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JP4369267B2 - 延性に富む冷延鋼板、熱延鋼板、及び鋳造鋼塊 - Google Patents

延性に富む冷延鋼板、熱延鋼板、及び鋳造鋼塊 Download PDF

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Description

本発明は延性(特に伸びフランジ性)に富む冷延鋼板、並びにこれを製造するのに有用な熱延鋼板及び鋳造鋼塊に関するものである。
延性に優れた冷延鋼板としては、例えば、伸びフランジ性や深絞り性に優れた含Ti冷延鋼板が知られている(特許文献1〜3など)。例えば特許文献1には、穴拡げ成形時のクラックの起点を減少させて伸びフランジ性を改善する技術が開示されており、この特許文献1では鋼中に残存する酸化物系介在物のサイズを小さくし、介在物の組成をCaO・REM:5〜50wt%、Ti酸化物:90wt%以下、Al23:70wt%以下とすれば、介在物をクラスター状に巨大化させずに微細分散化でき、伸びフランジ性が向上することを教示している。そして特許文献1では、Tiが最も重要な成分であり、Ti脱酸によって酸化物系介在物を所定サイズにできるとしている。
また特許文献2では、MnO:20〜90%、TiO2:80〜10%のMnO−Ti酸化物系介在物が低融点液相酸化物となり、このような酸化物とすれば、イマージョンノズルの付着堆積を防止でき、該堆積によって粗大化する酸化物がモールド内へ流入することを教示している。
特許文献3では、極低C、低Siの含Ti冷延鋼板(すなわちC:0.0002〜0.0080%、Si:0.001〜0.04%、Mn:0.05〜1.0%、P:0.001〜0.050%、S:0.001〜0.030%、固溶Al:0.001〜0.005%、Ti:0.004〜0.030%、N:0.005〜0.008%の鋼材)において、介在物を、前記特許文献2に開示の低融点液相酸化物と同様にTiO2とMnOとを含む介在物、すなわちチタン酸化物(TiOx、X=1.5〜2.0)、マンガン酸化物(MnO)、シリコン酸化物(SiO2)、アルミナ(Al23)を主成分とする組成にしている。このような組成にすれば、介在物の融点が比較的低く、冷却時に高融点で硬い晶出相が生成せず、圧延等によって介在物を微細に粉砕でき、絞り成形性を改善できることを教示している。しかし特許文献1では、介在物を微細に粉砕するためには圧延工程を工夫する必要がある。
一方、Tiを必須としない冷延鋼板としては、アルミキルド鋼板(特許文献4)、溶鋼中のAl濃度を極力低減した鋼板(特許文献5)などが知られている。特許文献4のアルミキルド鋼では、Mgを添加することによって打抜き穴の断面に発生するクラックを微細均一化でき、穴拡げ性を改善できることを教示している。一方、特許文献5の低Al鋼では、溶鋼中のAl濃度とO濃度とを制御すれば、MnO・Al23を生成でき、表面疵の原因となるAl23の生成を抑制できることを教示している。
特開2000−1748号公報 特公平7−47764号公報 特開平11−279721号公報 特開2002−212674号公報 特公平7−30384号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、従来とは全く異なるタイプの延性に優れた冷延鋼板、並びにこれを製造するのに有用な熱延鋼板及び鋳造鋳塊を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、Al脱酸やTi脱酸ではなくSi脱酸鋼において、以下に示すようなものが延性に著しく優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る延性に富む冷延鋼板は、C:0.001〜0.3%(質量%の意。以下、同じ)、Si:0.05〜2.5%、Mn:0.1〜3%、P:0.02%以下、S:0.02%以下、N:0.02%以下を含有し、
固溶Alが0.002%以下となっており残部がFe及び不可避不純物であり、
前記MnとSiは、下記式(1)を満足しており、
MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する短径が5μm以上の酸化物系介在物が、1cm2あたり35個以下であることを要旨とするものである。
[Mn]2/[Si]≧2 …(1)
(式中、[Mn]は鋼中のMn濃度を示し、[Si]は鋼中のSi濃度を示す)
本発明には延性の改善に有用な熱延鋼板も含まれ、この熱延鋼板は、その成分が前記冷延鋼板と同様であり、
MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する短径が5μm以上の酸化物系介在物が、1cm2あたり100個以下である点に要旨を有する。
また本発明には延性の改善に有用な鋳造鋼塊も含まれ、この鋳造鋼塊は、その成分が前記冷延鋼板と同様であり、
MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する酸化物系介在物の平均組成を測定したとき、
(a)MnO、SiO2及びAl23の合計は、MnO、SiO2、Al23、MgO、TiO2、及びCaOの合計に対して、80質量%以上であり、
(b)MnO、SiO2及びAl23の合計に対して、MnOは20〜80質量%、
SiO2は20〜70質量%、Al23は35質量%以下である
点に要旨を有するものである。
本発明によれば、Mn量、Si量、固溶Al量などを制御することによって鋼塊段階で介在物の組成が適切に制御されているため、熱間圧延及び冷間圧延したときに、介在物を微細化でき、冷間圧延鋼板の延性を著しく高めることができる。
冷延鋼板の延性を妨げる大きな原因として、介在物が挙げられる。介在物を小さくしたり、介在物の個数を低減することによって、延性を向上できる。具体的には、短径が5μm以上の酸化物系介在物(MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する介在物の意。以下、同じ)を、1cm2あたり35個以下(好ましくは30個以下、さらに好ましくは25個以下とすることによって、延性に富む冷延鋼板が得られることが判った。なお短径5μm以上の酸化物系介在物の個数は、少ないほど望ましく下限は特に限定されないが、例えば1個以上(特に5個以上)程度であってもよい。
また前記のような冷延鋼板を通常の冷間圧延条件で製造するためには、熱延鋼板の段階で、短径が5μm以上の酸化物系介在物を、1cm2あたり100個以下(好ましくは90個以下、さらに好ましくは80個以下)とすることが推奨される。なお短径5μm以上の酸化物系介在物の個数は、少ないほど望ましく下限は特に限定されないが、例えば10個以上(特に30個以上)程度であってもよい。
さらに前記のような熱延鋼板を通常の熱間圧延条件で製造するためには、鋼塊中の酸化物系介在物をMnO−SiO2系介在物又はMnO−SiO2−Al23系介在物とすることが推奨される。なお鋼塊中の粗大な(短径が5μm以上の)酸化物系介在物は多くてもよく、1cm2あたり、例えば100個以上(特に200個以上)、700個以下(好ましくは600個以下、さらに好ましくは550個以下)程度であってもよい。
以下、より詳細に説明する。
従来、介在物は、主として溶鋼段階での脱酸過程で生成するため、延性を向上するためには、介在物の生成量を抑制したり、溶鋼中に生成する介在物を粗大化させずに微細に分散させたりすることが多い。
これに対して、本発明では、溶鋼段階(及び鋼塊段階)での介在物の生成量や微細分散には着目せず(後述の実施例から明らかなように、むしろ鋼塊段階では粗大な介在物が多くなっていてもよい)、Si脱酸鋼とした上で介在物組成を前記のように調製すれば、鋼塊を熱間圧延及び冷間圧延する際に、該圧延によって酸化物系介在物が延伸され、しかも延伸された介在物が破壊(破砕)され、最終的に得られる冷延鋼板中で介在物が著しく微細化することを見出した。
図1は鋼塊中、熱延鋼板中、及び冷延鋼板中の介在物の様子を示す概念図である。Al脱酸鋼などにようにAlが添加された鋼材では、介在物の主たる成分はAl23となり、図1の上段(I)に示すように、熱延及び冷延しても殆ど延伸することなく破壊されるに留まるのに対して、Si脱酸鋼とした上で酸化物系介在物をMnO−SiO2系介在物又はMnO−SiO2−Al23系介在物とすると、図1の下段(II)に示すように、熱延で介在物は細長く延伸し、この細長くなった介在物は冷延で著しく微細に破壊され、粗大な(例えば、短径が5μm以上の)介在物が激減することが判った。
図2は、Al23系介在物、MnO−SiO2系介在物、又はMnO−SiO2−Al23系介在物としたときの、鋼塊段階、熱延鋼板段階、及び冷延鋼板段階における粗大な(この図示例では短径が2μm以上の)介在物個数の変化を示す図である。図2から明らかなように、MnO−SiO2系介在物及びMnO−SiO2−Al23系介在物は、Al23系介在物に比べ、鋼塊段階では粗大なものが多くなっているが、熱延及び冷延によって著しく微細化していることが判る。
より具体的には、鋼塊段階において、酸化物系介在物の平均組成が下記(a)及び(b)の関係を満足していることが推奨される。
(a)MnO、SiO2及びAl23の合計は、MnO、SiO2、Al23、MgO、TiO2、及びCaOの合計に対して、80質量%以上である。
(b)MnO、SiO2及びAl23の合計に対して、MnOは20〜80質量%、
SiO2は20〜70質量%、Al23は35質量%以下である。
前記関係(a)は、介在物が実質的にMnO、SiO2、Al23などで構成されていることを意味しており、例えば、MnO、SiO2及びAl23の合計は100質量%であってもよく、また実験室レベルでは100質量%とすることも容易である。しかし、実機の溶製では、るつぼ等の容器や、成分調整のために添加する合金中の不純物の影響を受け、例えばMgO、TiO2、CaOなどの一種以上が不可避的に混入することがある。従ってMnO、SiO2及びAl23の合計を、MnO、SiO2、Al23、MgO、TiO2、及びCaOの合計に対して、80質量%以上(好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に95質量%以上)とした。
前記関係(b)は、MnO、SiO2、Al23の比率の面で、介在物が実質的にMnO−SiO2系介在物又はMnO−SiO2−Al23系介在物に該当することを意味している。好ましくは、MnO:25〜75質量%、SiO2:25〜65質量%、Al23:30質量%以下、さらに好ましくはMnO:30〜70質量%、SiO2:30〜60質量%、Al23:25質量%以下とする。
介在物組成を前記範囲とするためには、Al脱酸ではなくSi脱酸することが重要である。Al脱酸を行うと、鋼中の固溶Al量が0.002%超となり、Al23を主体とする介在物(Al23系介在物)が生成し、前記図1の上段(I)に示すように介在物が微細化しない。従って固溶Al量は、0.002%以下、好ましくは0.0015%以下、さらに好ましくは0.0010%以下とする。
また介在物組成を前記範囲とするためには、鋼材のSi濃度([Si]と表記する場合がある)とMn濃度([Mn]と表記する場合がある)を適切に制御することも重要である。SiがMnに比べて過剰になると、SiO2を主体とする介在物(SiO2系介在物)が生成してしまう。熱間圧延及び冷間圧延におけるSiO2系介在物の延伸・破壊挙動は、前記Al23系介在物と同様であり、冷延鋼板の延性を高めることができない。従って比率[Mn]2/[Si]を2以上、好ましくは2.3以上、さらに好ましくは2.5以上とする。なお比率[Mn]2/[Si]の上限は、後述するMn濃度の上限及びSi濃度の下限から自ずから決定され、例えば180程度であってもよいが、60程度(特に30程度)であることが多い。
介在物組成を前記範囲とするためには、さらに鋼塊を鋳造する前の溶鋼中の溶存酸素濃度を制御することも重要となる。Si脱酸鋼としてAlを実質的に使用しなかったとしても、溶存酸素濃度が低いと、溶鋼を受ける容器耐火物に含まれるAlが溶鋼中に溶出するようになり、介在物中のAl比率が高くなってしまう。また鋼中の固溶Al量が上記範囲よりも多くなることもある。溶存酸素濃度は、例えば、0.0005%以上とすることが推奨される。一方、溶存酸素濃度が高すぎると、粗大な酸化物系介在物の個数が多くなりすぎ、熱間圧延及び冷間圧延を行っても十分に低減することが困難となる。従って溶存酸素濃度は、例えば、0.005%以下とすることが推奨される。
なお本発明の対象とするSi脱酸鋼の成分は、下記の通りである。
C :0.001〜0.3%
延性(特に伸びフランジ性)を向上させるためにはC量は少ないほど望ましいが、少なすぎると強度低下が顕著となる。従ってC量は、0.003%以上、好ましくは0.004%以上とする。なお本発明では介在物を適切にすることによって延性(伸びフランジ性)が著しく高められているため、C量がある程度多くなっても、低Cの場合と遜色ない高い延性(伸びフランジ性)を達成できる。しかしそれでもCが過剰になると、延性(伸びフランジ性)が低下し始める。従ってC量は、0.3%以下、好ましくは0.25%以下、さらに好ましくは0.20%以下、特に0.18%以下とする。
Si:0.05〜2.5%
Siは溶鋼の脱酸元素として使用するだけでなく、介在物の生成量や組成を制御するために必要不可欠な元素である。Siが少なすぎると脱酸が不十分となる。従ってSi量は、0.05%以上、好ましくは0.06%以上とする。一方、Siが過剰になるとSiO2系介在物が生成しやすくなる。従ってSi量は、2.5%以下、好ましくは2.3%以下、さらに好ましくは2.0%以下、特に1.5%以下とする。
Mn:0.1〜3%
MnはSiと共に介在物組成を制御するのに重要な元素である。Mnが少なすぎるとSiO2系介在物が生成しやすくなる。従ってMn量は、0.1%以上、好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上とする。一方、Mnが過剰になると鋳造時にMnが偏析して加工性が劣化しやすくなる。従ってMn量は、3%以下、好ましくは2.8%以下とする。
P :0.02%以下
Pは鋼を強化する作用を有するが、脆化により延性を低下させる。従ってP量は0.02%以下、好ましくは0.017%以下、さらに好ましくは0.015%以下とする。なおPの下限は特に限定されないが、例えば、0.0005%以上(特に0.001%以上)程度であってもよい。
S :0.02%以下
Sは硫化物系介在物を生成し、加工性や溶接性を劣化させるため少ないほど望ましい。従ってS量は、0.02%以下、好ましくは0.015%以下、さらに好ましくは0.0010%以下とする。S量の下限は特に限定されないが、例えば、0.0005%以上(特に0.001%以上)程度であってもよい。
N :0.02%以下
Nは鋼を強化する作用があるが、過剰になると加工性を劣化させる。従ってN量は0.02%以下、好ましくは0.017%以下、さらに好ましくは0.015%以下とする。N量の下限は特に限定されないが、例えば、0.0005%以上(特に0.001%以上)程度であってもよい。
残部はFe及び不可避不純物である。
上記のようにして得られる冷延鋼板は、延性(特に伸びフランジ性)に優れているため、この特性を利用した種々の用途に有利に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実験例
実験室レベルで、次の様な実験を行なった。すなわち150kgの電解鉄を高周波誘導溶解炉で溶解し、これに合金鉄を添加して下記表1に示す組成に調整した。この溶鋼を直径220mm×高さ500mmの鋳型に鋳造した後、155mm角に鍛造した。通常の条件で厚さ3mmまで熱間圧延し(圧下率=98%)、次いで通常の条件で厚さ1.7mmまで冷間圧延(圧下率=45%)を行い、冷延鋼板を製造した。
鋳塊中、熱延鋼板中及び冷延鋼板中の酸化物系介在物(MnO、SiO2、及びAl23から選択された少なくとも1種を含む介在物)のサイズ、及び短径が5μm以上の酸化物系介在物の平均組成[(ΣAi×ai)/Σai;Aは短径5μm以上の酸化物系介在物の組成。aは酸化物系介在物の面積]をEPMA(電子プローブX線マイクロアナライザ)で測定すると共に、冷延鋼板から試験片(板)を採取し、下記のようにして伸びフランジ性を評価した。
[伸びフランジ性]
試験片(板)を打ち抜いて直径D0(D0=10mm)の孔を形成した。この打ち抜き孔に頂角60°の円錐ポンチを差し込んで孔を押し広げ、孔の周りに生じた割れが板を厚さ方向に貫通したときの孔の直径をDfを測定し、下記式に基づいて限界孔拡げ率λ(%)を算出した。
λ(%)={(Df−D0)/D0}×100
結果を下記表1に示す。
Figure 0004369267
表1より明らかなように、No.10、No.13、No.16の例では、Mnに比べてSiが過剰となっているため、介在物のSiO2濃度が高くなりすぎ、熱間圧延及び冷間圧延で該介在物を微細化できない結果、伸びフランジ性(孔拡げ率)が低下している。No.14の例では、溶鋼の溶存酸素濃度が低すぎるために耐火物からAl23が溶出しやすくなり、介在物中のAl23濃度が高くなりすぎる結果、熱間圧延及び冷間圧延で該介在物を微細化できず、伸びフランジ性(孔拡げ率)が低下している。No.12、15、17及び18の例では、溶鋼の溶存酸素濃度が低すぎるだけでなく、固溶Al濃度も高くなりすぎ、介在物中のAl23濃度が著しく高くなる結果、熱間圧延及び冷間圧延で該介在物を微細化できず、伸びフランジ性(孔拡げ率)が低下している。No.11の例では、固溶Al濃度が高すぎると共に鋳造前の溶鋼の溶存酸素濃度が高すぎるために、介在物のAl23濃度が高くなりすぎると共に粗大介在物の量も多くなりすぎ、熱間圧延及び冷間圧延で該介在物を十分に微細化できない結果、伸びフランジ性(孔拡げ率)が低下している。
これらに対して、No.1〜9の例では、鋼成分及び溶製方法が適切であるために、介在物組成が適切であり、熱間圧延及び冷間圧延で該介在物を微細化でき、伸びフランジ性(孔拡げ率)が向上している。
図1は酸化物系介在物の微細化の様子を説明するための概念図である。 図2は短径が2μm以上の酸化物系介在物の個数を示すグラフである。

Claims (4)

  1. C :0.001〜0.3%(質量%の意。以下、同じ)、
    Si:0.05〜2.5%、
    Mn:0.1〜3%、
    P :0.02%以下、
    S :0.02%以下、
    N :0.02%以下を含有し、
    固溶Alが0.002%以下となっている残部がFe及び不可避不純物である冷延鋼板であって、
    前記MnとSiは、下記式(1)を満足しており、
    MnO、SiO 2 及びAl 2 3 から選択された少なくとも一種を含有する酸化物系介在物の平均組成を測定したとき、
    (a)MnO、SiO 2 及びAl 2 3 の合計は、MnO、SiO 2 、Al 2 3 、MgO、TiO 2 、及びCaOの合計に対して、80質量%以上であり、
    (b)MnO、SiO 2 及びAl 2 3 の合計に対して、MnOは20〜80質量%、
    SiO 2 は20〜70質量%、Al 2 3 は35質量%以下であって、
    MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する短径が5μm以上の酸化物系介在物が、1cm2あたり35個以下であることを特徴とする延性に富む冷延鋼板。
    [Mn]2/[Si]≧2 …(1)
    (式中、[Mn]は鋼中のMn濃度を示し、[Si]は鋼中のSi濃度を示す)
  2. C :0.001〜0.3%、
    Si:0.05〜 2.5% 、
    M n:0.1〜3%、
    P :0.02%以下、
    S :0.02%以下を含有し、
    N :0.02%以下、
    固溶Alが0.002%以下となっている残部がFe及び不可避不純物である熱延鋼板であって、
    前記MnとSiは、上記式(1)を満足しており、
    MnO、SiO 2 及びAl 2 3 から選択された少なくとも一種を含有する酸化物系介在物の平均組成を測定したとき、
    (a)MnO、SiO 2 及びAl 2 3 の合計は、MnO、SiO 2 、Al 2 3 、MgO、TiO 2 、及びCaOの合計に対して、80質量%以上であり、
    (b)MnO、SiO 2 及びAl 2 3 の合計に対して、MnOは20〜80質量%、
    SiO 2 は20〜70質量%、Al 2 3 は35質量%以下であって、
    MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する短径が5μm以上の酸化物系介在物が、1cm2あたり100個以下であることを特徴とする延性の改善に有用な熱延鋼板。
  3. C :0.001〜0.3%、
    Si:0.05〜2.5%、
    Mn:0.1〜3%、
    P :0.02%以下、
    S :0.02%以下、
    N :0.02%以下を含有し、
    固溶Alが0.002%以下となっている残部がFe及び不可避不純物である鋳造鋼塊であって、
    前記MnとSiは、上記式(1)を満足しており、
    MnO、SiO2及びAl23から選択された少なくとも一種を含有する酸化物系介在物の平均組成を測定したとき、
    (a)MnO、SiO2及びAl23の合計は、MnO、SiO2、Al23、MgO、TiO2、及びCaOの合計に対して、80質量%以上であり、
    (b)MnO、SiO2及びAl23の合計に対して、MnOは20〜80質量%、
    SiO2は20〜70質量%、Al23は35質量%以下である
    ことを特徴とする延性の改善に有用な鋳造鋼塊。
  4. 鋳造前の溶鋼中の溶存酸素濃度を0.0005〜0.005%の範囲に制御することを特徴とする請求項3に記載の鋳造鋼塊の製造方法。
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