以下に、図面に示された実施形態について説明する。説明においては特定の用語が用いられるが、それによって発明の範囲を限定することは意図されていないことを理解されたい。例示された発明の特徴の変形変更や、例示された発明の原理の更なる応用が本明細書を読んだ当業者には可能であるが、それらは本発明の範囲内であると考えられるべきである。
実施例における「SSID」、「固体イメージング装置」、または「SSIDチップ」は一般にイメージデータを収集するためのイメージングアレイまたは画素アレイを担う基板を含み、更に、イメージングアレイに電気的に結合されてそれらの間の導通を容易にする導電パッドを有することができる。一実施例では、SSIDはシリコンまたはシリコンのような基板若しくはアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(TFT)を含むことができ、通常、そこに様々な特徴部(features)が形成される。そのような特徴部には、イメージングアレイ、導電パッド、金属細線(metal traces)、回路等が含まれ得る。所望の用途に応じて他の集積回路部品を備えることもできる。しかしながら、視覚データまたは光子データを収集する手段及び視覚イメージまたはイメージ再構成を提供するべくそれらのデータを送信する手段があれば、これらの部品を全て具備する必要はない。ある実施例では、SSIDは様々なユーティリティ(utilities)を支持するため、該SSIDを貫通するユーティリティ開口を有することもできる。
「アンビリカル(umbilical)」という用語は、SSIDやマイクロカメラを動作させるユーティリティの集合を全体として含み得る。典型的には、アンビリカルは、SSIDに関するパワー、アース、クロック信号及び出力信号を提供するための、1または複数の導電ワイヤのような、導電ラインを含むが、これら全てが必ず必要というわけではない。例えば、アースを、アンビリカルラインを通じてではなく別の手段で、例えばカメラハウジングなどへ供給することが可能である。アンビリカルは、例えば、光源、温度センサ、力センサ、流体注入または吸引器(fluid irrigation or aspiration members)、圧力センサ、光ファイバ、マイクロピンセット、物質採取ツール、薬物投与装置、放射線発生装置、レーザダイオード、電気焼灼器、及び電気刺激装置といった他のユーティリティを含むこともできる。他のユーティリティも当業者には明らかであり、本明細書により理解されるだろう。
「GRINレンズ」または「分布屈折率レンズ」は、レンズの中心光学軸から外径へと半径方向に変化する屈折率を有する特殊なレンズを指す。一実施例では、そのようなレンズは円筒形で、光学軸が第1の平坦な端部から第2の平坦な端部へと延在するものとして形成することができる。光学軸から径方向に屈折率が変化することにより、この形状のレンズはより伝統的な形状のレンズの効果をシミュレートすることができる。GRINレンズが図面に示されているが、当業者に知られているような、他のレンズを本発明において用いることも可能である。
これらの定義を念頭におき、以下、本発明の実施例を例示する添付の図面について説明する。
図1及び図2を見ると、カテーテル12を含む医用イメージングシステム10として本発明が具現されている。このカテーテル12は、その末端15に設けられた全体的に符号14が付されたイメージング装置によって、撮像能力を有する。このシステムは更に、鮮明な像を得るべく、透明食塩水のようなイメージング用流体を貯蔵器18からカテーテルの末端部分へ送って、体液と置換するのを可能とする装備16を含む。また、ポンプ20が具備されており、医用イメージングを行う医師が手動で動作させたり、或いは、自動化して電気的に制御可能として、医師またはセンサからの制御信号に基づいて、またはソフトウェアコマンドに基づいて、必要に応じ流体が施されるようにすることができる。
また、イメージングシステム10を制御し、患者(図示せず)内の、末端部分15に近接した部位の像を生成し、モニタ24で表示したり、データストレージ装置26に格納したりするのを可能とするべく、適切にプログラムされたコンピュータのようなプロセッサ22が設けられている。インタフェース28は、カテーテル12内を通る導電ワイヤ32、流体ディスペンサ34、及び光源44を含む電気的アンビリカル30を介して、イメージング装置14にパワーを供給し、また、イメージング装置から受信した信号に基づいてプロセッサへとデジタルイメージ信号を送る。このインタフェースは、プロセッサまたはイメージング処理を行う医師からの制御信号に基づいてポンプ20を制御するように構成することもできる。
図2をより詳細に見ると、末端15のイメージング装置14は、導電ワイヤ32、流体ディスペンサ34及び光源44を含み得るアンビリカル30をサポートまたは支持するためのユーティリティガイド36を含むことができる。ユーティリティガイドによって支持することのできる他の部品には、温度センサ、力センサ、流体注入または吸引器、圧力センサ、光ファイバ、マイクロピンセット、物質採取ツール、薬物投与装置、放射線発生装置、レーザダイオード、電気焼灼器、及び電気刺激装置が含まれ得る。またユーティリティガイドはSSIDまたは固体イメージング装置38を支持する。SSIDは、イメージングアレイ(図示せず)及び導電ワイヤをSSIDに接続するための導電パッド42を含む。ユーティリティガイド及びSSIDは2つの別個のユニットとして示されているが、単一の一体化ユニットを形成することもできることを理解されたい。図示されている光源はユーティリティガイドによって支持された光ファイバである。しかしながら、SSIDに支持されるような、別の光源を用いることもできる。例えば、SSIDは、末端部分のすぐ近くの領域を照らすように構成された発光ダイオード(LED)を含むことができる。このような構成のSSIDとともに、GRINレンズ40がSSIDのイメージングアレイに光学的に結合されるものとして示されている。
GRINレンズ40が用いられる場合、レンズは概ね円筒形とすることができる。一実施例では、GRINレンズは受光する第1の平坦な端部と、光をイメージングアレイへと通過させる第2の平坦な端部と、不所望な光がGRINレンズに入らないように不透明な被覆またはスリーブ部材によって外囲された外側曲面とを有することができる。GRINレンズは、その第2の平坦な端部がSSID38のイメージングアレイに直接的に接触することで、イメージングアレイに光学的に結合することができる。そのような直接的接触は、第2の平坦な端部とイメージングアレイとの境界に、光学的に透明なまたは半透明の接着剤を含み得る。別の方法として、GRINレンズはSSIDのイメージングアレイに、光ファイバやカラーフィルタ、または、任意の形状の光学レンズ(プリズムや広角レンズなど)のような中間光学素子を介して光学的に結合することもできる。
カテーテル12は患者の体内で操縦可能で且つ外傷を極力与えないように、曲折可能で可撓性を有するように構成することができる。例えば、カテーテルは末端部分にマイクロ加工された管46を備えることができ、図示しない切り欠き部(cut-out portions)によって管の可撓性を高めるとともに、イメージング用流体の流出によって末端部分の近傍領域において体液を置換して、よりクリアなイメージを得るのを可能とすることができる。また、そのようなマイクロ加工管は、曲折によって、カテーテルが進行する際に所望の経路を選択し所望の位置に案内され易くすることができる。
カテーテル12は、末端部分の一側面に隣接して、テンションを加えることが可能な内部ワイヤを有することができ、本分野では知られているように、このワイヤはテンションを加えられると末端部分15を反らせるように働く。カテーテルの末端部分の反りと回転の組み合わせによって、装置が操縦可能となる。末端部分を所望の場所へと導くのを可能とする別の方法は、電流信号の印加に応じて伸張または収縮する要素のようなマイクロアクチュエータ(図示せず)を設けることである。例えば、そのような要素をテンションワイヤと置き換えることができる。
また理解されるように、このシステムは医用イメージングシステムの実施例として示されているが、このような構造は、非常に小さなイメージング装置が有用であるような他の用途及び他の装置(例えば他の装置の視覚センサ、監視装置など)において用いることもできる。
更に、本明細書で説明される全ての実施例について、意図されている装置は寸法が非常に小さいものとすることができ、SSIDのイメージングアレイは、別の用途において望ましいとされているよりも少ない画素数を有するものであってよい。技術の進歩につれ、画素サイズが小さくなり、より鮮明なイメージ及びデータを提供することが可能となる。しかしながら、イメージングアレイにおいて少数の画素を用いる場合、装置によって提供されるイメージの解像度はSSIDから受信されるイメージデータを処理するソフトウェアによって向上することができる。図1に示されるプロセッサは、例えば、制御された振動などによって、僅かに動かされたSSIDから受信される情報に基づき、SSIDのアレイからのスキャンイメージの分解能を向上するよう適切にプログラムすることができる。プロセッサは、振動によってどのようにイメージングアレイからのイメージデータが影響されたか分析し、その情報に基づいてイメージを改善することができる。
図3を参照すると、ユーティリティガイド36の実施例が示されている。このユーティリティガイドは、複数のユーティリティ開口60と一つの中央開口62とを有する。ユーティリティガイドはSSID(図示せず)の機能に干渉しない材料であればどのような材料からなってもよい。例えば、ユーティリティガイドは、所望の構造をなすように深堀の反応性イオンエッチング(deep reactive ion etching)で加工されたシリコンからなるものとすることができる。別の方法として、IBMによって製造されているSU−8高分子材料、Corningによる感光性ガラスであるFoturan、或いはLIGA (Lithographie Galvanoformung Abformung)プロセスによってモールドされたポリメタクリル酸メチル(PMMA)のような高分子材料を、そのような構造を形成するのに用いることもできる。ユーティリティガイドはSSIDの支持と、アンビリカルによって提供されるユーティリティの支持の2つの機能を有する。
図4は、本発明の実施例に基づいて使用可能なSSID38の実施例を示す。このSSIDは、電気結合部52によって導電パッド42に電気的に結合されたイメージングアレイ48を有する。これらの特徴部(features)48、42、52は全て、SSID製造時に基板54中に形成される。更に、導電ストリップまたは金属細線56がSSID上に設けられ、導電パッドとSSIDの側面(図示せず)との間の導通を提供している。GRINレンズ40のイメージングアレイに対する位置も図示されている。
図5は、図3のユーティリティガイド36及び図4のSSID38を用いた組立状態のマイクロカメラ50を示している。ユーティリティガイドは複数のユーティリティ開口60と一つの中央開口(図示せず)を有している。SSIDはユーティリティガイドによって支持され、エポキシ材料、陽極接合(anodic bonding)、共融ボンディング(eutectic bonding)によって、ユーティリティガイドに結合される。別の方法として、SSIDを出発材料として深堀の反応性イオンエッチング(DRIE)プロセスによってマイクロ加工することでユーティリティガイドを形成し、それによって、ユーティリティガイドをSSIDに接続する過程をなくすこともできる。SSIDは、その上面72から側面74への導通を提供する導電ストリップ56を有する。それにより、アンビリカル30の導電ワイヤ32をユーティリティガイドのユーティリティ開口によって支持するとともに、側面において例えば半田結合部などのボンディング結合部58によって導電ストリップに取着することができる。半田結合部は、銀または金含有エポキシ(silver or gold filled epoxy)、銀または金半田、或いは、他の適切な接着性または共晶を形成するような導電性材料などの、導電性ボンディング材料からなるものとすることができる。別の方法として、導電ストリップと導電ワイヤとの間の接続をワイヤボンディング、半田バンピング、共融ボンディング、電気めっき、または導電エポキシを通じて行うこともできる。しかしながら、本構成では、導電ストリップと導電ワイヤの間にワイヤボンディングを含まない直接ボンディング結合が、電気的結合が破損するリスクが小さく且つ良好な操縦性が得られるので好ましい。導電ストリップは導電パッド(図示せず)に電気的に結合され、導電パッドはイメージングアレイ(図示せず)に電気的に結合されるので、イメージングアレイとアンビリカルの導電ワイヤとの間に電気的結合が確立される。
SSIDは、CCD、CIDまたはCMOSイメージング装置のような、任意の固体イメージング素子とすることができる。SSID38の基板54は、シリコンまたはシリコンのような材料を含むものとしたり、或いは、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(TFT)からなるものとすることができ、通常様々な特徴部がそこに形成される。そのような特徴部には、イメージングアレイ(図示せず)、導電パッド(図示せず)、及び導電ストリップまたは金属細線56(これらは、通常、SSIDファンドリ工程の後に局所的に設けられる)が含まれ得る。所望の用途に応じて、例えば光をレンズの周囲に照射する発光ダイオード(LED)(図示せず)のような、他の集積回路部品を備えることもできる。上記した部品は例示であり、視覚または光子データを収集する手段及びそのデータを視覚イメージまたは視覚再構成に変換する何らかの手段があれば、これらの部品を全て具備する必要はない。
導電ワイヤ32は、SSIDの方向を例えばテンションを加えることでガイドする機能と、任意の電源/信号プロセッサ(図示せず)とSSIDの間の電気的接続を提供する機能の2つの機能を提供することができるが、このように2つの機能を有することは必須ではない。別の方法として、本分野では公知のように、マイクロ加工された管によって操縦可能とすることもできる。そのようなマイクロ加工管の例が米国特許第6,428,489号明細書(特許文献1)に記載されており、この文献はここで引用したことにより本願の一部とされる。アンビリカルについてより詳細に説明すると、アンビリカルの導電ワイヤは、パワー、アース、クロック信号または制御及び出力信号をSSIDに供給することができる。更に、導電ワイヤを含む電気的アンビリカル30は、個々のユーティリティの周囲及び/またはアンビリカル全体の周囲に絶縁被膜部を含むことができる。
マイクロカメラのレンズ40、SSID38及びユーティリティガイド36は、所望に応じて一体に融合または接合することができる。例えば、UV硬化エポキシのようなエポキシを用いてレンズをSSIDのイメージングアレイ48に接合することができる。同様に、エポキシを用いてユーティリティガイドをSSIDに接合することもできる。そのようなエポキシを用いる場合、SSID或いは装置の他の構造に損傷を与えるような強さでUV光を用いないように注意が必要である。
図6及び図7は、別のマイクロカメラアセンブリ70を示しており、ここでは、レンズ40はレンズホルダ64によって所定の場所に保持される。レンズホルダは、光源または流体吸引器/ディスペンサ(fluid aspirators/dispensers)のようなユーティリティを支持またはガイドするためのユーティリティ開口を含み得る。またレンズホルダは、レンズをサポートするためのレンズ開口66を有する。レンズがGRINレンズである場合、SSIDから離れた側の平坦面以外の場所からレンズに光が入るのを防止するためレンズの曲面または周囲を覆う不透明な被膜またはスリーブを設けることができる。レンズホルダを不透明な材料から形成すると、レンズホルダは、部分的に、不所望な光が側面から入るのを防ぐ不透明スリーブとして働くことができる。
SSID38及びユーティリティガイド36は、図5を参照して説明したのと同様に構成されている。詳述すると、SSIDは、イメージングアレイ48及び導電ストリップまたは金属細線56を担う基板54を有する。ユーティリティガイド36は、レンズホルダ64のユーティリティ開口68と整合したユーティリティ開口60を有する。導電ワイヤ(図示せず)のような、SSIDにパワーを供給したりそれに関する信号伝達を行ったりするユーティリティは、通常、SSIDにおいて終端するため、レンズホルダのユーティリティ開口によって支持される必要はない。レンズホルダのユーティリティ開口は、例えば流体ディスペンサ/吸引器、光ユーティリティ、ピンセットなどのようにレンズにおいて或いはレンズの近くで使用されるユーティリティを支持するのを主たる目的としている。
次に図8を参照すると、ユーティリティ開口82a、82bが一体に設けられている別のSSID38が示されている。このSSIDは、導電パッド42及びイメージングアレイ48が形成された基板54を有している。SSIDは5つのユーティリティ開口82a、82bを有しているので、図5に関連して説明したような別個のユーティリティガイドを用いなくても、SSIDによって様々なユーティリティを支持することができる。レンズ40はイメージングアレイに関連して位置決めすることができるものとして示されている。
図9は、図8のSSID38を用いたシステム80を示している。この実施例では、SSIDは、イメージングアレイ(図示せず)、導電パッド42及びイメージングアレイと導電パッドの間に設けられた電気結合部52を担う基板54を含む。このSSIDは導電パッド42においてアンビリカル30に電気的に結合されている。詳述すると、アンビリカルの導電ワイヤ32は4つのユーティリティ開口82aによって支持され、それぞれの半田結合部58によって導電パッド42に電気的に結合されている。これら4つの導電ワイヤはパワー、アース、クロック信号をSSIDに供給するとともに、SSIDからのイメージ信号をリモートプロセッサ/モニタ装置(図示せず)に送るのに用いることができる。導電ワイヤを支持するのに5つの開口のうち4つのみが用いられている。より大きな第5の開口82bは、光源、流体吸引器及び/またはディスペンサ、温度センサ、力センサ、圧力センサ、光ファイバ、マイクロピンセット、物質採取ツール、薬物投与装置、放射線発生装置、レーザダイオード、電気焼灼器、及び電気刺激装置などの他のユーティリティを支持することができる。また第5の開口82bは複数のユーティリティ装置を支持することも可能であり、或いは、別のユーティリティを支持するために、更なる開口(図示せず)をSSIDに設けることもできる。レンズ40は、イメージングアレイに光学的に結合されるように、SSIDに対して位置決めすることができる。レンズ、SSID、アンビリカル、開口などに関して例えば図5などの別の実施例において述べたことは全て本実施例にも適用され得る。
図10及び図11は、レンズ40がレンズホルダ64によって所定の位置に保持された別のマイクロカメラアセンブリ90を示す。図6及び図7と同様に、このレンズホルダはユーティリティを支持またはガイドするためのユーティリティ開口68を含むことができる。またレンズホルダは、レンズを支持するためのレンズ開口66を有する。図8に示したSSIDと同様に、このSSIDは、一体的なユニットとして形成された導電パッド42、ユーティリティ開口82a、82b及びイメージングアレイ48を有する。導電ワイヤ(図示せず)のような、SSIDにパワーを供給したりそれに関する信号伝達を行ったりするユーティリティは、レンズホルダのユーティリティ開口によって支持される必要はない。レンズホルダのユーティリティ開口は、レンズにおいて或いはレンズの近くで使用されるユーティリティを支持するのを主たる目的としている。図11に示すように、レンズホルダがSSIDに対して所定の場所に設置されると、ユーティリティティ開口82a及び導電パッド42は露出され、導電ワイヤ(図示せず)がレンズホルダに干渉されることなく導電パッドに取着されるように支持する手段を提供する。
図12及び図13は、複数のSSID38を共通の基板102上に形成するための準備過程を模式的に示している。図12は、図8のSSIDの複数形成を示しており、図13は、図4のSSIDの複数形成を示している。どちらの製造方法も、イメージングアレイ48及び導電パッド42が形成された基板54を含む複数のSSIDを提供する手段を与える。図12は、更に、SSID自身に形成された開口82a、82bを含む。図13には導電パッドが示されていないが、これは導電ストリップ56があるために見えないからである。
次に、SSIDの製造方法の詳細について、図14a〜図14eに一つの可能な実施例を示す。このプロセスは例として説明される。以下に説明するプロセスによって、または、別の公知のチップ製造方法によって、一つのSSIDを個別に製造することも可能であるし、或いは、上記したように4つより多いSSIDをまとめて製造することもできる。予備的に、VLSIの設計仕様をCMOSファンドリへ送ることができ、そこで複数の“チップ”または特徴部集合体(feature groupings)88を単一のシリコン製造基板102上に製造することができる。製造基板上の個々の特徴部集合体は処理されて切り離され、個別のSSIDを形成する。
図14aは、複数の特徴部集合体88(各特徴部集合体が個々のSSIDになる)を支持する製造基板102を示している。個々の特徴部集合体は、イメージングアレイ48、導電パッド42及び他の回路部品(図示せず)を含んでいる。ファンドリから送られてくると、通常、基板はその全体がオキシナイトライド(oxy-nitride)、二酸化シリコンなどによってコーティングされる。反応性イオンエッチング(RIE)によってこの保護コーティング及び他の薄膜層全てを除去し、シリコン上面を露出させることができる。
図14bを参照すると、後に行う分離工程において必要な領域を保護するため、各特徴部集合体88をフォトレジスト材料110で覆うことができる。一実施例では、フォトレジストは約10μmの厚さに被膜することができる。図14cを参照すると、非保護領域、即ち、個々の特徴部集合体の間の領域を、例えば深堀の反応性イオンエッチングプロセスなどの公知のプロセスでエッチングすることができる。エッチングは製造基板102が薄くなり、SSID基板54(製造基板と同じ材料)が露出されるまで行うことができる。薄くなった製造基板の厚さは、例えば約50μmである。
図14d及び図14eは、一つのSSIDがどのようにマスクされ導電ストリップで被覆されるかを示すべく、(図14a乃至図14cのように2行2列のアレイではなく)3行3列のSSIDのアレイを示している。尚、ただ一つの完全なSSID(アレイの中央)のマスキング及び金属被覆が示されているが、通常、このプロセスはアレイ上に存在する全てのSSIDに対してなされる。更に、マスキングの前に、フォトレジスト材料は除去され、続いて1.5μmの二酸化シリコン(図示せず)が、プラズマエンハンスト化学蒸着法を用いて、SSIDアレイ及び製造基板102上に成膜される。そうして反応性イオンエッチング(RIE)を用いて二酸化シリコンを導電パッド(図示せず)から除去することができる。エッチングが終了すると、導電パッドのみが露出され、薄肉化された製造基板上のSSIDのアレイをマスクする準備ができる。
図14dは、複数の切り欠き116を有するフォトマスク114を示している。フォトマスクは、各SSIDの上面118及び側面120が所望の領域においてのみ部分的に露出されるように3次元構造として形成される。言い換えると、フォトマスクはSSIDの3次元構造のアレイ上に形成され、露出した導電パッドの設けられた場所を含む各SSIDの側面及び上面の部分が選択的に金属被覆され得るように、パターニングされる。マスキングがなされると、スパッタリングにより金属被覆を行い各個別のSSIDの露出表面を被覆することができる。例えば、リフトオフプロセスを介するTi/Ptのスパッタリングを金属被覆に用いることができる。
このプロセスにより、図14eに示すように、各SSIDの4つの側面の各々を加工して、SSIDの上面と側面を結合する導電ストリップ56を有するようにすることができる(導電パッドはイメージングアレイを制御するために存在する)。続いて、反応性イオンエッチング(RIE)を再度用いてシリコン製造基板102を除去し、各SSIDを製造基板から分離することができる。
本発明の実施例に基づく他のSSIDも同様の手順を用いて作成することができる。例えば、図8に示したSSIDでは“角を曲がる(around the corner)”金属細線は存在しないので、図14dに示した3次元マスキング工程は必要ないが、それ以外は上記したのと同様にして形成することができる。更に、SSIDを貫通するユーティリティ開口を形成する過程を、ドリル穴明け、開口でのエッチングによる材料除去を可能とする(図14bのような)マスキング、若しくは他の公知のプロセスによって行うことができる。
図15を参照すると、全体的に符号130が付された別のシステムが示されている。この実施例では、カテーテル12の末端部15が示されている。外側スリーブ138がカテーテルの外側を覆うようにテレスコープ式に設けられている。このカテーテルは、装置の基端側(図示せず)における差動運動(differential movement)により、所望に応じてスリーブ内へと引き込むことができる。カテーテルの外側管は、SSID38の近くで曲がる傾向を有するようにマイクロ加工を施すことができる。例えば、図示されているように、マイクロ加工によって管の一面側に複数の開口132を形成し、管を折り曲げて一部が逆向きに折り重なるような湾曲構造とすることができる。先端部は、カテーテルの湾曲した部分を部分的に、または完全に、外側スリーブ内へと引き込むことによって、所望の方向に向けることができる。一実施例では、このようなマイクロ加工管は形状記憶能力が組み込まれた、例えばNiTi合金のような超弾性材料から形成され、それによって、材料にくせ(set)を生じることなく繰り返し先端部の方向変更を行うことができる。この構造をサポートするべく、GRINレンズ40及びSSIDに隣接して更なる外側スリーブ134が設けられている。上記したように、導電ワイヤ32を含む、導電ストリップ56を設けることができる。
別の実施例では、カテーテル12の大径部分または外側部分に近接したカテーテル内の管腔中にテンションワイヤ136を設けることができる。テンションワイヤ136は、カテーテルの先端部15を真っ直ぐにしようとする張力を与えることによって先端部を所望の方向に向けるのを可能とする。テンションワイヤはSSID38に取着され、カテーテルを通って基端部へと延在し、イメージング作業を行っている医師によって操作可能である。また上記したように、カテーテルは、イメージング用流体、光、その他のユーティリティを供給するための装備を有することができる。
図16を参照すると、全体的に符号140が付されたシステムが、形状記憶能力が組み込まれた超弾性材料から形成されたヒンジ142に取り付けられたSSID38を有している。このヒンジは、カテーテル12の管腔146を定める管144に接続されている。テンションワイヤ148がヒンジに取着され、SSIDがカテーテルの長手方向軸に沿って180度逆を向いた第1の方向から、長手方向軸と概ね一致してカテーテルから遠ざかる方向の第2の位置へと向けられるのを可能とする。これをカテーテルの回転と組み合わせることで、先端部を様々な方向に向けることが可能となる。管の末端部分には角を丸められたガイド149が取着され、テンションワイヤ及びヒンジが丸みを持って曲がるようにし、それらがキンクを生じることなく、図示したように弾性的に変形するようにしている。上記したように、導電ワイヤ(図示せず)を設けることもできる。
続いて図17及び図18を参照すると、別のシステムが全体的に符号150を付されて示されている。図示されているように、カテーテル12及び/またはカテーテルの末端部分15に設けられたSSID38の視界の向きを変えるための制御手段が例示されている。末端にミラー要素154を有する変形可能な外側スリーブ152が設けられている。GRINレンズ40及びミラー要素に近接した開口156が、適切なイメージングを可能とする。
図17に示した配置状態においては、ミラーの角度付けられた表面によって、カテーテルの長手方向軸に対し25乃至50度の角度158でカテーテルの横側後方を見ることができる。このような配置、間隔及び要素間の角度関係に基づく視界160は、約15乃至25度とすることができる。SSIDは、カテーテルの末端部分にイメージング用流体を運んだり、SSIDのイメージングアレイ(図示せず)にパワーを供給するため、1または複数の管腔162を有することができる。理解されるように、イメージング用流体は別の管腔164またはガイドカテーテル若しくは全く別のカテーテル(図示せず)を介してイメージング部位に運ぶこともできる。
図18に示す別の配置状態では、変形可能な外側スリーブ152が曲がり、開口156を通じて直接前方を見ることが可能となっている。また、変形可能な外側スリーブ152をより大きくまたは小さく反らせることで、様々な角度で後方を見ることができる。管の一側面(図18における底面)に隣接して取着されたテンションワイヤ166は、テンションが加えられると、変形可能な外側スリーブを反らせる。スリーブを変形させる別の方法は、スリーブをNiTi合金で形成することである。それによって、例えば異なる温度のイメージング用流体を導入したり、電流を流したりすることによって温度変化を生ずることで、図17に示した第1の配置から図18に示した第2の配置へと形状が変化する。最後の2つの実施例では、先端部は基本的に二つの状態、変形状態と非変形状態、を有する。
次に図19を参照すると、全体的に符号170を付されたシステムが、GRINレンズ40とSSID38を有している。SSIDはシリコンまたはシリコンのような基板若しくはアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(TFT)176を有することができ、通常様々な特徴部が形成される。イメージングアレイ48、導電パッド42、金属細線(図示せず)、回路(図示せず)などを含む特徴部が形成され得る。導電パッドに関し、導電パッドとアンビリカル(図示せず)の導電ラインとの間の接続は、半田付け、ワイヤボンディング、半田バンピング、共融ボンディング、電気めっき及び導電エポキシで行うことができる。しかしながら、電気的アンビリカルと導電パッドの間にワイヤボンディングを含まない直接半田結合が、電気的ボンディングが破損するリスクが小さく且つ良好な操縦性が得られるので好ましい。一実施例では、アンビリカルの導電ラインは、SSIDに関して、パワー、アース、クロック信号及び出力信号を与えることができる。例えばGRINレンズの周囲に光を照射するための発光ダイオード(LED)174のような別の集積回路部品を所望の用途に応じて設けてもよい。
視覚データ収集及びイメージ送信装置があり、且つ、このデータ収集及び送信装置を視覚データ信号プロセッサに接続する手段があれば、上記した部品を全て具備する必要はない。また、図19には示していないが、アンビリカル、ハウジング、アダプタ、ユーティリティガイドなどの他の部品を設けることもできる。SSID38は、CCD、CIDまたはCMOSイメージング素子などの任意の固体イメージング素子からなるものとすることができる。また図示されているように、GRINレンズ40は不透明なコーティング178で曲面を被覆され、SSIDから最も離れた側の平坦面以外から光が入るのが防止されている。
図20は、複数のイメージングアレイ48a、48b、48cが共通のSSID38上に設けられた別のシステム180を示している。この斜視図には3つのイメージングアレイしか示されていないが、この実施例では5つのイメージングアレイが存在する(即ち、基板176の5つの面の各々に一つのイメージングアレイが設けられ、基板の背面はアンビリカルとの接続に用いられる)。各イメージングアレイは、それぞれGRINレンズ40a、40b、40c、40d、40eに光学的に結合される。理解されるように、これは、複数のイメージングアレイを複数のGRINレンズとともに使用し得る一構成に過ぎない。他の同様の実施例では、より少ないまたは多くのイメージングアレイを用いることも可能であり、及び/または、複数のSSIDの一部とすることが可能である。アンビリカルの接続は示されていないが、SSID及びその複数のイメージングアレイを動作させるため(信号スプリット、または、個別のパワー及び/または信号源の使用を可能とするべく)アンビリカルを設け得ることを理解されたい。
図21には、ステレオ視イメージングが可能なシステムが全体的に符号190を付されて示されている。詳述すると、複数のイメージングアレイ48a、48bが共通のSSID38上に同一面内に配置されて示されている。一対のGRINレンズ40a、40bが、2つのイメージングアレイに光学的に結合されるものとして示されている。イメージングアレイの他、アンビリカル(図示せず)への導通を提供するための導電パッド42を含む他の特徴もSSIDに備わっている。
図22を参照すると、システム200は、アンビリカル30に沿って配置され、アンビリカルの導電ワイヤに取り付けられた複数のマイクロカメラ170a、170b、170cを有している。アンビリカルは、イメージを見るためのプロセッサ/モニタ(図示せず)に接続することのできる基端(proximal end)204と、末端(distal end)206とを有している。各マイクロカメラはSSID38とGRINレンズ40とを有する。図示した実施例では、末端に最も近いマイクロカメラ170cは、後に図52に示すようにその末端部にGRINレンズを有し得る光ファイバ202に光学的に結合されている。しかしながら、末端に最も近接したマイクロカメラは実際にはカテーテルの末端部に設けることができる。本発明のマイクロカメラの大きさを近似的に示すべく、米国のダイム硬貨のような小さな硬貨のサイズを概ね表す構造208が示されている。
図23を参照すると、SSID38上の導電パッド42と別の構造11との間の導通を提供する従来の方法が、システム210において、半田付けされたまたはボンディングされたワイヤ13を用いるものとして示されている。この接続方法はワイヤボンディングとして知られている。このようにして形成された接続は本質的に脆く、ダメージを受けやすいが、特にSSIDが他の構造に対して動くことができる場合にそうである。そのような動きはデリケートなワイヤを撓ませて応力を加え、損傷を発生させて、2またはより多くのワイヤ間に望ましくない短絡を生じ得る。
図24を参照すると、対照的に、全体的に符号220が付されたシステムは、機械的取り付けと電気的接続を提供するコネクタブロックまたはアダプタ52を有している。言い換えると、コネクタボディまたはアダプタ本体がSSID38とアンビリカル30との間の安定及び結合と、電気的接続の両方を与える。
アダプタ52は、図示された実施例では、非導電性の基板材料中に導電ストリップ56を有しており、これら導電ストリップ56は、アンビリカル30との接続用に構成された第1の面17と、SSID38との接続用に構成された第2の面19との間を角を回ってつないでいる。導電ストリップは、アンビリカルの導電ワイヤ32及びSSIDの導電パッド42と整合するよう構成されている。また、レンズ40がSSIDに光学的に結合されるものとして図示されている。尚、アダプタはアンビリカルに接続されるものとして示されているが、他の構造がアダプタによってSSIDに接続されてもよい。そのような他の構造としては、別のチップ、そのチップが設けられたボードその他の構造、導電ストリップ、ワイヤストリップまたはケーブルなどの付加的な構造に更に結合されたコネクタ、導体が取着された可撓ストリップなどがある。
図25を参照すると、システム230に示すように、直線で囲まれた形状のアダプタ52の代わりに、断面が円形のまたは円筒形状のアダプタを具備することができる。円筒形のコネクタボディが他の構造の平坦面に押し付けられることで導体に圧力が加わって僅かに変形する結果、アダプタと、SSID38上の導電パッド(図示せず)と、導電ストリップ56の間の良好な接続が実現される。エポキシその他の接着剤が、このようなアセンブリを一体に保持するとともに円筒形状ボディの周りの隙間を埋めるために用いられる。ここでもまた、SSIDはイメージングアレイ48を含み、レンズ40がイメージングアレイに光学的に結合されるよう構成されている。
次に図26〜図28を参照すると、本発明の別の実施例がシステム240として具現されている。このシステムでは、カテーテル12の末端部分15がSSID38に光学的に結合されたレンズ40を含んでいる。またSSIDはアダプタ52に電気的に結合されている。アダプタはマイクロ加工された管部46によって支持されており、管部の末端部においてその中に適合するよう構成されている。アダプタにはチャネル55が形成されており、アンビリカル30のワイヤ32または導電ストリップが通過可能となっている。マイクロ加工された管部自身はテレスコープ式に動作可能なように構成されている。これによって、カテーテルの末端部分を組み立ててカテーテルの残りの部分に容易に接続することができる。導電ストリップは、KAPTONなどの非導電材料から形成されたリボンに導電性の細線(traces)を設けその上に誘電体を被せたものを有することができ、アダプタを通してSSIDに電気的アンビリカルを提供する。上記したように、導電ストリップはカテーテルを通してその基端部の器具(図示せず)へと戻すことができる。導電ストリップの末端部では、個々の導電ワイヤ32が非導電ストリップから分離され、アダプタ上の導電パッド(図26乃至28には図示せず)にボンディングされる。このように、アダプタはアンビリカルからSSIDへの電力路を提供する。
図29を参照すると、全体的に符号250が付された別の実施例では、カテーテル12は、中央の管腔252と、その周囲に設けられた複数の補助管腔254とを有する押し出し成形された管部を有する。この構成では、中央管腔または1または複数の補助管腔を通じてイメージング用流体をカテーテルの末端部分15へと送ることができる。中央または補助管腔は、SSIDに対して電気信号、パワー、アース及び/または制御を送受する導電ワイヤ32などの導電ラインを支持することもできる。電気信号は、アダプタ52上の導電ストリップを介してアンビリカルからSSIDへと伝えられる。導電ストリップは、SSIDとアンビリカルの導電ワイヤとの間の導通を提供する。導電ストリップは、導電性の金属や前記したようなKAPTONストリップ上に形成された導体、若しくは、絶縁ワイヤまたは非絶縁ワイヤを適宜含むことができる。この実施例では、SSIDは、末端部分の近傍の領域を照らすべく構成された発光ダイオード(LED)66と、イメージングアレイ48とを有する。
上記したように、アダプタ52によってSSID38の電気的接続及び取り付けが容易になる。アダプタはSSID38を支持し、マイクロ加工された部分46を含むカテーテルの残りの部分に結合される。また、SSID38に結合可能なレンズ40が設けられる。このレンズはイメージングアレイ48の焦点面にイメージをフォーカスするよう構成することができる。或いは、SSID38やフィルタまたは付加的な光学要素を単に保護することもできる。非導電性の光学的に透明な接着剤またはエポキシを用いて、チップをレンズに取着することができる。
マイクロ加工された部分46は、カテーテル12の末端部分15により大きなフレキシビリティを与えるべく、図示されているように、管中に交互パターンをなすように形成された横方向スロット47を有する。同様のスロットが設けられたマイクロ加工管及び部分の構造の更なる詳細を、米国特許第6,428,489号明細書(特許文献1)に見ることができる。この文献はここで引用したことで本願の一部となる。マイクロ加工により形成されたスロットは補助管腔254を横切ってもよく、或いは、中央管腔252を横切る程度に深く形成することもできる。これにより、カテーテル内からスロットを通じてカテーテルの末端部分の近傍領域へと流体を送ることが可能となる。上記したように、これは、カテーテルが患者の体内の所定部位に位置されたとき、透明食塩水のようなイメージング用流体を供給したり、カテーテルの末端部分の近傍の対象部位の治療のための薬物を送ったりするのに用いることができる。また、カテーテルの1または複数の管腔を通じて末端部近くの体液をサンプル用に採取することも可能となる。
別の実施例では、テンションワイヤ(図示せず)をカテーテルの補助管腔254内に通し、アダプタ52の近位端に取着してもよい。カテーテル管の可撓部をよりフレキシブルにするとともに、テンションワイヤを用いることで、本分野では知られているように、1または複数のテンションワイヤにテンションを加えてカテーテルの末端部分15を所望の方向に反らせ、末端部分を様々な方向に向けることができる。一実施例では、テンションワイヤは、末端部分15に対してカテーテル12に沿ってパワー、制御、アース、及び/またはイメージ信号を送受するべく構成可能なアンビリカルの導電ワイヤ32からなるものとすることができる。
図30を参照すると、全体的に符号260が付されたシステムが示されている。この実施例では、コネクタブロックまたはアダプタ52はそのボディまたは基板78の周囲を取り巻く導電路を有する。例えば、導電性金属からなる導電ストリップ56をリソグラフィやマスキングを用いた成膜または他の公知技術によって表面上に形成することができる。或いは、導電材料と非導電材料を積層した後、積層面を横切る複数のブロックを切り出し、アダプタの主体(bulk body)または基板を形成することで、アダプタを作成することもできる。導電層がコネクタボディの周囲に渡って表面上に露出されるので、このアダプタは表面上に配置された導体を有することができる。理解されるように、カウンタブロックの周囲に渡って表面の様々な箇所を導体で相互接続することは有用であり得る。例えば、この実施例の一応用では、アダプタをその長手方向軸周りの任意の回転角度で使用することができる。
図31のシステム270において、図30において説明したようなアダプタ52が、チップを他の構造に様々な方法で接続するのに有用である。詳述すると、導電ストリップ56を有する基板78を含むアダプタ52が、アダプタの2つの対向面を接続している。図示した例では、各々導電パッド42を有する2つのSSID38のような2つの装置が示されている。図示されているように、SSIDの導電パッドの間の導電路及び2つのSSIDの間の機械的結合の両方を形成することができる。外形で示す2つのSSID38′がアダプタに別の構成で接続されているように、多くの別の構成が可能である。
図32を参照すると、システム280は、上記したように構成された導電ストリップ56を備えた基板78を含み得るアダプタ52を有しており、各導電ストリップは第1の側面21から第2の側面23への導電路を有している。導電ストリップは上記したようなものとすることができ、即ち、マスキング過程、リソグラフィ過程及びその後にエッチングを行うことによってコネクタボディ上に成膜したものとしたり、或いは、そのような導電ストリップを形成する多くの他の方法によるものとしたりすることができる。別の実施例では、機械加工、エッチング或いは他の方法により基板78から材料を除去してスロット(図示せず)を形成することにより、導体を形成することもできる。スロットは導電材料で埋められ、そうしてできた導体ブロックを機械加工仕上げして、最終形状において各スロット内に材料面が露出するようにすることができる。
図33では、全体的に符号290が付されて、2つのSSID38(または他の複数チップインタフェース)が示されている。SSID38は導電パッド42を有し、これら導電パッド42は2つのアダプタ52に接続することができる。各アダプタ52は、少なくとも2つの側面の間に導通を提供する導体または導電ストリップ56を有する。基板78または各アダプタは互いに結合され、導体が接触して導電路をなすようにすることができる。別の実施例では、まず導体を互いに結合し、続いて2つのチップに結合して接続を実現してもよい。ある実施例では、2つのコネクタボディをつなぐ更なるブロックを用い、これらコネクタブロックに跨った状態で結合させるなどして、更に機械的結合を強化することができる。
図34及び図35を参照すると、本発明の更なる実施態様を実現するための更なる方法が、それぞれ、全体的に符号300及び310が付されて示されている。このシステムは、非導電材料から形成されたプレフォームブロック(preform block)25から開始する。ブロックの所定の箇所を改変することで導電路が形成される。例えば、プレフォームをマスクして、結晶拡散(crystal diffusion)によりプレフォームブロック中に導電材料を導入することなどにより、図示したような導電材料27による改変が可能である。マスクは単純に一連の長寸ストリップとすることができ、プレフォームを結晶拡散プロセス後の平坦基板から切り出すこともできる。プレフォームの材料は深さ29まで改変され、その後、アダプタ52がプレフォームから機械加工により形成される。その結果得られたアダプタ52は基板78を有し、材料の改変がなされた導電ボディまたはストリップ56は第1の面31と第2の面33を横切る。
別の実施例では、所望の幅及び深さにスロットを形成するチップ製造用鋸(chip fabrication saw)を用いるなどして、プレフォームに単にスロットを設けてもよい。その後、スロットに導電材料を充填することができる。導電材料が硬化すると、アダプタ52をプレフォーム25から機械加工により取り出すことができ、結果として得られる構造は上記したのと同じになる。
図36及び図37を参照すると、全体的に符号320及び330が付された別の実施例では、個別に分離した導電路を形成するように交互に配置された長いストリップ状の導電材料27と非導電材料35が非導電性の基板上に設けられた層構造を生成することでコネクタボディが形成されている。この上に更に非導電材料の層37が形成される。理解されるように、このような層構造を得るのに用いられる接着剤その他の方法は材料に依存する。しかしながら、溶剤などの接着剤、溶接などを用いる従来のボンディング技術を用いることができる。
別の実施例では、このような構造をプレフォーム25に溝を形成し、これらの溝を導電材料27で埋めて導体を形成し、更にその上に他の非導電材料の層37を設けることで形成することが可能である。例えば、セラミック基板に軟化性導体(emollient conductor)で埋められた溝を設け、導体が硬化した後に、ラップ仕上げして平坦にすることができる。そして、やはりセラミックからなる上層を接着剤で取着する。プレフォームブロックが完成すると、アダプタ52をマイクロ加工、研削などにより切り離すことができる。得られたアダプタは、基板78と、導電ストリップ56を介して第1の面39から第2の面41へと伸びる導電路とを有することができる。
図38及び図39を参照すると、全体に符号340が付された別のシステムが、SSID38のイメージングアレイ48に光学的に結合するGRINレンズのようなレンズ40を有している。一実施例では、レンズはイメージングアレイに透明な接着剤によって結合することができる。SSID上には導電パッドも設けられ、電気信号、パワー、アース及び/または制御をSSIDに対して送受可能とするよう構成されている。
SSID38はシリコンまたはシリコンのような基板或いはアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(TFT)を有することができ、通常様々な特徴部が形成されている。イメージングアレイ48、導電パッド42、金属細線(図示せず)、回路(図示せず)等を含む特徴部を形成することができる。導電パッドに関し、導電パッドとアダプタ52との間の接続は、半田付け、ワイヤボンディング、半田バンピング、共融ボンディング、電気めっき及び導電エポキシで行うことができる。しかしながら、この構造では、導電ストリップと導電パッドの間にワイヤボンディングを含まない直接半田結合が、電気的ボンディングが破損するリスクが小さく良好な操縦性が得られるので好ましい。アンビリカルの導電ワイヤとアダプタの導電ストリップとの間の電気接続についても同様である。一実施例では、アンビリカルは、アダプタを介してSSIDにパワー、アース、クロック信号及び出力信号を与えることができる。GRINレンズの周囲の領域に光を照射するための発光ダイオード(LED)(図示せず)のような別の集積回路部品を所望の用途に応じて設けてもよい。LEDがSSID上にある場合、アダプタは光が通過できるように透明な材料からなるものとすることができる。上記した部品は例示的なものであって、従って、視覚または光子データを収集する手段及びそのデータを視覚イメージまたは視覚再構成に変換する何らかの手段があれば、これらの部品を全て具備する必要はない。SSIDは、CCD、CIDまたはCMOSイメージング装置のような、任意の固体イメージング素子からなるものとすることができる。
レンズ40は、不透明なコーティングで曲面を被覆され、SSIDから最も離れた側の平坦面以外から光が入るのが防止されたGRINレンズとすることができる。別の方法として、開口68を有するアダプタ52によってレンズ40が支持されている場合、アダプタが不透明コーティングと同様の機能を果たすことができる。
アダプタ52は、“角を曲がった”構造において導通を提供するよう構成された4つの導電ストリップ56を有している。これらの導電ストリップは、アダプタとSSIDが組み合わされたとき、SSID38上の導電パッド42に接触するよう配置されている。この構造では、導電ワイヤ32を含むアンビリカル30は導電ストリップに電気的に結合することができる。組立時、導電ストリップに導電ワイヤを接続することで、導電パッドを活性化し、SSIDに対してパワー、信号、アース及び/または制御の送受が可能となる。
次に図40及び図41を参照すると、全体に符号350が付された実施例において、レンズ40がコネクタブロックまたはアダプタ52と補助レンズホルダ76とによって支持されている。このアダプタと補助レンズホルダは、それぞれの開口68、69を介してGRINレンズを受容し保持するよう構成されている。アダプタは2つの異なる材料を含むものとすることができる。第1の材料は基板78を形成する非導電材料とすることができる。基板は、例えば金属などの導電材料からなる1または複数の導電ストリップ56を支持する。導電ストリップは、この実施例では絶縁処理を施された導電ワイヤ32を含むアンビリカルと、SSID38上の導電パッド42との間の導通を提供する働きをする。導電ワイヤは、銀または金充填エポキシ、銀または金半田または他の適切な接着剤若しくは共融導電材料などの導電性ボンディング材料を用いて導電ストリップに結合することができる。
導電ワイヤ32の各々もユーティリティまたはワイヤガイド36によって、より詳細には、各ワイヤをユーティリティガイドによって画定された管腔60に通すことによって、適切な位置に支持することができる。導電ワイヤは、アンビリカルを通じてアダプタ52(最終的にはSSIDチップ)とコンピュータインタフェース(図示せず)との間に導通を提供し、SSIDを、電源、信号プロセッサ、アースまたは制御装置(図示せず)などの他の構造とリンクする。また導電ワイヤはテンションワイヤとして操縦のために用いることもできる。しかしながら、カメラヘッドの向きを制御する別の手段を設けることが可能であるので、これは必ずしも必要ではない。
導電ストリップ56の各々はアダプタ52の側面の或る場所からアダプタの底面の或る場所へと電流を流すことができるよう構成されている。導電ストリップの詳細は図19及び20を参照することで理解できる。図17及び図18を参照すると、導電パッド42はSSID38のイメージングアレイ48に電気的に結合されている。更に、導電ワイヤ32の各々は対応する導電ストリップ56に電気的に結合されている。従って、アダプタをSSIDに組み合わせる際、導電ストリップと導電パッドとを整合させることで、電力及びデータ信号を、それらの発生源からアンビリカルの導電ワイヤを通って、対応する導電ストリップを介し、更に対応する導電パッドを通じてイメージングアレイへと送る(或いはイメージングあれいから受け取る)ことができる。
次に図42及び図43を参照すると、全体的に符号360が付されたシステムでは、イメージングカテーテルの末端部分15にGRINレンズなどのレンズ40が含まれている。レンズはコネクタブロックまたはアダプタ52によって横方向に支持されている。上記したような補助レンズホルダを用いることもできるが、本実施例では用いていない。本実施例でも、アダプタは、レンズを支持する機能と、電気的アンビリカル30とSSID38との間を電気的に接続する機能の2つの機能を有する。アダプタは典型的には非導電基板材料78と導電ストリップ56とを含む。非導電基板材料は、IBMによって製造されているSU−8ポリマー材料、Corningによって製造されている感光性ガラスであるFoturan、LIGA (Lithographie Galvanoformung Abformung)によってモールドされたポリメタクリル酸メチル(PMMA)、または酸化された深堀の反応性イオンエッチング(DRIE)で処理されたシリコンなどの、耐火性材料や高分子材料とすることができる。一実施例では、材料を実質的に透明とすることができ、それによってアダプタのSSIDへの取り付けの確認を、顕微鏡を用いるなどして視認検査することにより、より容易に行うことができる。SSIDが、それに組み込まれたLEDなどの光源を有する場合、透明なブロック材料は光を前方に送るのを可能とする。上記したように、導電ストリップをアダプタに取着することができ、それにより、アダプタの側面から底面にかけて角を曲がって導電路を確保することができる。レンズを支持する中央開口69をアダプタに設けることもできる。
導電ワイヤ32を含む電気的アンビリカル30は、絶縁被覆部88を有することができる。導電ワイヤは、複数の管腔60を有するユーティリティガイド36によって支持される。この実施例では、絶縁被覆部はワイヤの末端付近では除去されている。これは、導電ワイヤ32が導電ストリップ56に接触するのを可能とするためであり、それによってSSID38と電源、制御装置、及び/またはプロセッサ(図示せず)との間に導電ワイヤを介した電気的接続を提供することができる。この実施例では、各導電ワイヤは側面において導電ストリップに取着されており、上記したように2つの導電ラインを電気的に結合するのに用いることのできる導電性ボンディング材料82によって、それらの間の電気的接触が保持されている。
アダプタ52の底面において、導電ストリップ56はSSID38の導電パッド42にも接触している。この接触も、上記したような導電性ボンディング材料84を用いることで固定される。SSIDはイメージングアレイ48、付加的なIC要素(図示せず)、導電パッド、及び導電パッドとイメージングアレイとの間の電気接続部52を有することができる。それに加えて、SSIDはマイクロプロセッサや、上記したLEDのような光源を更に有することもできる。
小型イメージング装置の部品は、所望に応じて一体に結合または融合することができる。例えば、UV硬化エポキシなどのエポキシを用いてレンズ40をSSIDのイメージングアレイ48に結合することができる。しかしながら、そのようなエポキシを使用する場合、SSIDや装置の他の構造を損傷するような強度でUV光を用いないように注意が必要である。部品を一体に保持するのにエポキシなどのボンディング材料を用いることのできる他の場所としては、レンズとアダプタ52の間、SSIDの基板とユーティリティガイド36の間、ユーティリティガイドと電気的アンビリカル(テンションワイヤとして働いても働かなくてもよい)との間がある。ユーティリティガイドを、同様にして、カテーテルの残りの部分(図示せず)に結合することもできる。
上記実施例の構造は、レンズをSSID38上の所定位置に保持する働きをするだけでなく、電力、アース、制御及び/またはデータ信号を側面に隣接する導電ワイヤからSSID上の導電パッドへと供給する働きもする非常に小型のアダプタ52によって容易に実現されている。しかしながら、アダプタには他の利点もある。例えば、この構造では、SSID上におけるレンズの位置決め及びアライメントが容易に実現される。イメージング装置の全幅は約0.5mmより小さいこともあるので、このことは特に有益である。更に、ワイヤはアダプタの側面に取着されるので、導電ワイヤを曲げる必要がない。これにより、ワイヤ及び小型イメージング装置全体の強度を増し、接続や組立を容易にすることができる。このように、本実施例では、アダプタ構造によって非常に小型のイメージング装置の製造が容易になっている。
次に、一実施例においてアダプタ52がどのように形成可能かを説明する。図44a〜図44hは2つのアダプタの製造について示している。これは一例であって、個々のアダプタを個別に作ることも、或いは、3以上のアダプタを同時に作ることも、以下に述べるプロセスで、または他の公知のチップ製造プロセスを用いて、可能である。図は断面図として示されており、2つのアダプタのうちの一つは図43のライン4−4に沿って示されている。以下、図44a〜図44hについてまとめて順に説明する。
図44aを参照すると、アダプタの作成に用いられる基板102が示されている。基板は、例えば、シリコンウェハとすることができる。基板上には除去可能層104が形成または成長される。基板102がシリコンウェハの場合、除去可能層104は熱二酸化シリコン層(thermal silicon dioxide layer)とすることができる。適切な厚さは約0.5μmとすることができる。これは、1または複数の主レンズホルダを製造する作業ベースを提供する。
例えばIBMによって製造されているSU−8のようなポリマー層106を所望の厚さを有する二酸化シリコン層上にスピンコーティングすることができる。続いて、これらの層をマスクを用いて選択的にUV光に露出し、所望の構造を形成する。これらのポリマーブロックは各々アダプタの基板となることができる。この構造のサイズの例としては、高さ300μm、長さ360μm、幅380μmとすることができる。レンズを保持する中央開口は約300μmの直径とすることができる。このように、長さが360μmで開口の直径が300μmである本実施例の場合、開口の端とポリマーの端との間には、たかだか30乃至35μmの距離があることとなる。上記した寸法は例として挙げたものである。より大きなまたはより小さなブロックを、開示される方法に基づいて形成することができる。
ポリマー106の上面に、金属細線材料108がスパッタリングまたは蒸着により適切な厚さに形成される。金属細線材料は最終的に導電ストリップとなる。例えば金を金属細線材料として用いることができる。また、形成される金属細線の適切な厚さは、製造されるSSIDのサイズに依存する。しかしながら、本例に合った厚さとしては、約0.5μmの厚さを用いることができる。
そうして、フォトレジスト材料110を金属細線材料の上に加えることができる。フォトレジスト材料は、熱やUV光などのエネルギーに曝すことで変質し得る任意の材料とすることができる。また、フォトレジスト材料は、用途に応じて、所望の結果が得られるように希釈することができる。一実施例では、溶剤の蒸散により熱に感受性を有するフォトレジスト材料を用いることができる。UV光を用いて選択的にフォトレジストを露光することができ、UV露光されたフォトレジストは現像器で現像することで除去したり(ポジ型フォトレジストを使用)、露光されなかったフォトレジストを現像器で現像して除去したりすることができる(ネガ型フォトレジストを使用)。厚みにばらつきがあるため、フォトレジストは異なる速度で蒸発して、例えば図44bに示すような形状のフォトレジスト材料が残る。使用されるフォトレジスト材料によって、厚みの差は10倍程度或いはそれ以上になることがあり、例えばある領域では2μmで別の領域では20μmということもあり得る。所望の形状のフォトレジスト材料110が形成されると、基板102とは反対の側から、フォトレジスト材料にUV光116が照射される。フォトマスク114を用いて、図44cに示すように、フォトレジスト材料の離散した所望の部分のみが現像されるようにすることができる。また、このときフォトレジスト材料の薄い部分、即ち、上部のみが除去される。
図44cでは、フォトレジスト材料が除去され金属細線要素の露出された部分が、例えばウェットエッチングまたはドライエッチングにより除去可能となっている。図44dは、上述したように部分的に除去された後のフォトレジスト材料の状態を示している。続いて、図44eに示すように、フォトレジスト材料が完全に除去される。フォトレジスト材料は、選択されたフォトレジスト材料と反応することが知られている材料を用いて除去することができる。一実施例では、フォトレジスト材料の除去にアセトンを用いることができる。
次に、図44fに示すように、基板中に切れ込み(saw cut)112を、例えば、チップ製造用鋸を用いて例えば基板の概ね半分に達するように形成することができる。この過程によって、図44gに示すように除去可能層104を除去するための開口が形成される。例えば除去可能層104が二酸化シリコンからなる場合、フッ化水素酸(HF)を用いて除去可能層と反応させ、ポリマー106を基板との接続から解放することができる。二酸化シリコンが除去されると、ポリマー106に付着していない金属細線部分108は図44hに示すように破り捨てることができる。こうして、2つのアダプタ52を基板102から分離して、各々を上述したようなSSIDを担うカテーテルと共に使用することができる。
これまで説明した実施例は、直接ボンディングまたは結合によってSSIDのイメージングアレイに光学的に結合されたGRINレンズを示していた。しかしながら、“光学的に結合”という用語は、GRINレンズから光を集めるとともにSSIDのイメージングアレイにレンズを結合する更なる手段も提供する。例えば、GRINレンズとSSIDの間に、カラーフィルタ、光ファイバ、或いはプリズムや広角レンズのような所望の形状のレンズなどの別の光学素子を設けることができる。特に、ベイヤー(Bayer)フィルタパターンのような所定のパターンを有するフィルタを用いることにより、単色イメージングを多色カラーへと変換するシステムを実現することができる。ベイヤーフィルタパターンの基本構成ブロックは、1つの青(B)、1つの赤(R)、及び2つの緑(G)の四角形領域を有する2×2パターンである。ベイヤーフィルタパターンを用いる利点は、一つのセンサのみを用いて、全カラー情報を同時に記録することができ、より小さな且つ安価な装置を提供することができることである。一実施例では、分離された色のモザイクを真の色の同じ大きさのモザイクに変換するのにデモザイク(demosaicing)アルゴリズムを用いることができる。各カラー画素を2回以上用いることができ、一つの画素の真の色は周囲の直近の画素の値を平均することによって定めることができる。
具体的には、図45乃至図47を参照すると、全体に符号370が付されたカラーフィルタインサートが、概ね光学的に透明なフィルタ基板372とカラーフィルタモザイク部374とを有している。このフィルタインサートは全体的に緑色透明カラー材料376、青色透明カラー材料378、及び赤色透明カラー材料377とからなる。透明カラー材料376、378、377の各々はBrewer Scienceから入手可能な重合カラー樹脂からなるものとすることができる。一実施例では、緑色カラー材料376を最初に透明なフィルタ基板上に配置し、続いて赤色カラー材料377及び青色カラー材料378を緑色材料によって定められた適切な空間に配置することができる。各透明カラー材料は、SSIDイメージアレイ画素の大きさとなるように構成することができる。光学的に透明なフィルタ基板は、例えば、IBMから入手可能なSU−8のようなポリマー材料とし、約20μmの厚さとすることができるが、他の厚さを用いてもよい。
図48を参照すると、システム380では、光学的に透明なフィルタ基板372とカラーフィルタモザイク部374を有するカラーフィルタインサート370が、レンズ40とSSID38のイメージングアレイ48との間に配置されている。SSIDをカラーフィルタインサートまたは光ファイバを介してレンズに接続して光学的接続を達成するのに、例えば光学的に透明なボンディング用エポキシによるボンディングなど、任意のボンディング技術または機械的結合を用いることができる。図48には、図42に関連して説明したのと同様の他の構造も示されている。
図49及び図50は、それぞれ、下側斜視図及び上側斜視図として、カラーフィルタインサート370及びアダプタ52の関係の一例を示しており、カラーフィルタはアダプタ上に直接的に一体化することができる。アダプタは、上述したように、基板78と導電ストリップ56とを有する。
図51を見ると、システム390において、光学的に透明なフィルタ基板372とカラーフィルタモザイク部374を有するカラーフィルタインサート370が、レンズ40とSSID38のイメージングアレイ(図示せず)との間に配置されている。図52は、別のシステム400を示しており、そこでは、レンズ40をSSID38のイメージングアレイ(図示せず)に光学的に結合するのに光ファイバ202が用いられている。SSIDをカラーフィルタインサートまたは光ファイバを介してレンズに接続して光学的接続を達成するのに、例えば透明なボンディング用エポキシによるボンディングなど、任意のボンディング技術または機械的結合を用いることができる。上記したように、図51及び図52のどちらでも、末端部分15に設けられたイメージング装置は、導電ワイヤ32や他のユーティリティ(図示せず)を含み得るアンビリカル30を支持するためのユーティリティガイド36を有することができる。また、図51及び図52のどちらも、カメラを支持するとともに方向を変えられるようにするマイクロ加工された管46を示している。
理解されるように、本発明の原理に基づくイメージング装置は非常に小型とすることができ、様々なイメージングにおける問題を解決するのに有用であり、特に、例えば人体における小さな開口または管腔(トロカール管腔のように人工的なもの或いは解剖学的構造上のもの)の内方に位置する部位をイメージングしたり、小さな切れ目などを通じてイメージングしたりする場合のように、小さな開口の内方の離れた場所をイメージングする際の問題を解決するのに有用であり、本構造によってアセンブリの小型化及び単純化が容易となる。実際、SSIDが固体素子であることや他の特徴によって、これらのカメラをミクロンオーダーで作成することができ、従前はアクセスできなかった領域(歯科/歯列矯正、ファロピーオ管、心臓、肺、耳の前庭、など)に到達することが可能となる。また、結腸、胃、食道、その他の同様の体内構造を含むより大きな管腔や腔所を、患者にかける負担はより小さく、より快適に観察することができる。更に、このような装置はその場(in situ)での組織分析に用いることもできる。
上記した実施例は本発明の原理の適用例を示すものであることを理解されたい。本発明は、本発明の実施例に基づいて説明され且つ図面に示されているが、様々な変形変更が本発明の思想及び範囲を逸脱することなく可能である。当業者には明らかなように、特許請求の範囲に記載された本発明の原理及び概念を逸脱することなく様々な変形を行うことができる。