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JP4334879B2 - インクジェット用インク - Google Patents

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JP4334879B2
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稔 羽切
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の彩度(色調の鮮明性)に優れたインクジェット用インク、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを吐出させて記録を行なうインクジェット画像形成装置、該画像形成装置による画像形成方法および、該方法で作成された画像形成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。
【0003】
有機顔料やカーボンブラックを用いたインクでは、有機顔料やカーボンブラックを分散剤の助けを借りて機械的に粉砕・分散する方法が採られているが、有機顔料やカーボンブラックを非常に微細にし、かつ安定に媒体に分散しなければ良好な透明度、精細度および発色性が得られないばかりか、二次凝集、保存安定性などの問題が生じ、さらにインクジェット用インクにおいてはノズルの目詰まりの原因となる。
ノズルの目詰まりや色域を改善するには顔料の平均粒径を小さくする必要があるが、現在多く用いられているスチレン−アクリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体(例えば、特許文献1参照)、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等の高分子分散剤を用いたインク(例えば、特許文献2参照)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル(例えば、特許文献3参照)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル硫酸塩(例えば、特許文献4参照)、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルリン酸塩(例えば、特許文献5参照)等の界面活性剤を用いたインクのいずれにおいても顔料の平均粒径が大きく、色調の鮮明性、吐出安定性や液安定性に劣るものであった。
【0004】
従来、インクジェット方式による画像出力装置(画像形成装置)に対してはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に更にブラック(K)を加えた4色を用いて混色でカラー画像の再現処理を行なってきた。しかしながら、上記のようなイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色による混色では色再現範囲に限界があった。特にそれぞれの2次色であるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の彩度の高い色再現は、Y,M,C,Kの混色で表現することになり、彩度が充分ではなく色再現性に難があった。
【0005】
こうした欠点を補う目的で、Y,M,C,Kインクの他にR,B,Gインクの7色インクで画像形成し、2次色の色再現性の向上と2次色のインク混色による色にじみの改善を行なっている(例えば、特許文献6、7参照)。しかし、7色のインクあるいはそれ以上に色を増やして用いることは、同時にヘッドの数を増加させ、画像出力装置のコストアップ、サイズアップやヘッドのメンテナンス負荷の増加などという問題を引き起こすことになる。さらに画像信号を出力信号に変換する画像処理に負荷が大きくなる。こうした負荷は、記録速度の低下にもつながり好ましいことではない。
インクの着色剤として顔料を用いたときは、染料を用いたときに比べ、印刷部の明度、彩度が低く、一般的には色再現性に劣る。特に問題となるのは前述した2次色のところであり、この明度、彩度が大きく低下してしまう。この様な顔料インクでの問題を改善しようとして、Y,M,C,K顔料インクとグリーン(G)顔料インクおよびオレンジ(Or)顔料インクを用いた技術が開示されている(例えば、特許文献8参照)が、色再現性、特に赤色(マゼンタ系)の再現性に関して充分とはいえない。
これに対し、インクジェット用インクに好適に使用し得る微粒子径顔料分散液を短時間で効率的に作成できる分散剤と添加剤を特定し併用することで解決することが開示されている(例えば、特許文献9参照)。しかし、粒子径が100〜200nmレベルの話であり、画像の彩度(色調の鮮明性)、吐出安定性に優れた顔料インクを提供するためには、粒子径を10〜50nmまでにする必要がある。今までの分散体は粘度等の問題で、10〜50nmまでの分散は一般に困難とされていた。
【0006】
【特許文献1】
特開昭56−147863号公報
【特許文献2】
特公平1−22311号公報
【特許文献3】
特開平5−105837号公報
【特許文献4】
特開平10−168367号公報
【特許文献5】
特開平10−88050号公報
【特許文献6】
特開平8−244254号公報(請求項1、第3頁左欄47行目〜右欄第12行目)
【特許文献7】
特開平10−44473号公報(請求項1、第3頁左欄第20行目〜第23行目)
【特許文献8】
国際公開99/05230号公報(第8頁第11行目〜第18行目、第9頁第16行目〜第10頁第1行目)
【特許文献9】
特開2001−192583号公報(第3頁右欄第17行目〜第22行目)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記問題点に鑑みなされたもので、従来、微小粒径を用いたインクジェットインクでは困難であったインク保存性を解決し、画像の彩度(色調の鮮明性)、インク保存性に優れた顔料系のインクジェット用インク(インクジェット用組成物)を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、インクジェット用インクの物性状態及び特定のエマルジョンを配合することにより、画像の彩度(色調の鮮明性)、吐出安定性、インク保存性に優れた顔料系のインクジェット用インクが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、上記課題は、本発明の(1)「少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含み、インクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、少なくとも前記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以上で、顔料粒子の平均粒径より大きく、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であり、前記顔料が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種からなる分散剤で分散され、該分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下であることを特徴とするインクジェット用インク;
【0009】
【化2】
Figure 0004334879
、(2)「前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット用インク」によって解決される。
【0010】
また、上記課題は、本発明の()「前記第(1)項または第(2)項に記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ」によって解決される。
【0011】
また、上記課題は、本発明の()「前記第(1)項または第(項に記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置」によって解決される。
【0012】
また、上記課題は、本発明の()「前記第()項に記載のインクジェット画像形成装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法」によって解決される。
【0013】
また、上記課題は、本発明の()「前記第()項に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物」によって解決される。
【0014】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット用インクは、少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含むインクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上、20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするものである。
従来のインクジェット用インクが紙面上に着弾し、紙面上及び/又は紙中において乾燥してできる画像部においては、顔料等の色材と非揮発性の水溶性有機溶剤等との混合物が存在している。特に顔料粒子は粒径のばらつきが大きく、特定の粒径にそろえることが困難で、印字画像部の顔料粒子の乱反射を起こし、濃度均一な印字画像を提供できない。そこで、適量範囲のシリコンオイルエマルジョンを用いることにより、インク液の粘度上昇や分散質凝集等の弊害を伴うことなく、インク中での顔料の分散を助けかつ一旦分散された微細顔料粒子の再凝集を防止し、また、このインクを用いて印字された画像の彩度を向上できることが見出された。これは、シリコンオイルエマルジョンは表面張力が小さい即ち表面エネルギーが低いため、インク中では、分散処理される顔料粒子に触れてその上に薄膜状に広がることによりその表面エネルギーを低下させ、分散操作により新たに生じた微粒子の剪断面に触れてその表面エネルギーを低下させる一方、水及び親水性液媒体と相溶せずかつ顔料粒子にもほとんど吸着せずに独自に微液滴として存在するが、印字された際には、表面エネルギーが低いため着弾したインク滴中の分散質(顔料)上に広がる等の理由に因り印字画像部の乱反射を防止するためと思われるが、明確な原因機構は不明であり、またそのような原因機構の解明は本発明の目的とするところではない。
【0015】
本発明のシリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは5重量%以上10重量%以下であることである。シリコーンオイルの含有量が1重量%未満であると、シリコーンオイルエマルジョンの乱反射防止効果が不充分であり、20重量%より多いと、インクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
【0016】
本発明のシリコーンオイルは、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることが好ましく、より好ましくは1以上10以下であることである。シリコーンオイルエマルジョンは乱反射防止という役目のほかに艶出しという効果もあり、0.1〜10の領域が顔料を適用に均等に覆う範囲である。
【0017】
本発明のシリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことを特徴とするものである。
シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことで、顔料粒子にシリコーンオイルエマルジョンが充分覆うことができ、シリコーンオイルエマルジョンの乱反射防止効果、艶出し効果を充分発揮することができる。
また、上記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒子径(D50)が100nm以上で2000nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以上で1500nm以下である。
100nm以下より小さいと、インクジェット用インクが紙面上に着弾した際、シリコーンオイルエマルジョンが、顔料粒子を覆うのに不充分であるため、印字画像部の顔料粒子の乱反射を起こし、濃度均一な印字画像を提供できない。実際、粒径測定をしてみると、シリコーンとインクの混合物ではシリコーンの分は粒径の山が出てこないので見分けることは難しいが、シリコーンとインクでは吸収波長が違うので、粒径計測装置のレーザー波長を変えることで見分けることができる。
ここで上記シリコーンオイルエマルジョンは界面活性剤とシリコンをミックスして強烈にシェアをかけた分散で作成したものである。
【0018】
本発明で使用される顔料の1形態は、分散剤で分散されていることを特徴とするものである。分散剤を添加することで、顔料が分散されて、顔料粒子の平均粒子径(D50)が小さく、かつ粒子径標準偏差も小さくすることができ、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
本発明のインクジェット用インクの顔料に対する分散剤の重量基準は顔料1に対し0.3以上2以下が好ましく、より好ましくは0.5〜2である。0.5〜2の範囲にすることにより平均粒径が小さく、また粒度分布における標準偏差の小さいインク液を提供できる。顔料に対する分散剤は0.3未満では、平均粒径が大きく、また粒度分布における標準偏差の大きいインク液のため満足な彩度が得られない。2より大きいとインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
【0019】
本発明のインクジェット用インクの分散剤はいかなるものでも良いが、一般式(1)にすることにより平均粒径の小さく、また粒度分布における標準偏差の小さいインクジェット用インクを得ることができる。
【0020】
【化3】
Figure 0004334879
【0021】
一般式(1)で示される分散剤で、nは、好ましくは20以上100以下、より好ましくは30以上50以下である。nが20未満では分散安定性が低下する傾向があり、平均粒径が大きく、また粒度分布における標準偏差の大きいインク液のため満足な彩度が得られない。また、nが100より大きいとインクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。POE(n=40)βナフチルエーテルが更に好ましい。
【0022】
本発明で使用される顔料は、好ましくは自己分散型顔料のものである。
前記顔料を自己分散型顔料とするには、顔料表面に化学処理を行なって静電反発力により各顔料粒子が水中で安定に分散し得るような官能基を必要量化学結合させれば良い。これら自己分散型顔料の作成方法の例等については、USP5571311、USP5630868、USP5707432、J.E.Johnson,Imaging Science and Technology’s50th Annual Coference(1997)、Yuan Yu, Imaging Science and Technology’s 53th Annual Conference(2000)、ポリファイル,12 48(1996)等に記載されている。自己分散型顔料を用いることで、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
【0023】
本発明で使用される顔料の他の形態は、カプセル型顔料であることを特徴とするものである。
前記顔料をカプセル型顔料とするには、顔料をアニオン性基含有有機高分子化合物で被膜することでマイクロカプセル化顔料分散体が作成でき、例えば、特開平9−151342号公報に開示されている。着色剤を内包する樹脂としては、例えば、水不溶性の着色剤を樹脂のマイクロカプセルに閉じ込めた樹脂、及び油性溶剤に溶解もしくは分散した水不溶性の着色剤を水性媒体中に分散した樹脂エマルジョンが挙げられるが、特には閉じ込めてなるマイクロカプセル化樹脂が好ましい。カプセル型顔料を用いることで、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
【0024】
本発明に用いる顔料としては、ブラック顔料としてはファーネス法あるいはチャネル法で製造されたカーボンブラック等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
【0025】
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられる。
なお、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、シアン顔料としてピグメントブルー15を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
【0026】
本発明のインクジェット用インクを収容したインクカートリッジを形成することができ、該インクカートリッジを収容したインクジェット装置で該インクに記録信号に応じてオリフィスから吐出させ、被記録材に画像形成を行ない、画像形成物を得ることができる。
なお、本発明のインクジェット用インクを用いて印字する手段としては、連続噴射型あるいはオンデマンド型の記録ヘッドを有する前記のインクジェット方式のプリンター(インクジェットプリンター)による印刷方式が挙げられる。なお、オンデマンド型としては、例えば、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が例示される。
これらインクカートリッジの形成、インクジェット装置の形成、画像形成方法は、例えば特開2000-198958号公報に記載されたもの等、当技術分野に関する公知技術を適宜採用することができる。
【0027】
また、本発明において記録媒体(被記録材)は、紙などのインク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適に用いられる。本発明によるインクジェット記録方法が適用可能な記録媒体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。このうち、紙が経済性の点と画像の自然さの点で最も好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
下記表1の実施例1〜6、比較例1、参考例1〜8の処方によりインクジェット用インクを調整し、1時間攪拌後、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、本発明のインクジェット用インク(a)〜(o)を得た。
インクの調合法は、
(i)Gly,DEG
(ii)ECTD
(iii)LV
(iv)シリコンオイルエマルジョン
(v)蒸留水
の順序で入れ、30分程攪拌した後に顔料種を添加し、30分攪拌し、インクジェット用インクを作成する。
なお、グリセリンはGly、ジエチレングリコールはDEG、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウムはECTD、プロキセルLV(S)20%溶液(防腐剤)はLVと略す。
【0029】
顔料種は、上記の顔料(元となる粉粉体)、前記一般式(1)で記載されるPOE−β−ナフチルエーテルのような分散剤、水や水溶性有機溶剤の混合物をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で分散することによって得られる。
本発明で言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水や水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散したものである。
顔料平均粒径については、分散機へ入れるビーズの大きさや分散時間などによって制御することが可能であり、平均粒径を50nm以下にするには、ビーズは0.1mm〜1.0mm、分散時間は1時間/L〜100時間/Lで分散すれば良い。
具体的には、顔料種α・・・使用分散機DYNO−MiLL((株)シンマルエンタープライゼス)、使用ビーズ:ジルコニア0.3mm、周速:10m/s、流量:1L、分散時間:17時間であり、顔料種β・・・使用分散機DYNO−MiLL((株)シンマルエンタープライゼス)、使用ビーズ:ジルコニア0.3mm、周速:10m/s、流量:1L、分散時間:20時間であった。
【0030】
【表1】
Figure 0004334879
表1に関して、
【0031】
【数1】
分散剤比率=分散剤重量÷顔料重量
とする。
【0032】
【数2】
Si/pig比率=シリコーンオイルエマルジョン重量÷顔料重量
とする。
Sig/pig(D50比較)は、シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいときを〇、シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より小さいときを×とする。
また、上記表1において、顔料種α〜ζ、分散剤▲1▼〜▲4▼およびエマルジョンA〜Eのスペックは、以下のとおりである。
【0033】
【表2】
Figure 0004334879
【0034】
上記インク(a)〜(o)をEPSON社製インクジェットプリンタEM−930C改造機の黒カートリッジに充填後、真空脱気し、EPSON社製インクジェットプリンタEM−930C改造機で吐出安定性及び印字画像をX−rite濃度計にて測定した。
その際、記録媒体として、ゼロックス社製;Xerox 4024(紙サイズ度32s、透気度21s)を用いた。
画像の鮮明性(彩度)とは、画像サンプルのベタ画像の測色をXrite濃度計にて行ない、色度図上にプロットし、色度図上の原点からの距離を言う。より詳しくは色度図上のa値、b値について
【0035】
【数3】
Figure 0004334879
を言う。
【0036】
画像の鮮明性(彩度)評価
顔料種αタイプは彩度60以上を○、60〜55を△、以下を×とする。
顔料種βタイプは彩度50以上を○、50〜45を△、以下を×とする。
顔料種γタイプは彩度55以上を○、55〜50を△、以下を×とする。
顔料種δタイプは彩度50以上を○、50〜45を△、以下を×とする。
顔料種εタイプは彩度48以上を○、48〜43を△、以下を×とする。
顔料種ζタイプは彩度55以上を○、55〜52を△、以下を×とする。
【0037】
吐出安定性
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
【0038】
インク保存性
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
○:10%以内
△:30%以内
×:50%を超える
【0039】
【表3】
Figure 0004334879
【0040】
つぎに、上記表3の評価結果について検討する。
実施例1〜6(インクa〜f)では、すべての評価において優れた結果が得られた。また、比較例1、参考例1〜8(インクg〜o)では、少なくとも1つの評価において劣るものであった。
【0041】
(1)比較例1、参考例1〜8(インクg〜o):
比較例1(インクg)では彩度が低い。この原因は、シリコーンオイルエマルジョン無添加のためであると考えられる。
参考例1(インクh)では彩度が低い。この原因は、シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より小さいからと考えられる。
参考例2(インクi)では彩度が低い。この原因は、シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以下であると考えられる。
参考例3(インクj)では彩度が低く、インク保存性、吐出安定性が悪い。この原因は、顔料が分散剤で分散されていないと考えられる。
参考例4、5(インクk、l)では彩度が低く、インク保存性、吐出安定性が悪い。この原因は、分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下の範囲にないと考えられる。
参考例6、7(インクm、n)では彩度が低く、インク保存性、吐出安定性が悪い。この原因は、分散剤が一般式(1)で示される化合物でないと考えられる。
参考例8(インクo)では彩度が低く、インク保存性、吐出安定性が悪い。この原因は、分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルでないと考えられる。
【0042】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明により明らかなように、本発明のインクジェット用インクは、画像の鮮明性(彩度)、吐出安定性、インク保存性においても従来のものより優れるものである。また、本発明によれば、本発明の顔料インク組成物を適用するインクカートリッジ、インクジェットプリント装置および画像形成方法により、それぞれ、画像の鮮明性(彩度)に優れた画像形成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含み、インクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、少なくとも前記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以上で、顔料粒子の平均粒径より大きく、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であり、前記顔料が下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種からなる分散剤で分散され、該分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下であることを特徴とするインクジェット用インク。
    Figure 0004334879
  2. 前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 請求項1または2に記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 請求項1または2に記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
  5. 請求項に記載のインクジェット画像形成装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物。
JP2003031668A 2002-10-29 2003-02-07 インクジェット用インク Expired - Fee Related JP4334879B2 (ja)

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