JP4155647B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば業務用・家庭用冷蔵庫、低温ショーケース、プレハブ冷蔵庫などの冷却貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より例えば業務用の冷蔵庫においては、冷却装置を構成するコンプレッサ、凝縮器、冷却器などを内蔵し、或いは、コンプレッサ、凝縮器は別置きとし、このコンプレッサから吐出された冷媒を凝縮器にて凝縮し、減圧装置にて減圧した後、冷却器に供給して冷却効果を発揮させ、この冷却器にて冷却された冷気を送風機にて貯蔵室内に循環して所定の低温度に冷却している。
【0003】
この場合、コンプレッサは貯蔵室内の温度を検出するセンサの出力に基づき、制御装置によって所定の上限温度にて運転され、下限温度にて停止制御される。また、送風機は連続運転されるか、コンプレッサと同期して運転・停止されるかの何れかの方式が採られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、貯蔵室内の熱負荷(食品など)が多い場合には、コンプレッサが運転されても貯蔵室内の温度降下は緩慢となる。しかしながら、一旦これらの熱負荷が冷やされると、蓄熱作用があるために、コンプレッサが停止した後の温度上昇も緩慢なものとなる。従って、コンプレッサの運転・停止の一サイクルは長くなる。
【0005】
また、貯蔵室内に収納された多量の熱負荷が冷やされると共に、冷気の障害物となる熱負荷が多いために、貯蔵室内の上部と下部とで生じる温度差も小さくなる。
【0006】
一方、貯蔵室内の熱負荷が少ない場合には、コンプレッサが運転されると貯蔵室内の温度は急激に降下するようになる。従って、コンプレッサの運転・停止の一サイクルも短くなる。また、貯蔵室内に障害物となる熱負荷が少ないために、冷気は貯蔵室内下部に流下するようになり、貯蔵室内の上部と下部とで生じる温度差が大きくなる。
【0007】
このように貯蔵室内に収納された熱負荷の量によって貯蔵室内の温度分布やコンプレッサの運転・停止のサイクルも変化して来るため、単に送風機を連続運転するか、或いは、コンプレッサと同期運転するかの何れかの設計とされていると、効率的な冷却運転ができなくなる。
【0008】
そこで、本発明はコンプレッサの運転中の貯蔵室内の温度を監視して効率的な運転を行うことができる冷却貯蔵庫を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷却貯蔵庫は、コンプレッサや冷却器などから構成された冷却装置を備え、冷却器と熱交換した冷気を送風機にて貯蔵室内に循環して成るものであって、貯蔵室内の温度に基づき、所定の上限温度にてコンプレッサを運転し、下限温度にてコンプレッサを停止する制御装置を備え、この制御装置は、コンプレッサの運転中における貯蔵室内の温度降下率が大きい場合、送風機を連続運転すると共に、温度降下率が小さい場合には送風機をコンプレッサと同期して運転・停止させ、且つ、上限温度と下限温度の差を縮小するものである。
【0010】
本発明によれば、コンプレッサや冷却器などから構成された冷却装置を備え、冷却器と熱交換した冷気を送風機にて貯蔵室内に循環して成る冷却貯蔵庫において、貯蔵室内の温度に基づき、所定の上限温度にてコンプレッサを運転し、下限温度にてコンプレッサを停止する制御装置を設け、この制御装置は、コンプレッサの運転中における貯蔵室内の温度降下率が大きい場合、送風機を連続運転すると共に、温度降下率が小さい場合には送風機をコンプレッサと同期して運転・停止させるようにしたので、貯蔵室内の熱負荷が少なく、即ち、貯蔵室内に温度分布が生じやすく、コンプレッサ運転時の温度降下率が大きくなる状況では送風機を連続運転して貯蔵室内に生じる温度分布を解消することができるようになる。
【0011】
また、貯蔵室内の熱負荷が多く、即ち、貯蔵室内に温度分布が生じにくく、コンプレッサ運転時の温度降下率が小さい場合には、送風機をコンプレッサと同期して運転・停止させることにより、送風機の消費電力を削減することが可能となるものである。
【0012】
特に、制御装置は、貯蔵室内の温度降下率が小さい場合には、上限温度と下限温度の差を縮小する。
【0013】
これにより、コンプレッサの頻繁な運転・停止による傷害が発生する危険性の少ない状況では、貯蔵室内温度の変動を少なくしてより精密な温度制御を実現できるようになるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用する機器の実施例としての業務用の冷蔵庫1の概略断面図、図2は冷蔵庫1の電気系の配線図を示している。図1において、冷蔵庫1は前面に開口する断熱箱体2により本体5を構成されており、この断熱箱体2内に貯蔵室3が構成されている。この貯蔵室3の前面開口は扉4により開閉自在に閉塞されている。また、貯蔵室3内には冷却装置の冷凍サイクルを構成する冷却器6とモータにて駆動される送風機としての冷却ファン7が設置されている。
【0015】
また、断熱箱体2の開口縁には結露防止用の防露ヒータ8が配設されると共に、扉4の前面には主制御手段としてのコントロールボックス9の操作パネル11が取り付けられている。
【0016】
一方、断熱箱体2の下側には機械室12が形成されており、この機械室12内には前記冷却器6と共に冷却装置の冷凍サイクルを構成するコンプレッサ13、凝縮器14、凝縮器用ファン16などが設置されている。
【0017】
前記コンプレッサ13が運転されると、コンプレッサ13から吐出された高温高圧の冷媒は凝縮器14にて放熱して凝縮し、図示しない減圧装置にて減圧された後、冷却器6に供給される。冷却器6ではこの冷媒が蒸発することにより冷却作用を発揮し、その後低温のガス冷媒はコンプレッサ13に再び帰還する。
【0018】
また、冷却ファン7が運転されると、冷却器6で冷却された冷気は貯蔵室3内に循環され、これによって、貯蔵室3内は冷却される。また、凝縮器用ファン16が運転されると、外気を凝縮器14、コンプレッサ13に通風するので、これらは空冷される。更に、防露ヒータ8に通電されると断熱箱体2の開口縁が加熱され、結露が防止されるものである。
【0019】
次に、図2において21は冷蔵庫1の本体5内に配線されたAC電源線であり、22はデータの授受を行うための信号線である。AC電源線21と信号線22には前記コントロールボックス9が接続されると共に、コンプレッサ13の駆動基板23、前記各ファン7、16の電源基板24及び前記防露ヒータ8の電源基板26はAC電源線21に接続される。
【0020】
また、信号線22にはセンサーとしてのチップ状の温度センサー27と、前記駆動基板23、電源基板24、26にそれぞれ取り付けられたチップ状のスイッチング素子28・・がそれぞれコネクタを介して接続される。尚、電源基板24にはスイッチング素子28を一つ示しているが、実際には各ファン7、16に対してそれぞれ設けられる。
【0021】
尚、実施例ではこれら駆動基板23、電源基板24、26がコンプレッサ13、各ファン7、16及び防露ヒータ8と別体で構成されたものを示しているが、これら駆動基板23、電源基板24、26を、それぞれのスイッチング素子28と共に、コンプレッサ13、各ファン7、16及び防露ヒータ8にそれぞれ内蔵させた構成としても良い。
【0022】
係る構成によれば、コンプレッサ13やファン7、16或いは、防露ヒータ8に内蔵された各スイッチング素子28と信号線22のコネクタに接続するだけで配線が完了するかたちとなるため、組立・配線作業性が一段と向上する。
【0023】
前記コントロールボックス9の構成を図3に示す。コントロールボックス9にはコントローラ(基板)36が設けられている。このコントローラ36は、CPU(マイクロコンピュータ)31、記憶手段としてのメモリ32、I/Oインターフェース33及び送受信手段としてのバスI/Oインターフェース34などから構成されている。また、コントロールボックス9にはLEDなどから構成された表示器37と、入力手段としてのスイッチ38と、切換器39など設けられており、前記表示器37とスイッチ38はI/Oインターフェース33に接続されて前記操作パネル11に配設されている。
【0024】
また、前記バスI/Oインターフェース34は前記切換器39を介して信号線22に接続され、信号線22を介して前記温度センサー27やスイッチング素子28・・・とデータの授受を行う。切換器39は電話回線などの通信線42を介して外部のパソコンP(外部制御装置)などに接続されており、コントローラ36若しくはパソコンPからの指示により、信号線22に接続される信号系をバスI/Oインターフェース34か通信線42に切り換え、また、バスI/Oインターフェース34と通信線42との接続を制御するものである。
【0025】
尚、コントローラ36には前記温度センサー27やスイッチング素子28、パソコンPなどとデータ通信を行うための所定の通信プロトコルや温度センサー27やスイッチング素子28を識別するためのソフトウエアが設定されている。パソコンPにも前記温度センサー27やスイッチング素子28、コントローラ36などとデータ通信を行うための所定の通信プロトコルや温度センサー27やスイッチング素子28を識別するためのソフトウエアが設定されているものとする。
【0026】
次ぎに、前記温度センサー27の構成を図4〜図6に示す。温度センサー27は、センサー側制御手段としてのCPU43と、記憶手段としてのメモリ44と、送受信手段としてのI/Oインターフェース46と、A/D変換器47と、このA/D変換器47に接続された検出素子としてのセンサ部48と、蓄電素子としてのコンデンサ49と、整流素子としてのダイオード51などから構成されている。
【0027】
この場合、コンデンサ49はダイオード51の出力側に接続され、このダイオード51とコンデンサ49との接続点に各素子が接続されている。信号線22には例えば+5Vの電位(高電位)が印加されており、データはこの高電位から例えば0Vの低電位に下がるパルスにて構成される。
【0028】
そして、温度センサー27が信号線22に接続されると、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま各素子に給電が成され、コンデンサ49にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ49から放電され、各素子の電源が賄われる構成とされている。
【0029】
尚、温度センサー27にはVcc(DC+5V)電源端子45も設けられ、ダイオード51とコンデンサ49との接続点に接続されており、温度センサー27は、このVcc電源端子45を電源線に接続すれば、各素子は電源線からの給電によっても動作することができるように構成されている。即ち、その場合にはコンデンサ49に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などの温度センサー27を迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0030】
また、CPU43はセンサ部48が検出する温度データをA/D変換器47を介して取り込み、一旦メモり44に書き込む。そして、I/Oインターフェース46により、信号線22を介してコントローラ36からポーリングされると、メモリ44に書き込まれた温度データをI/Oインターフェース46により信号線22を介してコントローラ36に送信する。
【0031】
ここで、メモリ44には温度センサー27自体のIDコードやセンサーである旨の識別データ、警報温度などの設定値データ及びコントローラ36との間のデータ通信を行うためのプロトコルなどが記憶されている。また、温度センサー27において故障が生じている場合には当該故障データもメモリ44に書き込まれ、コントローラ36に送信される。
【0032】
係る温度センサー27は図5に示される如く幅5mm程の基板52に取り付けられ、更に、ケース53内に収納された後、樹脂54にてモールドされている。このとき、基板52の表面はプライマ処理されており、樹脂54との密着性・防水性は向上されている。尚、56は基板52から引き出されたリード線であり、これの表面もプライマ処理されている。また、57は信号線22と接続するためのコネクタである。
【0033】
一方、前記スイッチング素子28の構成を図7に示す。スイッチング素子28は、スイッチング素子側制御手段としてのCPU58と、記憶手段としてのメモリ59と、送受信手段としてのI/Oインターフェース61と、ドライバとしてのI/Oインターフェース62と、このI/Oインターフェース62に接続されたスイッチング手段としてのトランジスタ63と、蓄電素子としてのコンデンサ64と、整流素子としてのダイオード66などから構成されている。
【0034】
この場合、コンデンサ64はダイオード66の出力側に接続され、このダイオード66とコンデンサ64との接続点に各素子が接続されている。スイッチング素子28が信号線22に接続されると、前述の如くデータを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま各素子に給電が成され、コンデンサ64にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ64から放電され、各素子の電源が賄われる構成とされている。
【0035】
尚、スイッチング素子28にも図7に破線で示す如く、ダイオード66とコンデンサ64との接続点に接続されたVcc(DC+5V)電源端子55を設け、このVcc電源端子55を電源線に接続すれば、スイッチング素子28の各素子は電源線からの給電によっても動作することができるようになる。即ち、その場合にはコンデンサ64に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などのスイッチング素子28を迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0036】
また、CPU58はI/Oインターフェース61により、信号線22を介してコントローラ36からON/OFFデータが送信されると、このON/OFFデータに基づき、I/Oインターフェース62によりトランジスタ63をON/OFFする。
【0037】
ここで、メモリ59にはスイッチング素子28自体のIDコードやスイッチング素子である旨の識別データ及びコントローラ36との間のデータ通信を行うためのプロトコルなどが記憶されている。また、スイッチング素子28において故障が生じている場合には当該データもメモリ59に書き込まれ、コントローラ36に送信される。
【0038】
係るスイッチング素子28は各駆動基板23、電源基板24、26上において図8の如く配線されてスイッチングユニット68を構成する。即ち、69はフォトダイオード69Aとフォトトライアック69Bから成るフォトカプラであり、71は抵抗、72は整流素子としてのダイオード、73は蓄電素子としてのコンデンサ74である。
【0039】
この場合、コンデンサ74はダイオード72の出力側に接続され、このダイオード72とコンデンサ74との接続点とスイッチング素子28のトランジスタ63のコレクタ端子(図7にS2で示す)間に抵抗71とフォトダイオード69Aが直列に接続される。また、スイッチング素子28の端子S1(図7)はダイオード72の手前に接続される。そして、フォトトライアック69BはAC電源線21とコンプレッサ13、ファン7、15、防露ヒータ8間にそれぞれ介設される。
【0040】
ダイオード72が信号線22に接続されると、データを構成する高電位と低電位のパルス信号が高電位となっている間はそのまま抵抗71を介してフォトダイオード69Aに給電が成され、コンデンサ74にも充電される。そして、低電位となっている間はコンデンサ74から放電されて、フォトダイオード69Aの電源を賄う構成とされている。
【0041】
尚、同様にダイオード72とコンデンサ74の接続点にVcc電源端子60を接続し、このVcc電源端子60を電源線に接続すれば、フォトダイオード69Aは電源線からの給電によっても動作することができるようになる。即ち、その場合にはコンデンサ74に充填すること無く、各素子は動作するようになるので、検査時などに迅速に動作させたい場合に利便性が向上する。
【0042】
以上の構成で、動作を説明する。尚、この場合、切換器39はバスI/Oインターフェース34を信号線22に接続しているものとする。先ず、冷蔵庫1の組立完了時の動作を説明する。各温度センサー27やスイッチング素子28・・が信号線22に接続されたものとすると、コントローラ36のCPU31は先ず信号線22への各素子(温度センサー27、スイッチング素子28)の接続状況をスキャンする。
【0043】
温度センサー27やスイッチング素子28のCPU43、58はコントローラ36からのポーリングに対してメモリ44、59に記憶されている自らのIDコードを返信する。コントローラ36のCPU31は返信されたIDコードにより、温度センサー27とスイッチング素子28・・の接続状況を識別し、メモリ32に保有すると共に、以後はこのIDコードを用いて各素子に対してデータを送信することになる。
【0044】
次ぎに、実際の制御動作を説明する。コントローラ36のメモリ32には貯蔵室3の設定温度TSが書き込まれており、コントローラ36のCPU31はこの設定温度TSの上下に当初2deg(℃)のディファレンシャルを存して上限温度TH=TS+2degと下限温度TL=TS−2degとを設定し、これをメモリ32に書き込む。
【0045】
そして、コントローラ36のCPU31は温度センサー27に所定の周期でポーリングを行う。このポーリングは前述のIDコードに基づいて行われる。温度センサー27のCPU43はこのポーリングに応えて前述の如く温度データをコントローラ36に送信する。コントローラ36のCPU31は受け取った温度データを一旦メモり32に書き込み、当該温度データによる貯蔵室3内の温度(以下、庫内温度TPと云う)と上限温度TH、下限温度TLとを比較してON/OFFデータを、駆動基板23のスイッチング素子28のIDコードと共に信号線22に送信する。
【0046】
駆動基板23のスイッチング素子28のCPU58は自らのIDコードのON/OFFデータを受信すると、それに基づいて前述の如くトランジスタ63をON/OFFする。このトランジスタ63のON/OFFにより、フォトダイオード69AがON(発光)/OFF(消灯)し、それによって、フォトトライアック69BがON/OFFされ、これによって、コンプレッサ13が運転(ON)/停止(OFF)される。
【0047】
係る制御動作を図10を参照して説明する。コンプレッサ13が運転(ON)されていると、前述の如く貯蔵室3内は冷却されるので、庫内温度TPは降下し、やがて下限温度TLに達する。庫内温度TPが下限温度TLに達すると、コントローラ36はコンプレッサ13を停止(OFF)する。このコンプレッサ13の停止によって庫内温度TPは上昇に転じ、やがて上限温度THに達する。すると、コントローラ36はコンプレッサ13を運転(ON)するので、庫内温度TPは再び下降に転ずる(図10)。
【0048】
ここで、コントローラ36はコンプレッサ13が運転している間の庫内温度TPの降下率を温度センサ27からのデータに基づいて監視している。そして、所定の降下率よりも大きい場合(図10)には、継続してONデータを、電源基板24の冷却ファン7用のスイッチング素子28のIDコードと共に信号線22に送信する。
【0049】
このスイッチング素子28のCPU58は自らのIDコードのONデータを受信すると、それに基づいて前述の如くトランジスタ63をONする。このトランジスタ63のONにより、フォトダイオード69AがON(発光)し、それによって、フォトトライアック69BがONされ、これによって、冷却ファン7は連続運転される(図10)。
【0050】
ここで、庫内温度TPの降下率が大きいと云うことは貯蔵室3内の熱負荷(食品など)が少ないと考えられるが、係る場合には貯蔵室3内上部の冷気が下部に降下するため、上部が高く下部が低い温度分布が貯蔵室3内に生じやすくなる。そこで、本発明では庫内温度TPの降下率をコントローラ36が監視し、降下率が大きい場合には貯蔵室3内の熱負荷が少ないものと判断して上述の如く冷却ファン7を連続運転するので、コンプレッサ13の運転/停止に拘わらず貯蔵室3内の冷気循環は維持され、温度分布の発生は抑制される。
【0051】
次に、庫内温度TPの降下率が所定の値より小さい場合、コントローラ36のCPU31はこの設定温度TSの上下に1deg(℃)のディファレンシャルを存して上限温度TH=TS+1degと下限温度TL=TS−1degとを設定し、これをメモリ32に書き込む。即ち、ディファレンシャル幅を上下1degに縮小する。従って、コンプレッサ13は庫内温度TPがこの上限温度THに達したときに運転(ON)され、それよりも2degだけ低い下限温度TLに達した場合に停止(OFF)されるようになる。
【0052】
更に、コントローラ36はコンプレッサ13に同期してON(運転)−OFF(停止)するようON/OFFデータを電源基板24の冷却ファン7用のスイッチング素子28のIDコードと共に信号線22に送信する。
【0053】
このスイッチング素子28のCPU58は自らのIDコードのON/OFFデータを受信すると、それに基づいて前述の如くトランジスタ63をON/OFFする。このトランジスタ63のON/OFFにより、フォトダイオード69AがON(発光)/OFF(消灯)し、それによって、フォトトライアック69BがON/OFFされ、これによって、冷却ファン7はコンプレッサ13と同期して運転−停止されるようになる(図11)。
【0054】
ここで、庫内温度TPの降下率が小さいと云うことは貯蔵室3内の熱負荷(食品など)が多いと考えられ、係る場合には貯蔵室3内に温度分布が生じにくなる。そこで、本発明では庫内温度TPの降下率をコントローラ36が監視し、降下率が小さい場合には、冷却ファン7をコンプレッサ13と同期して運転・停止させることにより、冷却ファン7の消費電力を削減することが可能となる。
【0055】
また、コントローラ36は、庫内温度TPの降下率が小さい場合には、ディファレンシャルを縮小し、上限温度THと下限温度TLの差を縮小するので、コンプレッサ13の頻繁な運転・停止による傷害が発生する危険性の少ない状況で、庫内温度TPの変動を少なくし、より精密な温度制御を実現できるようになる。
【0056】
尚、ファン15及び防露ヒータ8は連続通電であるので、その旨のON/OFFデータが、各電源基板24、26のスイッチング素子28のIDコードに基づいて送信される。そして、各スイッチング素子28は当該ON/OFFデータに基づいてファン15若しくは防露ヒータ8を運転若しくは通電するものである。
【0057】
また、温度センサー27や各スイッチング素子28・・に故障が発生していると、当該故障データは各素子のCPUからコントローラ36に送信される。コントローラ36のCPU31は係る故障データを受け取ると、表示器37に当該温度センサー27或いはスイッチング素子28・・に故障が生じている旨、表示する。更に、切換器39によりバスI/Oインターフェース34を通信線42に接続してパソコンPにその旨警報する。
【0058】
更に、コントローラ36のCPU31が故障した場合自動的に、或いは、パソコンPからの指示によって切換器39は信号線22を通信線42に接続する。これにより、各温度センサー27とスイッチング素子28・・とのデータの授受・制御は、以後パソコンPに取って変わり、パソコンPからの制御によって各機器が制御されるようになる。
【0059】
ここで、パソコンPには図9に示す如く複数台の冷蔵庫1・・のコントロールボックス9・・が通信線42を介して接続されており、前述の如き故障により、或いは、パソコンPからの指示で制御をパソコンPが取って変わった場合には、各冷蔵庫1・・の運転をパソコンPにて集中制御する。また、その場合には例えば各冷蔵庫1・・のコンプレッサ13の起動タイミングをずらして消費電力の平準化を行うなどの制御も可能となる。
【0060】
尚、実施例では温度センサーを取り上げたが、センサ部として湿度或いは圧力などを検出する素子を用いることにより、湿度センサーや圧力センサーとしても本発明は有効である。
【0061】
また、実施例では業務用冷蔵庫にて本発明を説明したが、それに限らず、家庭用冷蔵庫や低温ショーケース、プレハブ冷蔵庫、自動販売機などの各種冷却貯蔵庫に本発明は有効である。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、コンプレッサや冷却器などから構成された冷却装置を備え、冷却器と熱交換した冷気を送風機にて貯蔵室内に循環して成る冷却貯蔵庫において、貯蔵室内の温度に基づき、所定の上限温度にてコンプレッサを運転し、下限温度にてコンプレッサを停止する制御装置を設け、この制御装置は、コンプレッサの運転中における貯蔵室内の温度降下率が大きい場合、送風機を連続運転すると共に、温度降下率が小さい場合には送風機をコンプレッサと同期して運転・停止させるようにしたので、貯蔵室内の熱負荷が少なく、即ち、貯蔵室内に温度分布が生じやすく、コンプレッサ運転時の温度降下率が大きくなる状況では送風機を連続運転して貯蔵室内生じる温度分布を解消することができるようになる。
【0063】
また、貯蔵室内の熱負荷が多く、即ち、貯蔵室内に温度分布が生じにくく、コンプレッサ運転時の温度降下率が小さい場合には、送風機をコンプレッサと同期して運転・停止させることにより、送風機の消費電力を削減することが可能となるものである。
【0064】
特に、制御装置は、貯蔵室内の温度降下率が小さい場合には、上限温度と下限温度の差を縮小するので、コンプレッサの頻繁な運転・停止による傷害が発生する危険性の少ない状況では、貯蔵室内温度の変動を少なくしてより精密な温度制御を実現できるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の業務用冷蔵庫の概略断面図である。
【図2】 図1の冷蔵庫の電気系の配線図である。
【図3】 コントロールボックスの電気回路のブロック図である。
【図4】 温度センサーの電気回路のブロック図である。
【図5】 温度センサーの斜視図である。
【図6】 温度センサーをモールドした状態の平面図である。
【図7】 スイッチング素子の電気回路のブロック図である。
【図8】 スイッチング素子を用いたスイッチングユニットの電気回路図である。
【図9】 複数台設置された冷蔵庫のコントロールボックスを通信線にてパソコンに接続した状態を示す図である。
【図10】 庫内温度の変化に応じたコンプレッサと冷却ファンの運転状態を説明する図である。
【図11】 同じく庫内温度の変化に応じたコンプレッサと冷却ファンの運転状態を説明するもう一つの図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫
6 冷却器
7 冷却ファン
8 防露ヒータ
9 コントロールボックス
13 コンプレッサ
14 凝縮器
16 凝縮器用ファン
22 信号線
27 温度センサー
28 スイッチング素子
31、43、58 CPU
32、44、59 メモリ
39 切換器
42 通信線
46、61 I/Oインターフェース
48 センサ部
49、64 コンデンサ
51、66 ダイオード
63 トランジスタ
69 フォトカプラ
69A フォトダイオード
69B フォトトライアック
P パソコン
Claims (1)
- コンプレッサ及び冷却器などから構成された冷却装置を備え、前記冷却器と熱交換した冷気を送風機にて貯蔵室内に循環して成る冷却貯蔵庫において、
前記貯蔵室内の温度に基づき、所定の上限温度にて前記コンプレッサを運転し、下限温度にてコンプレッサを停止する制御装置を備え、この制御装置は、前記コンプレッサの運転中における前記貯蔵室内の温度降下率が大きい場合、前記送風機を連続運転すると共に、前記温度降下率が小さい場合には前記送風機を前記コンプレッサと同期して運転・停止させ、且つ、前記上限温度と下限温度の差を縮小することを特徴とする冷却貯蔵庫。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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