JP2004238573A5 - インクジェット用インク - Google Patents
インクジェット用インク Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004238573A5 JP2004238573A5 JP2003031668A JP2003031668A JP2004238573A5 JP 2004238573 A5 JP2004238573 A5 JP 2004238573A5 JP 2003031668 A JP2003031668 A JP 2003031668A JP 2003031668 A JP2003031668 A JP 2003031668A JP 2004238573 A5 JP2004238573 A5 JP 2004238573A5
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- pigment
- inkjet
- image
- particle size
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Description
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含み、インクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするインクジェット用インク。
【請求項2】 少なくともシリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
【請求項3】 前記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
【請求項4】 顔料が分散剤で分散されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項5】 前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項6】 前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の、少なくとも一種を使用することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインクジェット用インク。
【化1】
【請求項7】 前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項8】 顔料が自己分散型顔料であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項9】 顔料がカプセル型顔料であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項10】 前記顔料のうち、ブラック顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項11】 前記顔料のうち、マゼンタ顔料がPig.Red5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、Pig.Violet19のうち少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項12】 前記顔料のうち、シアン顔料がPig.Blue1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66のうち少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項13】 請求項1乃至12の何れかに記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項14】 請求項1乃至12の何れかに記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
【請求項15】 請求項14に記載のインクジェット画像形成装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
【請求項16】 請求項15に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物。
【請求項17】 画像支持体が紙であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成物。
【請求項1】 少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含み、インクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするインクジェット用インク。
【請求項2】 少なくともシリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
【請求項3】 前記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
【請求項4】 顔料が分散剤で分散されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項5】 前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項6】 前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の、少なくとも一種を使用することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインクジェット用インク。
【化1】
【請求項7】 前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項8】 顔料が自己分散型顔料であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項9】 顔料がカプセル型顔料であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項10】 前記顔料のうち、ブラック顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項11】 前記顔料のうち、マゼンタ顔料がPig.Red5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、Pig.Violet19のうち少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項12】 前記顔料のうち、シアン顔料がPig.Blue1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、63、66のうち少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のインクジェット用インク。
【請求項13】 請求項1乃至12の何れかに記載のインクジェット用インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項14】 請求項1乃至12の何れかに記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置。
【請求項15】 請求項14に記載のインクジェット画像形成装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
【請求項16】 請求項15に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物。
【請求項17】 画像支持体が紙であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成物。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の彩度(色調の鮮明性)に優れたインクジェット用インク、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを吐出させて記録を行なうインクジェット画像形成装置、該画像形成装置による画像形成方法および、該方法で作成された画像形成物に関するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像の彩度(色調の鮮明性)に優れたインクジェット用インク、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを吐出させて記録を行なうインクジェット画像形成装置、該画像形成装置による画像形成方法および、該方法で作成された画像形成物に関するものである。
従来、インクジェット方式による画像出力装置(画像形成装置)に対してはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に更にブラック(K)を加えた4色を用いて混色でカラー画像の再現処理を行なってきた。しかしながら、上記のようなイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色による混色では色再現範囲に限界があった。特にそれぞれの2次色であるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の彩度の高い色再現は、Y,M,C,Kの混色で表現することになり、彩度が充分ではなく色再現性に難があった。
こうした欠点を補う目的で、Y,M,C,Kインクの他にR,B,Gインクの7色インクで画像形成し、2次色の色再現性の向上と2次色のインク混色による色にじみの改善を行なっている(例えば、特許文献6、7参照)。しかし、7色のインクあるいはそれ以上に色を増やして用いることは、同時にヘッドの数を増加させ、画像出力装置のコストアップ、サイズアップやヘッドのメンテナンス負荷の増加などという問題を引き起こすことになる。さらに画像信号を出力信号に変換する画像処理に負荷が大きくなる。こうした負荷は、記録速度の低下にもつながり好ましいことではない。
インクの着色剤として顔料を用いたときは、染料を用いたときに比べ、印刷部の明度、彩度が低く、一般的には色再現性に劣る。特に問題となるのは前述した2次色のところであり、この明度、彩度が大きく低下してしまう。この様な顔料インクでの問題を改善しようとして、Y,M,C,K顔料インクとグリーン(G)顔料インクおよびオレンジ(Or)顔料インクを用いた技術が開示されている(例えば、特許文献8参照)が、色再現性、特に赤色(マゼンタ系)の再現性に関して充分とはいえない。
これに対し、インクジェット用インクに好適に使用し得る微粒子径顔料分散液を短時間で効率的に作成できる分散剤と添加剤を特定し併用することで解決することが開示されている(例えば、特許文献9参照)。しかし、粒子径が100〜200nmレベルの話であり、画像の彩度(色調の鮮明性)、吐出安定性に優れた顔料インクを提供するためには、粒子径を10〜50nmまでにする必要がある。今までの分散体は粘度等の問題で、10〜50nmまでの分散は一般に困難とされていた。
インクの着色剤として顔料を用いたときは、染料を用いたときに比べ、印刷部の明度、彩度が低く、一般的には色再現性に劣る。特に問題となるのは前述した2次色のところであり、この明度、彩度が大きく低下してしまう。この様な顔料インクでの問題を改善しようとして、Y,M,C,K顔料インクとグリーン(G)顔料インクおよびオレンジ(Or)顔料インクを用いた技術が開示されている(例えば、特許文献8参照)が、色再現性、特に赤色(マゼンタ系)の再現性に関して充分とはいえない。
これに対し、インクジェット用インクに好適に使用し得る微粒子径顔料分散液を短時間で効率的に作成できる分散剤と添加剤を特定し併用することで解決することが開示されている(例えば、特許文献9参照)。しかし、粒子径が100〜200nmレベルの話であり、画像の彩度(色調の鮮明性)、吐出安定性に優れた顔料インクを提供するためには、粒子径を10〜50nmまでにする必要がある。今までの分散体は粘度等の問題で、10〜50nmまでの分散は一般に困難とされていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、インクジェット用インクの物性状態及び特定のエマルジョンを配合することにより、画像の彩度(色調の鮮明性)、吐出安定性、インク保存性に優れた顔料系のインクジェット用インクが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、上記課題は、本発明の(1)「少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含み、インクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするインクジェット用インク」、(2)「少なくともシリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット用インク」、(3)「前記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以上であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のインクジェット用インク」、(4)「顔料が分散剤で分散されていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載のインクジェット用インク」、(5)「前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載のインクジェット用インク」、(6)「前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の、少なくとも一種を使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載のインクジェット用インク;
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、インクジェット用インクの物性状態及び特定のエマルジョンを配合することにより、画像の彩度(色調の鮮明性)、吐出安定性、インク保存性に優れた顔料系のインクジェット用インクが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、上記課題は、本発明の(1)「少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含み、インクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするインクジェット用インク」、(2)「少なくともシリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット用インク」、(3)「前記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が100nm以上であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のインクジェット用インク」、(4)「顔料が分散剤で分散されていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載のインクジェット用インク」、(5)「前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.3以上2以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載のインクジェット用インク」、(6)「前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の、少なくとも一種を使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載のインクジェット用インク;
また、上記課題は、本発明の(14)「前記第(1)項乃至第(12)項の何れかに記載のインクジェット用インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット画像形成装置」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の(15)「前記第(14)項に記載のインクジェット画像形成装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法」によって解決される。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明のインクジェット用インクは、少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含むインクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上、20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするものである。
従来のインクジェット用インクが紙面上に着弾し、紙面上及び/又は紙中において乾燥してできる画像部においては、顔料等の色材と非揮発性の水溶性有機溶剤等との混合物が存在している。特に顔料粒子は粒径のばらつきが大きく、特定の粒径にそろえることが困難で、印字画像部の顔料粒子の乱反射を起こし、濃度均一な印字画像を提供できない。そこで、適量範囲のシリコンオイルエマルジョンを用いることにより、インク液の粘度上昇や分散質凝集等の弊害を伴うことなく、インク中での顔料の分散を助けかつ一旦分散された微細顔料粒子の再凝集を防止し、また、このインクを用いて印字された画像の彩度を向上できることが見出された。これは、シリコンオイルエマルジョンは表面張力が小さい即ち表面エネルギーが低いため、インク中では、分散処理される顔料粒子に触れてその上に薄膜状に広がることによりその表面エネルギーを低下させ、分散操作により新たに生じた微粒子の剪断面に触れてその表面エネルギーを低下させる一方、水及び親水性液媒体と相溶せずかつ顔料粒子にもほとんど吸着せずに独自に微液滴として存在するが、印字された際には、表面エネルギーが低いため着弾したインク滴中の分散質(顔料)上に広がる等の理由に因り印字画像部の乱反射を防止するためと思われるが、明確な原因機構は不明であり、またそのような原因機構の解明は本発明の目的とするところではない。
本発明のインクジェット用インクは、少なくとも顔料、水、水溶性有機溶剤、シリコーンオイルエマルジョンを含むインクジェット記録方法に用いるインク組成物であって、シリコーンオイルエマルジョンの含有量が1重量%以上、20重量%以下で、顔料1に対してシリコーンオイルエマルジョンが0.1以上20以下であることを特徴とするものである。
従来のインクジェット用インクが紙面上に着弾し、紙面上及び/又は紙中において乾燥してできる画像部においては、顔料等の色材と非揮発性の水溶性有機溶剤等との混合物が存在している。特に顔料粒子は粒径のばらつきが大きく、特定の粒径にそろえることが困難で、印字画像部の顔料粒子の乱反射を起こし、濃度均一な印字画像を提供できない。そこで、適量範囲のシリコンオイルエマルジョンを用いることにより、インク液の粘度上昇や分散質凝集等の弊害を伴うことなく、インク中での顔料の分散を助けかつ一旦分散された微細顔料粒子の再凝集を防止し、また、このインクを用いて印字された画像の彩度を向上できることが見出された。これは、シリコンオイルエマルジョンは表面張力が小さい即ち表面エネルギーが低いため、インク中では、分散処理される顔料粒子に触れてその上に薄膜状に広がることによりその表面エネルギーを低下させ、分散操作により新たに生じた微粒子の剪断面に触れてその表面エネルギーを低下させる一方、水及び親水性液媒体と相溶せずかつ顔料粒子にもほとんど吸着せずに独自に微液滴として存在するが、印字された際には、表面エネルギーが低いため着弾したインク滴中の分散質(顔料)上に広がる等の理由に因り印字画像部の乱反射を防止するためと思われるが、明確な原因機構は不明であり、またそのような原因機構の解明は本発明の目的とするところではない。
本発明のシリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことを特徴とするものである。
シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことで、顔料粒子にシリコーンオイルエマルジョンが充分覆うことができ、シリコーンオイルエマルジョンの乱反射防止効果、艶出し効果を充分発揮することができる。
また、上記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒子径(D50)が100nm以上で2000nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以上で1500nm以下である。
100nm以下より小さいと、インクジェット用インクが紙面上に着弾した際、シリコーンオイルエマルジョンが、顔料粒子を覆うのに不充分であるため、印字画像部の顔料粒子の乱反射を起こし、濃度均一な印字画像を提供できない。実際、粒径測定をしてみると、シリコーンとインクの混合物ではシリコーンの分は粒径の山が出てこないので見分けることは難しいが、シリコーンとインクでは吸収波長が違うので、粒径計測装置のレーザー波長を変えることで見分けることができる。
ここで上記シリコーンオイルエマルジョンは界面活性剤とシリコンをミックスして強烈にシェアをかけた分散で作成したものである。
シリコーンオイルエマルジョンの平均粒径が顔料粒子の平均粒径より大きいことで、顔料粒子にシリコーンオイルエマルジョンが充分覆うことができ、シリコーンオイルエマルジョンの乱反射防止効果、艶出し効果を充分発揮することができる。
また、上記シリコーンオイルエマルジョンの平均粒子径(D50)が100nm以上で2000nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以上で1500nm以下である。
100nm以下より小さいと、インクジェット用インクが紙面上に着弾した際、シリコーンオイルエマルジョンが、顔料粒子を覆うのに不充分であるため、印字画像部の顔料粒子の乱反射を起こし、濃度均一な印字画像を提供できない。実際、粒径測定をしてみると、シリコーンとインクの混合物ではシリコーンの分は粒径の山が出てこないので見分けることは難しいが、シリコーンとインクでは吸収波長が違うので、粒径計測装置のレーザー波長を変えることで見分けることができる。
ここで上記シリコーンオイルエマルジョンは界面活性剤とシリコンをミックスして強烈にシェアをかけた分散で作成したものである。
本発明で使用される顔料の1形態は、分散剤で分散されていることを特徴とするものである。分散剤を添加することで、顔料が分散されて、顔料粒子の平均粒子径(D50)が小さく、かつ粒子径標準偏差も小さくすることができ、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
本発明のインクジェット用インクの顔料に対する分散剤の重量基準は顔料1に対し0.3以上2以下が好ましく、より好ましくは0.5〜2である。0.5〜2の範囲にすることにより平均粒径が小さく、また粒度分布における標準偏差の小さいインク液を提供できる。顔料に対する分散剤は0.3未満では、平均粒径が大きく、また粒度分布における標準偏差の大きいインク液のため満足な彩度が得られない。2より大きいとインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
本発明のインクジェット用インクの顔料に対する分散剤の重量基準は顔料1に対し0.3以上2以下が好ましく、より好ましくは0.5〜2である。0.5〜2の範囲にすることにより平均粒径が小さく、また粒度分布における標準偏差の小さいインク液を提供できる。顔料に対する分散剤は0.3未満では、平均粒径が大きく、また粒度分布における標準偏差の大きいインク液のため満足な彩度が得られない。2より大きいとインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
本発明のインクジェット用インクの分散剤はいかなるものでも良いが、一般式(1)にすることにより平均粒径の小さく、また粒度分布における標準偏差の小さいインクジェット用インクを得ることができる。
本発明で使用される顔料の他の形態は、カプセル型顔料であることを特徴とするものである。
前記顔料をカプセル型顔料とするには、顔料をアニオン性基含有有機高分子化合物で被膜することでマイクロカプセル化顔料分散体が作成でき、例えば、特開平9−151342号公報に開示されている。着色剤を内包する樹脂としては、例えば、水不溶性の着色剤を樹脂のマイクロカプセルに閉じ込めた樹脂、及び油性溶剤に溶解もしくは分散した水不溶性の着色剤を水性媒体中に分散した樹脂エマルジョンが挙げられるが、特には閉じ込めてなるマイクロカプセル化樹脂が好ましい。カプセル型顔料を用いることで、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
前記顔料をカプセル型顔料とするには、顔料をアニオン性基含有有機高分子化合物で被膜することでマイクロカプセル化顔料分散体が作成でき、例えば、特開平9−151342号公報に開示されている。着色剤を内包する樹脂としては、例えば、水不溶性の着色剤を樹脂のマイクロカプセルに閉じ込めた樹脂、及び油性溶剤に溶解もしくは分散した水不溶性の着色剤を水性媒体中に分散した樹脂エマルジョンが挙げられるが、特には閉じ込めてなるマイクロカプセル化樹脂が好ましい。カプセル型顔料を用いることで、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
本発明のインクジェット用インクを収容したインクカートリッジを形成することができ、該インクカートリッジを収容したインクジェット装置で該インクに記録信号に応じてオリフィスから吐出させ、被記録材に画像形成を行ない、画像形成物を得ることができる。
なお、本発明のインクジェット用インクを用いて印字する手段としては、連続噴射型あるいはオンデマンド型の記録ヘッドを有する前記のインクジェット方式のプリンター(インクジェットプリンター)による印刷方式が挙げられる。なお、オンデマンド型としては、例えば、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が例示される。
これらインクカートリッジの形成、インクジェット装置の形成、画像形成方法は、例えば特開2000-198958号公報に記載されたもの等、当技術分野に関する公知技術を適宜採用することができる。
なお、本発明のインクジェット用インクを用いて印字する手段としては、連続噴射型あるいはオンデマンド型の記録ヘッドを有する前記のインクジェット方式のプリンター(インクジェットプリンター)による印刷方式が挙げられる。なお、オンデマンド型としては、例えば、ピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が例示される。
これらインクカートリッジの形成、インクジェット装置の形成、画像形成方法は、例えば特開2000-198958号公報に記載されたもの等、当技術分野に関する公知技術を適宜採用することができる。
また、本発明において記録媒体(被記録材)は、紙などのインク組成物に対して吸収性を有するもの、インク組成物に対して実質的に非吸収性のもののいずれであっても好適に用いられる。本発明によるインクジェット記録方法が適用可能な記録媒体の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルフォン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等を基材とするプラスチックシート、黄銅、鉄、アルミニウム、SUS、銅等の金属表面または非金属の基材に蒸着等の手法により金属コーティング処理をした記録媒体、紙を基材として撥水処理などがなされた記録媒体、無機質の材料を高温で焼成した、いわゆるセラミックス材料からなる記録媒体などが挙げられる。このうち、紙が経済性の点と画像の自然さの点で最も好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
下記表1の実施例1〜6、比較例1、参考例1〜8の処方によりインクジェット用インクを調整し、1時間攪拌後、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、本発明のインクジェット用インク(a)〜(o)を得た。
インクの調合法は、
(i)Gly,DEG
(ii)ECTD
(iii)LV
(iv)シリコンオイルエマルジョン
(v)蒸留水
の順序で入れ、30分程攪拌した後に顔料種を添加し、30分攪拌し、インクジェット用インクを作成する。
なお、グリセリンはGly、ジエチレングリコールはDEG、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウムはECTD、プロキセルLV(S)20%溶液(防腐剤)はLVと略す。
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
下記表1の実施例1〜6、比較例1、参考例1〜8の処方によりインクジェット用インクを調整し、1時間攪拌後、孔径0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、本発明のインクジェット用インク(a)〜(o)を得た。
インクの調合法は、
(i)Gly,DEG
(ii)ECTD
(iii)LV
(iv)シリコンオイルエマルジョン
(v)蒸留水
の順序で入れ、30分程攪拌した後に顔料種を添加し、30分攪拌し、インクジェット用インクを作成する。
なお、グリセリンはGly、ジエチレングリコールはDEG、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウムはECTD、プロキセルLV(S)20%溶液(防腐剤)はLVと略す。
顔料種は、上記の顔料(元となる粉粉体)、前記一般式(1)で記載されるPOE−β−ナフチルエーテルのような分散剤、水や水溶性有機溶剤の混合物をサンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等の公知の分散機で分散することによって得られる。
本発明で言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水や水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散したものである。
顔料平均粒径については、分散機へ入れるビーズの大きさや分散時間などによって制御することが可能であり、平均粒径を50nm以下にするには、ビーズは0.1mm〜1.0mm、分散時間は1時間/L〜100時間/Lで分散すれば良い。
具体的には、顔料種α・・・使用分散機DYNO−MiLL((株)シンマルエンタープライゼス)、使用ビーズ:ジルコニア0.3mm、周速:10m/s、流量:1L、分散時間:17時間であり、顔料種β・・・使用分散機DYNO−MiLL((株)シンマルエンタープライゼス)、使用ビーズ:ジルコニア0.3mm、周速:10m/s、流量:1L、分散時間:20時間であった。
本発明で言う湿式分散処理とは顔料、分散剤、水や水溶性有機溶剤の混合物を前記サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー等いわゆる湿式分散方式で微粉砕・分散したものである。
顔料平均粒径については、分散機へ入れるビーズの大きさや分散時間などによって制御することが可能であり、平均粒径を50nm以下にするには、ビーズは0.1mm〜1.0mm、分散時間は1時間/L〜100時間/Lで分散すれば良い。
具体的には、顔料種α・・・使用分散機DYNO−MiLL((株)シンマルエンタープライゼス)、使用ビーズ:ジルコニア0.3mm、周速:10m/s、流量:1L、分散時間:17時間であり、顔料種β・・・使用分散機DYNO−MiLL((株)シンマルエンタープライゼス)、使用ビーズ:ジルコニア0.3mm、周速:10m/s、流量:1L、分散時間:20時間であった。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003031668A JP4334879B2 (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | インクジェット用インク |
ES03024700T ES2291578T3 (es) | 2002-10-29 | 2003-10-28 | Tinta para impresion con chorro de tinta, cartucho que contiene esta tinta, aparato para impresion con chorro de tinta qwue utiliza esta tinta, metodo de impresion con chorro de tinta que utiliza esta tinta, e imagen formada por dicho metodo de impresion con chorro de tinta. |
US10/694,043 US7101919B2 (en) | 2002-10-29 | 2003-10-28 | Inkjet, inkjet cartridge containing the inkjet ink, inkjet recording apparatus using the inkjet ink, inkjet recording method using the inkjet ink, and image formed by the inkjet recording method |
EP03024700A EP1416020B1 (en) | 2002-10-29 | 2003-10-28 | Inkjet ink, ink cartridge containing the inkjet ink, inkjet recording apparatus using the inkjet ink, inkjet recording method using the inkjet ink, and image formed by the inkjet recording method |
DE60315578T DE60315578T2 (de) | 2002-10-29 | 2003-10-28 | Tintenstrahldrucktinte, Tintenpatrone enthaltend die Tinte, Tintenstrahlaufzeichnungsgerät und -verfahren enthaltend die Tinte, Bild hergestellt mittels des Verfahrens |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003031668A JP4334879B2 (ja) | 2003-02-07 | 2003-02-07 | インクジェット用インク |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004238573A JP2004238573A (ja) | 2004-08-26 |
JP2004238573A5 true JP2004238573A5 (ja) | 2006-04-13 |
JP4334879B2 JP4334879B2 (ja) | 2009-09-30 |
Family
ID=32958177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003031668A Expired - Fee Related JP4334879B2 (ja) | 2002-10-29 | 2003-02-07 | インクジェット用インク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4334879B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006249396A (ja) * | 2005-02-09 | 2006-09-21 | Ricoh Co Ltd | 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 |
DE602006014325D1 (de) * | 2005-06-01 | 2010-07-01 | Ricoh Kk | Pigmentdispersion, Tinte für den Tintenstrahldruck enthaltend diese Dispersion, Herstellungsmethode für die Pigment Dispersion und die Tinte benutzendes Druckverfahren |
JP5374812B2 (ja) * | 2005-08-23 | 2013-12-25 | 株式会社リコー | 記録用インク、並びに、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 |
EP1926785B1 (en) | 2005-08-23 | 2016-05-04 | Ricoh Company, Ltd. | Ink for recording, and ink cartridge, ink recorded matter, inkjet recording apparatus and inkjet recording method using the same |
CN117295861B (zh) * | 2021-09-07 | 2025-04-01 | 京瓷株式会社 | 喷墨用处理液、喷墨印花装置以及喷墨印花方法 |
-
2003
- 2003-02-07 JP JP2003031668A patent/JP4334879B2/ja not_active Expired - Fee Related
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2867491B2 (ja) | 画像記録用インク | |
JP6592869B1 (ja) | インキセット、及び印刷物の記録方法 | |
JP6432895B2 (ja) | 水性インク組成物、インクセット、画像形成方法、及び樹脂微粒子 | |
JP4839504B2 (ja) | インクジェット用水性顔料インクおよびインクジェット記録方法 | |
WO2019013337A1 (ja) | インキセット、及び印刷物の製造方法 | |
JP3674498B2 (ja) | 水性顔料インクセット | |
JP2018114751A (ja) | 前処理液、インキセット、及び印刷物の製造方法 | |
JP2004238573A5 (ja) | インクジェット用インク | |
JP4334879B2 (ja) | インクジェット用インク | |
JP3997110B2 (ja) | インクセット及びこれを用いた画像形成方法 | |
JP6868208B2 (ja) | インク、インク収容容器及びインクジェット記録装置 | |
JP4045779B2 (ja) | インクジェット用カラーインクセットとそれを用いたインクジェットカートリッジ及びインクジェット画像記録方法 | |
JP2023141054A (ja) | インク、インクセット、インクと前処理液のセット、インク吐出方法、及びインク吐出装置 | |
WO2018181058A1 (ja) | 水性インク組成物、インクセット、画像形成方法、及びインク用樹脂微粒子 | |
JP7023202B2 (ja) | 水性インクジェットインク用樹脂分散体、水性インクジェット用インク組成物、及び、水性インクジェットインク用樹脂分散体の製造方法 | |
JP3951692B2 (ja) | インクジェット用顔料インクとそれを用いたインクジェットカートリッジ及びインクジェット画像記録方法 | |
JP2003171589A (ja) | インクジェット用顔料インクとそれを用いたインクジェットカートリッジ、インクジェット画像記録方法及びインクジェット記録画像 | |
JP7619514B2 (ja) | 水性インクジェットインキ及び印刷物 | |
JP2003286424A (ja) | 着色微粒子分散体を含む水性インク | |
JPH11343434A (ja) | 液体組成物、インクセットおよびこれらを用いた画像形成方法 | |
JP4735910B2 (ja) | 水性インク組成物 | |
JP3097103B2 (ja) | 記録用インクの製造方法 | |
JP2004149632A (ja) | 顔料分散液及びそれを用いたインクジェット用インクの製造方法 | |
JP2003012709A (ja) | 着色樹脂微粒子水分散体及びその製造方法、着色樹脂微粒子及びその製造方法、インク、記録ユニット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法 | |
JP2006089573A (ja) | インクセット |