[go: up one dir, main page]

JP4825747B2 - 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法 - Google Patents

非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4825747B2
JP4825747B2 JP2007184556A JP2007184556A JP4825747B2 JP 4825747 B2 JP4825747 B2 JP 4825747B2 JP 2007184556 A JP2007184556 A JP 2007184556A JP 2007184556 A JP2007184556 A JP 2007184556A JP 4825747 B2 JP4825747 B2 JP 4825747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
single crystal
group iii
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007184556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009018975A (ja
Inventor
義孝 倉岡
茂明 角谷
実人 三好
美能留 今枝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2007184556A priority Critical patent/JP4825747B2/ja
Publication of JP2009018975A publication Critical patent/JP2009018975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4825747B2 publication Critical patent/JP4825747B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、非極性面III族窒化物単結晶の育成方法に関するものである。
従来の技術
窒化ガリウム(GaN)薄膜結晶は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードにおいて実用化され、光ピックアップ用の青紫色半導体レーザー素子としても期待されている。特に非極性面GaN基板を応用すると、高In組成比のInGaNを用いる緑色LEDの製造において欠陥増加を抑えられ、ピエゾ電界の発生がないため高効率化を達成できる。また、高効率のLDの実現が可能となるものと期待されている。
GaN やAlN の種結晶膜をサファイアなどの単結晶基板上に堆積させてテンプレート基板を得、テンプレート基板上にGaN 単結晶を育成する方法が報告されている(特許文献1)。
特開2000−327495号公報
特許文献2は、いわゆるボイド形成剥離(Void−Assisted Separation;VAS)法を開示している。すなわち、GaNエピタキシャル成長後のサファイア基板上に、GaN分解触媒作用のあるチタンやニッケルを堆積し、アンモニアガスなどの雰囲気下で熱処理を行い、空隙のある窒化チタン、窒化ニッケルを形成する。その空隙のある窒化物層上にGaNを成長させると、空隙を埋めながらGaNが成長し、結晶性が向上する。そして、GaN単結晶を成長させた後には、空隙層にてサファイア基板とGaN単結晶が剥離するので、GaN単結晶の自立基板が得られる。
特開2002−343728
特許文献1記載の方法では、例えばGaN単結晶膜を下地のテンプレート基板から剥離させることは困難であり、GaN単結晶の自立基板を作製することは難しい。
特許文献2記載のVAS法では、サファイア基板上に極性面(c面)GaN膜をMOCVD法により成膜する。そして、チタン膜を蒸着した後、チタン膜を加熱窒化処理し、この上にHVPE法によってc面GaN単結晶を育成している。ところが、本発明者は、この方法によって、非極性面(a面・m面)GaN単結晶を窒化チタン膜上に形成することを試みた。しかし、この方法では、GaN単結晶の成長速度が極端に遅く、得られたGaN単結晶の欠陥密度も高いために、工業的に利用不可能な方法であることが判明した。
本発明の課題は、品質の良い非極性面III族窒化物の単結晶からなる自立基板を高い生産性で得る方法を提供することである。
本発明に係る方法は、
非極性面III族窒化物からなる下地膜を基板上に気相成長法により形成する下地膜形成工程;
下地膜上に金属膜を形成する金属膜形成工程;
この金属膜を窒化することによって、空隙を有する金属窒化物膜を設ける窒化工程;
前記金属窒化物膜上に非極性面III族窒化物からなる種結晶膜を形成する工程;および
非極性面III族窒化物の単結晶を種結晶膜上にフラックス法によって育成する結晶育成工程
を備えていることを特徴とする。
本発明者は、特許文献2記載の方法を非極性面III族窒化物単結晶へ適用することを研究した。この方法では、サファイア基板上にGaN膜を気相成長法により成膜し、次いで金属膜を蒸着後、窒化したものを種基板とする。この種基板にHVPE法によってGaN単結晶を育成してみた。まず、c面GaN単結晶の場合には、成長レート100μm/h,欠陥密度10cm−2が得られ、成長速度、結晶性ともに比較的良好であった。ところが、a面GaN単結晶、m面GaN単結晶の場合には、成長レートは3μm/hと極めて低く、欠陥密度も10cm−2と高く、実用に堪えないことが判明した。
このため、本発明者は、サファイア基板上に非極性面(a面・m面)GaN膜を気相成長法により成膜し、次いで金属膜を蒸着後、窒化し、再び非極性面GaN膜を気相成長法により成膜したものを種基板とし、この上にフラックス法によって非極性面III族窒化物単結晶を形成することを試みた。この結果、例えば、GaN単結晶を形成した場合、c面、a面、m面にて成長レート10μm/h,欠陥密度10cm−2が得られた。すなわち、非極性面III族窒化物の場合にも、c面III族窒化物と同等以上の成長速度と結晶性とが得られることを見いだし、本発明に到達した。
しかも、フラックス法による結晶成長終了後の降温時に、サファイア基板と非極性面III族窒化物単結晶の熱膨張係数差により、密着性の弱い金属窒化膜による空隙層にて基板とこの単結晶とが自然に剥離し、単結晶が自立することを見いだした。この剥離により、反りによる応力がなくなるため、結晶成長後の降温時にクラックが発生しにくい。しかも、自然剥離するため、パルスレーザーや基板の研磨といった剥離工程を必要とせず、自立基板への熱的・機械的ダメージがない。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
図1(a)に示すように、基板1の表面1 aに、非極性面III族窒化物からなる下地膜2を形成する。次いで、図1(b)に示すように、下地膜2上に金属膜3をスパッタ法、蒸着法等の気相法で形成する。次いで、この金属膜3を窒化し、金属窒化物膜4を形成する(図1(c))。この窒化の際に、金属窒化物膜4内には微細な空隙が多数生成する。また、下地膜2にも微細な空隙ないし凹部が多数生成する傾向がある。次いで、図1(d)に示すように、金属窒化物膜4上に、非極性面III族窒化物からなる種結晶膜5を形成する。
次いで、図2(a)に示すように、フラックス法によって非極性面III族窒化物の単結晶6をエピタキシャル成長させる。この状態で、非極性面III族窒化物単結晶6が厚くなると、これが基板1から金属窒化物膜4に沿って剥離しやすくなる。従って、図2(b)に示すように、単結晶6を基板1から金属窒化物膜4に沿って容易に剥離させ、自立基板を得ることができた。
本発明において、基板は、非極性面III族窒化物の成長が可能であるかぎり、特に限定されない。サファイア、シリコン単結晶、α−SiC単結晶、γ−LiAlO2、LiGaO2等を例示できる。
本発明では、下地膜、種結晶膜を非極性面III族窒化物によって形成し、また非極性面III族窒化物単結晶をフラックス法で成長させる。これらの非極性面III族窒化物は、互いに同じ組成であることが好ましいが、エピタキシャル成長が可能であれば、互いに異なっていても良い。
各III族窒化物のウルツ鉱構造は、c面、a面およびm面を有する。これらの各結晶面は結晶学的に定義されるものである。非極性面III族窒化物とは、基板表面がa面またはm面のIII族窒化物である膜または単結晶基板を意味している。下地膜、種結晶膜、およびフラックス法によって育成される非極性面III族窒化物単結晶の育成方向は、a 面の法線方向であってよく、またm面の法線方向であってもよい。
これらの各非極性面III族窒化物は、Ga、Al、Inから選ばれた一種以上の金属の窒化物であることが好ましく、GaN、AlN、GaAlN,GaAlInNなどが特に好ましい。さらに、これらの窒化物には意図しない不純物元素を含んでいても良い。また導電性を制御するために、意図的に添加したSi,Ge,Be,Mg,Zn,Cdなどのドーパントを含んでいても良い。
下地膜の形成方法は気相成長法であるが、有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、ハイドライド気相成長(HVPE)法、MBE法、昇華法を例示できる。
本発明において、金属膜は、金属窒化物の分解を促進する触媒作用を有する金属であれば、特に限定されない。この金属は、チタン、チタン合金、ニッケルまたはニッケル合金からなることが望ましいが、Fe,Zr,Hf,W,Ptも利用できる。
金属膜の厚さは500nm以下であることが望ましい。窒化された後の金属膜は、窒化前の金属膜よりも厚くなることがあるが、ここでは、窒化前の金属膜の厚さを言うものとする。これは、金属膜の厚さが500nmよりも厚くなると、金属膜が窒化された際に、微細な穴が形成されにくくなり、下地GaN層の埋め込み成長が難しくなるためである。金属膜の厚さの下限は特にないが,本発明の観点から50nm以上であることが好ましい。
金属膜を窒化し、下地膜に空隙を形成するための熱処理温度は限定されないが、分解促進という観点からは、700℃以上が好ましい。また、下地膜や基板の劣化を抑制するという観点からは、1200℃以下が好ましい。
金属膜を窒化する際の雰囲気は、窒素原子含有気体を含んでいればよく、具体的には窒素、アンモニアなどを含んでいれば良い。雰囲気中の窒素含有気体以外のガスは限定されないが、水素ガス、アルゴン、ヘリウムが特に好ましい。
空隙を有する金属窒化膜の気孔率は、10%以上であることが好ましく、30%以上であることが更に好ましい。これによって、非極性面III族窒化物の転位密度の低減効果が向上する。また、非極性面III族窒化物の生成促進という観点からは、この気孔率は、90%以下が好ましく、70%以下が更に好ましい。
上記金属膜窒化工程は、次の工程である種結晶膜生成まで同一炉内にて続けて行うのが好ましい。
種結晶膜は、下地層について記述した前記材料で形成でき、また前記方法によって形成できる。ただし、種結晶膜と下地膜とは、同一組成のIII族窒化物からなっていてよく、あるいは組成の異なるIII族窒化物からなっていてよい。また、種結晶膜の成膜方法は、下地層の成膜方法と同一であってよく、異なってもいても良い。
本発明において、非極性面III族窒化物をフラックス法によって育成する。この際、フラックスの種類は、III族窒化物単結晶を生成可能である限り、特に限定されない。好適な実施形態においては、アルカリ金属とアルカリ土類金属の少なくとも一方を含むフラックスを使用し、ナトリウム金属を含むフラックスが特に好ましい。
フラックスには、目的とするIII族窒化物単結晶の原料を混合し、使用する。フラックスを構成する原料は、目的とするIII族窒化物単結晶に合わせて選択する。
例えば、ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。アルミニウム原料物質としては、アルミニウム単体金属、アルミニウム合金、アルミニウム化合物を適用できるが、アルミニウム単体金属が取扱いの上からも好適である。インジウム原料物質としては、インジウム単体金属、インジウム合金、インジウム化合物を適用できるが、インジウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
フラックス法におけるIII族窒化物単結晶の育成温度や育成時の保持時間は特に限定されず、目的とする単結晶の種類やフラックスの組成に応じて適宜変更する。一例では、ナトリウムまたはリチウム含有フラックスを用いてGaN単結晶を育成する場合には、育成温度を800〜1000℃とすることができる。
フラックス法では、窒素原子を含む気体を含む雰囲気下で単結晶を育成する。このガスは窒素ガスが好ましいが、アンモニアでもよい。雰囲気の全圧は特に限定されないが、フラックスの蒸発を防止する観点からは、10気圧以上が好ましく、30気圧以上が更に好ましい。ただし、圧力が高いと装置が大がかりとなるので、雰囲気の全圧は、2000気圧以下が好ましく、500気圧以下が更に好ましい。雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。
(実施例1)
図1、図2を参照しつつ説明した前記方法に従い、非極性a面GaN単結晶を育成した。
(1) 下地膜の生成
直径2インチのr面サファイア基板1をMOCVD炉(有機金属化学気相成長炉)内に入れ、水素雰囲気中で1150℃にて10分加熱し、表面のクリーニングを行なった。次いで、基板温度を500℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニアを原料としてGaN膜を0.03μmの厚さに成長させた。次いで、基板温度を1100℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜2を0.5μmの厚さに成長させた(図1(a))。
(2) 金属蒸着・窒化処理
この基板上に、チタン膜3を0.2μmの厚さに蒸着した(図1(b))。次いで、水素ガスおよびアンモニアガス雰囲気中にて1100℃で60分加熱したところ、チタン層に微細な穴が全面に発生したことが確認された。X線回折測定を行ったところ、TiNの回折ピークが観察され、窒化チタン4が生成したことが確認された(図1(c))。
(3) 種結晶膜の生成
この基板をMOCVD炉内に再び入れ、基板温度を1100℃にて、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜5を2μmの厚さに成長させた(図1(d))。このGaN膜5の欠陥密度を測定したところ、10個/cmであった。
(4) フラックス法
この基板を種基板として、Naフラックス法にてGaN結晶6を育成した。成長に用いた原料は、金属ガリウム、金属ナトリウムおよび金属リチウムである。アルミナるつぼに金属ガリウム45g、金属ナトリウム66g、金属リチウム45mgをそれぞれ充填して、炉内温度900℃・圧力50気圧にてGaN単結晶を約100時間育成した。るつぼから取り出したところ、透明な単結晶が成長しており、基板表面にGaNが約1mmの厚さで堆積していた。
サファイア基板は冷却中に自然に剥離しており、クラックの発生もみられなかった。チタン膜の窒化の際に形成された空隙にて、サファイアとGaNの熱膨張差により剥離していた。同じ工程を10回繰り返し行ったところ、10回とも同様の結果であった。
このようにして得られたGaN自立基板を、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨することにより平坦化し、直径2インチのGaN単結晶の自立基板を得た。このGaN単結晶基板の欠陥密度を測定したところ、10個/cm以下であり、種結晶膜よりも大幅に減少していた。XRDによる(11−20)ωスキャンの半値幅は50秒が得られた。
(実施例2)
図1、図2を参照しつつ説明した前記方法に従い、非極性m面GaN単結晶を育成した。
(1) 下地膜の生成
直径2インチのm面サファイア基板1をMOCVD炉(有機金属化学気相成長炉)内に入れ、水素雰囲気中で1150℃にて10分加熱し、表面のクリーニングを行なった。次いで、基板温度を500℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニアを原料としてGaN膜を0.03μmの厚さに成長させた。次いで、基板温度を1100℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜2を0.5μmの厚さに成長させた。
(2) 金属蒸着・窒化処理・種結晶膜の生成
この基板上に、チタン膜3を0.2μmの厚さに蒸着し、MOCVD炉内に再び入れ、水素ガスおよびアンモニアガス雰囲気中にて1100℃で60分加熱し、基板表面の金属層3をアニール処理し、窒化処理を行った。得られた窒化層には、微細な穴が全面に発生したことが確認された。X線回折測定を行ったところ、TiNの回折ピークが観察され、窒化チタン4が生成したことが確認された。次いで、基板温度を1100℃にて、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜5を2μmの厚さに成長させた(図1(d))。このGaN膜5の欠陥密度を測定したところ、10個/cmであった。
(3) フラックス法
この基板を種基板としてNaフラックス法にてGaN結晶6を育成した。成長に用いた原料は、金属ガリウム、金属ナトリウムおよび金属リチウムである。アルミナるつぼに金属ガリウム45g、金属ナトリウム66g、金属リチウム45mgをそれぞれ充填して、炉内温度900℃・圧力50気圧にてGaN単結晶を約100時間育成した。るつぼから取り出したところ、透明な単結晶が成長しており、基板表面にm面GaN単結晶膜5が約1mmの厚さで堆積していた。
サファイア基板は冷却中に自然に剥離しており、クラックの発生もみられなかった。チタン膜の窒化の際に形成された空隙にて、サファイアとGaNの熱膨張差により剥離していた。同じ工程を10回繰り返し行ったところ、10回とも同様の結果であった。
このようにして得られたGaN自立基板を、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨することにより平坦化し、直径2インチのGaN単結晶の自立基板を得た。このGaN単結晶基板の欠陥密度を測定したところ、10個/cm以下であり、種結晶膜よりも大幅に減少していた。XRDによる(1−100)ωスキャンの半値幅は50秒が得られた。
(比較例1)
(MOCVD法)
直径2インチのr面サファイア基板1をMOCVD炉(有機金属化学気相成長炉)内に入れ、水素雰囲気中で1150℃にて10分加熱し、表面のクリーニングを行なった。次いで、基板温度を500℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニアを原料としてGaN膜を0.03μmの厚さに成長させた。次いで、基板温度を1100℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜2を0.5μmの厚さに成長させた。このときの成長レートは、c面サファイア基板を成長したときとほぼ同じであった。
(金属蒸着・窒化処理・種結晶膜の生成)
この基板上に、チタン膜3を0.2μmの厚さに蒸着し、MOCVD炉内に再び入れ、水素ガスおよびアンモニアガス雰囲気中にて1100℃で60分加熱し、基板表面の金属層3をアニール処理し、窒化処理を行った。得られた窒化層には、微細な穴が全面に発生したことが確認された。X線回折測定を行ったところ、TiNの回折ピークが観察され、窒化チタン4が生成したことが確認された。次いで、基板温度を1100℃にて、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜5を2μmの厚さに成長させた(図1(d))。このGaN膜5の欠陥密度を測定したところ、10個/cmであった。
(HVPE法)
これに続き、基板をHVPE炉に入れ、塩化水素(HCl
)と金属ガリウム(Ga)を反応させた塩化ガリウム(GaCl)とアンモニアおよび水素を原料とし、基板を1050℃の温度に昇温する。アンモニアガスと水素ガス流量は、それぞれ1slm、5slmとした。温度が安定した後、HCl を0.05slmの流速にて金属Ga上に流して反応させ、GaClを発生させた。このような手法にて基板上にa面GaNを100時間成長させたところ、膜厚は300μmであり、成長速度が非常に遅かった。GaN単結晶にはクラックが多数発生し、サファイア基板は剥離していなかった。同じ工程を10回繰り返し行ったところ、10回とも同様の結果であった。
このa面GaN単結晶から、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨することによりサファイア基板を除去することを試みたが、GaN単結晶は割れが発生し分割された。分割された一部の欠陥密度を測定したところ、10個/cm以上であった。これはNaフラックス法により得たa面GaN単結晶基板よりも多く、窒化チタン膜による転位低減効果が少なかった。
(比較例2)
(MOCVD法)
直径2インチのm面サファイア基板1をMOCVD炉(有機金属化学気相成長炉)内に入れ、水素雰囲気中で1150℃にて10分加熱し、表面のクリーニングを行なった。次いで、基板温度を500℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)、アンモニアを原料としてGaN膜を0.03μmの厚さに成長させた。次いで、基板温度を1100℃まで下げ、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜2を0.5μmの厚さに成長させた。このときの成長レートは、c面サファイア基板を成長したときとほぼ同じであった。
(金属蒸着・窒化処理・種結晶膜の生成)
この基板上に、チタン膜3を0.2μmの厚さに蒸着し、MOCVD炉内に再び入れ、水素ガスおよびアンモニアガス雰囲気中にて1100℃で60分加熱し、基板表面の金属層をアニール処理し、窒化処理を行った。得られた窒化層には、微細な穴が全面に発生したことが確認された。X線回折測定を行ったところ、TiNの回折ピークが観察され、窒化チタン4が生成したことが確認された。次いで、基板温度を1100℃にて、TMG(トリメチルガリウム)とアンモニアとを原料としてGaN膜5を2μmの厚さに成長させた(図1(d))。このGaN膜5の欠陥密度を測定したところ、10個/cmであった。
(HVPE法)
これに続き、基板をHVPE炉に入れ、塩化水素(HCl
)と金属ガリウム(Ga)を反応させた塩化ガリウム(GaCl)とアンモニアおよび水素を原料とし、基板を1050℃の温度に昇温する。アンモニアガスと水素ガス流量は、それぞれ1slm、5slmとした。温度が安定した後、HCl を0.05slmの流速にて金属Ga上に流して反応させ、GaClを発生させた。このような手法にて基板上にGaN単結晶を100時間成長させたところ、膜厚は300μmであり、成長速度が非常に遅かった。GaN単結晶にはクラックが多数発生し、サファイア基板は剥離していなかった。同じ工程を10回繰り返し行ったところ、10回とも同様の結果であった。
このm面GaN単結晶から、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨することによりサファイア基板を除去することを試みたが、GaN単結晶は割れが発生し分割された。分割された一部の欠陥密度を測定したところ、10個/cm以上であった。これはNaフラックス法により得たm面GaN単結晶基板よりも多く、窒化チタン膜による転位低減効果が少なかった。
以上述べたように、本発明によれば、転位密度・積層欠陥密度の低い、高品質な非極性面GaN単結晶基板の製造が、容易に従来の設備で行えるようになる。
(a)は、基板1上に下地膜2を形成した状態を示す断面図であり、(b)は、下地膜2上に金属膜3を形成した状態を示す断面図であり、(c)は、金属膜3を窒化した状態4を示す断面図であり、(d)は、金属窒化膜4上に種結晶膜5を形成した状態を示す断面図である。 (a)は、種結晶膜5上に非極性面III族窒化物の単結晶6を形成した状態を示す断面図であり、(b)は、単結晶6を基板から剥離させた状態を示す断面図である。
符号の説明
1 基板 2 下地膜 3 金属膜 4 金属窒化物膜 5 種結晶膜 6 非極性面III族窒化物の単結晶

Claims (4)

  1. 非極性面III族窒化物からなる下地膜を基板上に気相成長法により形成する下地膜形成工程;
    前記下地膜上に金属膜を形成する金属膜形成工程;
    この金属膜を窒化することによって、空隙を有する金属窒化物膜を設ける窒化工程;
    前記金属窒化物膜上に非極性面III族窒化物からなる種結晶膜を気相成長法により形成する工程;および
    非極性面III族窒化物の単結晶を前記種結晶膜上にフラックス法によって育成する結晶育成工程
    を備えていることを特徴とする、非極性面III族窒化物単結晶の製造方法。
  2. 前記金属膜が、チタン、ニッケルおよびこれらの合金からなる群より選ばれた一種以上の金属からなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記非極性面III族窒化物が、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群より選ばれた一種以上のIII族元素の窒化物からなることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  4. 前記結晶育成工程において育成された前記非極性面III族窒化物を前記基板から剥離させることによって自立基板を得ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の方法。
JP2007184556A 2007-07-13 2007-07-13 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法 Active JP4825747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007184556A JP4825747B2 (ja) 2007-07-13 2007-07-13 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007184556A JP4825747B2 (ja) 2007-07-13 2007-07-13 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009018975A JP2009018975A (ja) 2009-01-29
JP4825747B2 true JP4825747B2 (ja) 2011-11-30

Family

ID=40358946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007184556A Active JP4825747B2 (ja) 2007-07-13 2007-07-13 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4825747B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4886711B2 (ja) * 2008-02-04 2012-02-29 日本碍子株式会社 Iii族窒化物単結晶の製造方法
CN102318039B (zh) * 2009-03-03 2014-04-02 松下电器产业株式会社 氮化镓系化合物半导体的制造方法和半导体发光元件
JP2013203617A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Ngk Insulators Ltd 13族元素窒化物結晶の製造方法および積層体
JP6004550B2 (ja) 2012-12-20 2016-10-12 日本碍子株式会社 種結晶基板、複合基板および機能素子
CN108135455B (zh) 2015-10-08 2020-01-24 奥林巴斯株式会社 内窥镜系统
CN114761630B (zh) * 2019-12-23 2024-07-19 日本碍子株式会社 AlN单晶板
WO2021131966A1 (ja) * 2019-12-23 2021-07-01 日本碍子株式会社 AlN積層板

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3886341B2 (ja) * 2001-05-21 2007-02-28 日本電気株式会社 窒化ガリウム結晶基板の製造方法及び窒化ガリウム結晶基板
KR101363377B1 (ko) * 2002-04-15 2014-02-14 더 리전츠 오브 더 유니버시티 오브 캘리포니아 무극성 질화 갈륨 박막의 전위 감소
US7220658B2 (en) * 2002-12-16 2007-05-22 The Regents Of The University Of California Growth of reduced dislocation density non-polar gallium nitride by hydride vapor phase epitaxy
JP2004300024A (ja) * 2003-03-20 2004-10-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii族元素窒化物結晶の製造方法、それにより得られたiii族元素窒化物結晶およびそれを用いた半導体装置
KR100593936B1 (ko) * 2005-03-25 2006-06-30 삼성전기주식회사 비극성 a면 질화갈륨 단결정 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009018975A (ja) 2009-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5256198B2 (ja) Iii族窒化物単結晶の製造方法
JP3631724B2 (ja) Iii族窒化物半導体基板およびその製造方法
JP4886711B2 (ja) Iii族窒化物単結晶の製造方法
JP4581490B2 (ja) Iii−v族窒化物系半導体自立基板の製造方法、及びiii−v族窒化物系半導体の製造方法
JP4825747B2 (ja) 非極性面iii族窒化物単結晶の製造方法
JP2004039810A (ja) Iii族窒化物半導体基板およびその製造方法
JP5100919B2 (ja) 窒化ガリウム層の製造方法およびこれに用いる種結晶基板
JP2010251736A (ja) Iii族窒化物半導体成長用基板、iii族窒化物半導体エピタキシャル基板、iii族窒化物半導体素子およびiii族窒化物半導体自立基板、ならびに、これらの製造方法
JP4825745B2 (ja) 非極性面iii族窒化物の製造方法
TW200933705A (en) Group III nitride semiconductor and a manufacturing method thereof
JP4825746B2 (ja) 非極性面iii族窒化物の製造方法
JP2011042542A (ja) Iii族窒化物基板の製造方法およびiii族窒化物基板
JP5056299B2 (ja) 窒化物半導体下地基板、窒化物半導体積層基板および窒化物半導体下地基板の製造方法
JP2008074671A (ja) 自立窒化物基板の製造方法
US20050257733A1 (en) III nitride crystal and method for producing same
JP4340866B2 (ja) 窒化物半導体基板及びその製造方法
JP2011051849A (ja) 窒化物半導体自立基板とその製造方法
JP5499839B2 (ja) 窒化ガリウム系半導体基板の製造方法
JP5814131B2 (ja) 構造体、及び半導体基板の製造方法
JP4944738B2 (ja) GaN半導体基板の製造方法
JPWO2012128378A1 (ja) 第13族金属窒化物の製造方法およびこれに用いる種結晶基板
JP4600146B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
JP2010251743A (ja) Iii族窒化物半導体成長用基板、iii族窒化物半導体自立基板、iii族窒化物半導体素子、ならびに、これらの製造方法
JP4507810B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法及び窒化物半導体基板
JP2010278470A (ja) Iii族窒化物半導体成長用基板、iii族窒化物半導体エピタキシャル基板、iii族窒化物半導体素子およびiii族窒化物半導体自立基板、ならびに、これらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4825747

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3