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JP4230547B2 - 導電性焼成体およびそれを用いるガス放電表示パネル - Google Patents

導電性焼成体およびそれを用いるガス放電表示パネル Download PDF

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JP4230547B2
JP4230547B2 JP78497A JP78497A JP4230547B2 JP 4230547 B2 JP4230547 B2 JP 4230547B2 JP 78497 A JP78497 A JP 78497A JP 78497 A JP78497 A JP 78497A JP 4230547 B2 JP4230547 B2 JP 4230547B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電表示パネル(プラズマディスプレイパネル、PDP)用の導電性焼成体に関し、さらに詳細には、低い電気抵抗を有し、色調のコントラストの良好な導電性焼成体に関する。また、該導電性焼成体からなる電極、ならびに該電極をバス電極として用いる交流型ガス放電表示パネル、および同様に陽極として用いる直流型ガス放電表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
交流型および直流型のガス放電表示パネルは公知である。たとえば、交流型ガス放電表示パネルの典型的な基本構造は、図1に示すとおりである。なお、図1は、該基本構造の要部を示すために、該パネルを切り欠き、内部を示した斜視図である。
【0003】
この構造によれば、ガラスのような透光性材料からなる表示面側基板1と背面側基板2とを、所定の空間を有して互いに対向させて構成してあり、該空間には、放電ガスとして希ガスを封入した構造になっている。
【0004】
表示面側基板1には、透明電極3とバス電極4とから構成された、横方向に延びる、互いに平行な一対の放電維持電極からなる多数の放電維持電極対が設けられ、それらが透明な誘電体層5、さらには透明な保護層6で覆われている。同様に誘電体層7で覆われた背面側基板2には、上記の放電維持電極対と直交する多数のアドレス電極8が設けられている。これら放電維持電極対とアドレス電極8との交差部、またはその近傍には、隔壁9によって放電セルが画定され、これら各放電セルを選択的に放電させて蛍光体10を発光させることによって、表示が行われる。
【0005】
放電維持電極の形成方法として、透明電極3は、たとえば表示面側ガラス基板1の一面全域にITO(インジウム−スズ酸化物)膜またはネサ(酸化スズ)膜を、CVD法やスパッタ法などの方法であらかじめ形成しておき、その後、ホトリソグラフィーによりエッチング処理を施すことによって、所望の電極パターンが形成される。
【0006】
バス電極5は、透明電極を形成した後の表示面側ガラス基板の一面全域にホトレジストを塗布し、露光、現象によって、バス電極形成部を残し、一面全域に、たとえば金などの金属薄膜を真空蒸着などの方法によって形成し、ついでホトレジストを剥離することにより、所望のパターンのバス電極が得られる。あるいは、銀、金、アルミニウムなどの導電性金属粉末を含むペーストをスクリーン印刷することによってパターンを形成した後、焼成を行うことによって得られる。
【0007】
このようなスクリーン印刷を用いると、ホトリソグラフィーに比べて工程が簡便となり、材料の損失が少ないという利点はあるが、精度の高いパターン形状は得られにくい。したがって、高精細ガス放電表示パネルのように精度の高いパターン形状が要求される用途には、一般にホトリソグラフィーによることが好ましい。
【0008】
透明基板としては、ガラス基板が最も一般的である。ガラス基板上に電極および配線を形成する方法としては、上記のようなさまざまな方法が挙げられるが、電気抵抗が低く、パターン精度が高いことから、銀を使用してホトリソグラフィーによりパターンを形成する方法が一般的である。
【0009】
しかしながら、銀を用いる場合、パターンを形成した後、焼成によって、銀とガラス基板との界面が銀色かまたは黄土色を呈する。銀色は、銀粉末をガラス粉末のような結着剤ととともに焼結して得られた厚膜自身の色であり、黄土色は、銀粉末、結着剤であるガラス粉末、およびフロート法でガラス基板を製造する際に該基板のボトム面に付着して存在するスズの反応によって生じた色である。
【0010】
このようにして、バス電極を含む放電維持電極を形成させたガラス基板を、ガス放電表示パネルの表示面側基板として使用した場合、色の表示品質に大きな影響を与える。すなわち、該バス電極が銀色を呈すると、外光を反射してしまうので表示のコントラストが低下してしまい、黄土色を呈すると、カラー表示の色調が本来の色調とずれて、表示画面全体が黄色味を帯びて見えてしまう。
【0011】
その対策の一例として、銀厚膜とガラス基板との界面に黒色ペースト膜を介在させる方法が提案されている(特開平6−12987号公報)。しかしながら、このような方法では、表示コントラストは高められるものの、工程が繁雑となり、製造コストが上昇してしまう。
【0012】
一方、導電性金属粉末として金や銀−パラジウムを用いると、銀と比較して電気抵抗が高くなるばかりか、材料コストが大幅に上昇する。また、アルミニウムやニッケルなどを用いると、銀と比較して抵抗が大幅に高くなるので、いずれも好ましくない。
【0013】
銅を用いると抵抗は低くなるが、ガス放電表示パネルの場合、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などの方法によって形成された銅のバス電極は、次の誘導電層や隔壁を形成する工程には酸化性雰囲気が必要なことから、その工程で酸化されて酸化銅となる。したがって、銅電極を酸化から保護するために、さらにバリア層を形成してから次工程に進む必要がある。そのうえ、銅電極は銅色を呈するために、銀を用いる場合と同様に表示画面の色調がずれてしまい、その対策として、クロムなどの黒色を呈する材料を下地として重ねてバス電極を形成する必要がある。このように、銅を用いる場合は多重層からなるバス電極を形成するので、工程が非常に繁雑となり、製造コストが上昇してしまう。
【0014】
以上は交流型ガス放電表示パネルにおけるバス電極の形成の例であるが、直流型ガス放電表示パネルにおける陽極の形成についても、まったく同様のことがいえる。
【0015】
電気抵抗が低く、パターン精度が高いことを考慮すると、これらの電極を形成するには、銀を使用して、ホトリソグラフィーによってパターンを形成する方法が最も望ましい。特に、ガス放電表示パネルにおいては、その画面サイズが今後ますます大型化されていくことから、それに伴って、電極や配線の抵抗をさらに低くする必要がある。さらに、産業用だけでなく民生用として従来のCRTやプロジェクションTVなどに取って替わるためには、低い製造コストが極めて大きな要件となっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、銀粉末を導電性粉末として用い、ガス放電パネルの中でも特に構造が微細な、いわゆる高精細のガス放電表示パネル用電極の形成に有利な方法に適し、かつ上記のような色調の問題を解消する導電性焼成体を提供することである。また、本発明の他の目的は、このような導電性焼成体をバス電極として用いる交流型ガス放電表示パネル、および陽極として用いる直流型ガス放電表示パネルを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために検討を重ねた結果、電極として、銀粉末およびガラス粉末に加えて、特定量の黒色を呈する無機微粉末を配合して得た組成物を、ホトリソグラフィーによってパターンを形成させた後に焼成して得られる導電性焼成体を用いることにより、その課題を解決しうることを見出して、本発明を達成するに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、
(A)銀粉末 100重量部;
(B)ガラス粉末 0.1〜30重量部;および
(C)黒色を呈する無機粉末 0.5〜20重量部
を含み、感光性を有する組成物を用い、ホトリソグラフィーによってパターンを形成した後、焼成して得られる導電性焼成体に関し;さらに、
該導電性焼成体からなる電極;ならびに
放電空間を挟んで相対向する一対の基板、少なくとも一方の基板の内面に設けられ、透明電極とバス電極からなる放電維持電極、ならびに該放電維持電極の内側に順次設けられた誘電体層と保護層を備えた交流型ガス放電表示パネル;または放電空間を挟んで相対向する一対の基板、一方の基板の内面に設けられた陽極、および他方の基板の内面に設けられた陰極を備えた直流型ガス放電表示パネルにおいて、
バス電極または陽極が上記の導電性焼成体からなる電極であることを特徴とするガス放電表示パネルに関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性焼成体に用いられる(A)成分の銀粉末は、該焼成体に導電性を与えるもので、球状でもリン片状でもよいが、バス電極のように、たとえば線幅50μm 程度のパターンを形成する場合は、HDTV対応型のガス放電表示パネルにおける現像の容易性や、抵抗が低いことを考慮して、球状のものが好ましい。粒径は、通常0.05〜5μm であり、0.2〜3μm が好ましい。0.05μm 未満では、電気抵抗の低い導体が得られるものの、塗膜の隠蔽力が大きいために光が通りにくく、現像しにくい。一方、5μm を越えると、現像は容易であるが焼結性が悪くなり、電気抵抗が高くなる。
【0020】
(B)成分のガラス粉末は、(A)成分相互を結着させる結着剤であり、さらに導電性焼成体の基板への接着性を高めるとともに、焼結の際に軟化して、組成物中に存在する(C)成分の無機粉末を基板側に集める効果がある。ガラス粉末としては、ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系などのガラスフリットが例示され、誘電体が放電表示管のように電極に近接して焼成、形成されるので、それらに対して影響を与えない温度で、かつパネルが歪まない温度で焼成が可能なことから、通常、軟化点が600℃以下のものが用いられ、580℃以下のものが好ましい。形状は特に限定されず、粒径は、通常0.1〜10μm であり、0.2〜5μm が好ましい。
【0021】
焼成に供する組成物中の(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。0.1重量部未満では、上記のような効果が十分に得られず、30重量部を越えると、得られた焼成体の電気抵抗が上昇する。
【0022】
(C)成分の黒色を呈する無機粉末は、本発明の焼成体電極において、色調の問題を解決するための特徴的な成分である。黒色を呈する無機粉末は、クロム−コバルト−マンガン−鉄、クロム−銅、クロム−銅−マンガン、マンガン−鉄−銅、クロム−コバルト−鉄などの金属複合酸化物;(FeO)x(Fe23)y で表される鉄酸化物;酸化ルテニウム;カーボンなど、ガス放電表示パネルの製造過程でガラス基板がさらされる温度範囲内で耐熱性があり、安定なものであれば、どのようなものでもよい。形状は特に限定されず、球状、リン片状、針状、不定形状など、どのような形状のものでも使用できる。粒径は、通常0.01〜10μm 、好ましくは0.02〜5μm である。
【0023】
(C)成分の黒色を呈する無機粉末の配合量は、ガス放電表示パネルの設計に応じて任意に設定できるが、電気抵抗および電極とガラス基板との界面の色調の両方を満足させるために、(A)成分100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。0.5重量部未満では、電気抵抗は十分に低くて良好なものの、電極とガラス基板との界面色調を識別する効果が期待できない。一方、20重量部を越えると、電極とガラス基板との界面の色調は十分に黒くなって識別は良好なものの、電気抵抗が高くなってしまう。
【0024】
組成物は、上記の銀粉末、ガラス粉末および黒色を呈する無機粉末を、感光性樹脂組成物からなるビヒクルに、三本ロール、混練機などにより分散させて、ペーストの形状に調製する。
【0025】
感光性樹脂組成物としては、感光性樹脂および/またはその前駆体、光重合開始剤、溶媒などを含有したものが用いられる。
【0026】
感光性樹脂および/またはその前駆体としては、ネガ型、ポジ型、ネガ−ポジ両用型のいずれでもよいが、取扱いが容易で、設計もまた容易なことから、ネガ型が好ましい。このようなネガ型の感光性樹脂および/またはその前駆体には、直鎖状または分岐状の反応性ポリマーを単独で;該反応性ポリマーと、分子構造中にアクリロイル基などの感光性基を有し、露光によって重合および/または架橋により不溶性のポリマーを形成するモノマー、オリゴマーなど、たとえば、アクリルエステル系、エポキシ系などの(メタ)アクリル酸誘導体とを組み合わせ;あるいは該反応性ポリマーと相溶性の非反応性ポリマーとを組み合わせて用いることができる。
【0027】
直鎖状または分岐状の反応性ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルの重合体もしくは共重合体、またはそれらのモノマーとスチレン系化合物および/またはアクリロニトリルとの共重合体の側鎖に(メタ)アクリル基を有するように変性されたポリマーのようなアクリル系;不飽和ポリエステル、ポリエステルポリオールの(メタ)アクリレートのようなポリエステル系;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートのようなポリエーテル(メタ)アクリレート系;ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂とアクリル酸との反応で得られるエポキシアクリレート系;ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールとジイソシアネートおよびヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとの反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート系;ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2−(メタ)アクリルアミド−ジアミノジフェニルエーテルの共重合体のようなポリイミド系などのポリマーが例示される。また、モノマーまたはオリゴマーとしては、上記のポリマーの重合度が低いオリゴマーのほか、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールのトリまたはテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのようなアクリルエステル系;ビスフェノールA−ジ(メタ)アクリレートのようなエポキシ系などのモノマーが例示される。
【0028】
感光性樹脂および/または前駆体の配合量は、導電性組成物に良好な感光性を与えるために、(A)成分100重量部に対して通常5〜20重量部、好ましくは10〜15重量部である。
【0029】
光重合開始剤としては、紫外線のような活性線に露光した際にフリーラジカルを発生するラジカル系光重合開始剤、たとえば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン系;ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系;チオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系などを用いることができる。また、これら光重合開始剤を単独で、2種以上を混合して、またはアミン類などの光重合促進剤と併用して用いることができる。
【0030】
感光性樹脂組成物を溶解し、または導電性組成物を分散させて見掛け粘度を調整するために、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テトラリンおよび石油系芳香族炭化水素混合物などの芳香族炭化水素;メントール、テルピネオール、カルペオール、ボルネオール、メンタンジオールなどのテルペンアルコール;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール;メチルイソブチルケトンなどのケトン;ならびにエチレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステルなどのエステルが例示され、単独でも、2種以上の混合物でもよい。
【0031】
さらに、本発明に用いられる導電性組成物に、保存中の安定性を得るための、ヒドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤;ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体のような分散剤;基材への接着性を改善するための、シランカップリング剤などの接着性付与剤;塗布性能を改善するための消泡剤;作業性を改善するための可塑剤、チキソトロピー性付与剤;紫外線の吸収効率を上げるための紫外線吸収剤などを添加することもできる。
【0032】
導電性組成物の濃度は、塗布または印刷方法に適した見掛け粘度、たとえばスクリーン印刷の場合は、25℃において通常20〜500Pa・s、好ましくは100〜300Pa・sの範囲のペーストが得られるように、任意に定めることができる。
【0033】
このようにして得られた導電性組成物のペーストを、スクリーン印刷、ロールコーターなどの公知の方法を用いて、基材表面に印刷または塗布する。このようにして基材表面に印刷または塗布されたペーストから、風乾などの常法によって有機溶媒を除去した後、ホトマスクを介して、紫外線、遠紫外線、電子線、イオンビームのような活性線により、パターン部分を露光する。活性線としては、比較的簡単な装置で簡便に照射できることから、紫外線が好ましい。ついで、現像液によって現像を行い、乾燥などの方法により洗浄液を除去して、パターンを形成させる。
【0034】
このようにしてパターンを形成させた導電性組成物を、たとえば500〜580℃で10〜20分間焼成して、本発明の導電性焼成体を基材表面に形成させる。
【0035】
このような方法により、前述の導電性組成物を用いて、本発明の導電性焼成体からなる電極が得られる。特に前述の構造の交流型ガス放電表示パネルのバス電極、または直流型ガス放電表示パネルの陽極を形成させて、本発明の交流型または直流型のガス放電表示パネルが得られる。なお、基板、透明電極、誘電体層、保護層、蛍光体、アドレス電極、陰極など、ガス放電表示パネルにおけるその他の構成要素は、従来から公知の材料と形成方法を用いることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の導電性焼成体は、電気抵抗が低く、かつ、銀とガラス基板との界面の色調を黒くすることができる。これをガス放電表示パネルの表示面側基板に形成されたバス電極や陽極として使用すれば、電気抵抗が低いばかりでなく、ブラックストライプ的な効果が得られるので、従来、単に銀粉末を使用したときに発生する表示コントラストの低下や、表示される色調のずれといった表示品質上の問題が解決できる。
【0037】
また、電極と同様にホトリソグラフィーによってガラス基板表面に形成される配線に本発明の焼成体を適用して、パターン精度が高く、電気抵抗が低く、肉眼での識別が容易な配線を形成することができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をより詳細に説明する。これらの例で、部は重量部を表す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0039】
実施例1〜5
銀粉末(平均粒径0.7μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸鉛ガラス、軟化温度約480℃、平均粒径3μm 、球状粒子)およびマンガン−鉄−銅複合酸化物粉末(平均粒径0.1μm 、球状粒子)を、表1に示すような配合比で調合した。これを、アクリル酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの共重合体のメタクリル酸変性物を、ジエチレングリコールモノブチルエーテルに溶解した、粘度約20Pa・sの溶液である感光性樹脂組成物の樹脂分に換算して14部とともに混練機で混練して、ペーストを調製した。
【0040】
次に、これらのペーストを、スクリーン印刷により、ソーダライムガラス基板のトップ面上およびボトム面(Sn付着)上にそれぞれ印刷し、100℃で10分間乾燥した後、ホトマスクを塗膜に接触させ、高圧水銀灯により、線幅および線間隔がそれぞれ50μm または100μm のパターンを形成するように、主波長365nmの紫外線に500mJ/cm2露光させた。露光後、スプレーにより炭酸ソーダの1重量%水溶液を現像液として塗膜面に室温で加圧噴霧し、上記のパターンを現像した。現像後、純水により現像液を洗い流し、100℃で10分間乾燥した。ついで、550℃で10分間焼成することによって、評価試料を作製した。
【0041】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、現像性およびシート抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004230547
【0043】
実施例6〜10
銀粉末(平均粒径1μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸鉛ガラス、軟化温度約450℃、平均粒径4μm 、球状粒子)およびクロム−銅複合酸化物粉末(平均粒径0.8μm 、球状粒子)を、表2に示すような配合比で調合した。これを実施例1〜5で用いたのと同じ感光性樹脂組成物の樹脂換算14部とともに、混練機を使用して混練することによってペースト化した。
【0044】
次に、これらのペーストを、実施例1〜5と同様の方法で処理することによって、評価試料を作製した。
【0045】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、現像性およびシート抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 0004230547
【0047】
実施例11〜16
銀粉末(平均粒径0.5μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸ビスマスガラス、軟化温度約500℃、平均粒径2μm 、球状粒子)および酸化ルテニウム粉末(平均粒径0.05μm 、球状粒子)を、表3に示すような配合比で調合した。これを実施例1〜10で用いたのと同じ感光性樹脂組成物の樹脂換算14部とともに、混練機を使用して混練することによってペースト化した。
【0048】
次に、これらのペーストを、実施例1〜10と同様の方法で処理することによって、評価試料を作製した。
【0049】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、現像性およびシート抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0004230547
【0051】
比較例1〜4
実施例1〜5に用いた銀粉末およびガラス粉末を用い、黒色を呈する無機微粉末を配合しない比較例1の銀ペースト;同様の粉末に少量のマンガン−鉄−銅複合酸化物を配合して得た比較例2のペースト;実施例6〜10に用いた銀粉末およびガラス粉末を用い、少量のクロム−銅複合酸化物を配合して得た比較例3のペースト;ならびに実施例11〜16に用いた銀粉末およびガラス粉末を用い、多量の酸化ルテニウム粉末を配合した比較例4のペーストを、各実施例と同様な方法で処理して、評価試料を作製した。得られた試料について、実施例と同様に、色調の観察とシート抵抗値の測定を行った。その結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
Figure 0004230547
【0053】
実施例1〜16で得られた本発明の焼成体は、十分な表示コントラストが得られる濃色を呈し、しかも優れた導電性を示した。これに対して、比較例1〜3で得られた焼成体は表示コントラストが不十分であり、比較例4で得られた焼成体は満足な導電性が得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的なガス放電表示パネルの基本構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 表示面側基板
2 背面側基板
3 透明電極
4 バス電極
5 誘電体層
6 保護層
7 誘電体層
8 アドレス電極
9 隔壁
10 蛍光体
11 観察者

Claims (8)

  1. (A)銀粉末 100重量部;
    (B)ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウ酸鉛系およびケイ酸鉛系からなる群より選択されるガラス粉末 0.1〜30重量部;ならびに
    (C)クロム−銅複合酸化物、クロム−銅−マンガン複合酸化物、マンガン−鉄−銅複合酸化物、鉄酸化物および酸化ルテニウムからなる群より選択される、黒色を呈する無機粉末 0.5〜20重量部を含む、
    感光性を有する導電性組成物。
  2. (B)成分が、ホウケイ酸鉛系またはホウケイ酸ビスマス系のガラス粉末である、請求項1記載の導電性組成物。
  3. (C)成分が、酸化ルテニウム粉末である、請求項1又は2記載の導電性組成物。
  4. ガス放電表示パネルの電極形成用の請求項1〜のいずれか1項記載の導電性組成物。
  5. (1)基板の透明電極上に、請求項1〜のいずれか1項記載の導電性組成物のペーストを印刷または塗布した後、乾燥する工程;
    (2)工程(1)で得られた塗膜上にホトリソグラフィーにより、パターンを形成する工程;および
    (3)工程(2)でパターンを形成した基板を焼成する工程;
    からなる、ガス放電表示パネルのバス電極の製造方法。
  6. (1)基板上に、請求項1〜のいずれか1項記載の導電性組成物のペーストを印刷または塗布した後、乾燥する工程;
    (2)工程(1)で得られた塗膜上にホトリソグラフィーにより、パターンを形成する工程;および
    (3)工程(2)でパターンを形成した基板を焼成する工程;
    からなる、ガス放電表示パネルの陽極の製造方法。
  7. (1)基板の透明電極上に、(A)銀粉末 100重量部;(B)ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウ酸鉛系およびケイ酸鉛系からなる群より選択されるガラス粉末 0.1〜30重量部;ならびに(C)黒色を呈する無機粉末 0.5〜20重量部を含む、感光性を有する導電性組成物のペーストを印刷または塗布した後、乾燥する工程;
    (2)工程(1)で得られた塗膜上にホトリソグラフィーにより、パターンを形成する工程;および
    (3)工程(2)でパターンを形成した基板を焼成する工程;
    からなる、ガス放電表示パネルのバス電極の製造方法。
  8. (1)基板上に、(A)銀粉末 100重量部;(B)ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウ酸鉛系およびケイ酸鉛系からなる群より選択されるガラス粉末 0.1〜30重量部;ならびに(C)黒色を呈する無機粉末 0.5〜20重量部を含む、感光性を有する導電性組成物のペーストを印刷または塗布した後、乾燥する工程;
    (2)工程(1)で得られた塗膜上にホトリソグラフィーにより、パターンを形成する工程;および
    (3)工程(2)でパターンを形成した基板を焼成する工程;
    からなる、ガス放電表示パネルの陽極の製造方法。
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