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JP4232735B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、構成元素としてケイ素(Si)を含む負極を備えた二次電池に関する。
近年、モバイル機器の高性能化および多機能化に伴い、それらの電源である二次電池の高容量化が要求されている。この要求に応える二次電池としてはリチウムイオン二次電池があるが、現在実用化されているものは負極に黒鉛を用いているので、電池容量は飽和状態にあり、大幅な高容量化は難しい。そこで、負極にケイ素などを用いることが検討されており、最近では、気相法などにより負極集電体に負極活物質層を形成することも報告されている(例えば、特許文献1〜3参照)。ケイ素などは充放電に伴う膨張収縮が大きいので、微粉化によるサイクル特性の低下が問題であったが、気相法などによれば、微細化を抑制することができると共に、負極集電体と負極活物質層とを一体化することができるので負極における電子伝導性が極めて良好となり、容量的にもサイクル寿命的にも高性能化が期待されている。
特開平8−50922号公報 特許第2948205号公報 特開平11−135115号公報
しかしながら、このように負極集電体と負極活物質層とを一体化した負極においても、充放電を繰り返すと、負極活物質層の激しい膨張および収縮により負極集電体と負極活物質層との間に応力がかかり、負極活物質層の脱落などが生じてサイクル特性が低下するなど問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、負極活物質層の形状崩壊を抑制し、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる二次電池を提供することにある。
本発明による二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、負極集電体に構成元素としてケイ素を含む負極活物質層が設けられており、充放電後の負極活物質層は、複数の1次粒子が集合して形成された複数の2次粒子を有し、各2次粒子は、複数の2次粒子間に形成された溝により互いに分離されており、1次粒子および2次粒子は、厚み方向の断面において、負極集電体に直交する直線に対して同一側に傾斜しているものである。
本発明による二次電池によれば、充放電後において1次粒子および2次粒子が同一側に傾斜しているようにしたので、充放電に伴う膨張収縮による応力を緩和することができ、負極活物質層の形状崩壊および負極集電体からの剥離を抑制することができる。従って、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、1次粒子および2次粒子の傾きを負極集電体に直交する直線から5°以上60°以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるコイン型といわれるものであり、外装カップ11に収容された負極12と、外装缶13に収容された正極14とが、セパレータ15を介して積層されている。外装カップ11および外装缶13の周縁部は絶縁性のガスケット16を介してかしめることにより密閉されている。外装カップ11および外装缶13は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
負極12は、例えば、負極集電体12Aと、負極集電体12Aに設けられた負極活物質層12Bとを有している。
負極集電体12Aは、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種を含む金属材料により構成されていることが好ましい。リチウムと金属間化合物を形成すると、充放電に伴い膨張および収縮し、構造破壊が起こって、集電性が低下する他、負極活物質層12Bを支える能力が小さくなるからである。なお、本明細書において金属材料には、金属元素の単体だけでなく、2種以上の金属元素あるいは1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなる合金も含める。リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu),ニッケル(Ni),チタン(Ti),鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)が挙げられる。
負極集電体12Aは、また、負極活物質層12Bと合金化する金属元素を含むことが好ましい。負極活物質層12Bと負極集電体12Aとの密着性を向上させることができるからである。リチウムと金属間化合物を形成せず、負極活物質層12Bと合金化する金属元素としては、負極活物質層12Bが後述するように構成元素としてケイ素を含む場合には、例えば、銅,ニッケル,あるいは鉄が挙げられる。これらは強度および導電性の観点からも好ましい。
なお、負極集電体12Aは、単層により構成してもよいが、複数層により構成してもよい。その場合、負極活物質層12Bと接する層をケイ素と合金化する金属材料により構成し、他の層を他の金属材料により構成するようにしてもよい。また、負極集電体12Aは、負極活物質層12Bとの界面以外は、リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素の少なくとも1種よりなる金属材料により構成することが好ましい。
負極集電体12Aの負極活物質層12Bが設けられる側の面は粗化されていることが好ましい。負極活物質層12Bとの密着性を向上させることができるからである。
負極活物質層12Bは、構成元素としてケイ素を含んでいる。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。ケイ素は、単体で含まれていてもよく、合金で含まれていてもよく、化合物で含まれていてもよい。
負極活物質層12Bは、例えば、気相法により形成されたものであり、厚み方向に成長することにより形成された複数の1次粒子を有している。この1次粒子は、複数が集合して複数の2次粒子を形成している。
図2は負極活物質層12Bの断面の粒子構造を表す走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)写真であり、図3はその粒子構造を模式的に表したものである。図2,3に示したように、各2次粒子121は溝122により互いに分離されている。溝122は例えば充放電により形成されたものであり、ほぼ負極集電体12Aまで達している。各1次粒子123は単に隣接しているのではなく、互いに少なくとも一部が接合して2次粒子121を形成している。これら1次粒子123および2次粒子121は、厚み方向の断面において、負極集電体12Aに直交する直線に対して同一側に傾斜している。これにより、この二次電池では、充放電に伴う膨張収縮による応力が緩和されるようになっている。また、厚み方向への膨張を小さくすることができるようになっている。
これら1次粒子123および2次粒子121の傾きは、負極集電体12Aに直交する直線からの角度θで、5°以上60°以下の範囲内であることが好ましく、15°以上60°以下の範囲内であればより好ましい。この範囲内においてより高い効果を得ることができるからである。なお、各1次粒子123および各2次粒子121の傾斜角は同一である必要はなく、それらの平均値が上述した範囲内であれば好ましい。また、1次粒子123および2次粒子121の傾斜角は、例えば、負極12の中央部における厚み方向の断面において、連続する5個の2次粒子121を観察し、その平均値により判断する。
このような粒子構造は、例えば、図2に示したようにSEMにより観察してもよく、走査イオン顕微鏡(Scanning Ion Microscope ;SIM)により観察してもよい。また、断面は、集束イオンビーム(FIB;Focused Ion Beam)またはミクロトームなどにより切り出すことが好ましい。
負極活物質層12Bは、また、負極集電体12Aとの界面の少なくとも一部において負極集電体12Aと合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体12Aの構成元素が負極活物質層12Bに、または負極活物質層12Bの構成元素が負極集電体12Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電により負極活物質層12Bが膨張収縮しても、負極集電体12Aからの脱落が抑制されるからである。
正極14は、例えば、正極集電体14Aと、正極集電体14Aに設けられた正極活物質層14Bとを有しており、正極活物質層14Bの側が負極活物質層12Bと対向するように配置されている。正極集電体14Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。
正極活物質層14Bは、例えば、正極活物質としてリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどのバインダーを含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、一般式Lix MIO2 で表されるリチウム含有金属複合酸化物が好ましい。リチウム含有金属複合酸化物は、高電圧を発生可能であると共に、高密度であるため、二次電池の更なる高容量化を図ることができるからである。なお、MIは1種類以上の遷移金属であり、例えばコバルトおよびニッケルのうちの少なくとも一方が好ましい。xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム含有金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 あるいはLiNiO2 などが挙げられる。
セパレータ15は、負極12と正極14とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ15は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンにより構成されている。
セパレータ15には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ジメチル,炭酸ジエチルあるいは炭酸エチルメチルなどの非水溶媒が挙げられる。溶媒はいずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiCF3 SO3 あるいはLiClO4 などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして作製することができる。
まず、負極集電体12Aに、例えば気相法により構成元素としてケイ素を含む負極活物質層12Bを成膜する。気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法が挙げられ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,CVD(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長)法あるいは溶射法などのいずれを用いてもよい。その際、例えば原料を負極集電体12Aの垂線に対して傾斜させて入射する。これにより、負極活物質層12Bの1次粒子は、負極集電体12Aの垂線に対して傾斜して成長する。次いで、必要に応じて真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行う。
続いて、正極集電体14Aに正極活物質層14Bを成膜する。例えば、正極活物質と必要に応じて導電材およびバインダーとを混合して正極集電体14Aに塗布し、圧縮成型することにより形成する。そののち、負極12、セパレータ15および正極14を積層して外装カップ11と外装缶13との中に入れ、電解液を注入し、それらをかしめることにより電池を組み立てる。電池を組み立てたのち、例えば充放電を行うことにより、負極活物質層12Bに溝122が形成され、2次粒子121に分割される。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極14からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極12に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極12からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極14に吸蔵される。この充放電に伴い、負極活物質層12Bは大きく膨張収縮するが、1次粒子123および2次粒子121が同一側に傾斜しているので、応力が緩和され、形状崩壊および負極集電体12Aからの剥離が抑制される。
このように本実施の形態によれば、負極活物質層12Bの1次粒子123および2次粒子121が同一側に傾斜しているようにしたので、充放電に伴う膨張収縮による応力を緩和することができ、負極活物質層12Bの形状崩壊および負極集電体12Aからの剥離を抑制することができる。従って、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、1次粒子123および2次粒子121の傾きを負極集電体12Aに直交する直線から5°以上60°以下の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、リード21,22が取り付けられた電極巻回体20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
リード21,22は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。リード21,22は、例えば、アルミニウム,銅,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電極巻回体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30とリード21,22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、リード21,22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図5は、図4に示した電極巻回体20のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電極巻回体20は、負極23と正極24とをセパレータ25および電解質層26を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ27により保護されている。
負極23は、負極集電体23Aの両面に負極活物質層23Bが設けられた構造を有している。正極24も、正極集電体24Aの両面に正極活物質層24Bが設けられた構造を有しており、正極活物質層24Bが負極活物質層23Bと対向するように配置されている。負極集電体23A,負極活物質層23B,正極集電体24A,正極活物質層24Bおよびセパレータ25の構成は、それぞれ上述した負極集電体12A,負極活物質層12B,正極集電体14A,正極活物質層14Bおよびセパレータ15と同様である。なお、負極活物質層23Bの粒子構造は、例えば、曲率の大きくない部分の中央部において判断する。
電解質層26は、高分子化合物よりなる保持体に電解液を保持させたいわゆるゲル状の電解質により構成されている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液の構成は、第1の実施の形態と同様である。高分子材料としては、例えばポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、第1の実施の形態と同様にして負極23および正極24を形成したのち、負極23および正極24に、電解液を保持体に保持させた電解質層26を形成する。次いで、負極集電体23Aおよび正極集電体24Aにリード21,22を取り付ける。続いて、電解質層26が形成された負極23と正極24とをセパレータ25を介して積層し、巻回して、最外周部に保護テープ27を接着して電極巻回体20を形成する。そののち、例えば、外装部材30の間に電極巻回体20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、リード21,22と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。
また、次のようにして組み立ててもよい。まず、第1の実施の形態と同様にして負極23および正極24を形成したのち、リード21,22を取り付ける。次いで、負極23と正極24とをセパレータ25を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ27を接着して、電極巻回体20の前駆体である巻回体を形成する。続いて、この巻回体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状としたのち、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を、外装部材30の内部に注入する。そののち、外装部材30の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封し、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層26を形成する。
このようにして電池を組み立てたのち、第1の実施の形態と同様に、例えば充放電を行うことにより、負極活物質層23Bに溝122および2次粒子121が形成される。
この二次電池は、第1の実施の形態と同様に作用し、第1の実施の形態と同様の効果を有する。特に、本実施の形態によれば、負極活物質層23Bの厚み方向における膨張を抑制することができるので、充放電を繰り返しても、電池の膨張を抑制することができる。
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1〜7)
図4,5に示した構造の二次電池を作製した。まず、厚み22μmの表面を粗化した銅箔よりなる負極集電体23Aに、電子ビーム真空蒸着法によりケイ素よりなる厚み約9μmの負極活物質層23Bを成膜した。その際、原料の負極集電体23Aに対する入射角を実施例1〜7で変化させた。次いで、減圧雰囲気において熱処理を行った。
また、正極活物質である平均粒径5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2 )粉末92質量部と、導電材であるカーボンブラック3質量部と、バインダーであるポリフッ化ビニリデン5質量部とを混合し、これを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに投入してスラリーとした。次いで、これを厚み15μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体24Aに塗布して乾燥させたのちプレスを行って正極活物質層24Bを形成した。
続いて、炭酸エチレン37.5質量%と、炭酸プロピレン37.5質量%と、炭酸ビニレン10質量%と、LiPF6 15質量%とを混合して電解液を調整し、この電解液30質量%と、重量平均分子量60万のブロック共重合体であるポリフッ化ビニリデン10質量%と、炭酸ジメチル60質量%とを混合した前駆溶液を負極23および正極24の両面にそれぞれ塗布し、炭酸ジメチルを揮発させることにより電解質層26を形成した。
そののち、リード21,22を取り付け、負極23と正極24とをセパレータ26を介して積層して巻回し、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材30に封入することにより二次電池を組み立てた。
実施例1〜7に対する比較例1として、負極活物質層を成膜する際に原料を負極集電体に対して垂直に入射させたことを除き、他は実施例1〜7と同様にして二次電池を組み立てた。
作製した実施例1〜7および比較例1の二次電池について、25℃の条件下で充放電試験を行い、2サイクル目に対する31サイクル目の容量維持率を求めた。その際、充電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.05mA/cm2 に達するまで行い、放電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が2.5Vに達するまで行った。なお、充電を行う際には、負極23の容量の利用率が90%となるようにし、負極23に金属リチウムが析出しないようにした。容量維持率は、2サイクル目の放電容量に対する31サイクル目の放電容量の比率、すなわち(31サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100として算出した。
また、実施例1〜7および比較例1の二次電池について、充放電を行う前(零サイクル時)の厚みと、31サイクル充放電を繰り返した後の厚みとを測定して膨張幅を求め、比較例1に対する膨張幅率を数1に従って算出した。
(数1)
膨張幅率=[(A−B)/(a−b)]×100
数1において、Aは各実施例の充放電前の厚み、Bは各実施例の31サイクル充放電後の厚み、aは比較例1の充放電前の厚み、bは比較例1の31サイクル充放電後の厚みである。
更に、実施例1〜7および比較例1の二次電池について、31サイクル後に電池を解体して放電状態の負極23を取り出し、炭酸ジメチルで洗浄したのち、負極23の中央部の断面をSEMにより観察した。断面はミクロトームにより切り出した。得られたSEM写真から、連続する5個の2次粒子121について、1次粒子123および2次粒子121の負極集電体23Aに直交する直線からの角度θを測定し、その平均値を求めた。
それらの結果を表1に示す。なお、既に示した図2は実施例4の負極活物質層23BのSEM写真である。また、比較例1の負極活物質層のSEM写真を図6に示す。
Figure 0004232735
表1および図2,4に示したように、実施例1〜7では、1次粒子123および2次粒子121が負極集電体12Aに直交する直線に対して同一側に傾斜していたのに対して、比較例1では負極集電体に対してほぼ垂直であった。また、実施例1〜7によれば、比較例1に比べて、膨張幅率を小さくすることができ、容量維持率を向上させることができた。すなわち、1次粒子123および2次粒子121を同一側に傾斜させるようにすれば、サイクル特性などの電池特性を向上させることができると共に、素子の膨張率を小さくできることが分かった。
また、容量維持率は1次粒子123および2次粒子121の角度θを大きくすると向上し極大値を示したのち、低下する傾向が見られた。すなわち、1次粒子123および2次粒子121の傾きを負極集電体12Aに直交する直線から5°以上60°以下の範囲内、更には15°以上60°以下の範囲内とするようにすれば、より好ましいことが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、液状の電解質である電解液、またはいわゆるゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
なお、固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。高分子固体電解質の高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはリン酸リチウムなどを含むもの用いることができる。
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型および巻回ラミネート型の二次電池について説明したが、本発明は、円筒型,角型,ボタン型,薄型,大型あるいは積層ラミネート型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる
本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池に係る負極活物質層の粒子構造を表すSEM写真である。 図1に示した二次電池に係る負極活物質層の粒子構造を表す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図4に示した二次電池のI−I線に沿った構造を表す断面図である。 比較例1に係る負極活物質層の粒子構造を表すSEM写真である。
符号の説明
11…外装カップ、12,23…負極、12A,23A…負極集電体、12B,23B…負極活物質層、13…外装缶、14,24…正極、14A,24A…正極集電体、14B,24B…正極活物質層、15,25…セパレータ、16…ガスケット、20…電極巻回体、21,22…リード、26…電解質層、27…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム、121…2次粒子、122…溝、123…1次粒子。

Claims (2)

  1. 正極および負極と共に電解質を備えた二次電池であって、
    前記負極は、負極集電体に構成元素としてケイ素(Si)を含む負極活物質層が設けられており、
    充放電後の負極活物質層は、複数の1次粒子が集合して形成された複数の2次粒子を有し、各2次粒子は、前記複数の2次粒子間に形成された溝により互いに分離されており、
    前記1次粒子および2次粒子は、厚み方向の断面において、前記負極集電体に直交する直線に対して同一側に傾斜している二次電池。
  2. 前記1次粒子および2次粒子の傾きは、前記負極集電体に直交する直線からの角度で、5°以上60°以下の範囲内である請求項1記載の二次電池。
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