JP4804737B2 - カルシウム含有速崩壊性固形製剤 - Google Patents
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Description
近年、消費者の服用のし易さを考慮した剤形として、水なしで服用できる錠剤の開発が望まれている。通常、錠剤などの固形製剤を服用する際には水を必要とし、利便性に欠けるという問題がある。また、大きい錠剤や、服用数量が多い錠剤は飲みにくいという問題がある。特に嚥下困難な患者や、小児、高齢者では咽喉につかえることにより、窒息することもある。一方、チュアブル錠では水を必要としないが、咀嚼力や歯が弱い小児や高齢者には適さない。これらの問題を解決する為に、口腔内で速やかに崩壊する剤形がある。
しかしながら、カルシウムの栄養所要量は30歳で600mgと多い為、例えばその半量(300mg)を摂取させるような製剤を作成しようとすると、非常に粒数が多くなる。粒数を減らすとカルシウム配合率が高くなり、崩壊性が遅延する為、カルシウムを高含有した速崩壊性の製剤は未だ開発されていないのが現状である。
また、同じく固形医薬製剤に関する特許がある(特許文献3)。特許文献3は、医薬成分に、エリスリトール、結晶セルロース、及び崩壊剤を配合することで速崩壊性を付与しているが、使用する崩壊剤が医薬品添加物であるクロスポビドンであり、食品には使用できない。
錠剤を多孔性にすることで速崩壊性を付与した特許としては、特許文献4がある。特許文献4は、糖アルコールと澱粉を混練して浸潤塊にした後に圧延して成形し、更に減圧乾燥することで多孔性にして速崩壊性を付与した。しかしながら、製造方法が煩雑であり、特殊装置が必要であることから、汎用性に劣る製法である。
製法を工夫した特許では特許文献5がある。特許文献5は、薬効成分と糖類に水を添加して湿らせ、湿潤粉体を打錠した後に乾燥することで速崩壊性を付与するものである。しかしながら、水と共存させることで劣化するような有効成分には用いることが難しく、更に、湿潤した錠剤を乾燥させる特殊な装置が必要であるという問題がある。
一方、カルシウム含有製剤に関しては、アクリル酸系重合体を配合したチュアブル錠(特許文献6)や、粘度の異なるヒドロキシアルキルセルロースを配合したチュアブル錠(特許文献7)、ポビドン又はコポリビドンを配合したチュアブル錠(特許文献8)があるが、アクリル酸系重合体やヒドロキシアルキルセルロース、ポビドン、コポリビドンは食品には使用できない。
したがって、煩雑な工程や特殊な製造設備を要することなく、かつ崩壊性に優れたカルシウム高含有製剤を開発する必要がある。
1.カルシウム含有素材3〜80質量部とガラクトマンナン0.01〜30.0質量部及びセルロースを含有し、ガラクトマンナン溶解液の粘度が80mPa・s〜2000mPa・sである溶液を用いてカルシウム含有素材を含む粉末を造粒し、次いで打錠して得られるカルシウム含有素材を含む粉末を造粒し、打錠して得られる速崩壊性錠剤であって、 カルシウム含有素材は、ドロマイト、卵殻カルシウム、帆立貝殻カルシウム、カキ貝殻カルシウム、珊瑚カルシウム、ウニ殻カルシウム、石化海藻カルシウム、真珠カルシウム、牛骨カルシウム、魚骨粉カルシウム、魚鱗片カルシウム、等の焼成カルシウム、あるいは未焼成カルシウム等の天然カルシウム高含有物、または、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩のいずれか又は複数であって、 口腔内崩壊時間が34秒以内であること、を特徴とする速崩壊性錠剤、
2.賦形剤として、糖質類、デンプン類から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする1.記載の速崩壊性錠剤、
3.カルシウム含有素材の粒子径が250μm以下であることを特徴とする1.または2.記載の速崩壊性錠剤。
4.ガラクトマンナンの平均分子量が100000Da以下であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の速崩壊性錠剤、
5.食品であることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の速崩壊性錠剤、に関する。
崩壊性に優れたカルシウムを高含有した固形製剤を提供できる。
本発明でいう速崩壊性固形製剤とは、口腔内に入れたときに速やかに崩壊する固形製剤のことである。
カルシウム含有素材の配合量としては、3〜80質量%、好ましくは4〜70質量%、特に好ましくは5〜60質量%が望ましい。カルシウム素材の配合量がこの範囲を下回ると、カルシウム量が少なくなり、多量の錠剤を摂取しなければならなくなる。また、この範囲を越えると、成形性が乏しくなり、流通に耐え得る錠剤を得ることが困難になる。
また、カルシウム素材の粒子径は250μm以下、好ましくは230μm以下、特に好ましくは200μm以下が望ましい。粒子径が大きいと、口腔内でざらつきが生じる。また、製造時に偏析が生じ、含量均一性に欠ける製剤となる。
ガラクトマンナンの配合割合としては、0.01〜30質量%、好ましくは0.01〜25質量%、特に好ましくは0.01〜20質量%が望ましい。ガラクトマンナンの量が30質量%を越えると、カルシウム配合素材の配合割合が減る為、その結果、摂取量が多くなり、消費者や患者の負担が増えることとなる。ガラクトマンナン配合量がこの0.01質量%を下回ると、成形性が乏しくなり、錠剤が割れたり摩損したりすることがある為、上記範囲内であることが望ましい。
糖質類としては、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、トレハロース、還元乳糖、還元麦芽糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトールなど使用可能なすべての市販品を挙げることができる。
これら賦形剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
更に、必要に応じて、味付け、風味を改善する目的で、果汁パウダーや香料等を配合することができる。
ガラクトマンナンを水に溶解する場合、ガラクトマンナンの分子量によって溶解度や得られた溶液の粘度が異なってくる。
ガラクトマンナンの分子量は特に規定が無いが、ガラクトマンナンを酵素処理して、分子量を100000Da以下にしたものが特に望ましい。
また、水溶液の粘度は、2000mPa・s以下であると望ましい。2000mPa・s以上の粘度になると、造粒する際に分散性が悪くなり、得られる顆粒の粒度や強度が不均一なものとなってしまう。
造粒方法は、汎用性を考慮すると流動層造粒法や攪拌造粒法、押し出し造粒法などが望ましい。
本発明で得られる錠剤の口腔内での崩壊時間は、240秒以内、好ましくは210秒以内、特に好ましくは180秒以内であるのが望ましい。また、第十四改正日本薬局方に記載されている「崩壊試験法(1)錠剤」の評価方法に則り試験した場合、480秒以内、好ましくは420秒以内、特に好ましくは360秒以内に崩壊するのが望ましく、それを十分に満足するものである。
本発明のカルシウム含有速崩壊性固形製剤は、子供や高齢者にとって特に服用し易い錠剤となっている。
なお、打錠圧は、錠剤硬度が1.8〜1.9、3.0〜3.1となるように調整した。
10質量%ガラクトマンナン分解物水溶液の代わりに10質量%デキストリン水溶液を用いること以外は、実施例1と同様にして錠剤を得た。
30質量%ガラクトマンナン分解物水溶液の代わりに30質量%トレハロース水溶液を用いること以外は、実施例2と同様にして錠剤を得た。
0.2質量%ガラクトマンナン水溶液の代わりに0.2質量%澱粉のり水溶液を用いること以外は、実施例3と同様にして錠剤を得た。
10質量%ガラクトマンナン分解物水溶液の代わりに10質量%デキストリン水溶液を用いること以外は、実施例4と同様にして錠剤を得た。
30質量%ガラクトマンナン分解物水溶液の代わりに30質量%トレハロース水溶液を用いること以外は、実施例5と同様にして錠剤を得た。
0.2質量%ガラクトマンナン水溶液の代わりに0.2質量%澱粉のり水溶液を用いること以外は、実施例6と同様にして錠剤を得た。
デジタル硬度計(NEW SPEED CHECKER TS-75N、岡田精工)を用いて、10錠の硬度を測定し、その平均値を表1に表示した。
健康な成人男女計5名(25〜40歳)の口腔内で、水を含まずに唾液だけで錠剤が完全に崩壊するまでの時間を測定し、その平均値を表1に示した。
一方、比較例では実施例と同じ錠剤硬度でも、口腔内崩壊時間が遅かった。更に、比較例の打錠末は成形性が悪く、また比較例2と5ではスティッキングも見られた。
即ち、口腔内崩壊時間、成形性、打錠性において、実施例は比較例より良好な結果であった。
Claims (5)
- カルシウム含有素材3〜80質量部とガラクトマンナン0.01〜30.0質量部及びセルロースを含有し、ガラクトマンナン溶解液の粘度が80mPa・s〜2000mPa・sである溶液を用いてカルシウム含有素材を含む粉末を造粒し、次いで打錠して得られるカルシウム含有素材を含む粉末を造粒し、打錠して得られる速崩壊性錠剤であって、 カルシウム含有素材は、ドロマイト、卵殻カルシウム、帆立貝殻カルシウム、カキ貝殻カルシウム、珊瑚カルシウム、ウニ殻カルシウム、石化海藻カルシウム、真珠カルシウム、牛骨カルシウム、魚骨粉カルシウム、魚鱗片カルシウム、等の焼成カルシウム、あるいは未焼成カルシウム等の天然カルシウム高含有物、または、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化カルシウム等のカルシウム塩のいずれか又は複数であって、 口腔内崩壊時間が34秒以内であること、を特徴とする速崩壊性錠剤。
- 賦形剤として、糖質類、デンプン類から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の速崩壊性錠剤。
- カルシウム含有素材の粒子径が250μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の速崩壊性錠剤。
- ガラクトマンナンの平均分子量が100000Da以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の速崩壊性錠剤。
- 食品であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の速崩壊性錠剤。
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