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JP4277046B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動ウォータポンプと電動ファンとを備える内燃機関の冷却装置に関する。
内燃機関の冷却水を冷却するラジエータには、その冷却性能を維持もしくは補助するための電動ファンが設けられている。この電動ファンは、冷却水の温度が規定値よりも高くなると駆動される。また、内燃機関とラジエータとの間の冷却水の循環はウォータポンプによって行われる。ここで、通常、ウォータポンプは機関出力を利用して駆動されており、機関回転速度に同期してその流量が変化するため、機関回転速度が低いときには流量が低下してしまう。
そこで、例えば特許文献1に記載の冷却装置では、機関出力を利用して駆動される第1ウォータポンプに加え、電動モータによって駆動される第2ウォータポンプを備えるようにしている。そして、機関回転速度が低く、第1ウォータポンプの流量が不足するときには、その不足分を補うために上記第2ウォータポンプを駆動するようにしている。
特許2767995号公報
ところで、上記電動ウォータポンプ及び電動ファンは駆動時に電力を消費する機器であるため、冷却効率を考慮しつつそれら各機器の駆動を制御するようにしないと、例えば車両での消費電力が不必要に増大してしまう。このような消費電力の不必要な増大は、例えばオルタネータの駆動負荷の増大を招くことになり、内燃機関の燃費に対しても悪影響を与えてしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動ウォータポンプ及び電動ファンの駆動をより適切に制御することのできる内燃機関の冷却装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関に設けられた冷却配管内の冷却水を循環させる電動ウォータポンプと、前記冷却水の放熱を行うラジエータと、前記ラジエータを冷却する電動ファンとを備え、機関発熱量に応じて設定される目標流量に基づいて前記電動ウォータポンプの吐出流量を制御するとともに、前記冷却水の水温に基づいて前記電動ファンの駆動を制御する内燃機関の冷却装置において、前記電動ファンの駆動が開始される駆動温度よりも前記水温が高いときに、前記吐出流量を前記水温の上昇に応じて増大補正する第1の流量補正手段を備えることをその要旨とする。
同構成では、機関発熱量に基づいて電動ウォータポンプの目標流量を設定し、その目標流量に基づいて電動ウォータポンプの吐出流量を制御するようにしている。これにより、吐出流量は、機関からの発熱量に見合う冷却要求に応じて調整される。
ところで、機関発熱量が変動すると、吐出流量の制御を通じた冷却水の水温調整に応答遅れ等が生じてしまい、その結果、場合によっては冷却水温が上昇してしまうことがある。そこで、同構成では、そのように冷却水温が上昇してしまうような状況では、その水温上昇に応じて吐出流量を増大補正するようにしている。ここで、吐出流量が増大されるときに電動ファンが駆動されていない場合には、ラジエータの放熱能力を上回る冷却水が同ラジエータに供給されるおそれがあり、この場合には、電動ウォータポンプの駆動電力を増加させているにもかかわらず、冷却水を効率よく冷却することができないおそれがある。この点、同構成では、電動ファンの駆動温度よりも冷却水温が高いときに、上述したような吐出流量の増大補正を行うようにしている。そのため、ラジエータに供給される冷却水の流量が増大補正されるときには電動ファンも駆動されており、ラジエータの放熱能力が高められた状態で吐出流量は増大されるようになる。従って、電動ウォータポンプの駆動電力の増加を無駄にすることなく冷却性能を高めることができるようになり、電動ウォータポンプ及び電動ファンの駆動をより適切に制御することができるようになる。また、同構成では、冷却水温の上昇に応じて吐出流量を増大補正するようにしているため、電動ファンの駆動が開始される駆動温度よりも冷却水温が高いときには、吐出流量を一気に増大する場合と比較して、電動ウォータポンプの消費電力を好適に抑えることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却装置において、前記電動ウォータポンプの吐出流量を車速に基づいて補正する第2の流量補正手段を備えることをその要旨とする。
車両の車速が高くなるにつれてラジエータを通過する空気量は増大し、同ラジエータの放熱能力は高くなる。そこで同構成では、電動ウォータポンプの吐出流量を車速に基づいて補正するようにしており、これにより車速に応じて変化するラジエータの放熱能力に追従して電動ウォータポンプの吐出流量は変化するようになり、冷却効率が向上するようになる。従って、電動ウォータポンプに供給される電力を有効に活用しつつ冷却性能を向上させることができるようになる。
また、このように冷却性能が向上することで冷却水温の上昇が抑えられるようになるため、電動ファンの非駆動時には、冷却水温の上昇による電動ファンの駆動が抑えられるようになる。そのため、電動ファンの駆動頻度は低下するようになり、停止中の電動ファンが駆動されることによる消費電力の増加を抑えることができるようになる。また、そのように冷却性能が向上することにより、電動ファンの駆動時には、冷却水温の低下が促進されるようになる。そのため、電動ファンを停止させる停止温度にまで冷却水温が低下する時間は短くなり、これにより電動ファンの駆動時間も短くなる。このように駆動中の電動ファンがより早期に停止されるようになるため、電動ファンの駆動により消費される電力を抑えることもできるようになる。
なお、吐出流量を車速に基づいて補正する場合には、請求項3に記載の発明によるように、車速が高いときほど吐出流量を増大させる、といった構成を採用することにより、そうした補正を適切に行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の冷却装置において、前記電動ファンの駆動時には、その非駆動時と比較して、車速に基づいて補正される前記吐出流量をさらに増大補正することをその要旨とする。
電動ファンの駆動時には、その非駆動時と比較して、ラジエータを通過する空気量が増大し、同ラジエータの放熱能力は高くなる。そこで同構成では、車速に基づいて補正される上記吐出流量を電動ファンの駆動時にはさらに増大補正するようにしている。これにより車速のみならず、電動ファンの駆動状態によっても変化するラジエータの放熱能力に追従して電動ウォータポンプの吐出流量が変化するようになり、電動ファン駆動時の冷却効率がさらに向上するようになる。従って、電動ウォータポンプに供給される電力を有効に活用しつつ冷却性能をさらに向上させることができるようになる。
また、このように冷却性能が向上することにより、電動ファンの駆動時には、冷却水温の低下が促進されるようになる。そのため、電動ファンを停止させる停止温度にまで冷却水温が低下する時間は短くなり、これにより電動ファンの駆動時間も短くなる。このように駆動中の電動ファンがより早期に停止されるようになるため、電動ファンの駆動により消費される電力を抑えることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の冷却装置において、前記電動ファンはその回転速度が可変とされるファンであり、前記第2の流量補正手段は、車速に基づいて補正される前記吐出流量を前記電動ファンの回転速度に応じてさらに補正することをその要旨とする。
駆動時の電動ファンの回転速度が可変とされる場合には、電動ファンの回転速度が高くなるにつれてラジエータを通過する空気量は増大し、同ラジエータの放熱能力は高くなる。そこで同構成では、車速に基づいて補正される上記吐出流量を電動ファンの回転速度に応じてさらに補正するようにしている。これにより車速のみならず、電動ファンの回転速度によっても変化するラジエータの放熱能力に追従して電動ウォータポンプの吐出流量が変化するようになり、冷却効率がさらに向上するようになる。従って、電動ウォータポンプに供給される電力を有効に活用しつつ冷却性能をさらに向上させることができるようになる。
また、このように冷却性能が向上することにより、電動ファンの回転速度が高いときほど、冷却水温の低下が促進されるようになる。そのため、電動ファンの回転速度はより早期に低下されるようになり、電動ファンの駆動により消費される電力を抑えることができるようになる。
ちなみに、電動ファンの回転速度に応じて吐出流量を補正する際には、電動ファンを駆動する電動モータへの電力供給状態(例えば、電圧や電流、あるいはディーティ制御にて回転速度を変更する場合にはそのディーティ比)に基づいて吐出流量を補正することで、そうした補正を行うことができる。また、電動ファンの回転速度を実際に検出し、その検出された回転速度に基づいて吐出流量を補正することも可能である。
また、吐出流量を電動ファンの回転速度に基づいて補正する場合には、請求項6に記載の発明によるように、電動ファンの回転速度が高いときほど吐出流量を増大させる、といった構成を採用することにより、そうした補正を適切に行うことができる。
車速に基づいて吐出流量を補正する際には、請求項7に記載の発明によるように、前記水温が、前記電動ファンの駆動が停止される停止温度と同停止温度よりも高い温度であって前記電動ファンの駆動が開始される駆動温度との間の温度になっているときの前記吐出流量が前記車速に基づいて補正されるといった構成を採用することができる。
また、そうした請求項7に記載の構成を採用する場合にあって、冷却水温が上記停止温度よりも低い温度領域から上昇してくるとき、あるいは上記駆動温度よりも高い温度領域において上昇するときには、請求項8に記載の発明によるように、前記停止温度よりも低い温度領域から前記水温が上昇するときには、前記水温が前記停止温度に達した時点で、前記車速に基づいて補正される吐出流量となるように前記水温の上昇に合わせて前記吐出流量は増大補正され、前記駆動温度よりも高い温度領域において前記水温が上昇するときには、前記車速に基づいて補正された吐出流量が前記水温の上昇に合わせて増大補正されるといった構成を採用することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記第1の流量補正手段は、前記吐出流量の下限値を前記水温に基づいて設定し、前記目標流量が前記下限値以下のときには、同下限値を前記目標流量として設定することをその要旨とする。
上記第1の流量補正手段による吐出流量の補正に際しては、機関発熱量に応じて設定される上記目標流量を冷却水温に基づいて設定される補正値で直接補正することも可能であるが、機関発熱量が少ない場合には補正対象である目標流量が少なくなる。そのため、この場合には、目標流量を補正値で補正しても、水温上昇に見合うだけの吐出流量となるように当該吐出流量を増大させることができないおそれがある。
この点、同構成によれば、電動ウォータポンプの吐出流量の最小値が、冷却水温に基づいて設定される上記下限値にて少なくとも制限されることにより、吐出流量を確実に増大させることができるようになる。
同様に、上記第2の流量補正手段による吐出流量の補正に際しても、請求項10に記載の発明によるように、前記吐出流量の下限値を車速に基づいて設定し、前記目標流量が前記下限値以下のときには、同下限値を前記目標流量として設定する、といった構成を採用することにより、電動ウォータポンプの吐出流量の最小値が、車速に基づいて設定される上記下限値にて少なくとも制限されるようになり、吐出流量を確実に増大させることができるようになる。
請求項11に記載の発明は、請求項2〜10のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記電動ファンは、前記水温とは別のパラメータによってもその駆動が制御されるものであり、前記第2の流量補正手段による前記吐出流量の補正は、前記水温が規定値に達したときに開始されるものであり、前記別のパラメータによる駆動要求によって前記電動ファンが駆動されるときには、前記別のパラメータによる駆動要求がないときと比較して、前記規定値をより高い温度に変更する規定値変更処理を行うことをその要旨とする。
上述したような吐出流量の補正を冷却水温がある程度低いときに行うと、冷却水が過度に冷やされてしまうおそれがある。そこで、同構成によるように、冷却水温が予め設定された規定値以上となっているときに吐出流量の補正を行うことにより、そうした冷却水の過冷却を抑えることができる。
他方、内燃機関の冷却水温とは異なる別のパラメータに基づいて電動ファンの駆動が制御される場合には、内燃機関の冷却水温が電動ファンの駆動温度に満たないときでも、電動ファンは駆動されることがある。このように別のパラメータに基づいて電動ファンが駆動されているときには、内燃機関の冷却水に対する冷却要求とは異なる要求で電動ファンが駆動されている。そのため、この場合には、電動ウォータポンプの吐出流量を車速に基づいて補正し、冷却水の冷却効率を高めるようにしても、電動ファンの駆動頻度が減少することはなく、むしろ吐出流量の増大に伴う電動ウォータポンプの消費電力増加が懸念される。
この点、同構成によれば、上記の規定値変更処理が実行されることにより、別のパラメータによる駆動要求により電動ファンが駆動されるときには、そうした要求がないときと比較して、内燃機関の冷却水温がより高くなってから吐出流量Vwの補正が行われる。そのため、電動ファンの駆動頻度低下に寄与しない、電動ウォータポンプの不要な電力増加が極力抑えられ、規定値変更処理が実行されない場合と比較して、冷却水温が低いときの電動ウォータポンプの消費電力を抑えることができるようになる。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の内燃機関の冷却装置において、当該冷却装置は、空調機器を備える車両に搭載される装置であって、前記空調機器は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を冷却するコンデンサとを備え、前記コンデンサは、前記電動ファンによって冷却されるものであり、前記別のパラメータが前記圧縮機の吐出圧であって、同吐出圧に基づいて前記電動ファンの駆動が制御されることをその要旨とする。
車室内の温度や湿度を調整する空調機器が車両に設けられている場合にあって、空調機器の冷媒を圧縮する圧縮機の吐出圧が高く、冷媒の冷却要求が高いときには、上記電動ファンの駆動を通じて上記コンデンサが冷却されることにより、同コンデンサの放熱能力は高められて冷媒の冷却が促進される。このような空調機器を備える場合には、同構成によるように、電動ファンの駆動を制御する、内燃機関の冷却水温とは別のパラメータとして、上記圧縮機の吐出圧を採用することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の内燃機関の冷却装置において、当該冷却装置は、内燃機関及び電動モータを動力源として備える車両に搭載される装置であって、前記車両は、蓄電池から前記電動モータに供給される電力を変換するインバータと、同インバータを冷却するインバータ用冷却水が流れるインバータ用配管と、前記インバータ用配管が接続されたインバータ用ラジエータとを備え、前記インバータ用ラジエータは、前記電動ファンによって冷却されるものであり、前記別のパラメータが前記インバータ用冷却水の水温であって、同インバータ用冷却水の水温に基づいて前記電動ファンの駆動が制御されることをその要旨とする。
内燃機関及び電動モータを動力源として備える車両にあっては、蓄電池から電動モータに供給される電力がインバータによって変換される。このインバータは電力変換時に発熱するため、インバータ用冷却水によって冷却される。このインバータ用冷却水は、インバータ用配管を介してインバータ用ラジエータに供給され、同インバータ用ラジエータにて放熱される。そして、インバータ用冷却水の水温が高いときには、上記電動ファンの駆動を通じて上記インバータ用ラジエータが冷却されることにより、同インバータ用ラジエータの放熱能力は高められてインバータ用冷却水の冷却が促進される。このようなインバータ用の冷却機構を備える場合には、同構成によるように、電動ファンの駆動を制御する、内燃機関の冷却水温とは別のパラメータとして、インバータ用冷却水の水温を採用することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項11〜13のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記電動ファンは、その駆動時の回転速度が可変制御されるものであり、別のパラメータによる駆動要求によって前記電動ファンが駆動されるときにあって前記回転速度が予め設定された値以下のときには、前記規定値変更処理を実行することなく前記第2の流量補正手段による前記吐出流量の補正を行うことをその要旨とする。
同構成によれば、内燃機関の冷却水温とは異なる、別のパラメータに基づいて駆動される電動ファンの回転速度が予め設定された値以下のときには、上述した規定値変更処理の実行時と比較して、より冷却水温が低い状態から上記第2の流量補正手段による吐出流量の補正は開始される。そのため、電動ファンが予め設定された値以下の回転速度で駆動されているときの冷却水の冷却効率が向上し、冷却水温の上昇が抑えられるようになる。従って、冷却水温の上昇による電動ファンの回転速度増大が抑えられるようになり、電動ファンの消費電力の増大を抑えることができるようになる。
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の冷却装置において、前記電動ウォータポンプの吐出流量を前記電動ファンの駆動時間に基づいて補正する第3の流量補正手段を備えることをその要旨とする。
電動ウォータポンプの吐出流量を増大させると冷却水の冷却効率が向上するため、電動ファンの駆動時間が長いときには吐出流量を増大させることにより、冷却水温の低下を促すことができ、これにより電動ファンをより早期に停止させることも可能になる。そこで、同構成では、電動ウォータポンプの吐出流量を電動ファンの駆動時間(電動ファンの駆動が開始されてからの経過時間)に基づいて補正するようにしており、これにより駆動の開始された電動ファンをより早期に停止させることができるようになり、もって電動ファンの消費電力を抑えることができるようになる。
なお、吐出流量を電動ファンの駆動時間に基づいて補正する場合には、請求項16に記載の発明によるように、駆動時間が長くなるほど吐出流量を増大させる、といった構成を採用することにより、そうした補正を適切に行うことができる。
請求項17に記載の発明は、請求項15または16に記載の内燃機関の冷却装置において、前記第3の流量補正手段は、前記吐出流量の下限値を前記駆動時間に基づいて設定し、前記目標流量が前記下限値以下のときには、同下限値を前記目標流量として設定することをその要旨とする。
上記第3の流量補正手段による吐出流量の補正に際しては、機関発熱量に基づいて設定される上記目標流量を電動ファンの駆動時間に基づいて設定される補正値で直接補正することも可能であるが、機関発熱量が少ない場合には補正対象である目標流量が少なくなる。そのため、この場合には、目標流量を補正値で補正しても、水温上昇に見合うだけの吐出流量となるように当該吐出流量を増大させることができないおそれがある。
この点、同構成によれば、電動ウォータポンプの吐出流量の最小値が、上記駆動時間に基づいて設定される上記下限値にて少なくとも制限されることにより、吐出流量を確実に増大させることができるようになる。
請求項18に記載の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置において、前記目標流量は、機関回転速度及び機関負荷に基づいて設定されることをその要旨とする。
機関回転速度や機関負荷が増大するほど機関発熱量は大きくなる傾向にある。そこで、同構成では、機関回転速度や機関負荷に基づいて上記目標流量を設定するようにしており、これにより目標流量を機関発熱量に応じた値に設定することができるようになる。なお、同構成においては、機関回転速度や機関負荷の増大に伴って目標流量が大きくなるように同目標流量を設定することが望ましい。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に、本実施の形態にかかる冷却装置、並びにその周辺構成を示す概略構成図を示す。
車両1に搭載されたエンジン2では、吸気通路から供給される空気と燃料噴射弁から噴射される燃料とが燃焼室に導入され、燃料と空気との混合体である混合気が同燃焼室で燃焼される。この混合気の燃焼によってピストンが往復動され、その往復動がコネクティングロッドを介してクランクシャフト3に伝達されることにより、同クランクシャフト3は回転する。このクランクシャフト3の回転は、変速機40、減速機50を介して車輪60に伝達される。また、クランクシャフト3には、発電機であるオルタネータ4が駆動連結されており、このオルタネータ4で発電された電力はバッテリ8に蓄えられる。
混合気の燃焼によって発熱したエンジン2を冷却水で冷却するために、同エンジン2には、熱交換器であるラジエータ20、電動ウォータポンプ21、サーモスタット22及び冷却通路等で構成された冷却装置が設けられている。また、エンジン2の内部には、冷却水の通路であるウォータジャケット23が形成されている。
ウォータジャケット23の出口には、第1冷却水通路24の一端が接続されており、同第1冷却水通路24の他端は、ラジエータ20の入口に接続されている。ラジエータ20の出口には、第2冷却水通路25の一端が接続されており、同第2冷却水通路25の他端は、ウォータジャケット23の入口に接続されている。
ウォータジャケット23、第1冷却水通路24、第2冷却水通路25、及びラジエータ20は、冷却水で満たされている。ウォータジャケット23を通過する際にエンジン2の熱を受熱した冷却水は、第1冷却水通路24を介してラジエータ20に導入され、このラジエータ20で熱交換されることにより冷却される。そして、冷却された冷却水は、第2冷却水通路25を介してウォータジャケット23に戻される。こうした冷却水の循環によってエンジン2の冷却は行われる。
第2冷却水通路25の途中には、電動モータによって駆動される電動ウォータポンプ21が設けられている。そして、バッテリ8から電動ウォータポンプ21に供給される電力が制御されることでその吐出流量は調整され、冷却装置内を流れる冷却水の循環量が調整される。
電動ウォータポンプ21よりも上流側の第2冷却水通路25には、バイパス通路26の一端が接続されており、同バイパス通路26の他端は、第1冷却水通路24に接続されている。また、上記第2冷却水通路25とバイパス通路26との接続部には、冷却水の温度(以下、冷却水温という)に応じて弁体が開閉するサーモスタット22が設けられている。そして、冷却水温が所定値以下のときには、サーモスタット22の弁体が閉弁状態にされてラジエータ20と第2冷却水通路25との連通が遮断されるとともに、バイパス通路26と第2冷却水通路25とが連通される。これにより、ウォータジャケット23から第1冷却水通路24へ流れ出た冷却水は、ラジエータ20を迂回して再びウォータジャケット23に送られる。こうした冷却水の循環によって同冷却水が徐々に暖められ、エンジン2の暖機が促進される。
一方、冷却水温が所定値を超えると、サーモスタット22の弁体は開弁状態にされてラジエータ20と第2冷却水通路25とが連通されるとともに、バイパス通路26と第2冷却水通路25との連通が遮断される。これにより、ウォータジャケット23から第1冷却水通路24へ流れ出た冷却水はラジエータ20へ供給され、同ラジエータ20で冷却された後にウォータジャケット23へ送られる。こうした冷却水の循環によってエンジン2は冷却されるとともに、ラジエータ20では冷却水の熱が外部へ放熱されて、同冷却水は冷却される。
上記ラジエータ20には、電動モータにて駆動される電動ファン27が設けられており、バッテリ8の電力で電動ファン27が駆動されることにより、ラジエータ20は強制的に冷却される。
他方、エンジン2には、機関運転状態等を検出するための各種センサが備えられている。例えば、ウォータジャケット23の出口近傍には、冷却水温THWを検出する水温センサ31が設けられている。また、クランクシャフト3の近接には、機関回転速度NEを検出する回転速度センサ32が設けられており、エンジン2の吸気通路には、吸入空気量GAを検出するエアフロメータ33が設けられている。そして、車両1の車速SPを検出する車速センサ34も設けられている。
上記エンジン2の点火時期制御や燃料噴射制御、オルタネータ4の発電量制御、電動ファン27の駆動制御、及び電動ウォータポンプ21の駆動制御などといった各種制御は、制御装置30によって行われる。この制御装置30は中央処理制御装置(CPU)を備えるマイクロコンピュータを中心として構成されており、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、入力インターフェース、出力インターフェース等が設けられている。そして、上記各種センサの出力信号に基づいてエンジン2の運転状態を検出し、その検出された運転状態に応じて上記の各種制御を適切に行う。
例えば、制御装置30は、バッテリ8の電圧や電流を監視し、車両での電力消費量が増大しているときには、オルタネータ4を制御して発電量を増大させる。また、このようにオルタネータ4の発電量を増大させるときには、同オルタネータ4の駆動負荷が増加するため、燃料噴射弁からの燃料噴射量が増量されることにより、その駆動負荷の増加に見合うだけの機関出力の増大が図られる。
また、制御装置30は、図2に示すように、冷却水温THWが所定のファン駆動温度THon以上であるときには、電動ファン27を駆動して冷却水温THWを低下させる。そして、電動ファン27の駆動開始後、上記ファン駆動温度THonよりも低いファン停止温度THoffにまで冷却水温THWが低下すると、電動ファン27の駆動を停止させる。
また、制御装置30は、以下のようにして電動ウォータポンプ21の目標流量Vwpを設定する。すなわち、エンジン2の発熱量は、機関回転速度NEや機関負荷KLが増大するほど大きくなる傾向にある。そこで、上記目標流量Vwをエンジン2の発熱量に応じた値に設定するために、同発熱量と相関関係にある機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて目標流量Vwpを設定する。そして、制御装置30は、設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを制御する。これにより、吐出流量Vwは、機関からの発熱量に見合う冷却要求、すなわちラジエータ20での冷却水の放熱要求量に応じて調整されて、同冷却水の水温調整が適切に行われる。
ところで、機関発熱量が変動すると、吐出流量Vwの制御を通じた冷却水の水温調整に応答遅れ等が生じてしまい、その結果、場合によっては冷却水温THWが上昇してしまうことがある。このような冷却水温THWの上昇は、電動ウォータポンプ21や電動ファン27の駆動量を高めることにより抑えることができる。ここで、電動ウォータポンプ21や電動ファン27は駆動時に電力を消費する機器であるため、冷却水の冷却効率を考慮しつつそれら各機器の駆動を制御するようにしないと、車両1での消費電力が過度に増大してしまうおそれがある。このように消費電力が過度に増大してしまうと、例えばオルタネータ4の駆動負荷が増大して、エンジン2の燃費に悪影響を与えるようになる。
こうした点を考慮して、本実施形態では、以下のような態様で電動ウォータポンプ21の駆動を制御するようにしている。
図3に、電動ウォータポンプ21の駆動についてその処理手順を示す。なお、この駆動処理は、制御装置30によって所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE、機関負荷KL、及び冷却水温THWが読み込まれる(S100)。なお、本実施形態では、機関全負荷時の吸入空気量に対する現在の吸入空気量GAの割合を機関負荷KLとしているが、例えば燃料噴射弁の燃料噴射量や吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度、あるいはアクセルペダルの操作量に基づいて機関負荷KLを算出することも可能である。
次に、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて電動ウォータポンプ21の目標流量Vwpが設定される(S110)。ここでは、機関回転速度NEや機関負荷KLが増大するほど機関発熱量は大きくなるため、機関回転速度NEが高いほど、あるいは機関負荷KLが高いほど、目標流量Vwpは大きい値に設定される。これにより機関発熱量に応じた目標流量Vwpが設定される。
次に、冷却水温THWが上述したファン駆動温度THon以上であるか否かが判定される(S120)。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THon未満である場合には(S120:NO)、目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御される(S160)。このステップS160では、制御装置30のメモリに記憶されたマップに基づき、電動ウォータポンプ21に供給される電力のデューティ比である駆動デューティDが目標流量Vwpに応じて設定され、これにより電動ウォータポンプ21の実際の吐出流量Vwは目標流量Vwpに調整される。なお、目標流量Vwpが大きいほど上記駆動デューティDは大きくされることにより、目標流量Vwpの増大に伴って実際の吐出流量Vwも増大される。そして、本処理は一旦終了される。
一方、上記ステップS120にて、冷却水温THWがファン駆動温度THon以上であると判定される場合には(S120:YES)、冷却水温THWに基づいて吐出流量Vwの下限値VwLoが設定される(S130)。このステップS130では、制御装置30のメモリに記憶されたマップに基づいて下限値VwLoは可変設定される。
より詳細には、図4に示すように、冷却水温THWがファン駆動温度THonであるときには、下限値VwLoとしてウォータポンプ21の最小吐出流量Vwminが設定される。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonよりも高くなるとその温度上昇に合わせて下限値VwLoは増大されていく。そして、冷却水温THWが、その許容最高温度THmaxに対して所定の余裕代αの分だけ低い温度に設定された放熱要求最大温度THb以上になっているときには、下限値VwLoとして電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxが設定される。このように下限値VwLoは、冷却水温THWの上昇に伴ってその値が大きくなるように可変設定される。
こうして下限値VwLoが設定されると、次に、目標流量Vwpが下限値VwLo以下であるか否かが判定される(S140)。そして、目標流量Vwpが下限値VwLoを超えている場合には(S140:NO)、先のステップS110で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S160)、本処理は一旦終了される。
一方、目標流量Vwpが下限値VwLo以下の場合には(S140:YES)、先のステップS110で設定された目標流量Vwpが下限値VwLoに変更される(S150)。そして、この下限値VwLoに変更された目標流量Vwpに基づいて、実質的には下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S160)、本処理は一旦終了される。なお、上記ステップS120からステップS150の処理は、上記第1の流量補正手段を構成している。
図5に、上述した電動ウォータポンプ21の駆動処理を実行したときの作用を示す。
まず、冷却水温THWがファン駆動温度THonに満たないときには、機関発熱量に基づいて設定された目標流量Vwpに基づき、電動ウォータポンプ21の駆動が制御される。
そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonに達すると、電動ファン27の駆動が開始されるとともに、電動ウォータポンプ21の目標流量Vwpに対する下限値VwLoの設定が開始される。そして、冷却水温THWの上昇に伴って下限値VwLoは徐々に大きくされていき、目標流量Vwpが下限値VwLo以下になると(タイミングA)、それ以降は下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動は制御される。より具体的には、冷却水温THWの上昇に伴う下限値VwLoの増大に対応して電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwも徐々に増大補正され、冷却水温THWが上記放熱要求最大温度THbに達した以降は、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwが最大吐出流量Vwmaxに調整される。
以上説明した本実施形態によれば、次の作用効果を得ることができる。
(1)機関発熱量と相関関係にある機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを制御するようにしているが、機関発熱量が変動すると、吐出流量Vwの制御を通じた冷却水の水温調整に応答遅れ等が生じてしまい、その結果、場合によっては冷却水温THWが上昇してしまうことがある。そこで、本実施形態では、そのように冷却水温THWが上昇してしまうような状況では、その水温上昇に応じて吐出流量Vwを増大補正することにより、冷却水温THWの上昇を抑えるようにしている。
ここで、先の図5に二点鎖線にて示すように、吐出流量Vwが増大されるときに電動ファン27が駆動されていない場合には、ラジエータ20の放熱能力を上回る冷却水が同ラジエータ20に供給されるおそれがある。この場合には、電動ウォータポンプ21の駆動デュ−ティDを増加させているにもかかわらず、冷却水を効率よく冷却することができないおそれがあり、電動ウォータポンプ21の駆動電力増加が冷却効率の向上に利用されることなく無駄に消費されてしまうおそれがある。
この点、本実施形態では、冷却水温THWがファン駆動温度THon以上のときに、上述したような吐出流量Vwの増大補正を行うようにしている。そのため、ラジエータ20に供給される冷却水の流量が増大補正されるときには電動ファン27が駆動されており、ラジエータ20の放熱能力が高められた状態で吐出流量Vwは増大されることになる。従って、電動ウォータポンプ21の駆動デューティDの増加、すなわち電動ウォータポンプ21の駆動電力の増加を無駄にすることなく冷却性能を高めることができるようになり、電動ウォータポンプ21及び電動ファン27の駆動をより適切に制御することができるようになる。また吐出流量Vwを冷却水温THWの上昇に対応させて徐々に増大補正するようにしているため、ファン駆動温度THonよりも冷却水温THWが高いときに、吐出流量Vwを一気に増大する場合と比較して、電動ウォータポンプ21の消費電力を好適に抑えることができるようになる。
(2)冷却水温THWの上昇時における吐出流量Vwの増大補正に際しては、機関発熱量に基づいて設定される上記目標流量Vwpを冷却水温THWに基づいて設定される補正値で直接補正することも可能である。しかし、このように目標流量Vwpを直接補正する場合には、次のような不都合の発生が懸念される。すなわち、機関発熱量が少ない場合には補正対象である目標流量Vwpが少なくなるため、目標流量Vwpを補正値で補正しても、水温上昇に見合うだけの吐出流量Vwとなるように当該吐出流量Vwを増大させることができないおそれがある。
この点、本実施形態では、吐出流量Vwの下限値VwLoを冷却水温THWに基づいて設定し、目標流量Vwpが下限値VwLo以下のときには、その下限値VwLoを目標流量Vwpとして設定するようにしている。そのため、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwの最小値は、冷却水温THWに基づいて設定される下限値VwLoによって少なくとも制限されるようになり、吐出流量Vwを確実に増大させることができるようになる。
(3)冷却水温THWが上記放熱要求最大温度THb(冷却水温THWの許容最高温度THmaxに対して所定の余裕代αの分だけ低い温度)以上になっているときには、下限値VwLoの最大値として電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxが設定されるようにしている。そのため、冷却水温THWが許容最高温度THmaxの近傍にまで上昇し、冷却水の放熱要求が最大になるときには、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwが最大にされる。そして、このように吐出流量Vwが最大にされるときには、電動ファン27も駆動されているため、放熱要求が最大のときには、電動ファン27の駆動と電動ウォータポンプ21の最大駆動とがともに行われるようになり、ラジエータ20での冷却水の放熱量は最大になる。従って、冷却水の放熱要求が最大になるときには、冷却水の冷却性能を最大にすることができるようになる。
(第2実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に、図6〜図10を参照して説明する。
第1実施形態における駆動処理では、冷却水温THWがファン駆動温度THonよりも高いときに、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを冷却水温THWに基づいて補正するようにした。
他方、車両1の車速が高くなるにつれてラジエータ20を通過する空気量は増大し、同ラジエータ20の放熱能力は高くなる。そこで、本実施形態における駆動処理では、吐出流量Vwの制御に際して、車速に基づく吐出流量の補正を行うようにしている。
図6に、本実施形態における電動ウォータポンプ21の駆動制御についてその処理手順を示す。なお、本処理も制御装置30によって、所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE、機関負荷KL、冷却水温THW、車速SPが読み込まれる(S200)。なお、本実施形態でも、機関全負荷時の吸入空気量に対する現在の吸入空気量GAの割合を機関負荷KLとしているが、例えば燃料噴射弁の燃料噴射量や吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度、あるいはアクセルペダルの操作量に基づいて機関負荷KLを算出することも可能である。
次に、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて電動ウォータポンプ21の目標流量Vwpが設定される(S210)。ここでも、機関回転速度NEや機関負荷KLが増大するほど機関発熱量は大きくなるため、機関回転速度NEが高いほど、あるいは機関負荷KLが高いほど、目標流量Vwpは大きい値に設定される。
次に、冷却水温THWが車速補正開始温度THsp以上であるか否かが判定される(S220)。ここでの判定処理は、次の理由により行われる。すなわち、吐出流量Vwの補正を冷却水温THWがある程度低いときに行うと、冷却水が過度に冷やされてしまうおそれがある。そこで、冷却水温THWが予め設定された規定値、すなわち上記車速補正開始温度THsp以上となっているときに吐出流量Vwの補正を行うことにより、そうした冷却水の過冷却を抑えることができるからである。なお、本実施形態では、上記車速補正開始温度THspとして、上記サーモスタット22の弁体が開弁する温度を設定しており、ファン停止温度THoffよりも低い温度になっているが、この他の温度に変更することも可能である。
そして、冷却水温THWが車速補正開始温度THspに満たない場合には(S220:NO)、目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御される(S260)。このステップS260でも、制御装置30のメモリに記憶されたマップに基づき、電動ウォータポンプ21に供給される電力のデューティ比である駆動デューティDが目標流量Vwpに応じて設定され、これにより電動ウォータポンプ21の実際の吐出流量Vwは目標流量Vwpに調整される。なお、目標流量Vwpが大きいほど上記駆動デューティDは大きくされることにより、目標流量Vwpの増大に伴って実際の吐出流量Vwも増大される。そして、本処理は一旦終了される。
一方、上記ステップS220にて、冷却水温THWが車速補正開始温度THsp以上であると判定される場合には(S220:YES)、冷却水温THW及び車速SPに基づいて吐出流量Vwの下限値VwLoが設定される(S230)。このステップS230では、制御装置30のメモリに記憶された下限値マップに基づいて下限値VwLoは可変設定される。より詳細には、図7に示すように、冷却水温THWが車速補正開始温度THspであるときには、下限値VwLoとしてウォータポンプ21の最小吐出流量Vwminが設定される。そして、冷却水温THWが車速補正開始温度THspを超えて高くなっていく上昇過程では、冷却水温THWがファン停止温度THoffに達した時点で、車速SPに基づき設定される効率流量Vweが設定されるように、その水温上昇に合わせて下限値VwLoは増大されていく。そして、冷却水温THWがファン停止温度THoffからファン駆動温度THonの間の温度になっているときには、下限値VwLoとしてその効率流量Vweが保持される。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonを超えて高くなっていく上昇過程では、冷却水温THWが放熱要求最大温度THbに達した時点で電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxが設定されるように、その水温上昇に合わせて下限値VwLoは増大されていく。そして、冷却水温THWが放熱要求最大温度THbに達した以降は、下限値VwLoとして電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxが設定される。
上記効率流量Vweは、次のような態様で設定される流量である。すなわち、図8に示すように、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを増大させていくと、ラジエータ20の放熱能力は増大していくが、ある流量Eにまで達した以降は、吐出流量Vwを増大させても放熱能力はそれほど増大しなくなる。従って、電動ウォータポンプ21に供給された電力を最大限利用して放熱能力を最大にすることのできる吐出流量Vwとしては、上記流量Eが適切な流量となり、その流量Eが上記効率流量Vweとして設定される。ここで、同図8に示すように、上記流量Eは、車速SPの増大に伴うラジエータ20の通過空気量の増大に起因して車速SPが高くなるほど大きくなる。そこで、上記下限値マップにおいては、図9に示すように、車速SPが高くなるほど効率流量Vweは大きくなるように設定されている。従って、先の図7に一点鎖線にて示すように、冷却水温THWが、車速補正開始温度THspよりも高く放熱要求最大温度THbよりも低い温度範囲内にあるときには、同一の冷却水温THWであっても、車速SPが高いときほど下限値VwLoの値は大きくされる。このように下限値VwLoは、冷却水温THWの上昇や車速SPの増大に伴ってその値が大きくなるように可変設定される。
次に、下限値VwLoが設定されると、目標流量Vwpが下限値VwLo以下であるか否かが判定される(S240)。そして、目標流量Vwpが下限値VwLoを超えている場合には(S240:NO)、先のステップS210で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S260)、本処理は一旦終了される。
一方、目標流量Vwpが下限値VwLo以下の場合には(S240:YES)、先のステップS210で設定された目標流量Vwpが下限値VwLoに変更される(S250)。そして、この下限値VwLoに変更された目標流量Vwpに基づいて、実質的には下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S260)、本処理は一旦終了される。
なお、上記ステップS220からステップS250の処理のうち、ファン駆動温度THonよりも冷却水温THWが高いときに、吐出流量Vwを冷却水温THWの上昇に応じて増大補正する一連の処理は上記第1の流量補正手段を構成し、吐出流量Vwを車速SPに基づいて補正する一連の処理は上記第2の流量補正手段を構成している。
図10に、上述した電動ウォータポンプ21の駆動処理を実行したときの作用を示す。
まず、冷却水温THWが車速補正開始温度THspに満たないときには、機関発熱量に基づいて設定された目標流量Vwpに基づき、電動ウォータポンプ21の駆動が制御される。そして、冷却水温THWが車速補正開始温度THspに達すると、上記下限値VwLoの設定が開始されて、冷却水温THWの上昇に伴って下限値VwLoは徐々に大きくされていく。そして、目標流量Vwpが下限値VwLo以下になると(タイミングB)、それ以降は下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動は制御される。より具体的には、冷却水温THWの上昇に伴う下限値VwLoの増大に対応して電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwも増大補正される。そして、冷却水温THWがファン停止温度THoff以上、ファン駆動温度THon以下であるときには、下限値VwLoが上記効率流量Vweに設定されることにより、吐出流量Vwも効率流量Vweに調整される。
そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonを超えると、電動ファン27の駆動が開始されるとともに、冷却水温THWの上昇に伴って吐出流量Vwは、効率流量Vweから徐々に増大されていく。そして、冷却水温THWが上記放熱要求最大温度THbに達した以降は、吐出流量Vwが最大吐出流量Vwmaxに調整される。
このように冷却水温THWが、ファン停止温度THoffとファン駆動温度THonとの間の温度になっているときの吐出流量Vwは、車速SPに応じて変化する上記効率流量Vweとなるように、同車速SPに基づき補正される。
また、ファン停止温度THoffよりも低い温度領域から冷却水温THWが上昇するときには、冷却水温THWがファン停止温度THoffに達した時点で、車速SPに基づいて補正される吐出流量、すなわち上記効率流量Vweとなるように、冷却水温THWの上昇に合わせて吐出流量Vwは増大補正される。そして、ファン駆動温度Thonよりも高い温度領域において冷却水温THWが上昇するときには、車速SPに基づいて補正された吐出流量、すなわち上記効率流量Vweが冷却水温THWの上昇に合わせて増大補正される。
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態の作用効果に加え、さらに次の作用効果を得ることができる。
(4)電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを車速SPに基づき、同車速SPが高いときほど増大されるように補正するようにしている。そのため、車速SPに応じて変化するラジエータ20の放熱能力に追従して電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwが変化するようになり、冷却効率が向上するようになる。従って、電動ウォータポンプ21に供給される電力を有効に活用しつつ冷却性能を向上させることができるようになる。
また、吐出流量Vwの増大補正により冷却性能が向上することで冷却水温THWの上昇が抑えられるようになる。そのため、電動ファン27の非駆動時においては、冷却水温THWがファン駆動温度THonに到達しにくくなり、これにより冷却水温THWの上昇による電動ファン27の駆動が抑えられるようになる。このように電動ファンの駆動頻度が低下するようになるため、停止中の電動ファン27が駆動されることによる同電動ファン27の消費電力の増加を抑えることができるようになる。
また、吐出流量Vwの増大補正によって冷却性能が向上することにより、電動ファン27の駆動時においては、冷却水温THWの低下が促進されるようになる。そのため、ファン駆動温度THon以上になっていた冷却水温THWがファン停止温度THoffにまで低下する時間は短くなり、電動ファン27の駆動時間は短くなる。このように駆動中の電動ファン27がより早期に停止されるようになるため、電動ファン27の駆動により消費される電力を抑えることもできるようになる。換言すれば、電動ファンの消費電力量(消費電力と電力消費時間との積算値)を減少させることも可能になる。
(5)車速SPに基づく吐出流量Vwの増大補正に際しては、機関発熱量に基づいて設定される上記目標流量Vwpを車速SPに基づいて設定される補正値で直接補正することも可能である。しかし、このように目標流量Vwpを直接補正する場合には、次のような不都合の発生が懸念される。すなわち、機関発熱量が少ない場合には補正対象である目標流量Vwpが少なくなるため、目標流量Vwpを補正値で補正しても、車速SPに応じた効率流量Vweとなるように吐出流量Vwを増大させることができないおそれがある。
この点、本実施形態では、吐出流量Vwの下限値VwLoを車速SPに基づいて設定し、目標流量Vwpが下限値VwLo以下のときには、その下限値VwLoを目標流量Vwpとして設定するようにしている。そのため、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwの最小値は、車速SPに基づいて設定される下限値VwLoによって少なくとも制限されるようになり、吐出流量Vwを確実に増大させることができるようになる。
(第3実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第3実施形態について、第2実施形態との相違点を中心に、図11〜図16を参照して説明する。
本実施形態では、動力源として上記エンジン2及び電動モータを備える車両、いわゆるハイブリッド車両に搭載されたエンジン2の冷却装置に対して、本発明にかかる冷却装置を適用している。
図11に、本実施の形態にかかる冷却装置、並びにその周辺構成を示す概略構成図を示す。なお、図11において、先の図1に示した部材と同一の部材には、同じ符号を付している。
この図11に示すように、車両200に搭載されたエンジン2のクランクシャフト3は、動力分割機構70の入力軸に接続されている。動力分割機構70の出力軸は、減速機71及び発電機であるジェネレータ72にそれぞれ接続されており、機関出力は減速機71及びジェネレータ72にそれぞれ分割される。なお、減速機71及びジェネレータ72に対する機関出力の分割割合は、機関運転状態に応じて変更される。減速機71は、車両200の車輪60に接続されている。また、減速機71には電動モータ73も接続されており、車両200は、エンジン2や電動モータ73の出力によって走行される。
上記ジェネレータ72、電動モータ73、蓄電池である車両駆動用バッテリ90や補機用バッテリ91は、パワーコントロールユニット(以下、PCUという)80に接続されている。このPCU80は、コンバータ81、インバータ82、DC−DCコンバータ83、それら各コンバータやインバータを制御する電力制御装置84等で構成されている。そして、車両駆動用バッテリ90の直流電力は、コンバータ81でその電圧が高められ、その後インバータ82で直流電力から交流電力に変換されて電動モータ73に供給される。また、ジェネレータ72で発電された交流電力は、インバータで直流電力に変換された後、コンバータ81でその電圧が低下されて車両駆動用バッテリ90に蓄電される。また、車両駆動用バッテリ90の電力はDC−DCコンバータ83によって低下された後、補機用バッテリ91に供給される。
インバータ82は、車両駆動用バッテリ90から電動モータ73に供給される電力を直流から交流に変換する際に発熱するため、PCU80には、インバータ82を冷却するインバータ用冷却機器100が設けられている。
このインバータ用冷却機器100は、インバータ82を冷却するインバータ用冷却水が流れるインバータ用配管101、エンジン2のラジエータ20近傍に設けられてインバータ用配管101が接続されたインバータ用ラジエータ102、インバータ用配管101の途中に設けられてインバータ用冷却水を循環させるウォータポンプ103等で構成される。そしてインバータ用ラジエータ102は、走行風や電動ファン27によって冷却される。なお、上記ウォータポンプ103は、電動式のウォータポンプであって、上記補機用バッテリ91の電力を利用して常時駆動される。また、インバータ用配管101には、インバータ用冷却水の水温(以下、インバータ冷却水温という)THIを検出するための水温センサ104が設けられており、その検出信号はエンジン2用の上記制御装置30に入力される。
また、車両200には、車室内の空気の温度や湿度を調整する空調機器110が設けられている。この空調機器110は、冷媒配管111、エキスパンションバルブ112、エバポレータ113、圧縮機114、エンジン2のラジエータ20近傍に設けられたコンデンサ115等で構成されている。この空調機器では、コンデンサからエキスパンションバルブ112に送られる高温高圧の液状冷媒は、同エキスパンションバルブ112を通過する際に低温低圧の霧状冷媒にされる。この低温低圧の霧状冷媒はエバポレータ113で気化され、その気化熱を利用して車室内に供給される空気の温度が低下される。気化された低温低圧の冷媒は圧縮機114で高温高圧の気化冷媒にされ、その後コンデンサ115で冷却されることにより、再び高温高圧の液状冷媒に戻される。なお、コンデンサ115も、走行風や電動ファン27によって冷却される。また、圧縮機114の吐出側には、冷媒の吐出圧Pを検出する圧力センサ116が設けられており、その検出信号はエンジン2用の上記制御装置30に入力される。なお、本実施形態における圧縮機114は、電動モータで駆動される圧縮機であり、その動力源として車両駆動用バッテリ90の電力を利用するようにしているが、圧縮機114をエンジン2の機関出力で駆動することも可能である。
制御装置30は、エンジン2の冷却水温THWとは別に、インバータ冷却水温THIや吐出圧Pによっても電動ファン27の駆動を制御する。
例えば、図12に示すように、インバータ冷却水温THIが所定のファン駆動温度THIon以上であるときには、電動ファン27を駆動してインバータ冷却水温THIを低下させる。そして、電動ファン27の駆動開始後、ファン駆動温度THIonよりも低いファン停止温度THIoffにまでインバータ冷却水温THIが低下すると、電動ファン27の駆動を停止させる。
また、図13に示すように、吐出圧Pが所定のファン駆動圧力Pon以上であるときには、電動ファン27を駆動して冷媒の冷却を促進させる。そして、電動ファン27の駆動開始後、ファン駆動圧力Ponよりも低いファン停止圧力Poffにまで吐出圧Pが低下すると、電動ファン27の駆動を停止させる。
このように本実施形態では、エンジン2の冷却水温THWとは異なる別のパラメータ(インバータ冷却水温THIや吐出圧P)によっても電動ファン27の駆動が制御される。従って、それら別のパラメータによる駆動要求によって電動ファン27が駆動されているときには、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを増大補正しても、電動ファン27の駆動頻度は減少することがなく、むしろ電動ウォータポンプ21の駆動電力増加による消費電力の増大が懸念される。
そこで、本実施形態における電動ウォータポンプ21の駆動処理では、それら別のパラメータによる駆動要求により電動ファン27が駆動される場合には、そうした駆動要求がない場合と比較して、上述した車速補正開始温度THspをより高い温度に変更する規定値変更処理を行うようにしている。
図14に、本実施形態における電動ウォータポンプ21の駆動制御についてその処理手順を示す。なお、本処理も制御装置30によって、所定周期毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE、機関負荷KL、冷却水温THW、車速SPが読み込まれる(S300)。なお、本実施形態でも、機関全負荷時の吸入空気量に対する現在の吸入空気量GAの割合を機関負荷KLとしているが、例えば燃料噴射弁の燃料噴射量や吸気通路に設けられたスロットルバルブの開度、あるいはアクセルペダルの操作量に基づいて機関負荷KLを算出することも可能である。
次に、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて電動ウォータポンプ21の目標流量Vwpが設定される(S310)。ここでも、機関回転速度NEや機関負荷KLが増大するほど機関発熱量は大きくなるため、機関回転速度NEが高いほど、あるいは機関負荷KLが高いほど、目標流量Vwpは大きい値に設定される。
次に、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求があるか否かが判定される(S320)。ここでは、インバータ冷却水温THIまたは吐出圧Pに基づき電動ファン27が駆動されているときに、冷却水温以外からのファン駆動要求があると判定される。
そして、冷却水温以外からのファン駆動要求がないときには(S320:NO)、第2実施形態と同様な態様で電動ウォータポンプ21の駆動制御が行われる。
すなわち、冷却水温THWが車速補正開始温度THspに満たない場合には(S330:NO)、ステップS310で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御される(S390)。また、上記ステップS330にて、冷却水温THWが車速補正開始温度THsp以上であると判定される場合には(S330:YES)、冷却水温THW及び車速SPに基づき、先の図7に示した下限値マップと同一の値が設定された第1下限値マップを参照して吐出流量Vwの下限値VwLoが設定される(S350)。そして、目標流量Vwpが下限値VwLoを超えている場合には(S370:NO)、先のステップS310で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S390)、本処理は一旦終了される。また、目標流量Vwpが下限値VwLo以下の場合には(S370:YES)、先のステップS310で設定された目標流量Vwpが下限値VwLoに変更され(S380)、この下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動は制御されて(S390)、本処理は一旦終了される。
他方、冷却水温以外からのファン駆動要求があるときには(S320:YES)、上述した規定値変更処理として、次の一連の処理が行われる。
まず、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2以上であるか否かが判定される(S340)。この第2車速補正開始温度THsp2は、上記の車速補正開始温度THspよりも高い温度に設定されている。本実施形態では、その第2車速補正開始温度THsp2として、ファン停止温度THoffよりも高い温度であって、ファン駆動温度THonよりも所定値βの分だけ低い温度に設定されているが、この他の温度に変更することも可能である。
そして、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2未満であるときには(S340:NO)、ステップS310で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御される(S390)。
一方、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2以上であるときには(S340:YES)、冷却水温THW及び車速SPに基づき、第2下限値マップを参照して吐出流量Vwの下限値VwLoが設定される(S360)。このステップS360では、制御装置30のメモリに記憶された第2下限値マップに基づいて下限値VwLoは可変設定される。より詳細には、図15に示すように、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2であるときには、下限値VwLoとして電動ウォータポンプ21の最小吐出流量Vwminが設定される。そして、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2よりも高くなるとその温度上昇に合わせて下限値VwLoは増大されていき、ファン駆動温度THonに達すると、車速SPに応じて設定される効率流量Vweが下限値VwLoとして設定される。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonよりも高くなるとその温度上昇に合わせて下限値VwLoは再び増大されていき、上述した放熱要求最大温度THb以上になると、下限値VwLoとして電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxが設定される。なお、この第2下限値マップで設定されている効率流量Vweも、第2実施形態で説明した効率流量Vweと同一の値であり、先の図9に示したように、車速SPが高くなるほど効率流量Vweは大きくなるように設定されている。従って、先の図15に一点鎖線にて示すように、冷却水温THWが、第2車速補正開始温度THsp2よりも高く放熱要求最大温度THbよりも低い温度範囲内にあるときには、同一の冷却水温THWであっても、車速SPが高いときほど下限値VwLoの値は大きくされる。このように第2下限値マップにおいても、下限値VwLoは、冷却水温THWの上昇や車速SPの増大に伴ってその値が大きくなるように可変設定される。
ステップS360で下限値VwLoが設定されると、目標流量Vwpが下限値VwLo以下であるか否かが判定される(S370)。そして、目標流量Vwpが下限値VwLoを超えている場合には(S370:NO)、先のステップS310で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S390)、本処理は一旦終了される。
一方、目標流量Vwpが、ステップS360で設定された下限値VwLo以下の場合には(S370:YES)、先のステップS310で設定された目標流量Vwpが、ステップS360で設定された下限値VwLoに変更される(S380)。そして、この下限値VwLoに変更された目標流量Vwpに基づいて、実質的にはステップS360で設定された下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S390)、本処理は一旦終了される。
図16に、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求により、電動ファン27が駆動されているときにあって、上述した電動ウォータポンプ21の駆動処理が実行されたときの作用を示す。なお、同図16に示す二点鎖線は、規定値変更処理が行われないときの吐出流量Vwの変化、換言すれば第2実施形態で説明した電動ウォータポンプ21の駆動処理をそのまま実行したときの吐出流量Vwの変化を示している。
本実施形態の駆動処理が行われる場合、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2に満たないときには、機関発熱量に基づいて設定された目標流量Vwpに基づき、電動ウォータポンプ21の駆動が制御される。そして、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2に達すると、上記下限値VwLoの設定が開始されて、冷却水温THWの上昇に伴い下限値VwLoは徐々に大きくされていく。そして、目標流量Vwpが下限値VwLo以下になると(タイミングC)、それ以降は下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動は制御される。より具体的には、冷却水温THWの上昇に伴う下限値VwLoの増大に対応して電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwも増大補正される。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonに達すると、下限値VwLoが上記効率流量Vweに設定されることにより、吐出流量Vwも効率流量Vweに調整される。
そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonを超えると、吐出流量Vwは、冷却水温THWの上昇に伴い効率流量Vweから徐々に増大されていく。そして、冷却水温THWが上記放熱要求最大温度THbに達した以降は、吐出流量Vwが最大吐出流量Vwmaxに調整される。
一方、規定値変更処理が行われない場合には、第2実施形態にて説明したように、第2車速補正開始温度THsp2よりも低い上記の車速補正開始温度THspに冷却水温THWが達した時点で下限値VwLoの設定が開始され、冷却水温THWの上昇に伴い下限値VwLoは徐々に大きくされていく。そして、目標流量Vwpが下限値VwLo以下になると(タイミングB)、それ以降は、冷却水温THWの上昇に伴う下限値VwLoの増大に対応して電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwも増大補正される。このように規定値変更処理が行われない場合には、規定値変更処理が行われる場合と比較して、吐出流量Vwの増大がより低い冷却水温THWから開始される。ここで、上述したように、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求により、電動ファン27が駆動されているときには、吐出流量Vwの増大補正を行っても、電動ファン27の駆動頻度は減少することがなく、むしろ電動ウォータポンプ21の駆動電力増加による消費電力の増大が懸念される。
この点、本実施形態の駆動処理では、第2実施形態の駆動処理と比較して、エンジン2の冷却水温THWがより高くなってから、吐出流量Vwの増大補正が行われる。そのため、電動ファン27の駆動頻度低下に寄与しない、電動ウォータポンプ21の不要な電力増加が極力抑えられ、第2実施形態の駆動処理と比較して、冷却水温THWが低いときの電動ウォータポンプ21の消費電力(図16に示す一例の場合には、斜線部で示す面積に相当する電力)を抑えることができる。
なお、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求により、電動ファン27が駆動されているときには、吐出流量Vwの増大補正を禁止することにより、電動ウォータポンプ21の消費電力を抑えることも可能である。しかし、本実施形態によるように、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2を超えた時点で、吐出流量Vwの増大補正を開始することにより、冷却水温THWの温度上昇を抑えることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第2実施形態で説明した電動ウォータポンプ21の駆動処理を、そのまま車両200の冷却装置に適用した場合と比較して、次の作用効果を得ることができる。
(6)車両200においては、インバータ冷却水温THIや圧縮機114の吐出圧Pといった、エンジン2の冷却水温THWとは異なる別のパラメータに基づく駆動要求によっても電動ファン27が駆動されるようにしている。そして、冷却水温THWとは異なる上記別のパラメータによる駆動要求によって電動ファン27が駆動されているときには、そうした別のパラメータによる駆動要求がないときと比較して、吐出流量Vwの増大補正を開始する冷却水温THWの温度を高くするようにしている。従って、電動ファン27の駆動頻度低下に寄与しない、電動ウォータポンプ21の不要な電力増加が極力抑えられ、規定値変更処理が実行されない場合と比較して、冷却水温THWが低いときの電動ウォータポンプ21の消費電力を抑えることができるようになる。
(第4実施形態)
次に、本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第4実施形態について、第3実施形態との相違点を中心に、図17〜図19を参照して説明する。
第3実施形態では、電動ファン27の制御態様が停止及び駆動のいずれかであり、電動ファン27が駆動されているときの風量は一定であった。一方、本実施形態では、電動ファン27の駆動に際してその回転速度は、「低速モード」及び「高速モード(最大回転速度)」といった2段階に変更され、これにより風量は可変とされる。
より具体的には、図17に示すように、冷却水温THWの上昇時、インバータ冷却水温THIの上昇時、あるいは圧縮機114の吐出圧Pの上昇時等にあって、各パラメータ(冷却水温THW、インバータ冷却水温THI、吐出圧P)のいずれかが適宜設定された低速モード値以上になると、電動ファン27に対する低速駆動要求が満たされる。これにより電動ファン27の駆動状態は、「停止」から「低速モード」に切り換えられる。そして、各パラメータのいずれかが、上記低速モード値よりも大きい値に設定された高速モード値以上になると、電動ファン27に対する高速駆動要求が満たされる。これにより電動ファン27の駆動状態は、「低速モード」から「高速モード」に切り換えられて風量は更に増大される。なお、冷却水温THWの低下時、インバータ冷却水温THIの低下時、あるいは圧縮機114の吐出圧Pの低下時等にあっては、それら各パラメータの全てが適宜設定された規定値を下回る毎に、電動ファン27の駆動状態は、「高速モード」→「低速モード」→「停止」に順次切り換えられて風量は順次減量される。
そして、本実施形態では、そうした電動ファン27の風量可変制御に合わせて電動ウォータポンプ21の駆動処理を適切に行うために、第3実施形態で説明した駆動処理に対して、図18に示すステップS400の処理を追加するようにしている。
以下、本実施形態における電動ウォータポンプ21の駆動処理について、図18に示す処理手順を参照しつつ説明する。なお、本処理も制御装置30によって、所定周期毎に繰り返し実行される。また、同図18において、先の図14に示した処理と同一の処理には、同じステップ番号を付している。
本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE、機関負荷KL、冷却水温THW、車速SPが読み込まれる(S300)。
次に、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて電動ウォータポンプ21の目標流量Vwpが設定される(S310)。
次に、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求があるか否かが判定される(S320)。ここでも、インバータ冷却水温THIまたは吐出圧Pに基づき電動ファン27が駆動されているときに、冷却水温以外からのファン駆動要求があると判定される。
そして、冷却水温以外からのファン駆動要求がないときには(S320:NO)、第2実施形態と同様な態様で電動ウォータポンプ21の駆動制御が行われる。
すなわち、冷却水温THWが車速補正開始温度THspに満たない場合には(S330:NO)、ステップS310で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御される(S390)。また、上記ステップS330にて、冷却水温THWが車速補正開始温度THsp以上であると判定される場合には(S330:YES)、冷却水温THW及び車速SPに基づき、先の図7に示した下限値マップと同一の値が設定された第1下限値マップを参照して吐出流量Vwの下限値VwLoが設定される(S350)。そして、目標流量Vwpが下限値VwLoを超えている場合には(S370:NO)、先のステップS310で設定された目標流量Vwpに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動が制御されて(S390)、本処理は一旦終了される。また、目標流量Vwpが下限値VwLo以下の場合には(S370:YES)、先のステップS310で設定された目標流量Vwpが下限値VwLoに変更され(S380)、この下限値VwLoに基づいて電動ウォータポンプ21の駆動は制御されて(S390)、本処理は一旦終了される。
他方、上記ステップS320にて、冷却水温以外からのファン駆動要求があると判定されるときには(S320:YES)、そのファン駆動要求が低速駆動要求であるか否かが判定される(S400)。
そして、低速駆動要求である場合には(S400:YES)、ステップS320で冷却水温以外からのファン駆動要求がないと判定された場合(S320:NO)と同じ処理が行われる。すなわち、上記の規定値変更処理を行うことなく上記第2実施形態と同様な態様で電動ウォータポンプ21の駆動制御が行われる。これにより冷却水温THWが車速補正開始温度THsp以上になると、上記第1下限値マップを用いた下限値VwLoの設定が開始され、冷却水温THWや車速SPの増大に伴って下限値VwLoの値が大きくされることにより、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwは増大補正される。
一方、低速駆動要求でない場合には(S400:NO)、現在、電動ファン27に対して高速駆動要求がなされていることになる。この状態は、第3実施形態において、「エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求がある」状態と同じであり、本実施形態でも上記第3実施形態と同様な規定値変更処理を行うべく、ステップS340以降の処理が順次行われる。これにより、冷却水温THWが、上記車速補正開始温度THspよりも高い第2車速補正開始温度THsp2以上になってから、上記第2下限値マップを用いた下限値VwLoの設定が開始される。
本実施形態では、上記駆動処理が行われることにより、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求がない場合には、第2実施形態と同様な作用効果が得られる。
また、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求があり、その駆動要求が高速駆動要求である場合には、第3実施形態と同様な作用効果が得られる。
そして、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求があり、その駆動要求が低速駆動要求である場合には、次の作用効果を得ることができる。
すなわち、エンジン2の冷却水温以外からの駆動要求により電動ファン27が低速モードで駆動されているときにあって、冷却水温THWが上昇して高速モード値に達してしまうと、電動ファン27の駆動状態は、低速モードから高速モードに切り換えられてしまい、電動ファン27の消費電力が増大するようになる。一方、本実施形態による駆動処理では、エンジン2の冷却水温以外からの駆動要求により電動ファン27が低速モードで駆動されている場合、上記規定値変更処理を行うことなく吐出流量Vwの増大補正が実行される。そのため、図19に示すように、規定値変更処理が実行されるとき(二点鎖線にて図示)と比較して、より冷却水温THWが低い状態から吐出流量Vwの増大補正が開始されるようになり、電動ファン27が低速モードで駆動されているときの冷却水の冷却効率が向上することにより、冷却水温THWの上昇は抑えられるようになる。従って、冷却水温THWの上昇による電動ファン27の低速モードから高速モードへの切り換えは抑えられるようになり、これにより電動ファン27の消費電力の増大を抑えることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上記第3実施形態と比較して、さらに次の作用効果を得ることができる。
(7)エンジン2の冷却水温THWとは別のパラメータによる駆動要求により、電動ファン27が駆動されるときにあって、電動ファン27の回転速度が予め設定された値以下のとき、すなわち電動ファン27が低速モードで駆動されているときには、上記規定値変更処理を実行することなく吐出流量Vwの補正を行うようにしている。そのため、電動ファン27が低速モードで駆動されているときの冷却水の冷却効率が向上し、冷却水温THWの上昇が抑えられるようになる。従って、冷却水温THWの上昇による電動ファン27の回転速度増大が抑えられるようになり、電動ファン27の消費電力の増大を抑えることができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・電動ウォータポンプ21に供給される電力のデューティ比を変更することで、吐出流量Vwを調整するようにしたが、電動ウォータポンプ21に供給される電圧、あるいは電流を変更することで吐出流量Vwを調整するようにしてもよい。
・第1実施形態では、冷却水温THWの上昇に応じて吐出流量Vwを増大させる際、冷却水温THWの上昇に比例させて吐出流量Vwを徐々に増大させるようにした。この他、図20に示すように、冷却水温THWの上昇に応じて段階的に吐出流量Vwを増大させるようにしたり、図21に示すように、冷却水温THWがファン駆動温度THonに達した時点で、吐出流量Vwをある値(例えば最大吐出流量Vwmax等)にまで一気に増大させるようにしたりしてもよい。これらの場合にも、電動ファン27が駆動されている状態で、ラジエータ20に供給される冷却水の流量が増大補正されるため、ラジエータ20の放熱能力が高められた状態で吐出流量Vwは増大されることになる。従って、電動ウォータポンプ21の駆動デューティDの増加、すなわち電動ウォータポンプ21の駆動電力の増加を無駄にすることなく冷却性能を高めることができるようになり、電動ウォータポンプ21及び電動ファン27の駆動を適切に制御することができるようになる。
・第2実施形態では、車速SPに基づいて吐出流量Vwを補正するようにした。他方、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwを増大させると冷却水の冷却効率が向上するため、電動ファン27の駆動時間(駆動が開始されてからの経過時間)が長いときには吐出流量Vwを増大させることにより、冷却水温THWの低下を促すことができ、これにより電動ファンをより早期に停止させることも可能になる。そこで、電動ファン27の駆動時間に基づいて吐出流量Vwを補正するようにしてもよい。この場合には、駆動の開始された電動ファン27をより早期に停止させることができるようになり、もって電動ファン27の消費電力を抑えることができるようになる。なお、こうした駆動時間による吐出流量Vwの補正を行う処理は、上記第3の流量補正手段を構成している。
また、こうした駆動時間による吐出流量Vwの補正に際しては、機関発熱量に応じて設定される上記目標流量Vwpを電動ファン27の駆動時間に基づいて設定される補正値で直接補正することも可能であるが、機関発熱量が少ない場合には補正対象である目標流量Vwpが少なくなる。そのため、この場合には、目標流量Vwpを補正値で補正しても、駆動時間を低下させるほどには吐出流量Vwが増大されないおそれがある。そこで、この変形例においても、吐出流量Vwの下限値VwLoを駆動時間に基づいて設定し、上記目標流量Vwpが下限値VwLo以下のときには、その下限値VwLoを目標流量Vwpとして設定するとよい。こうした下限値VwLoの設定を行うことにより、電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwの最小値は、上記駆動時間に基づいて設定される下限値VwLoにて少なくとも制限されることにより、吐出流量Vwを確実に増大させることができるようになる。ちなみに、この変形例における下限値VwLoの設定にあたっては、先の図7に示した下限値マップの設定パラメータである車速SPを、図22に示すように、電動ファン27の駆動時間に変更する。そして、その駆動時間が長いときほど吐出流量Vwが増大補正されるように下限値VwLoを可変設定することにより、そうした駆動時間による吐出流量Vwの補正を適切に行うことができる。
・第3実施形態では、エンジン2の冷却水温以外からのファン駆動要求によって電動ファン27が駆動されているときには、下限値VwLoを上記第2下限値マップに基づいて設定するようにしたが、第1下限値マップを用いて設定するようにしてもよい。この場合には、冷却水温THWが第2車速補正開始温度THsp2に達したときの下限値VwLoとして、最小吐出流量Vwminの代わりに上記効率流量Vweが設定される。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonに達するまでは、下限値VwLoの値がその効率流量Vweに保持される。こうした変形例でも、第3実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。
・第3及び第4実施形態では、電動ファン27の駆動を制御するパラメータであって、エンジン2の冷却水温以外の別のパラメータが、インバータ冷却水温THIや吐出圧Pであった。しかし、この他のパラメータに基づいて電動ファン27の駆動が制御される場合にも、第3実施形態や第4実施形態と同様な駆動処理を行うことにより、それら各実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。
・第4実施形態では、電動ファン27の回転速度を2段階に変化させるようにした。この他、電動ファン27の回転速度をより多段階で変化させたり、連続的に変化させる場合には、電動ファン27の回転速度を予め設定された値と比較し、その回転速度が予め設定された値以下であるときに、電動ファン27の低速モード時と同様な駆動処理を行うようにする。こうした変形例によっても第4実施形態に準ずる作用効果を得ることができる。
・電動ファン27の駆動時には、その非駆動時と比較して、ラジエータ20を通過する空気量が増大し、ラジエータ20の放熱能力は高くなる。そこで、上記第2実施形態では、車速SPに基づいて吐出流量Vwを補正するようにしたが、そのように補正される吐出流量Vwを電動ファン27の駆動時にはさらに増大補正するようにしてもよい。この場合には、車速のみならず、電動ファン27の駆動状態によっても変化するラジエータ20の放熱能力に追従して電動ウォータポンプ21の吐出流量Vwが変化するようになり、電動ファン駆動時の冷却効率がさらに向上するようになる。従って、電動ウォータポンプ21に供給される電力を有効に活用しつつ冷却性能をさらに向上させることができるようになる。
また、そのように冷却性能が向上することにより、電動ファン27の駆動時には、冷却水温THWの低下が促進されるようになる。そのため、冷却水温THWがファン停止温度THoffにまで低下する時間は短くなり、これにより電動ファン27の駆動時間も短くなる。このように駆動中の電動ファン27がより早期に停止されるようになるため、電動ファン27の駆動により消費される電力を抑えることもできるようになる。
この変形例の実施にあっては、次のような一例が挙げられる。すなわち、図23に示すように、同一の車速であっても、電動ファン27の駆動時における上記効率流量Vwe(図23に示す駆動時効率流量Vweon)は、その非駆動時における効率流量Vwe(図23に示す非駆動時効率流量Vweoff)よりも大きくなる。そこで、例えば、上記の下限値マップにおいて、車速SPに対応した効率流量Vweとして、上述した駆動時効率流量Vweonと非駆動時効率流量Vweoffとをそれぞれ設定しておく。そして、車速SPの増大に伴って下限値VwLoを増大させるとともに、同一の車速であっても、電動ファン27の駆動時においては、電動ファン27の非駆動時よりも、下限値VwLoの値が大きくなるようにしておく。
こうした下限値マップの具体的な設定態様を図24及び図25に示す。まず、冷却水温THWの上昇時には、図24に示すような態様で下限値VwLoを可変設定する。すなわち、冷却水温THWが車速補正開始温度THspであるときには、下限値VwLoとしてウォータポンプ21の最小吐出流量Vwminを設定する。そして、冷却水温THWが車速補正開始温度THspを超えて高くなっていく上昇過程では、冷却水温THWがファン停止温度THoffに達した時点で上記非駆動時効率流量Vweoffが設定されるように、その水温上昇に合わせて下限値VwLoを増大させていく。そして、冷却水温THWがファン停止温度THoffからファン駆動温度THonの間の温度になっているときには、下限値VwLoとして上記非駆動時効率流量Vweoffを保持する。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonに達したときには、非駆動時効率流量Vweoffよりも値の大きい上記駆動時効率流量Vweonを下限値VwLoとして設定する。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonを超えて高くなっていく上昇過程では、冷却水温THWが放熱要求最大温度THbに達した時点で電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxが設定されるように、その水温上昇に合わせて下限値VwLoを増大させていく。そして、冷却水温THWが放熱要求最大温度THbに達した以降は、下限値VwLoとして電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxを設定する。
一方、冷却水温THWの低下時には、図25に示すような態様で下限値VwLoを可変設定する。すなわち、冷却水温THWが放熱要求最大温度THb以上であるときには、下限値VwLoとして電動ウォータポンプ21の最大吐出流量Vwmaxを設定する。そして、冷却水温THWが放熱要求最大温度THbより低くなっていく低下過程では、冷却水温THWがファン駆動温度THonに達した時点で上記駆動時効率流量Vweonが設定されるように、その水温低下に合わせて下限値VwLoを減少させていく。そして、冷却水温THWがファン駆動温度THonからファン停止温度THoffの間の温度になっているときには、下限値VwLoとして上記駆動時効率流量Vweonを保持する。そして、冷却水温THWがファン停止温度THoffに達したときには、駆動時効率流量Vweonよりも値の小さい上記非駆動時効率流量Vweoffを下限値VwLoとして設定する。そして、冷却水温THWがファン停止温度THoffよりも低くなっていく低下過程では、冷却水温THWが車速補正開始温度THspに達した時点で電動ウォータポンプ21の最小吐出流量Vwminが設定されるように、その水温低下に合わせて下限値VwLoを減少させていく。そして、冷却水温THWが車速補正開始温度THspよりも低下した以降は、下限値VwLoの設定を中止する。
こうした態様で下限値VwLoを設定することにより、車速に基づいて補正される吐出流量Vwを、電動ファンの駆動時には、その非駆動時と比較してさらに増大補正することができるようになる。
なお、図24及び図25に示した下限値VwLoの変化態様は、車速SPがある値になっているときの態様を示しているが、それら各図に二点鎖線にて一例を示すように、車速SPが高いときほど、下限値VwLoの値が大きくされる点については、上記第2実施形態と同一である。また、この変形例は、上記第2実施形態のみならず、第3及び第4実施形態においても同様な原理に基づいて実施することができる。
・駆動時の電動ファン27の回転速度が可変とされる場合には、電動ファン27の回転速度が高くなるにつれてラジエータ20を通過する空気量は増大し、同ラジエータ20の放熱能力は高くなる。そこで、上記第2実施形態では、車速SPに基づいて吐出流量Vwを補正するようにしたが、そのように補正される吐出流量Vwを電動ファン27の回転速度に応じてさらに補正するようにしてもよい。より具体的には、図26に示すように、電動ファン27の回転速度が高いときほど効率流量Vweも大きくなるため、同電動ファン27の回転速度が高いときほど、吐出流量Vwがさらに増大補正されるようにしてもよい。この場合にも、車速のみならず、電動ファン27の回転速度によっても変化するラジエータ20の放熱能力に追従して電動ウォータポンプ21の吐出流量が変化するようになり、冷却効率がさらに向上するようになる。従って、電動ウォータポンプ21に供給される電力を有効に活用しつつ冷却性能をさらに向上させることができるようになる。
また、このように冷却性能が向上することにより、電動ファン27の回転速度が高いときほど、冷却水温THWの低下が促進されるようになる。そのため、電動ファン27の回転速度はより早期に低下されるようになり、電動ファン27の駆動により消費される電力を抑えることができるようになる。
ちなみに、電動ファン27を駆動する電動モータへの電力供給状態を変化させることにより、同電動ファン27の回転速度は変更される。そのため、電動ファン27の回転速度に応じて吐出流量Vwを補正する際には、例えば、同電動モータに供給される電圧や電流、あるいはディーティ制御にて回転速度を変更する場合にはそのディーティ比等に基づいて吐出流量Vwを補正することにより、電動ファン27の回転速度に応じた吐出流量Vwの補正を行うことができる。また、電動ファンの回転速度を実際に検出し、その検出された回転速度に基づいて吐出流量Vwを補正することも可能である。また、この変形例も、上記第2実施形態のみならず、第3及び第4実施形態においても同様な原理に基づいて実施することができる。
・上記各実施形態及びその変形例においては、吐出流量Vwの補正に際して、下限値VwLoを設定するようにした。この他、冷却水温THW、車速SP、電動ファン27の駆動時間、電動ファン27の駆動状態、電動ファン27の回転速度等に基づいて設定される補正値で上記目標流量Vwpを直接補正するようにしてもよい。
本発明にかかる内燃機関の冷却装置を具体化した第1実施形態について、その冷却装置、並びにその周辺構成を示す概略構成図。 同実施形態における電動ファンの駆動態様を示す模式図。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理を示すフローチャート。 同実施形態における下限値マップの設定態様を示すグラフ。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理の作用を示すタイミングチャート。 第2実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理を示すフローチャート。 同実施形態における下限値マップの設定態様を示すグラフ。 吐出流量及び車速とラジエータの放熱能力との関係を示すグラフ。 車速と効率流量との関係を示すグラフ。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理の作用を示すタイミングチャート。 第3実施形態における冷却装置、並びにその周辺構成を示す概略構成図。 同実施形態における電動ファンの駆動態様を示す模式図。 同実施形態における電動ファンの駆動態様を示す模式図。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理を示すフローチャート。 同実施形態における第2下限値マップの設定態様を示すグラフ。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理の作用を示すタイミングチャート。 第4実施形態における電動ファンの駆動態様を示す模式図。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理を示すフローチャート。 同実施形態における電動ウォータポンプの駆動処理の作用を示すタイミングチャート。 第1実施形態の変形例における電動ウォータポンプの吐出流量変化を示すタイミングチャート。 第1実施形態の変形例における電動ウォータポンプの吐出流量変化を示すタイミングチャート。 第2実施形態の変形例における下限値マップの設定態様を示すグラフ。 第2実施形態の変形例において、電動ファン駆動時の車速と効率流量との関係、及び電動ファン停止時の車速と効率流量との関係をそれぞれ示すグラフ。 第2実施形態の変形例において、冷却水温の上昇時における下限値の変化態様を示すグラフ。 第2実施形態の変形例において、冷却水温の低下時における下限値の変化態様を示すグラフ。 第2実施形態の変形例において、電動ファンの回転速度と効率流量との関係を示すグラフ。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、3…クランクシャフト、4…オルタネータ、8…バッテリ、20…ラジエータ、21…電動ウォータポンプ、22…サーモスタット、23…ウォータジャケット、24…第1冷却水通路、25…第2冷却水通路、26…バイパス通路、27…電動ファン、30…制御装置、31…水温センサ、32…回転速度センサ、33…エアフロメータ、34…車速センサ、40…変速機、50…減速機、60…車輪、70…動力分割機構、71…減速機、72…ジェネレータ、73…電動モータ、80…パワーコントロールユニット(PCU)、81…コンバータ、82…インバータ、83…DC−DCコンバータ、84…電力制御装置、90…車両駆動用バッテリ、91…補機用バッテリ、100…インバータ用冷却機器、101…インバータ用配管、102…インバータ用ラジエータ、103…ウォータポンプ、104…水温センサ、110…空調機器、111…冷媒配管、112…エキスパンションバルブ、113…エバポレータ、114…圧縮機、115…コンデンサ、116…圧力センサ、200…車両。

Claims (18)

  1. 内燃機関に設けられた冷却配管内の冷却水を循環させる電動ウォータポンプと、前記冷却水の放熱を行うラジエータと、前記ラジエータを冷却する電動ファンとを備え、機関発熱量に応じて設定される目標流量に基づいて前記電動ウォータポンプの吐出流量を制御するとともに、前記冷却水の水温に基づいて前記電動ファンの駆動を制御する内燃機関の冷却装置において、
    前記電動ファンの駆動が開始される駆動温度よりも前記水温が高いときに、前記吐出流量を前記水温の上昇に応じて増大補正する第1の流量補正手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  2. 前記電動ウォータポンプの吐出流量を車速に基づいて補正する第2の流量補正手段を備える
    請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
  3. 前記第2の流量補正手段は、車速が高いときほど前記吐出流量を増大させる
    請求項2に記載の内燃機関の冷却装置。
  4. 前記第2の流量補正手段は、前記電動ファンの駆動時には、その非駆動時と比較して、車速に基づいて補正される前記吐出流量をさらに増大補正する
    請求項2または3に記載の内燃機関の冷却装置。
  5. 前記電動ファンはその回転速度が可変とされるファンであり、
    前記第2の流量補正手段は、車速に基づいて補正される前記吐出流量を前記電動ファンの回転速度に応じてさらに補正する
    請求項2または3に記載の内燃機関の冷却装置。
  6. 前記第2の流量補正手段は、前記電動ファンの回転速度が高いときほど前記吐出流量を増大させる
    請求項5に記載の内燃機関の冷却装置。
  7. 前記水温が、前記電動ファンの駆動が停止される停止温度と同停止温度よりも高い温度であって前記電動ファンの駆動が開始される駆動温度との間の温度になっているときの前記吐出流量が前記車速に基づいて補正される
    請求項2〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
  8. 前記停止温度よりも低い温度領域から前記水温が上昇するときには、前記水温が前記停止温度に達した時点で、前記車速に基づいて補正される吐出流量となるように前記水温の上昇に合わせて前記吐出流量は増大補正され、
    前記駆動温度よりも高い温度領域において前記水温が上昇するときには、前記車速に基づいて補正された吐出流量が前記水温の上昇に合わせて増大補正される
    請求項7に記載の内燃機関の冷却装置。
  9. 前記第1の流量補正手段は、前記吐出流量の下限値を前記水温に基づいて設定し、前記目標流量が前記下限値以下のときには、同下限値を前記目標流量として設定する
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
  10. 前記第2の流量補正手段は、前記吐出流量の下限値を車速に基づいて設定し、前記目標流量が前記下限値以下のときには、同下限値を前記目標流量として設定する
    請求項2〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
  11. 前記電動ファンは、前記水温とは別のパラメータによってもその駆動が制御されるものであり、
    前記第2の流量補正手段による前記吐出流量の補正は、前記水温が規定値に達したときに開始されるものであり、
    前記別のパラメータによる駆動要求によって前記電動ファンが駆動されるときには、前記別のパラメータによる駆動要求がないときと比較して、前記規定値をより高い温度に変更する規定値変更処理を行う
    請求項2〜10のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
  12. 請求項11に記載の内燃機関の冷却装置において、
    当該冷却装置は、空調機器を備える車両に搭載される装置であって、前記空調機器は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を冷却するコンデンサとを備え、
    前記コンデンサは、前記電動ファンによって冷却されるものであり、
    前記別のパラメータが前記圧縮機の吐出圧であって、同吐出圧に基づいて前記電動ファンの駆動が制御される
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  13. 請求項11または12に記載の内燃機関の冷却装置において、
    当該冷却装置は、内燃機関及び電動モータを動力源として備える車両に搭載される装置であって、前記車両は、蓄電池から前記電動モータに供給される電力を変換するインバータと、同インバータを冷却するインバータ用冷却水が流れるインバータ用配管と、前記インバータ用配管が接続されたインバータ用ラジエータとを備え、
    前記インバータ用ラジエータは、前記電動ファンによって冷却されるものであり、
    前記別のパラメータが前記インバータ用冷却水の水温であって、同インバータ用冷却水の水温に基づいて前記電動ファンの駆動が制御される
    ことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
  14. 前記電動ファンは、その駆動時の回転速度が可変制御されるものであり、
    別のパラメータによる駆動要求によって前記電動ファンが駆動されるときにあって前記回転速度が予め設定された値以下のときには、前記規定値変更処理を実行することなく前記第2の流量補正手段による前記吐出流量の補正を行う
    請求項11〜13のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
  15. 前記電動ウォータポンプの吐出流量を前記電動ファンの駆動時間に基づいて補正する第3の流量補正手段を備える
    請求項1に記載の内燃機関の冷却装置。
  16. 前記第3の流量補正手段は、前記駆動時間が長くなるほど前記吐出流量を増大させる
    請求項15に記載の内燃機関の冷却装置。
  17. 前記第3の流量補正手段は、前記吐出流量の下限値を前記駆動時間に基づいて設定し、前記目標流量が前記下限値以下のときには、同下限値を前記目標流量として設定する
    請求項15または16に記載の内燃機関の冷却装置。
  18. 前記目標流量は、機関回転速度及び機関負荷に基づいて設定される
    請求項1〜17のいずれか1項に記載の内燃機関の冷却装置。
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