[go: up one dir, main page]

JP4941538B2 - エンジンの廃熱制御装置 - Google Patents

エンジンの廃熱制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4941538B2
JP4941538B2 JP2009259012A JP2009259012A JP4941538B2 JP 4941538 B2 JP4941538 B2 JP 4941538B2 JP 2009259012 A JP2009259012 A JP 2009259012A JP 2009259012 A JP2009259012 A JP 2009259012A JP 4941538 B2 JP4941538 B2 JP 4941538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
engine
waste heat
amount
increase rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009259012A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011106281A (ja
Inventor
恵亮 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009259012A priority Critical patent/JP4941538B2/ja
Priority to US12/943,096 priority patent/US8823203B2/en
Priority to DE102010043803.0A priority patent/DE102010043803B4/de
Publication of JP2011106281A publication Critical patent/JP2011106281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4941538B2 publication Critical patent/JP4941538B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、熱利用要求に基づいてエンジンの廃熱量を制御するエンジンの廃熱制御装置に関するものである。
車載エンジンにおいて、燃料の燃焼に伴い発生する燃焼エネルギには、車両走行に用いられる運動エネルギ以外に熱エネルギが多く含まれており、その熱エネルギを利用して車室内の暖房やエンジンの暖機等が行われている。例えば、エンジン冷却水に含まれるエンジン廃熱を回収し、その回収した廃熱を利用して暖房を行う構成が知られている。
また、エンジン運転中においてエンジンの暖機要求や暖房要求といった熱利用要求があった場合、点火時期や吸排気バルブのバルブ開閉タイミングを制御することでエンジン廃熱量を増加させ、これによりエンジンの暖機を促進したり車室内の暖房要求を満たしたりする技術が各種提案されている(例えば特許文献1や特許文献2参照)。
実開昭61−186766号公報 特開平11−324746号公報
熱利用要求に伴いエンジン廃熱量を増加させる場合、その熱利用要求があった時点におけるエンジン運転状態に応じて、エンジン廃熱を所望量増加させるのに消費される燃料量が異なることが考えられる。ところが、上記特許文献1や特許文献2では、熱利用要求があった時点におけるエンジン運転状態とは無関係に点火時期制御やバルブタイミング制御等によるエンジン廃熱制御を実施する構成となっている。そのため、熱利用要求時のエンジン運転状態によっては熱利用要求を満たすのに必要な燃料消費量が多くなり、燃費悪化が促進されることが懸念される。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、燃費悪化をできるだけ抑制しつつ熱利用要求に即したエンジン廃熱制御を実施することができるエンジンの廃熱制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
熱利用要求に伴いエンジン廃熱量を増加させる場合、その廃熱増加による燃料消費量の増加(燃費の悪化)をできるだけ抑制するのが望ましい。本発明者は、エンジン廃熱を増加させる場合の発生熱量に対する燃料増加量が、廃熱増加を開始するときのエンジン運転状態に応じて相違し、その相違に起因して廃熱増加に伴う燃費悪化の程度が変化することに着目した。そして、廃熱増加に伴う燃費悪化を抑制すべく本発明を完成するに至った。
すなわち、第1の構成は、エンジンの廃熱を回収して再利用する廃熱再利用システムに適用され、熱利用要求に伴う要求熱量に基づいて前記エンジンの廃熱量を制御するエンジンの廃熱制御装置に関するものである。また、前記熱利用要求があったとき、同要求に基づきエンジン廃熱を増加する場合の発生熱量に対する燃料増加量を示す燃料増加率を算出する増加率算出手段と、前記熱利用要求に伴いエンジン廃熱量を増加する廃熱増加制御を実施するか否かを前記燃料増加率に基づいて判定するための増加率判定値を設定する判定値設定手段と、前記増加率算出手段により算出した燃料増加率と、前記判定値設定手段により設定した増加率判定値との比較結果に基づいて、前記熱利用要求に伴い前記廃熱増加制御を実施するか又は実施しないかを切り替える廃熱制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成では、熱利用要求があったとき、その要求に基づき廃熱増加を行うとした場合の燃料増加率に基づいて、廃熱制御の内容を廃熱増加の実施/実施制限とで切り替える。つまり、熱利用要求があっても、それに応じて直ちに廃熱増加を実施するのではなく、都度の燃料増加率に応じて実施するか否かを判断する。例えば、発生熱量に対する燃料増加量が少なく、エンジン廃熱を効率よく発生できる場合には廃熱増加を積極的に行い、そうでない場合には廃熱増加を行わないようにする。このように、熱利用要求があったときの廃熱増加をメリハリを付けて実施する。これにより、要求熱量を平均的に満足しつつ、廃熱増加に伴う燃料増加量を平均的に小さくすることができる。
ここで、燃料増加率について具体的には、例えば、廃熱制御による増加分の熱量(追加熱量)の単位量当たりの燃料増加量とする。あるいは、単位燃料増加量当たりの追加熱量とする。
熱利用要求に伴いエンジン廃熱量を増加させる場合、具体的には第2の構成のように、前記増加率算出手段が、廃熱増加を開始する時のエンジン運転状態について、発生熱量に対する燃料増加率の関係を示す燃料増加率特性を算出し、前記廃熱制御手段が、前記熱利用要求に伴い前記廃熱増加制御を実施する場合、前記増加率算出手段により算出した燃料増加率特性において、前記増加率判定値に対し、燃料増加量が少なくなる側の燃料増加率に対応する発生熱量に基づいて前記廃熱増加制御を実施するとよい。こうすることで、発生熱量に対する燃料増加量として許容される範囲内において廃熱増加を実施することができ、燃費悪化の抑制を好適に図ることができる。
ところで、廃熱増加を開始する時のエンジン運転状態における燃料増加率に応じてエンジン廃熱制御の内容を切り替える場合、廃熱増加の実施の機会が制限されることが考えられる。その点に鑑み、第3の構成では、前記熱利用要求に伴い前記廃熱増加制御を実施する場合、前記増加率算出手段により算出した燃料増加率特性において、前記増加率判定値に対し、燃料増加量が少なくなる側の燃料増加率に対応する発生熱量のうち最大熱量を前記廃熱増加制御により増加させる熱量の指令値として設定し、該設定した指令値に基づいて前記廃熱増加制御を実施する。すなわち、廃熱増加開始時のエンジン運転状態ではエンジン廃熱をさほど効率よく発生できない場合には、エンジンの廃熱増加を実施しないことにより、廃熱増加を行うことによる燃費悪化を抑制する。これに対し、エンジン廃熱を効率よく発生できる場合には、そうでない場合に廃熱増加を実施しない分、エンジンの廃熱量をできるだけ多くすることで、エンジンから熱エネルギを集中的に発生させる。このように、廃熱制御の実施とその制限とのメリハリをより強くすることで、要求熱量を平均的に満足しつつ、廃熱増加に伴う燃料消費量を平均的に少なくするといった効果を好適に得ることができる。
熱利用要求時において廃熱増加の実施とその実施制限とを切り替える場合、熱利用要求に伴う熱量増加の頻度が少なくなり、その結果、要求熱量が比較的大きい場合にその要求熱量を満足できないことが懸念される。その点に鑑み、第4の構成のように、前記要求熱量に基づいて前記増加率判定値を可変設定するとよい。こうすることにより、熱利用要求時において廃熱増加の実施とその実施制限との切り替えを要求熱量に応じて行うことができ、ひいては要求熱量に見合うエンジン廃熱を発生させることができる。このとき、要求熱量が大きいほど、発生熱量に対する燃料増加量が多くなる側に増加率判定値を設定するとよい。
例えばエンジン始動時などエンジン冷却水温が低い場合、エンジンの暖機を十分に行うことができず、エンジンの燃焼が安定しないことが考えられる。かかる場合、エミッション悪化を招いたりトルク変動により運転者に不快感を与えたりするおそれがある。また、エンジン冷却水温が低い場合には暖房要求を満たすことができないことも考えられる。
その点に鑑み、第5の構成では、エンジン冷却水温に基づいて前記増加率判定値を可変設定する。こうすることにより、熱利用要求時において廃熱増加の実施とその実施制限との切り替えをエンジン冷却水温に応じて行うことができる。
エンジン冷却水温に応じて増加率判定値を可変設定する構成(第5の構成)について、より具体的には、第6の構成のように、エンジン冷却水温を検出する温度検出手段と、前記熱利用要求が生じた場合にエンジン冷却水の目標温度を設定する目標温度設定手段と、を備え、前記目標温度設定手段で設定した目標温度と前記温度検出手段により検出されるエンジン冷却水温との差分に基づいて前記増加率判定値を可変設定するとよい。エンジン冷却水温の現在値と目標値との開きが大きい場合、要求熱量を満足できるまでの期間が長引くことが考えられる。その点、上記構成とすることにより即暖性を確保することができ、その結果、熱利用要求を速やかに満足させることができる。このとき、エンジン冷却水温の現在値と目標値との差分が大きいほど、発生熱量に対する燃料増加量が多くなる側に増加率判定値を設定するとよい。
外気温が低いほど回収した熱エネルギが外気へ逃げやすく、熱利用要求を速やかに満足できないことが考えられる。具体的には、エンジン廃熱をエンジン冷却水を媒体として回収する場合、外気温が低いほどその回収した熱がエンジン冷却水から逃げやすくなり、その結果、エンジンからの回収熱が同量であっても、外気温が低いほどエンジン冷却水温の上昇が緩慢になることが考えられる。
その点に鑑み、第7の構成では、外気温に基づいて前記増加率判定値を可変設定する。これにより、外気温が低い場合であっても熱利用要求を速やかに満足させることができる。
エンジン廃熱制御システムの概要を示す構成図。 エンジン運転状態と燃料消費率との関係を表すマップ。 エンジン運転状態と追加熱量との関係を示す図。 熱利用要求に伴う追加熱量発生時の燃料消費量についての説明図。 追加熱量ΔQに対する熱費ηの関係を示す熱費特性図。 要求熱量及び目標エンジン水温を算出するための機能ブロック図。 基準熱費を算出するための機能ブロック図。 指令熱量を算出するための機能ブロック図。 目標水温マップの一例を示す図。 要求熱量基準算出マップの一例を示す図。 温度基準算出マップの一例を示す図。 指令追加熱量の算出方法を説明するための図。 指令熱量の算出手順を示すフローチャート。
以下、火花点火式の多気筒ガソリンエンジンを搭載した車両に本発明を具体化した実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の廃熱制御システム(廃熱再利用システム)の概要を示す構成図である。
図1において、エンジン10には、吸気管11と排気管12とが接続されており、吸気管11には気筒内への吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ13が設けられている。スロットルバルブ13は、モータ等からなるスロットルアクチュエータ14により電気的に開閉駆動される空気量調整手段である。スロットルアクチュエータ14にはスロットルバルブ13の開度(スロットル開度)を検出するためのスロットルセンサが内蔵されている。
エンジン10は、同エンジン10の各気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射手段としてのインジェクタ15と、気筒ごとに設けられた点火プラグ16に点火火花を発生させる点火手段としてのイグナイタ(点火装置)17と、吸排気の各バルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整手段としての吸気側バルブ駆動機構18及び排気側バルブ駆動機構19とを備えている。なお、本実施形態では、吸気ポート噴射式エンジンを採用しており、インジェクタ15が吸気ポート近傍に設けられる構成としているが、これに代えて、直噴式エンジンを採用し、インジェクタ15が各気筒のシリンダヘッド等に設けられる構成としてもよい。
吸気側及び排気側の各バルブ駆動機構18,19は、エンジン10のクランク軸に対する吸気側及び排気側の各カム軸の進角量を調整するものである。吸気側バルブ駆動機構18によれば、吸気バルブの開閉タイミングが進角側又は遅角側に変更され、排気側バルブ駆動機構19によれば、排気バルブの開閉タイミングが進角側又は遅角側に変更される。つまり、バルブ駆動機構18,19によれば、吸気バルブの開弁期間と排気バルブの開弁期間とがオーバーラップする際のバルブオーバーラップ量が変更される。なお、本実施形態では、吸気側バルブ駆動機構18及び排気側バルブ駆動機構19の両方を備える構成としたが、オーバーラップ量の変更に際し開弁時期を変更する側にバルブ駆動機構が設けられていれば、いずれか一方のみを備える構成であってもよい。
排気管12には、排気中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ21が設けられている。この酸素濃度センサ21の下流側には、排気浄化装置としての触媒22が設けられている。触媒22は例えば三元触媒であり、排気が通過する際に排気中の有害成分等を浄化する。
本システムには、排気の一部をEGRガスとして吸気系に導入するEGR装置(排気再循環装置)が設けられている。すなわち、吸気管11と排気管12との間には、一端が吸気管11のスロットルバルブ下流側に接続され、他端が排気管12の触媒下流側(上流側でも可)に接続されたEGR配管25が設けられている。また、そのEGR配管25の途中には電磁式のEGR弁26が設けられている。この場合、EGR弁26の開度を調整することで、EGRガス量が増減調整されるようになっている。
次に、エンジン10の冷却系の構成について説明する。
エンジン10のシリンダブロックやシリンダヘッドの内部にはウォータジャケット31が形成されており、このウォータジャケット31に冷却水が循環供給されることでエンジン10の冷却が行われるようになっている。ウォータジャケット31内の冷却水の温度(冷却水温)は水温センサ32により検出される。ウォータジャケット31には冷却水配管等からなる循環経路33が接続されており、その循環経路33には、冷却水を循環させるためのウォータポンプ34が設けられている。ウォータポンプ34は、例えばエンジン10の回転に伴い駆動される機械式ポンプであってもよいし、電動式ポンプであってもよい。また、ウォータポンプ34により冷却水量が調整できる構成であってもよい。
循環経路33は、エンジン10(ウォータジャケット31)の出口側においてヒータコア35に向けて延び、ヒータコア35を経由して再びエンジン10に戻るようにして設けられている。ヒータコア35には、図示しないブロアファンから空調風が送り込まれるようになっており、空調風がヒータコア35又はその付近を通過することで、ヒータコア35からの受熱により空調風が加熱され、温風が車室内に供給される。
循環経路33は、ヒータコア35の下流側で二方に分岐され、その一方の循環経路33Aに大気放熱部としてのラジエータ36が設けられている。また、循環経路33の分岐部には、冷却水温度に応じて作動することで冷却水の流路を変更するサーモスタット37が設けられている。このサーモスタット37により、冷却水が低温(サーモスタット作動温度未満)である場合にはラジエータ36側への冷却水の流入が阻止され、冷却水はラジエータ36で放熱されることなく循環経路33内を循環する。例えば、エンジン10の暖機完了前(暖機運転時)にはラジエータ36での冷却水の冷却(放熱)が抑制される。また、冷却水が高温(サーモスタット作動温度以上)になると、ラジエータ36側への冷却水の流入がサーモスタット37により許容され、冷却水はラジエータ36で放熱されつつ循環経路33内を循環する。これにより、エンジン運転状態下において冷却水が適温(例えば80℃程度)で維持される。
本制御システムは、エンジン制御の中枢をなすエンジンECU(電子制御装置)40を備えており、そのエンジンECU40によりエンジン10の運転に関する各種制御が実施される。すなわち、エンジンECU40は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じてエンジン10の各種制御を実施する。本システムでは、エンジン運転状態を検出するための運転状態検出手段として、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ41、吸入空気量や吸気管負圧といったエンジン負荷を検出する負荷センサ42等を備えており、これら各センサ41,42や上述した酸素濃度センサ21、水温センサ32等の各検出信号がエンジンECU40に適宜入力される。
エンジンECU40は、上述した各種センサから各々検出信号を入力し、それらの各種検出信号に基づいてインジェクタ15による燃料噴射制御、イグナイタ17による点火時期制御、バルブ駆動機構18,19によるバルブタイミング制御、スロットルバルブ13(スロットルアクチュエータ14)による空気量制御を実施する。上記の各種制御について基本的には、エンジン運転状態に応じてエンジン軸効率(燃費)が異なることに鑑み、都度のエンジン運転状態においてエンジン10の最高効率(最高燃費)が得られるようにして適合データ等に基づいて実施する。図2に、エンジン運転状態と燃料消費率との関係を表すマップの一例を示す。図2では、エンジン運転状態としてエンジン回転速度及びエンジントルクについて示してある。
本制御システムでは、エンジン10において燃料の燃焼により生じる燃料燃焼エネルギのうち、熱エネルギを、エンジン冷却水を媒体として回収し再利用することでシステム全体としての燃費改善を図るようにしている。
具体的には、本システムには、図1に示すように、車室内の空調制御を行うエアコンECU50と、エンジンECU40に対して廃熱制御の実行を指令する熱マネジメントECU60とが設けられている。エアコンECU50及び熱マネジメントECU60は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、都度入力される各種信号に応じた制御をそれぞれ実施する。
具体的には、エアコンECU50は、エアコンのオン/オフが切り替え操作されるA/Cスイッチ51や、ドライバが車室内温度の目標値(目標温度)を設定するための温度設定スイッチ52、車室内温度を検出する車室内温度センサ53、外気温を検出する外気温センサ54、ヒータコア35又はその付近からエアコン吹き出し口を介して車室内へ送られる空調風の温度(吹き出し口温度)を検出する吹出口温度センサ55等から各種信号を入力するとともに、エンジンECU40からの各種制御信号やデータ等を入力し、その入力した各種信号等に基づいて要求熱量Qrqを算出する。また、その算出した要求熱量Qrqを熱マネジメントECU60に出力する。熱マネジメントECU60は、要求熱量Qrqに基づいて、エンジン10で創出すべき熱量として指令熱量Qodを算出し、その算出した指令熱量QodをエンジンECU40に出力する。そして、エンジンECU40は、その入力した指令熱量Qodに基づいてエンジン10の運転状態を制御する。これにより、エンジン10において要求熱量Qrqに見合う廃熱が発生される。
本システムでは、エンジン10の熱エネルギである廃熱の発生量(発生熱量)を増加させる場合、その廃熱増加に伴う燃料増加量を最小に抑えつつ発生熱量を増加させるための制御(熱創出制御)を実施している。熱創出制御について具体的には、本制御システムは、発生熱量を増加させるための廃熱量調整手段を複数備えている。そして、暖房要求等の熱利用要求が生じた場合、その複数の廃熱量調整手段のうち燃費の低下を最小限にできる手段を選択し、その選択した廃熱量調整手段によりエンジン廃熱量を増加する。
熱創出制御について更に詳しく説明する。本制御システムでは、例えば、
・点火時期を遅角させると廃熱量が増加すること
・吸気バルブの開弁時期を進角側に変更すると(吸気早開きにすると)廃熱量が増加すること
・排気バルブの開弁時期を遅角側に変更すると(排気遅開きにすると)廃熱量が増加すること
等のうち1つ又は複数を利用することによりエンジン廃熱量の増加を図っている。また、廃熱量調整手段として本実施形態では、例えば、
(1)点火遅角と排気バルブの遅開きを実施する手段
(2)点火遅角と吸気バルブの早開きを実施する手段
(3)点火遅角を実施する手段
を備えている。そして、エンジンECU40は、熱マネジメントECU60から入力した指令熱量Qodを満足でき、かつそのときの廃熱増加に伴う燃料増加量を最小にできる廃熱量調整手段を上記(1)〜(3)から選択し、その選択した廃熱量調整手段によりエンジン10の廃熱量の増加を図っている。
さて、エンジン10の廃熱制御は、例えば燃費最良点でのエンジン運転中に熱利用要求があり、その熱利用要求に伴い要求熱量Qrqが増加した場合において、燃費最良点での発生熱量では要求熱量Qrqを満足できないときにその熱量不足分を補うべく実施される。この場合、要求熱量Qrqを満足させるには、例えば図3に示すように、エンジン10の動作点を燃費最良点Aから、これとは異なる点A’に移行させることにより、エンジン廃熱量を燃料最良点Aでの発生熱量(追加熱量=0)よりも熱量ΔQだけ増加させる必要がある。このA→A’のエンジン動作点の移行により、燃費最良点よりも燃料増加側(燃費悪化側)にエンジン10の動作点が移行され、燃料最良点Aでの発生熱量(ベース熱量)に対して増加分の熱量(追加熱量ΔQ)が生成されることとなる。
図4は、熱利用要求に伴い追加熱量を発生させる場合の燃料消費量について説明するための図である。図中、(a)は燃費最良点で運転している場合の燃料消費量[g/h]を示し、(b)はその燃費最良点での運転中にエンジン廃熱量を増加させる場合の燃料消費量[g/h]を示している。
燃費最良点では、例えばエンジン10の燃料燃焼エネルギのうち約25%が運動エネルギとしてのエンジン10の軸出力に変換され、約25%が冷却損失となり、その残りが補機損失や排気損失などのその他の損失となる。冷却損失分の熱エネルギはエンジン冷却水を媒体として回収され、その回収熱が車室内の暖房やエンジン暖機等に利用される。
そして、熱利用要求に伴い要求熱量Qrqが増加したときに燃費最良点での冷却損失のみでは要求熱量Qrqを満足できない場合には、エンジン廃熱制御によりその不足分の熱量を追加熱量として発生させる。このとき、追加熱量の発生に伴い燃料消費量が増加することとなるが、燃費悪化抑制の観点からすると、追加熱量発生に伴う燃料増加量は極力小さいのが望ましい。
ここで、本発明者の知見によれば、所望量のエンジン廃熱を発生させる場合、その熱発生のための燃料増加量が、熱量増加を開始する時のエンジン動作点に応じて変化する。例えば、エンジン10を燃費最良点で制御しているときに要求熱量Qrqを満足できなくなった場合、要求熱量Qrqの不足分を補うべくエンジン10の発生熱量を増加させる必要がある。このとき、熱量増加を開始する時のエンジン動作点が、図2における動作点Xの場合と、動作点Xとは異なる動作点Yの場合とでは、同量のエンジン廃熱を増加させるのに必要な燃料増加量が相違する。すなわち、熱量増加開始時におけるエンジン動作点に応じて、エンジン発生熱量に対する燃料増加量(燃料増加率)が異なる。また、燃料増加率は、エンジン動作点の他に、エンジン冷却水温や外気温といった温度に関するパラメータによっても相違する。
燃料増加率について更に説明する。燃料増加率は、エンジン10の発生熱量(廃熱量)を増加させる場合の燃料消費に関するパラメータであり、より具体的には、エンジン廃熱制御により創出される増加分の熱量(追加熱量ΔQ)と、その追加熱量ΔQの発生による燃料噴射量の増加分(燃料増加量Δqf)との比率である。例えば、燃料増加率は、追加熱量ΔQの単位量当たりの燃料増加量Δqf(以下「熱費」という)である。
熱費η[g/kWh]=燃料増加量Δqf[g/h]/追加熱量ΔQ[kW]
図5は、異なる2つのエンジン動作点X,Y(図2参照)における追加熱量ΔQに対する熱費ηの関係を示す熱費特性図である。図5に示すように、熱費ηは追加熱量ΔQに応じて異なり、例えばエンジン動作点X,Yの熱費特性では、追加熱量ΔQの設定範囲内において極小点を有している。また、追加熱量ΔQに対する熱費ηの関係はエンジン動作点ごとに相違しており、例えば所定量Q1の追加熱量を発生させる場合には、XよりもYの方が熱費ηが小さくなる。したがって、エンジン10の発生熱量を所定量Q1だけ増加させる場合、その熱量増加開始時のエンジン動作点がXの場合には、Yの場合に比べて燃料増加量が少なくて済む。つまり、エンジン10の発生熱量を増加させる場合、エンジン10の熱エネルギを燃費の観点において効率よく発生できる場合とそうでない場合とがある。
なお、図5では、熱費特性が、追加熱量ΔQの設定範囲内において極小点を有する曲線で表されているが、追加熱量ΔQの設定範囲内において極小点を有しない、つまり追加熱量ΔQの増加に伴い熱費ηが増加又は減少するものであってもよい。
そこで、本実施形態では、熱利用要求があった場合、熱利用要求に伴い廃熱増加を実施するときの発生熱量に対する燃料増加量を示すパラメータとして燃料増加率を算出し、その算出した燃料増加率と、廃熱増加を実施するか否かを燃料増加率に基づいて判定するための増加率判定値とを比較する。そして、燃料増加率と増加率判定値との比較結果に基づいて、熱利用要求に伴い廃熱制御(熱創出制御)による廃熱増加を実施するか、又は実施しないかを決定する。
より具体的には、燃料増加率を、追加熱量ΔQの単位量当たりの燃料増加量Δqf(熱費η)とし、廃熱増加を行うとした場合の(エンジン動作点を燃料増加側(燃費悪化側)に移行させる場合の)熱費ηと、熱費ηの許容範囲の上限値としての基準熱費ηthとを比較する。そして、廃熱増加を行うとした場合の熱費ηが基準熱費ηth以下の場合に、熱利用要求に伴い廃熱制御による廃熱増加を実施する。これに対し、熱費ηが基準熱費ηthよりも大きい場合には、熱利用要求があっても廃熱制御による廃熱増加を実施しない。すなわち、本制御システムでは、熱利用要求があっても、その要求に伴い直ちに廃熱増加を実施するのではなく、燃料増加率(熱費η)に応じて廃熱増加を実施するか否かを判断する。
一方で、燃料増加率に基づいて廃熱増加を実施するか否かを切り替える場合、廃熱増加の実施の機会が制限されることにより要求熱量を満たすことができないおそれがある。そこで、本実施形態では、エンジン廃熱増加を実施する場合、燃料増加率として許容される範囲において、具体的には熱費ηが基準熱費ηth以下となる領域において、追加熱量の設定範囲内のうちその最大熱量がエンジン10で発生されるようエンジン10を制御する。
本廃熱制御について更に詳しく説明する。本制御では、熱利用要求があった場合、直ちに廃熱増加を行うのではなく、まず、熱量増加を開始する時のエンジン運転状態における熱費特性と基準熱費ηthとを対比する。その結果、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηが存在しない場合、つまり熱費特性における熱費ηの全体的なレベルが比較的高い場合には廃熱増加を実施しない。この場合、熱費特性における熱費ηの最小値(最小熱費ηmin)でのエンジン廃熱増加も行われないこととなる。一方、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηが存在する場合、つまり熱費特性における熱費ηの全体的なレベルが比較的低い場合には、基準熱費ηth以下となる熱費ηが存在しない場合に廃熱増加を実施しない分、最小熱費ηminよりも大きい熱費ηでエンジン10の廃熱増加を集中的に実施する。このように、熱費ηに基づいてメリハリを付けて廃熱増加を行うことにより、平均的に要求熱量Qrqに見合う熱量を発生し、かつその熱発生に伴う燃料増加量を極力少なくするようにしている。
なお、発生したエンジン廃熱のうち要求熱量に対して過剰分の熱エネルギについては、必要になるまでエンジン冷却水に貯蔵されることとなる。換言すれば、エンジン冷却水には熱エネルギを貯蓄可能な特性があり、本制御システムではこの特性を利用することにより、熱の発生を効率よく実施できるときに集中的にエンジン10から熱エネルギを発生させる。その結果、平均的に要求熱量Qrqに見合う熱量を発生することができ、かつその熱発生に伴う燃料増加量が極力少なくなる。
図6〜図8は、本廃熱制御の熱量に関するパラメータを算出するための機能ブロック図である。これらのうち、図6は要求熱量Qrq及びエンジン水温の目標値(目標エンジン水温Twt)の算出についての説明であり、図7は基準熱費ηthの算出についての説明であり、図8は指令熱量Qodの算出についての説明である。なお、図6の要求熱量Qrq及び目標エンジン水温TwtはエアコンECU50により算出され、図7の基準熱費ηth及び図8の指令熱量Qodは熱マネジメントECU60により算出される。また、図6〜図8では、熱利用要求として暖房要求があった場合を想定している。以下、順に説明する。
最初に、要求熱量Qrq及び目標エンジン水温Twtについて説明する。図6において、まず吹出口温度・風量算出部M1では、マップ等を用いることにより、温度設定スイッチ52で設定されるエアコン設定温度Tseと、車室内温度センサ53で検出される車室内温度Tinと、外気温センサ54で検出される外気温度Touとをパラメータとしてエアコン吹き出し口温度の要求値(要求吹出口温度Trq)及びエアコン吹き出し口風量の要求値(要求吹出風量Vrq)を算出する。要求熱量算出部M2では、マップ等を用いることにより、吹出口温度・風量算出部M1で算出した要求吹出口温度Trq及び要求吹出風量Vrqと、外気温センサ54で検出される外気温Touとをパラメータとして要求熱量Qrqを算出する。
また、図6において、目標水温算出部M3では、図9に示す目標水温マップを用い、吹出口温度・風量算出部M1で算出した要求吹出口温度Trq及び要求吹出風量Vrqをパラメータとして、熱利用要求時における目標エンジン水温Twtを算出する。図9に示すように、目標水温マップには、要求吹出口温度Trq及び要求吹出風量Vrqに対応付けて目標エンジン水温Twtがマップ値として登録されており、都度の要求吹出口温度Trq及び要求吹出風量Vrqに基づいて目標エンジン水温Twtが算出される。上記マップによれば、要求吹出口温度Trqが高いほど、又は要求吹出風量Vrqが大きいほど、目標エンジン水温Twtとして大きい値が算出される。
次に、基準熱費ηthについて説明する。図7において、第1基準算出部M4では、要求熱量算出部M2で算出した要求熱量Qrqをパラメータとして第1基準熱費ηt1を算出する。第2基準算出部M5では、目標水温算出部M3で算出した目標エンジン水温Twtと、水温センサ32により検出した現在水温Tacと、外気温センサ54により検出した外気温Touとをパラメータとして第2基準熱費ηt2を算出する。そして、基準熱費設定部M6では、第1基準算出部M4で算出した第1基準熱費ηt1と、第2基準算出部M5で算出した第2基準熱費ηt2とのうち大きい方を基準熱費ηthとして設定する。
ここで、第1基準算出部M4及び第2基準算出部M5の詳細を説明する。第1基準算出部M4では、図10に示す要求熱量基準算出マップを用い、要求熱量Qrqをパラメータとして第1基準熱費ηt1を算出する。図10に示すように、要求熱量基準算出マップには、要求熱量Qrqに対応付けて第1基準熱費ηt1がマップ値として登録されており、都度の要求熱量Qrqに基づいて第1基準熱費ηt1が算出される。上記マップによれば、要求熱量Qrqが所定値α以下の場合には第1基準熱費ηt1としてゼロが設定され、要求熱量Qrqが所定値αよりも大きい場合には、要求熱量Qrqが大きいほど第1基準熱費ηt1として大きい値が設定される。ここで、所定値αは、燃料最良点での発生熱量(ベース熱量)で熱利用要求を満足できる要求熱量Qrqの上限値として設定されている。
第2基準算出部M5では、図11に示す温度基準算出マップを用い、目標エンジン水温Twtと現在水温Tacと外気温Touとをパラメータとして第2基準熱費ηt2を算出する。図11に示すように、温度基準算出マップには、目標水温Twtから現在水温Tacを差し引いた温度差分ΔTwと外気温Touとに対応付けて第2基準熱費ηt2がマップ値として登録されており、都度の温度差分ΔTw及び外気温Touに基づいて第2基準熱費ηt2が算出される。上記マップによれば、温度差分ΔTwが大きいか又は外気温Touが低いほど、第2基準熱費ηt2として大きい値が算出される。また、第2基準熱費ηt2には上限が設けられており、温度差分ΔTwが所定温度以上では第2基準熱費ηt2として外気温Touごとに定められた最大値が設定される。
次に、指令熱量Qodについて説明する。図8において、まずベース熱量算出部M7では、マップ等を用いることにより、エンジントルクTrとエンジン回転速度NEとエンジン水温Tacとをパラメータとして、今現在のエンジン運転状態においてエンジン10で発生される熱量、すなわち燃料最良点での発生熱量(ベース熱量)Qbsを算出する。
熱費特性算出部M8では、エンジントルクTrとエンジン回転速度NEとエンジン水温Tacとをパラメータとして、例えばマップ等を利用することにより今現在のエンジン運転状態(廃熱増加開始時におけるエンジン運転状態)に対応する熱費特性を算出する。なお、外気温Touをパラメータとして含んでいてもよい。熱費特性算出部M8の構成及び熱費マップの詳細については後述する。
追加熱量算出部M9では、熱費特性算出部M8で算出した現在のエンジン運転状態に対応する熱費特性と、基準熱費設定部M6で設定した基準熱費ηthとに基づいて、追加熱量ΔQの指令値(指令追加熱量ΔQod)を算出する。
指令熱量算出部M10では、ベース熱量算出部M7で算出したベース熱量Qbsと、追加熱量算出部M9で算出した指令追加熱量ΔQodとを加算して指令熱量Qodを算出する。
ここで、熱費特性算出部M8及び追加熱量算出部M9の詳細を説明する。熱費特性算出部M8には、エンジントルクTr、エンジン回転速度NE及びエンジン水温Tacをパラメータとしてそれらと熱費ηとの関係を規定したマップが予め記憶されている。熱費特性算出部M8では、都度のエンジントルクTr、エンジン回転速度NE及びエンジン水温Tacに応じたマップを用いることにより、都度のエンジントルクTr等に応じた熱費特性(追加熱量ΔQに対する熱費ηの関係)を算出する。この熱費特性では、追加熱量ΔQごとの熱費ηの最小値、つまり熱量増加のための複数の廃熱調整手段のうち、熱費が最小となる手段で熱量増加を実施した場合の熱費が、追加熱量ΔQに対応付けて登録してある。
追加熱量算出部M9では、まず熱費特性算出部M8で算出した熱費特性と、基準熱費設定部M6で設定した基準熱費ηthとを対比する。そして、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηがある場合には、指令追加熱量ΔQodとしてその領域における追加熱量ΔQの最大値を設定する。一方、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηがない場合には、指令追加熱量ΔQodとしてゼロを設定する。
図12は、追加熱量算出部M9での指令追加熱量ΔQodの算出方法について説明するための図である。図12のうち、(a)は基準熱費ηth以下となる熱費ηがある場合を示し、(b)は基準熱費ηth以下となる熱費ηがない場合を示している。なお、図12では、熱費特性が極小点を有する曲線で表される場合について説明している。
図12において、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηがある場合には、(a)に示すように、熱費特性を示す線L1と、基準熱費ηthを示す直線L2とがA点及びB点で交差する。この場合、A−B間に対応する追加熱量のうち最大値ΔQbが指令追加熱量ΔQodとして設定される。
一方、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηがない場合には、(b)に示すように、熱費特性を示す線L1と、基準熱費ηthを示す直線L2とが交差しない。この場合、指令追加熱量ΔQodとしてゼロが設定される。
なお、熱利用要求の発生に伴い追加熱量の最大値ΔQbが指令追加熱量ΔQodとして設定された場合、その指令追加熱量ΔQodに相当する熱量がエンジン10で発生されることによりエンジン廃熱量が増加する。このとき、廃熱増加に伴いエンジン冷却水温が上昇して車室内温度Tinが上昇するため、要求熱量Qrqが低下する。したがって、指令追加熱量ΔQodとして最大値ΔQbが設定された後では、廃熱増加制御が進行するにつれて基準熱費ηthとして次第に小さい値が設定されることとなる。これにより、指令追加熱量ΔQodが次第に小さくなっていき、やがて熱費特性を示す線L1と、基準熱費ηthを示す直線L2とが交差しなくなることにより廃熱増加が停止される。つまり、本システムでは、廃熱増加を効率よく実施できる場合に、熱費に基づき許容される最大熱量が発生されるよう廃熱増加を実施し、その後、熱利用要求が満足されることにより廃熱増加が停止される。
次に、エンジン廃熱制御における指令熱量Qodの算出手順について説明する。図13は、本システムにおける指令熱量Qodの算出手順を示すフローチャートである。この処理は、熱マネジメントECU60のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図13において、まずステップS101では、エンジン回転速度やエンジントルク、エンジン水温といったエンジン運転状態に関するパラメータの現在値を読み込み、ステップS102では、エンジントルクとエンジン回転速度とエンジン水温とをパラメータとしてベース熱量Qbsを算出する。また、ステップS103では、今現在のエンジン回転速度、エンジントルク及びエンジン水温に基づいて熱費特性を算出する。
続くステップS104では、エアコンECU50においてエアコン設定温度、車室内温度及び外気温をパラメータとして算出される要求熱量Qrqを読み込み、ステップS105において、その読み込んだ要求熱量Qrqがゼロか否かを判定する。そして、要求熱量Qrqがゼロの場合には、ステップS106へ進み、指令追加熱量ΔQodとしてゼロを設定する。
一方、要求熱量Qrqがゼロでない場合には、ステップS107へ進み、エアコンECU50において目標水温マップを用いることにより要求吹出口温度Trq及び要求吹出風量Vrqをパラメータとして算出される目標エンジン水温Twtを読み込む。また、ステップS108では、その目標エンジン水温Twtが、エンジン暖機のために必要な最低温度として予め規定された所定の下限温度(例えば40℃)未満の場合に、目標エンジン水温Twtをその下限温度に再設定する。
ステップS109では、基準熱費ηthを算出する。具体的には、要求熱量基準算出マップ(図10)を参照し、要求熱量Qrqをパラメータとして第1基準熱費ηt1を算出する。また、温度基準算出マップ(図11)を参照し、目標エンジン水温Twtと現在水温Tacと外気温Touとをパラメータとして第2基準熱費ηt2を算出する。そして、第1基準熱費ηt1及び第2基準熱費ηt2のうち大きい方を基準熱費ηthとする。
その後、ステップS110〜S112では、指令追加熱量ΔQodを算出する。すなわち、ステップS110では、算出した熱費特性と基準熱費ηthとを対比する。熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηがある場合には、ステップS111へ進み、基準熱費ηth以下の熱費ηに対応する追加熱量ΔQのうちその最大値を指令追加熱量ΔQodとして設定する。一方、熱費特性において基準熱費ηth以下となる熱費ηがない場合には、ステップS112へ進み、指令追加熱量ΔQodとしてゼロを設定する。
最後に、ステップS113では、ベース熱量Qbsと指令追加熱量ΔQodとを加算して指令熱量Qodを算出し、その算出した指令熱量QodをエンジンECU40に出力する。エンジンECU40では、指令熱量Qodを入力すると、その指令熱量Qodに基づいてエンジン運転状態を制御する。本実施形態においてエンジンECU40は、エンジン10の発生熱量を増加させるための複数の廃熱量調整手段のうちいずれの廃熱量調整手段により廃熱量を増加させるか(指令熱量Qodに相当する熱量をエンジン10で発生させるか)を切り替える。より具体的には、エンジンECU40は、指令熱量Qodやエンジン運転状態等に基づいて各調整手段を選択的に用いて廃熱制御を実施する。これにより、廃熱制御の実施に伴い生じるエンジン運転効率の低下等の不都合を最小限に抑えるようにしている。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
熱利用要求があった場合、熱利用要求に伴い廃熱増加を実施するときの発生熱量に対する燃料増加量を示すパラメータとして熱費ηを算出し、その算出した熱費ηと、廃熱増加を実施するか否かを熱費ηに基づいて判定するための基準熱費ηthとの比較結果に基づいて、熱利用要求に伴い廃熱制御(熱創出制御)による廃熱増加を実施するか、又は実施しないかを決定する構成としたため、熱利用要求があっても、その要求に応じて直ちに廃熱増加を実施するのではなく、都度の熱費ηに応じて実施するか否かを判断することができる。したがって、熱利用要求があったときの廃熱増加をメリハリを付けて実施することができ、ひいては要求熱量を平均的に満足しつつ、廃熱増加に伴う燃料増加量を平均的に小さくすることができる。
熱利用要求に伴い廃熱増加を実施する場合、追加熱量ΔQに対する熱費ηの関係(熱費特性)において、基準熱費ηth以下となる熱費ηに対応する追加熱量ΔQのうち最大熱量を指令追加熱量ΔQodとして設定し、その設定した指令追加熱量ΔQodに基づいてエンジン10の廃熱増加を実施する構成としたため、エンジン廃熱を効率よく発生できる場合には、そうでない場合に廃熱増加を実施しない分、エンジン10から熱エネルギを集中的に発生させることができる。このように、廃熱制御の実施とその制限とのメリハリをより強くすることで、要求熱量を平均的に満足しつつ、廃熱増加に伴う燃料消費量を平均的に少なくするといった効果を好適に得ることができる。
要求熱量Qrqに応じて基準熱費ηthを可変設定する構成としたため、熱利用要求時において廃熱増加の実施とその実施制限との切り替えを要求熱量Qrqに応じて行うことができ、ひいては要求熱量Qrqに見合うエンジン廃熱を発生させることができる。
エンジン冷却水温に基づいて基準熱費ηthを可変設定する構成としたため、具体的には、エンジン冷却水温の現在値Tacと、熱利用要求が生じた場合のエンジン冷却水温の目標値Twtとの差分ΔTwに基づいて基準熱費ηthを可変設定する構成としたため、熱利用要求が生じた場合の即暖性を確保することができ、その結果、熱利用要求を速やかに満足させることができる。
熱利用要求が生じたときのエンジン冷却水温の目標値Twtを、エアコン設定温度Tseと車室内温度Tinと外気温Touとをパラメータとして算出される要求吹出口温度Trq及び要求吹出風量Vrqに基づいて設定する構成としたため、エンジン始動直後等における即暖性を向上させることができる。その結果、運転者の不快感を抑制することができる。
目標エンジン水温Twtの下限を、エンジン暖機のために必要な最低温度として予め規定した所定の下限温度(例えば40℃)で制限する構成としたため、エンジン10の燃焼安定化を促進させることができ、ひいてはエンジン10の冷間始動直後におけるエミッションの悪化や、トルク変動による運転者の不快感を抑制することができる。
外気温Touに基づいて基準熱費ηthを可変設定する構成としたため、外気温が低い場合であっても熱利用要求を速やかに満足させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、燃料増加率を、追加熱量ΔQの単位量当たりの燃料増加量Δqf(熱費η)としたが、燃料増加率は、発生熱量に対する燃料増加量を示すパラメータであれば上記以外であってもよく、例えば燃料増加量Δqfの単位量当たりの追加熱量ΔQ(熱費ηの逆数:1/η)としてもよい。燃料増加率を熱費の逆数1/ηとする場合、追加熱量に対する逆数1/ηの関係を示す特性において、追加熱量の設定範囲内に基準熱費以上となる逆数1/ηがない場合には廃熱増加を実施しない。これに対し、追加熱量の設定範囲内に基準熱費以上となる逆数1/ηが存在する場合には廃熱増加を実施する。また、廃熱増加の実施の際には、基準熱費以上となる逆数1/ηの領域において追加熱量の最大値を指令追加熱量として設定する。
・上記実施形態では、熱費ηが基準熱費ηth以下となる領域において、エンジン10で発生可能な追加熱量のうちの最大熱量を指令追加熱量Qodとする構成としたが、これを変更し、熱費ηが基準熱費ηth以下となる領域において、エンジン10で発生可能な追加熱量のいずれかを指令追加熱量Qodとする構成とする。
・要求熱量Qrqに基づいて算出した第1基準熱費ηt1と、温度に関するパラメータに基づいて算出した第2基準熱費ηt2とを比較し、それらのうち大きい方を基準熱費ηthとしたが、これを変更し、第1基準熱費ηt1と第2基準熱費ηt2との平均を基準熱費ηthとしたり、第1基準熱費ηt1と第2基準熱費ηt2とのうち小さい方を基準熱費ηthとしたりしてもよい。あるいは、第1基準熱費ηt1及び第2基準熱費ηt2のいずれか一方のみを基準熱費ηthとして用いる構成としてもよい。
・燃費を優先するエコノミーモードと、熱利用要求を優先する熱要求優先モードとを設け、エコノミーモードか熱要求優先モードかのいずれが運転者により設定されているかに応じて、基準熱費ηthの上限値を可変設定する構成とする。この場合、エコノミーモードが設定されている場合には、熱要求優先モードが設定されている場合に比べ、基準熱費ηthの上限値を低くする。あるいは、熱要求優先モードが設定されている場合には基準熱費ηthの上限値を設定しないのに対し、エコノミーモードが設定されている場合には基準熱費ηthの上限値を設定する構成とする。
・上記実施形態では、熱利用要求として暖房要求があった場合について説明したが、熱利用要求としてエンジン暖機要求があった場合を本発明に適用してもよい。
・上記システムについて、排気管12において触媒22よりも下流側に、排気に含まれる熱エネルギ(排気熱)をエンジン冷却水等に伝えることで回収する熱回収装置23を設け、この熱回収装置23によって回収される排気熱を、例えば車室内の暖房を実施する場合の熱として利用してもよい。この場合、排気損失の一部が冷却損失として回収され利用される。
・上記実施形態では、熱マネジメントECU60を設け、熱マネジメントECU60が指令熱量Qodを算出する構成としたが、熱マネジメントECU60を設けずにエンジンECU40が指令熱量Qodを算出する構成としてもよい。
10…エンジン、13…スロットルバルブ、15…インジェクタ、17…イグナイタ、18,19…バルブ駆動機構、33…循環経路、35…ヒータコア、40…エンジンECU、50…エアコンECU、60…熱マネジメントECU。

Claims (7)

  1. エンジンの廃熱を回収して再利用する廃熱再利用システムに適用され、熱利用要求に伴う要求熱量に基づいて前記エンジンの廃熱量を制御するエンジンの廃熱制御装置において、
    前記熱利用要求があったとき、同要求に基づきエンジン廃熱を増加する場合の発生熱量に対する燃料増加量を示す燃料増加率を算出する増加率算出手段と、
    前記熱利用要求に伴いエンジン廃熱量を増加する廃熱増加制御を実施するか否かを前記燃料増加率に基づいて判定するための増加率判定値を設定する判定値設定手段と、
    前記増加率算出手段により算出した燃料増加率と、前記判定値設定手段により設定した増加率判定値との比較結果に基づいて、前記熱利用要求に伴い前記廃熱増加制御を実施するか又は実施しないかを切り替える廃熱制御手段と、
    を備えることを特徴とするエンジンの廃熱制御装置。
  2. 前記増加率算出手段は、廃熱増加を開始する時のエンジン運転状態について、発生熱量ごとの燃料増加率の大小の関係を示す燃料増加率特性を算出し、
    前記廃熱制御手段は、前記熱利用要求に伴い前記廃熱増加制御を実施する場合、前記増加率算出手段により算出した燃料増加率特性において、前記増加率判定値よりも、燃料増加量が少なくなる側の燃料増加率が存在している場合に、その燃料増加率に対応する発生熱量に基づいて前記廃熱増加制御を実施する請求項1に記載のエンジンの廃熱制御装置。
  3. 前記廃熱制御手段は、前記熱利用要求に伴い前記廃熱増加制御を実施する場合、前記増加率算出手段により算出した燃料増加率特性において、前記増加率判定値よりも、燃料増加量が少なくなる側の燃料増加率に対応する発生熱量のうち最大熱量を前記廃熱増加制御により増加させる熱量の指令値として設定し、該設定した指令値に基づいて前記廃熱増加制御を実施する請求項2に記載のエンジンの廃熱制御装置。
  4. 前記判定値設定手段は、前記要求熱量に基づいて前記増加率判定値を可変設定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジンの廃熱制御装置。
  5. 前記判定値設定手段は、エンジン冷却水温に基づいて前記増加率判定値を可変設定する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエンジンの廃熱制御装置。
  6. エンジン冷却水温を検出する温度検出手段と、
    前記熱利用要求が生じた場合にエンジン冷却水の目標温度を設定する目標温度設定手段と、を備え、
    前記判定値設定手段は、前記目標温度設定手段で設定した目標温度と前記温度検出手段により検出されるエンジン冷却水温との差分に基づいて前記増加率判定値を可変設定する請求項5に記載のエンジンの廃熱制御装置。
  7. 前記判定値設定手段は、外気温に基づいて前記増加率判定値を可変設定する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエンジンの廃熱制御装置。
JP2009259012A 2009-11-12 2009-11-12 エンジンの廃熱制御装置 Active JP4941538B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259012A JP4941538B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 エンジンの廃熱制御装置
US12/943,096 US8823203B2 (en) 2009-11-12 2010-11-10 Controller for engine
DE102010043803.0A DE102010043803B4 (de) 2009-11-12 2010-11-11 Steuerung für eine Maschine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009259012A JP4941538B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 エンジンの廃熱制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011106281A JP2011106281A (ja) 2011-06-02
JP4941538B2 true JP4941538B2 (ja) 2012-05-30

Family

ID=44230037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009259012A Active JP4941538B2 (ja) 2009-11-12 2009-11-12 エンジンの廃熱制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4941538B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6548148B2 (ja) * 2017-03-17 2019-07-24 マツダ株式会社 車両の制御装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1122551A (ja) * 1997-07-01 1999-01-26 Yanmar Diesel Engine Co Ltd エンジン駆動式熱ポンプ装置
JP3839714B2 (ja) * 2001-12-14 2006-11-01 東京瓦斯株式会社 熱交換システムの熱源選択方法
JP2005248820A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Osaka Gas Co Ltd コージェネレーション装置の運転制御システム
JP4086053B2 (ja) * 2005-04-28 2008-05-14 三菱自動車工業株式会社 ハイブリッド式自動車の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011106281A (ja) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102301113B (zh) 车辆的控制装置
JP5120319B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
EP2426023B1 (en) Control device for vehicle
JP5998506B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5384396B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP5783080B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
US8683969B2 (en) Vehicular control device
JP4845803B2 (ja) 内燃機関の冷却装置
JP4911136B2 (ja) 車両用熱交換システムの制御装置
JP2008232031A (ja) 排気熱回収装置
EP3428419B1 (en) Control apparatus of heat exchanging system
JP2014020229A (ja) 車載内燃機関の冷却システム
JP2009143259A (ja) 車両用空調装置
JP4062285B2 (ja) 蓄熱システム
JP4941538B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP2010096042A (ja) エンジン冷却装置
JP5452265B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP2005533223A (ja) 内燃機関冷却媒体温度の制御方法および装置
JP2006341660A (ja) 車両の暖房装置
JP2011226443A (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP2014005759A (ja) 車両用暖房装置
JP5482436B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP5040980B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP5267706B2 (ja) エンジンの廃熱制御装置
JP2025002332A (ja) Egr弁の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110916

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120213

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4941538

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150309

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250