JP4787198B2 - 中性新聞用紙 - Google Patents
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Description
成分a;3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%
成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量%
請求項2に係る発明は、前記アゾ系重合開始剤が、アゾビスメチルブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、またはアゾビスジメチルバレロニトリルの少なくとも1種であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記カチオン性表面サイズ剤が、さらに成分c;スチレン類70重量%以下を重合して得られる共重合体であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドの重量平均分子量が50万〜400万であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記共重合体の重量平均分子量が3万〜6万であることを特徴とする。
本発明で用いるポリアクリルアミドは、ノニオン性基を有する分岐型の共重合体である。このようなポリアクリルアミドは、後述するカチオン性表面サイズ剤とともに用いたとき、カチオン性表面サイズ剤の効果を阻害しないだけでなくいっそう吸水抵抗性を高めるとともに、紙の剛度を向上させる。この理由は明らかではないが、分岐型のものは直鎖型のものに比べ、水溶液中で密なコンフォメーションをとることにより、繊維に定着した場合に単位面積当たりの水素結合数が多くなるためと推測される。
分子量は特に制限されないが、重量平均分子量で50万〜400万程度が望ましい。分子量が小さすぎると表面処理剤の調製時に泡が発生しやすく、分子量が大きすぎると高粘度になって塗工が困難になる。
本発明で使用するポリアクリルアミドは、従来公知の方法で製造される。具体的には、アクリルアミドモノマー類とノニオン性モノマー、さらに必要に応じて架橋剤類を共重合して製造される。架橋剤の配合量を加減することにより、枝分かれの程度を調製することができる。
アクリルアミドモノマー類としては、アクリルアミド、メタアクリルアミドが最も好ましい。他にN−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド等の水溶性であるN置換低級アルキルアクリルアミド等が挙げられ、これらを1種または2種以上併用することができる。
本発明では、市販のノニオン性分岐型ポリアクリルアミドを使用すればよい。
本発明において、表面処理剤に含有されるカチオン性表面サイズ剤としては、少なくとも成分a;3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%と成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量%とを、アゾ系重合開始剤を用いて連鎖移動剤の存在下で重合して得られる、重量平均分子量3万〜6万の共重合体を4級化したものが用いられる。
このようなカチオン性表面サイズ剤は、上記した分岐型ポリアクリルアミドと併用しても、吸水抵抗性の作用が阻害されることなく効果を発揮することができる。また従来、表面サイズ剤を用いると、オフセット印刷時に表面サイズ剤が湿し水を介してPS版上に転移し、PS版上の非画線部を感脂化して地汚れなどと呼ばれる版汚れを引き起こす弊害があるが、本発明で用いられるカチオン性表面サイズ剤は耐版汚れ性にも優れており好ましい。
本発明で使用するカチオン性表面サイズ剤の組成について、以下に詳細に説明する。
成分a;3級アミノ基含有モノマーとしては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドが適当である。
上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが代表であり、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが代表であり、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
また、成分bはメチルメタクリレート(MMAと略す)などの(メタ)アクリル酸のC1〜C3エステル(即ち、短鎖エステル)は含まれないが、下述のように、この共重合体を得る際に、成分aからc以外のその他のモノマーとして、これらの(メタ)アクリル酸の短鎖エステルを使用しても良いことは言うまでもない。
成分bの好ましい例としては、エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートが挙げられる。
上記その他のモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなどのC1〜C3の短鎖アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。
従って、例えば、成分a、あるいはさらに成分cを含み、(メタ)アクリル酸エステルとして、C4〜C18の長鎖アルキルエステルとC3以下の短鎖アルキルエステルを併用した共重合体は、このカチオン性表面サイズ剤の共重合体に含まれるが、(メタ)アクリル酸エステルとしてC3以下の短鎖アルキル(メタ)アクリレートのみを使用し、C4〜C18の長鎖アルキルエステルを使用しない場合は、この共重合体からは外れる。尚、(メタ)アクリル酸エステルにおいては、エステルの炭素数が増すほどサイズ剤の基本物性である撥水性への寄与が高まる。
成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステルの含有量は10〜80重量%であり、好ましくは15〜70重量%である。10重量%より少ないと、疎水性が低下するとともに、溶液重合に際して溶解性が低下して共重合性が悪くなり、また、インキとの親和性が低下する。80重量%を超えると、3級アミノ基含有モノマーの比率が低くなり過ぎる。即ち、インキとの親和性を良好に具備させるには、疎水性モノマーとして適正量の成分bが必要である。
また、成分c;スチレン類の含有量は70重量%以下であり、好ましくは60重量%以下である。70重量%を超えると、インキとの親和性が低下し、また、溶液重合に際して共重合性が悪くなる。共重合性が低下すると、溶液重合後に水溶化し、4級化する際に、表面サイズ剤の有効成分が凝集したミクロ粒子状となって紙表面に点在し、不均一な表面塗布しかできないため、サイズ効果が低減するおそれがある。但し、成分c;スチレン類は、(メタ)アクリル酸エステルより疎水性に優れるため、共重合体の適正量含有することは差し支えない。
さらに、その他のモノマーは必要に応じて使用されるが、その含有量は30重量%以下であり、好ましくは20重量%以下である。
基本的に、この共重合体は成分a〜cを構成モノマーとして、有機溶媒中で溶液重合により製造される。上記有機溶媒としては、アルコール、ケトン等の酸素含有炭化水素類や、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
溶媒としては、イソプロピルアルコール(IPAと略す)、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、sec-ブタノール、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、3-メチル-2-ブタノール、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBKと略す)、ジイソプロピルケトン、エチルベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
また、150℃以上の沸点で水への適度な溶解度(適度の親水性)を有する有機溶媒を使用すると、表面サイズ剤を塗布する際の臭気を抑制するのに有効である。具体的には、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、ベンジルアルコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどである。
有機溶媒の全モノマーに対する使用量は30重量%以下が適量であり、好ましくは20重量%以下である。
共重合体の溶液重合に際して粘度上昇を防止して重合反応を円滑に行う見地から、アゾ系重合開始剤を用いて連鎖移動剤の存在下で重合することが必要である。使用する重合開始剤はアゾ系重合開始剤であるが、水素引き抜きに起因した架橋化による分子量の増大や、枝分かれに伴う複雑な分子構造による溶解性の低下が著しく起こさない程度で有れば、過硫酸ベンゾイル、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、クメンヒドロペルオキシドなどの過酸化物系重合開始剤を併用して使用しても良い。
上記過酸化物系重合開始剤は、過硫酸ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられる。
このように、有機溶媒中にて連鎖移動剤並びにアゾ系開始剤の存在下で溶液重合を行うのであるが、当該溶液重合は公知の方式により行えば良く、特に制限されるものではない。
上記連鎖移動剤は油溶性、水溶性の連鎖移動剤を任意に使用できるが、親油性の有機溶媒中で重合する場合には油溶性連鎖移動剤が、また、逆に親水性の有機溶媒を使用する場合には水溶性連鎖移動剤が相対的に好ましい。
上記油溶性連鎖移動剤としては、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸ドデシルエステルなどのメルカプタン類の他、クメン、四塩化炭素、α-メチルスチレンダイマー、ターピノーレンなどが挙げられる。上記水溶性連鎖移動剤としては、メルカプトエタノール、チオグリコール酸及びその塩などが挙げられる。
モノマーに対する連鎖移動剤の使用量は1〜5重量%程度が好ましいが、この範囲に制限されるものではない。
構成モノマーとしては上記成分a〜c以外、あるいは必要に応じて他の成分を溶液重合して得られた共重合体は、3級のまま使用しても同様な効果が得られるが、好ましくは4級化剤によりカチオン処理される。
上記4級化剤はジメチル硫酸、メチルクロライド、アリルクロライド、ベンジルクロライド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エチレンクロルヒドリン、3-クロロー2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどを単用又は併用できる。4級化剤の中では、エピクロルヒドリン、ベンジルクロライド、3-クロロー2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
共重合体を4級化することにより、中性、アルカリ側を含めた広いpH領域で溶解性が増し、良好なサイズ効果を発揮することができる。
この4級化処理は、一般には、カチオン性共重合体を水溶化した後、溶剤を除去し、共重合体を4級化することにより行われるが、4級化した後に溶剤を除去しても差し支えない。
また、4級化処理は、溶液重合の円滑化の見地から、成分a;3級アミノ基含有モノマーを含む構成モノマーを共重合した後に、4級化剤でカチオン処理することが基本であるが、3級アミノ基含有モノマーを予め4級化し、得られた4級アンモニウム塩基含有モノマーを共重合することもできる。
この場合、4級モノマーの重合条件は、3級モノマーを重合する場合の処理条件と同様である。
このような方法で合成した、カチオン性表面サイズ剤は一般的には分子量が大きい方がサイズ性が高いが、分子量が大きいと溶液の粘度が高く、製造作業性面、水溶性高分子との相溶性とサイズ性能のバランス面、オフセット印刷時の版汚れを避けるためにも3万〜6万の重量平均分子量が適当である。
本発明では、原紙上にノニオン性分岐型ポリアクリルアミドおよびカチオン性表面サイズ剤を含有する表面処理剤を塗工する。
<塗工量>
ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドおよびカチオン性表面サイズ剤の使用量は、それぞれ要求される品質に応じて適宜設定すればよく特に限定されないが、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドの原紙への塗工量は、両面当たり0.01〜5.0g/m2(固形分重量)、カチオン性表面サイズ剤の原紙へ塗工量は、両面当たり0.01〜0.5g/m2(固形分重量)程度である。
また、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドの比率が高くなれば、曲げこわさは向上するものの十分な吸水抵抗性が得られず、逆に、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドの比率が低くなれば、吸水抵抗性は高いが曲げこわさの向上効果が小さい傾向がある。そのため、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドとカチオン性表面サイズ剤との配合割合は、50/50程度が望ましい。
本発明の表面処理剤には、所望の効果を阻害しない範囲で、ポリビニルアルコール、澱粉、酸化変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉、および各種表面サイズ剤等を添加してもよい。
表面処理剤を塗工する装置には特に制限はなく、2ロールサイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどの装置を用いることができる。
本発明の中性新聞用紙に用いられる原紙は、パルプおよび填料として主に炭酸カルシウムを含有するスラリーを抄紙機で抄紙して得られる、紙面pH6〜9程度の中性紙である。通常の中性抄紙では、抄紙工程で紙料に硫酸バンドを添加しても炭酸カルシウムが相対的に多く存在することにより完全に中和され、特にpH調整を行わない限り、紙料や白水のpHは安定的に中性領域となる。このようにして抄造された中性新聞用紙の紙面pHは6〜9程度となる。
原料のパルプとしては、グランドパルプ(GP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミカルサーモメカニカルパルプ(CTMP)、等のメカニカルパルプ(MP)、クラフトパルプ(KP)に代表されるケミカルパルプ(CP)、これらのパルプを含む古紙を脱墨して得られる脱墨パルプ(DIP)、および抄紙工程からの損紙を離解して得られる回収パルプ等を、単独あるいは任意の比率で混合して用いることができる。全パルプ中のDIPの配合率は、最近のDIPの高配合化の流れから、50〜100重量%の範囲が好ましい。
本発明では、中性抄紙であるゆえにDIPを増配することができる。集荷された古紙は通常、アルカリ性の薬品のもとで処理されDIPが製造されるため、酸性抄紙の条件下ではDIPに含まれる炭酸カルシウムのカルシウムイオンが硫酸バンドと反応し石膏(硫酸カルシウム)となって析出する問題があり、酸性抄紙でDIPを多量に使用することは難しい。
本発明の原紙に含有される填料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等が挙げられる。中でも白色度、不透明度に優れた紙が得られることから炭酸カルシウムが好ましく、古紙パルプ由来の炭酸カルシウムを利用することにより省資源化にもつながる。
原紙の抄造時、必要に応じて、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。また、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が内添されてもよい。その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。また、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル琥珀酸無水物(ASA)等の内添サイズ剤を使用できる。さらに、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、紫外線防止剤、退色防止剤pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
紙を抄造する抄紙機の型式は特に限定は無く、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、ヤンキー抄紙機、円網抄紙機等で適宜抄紙できる。紙の2面性を抑制する意味で、両面脱水機構を有しているギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー、オントップフォーマーなどが望ましい。プレス線圧、カレンダー条件などは、通常の操業範囲内で適宜設定する。
原紙の坪量としては特に限定されるものではないが、34〜50g/m2の範囲である。原紙の物性に関しては、オフセット印刷で印刷可能である必要があり、通常の新聞用紙程度の引張り強度、引裂き強度、伸び等の物性を有するものであればよい。
実施例および比較例で得られた中性新聞用紙について、下記の評価を行い、使用した分岐型ポリアクリルアミドの種類とともに、結果を表1に示す。
・曲げこわさ:ISO−2493に準じて、L&W Bending Tester(Lorentzen&Wettre社製)で、曲げ角度が15度の曲げこわさを測定し、次の基準で評価した。
◎:85μNm超える
○:80〜85μNm
×:80μNm未満
・点滴吸水度:JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.32−2に準じて、5μLの水にて吸水試験を行い、吸水に要した時間(秒)を測定し、次の基準で評価した。
◎:30秒超える
○:20秒以上30秒未満
△:10秒以上20秒未満
×:10秒未満
・ネッパリの評価
東芝製オフセット輪転印刷機で墨インキを用い、900rpmで印刷を行なった後、印刷機停止に用紙がブランケットから剥離する際、発生する音で評価した。
○:剥離音の発生がない
△:やや剥離音がするが実用上問題ない程度
×:大きな剥離音が発生する
(合成例1)
スチレン50部、2-エチルヘキシルメタクリレート20部と、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部と、連鎖移動剤のn-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール42.7部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱して、開始剤として2,2-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度75g/100g)2.5部を加え、90℃で3時間重合した。このとき、サンプリングしてshodexGPCシステム-21H(カラムGF-7M、GF-310、溶媒DMFでポリスチレン換算値)で分子量を測定したところ、重量平均分子量は43,000であった。次いで、水340部と90%酢酸12.8部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した。その後、85℃でエピクロルヒドリン17.7部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率100%)
スチレン60部と、n-ブチルメタクリレート15部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート25部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン2部と、トルエン42.7部とを4つ口フラスコに入れ、105℃まで加熱して、開始剤としてジメチル-2,2-アゾビスイソブチレート(25℃のエタノールへの溶解度130g以上/100gエタノール)2部を加え、110℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は35,000であった。次いで、水350部と90%%酢酸10.6部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してトルエンを留去し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率60%)
n-ブチルメタクリレート50部と、ラウリルメタクリレート20部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート30部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール32.5部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱し、開始剤として2,2-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度20g/100gエタノール)2部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は48,000であった。次いで、水335部と、酢酸12.7部を加えて水溶化した後、溶媒蒸留せずに85℃でエピクロルヒドリン17.7部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率100%)
スチレン30部と、イソブチルメタクリレート48部と、ジエチルアミノエチルアクリレート22部と、連鎖移動剤のn-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール47.5部とを4つ口フラスコに入れ、90℃まで加熱し、開始剤として2,2-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度75g/100gエタノール)2部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は37,000であった。次いで、水330部と90%酢酸9.3部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した。その後、85℃で塩化ベンジル15.9部を加えて4時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率90%)
スチレン50部と、2-エチルヘキシルメタクリレート15部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート35部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン2部と、イソプロピルアルコール47.5部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱し、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(25℃のエタノールへの溶解度2.7g/100gエタノール)2部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は60,000であった。次いで、水350部と90%酢酸14.8部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した、その後、85℃でエピクロルヒドリン20.7部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、微白濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率100%)
スチレン55部と、n-ブチルメタクリレート15部と、ジメチルアミノエチルメタクリレート30部と、連鎖移動剤のt-ドデシルメルカプタン1.8部と、イソプロピルアルコール45部とを4つ口フラスコに入れ、85℃まで加熱して、開始剤としてジメチル-2,2-アゾビスイソブチレート(25℃のエタノールへの溶解度130g以上/100gエタノール)1.5部とt-ブチルパ-オキシ-2-エチルヘキサノエート0.5部を加え、90℃で3時間重合した。このときの共重合物の重量平均分子量は41,000であった。次いで、水350部と酢酸12.7部を加えて水溶化した後、加熱蒸留してイソプロピルアルコールを留去した。その後、80℃で3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド25.1部を加えて3時間反応し、冷却し、水で希釈して、固形分20%、淡黄微濁液の表面サイズ剤を得た。(4級化率70%)
[実施例1]
DIP100部からなるパルプスラリーを調製し、このパルプ100部(固形分重量)に対して硫酸バンドを1.5部、炭酸カルシウム5部を添加し、ツインワイヤー型抄紙機にて、坪量42g/m2になるように原紙を抄造した。
次に、表面処理剤塗工液として、ヒドロキシエチル化澱粉を蒸煮したものを濃度7%に調製したものに、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドとしてPAM2(表1参照、以下同じ)およびカチオン性表面サイズ剤として上記合成例3を50:50の割合で事前に混合したものを添加して、原紙に対する澱粉塗布量が両面で0.5g/m2、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドおよびカチオン性表面サイズ剤の塗布量が両面で0.08g/m2になるように、ゲートロールコーターにて塗工速度1200m/分で塗工・乾燥後、110℃のホットソフトニップカレンダーで1ニップ処理し、中性新聞用紙を得た。
PAM2の代わりに、PAM1を使用した以外は、実施例1と同様にして、中性新聞用紙を得た。
PAM2およびカチオン性表面サイズ剤として上記合成例3を35:65の割合で事前に混合した以外は、実施例1と同様にして、中性新聞用紙を得た。
PAM2およびカチオン性表面サイズ剤として上記合成例3を65:35の割合で事前に混合した以外は、実施例1と同様にして中性新聞用紙を得た。
PAM2の代わりに、PAM3を使用した以外は、実施例1と同様にして、中性新聞用紙を得た。
PAM2の代わりに、PAM4を使用した以外は、実施例1と同様にして、中性新聞用紙を得た。
PAM2の代わりに、PAM5を使用した以外は、実施例1と同様にして、中性新聞用紙を得た。
PAM2の代わりに、PAM6を使用した以外は、実施例1と同様にして、中性新聞用紙を得た。
ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドとして上記PAM2およびカチオン性表面サイズ剤として上記合成例3を50:50の割合で事前に混合したものの代わりに、カチオン性表面サイズ剤のみを使用した以外は、実施例1と同様にして中性新聞用紙を得た。
ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドとして上記PAM2およびカチオン性表面サイズ剤として上記合成例3を50:50の割合で事前に混合したものの代わりに、PAM2のみを使用した以外は、実施例1と同様にして中性新聞用紙を得た。
(ア)実施例1〜4と比較例1〜6を比べて、ノニオン性分岐型PAMおよびカチオン性表面サイズ剤を用いた本発明の実施例1〜4は、曲げこわさおよび吸水抵抗性が良好な品質が得られていることが分かる。
(イ)そして、ネッパリの問題が発生していないことが分かる。
(ウ)上記(ア)および(イ)から、本発明によれば、曲げこわさ、吸水抵抗性およびネッパリの3種がともに良好で、バランスの良い品質が得られていることが分かる。
(エ)それに対して、比較例1〜6は上記3種の何れかに品質上の問題が発生しており、バランスの良い品質が得られないことが分かる。
Claims (5)
- 原紙上に、ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドおよびカチオン性表面サイズ剤を含有する表面処理剤が塗工された中性新聞用紙であって、前記カチオン性表面サイズ剤が、少なくとも下記の成分aと成分bとをアゾ系重合開始剤を用い連鎖移動剤の存在下で重合して得られる共重合体を4級化したものであることを特徴とする中性新聞用紙。
成分a;3級アミノ基含有モノマー20〜40重量%
成分b;(メタ)アクリル酸のC4〜C18アルキルエステル10〜80重量% - 前記アゾ系重合開始剤が、アゾビスメチルブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート、またはアゾビスジメチルバレロニトリルの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の中性新聞用紙。
- 前記カチオン性表面サイズ剤が、さらに成分c;スチレン類70重量%以下を重合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項1または2記載の中性新聞用紙。
- 前記ノニオン性分岐型ポリアクリルアミドの重量平均分子量が50万〜400万であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中性新聞用紙。
- 前記共重合体の重量平均分子量が3万〜6万であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中性新聞用紙。
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