであることが特に好ましい。
造孔剤としては、グリーンシートを積層したシート積層体を焼成する際の焼成温度よりも低温域で分解可能なものを選択する。この焼成によって造孔剤が消失して、固体電解質多孔体の細孔が形成される。具体的な造孔剤としては、例えば、テオブロミン、グラファイト、小麦粉、澱粉、フェノール樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、又は発泡樹脂(アクリロニトリル系プラスチックバルーン等)等を挙げることができる。これら造孔剤は、細孔を形成する代わりに、自身は焼成時に焼失する。
本実施形態の固体電解質構造体の製造方法においては、第二のグリーンシートの成形に用いる固体電解質として、平均粒子径が5μm以下の粒子(粉末状の固体電解質)を用いることが好ましい。
また、本実施形態の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法においては、第二のグリーンシートの成形に用いる固体電解質として、第一のグリーンシートの成形に用いる固体電解質よりも平均粒子径が大きな粒子を用いることが好ましい。言い換えれば、第一のグリーンシートの成形に用いる固体電解質としては、第二のグリーンシートの成形に用いる固体電解質よりも平均粒子径が小さな粒子を用いることが好ましい。
例えば、本実施形態の製造方法によって製造される固体電解質構造体としては、固体電解質緻密体はより緻密なもの(即ち、気孔率が低いもの)であることが好ましく、一方、固体電解質多孔体は、機械的強度を担保することができるのであれば、より気孔率が高いものであることが好ましい。上記したように、第二のグリーンシートが造孔剤を用いて成形されたものであったとしても、第一及び第二のグリーンシートは同じ材料系(固体電解質)を用いて成形されたものであるため、第一のグリーンシートからなる固体電解質緻密体の緻密度を上げる(即ち、気孔率を下げる)ためには、例えば、焼成時の焼成温度を上げることによって、焼結を進行させる方法が有効であるが、一方で、第二のグリーンシートからなる固体電解質多孔体の焼結も進行し、気孔率が低下してしまう。
上記したように、第二のグリーンシートの成形に用いる固体電解質として、第一のグリーンシートの成形に用いる固体電解質よりも平均粒子径が大きな粒子を用いることによって、第一及び第二のグリーンシートの焼結温度に差異を持たせることが可能となり、固体電解質構造体における固体電解質緻密体をより緻密なものとすることができるとともに、固体電解質多孔体の気孔率の低下を有効に防止することが可能となる。
なお、第二のグリーンシートによって形成される固体電解質多孔体の気孔率は、20%以上であることが好ましく、30〜60%であることが更に好ましい。一方、第一のグリーンシートによって形成される固体電解質緻密層の気孔率は、10%未満であることが好ましく、0.1〜5.0%であることが更に好ましい。なお、気孔率は、水銀圧入法により測定した値である。
[1−2c]グリーンシート積層工程(シート積層体形成工程):
次に、図5に示すように、得られた第一のグリーンシート12の少なくとも一の表面(図5においては、第一のグリーンシート12の両方の表面)に、第二のグリーンシート13を積層してシート積層体11を得る。
第一のグリーンシートの表面に第二のグリーンシートを積層する際には、第一及び第二のグリーンシートの少なくとも一の表面に、重ね合わせたグリーンシートを接着するための接着層を形成する。この接着層は、第一又は第二のグリーンシートの固体電解質と同様の固体電解質に、バインダ及び溶剤を加えて混練して調製された接着ペーストによって形成することができる。
接着層を形成する際には、上記接着ペーストを、第一及び第二のグリーンシートの少なくとも一の表面に、例えば、スクリーン印刷にて印刷した後、印刷した接着ペーストに含まれる溶剤を揮発させることによって形成することができる。接着ペーストの溶剤を揮発させる際には、例えば、接着ペーストと印刷したグリーンシートをオーブンに入れて乾燥する方法を挙げることができる。
なお、この接着層は、重ね合わせる際に対面するグリーンシートの双方の面に形成しなくともよく、対面するグリーンシートの一方の面に形成すればよい。もちろん、対面するグリーンシートの双方の面に形成してもよい。
このようにして接着層を形成した後に、第一のグリーンシートの表面(接着層を形成した面)に第二のグリーンシートを積層する。このようにグリーンシートを積層する際には、グリーンシートの位置合わせを行うために、例えば、ガイドピンを立ててグリーンシートに予め開けられたガイド孔を通し順次重ねるか、又は、グリーンシートにマーカー(目印)を付けて、マーカーが整列するように順次重ねるか、又は、グリーンシートの外形と概ね同一の内形を有する枠内にグリーンシートを順次重ねることによって、積層の精度向上を図ることができる。
なお、図1及び図2に示すような、固体電解質緻密体2の両方の表面に固体電解質多孔体3が形成された固体電解質構造体1を製造する際には、第一のグリーンシートの両側の表面に対して、それぞれ第二のグリーンシートを積層する。このようにしてシート積層体を得ることができる。
なお、このようなシート積層体は、接着層中に残留するバインダが軟化する温度域に加熱した状態で積層圧着すると良好な接着状態を得ることができる。但し、一方で常温下においてはグリーンシートのハンドリング性の問題から、グリーンシートを重ねても接着が行われないものであることが好ましい。例えば、60℃〜100℃程度の範囲で軟化するバインダ種を選択することが好ましい。こうして60℃〜100℃に加熱した後に、積層面に荷重を掛けて加圧することが好ましい。これにより、接着層による接着をより強固なものとし、固体電解質緻密体と固体電解質多孔体とが一体的形成された固体電解質構造体を良好に得ることができる。
[1−2d]焼成工程(固体電解質構造体形成工程):
次に、このようにして得られたシート積層体を焼成することによって、図1及び図2に示すような、第一のグリーンシートからなる固体電解質緻密体2の少なくとも一の表面に、第二のグリーンシートからなる固体電解質多孔体3が固着して一体形成されてなる焼成体(全固体電池用の固体電解質構造体1)を得る。このように、本実施形態の製造方法においては、積層一体化した状態のまま固体電解質緻密体と固体電解質多孔体を同時焼成して一体化できるため、一度の焼成で形成可能となり、工程短縮、及びコスト低減が可能となる。
なお、この焼成工程においては、第一のグリーンシートからなる固体電解質緻密体単体にて焼結に十分とされる焼成温度よりも低い温度範囲で焼成を行うことが好ましい。この場合の焼結に十分とされる温度とは、焼成収縮がサチレートし始める温度のことを指し、それよりも低い温度域とは具体的には、焼結に十分とされる温度から下のおよそ100℃の範囲内のことを指す。この際、第一のグリーンシートからなる固体電解質緻密体の焼結度と、第二のグリーンシートからなる固体電解質多孔体の焼結度のバランスにより焼成温度を決定することにより、固体電解質緻密体としてより緻密度が高く(気孔率が低く)、固体電解質多孔体として十分な気孔率を有する固体電解質構造体を製造することができる。
更に、この焼成工程では、焼成して得られた焼成体(固体電解質構造体)に反りやうねり等がある場合には、この固体電解質構造体の上から重し等を載せ、固体電解質構造体の厚さ方向に加圧した状態で、先の焼成温度付近まで再度昇温して再焼成することにより、上記反りやうねりを矯正することができる。
以上のようにして、図1及び図2に示すような、第一のグリーンシートからなる固体電解質緻密体2と、第二のグリーンシートからなる固体電解質多孔体3とを有し、この固体電解質多孔体3が固体電解質緻密体2の少なくとも一の表面(図1においては、両方の表面)に一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体1を製造することができる。
[2]全固体電池の製造方法:
次に、本発明の全固体電池の製造方法の一実施形態について具体的に説明する。ここで、図6は、本発明の全固体電池の製造方法の一実施形態によって得られる全固体電池の構成を示す模式図である。この全固体電池10は、図1に示すような本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって得られた固体電解質構造体1と、この固体電解質構造体1の固体電解質多孔体3の細孔4内に充填された活物質からなる電極活物質11と、を備えた全固体電池10である。
本実施形態の全固体電池の製造方法は、これまでに説明した、本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって全固体電池用の固体電解質構造体を得、得られた前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質を形成する工程を備えた全固体電池の製造方法である。このように構成することによって、電極との接続界面における接続抵抗の低い全固体電池を簡便且つ安価に製造することができる。なお、活物質前駆体とは、焼成することによって活物質となるものである。
[2−1]全固体電池の構成:
ここで、本発明の全固体電池の製造方法の一実施形態によって製造される全固体電池(以下、「本全固体電池」ということがある)の構成について説明する。図6に示す本全固体電池10は、固体電解質構造体1の固体電解質緻密体2の両方の表面にそれぞれ固体電解質多孔体3(3a,3b)が形成されており、一方の固体電解質多孔体3aの細孔4内に充填された活物質によって正極活物質11aが形成され、他方の固体電解質多孔体3bの細孔4内に充填された活物質によって負極活物質11bが形成されている。なお、正極活物質11aには、正極集電極14が電気的に接続されている。また、負極活物質11bには、負極集電極15が電気的に接続されている。
この本全固体電池10は、図1に示すような固体電解質構造体1の固体電解質緻密体2が全固体電池10における実質的な固体電解質部分となり、この固体電解質緻密体2を挟むようにして、固体電解質多孔体3の比表面の面積の大きな細孔4内に充填された活物質からなる正極活物質11a及び負極活物質11bが配置されているため、接続界面における接続抵抗(インピーダンス)を低減させて、良好な充放電特性を実現することができる。
更に、固体電解質構造体1を構成する固体電解質緻密体2と固体電解質多孔体3とは焼成一体化したものであるため、実質的な固体電解質部分となる固体電解質緻密体2と、活物質を充填して電極活物質が形成される固体電解質多孔体3との接続状態(ネッキング)も良好となり、単に電極と電解質層とを積層して圧接触させた従来の全固体電池と比較して、固体電解質緻密体2と固体電解質多孔体3の間の接続抵抗(インピーダンス)も低く抑えることが可能となる。
なお、図6に示す全固体電池10においては、板状(シート状)の固体電解質緻密体2の両方の表面にそれぞれ固体電解質多孔体3(3a,3b)が形成されているが、例えば、固体電解質緻密体の一方の表面のみに固体電解質多孔体が形成されており、この固体電解質多孔体の細孔内に充填された活物質によって正極活物質又は負極活物質のいずれか一方の電極活物質(例えば、正極活物質)が形成され、固体電解質緻密体の固体電解質多孔体が形成された側とは反対側の表面には、別途形成された他方の電極(例えば、負極(負極活物質))が配設されたものであってもよい。このように、固体電解質緻密体の一方の表面のみに固体電解質多孔体が形成された固体電解質構造体を備えた全固体電池であってもよい。
[2−1a]固体電解質構造体:
図6に示すように、本全固体電池10に用いられる固体電解質構造体1は、これまでに説明した本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって製造された固体電解質構造体1(図1参照)である。なお、固体電解質構造体1の固体電解質緻密体2及び固体電解質多孔体3を構成する固体電解質の種類については、正極活物質11a及び負極活物質11bを構成する活物質の種類に応じて適宜選択することができる。
なお、本全固体電池10においては、固体電解質構造体1を構成する固体電解質が、電極活物質11を構成する活物質よりも焼結温度が高いものであることが好ましい。このように構成することによって、個々の焼成時における双方の材料間の反応性が抑制される。
[2−1b]電極活物質:
図6に示すように、本全固体電池10の電極活物質11は、正極活物質11a及び負極活物質11bのうちの少なくとも一方(図6においては、正極活物質11a及び負極活物質11bの両方)が、固体電解質構造体1の固体電解質多孔体3の細孔4内に充填された活物質によって形成されている。このような電極活物質11は、固体電解質多孔体3の細孔4内に活物質、及び活物質前駆体からなる群から選択される少なくとも一種を充填して形成することができる。
また、固体電解質構造体の固体電解質緻密体の一方の表面のみに固体電解質多孔体が形成されている場合には、一方の電極活物質は、固体電解質多孔体の細孔内に充填された活物質によって形成されたものであり、他方の電極(電極活物質)は、活物質を含む電極材料を所定厚みの薄膜状又はシート状に成形して形成されたものが用いられる。このような他方の電極活物質は、例えば、プレス法、ドクターブレード法、ロールコーター法等の従来公知の方法で製造した電極活物質を、例えば、スパッタリング法、抵抗により蒸着源を加熱して蒸着させる抵抗加熱蒸着法、イオンビームにより蒸着源を加熱して蒸着させるイオンビーム蒸着法、電子ビームにより蒸着源を加熱して蒸着させる電子ビーム蒸着法等の方法によって、固体電解質緻密体の固体電解質多孔体が形成された側とは反対側の表面に配設することができる。
図6に示すような正極活物質11aは、正極用の活物質(正極活物質)によって形成されたものである。正極活物質の種類については特に制限はなく、従来公知の全固体電池に用いられる正極活物質を用いることができる。特に、正極活物質として金属酸化物が用いられる場合には、二次電池の焼結を酸素雰囲気下で行うことが可能となる。こうした正極活物質の具体例としては、二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn又はLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えば、LiNi1−yCo)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えば、LiMnCo1−y)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えば、LiMn2−yNi)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(例えば、LiFePO、LiFe1−yMnPO、LiCoPO)、ナシコン構造を有するリチウムリン酸化合物(例えば、Li(PO)、硫酸鉄(Fe(SO)、バナジウム酸化物(例えば、V)などを挙げることができる。これらは一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用して用いてもよい。なお、これらの化学式中、x,yは0〜1の範囲であることが好ましい。
なお、正極活物質には、正極活物質のほか適宜導電助材を含めることができる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、種々炭素繊維、カーボンナノチューブ等を挙げることができる。
正極活物質のより好適な具体例としては、LiCoO、LiMn、LiMnO等を挙げることができる。
負極活物質11bは、負極用の活物質(負極活物質)によって形成されたものである。負極活物質の種類については特に制限はなく、従来公知の全固体電池に用いられる負極活物質を用いることができる。例えば、カーボン、金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物を含む)、ホウ素添加炭素、グラファイト、ナシコン構造を有する化合物などを挙げることができる。これらは一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用して用いてもよい。
上記カーボンとしては、例えば、グラファイトカーボン、ハードカーボン、ソフトカーボンなど、従来公知のカーボン材料を挙げることができる。上記金属化合物としては、LiAl、LiZn、LiBi、LiCd、LiSd、LiSi、Li4.4Pb、Li4.4Sn、Li0.17C(LiC)等を挙げることができる。上記金属酸化物としては、SnO、SnO、GeO、GeO、InO、In、PbO、PbO、Pb、Pb、AgO、AgO、Ag、Sb、Sb、Sb、SiO、ZnO、CoO、NiO、TiO、FeO等を挙げることができる。Li金属化合物としては、LiFeN、Li2.6Co0.4N、Li2.6Cu0.4N等を挙げることができる。Li金属酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)としては、LiTi12で表されるリチウム−チタン複合酸化物等を挙げることができる。上記ホウ素添加炭素としては、ホウ素添加カーボン、ホウ素添加グラファイト等を挙げることができる。
負極活物質には、負極活物質のほか適宜導電助材を含めることができる。導電助剤は、上記した正極活物質にて説明した導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。上記ナシコン構造を有する化合物としては、リチウムリン酸化合物(Li(POなど)を挙げることができる。
負極活物質のより好適な具体例としては、LiTi12、TiO等を挙げることができる。
また、本実施形態の全固体電池10に用いられる正極集電極14及び負極集電極15を構成する材料としては、例えば、白金(Pt)、白金(Pt)/パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ITO(インジウム−錫酸化膜)等を挙げることができる。
[2−2]全固体電池の製造方法:
以下、本実施形態の全固体電池の製造方法の各工程についてより具体的に説明する。
[2−2a]全固体電池用の固体電解質構造体の形成工程:
まず、本実施形態の全固体電池の製造方法において、これまでに説明した本発明の固体電解質構造体の製造方法に従って、図1及び図2に示すような、固体電解質を主成分とする固体電解質緻密体2と、固体電解質を主成分とする固体電解質多孔体3とを有し、固体電解質多孔体3が固体電解質緻密体2の少なくとも一の表面(図1及び図2においては、固体電解質緻密体2の両方の表面)に一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体1を得る。
固体電解質緻密体となる第一のグリーンシート、及び固体電解質多孔体となる第二のグリーンシートに含有される固体電解質については、電極活物質を構成する活物質の種類において適宜選択することができる。
[2−2b]電極活物質の形成工程:
次に、このようにして得られた全固体電池用の固体電解質構造体における固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質を形成する。
即ち、この電極活物質の形成工程においては、固体電解質構造体における固体電解質多孔体の細孔内に、電極活物質となる活物質、及び焼成することによって活物質となる活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、必要に応じて前記活物質前駆体を焼成して、固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質を形成する。
このように構成することによって、固体電解質多孔体の細孔内に満遍なく活物質を充填することが可能となり、単位面積あたりの活物質と固体電解質との接続界面の面積を飛躍的に増大させることができる。これにより、接続界面における反応抵抗を飛躍的に低減させることができる。
活物質としては、上記した正極活物質を形成するための正極用の活物質(正極活物質)や、負極活物質を形成するための活物質(負極活物質)を微粉化したものを用いることができる。また、上記した活物質を微粒子状にしたものを、有機系溶剤、水系溶剤、純水等を用いて分散溶液化(ゾル化)し、この分散溶液を細孔内に充填してもよい。また、微粉化した活物質を含むゲル状の半固体物を用いてもよい。
活物質前駆体としては、焼成することによって上記した正極活物質や負極活物質となるものを用いることができる。活物質前駆体の形態についても、上記活物質と同様に、微粒子状、ゾル状、又はゲル状のいずれかの形状のものを好適に用いることができる。
上記活物質、及び活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を固体電解質多孔体の細孔内に充填する方法としては、例えば、真空中において、活物質や活物質前駆体を含む上記した分散溶液を、固体電解質多孔体の表面に滴下して含浸させる方法や、また、例えば、大気中での取扱いが可能である場合や、溶液の揮発性が低い場合においては、大気中や不活性雰囲気中で、上記分散溶液やゾル状の活物質前駆体を、固体電解質多孔体の表面に滴下した後、真空引きすることによって含浸させることもできる。
また、活物質、及び活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填する際には、活物質の電子伝導性を補助するために、アセチレンブラック等の補助剤(導電補助剤)を同時に又は個別に細孔内に充填してもよい。
なお、上記したように、活物質、及び活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填した後には、乾燥や焼成により活物質を固定化することが好ましい。なお、例えば、ゾル状の活物質前駆体やゲル状の活物質前駆体を用いた場合には、所定の温度にて焼成して、活物質前駆体から活物質を生成する。
また、一回の操作で活物質や活物質前駆体が十分に充填されない場合には、複数回充填を繰り返して、固体電解質多孔体3の細孔4内に活物質や活物質前駆体が行き渡るようにする。
なお、活物質と活物質前駆体とは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。また、二種以上を組み合わせて用いる場合には、同一の形態ものであってもよし、微粒子状、ゾル状、又はゲル状のいずれか異なる形態のものであってもよい。例えば、本実施形態の全固体電池の製造方法においては、固体電解質構造体における固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、及び微粒子状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填した後、ゾル状の活物質、及びゾル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を更に細孔内に充填して、固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質を形成することが好ましい。このように構成することによって、固体電解質多孔体の細孔により隙間なく活物質を充填することができ、得られる全固体電池の容量を増大させることができる。
なお、図6に示すように、固体電解質構造体1の固体電解質緻密体2の両方の表面に固体電解質多孔体3が形成されている場合には、正極用と負極用の二種類の活物質や活物質前駆体を用いて、それぞれの固体電解質多孔体3の細孔4内に活物質や活物質前駆体を充填して、それぞれ電極活物質を形成する。
一方、図示は省略するが、固体電解質構造体の固体電解質緻密体の一方の表面のみに固体電解質多孔体が形成されている場合には、上述した方法を用いて固体電解質多孔体の細孔内に活物質、及び活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、一方の電極活物質を形成する。そして、他方の電極(電極活物質)は、例えば、プレス法、ドクターブレード法、ロールコーター法等の従来公知の方法で製造した電極活物質を、例えば、活物質前駆体、若しくは固体電解質と同じ原料からなる接着ペーストを塗布し積層、接着する方法、スパッタリング法、抵抗により蒸着源を加熱して蒸着させる抵抗加熱蒸着法、イオンビームにより蒸着源を加熱して蒸着させるイオンビーム蒸着法、電子ビームにより蒸着源を加熱して蒸着させる電子ビーム蒸着法等の方法によって、固体電解質緻密体の固体電解質多孔体が形成された側とは反対側の表面に配設することによって形成する。
[2−2c]切断工程:
このようにして、固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質が形成された固体電解質構造体を、所望の形状に切断して全固体電池を形成する。本実施形態の製造方法においては、固体電解質構造体を、粉末状の固体電解質をシート状に成形した第一のグリーンシートと、粉末状の固体電解質と造孔剤とをシート状に成形した第二のグリーンシートとを用いて形成するため、上記の各工程に用いられる固体電解質構造体は、シート状の比較的表面積の大きなもの、即ち、最終製品としての全固体電池よりも大きなものとして製造されていることがある。このため、例えば、ダイシングソーやワイヤーソー等の工作機械や、YAGレーザー,COレーザー等のレーザー加工機により所望するサイズに切断して全固体電池を得ることができる。なお、このように表面積の大きな固体電解質構造体を用いて上記工程を行うことによって、一つの固体電解質構造体から複数個の全固体電池を同時に製造することもでき、生産性にも優れている。
また得られた全固体電池においては、各電極活物質(正極活物質及び負極活物質)に、図6に示すような、正極集電極14及び負極集電極15を配設してもよい。正極集電極14及び負極集電極15を構成する材料としては、例えば、白金(Pt)、白金(Pt)/パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ITO(インジウム−錫酸化膜)等を挙げることができる。
また、得られた全固体電池の側壁外周を、樹脂やガラス材料によりモールディングすることによって被覆処理して、全固体電池の製品形状としてもよい。
[3]全固体電池ユニットの製造方法:
次に、本発明の全固体電池ユニットの製造方法の一実施形態について具体的に説明する。本実施形態の全固体電池ユニットの製造方法は、これまでに説明した、本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって、固体電解質緻密体の両方の表面に固体電解質多孔体が形成された全固体電池用の固体電解質構造体を複数個形成し、得られた全固体電池用の固体電解質構造体における固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、固体電解質多孔体の細孔内に活物質からなる電極活物質が形成された活物質充填固体電解質構造体を得る工程と、得られた活物質充填固体電解質構造体の複数個を、集電体を介して、電気的に直列となるように積み重ねる工程とを備えた全固体電池ユニットの製造方法である。
本実施形態の全固体電池ユニットの製造方法によって製造される全固体電池ユニットは、図7に示すように、固体電解質構造体1の固体電解質多孔体3の細孔4内に活物質からなる電極活物質22が形成された活物質充填固体電解質構造体32の複数個を、集電極33を介して電気的に直列となるように積み重ねられた全固体電池ユニット31であり、1つの固体電解質構造体1からなる活物質充填固体電解質構造体32が電池の単セルとなり、この単セルを複数積層することによって構成された電池ユニットである。ここで、図7は、本発明の全固体電池ユニットの製造方法の一実施形態によって得られる全固体電池ユニットの構成を示す模式図である。
このような全固体電池ユニットは、単セルの全固体電池では実現困難な高電位を発生させることが可能となり、集電体を介して積層する活物質充填固体電解質構造体の数によって、必要とする電位(高電位)を確保することができる。特に、上記した本発明の固体電解質構造体の製造方法においては、グリーンシートを用いて固体電解質緻密体と固体電解質多孔体とを形成することから、単セルとなる活物質充填固体電解質構造体の薄型化が可能であり、全固体電池ユニット全体の厚さを薄くすることが可能となる。
なお、図7においては、3個の活物質充填固体電解質構造体32を、集電極33を介して電気的に直列となるように積み重ねられた全固体電池ユニット31を示しているが、活物質充填固体電解質構造体32の数については特に制限はない。
本実施形態の全固体電池ユニットの製造方法において、活物質充填固体電解質構造体を形成する際には、まず、これまでに説明した、本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって、固体電解質緻密体の両方の表面に固体電解質多孔体が形成された固体電解質構造体を複数個形成する。なお、固体電解質構造体の固体電解質緻密体及び固体電解質多孔体をシート状に成形するために用いる固体電解質の種類については、電極活物質を構成する活物質の種類に応じて適宜選択することができる。
次に、得られた固体電解質構造体における固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、固体電解質多孔体の細孔内に活物質からなる電極活物質が形成された活物質充填固体電解質構造体を得る。上記した活物質や活物質前駆体を充填する方法については、上記した本発明の全固体電池の製造方法と同様の方法によって実現することができる。即ち、本実施形態の全固体電池ユニットの製造方法においては、上記した全固体電池を構成する活物質や活物質前駆体が充填された固体電解質構造体を、電池ユニットの単セル(即ち、活物質充填固体電解質構造体)として用いることができる。
次に、このようにして得られた活物質充填固体電解質構造体の複数個を、集電体を介して、電気的に直列となるように積み重ねて全固体電池ユニットを製造する。この集電体は、例えば、一の活物質充填固体電解質構造体の正極活物質と、この一の活物質充填固体電解質構造体に隣接するように配置される他の活物質充填固体電解質構造体の負極活物質とを電気的接続するための電気伝導性を有する板状の部材である。これにより、薄型の複数の活物質充填固体電解質構造体が、板状の集電体をそれぞれの間に挟みこむことによって、電気的に直列に接続される。
集電体を構成する材料としては、例えば、白金(Pt)、白金(Pt)/パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ITO(インジウム−錫酸化膜)等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にした材料粉末を用いて第一のグリーンシートを成形し、また、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にしたものとテオブロミン(造孔剤)とを混合した材料粉末を用いて第二のグリーンシートを成形した。なお、第二のグリーンシートは、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)とテオブロミン(造孔剤)とを体積比が1:1となるように配合した材料粉末を用いた。
次に、第二のグリーンシートの片面に、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を用いて形成した接着層をスクリーン印刷法により形成した。
次に、第二のグリーンシートの接着層を形成した面が、第一のグリーンシートに接合する側となるように、第二のグリーンシート、第一のグリーンシート、第二のグリーンシートの順番に積み重ねた後、約80℃に加熱後、面圧40kgf/cmにて加圧積層して、シート積層体を得た。
次に、得られたシート積層体を、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)の焼結に十分な温度としている1160℃にて焼成を行って、全固体電池用の固体電解質構造体(実施例1)を製造した。
(実施例2)
実施例1と同様の工程により得られたシート積層体を、1130℃にて焼成を行って、全固体電池用の固体電解質構造体(実施例2)を製造した。
(実施例3)
実施例1と同様の工程により得られたシート積層体を、1090℃にて焼成を行って、全固体電池用の固体電解質構造体(実施例3)を製造した。
(実施例4)
Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にした材料粉末を用いて第一のグリーンシートを成形し、また、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にしたものとテオブロミン(造孔剤)とを混合した材料粉末を用いて第二のグリーンシートを成形した。なお、第二のグリーンシートは、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)とテオブロミン(造孔剤)とを体積比が1:2となるように配合した材料粉末を用いた。
得られた第一のグリーンシートと第二のグリーンシートとを用いて、実施例1と同様の工程によりシート積層体を得、得られたシート積層体を、1130℃にて焼成を行って、全固体電池用の固体電解質構造体(実施例4)を製造した。
(実施例5)
Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にした材料粉末を用いて第一のグリーンシートを成形し、また、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にしたものとテオブロミン(造孔剤)とを混合した材料粉末を用いて第二のグリーンシートを成形した。なお、第二のグリーンシートは、Li0.35La0.55TiO(固体電解質)とテオブロミン(造孔剤)とを体積比が1:3となるように配合した材料粉末を用いた。
得られた第一のグリーンシートと第二のグリーンシートとを用いて、実施例1と同様の工程によりシート積層体を得、得られたシート積層体を、1130℃にて焼成を行って、全固体電池用の固体電解質構造体(実施例5)を製造した。
ここで、図8〜図14は、実施例1〜5における固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真であり、図8は実施例1、図9は実施例2、図10は実施例3、図11及び図12は実施例4、図13及び図14は実施例5のSEM写真である。
(比較例1)
Li0.35La0.55TiO(固体電解質)を粉末状にした材料粉末を金型プレスで成形することにより、焼成後の寸法が直径約φ13mm、厚み1mmtの第1の成形体を得た。得られた第1の成形体を大気雰囲気中、1150℃で焼成することにより、固体電解質緻密体を作製した。
次に、第1の成形体に用いた固体電解質と同一材料組成の固体電解質の粉末を用いて、スクリーン印刷用ペーストを調製した。本比較例においては、上記固体電解質の粉末に、バインダー成分としてエスレックB(商品名:積水化学工業社製)、有機溶剤としてCS−12(商品名:チッソ社製)、造孔剤としてテオブロミンを加えてスクリーン印刷用ペーストを調製した。得られたスクリーン印刷用ペーストを、固体電解質緻密体の表面にスクリーン印刷法によって塗工することにより、焼成後の寸法が直径約φ12mm、厚み10μmtの第2の成形体を得た。
次に、得られた第2の成形体を、第1の成形体の焼成温度よりも低い温度で、固体電解質緻密体とともに追焼成して、固体電解質緻密体の少なくとも一方の表面に焼成一体化した固体電解質多孔層を形成して、固体電解質構造体を作製した。追焼成の条件は、大気雰囲気中、1100℃とした。ここで、図15は、比較例1における固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。
(考察)
図8〜図14に示すように、実施例1〜3の固体電解質構造体を比較した場合、固体電解質緻密体においては、実施例3ではあまり焼結が進んでいないが、実施例1及び2では十分な焼結状態であるといえる。一方、固体電解質多孔体においては、実施例1及び2で十分なネッキングが確保された状態が得られているが、実施例1では更に焼結が進み固体電解質多孔体の開口(気孔率)が低下しつつある状況にある。
このようなことから、固体電解質緻密体と固体電解質多孔体の最適なバランスとしては、実施例2の固体電解質構造体の焼成条件が好適である。
次に、固体電解質多孔体の開口度のコントロール性に関して、実施例2と実施例4及び5とを比較すると、造孔剤の配合比率が増す毎に固体電解質多孔体の開口が大きくなるようコントロールできていることがわかる。
また、比較例1の固体電解質構造体は、固体電解質多孔体の層厚が薄く、且つ平坦性が悪いものであった。本発明の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法においては、グリーンシートを用いて、テープ成形を行うことにより、固体電解質多孔体の表面部分の平坦性が向上した上に、造孔剤の添加量によって固体電解質多孔体の開口をコントロールしつつ、固体電解質多孔体の厚さを厚くしながら固体電解質緻密体の厚さを薄くした固体電解質構造体を得ることが可能となった。
本発明の全固体電池は、ポータブル機器用電池、ICカード内蔵用電池、インプラント医療器具用電池、基板表面実装用電池、太陽電池をはじめとする他の電池と組み合わせて用いられる電池(ハイブリッド電源用電池)等としても好適である。
本発明の固体電解質構造体の製造方法の一実施形態によって得られる固体電解質構造体を示す斜視図である。 図1に示す固体電解質構造体のA−A’断面を示す図である。 本発明の固体電解質構造体の製造方法の一実施形態における、第一のグリーンシートを得る工程を説明する模式図である。 本発明の固体電解質構造体の製造方法の一実施形態における、第二のグリーンシートを得る工程を説明する模式図である。 本発明の固体電解質構造体の製造方法の一実施形態における、シート積層体を得る工程を説明する模式図である。 本発明の全固体電池の製造方法の一実施形態によって得られる全固体電池を示す模式図である。 本発明の全固体電池ユニットの製造方法の一実施形態によって得られる全固体電池ユニットを示す模式図である。 実施例1の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 実施例2の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 実施例3の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 実施例4の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 実施例4の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 実施例5の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 実施例5の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。 比較例1の固体電解質構造体の固体電解質緻密体と固体電解質多孔層の断面のSEM写真である。
符号の説明
1:固体電解質構造体、2:固体電解質緻密体、3,3a,3b:固体電解質多孔体、4:細孔、10:全固体電池、11,22:電極活物質、11a:正極活物質、11b:負極活物質、12:第一のグリーンシート、13:第二のグリーンシート、14:正極集電極、15:負極集電極、17:造孔剤、31:全固体電池ユニット、32:活物質充填固体電解質構造体、33:集電体。

Claims (8)

  1. 固体電解質緻密体と、固体電解質多孔体とを有し、前記固体電解質多孔体が前記固体電解質緻密体の少なくとも一の表面に一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体を製造する方法であって、
    粉末状の固体電解質をシート状に成形して第一のグリーンシートを得る工程と、
    粉末状の固体電解質と造孔剤とをシート状に成形して第二のグリーンシートを得る工程と、
    得られた前記第一のグリーンシートの少なくとも一の表面に、前記第二のグリーンシートを積層してシート積層体を得る工程と、
    得られた前記シート積層体を焼成することによって、前記第一のグリーンシートからなる前記固体電解質緻密体の少なくとも一の表面に、前記第二のグリーンシートからなる前記固体電解質多孔体が固着して一体形成されてなる全固体電池用の固体電解質構造体を得る工程と、を備えた全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
  2. 前記第二のグリーンシートを、前記造孔材が前記固体電解質に対して、体積比率で1倍以上含有された材料粉体を用いて成形する請求項1に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
  3. 前記第二のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質として、前記第一のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質よりも平均粒子径が大きな粒子を用いる請求項1又は2に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
  4. 前記第一のグリーンシート及び前記第二のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質として、それぞれ平均粒子径が5μm以下の固体電解質を用いる請求項1〜3のいずれか一項に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
  5. 前記第一のグリーンシート及び前記第二のグリーンシートの成形に用いる前記固体電解質として、チタン酸化物型の固体電解質、又はナシコン型のリン酸化合物からなる固体電解質を用いる請求項1〜4のいずれか一項に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって全固体電池用の固体電解質構造体を得、
    得られた前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に電極活物質を形成する工程を備えた全固体電池の製造方法。
  7. 前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、前記微粒子状の活物質、及び前記微粒子状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填した後、前記ゾル状の活物質、及び前記ゾル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を更に前記細孔内に充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に前記電極活物質を形成する請求項6に記載の全固体電池の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の全固体電池用の固体電解質構造体の製造方法によって、前記固体電解質緻密体の両方の表面に前記固体電解質多孔体が形成された全固体電池用の固体電解質構造体を複数個形成し、
    得られた前記全固体電池用の固体電解質構造体における前記固体電解質多孔体の細孔内に、微粒子状の活物質、ゾル状の活物質、ゲル状の活物質、微粒子状の活物質前駆体、ゾル状の活物質前駆体、及びゲル状の活物質前駆体からなる群より選択される少なくとも一種を充填して、前記固体電解質多孔体の細孔内に活物質からなる電極活物質が形成された活物質充填固体電解質構造体を得る工程と、
    得られた前記活物質充填固体電解質構造体の複数個を、集電体を介して、電気的に直列となるように積み重ねる工程と、を備えた全固体電池ユニットの製造方法。
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