JP4050399B2 - ミシンの針振り模様切換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシンの針振り模様切換装置に係り、特に、千鳥縫いなどの針振り模様を形成する際に、異なる針振り模様を容易に形成するのに好適なミシンの針振り模様切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、千鳥縫いなどの針振り模様を形成することのできるミシンにおいては、縫製時に上下方向に往復移動される針を水平方向に送られる布送り方向に対して直交する水平方向へ往復移動させて針落ち位置を制御することのできる針振り装置が配設されている。
【0003】
このような従来のミシンの針振り装置は、針落ち位置を制御して所定の針振り模様を形成するため、所定の針振り模様を形成するカム溝が形成された針振りカムを回転自在に配設し、針振りカムの回転をカム溝の形状に倣って布送り方向に対して直交する水平方向への左右の往復運動に変換して針に伝達し針振り動作を制御するようにされている。
【0004】
図47および図48はこのような従来のミシンの針振り装置を示したもので、ミシン本体1の内部には、上軸(一部のみ図示)2の回転により駆動される図示しない針棒駆動機構により、上下に往復動される針棒3が配設されており、この針棒3には、ほぼコ字状に形成された針振り腕4が前記針棒3の上下位置を支持するように取付けられている。この針振り腕4には、針振り軸5の一端部が連結されており、この針振り軸5は、前記ミシン本体1の内側下面に立設された軸受体6により水平方向に移動自在に支持されている。また、前記針振り軸5の他端部には、針振り駆動リンク7の先端部がジョイント8を介して接続されており、この針振り駆動リンク7の基端部には、布送り方向に対して直交する方向の針落ち位置たる針振り幅を制御する振り幅調整手段の一部を構成する振り幅変換リンク9の一端部が枢着されている。この振り幅変換リンク9は、ミシン本体1の操作側たる図48左方に示す前面側FSに露出された図示しない操作レバーによって回動可能に形成されており、この操作レバーの回動角度を制御することにより、針振り幅を所定の大きさまで制御することができるようになっている。
【0005】
前記上軸2の図47右方に示すミシン本体1の外部に位置する後端部には、その下方に配設された図示しないミシンモータの駆動力を上軸2に伝達するためのベルト伝動装置の一部を構成する上軸プーリ10が配設されている。
【0006】
また、前記ミシン本体1の内部下方には、このミシン本体1の前後方向に延在する水平方向のカム駆動軸11が配設されており、このカム駆動軸11の後端部には、一面側に所望形状のカム溝12が形成された針振りカム13が固着されている。この針振りカム13は、前記ミシン本体1の裏面側に位置するようになされており、このミシン本体1の裏面たる図48右方に示す後面側BSには、前記針振りカム13をミシン外方から覆うカムカバー14が取着されている。また、前記カム駆動軸11の前面側FSに位置する前端近傍には、カム駆動ギア15が取着されており、このカム駆動ギア15には、伝達ギア16が噛合されている。さらに、この伝達ギア16には、前記上軸2の回転とともに回転駆動される下軸37に固着されるウォーム38が噛合するウォームホイール17が同軸状に取付けられており、前記下軸37の回転駆動により回転するウォーム38から、ウォームホイール17、伝達ギア16およびカム駆動ギア15を介して前記カム駆動軸11を回転駆動させることにより、前記針振りカム13を回転駆動させるようになされている。
【0007】
前記針振りカム13の前面側FS近傍には、カム腕18が配設されており、このカム腕18の先端部には、前記針振りカム13のカム溝12に係合されるカムコロ19が配設されている。前記カム腕18の基端部には、前記ミシン本体1の前後方向に延在する針振り駆動軸20が取着されており、前記カムコロ19が針振りカム13のカム溝12に沿って追随することによりカム腕18が揺動駆動され、前記針振り駆動軸20が回動動作されるようになされている。
【0008】
さらに、前記針振り駆動軸20の前端部分には、針振り駆動腕21の基端部が固着されており、この針振り駆動腕21の先端部には、先端部が前記針振り駆動リンク7の中途部に連結された駆動ロッド22の基端部が駆動ピン23を介して連結されている。
【0009】
このような従来のミシンの針振り装置においては、前記上軸2の回転駆動により下軸37が回転駆動されると、下軸37に固着されているウォーム38を介して前記ウォームホイール17が回転駆動され、この回転力が伝達ギア16を介してカム駆動ギア15に伝達され、カム駆動軸11が回転駆動されて針振りカム13が回転駆動される。そして、前記針振りカム13の回転により回転するカム溝12にカムコロ19が追随することにより、前記カム腕18が揺動され、これにより、針振り駆動軸20を介して針振り駆動腕21が揺動され、駆動ロッド22が上下に往復動作される。この駆動ロッド22の上下動作が前記針振り駆動リンク7に伝達されると、針振り支持リンク8の揺動動作により前記針振り駆動リンク7が水平方向に移動され、これにより、前記ジョイント8を介して前記針振り軸5が軸方向に移動され、針振り腕4を介して針棒3が布送り方向に対して直交する横方向たる水平方向に移動されて針振り動作が行なわれ、千鳥縫いなどの所望の針振り模様を形成することができるようになっている。
【0010】
ところで、従来のミシンの針振り装置において、針振り模様として、例えば、図49に示す2点千鳥模様や、図50に示す4点千鳥模様などの異なる針振り模様を形成する場合には、針振りカム13を交換することや、針振りカム13の交換のみならず針振りカム13を回転させるカム駆動軸11の回転比を制御するカム駆動ギア15をも交換することにより行われている。
【0011】
したがって、針振り模様を変更する場合には、前記カムカバー14を取外してナットなどを取外すことにより、前記針振りカム13を取外し、所望の形状を有するカム溝12が形成された針振りカム13に交換する交換作業を必要とし、この交換作業を行うためには、関連部品の分解および組み付けに多大な労力と時間ならびに熟練を要するという問題点があった。
【0012】
そこで、針振りカム13を交換することなく異なる針振り模様を容易に形成することのできるミシンの針振り模様切換装置が提案されている。
【0013】
図51は針振りカム13を交換することなく異なる針振り模様を容易に形成することのできる従来のミシンの針振り模様切換装置の一例を示したもので、ミシン本体1の内壁には、このミシン本体1の前後方向に延在し図示しない下軸の回転により駆動伝達機構を介して回転駆動されるカム駆動軸11が軸支されており、このカム駆動軸11の後端部には、両面側に所望形状のカム溝12a,12bが形成された針振りカム13がねじ24により取り付けられている。これらの各カム溝12a,12bは、所望の針振り模様、例えば一方のカム溝12aが図49に示す2点千鳥模様を形成し、他方のカム溝12bが図50に示す4点千鳥模様を形成するように異なるカム形状に形成されており、これらの各カム溝12a,12bとしては、比較的頻繁に使用する針振り模様を形成できる2種類のカム形状が選択されている。
【0014】
また、前記ミシン本体1の内壁には、針振り駆動軸20がカム駆動軸11と平行に延在するようにして回転自在に軸支されており、この針振り駆動軸20の一端部には、カム体25が遊嵌されている。前記針振り駆動軸20の外周には、軸方向に延在するキー溝26が形成されており、このキー溝26には、滑りキーと称されるキー27が取着されている。前記カム体25の内周には、前記キー27に対して摺動移動可能に嵌合するキー溝28が形成されている。そして、前記カム体25の回動動作により前記針振り駆動軸20が一体に回動されるようになされている。
【0015】
前記キー溝28、キー27およびキー溝26により、カム体25の動作を針振り駆動軸20を回動動作させるように伝達可能な針振り駆動軸駆動機構29が形成されている。
【0016】
また、前記カム体25の両端部には、前記針振りカム13側に突出するカム腕18a,18bがそれぞれ一体に形成されており、これら各カム腕18a,18bの先端部には、互いに対向する側に突出する支持軸30が取付けられている。また、この支持軸30には、前記針振りカム13の各カム溝12a,12bに係合されるカムコロ19a,19bが装着されており、前記各カムコロ19a,19bは、一方のカムコロ19aが一面側のカム溝12aに係合している状態では、他方のカムコロ19bが他面側のカム溝12bに係合しないように形成されている。
【0017】
また、前記カム体25の一端面には、外周に雄ねじが形成されたねじ軸31が前記針振り駆動軸20と同軸となるように一体に形成されており、このねじ軸31は、前記ミシン本体1の内壁に取付けられた支持板32により回転自在に支持されている。前記ねじ軸31の外周側には、前記支持板32を内側から貫通するようにして針振り模様を変更する際に前記カム体25を軸方向に移動させる移動機構33としての回転ブッシュ34が螺合されており、この回転ブッシュ34の前記支持板32の外側部分には、切換ダイヤル35が固着されている。この切換ダイヤル35により前記回転ブッシュ34が支持板32に対して軸方向に移動しないようになされている。さらに、前記ねじ軸31の先端部には、ロックナット36が螺合されている。また、前記支持板32には、前記針振りカム13を被覆するカムカバー14が取付けられている。その他の構成は前記従来のミシンの針振り装置と同様であるためその説明は省略する。
【0018】
このようなミシンの針振り模様切換装置において、針振り動作を変更する場合は、前記ロックナット36を緩めた状態で、前記切換ダイヤル35を回転操作して前記移動機構33としての回転ブッシュ34を回転させる。このとき、前記回転ブッシュ34は、支持板32に支持されて軸方向には移動しないので、前記ねじ軸31のみが軸方向に移動され、これにより、前記カム体25が針振り駆動軸20に沿って移動される。そして、針振りカム13の一方のカム溝12aに係合していたカムコロ19aの係合が解除され、他方のカムコロ19bがカム溝12bに係合されることになる。
【0019】
そして、針振りカム13を回転駆動させることにより、カム溝12bの異なるカム形状による異なる針振り動作により針棒を駆動することができ、異なる針振り模様を容易に形成することができる。
【0020】
すなわち、針振りカム13に2つのカム溝12a,12bを形成して、切換ダイヤル35により回転ブッシュ34を回転させてねじ軸31を介してカム体25を軸方向に移動させることにより、前記カム腕18a,18bの各カムコロ19a,19bを各カム溝12a,12bに選択的に係合させることができるようにしているので、1つの針振りカム13により2種類の針振り模様を形成することができ、切換ダイヤル35の回転操作により容易に針振り模様を切換えることができるようになっている。
【0021】
なお、従来のミシンの針振り模様切換装置としては、カム溝12a,12bカム溝を形成した針振りカム13のかわりに、図示しない外周面に異なるカム面を形成した共役カムからなる針振りカムを用いたものも提案されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のミシンの針振り模様切換装置においては、針振り模様を変更する構成に起因して多種多様の問題点が生じていた。
【0023】
例えば、針振り模様を変更する際、針振り駆動軸駆動機構29を構成する前記カム体25の内周に形成されたキー溝28を針振り駆動軸20の外周に形成されたキー溝26に取着された軸方向に延在するキー27に沿って摺動移動させる構成とされているので、カム体25を軸方向へ円滑に移動させることができないという問題点があった。
【0024】
さらに、前記針振りカム13の各カム溝12a,12bに追随動作する前記カム体25の動作により前記針振り駆動軸20を揺動動作させるように伝達可能とされている駆動軸駆動機構29を構成するキー溝26、キー27およびキー溝28は、それぞれの加工精度を高精度とするのが多大な加工時間と経済的負担などを要するという理由などにより非現実的であるため、カム体25と針振り駆動軸20との間に、針振り駆動軸20の回転方向へのガタが生じ、このガタは増幅されて針棒3に伝達されていわゆる針棒左右ガタとなり、縫製品質を低下させるという問題点があった。
【0025】
また、前記カム体25と針振り駆動軸20との間のガタの発生は、針振りカム13が回転駆動してカム体25のカム腕18の揺動運動を針振り駆動軸20に伝達する毎、すなわち、縫製動作を行う毎にキー27に対して多大な過負荷、詳しくは衝撃によるせん断荷重を加えることになり、キー27が折損する場合があるという問題点があった。
【0026】
さらに、針振り模様を変更する際には、カム体25を針振り駆動軸20に沿って移動させて、例えば、針振りカム13のカム溝12aに係合している一方のカムコロ19aの係合を解除し、被係合状態に位置する他方のカムコロ19bを他方のカム溝12bに係合するように構成されているので、図52に示すように、針振り模様を変更する際の針振りカム13の切換ポイントSPは、各カム溝12a,12bに対して各カムコロ19a,19bが共通して係合可能な位置で行うことになっている。しかしながら、この針振りカム13の切換ポイントSP、すなわち、針振りカム13の各カム溝12a,12bに各カムコロ19a,19bが選択的に係合可能な各カムコロ19a,19bの位置に対する針振りカム13の切換可能な位相が不明瞭で容易に確認することができないため、針振り模様を変更する際に、作業者が針振りカム13の切換可能な位相である針振りカム13の切換ポイントSPを見つけるのに、幸運に恵まれた極まれな場合を除いて、多大な労力と時間と熟練などを要する場合が大多数を占め、針振り模様を変更する際の作業性に劣るという問題点があった。
【0027】
また、前記カム体25と針振り駆動軸20との間のガタの発生は、各カムコロ19a,19bの位置を変動させることになり、針振り模様を変更する際の針振りカム13の切換ポイントSPを見つけるのに要する労力と時間とをより増加させるという問題点があった。
【0028】
さらにまた、針振り模様を変更する際には、カム体25を針振り駆動軸20に沿って移動させて、例えば、針振りカム13のカム溝12aに係合している一方のカムコロ19aの係合を解除し、被係合状態に位置する他方のカムコロ19bを他方のカム溝12bに係合するように構成されているので、針振り模様を変更する際に、針振り模様の変更動作の途中で、図53に示すように、各カム溝12a,12bに各カムコロ19a,19bが共に係合した状態となる。このため、作業者の手違いなどにより前記カム体25の針振り駆動軸20に沿う移動が不十分の場合には、図53に示すように、各カム溝12a,12bに各カムコロ19a,19bが共に係合した状態でミシンが駆動されて装置の少なくとも一部が破損する場合があるという問題点があった。
【0029】
また、共役カムからなる針振りカムを用いたものにおいても同様の問題点があった。
【0030】
そこで、針振り模様を容易かつ適正に変更することのできるミシンの針振り模様切換装置が望まれている。
【0031】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を容易かつ適正に変更することのできるミシンの針振り模様切換装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
説明の便宜上、各構成要素に対応する代表的な実施形態の符号を付して説明する。
【0033】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、回転駆動可能なカム駆動軸11と、このカム駆動軸11に取着され両面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム溝12a,12bを形成した針振りカム13と、前記カム駆動軸11と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸20と、前記針振りカム13の各カム溝12a,12bにそれぞれ選択的に係合される1対のカムコロ19a,19bを設けた1対のカム腕18a,18bを具備し前記針振り駆動軸20に軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体50と、基端部が前記針振り駆動軸20に取着され前記針振り駆動軸20の運動を駆動ロッド22に伝達する針振り駆動腕21とを有し、前記針振りカム13を交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置40において、前記針振り駆動軸20および前記カム体13の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸20の軸方向に平行なガイド軸48と、前記針振り駆動軸20および前記カム体50の少なくとも他方に配設され前記ガイド軸48が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64とを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイド軸48とこのガイド軸48が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64とは、カム体50を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸48およびガイド孔64は、カム体50が針振り駆動軸20を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50と針振り駆動軸20との間に生じる針振り駆動軸20の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸48とこのガイド軸48が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64とは、針振り駆動軸20に取着されたカム体50が針振り駆動軸20上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20とカム体50との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0035】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40D,40Hの特徴は、回転駆動可能なカム駆動軸11,11Hと、このカム駆動軸11,11Hに取着され両面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム溝12a,12b,12Ga,12Gbを形成した針振りカム13,13Gと、前記カム駆動軸11,11Hと平行に配設され回転可能な針振り駆動軸20,20Hと、前記針振りカム13,13Gの各カム溝12a,12b,12Ga,12Gbにそれぞれ選択的に係合される1対のカムコロ19a,19b,を設けた1対のカム腕18a,18bを具備し前記針振り駆動軸20,20Hに軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体50D,50Hと、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸20,20Hの運動を駆動ロッド22に伝達する針振り駆動腕21,21Hとを有し、前記針振りカム13,13Gを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置40D,40Hにおいて、前記針振り駆動腕21,21Hおよび前記カム体50D,50Hの少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸20,20Hの軸方向に平行なガイド軸48,48Hと、前記針振り駆動腕21,21Hおよび前記カム体50D,50Hの少なくとも他方に配設され前記ガイド軸48,48Hが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64,64Hとを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイド軸48,48Hとこのガイド軸48,48Hが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64,64Hとは、カム体50D,50Hを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸48,48Hおよびガイド孔64,64Hは、カム体50D,50Hが針振り駆動軸20,20Hを中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50D,50Hと針振り駆動軸20,20Hとの間に生じる針振り駆動軸20,20Hの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸48,48Hとこのガイド軸48,48Hが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64,64Hとは、針振り駆動軸20,20Hに取着されたカム体50D,50Hが針振り駆動軸20,20H上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20,20Hとカム体50D,50Hとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0036】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1または請求項2において、針振り模様を変更する際に、前記カム体50を前記針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中で、前記1対のカムコロ19a,19bが前記1対のカム溝12a,12bの何れとも係合しない非係合状態を有するように形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、作業者の手違いなどによるカム体50の移動が不十分な場合に1対のカムコロ19a,19bが1対のカム溝12a,12bの何れとも係合しない非係合状態とすることができ、その結果、作業者の手違いなどによるカム体50の移動が不十分な場合における装置の破損を容易に防止することができる。
【0037】
また、特許請求の範囲の請求項4に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Bの特徴は、請求項1または請求項2において、針振り模様を変更する際に、前記カム体50Bを前記針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中で、前記1対のカムコロ19a,19bの何れか一方が前記1対のカム溝12a,12bの何れか一方に係合するように形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振り模様を変更する際のカム体50Bの移動量を少なくすることができるとともに、カム体50Bの移動方向への長さを短くすることができ、その結果、装置の小型化および軽量化を容易に図ることができる。
【0038】
また、特許請求の範囲の請求項5に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか1項において、前記カム体50に、このカム体50を前記針振り駆動軸20に固定する固定手段57を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、固定手段57は、針振り駆動軸20上を移動するカム体50の位置を制御することができるとともにカム体50が針振り駆動軸20を中心として回転するのをより確実に防止することができる。さらに、固定手段57は、カム体50と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸20の回転方向へのガタを確実に防止して針棒左右ガタをなくすことができ、その結果、縫製品質をより向上させることができる。
【0039】
また、特許請求の範囲の請求項6に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1乃至請求項5の何れか1項において、前記カム体50の軸方向への移動位置を規制するカム体位置決め手段49を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、カム体位置決め手段49は、作業者による針振り模様を変更する際のカム体50の移動位置の位置決めを容易かつ確実にすることができる。
【0040】
また、特許請求の範囲の請求項7に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Jの特徴は、回転駆動可能なカム駆動軸11Jと、このカム駆動軸11Jに取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbをそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカム13JA,13JBと、前記カム駆動軸11Jと平行に配設され回転可能な針振り駆動軸20Jと、前記各針振りカム13JA,13JBのカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbに選択的に当接される1対のカムコロ19Ja,19Jbを設けたカム腕18Ja,18Jbを具備し前記針振り駆動軸20Jに軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体50Jと、基端部が前記針振り駆動軸20Jに取着され前記針振り駆動軸20Jの運動を駆動ロッド22Jに伝達する針振り駆動腕21Jとを有し、前記針振りカム13JA,13JBを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置40Jにおいて、前記針振り駆動軸20Jおよび前記カム体13JA,13JBの少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸20Jの軸方向に平行なガイド軸48Jと、前記針振り駆動軸20Jおよび前記カム体13JA,13JBの少なくとも他方に配設され前記ガイド軸48Jが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Jとを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイド軸48Jとこのガイド軸48Jが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Jとは、カム体50Jを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸48Jおよびガイド孔64Jは、カム体13JA,13JBが針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50Jと針振り駆動軸20Jとの間に生じる針振り駆動軸20Jの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸48Jとこのガイド軸48Jが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Jとは、針振り駆動軸20Jに取着されたカム体50Jが針振り駆動軸20J上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Jとカム体50Jとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0041】
また、特許請求の範囲の請求項8に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Kの特徴は、回転駆動可能なカム駆動軸11Jと、このカム駆動軸11Jに取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbをそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカム13JA,13JBと、前記カム駆動軸11Jと平行に配設され回転可能な針振り駆動軸20Kと、前記各針振りカム13JA,13JBのカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbに選択的に当接される1対のカムコロ19Ja,19Jbを設けたカム腕18Ja,18Jbを具備し前記針振り駆動軸20Kに軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体50Kと、基端部が前記針振り駆動軸20Kに取着され前記針振り駆動軸20Kの運動を駆動ロッド22Jに伝達する針振り駆動腕21Jとを有し、前記針振りカム13JA,13JBを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置40Kにおいて、前記針振り駆動軸20Kの外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部81Kと、前記カム体50Kに配設され前記平面部81Kに摺動可能に当接する平坦面82Kを具備するストッパ83Kとを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振り駆動軸20Kの外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部81Kを、カム体50Kに配設されたストッパ83Kの平坦面82Kが摺動するので、カム体50Kを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、平面部81Kにストッパ83Kの平坦面82Kを摺動可能に当接することにより、カム体50Kが針振り駆動軸20Kを中心として回転するのを防止することができるとともに、高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50Kと針振り駆動軸20Kとの間に生じる針振り駆動軸20Kの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、平面部81Kとこの平面部81Kに摺動可能に当接するストッパ83Kの平坦面82Kとは、針振り駆動軸20Kに取着されたカム体50Kが針振り駆動軸20K上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Kとカム体50Kとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0042】
また、特許請求の範囲の請求項9に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Lの特徴は、回転駆動可能なカム駆動軸11Jと、このカム駆動軸11Jに取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbをそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカム13JA,13JBと、前記カム駆動軸11Jと平行に配設され回転可能な針振り駆動軸20Jと、前記各針振りカム13JA,13JBのカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbに選択的に当接される1対のカムコロ19Ja,19Jbを設けたカム腕18La,18Lbを具備し前記針振り駆動軸20Jに軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体50Lと、基端部が前記針振り駆動軸20Jに取着され前記針振り駆動軸20Jの運動を駆動ロッド22Jに伝達する針振り駆動腕21Jとを有し、前記針振りカム13JA,13JBを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置40Lにおいて、前記針振り駆動軸20Lに取着されたガイド腕135Lと、このガイド腕135Lおよび前記カム体50Lの少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸20Jの軸方向に平行なガイド軸48Lと、前記ガイド腕135Lおよび前記カム体50Lの少なくとも他方に配設され前記ガイド軸48Lが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Lとを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイド軸48Lとこのガイド軸48Lが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Lとは、カム体50Lを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸48Lおよびガイド孔64Lは、カム体50Lが針振り駆動軸20Jを中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50Lと針振り駆動軸20Jとの間に生じる針振り駆動軸20Jの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸48Lとこのガイド軸48Lが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Lとは、針振り駆動軸20Jに取着されたカム体50Lが針振り駆動軸20J上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Jとカム体50Lとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0043】
また、特許請求の範囲の請求項10に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Mの特徴は、回転駆動可能なカム駆動軸11Jと、このカム駆動軸11Jに取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面120MAa,120MAb,120MBa,120MBbをそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカム13MA,13MBと、前記カム駆動軸11Jと平行に配設され回転可能な針振り駆動軸20Mと、前記各針振りカム13MA,13MBのカム面120MAa,120MAb,120MBa,120MBbに当接される1対のカムコロ19MAa,19MAb,19MBa,19MBbを設けたカム腕18MAa,18MAb,18MBa,18MBbを具備し前記針振り駆動軸20Mに回転自在に取着された複数のカム体50MA,50MBと、基端部が前記針振り駆動軸20Mに取着され前記針振り駆動軸20Mの運動を駆動ロッド22Jに伝達する針振り駆動腕21Jとを有し、前記針振りカム13MA,13MBを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置40Mにおいて、前記針振り駆動軸20Mに軸方向に移動可能に取着されたガイド腕135Mと、このガイド腕135Mおよび前記複数のカム体50MA,50MBの少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸20Mの軸方向に平行なガイド軸48Mと、前記ガイド腕135Mおよび前記複数のカム体50MA,50MBの少なくとも他方に配設され前記ガイド軸48Mが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Mとを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイド軸48Mとこのガイド軸48Mが軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔64Mとは、カム体50MA,50MBによる揺動運動を針振り駆動軸20Mに確実かつ容易に伝達することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド軸48Mとガイド孔64Mとの間に生じる針振り駆動軸20Mの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。
【0044】
また、特許請求の範囲の請求項11に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Nの特徴は、請求項10において、前記針振り駆動軸20Mおよび前記ガイド腕135Mの少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸20Mの軸方向に平行な第2ガイド軸138と、前記針振り駆動軸20Mおよび前記ガイド腕135Mの少なくとも他方に配設され前記第2ガイド軸138が軸方向に移動可能に嵌合される第2ガイド孔139とを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、第2ガイド軸138とこの第2ガイド軸138が軸方向に移動可能に嵌合される第2ガイド孔139とは、ガイド腕135Mを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、第2ガイド軸138および第2ガイド孔139は、ガイド腕135Mが針振り駆動軸20Mを中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド腕135Mと針振り駆動軸20Mとの間に生じる針振り駆動軸20Mの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、第2ガイド軸138とこの第2ガイド軸138が軸方向に移動可能に嵌合される第2ガイド孔139とは、針振り駆動軸20Mに取着されたカム腕135Mが針振り駆動軸20M上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Mとガイド腕135Mとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0045】
また、特許請求の範囲の請求項12に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Pの特徴は、請求項10において、前記針振り駆動軸20Pの外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部81Pと、前記ガイド腕135Pに配設され前記平面部81Pに摺動可能に当接する平坦面82Pを具備するストッパ83Pとを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振り駆動軸20Pの外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部81Pを、ガイド腕135Pに配設されたストッパ83Pの平坦面82Pが摺動するので、ガイド腕135Pを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、平面部81Pにストッパ83Pの平坦面82Pを摺動可能に当接することにより、ガイド腕135Pが針振り駆動軸20Pを中心として回転するのを防止することができるとともに、高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド腕135Pと針振り駆動軸20Pとの間に生じる針振り駆動軸20Pの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、平面部81Pとこの平面部81Pに摺動可能に当接するストッパ83Pの平坦面82Pとは、針振り駆動軸20Pに取着されたガイド腕135Pが針振り駆動軸20P上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Pとガイド腕135Pとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0046】
また、特許請求の範囲の請求項13に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1乃至請求項12の何れか1項において、針振り模様を変更する際に、前記針振りカム13の切換可能な位相を表示する切換位置表示手段43を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、切換位置表示手段43は、針振り模様を変更する際の針振りカム13の切換位置を容易に表示することができるので、作業者が針振りカム13の切換位置を容易に確認することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を向上させることができる。
【0047】
また、特許請求の範囲の請求項14に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置の特徴は、請求項13において、前記切換位置表示手段43は、前記針振りカム13、前記カム駆動軸11および上軸プーリ10からなる群から選ばれた少なくとも一つに設けた可動合マーク44と、前記針振りカム13をミシン外方から覆うカムカバー14、前記カム体50、前記針振りカム13に隣位するミシン本体1の内部および前記上軸プーリ10近傍のミシン本体1からなる群から選ばれた少なくとも一つに設けた固定合マーク72との組み合わせにより形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、切換位置表示手段43は、針振り模様を変更する際の針振りカム13の切換位置をより容易かつ正確に表示することができるので、作業者が針振りカム13の切換位置をより容易かつ正確に確認することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができる。さらに、切換位置表示手段43を、上軸プーリ10に設けた可動合マーク44とミシン本体1に設けた固定合マーク72との組み合わせにより形成した場合には、針振り模様を変更する際の針振りカム13の切換位置をさらに容易かつ正確に表示することができる。
【0048】
また、特許請求の範囲の請求項15に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1乃至請求項9の何れか1項において、前記カム体50を軸方向に移動させる移動機構63を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、移動機構63はカム体50を軸方向に容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性を向上することができるとともに、作業者の労力を低減することができる。
【0049】
また、特許請求の範囲の請求項16に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Mの特徴は、請求項10乃至請求項12の何れか1項において、前記ガイド腕135Mを軸方向に移動させるガイド腕移動機構145を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ガイド腕移動機構145はガイド腕135Mを軸方向に容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性を向上することができるとともに、作業者の労力を低減することができる。
【0050】
また、特許請求の範囲の請求項17に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40E,40Mの特徴は、請求項15または請求項16において、前記移動機構63Eおよびガイド腕移動機構145にミシン外部から操作可能な操作部62E,62Mを設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、操作部62E,62Mは、ミシン外部からカム体50およびガイド腕135Mを軸方向により容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をより向上することができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0051】
また、特許請求の範囲の請求項18に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40E,42Mの特徴は、請求項17において、前記操作部62E,62Mをミシン本体1Eの脚柱部101に配設した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、操作部62E,62Mは、ミシン外部からカム体50Eおよびガイド腕135Mを軸方向によりさらに容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をよりさらに向上することができるとともに、作業者の労力をよりさらに低減することができる。
【0052】
また、特許請求の範囲の請求項19に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Eの特徴は、請求項17または請求項18において、切換レバー59Eの操作に連動して移動する位置決めピン108と、この位置決めピン108が嵌合する1対の凹部109a,109bとを有し、前記位置決めピン108は前記凹部109a,109bに嵌合する方向に常時付勢されており、前記1対の凹部109a,109b間の渡り部分110は、各凹部109a,109bに一端を連接させて傾斜する1対の斜面110a,110bからなる断面三角形状に形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、位置決めピン108を斜面110a,110bに沿ってスライドさせることにより前記凹部109a,109bに確実に案内することが可能となる。このように形成することにより、前記位置決めピン108が中途半端な位置にあってカム体50Eの位置が固定されない状態でミシンが駆動され、結果としてカム等を破損するような事故を防止することができる。
【0053】
また、特許請求の範囲の請求項20に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Eの特徴は、請求項19において、前記各凹部109a,109bの底部に位置決めピン108の有無を検出するスイッチSW1,SW2をそれぞれ設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、スイッチSW1,SW2のうち、スイッチSWがON状態とされたことを検出したいずれか一方の針振り模様について、ミシンモータ駆動回路96を介してミシンモータ97の駆動制御を行うことにより、カム等を破損するような事故を防止し、安全をより確保することができる。
【0054】
また、特許請求の範囲の請求項21に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Cの特徴は、請求項15において、前記移動機構63を駆動する駆動手段91と、前記針振りカム13の切換可能な位相を示す切換位置マーカ92と、この切換位置マーカ92を検出するための検出手段93と、針振り模様を変更する際に前記検出手段93が前記切換位置マーカ92を検出した場合に前記駆動手段91により前記移動機構63を動作させて前記カム体50を所望の針振り模様を得るように移動させる針振り模様切換制御部94とを有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振り模様を変更する際に、検出手段93が換位置マーカ92を検出すると駆動手段91が移動機構63を駆動して針振り模様を自動的に変更することができるので、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0055】
また、特許請求の範囲の請求項22に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Mの特徴は、請求項16において、前記ガイド腕移動機構145を駆動する駆動手段と、前記針振りカム13MA,13MBの切換可能な位相を示す切換位置マーカ92と、この切換位置マーカ92を検出するための検出手段93と、針振り模様を変更する際に前記検出手段93が前記切換位置マーカ92を検出した場合に前記駆動手段により前記ガイド腕移動機構145を動作させて前記ガイド腕135Mを所望の針振り模様を得るように移動させる針振り模様切換制御部とを有する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振り模様を変更する際に、検出手段93が換位置マーカ92を検出すると駆動手段がガイド腕移動機構145を駆動して針振り模様を自動的に変更することができるので、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0056】
また、特許請求の範囲の請求項23に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項21または請求項22において、縫製可能な針り振り模様を表示する針振り模様表示手段100を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振り模様表示手段100は、縫製動作に用いる針振り模様を表示することができるので、作業者は縫製動作に用いる針振り模様を容易に判別することができる。
【0057】
また、特許請求の範囲の請求項24に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1乃至請求項23の何れか1項において、前記カム13の上方に、給油ポンプによって予め吸い上げられた油を前記カム13に形成されたカム部としての各カム溝12a,12bに嵌合しうるカムフロアとしてのカムコロ19a,19bに対してそれぞれ滴下可能に形成された油滴供給手段73を設けた点にある。そして、このような構成を採用したことにより、油滴給油手段73により前記カムフロアとしてのカムコロ19a,19bに対して上方から滴下して強制油滴給油することで、カムコロ19a,19bを介してカム溝13a,13b内にも確実に給油し、油を保持することができるので、カムコロ19a,19bとカム溝13a,13bとの摺動による摩耗を防止することができる。
【0058】
また、特許請求の範囲の請求項25に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置の特徴40は、請求項1乃至請求項24の何れか1項において、前記カム溝12a,12bは、その縁部を面取り処理して形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、前記カムコロ19a,19bがカム溝12a,12bに対して係合し易いものとすることができる。
【0059】
また、特許請求の範囲の請求項26に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40F,40Jの特徴は、請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項において、前記針振りカム13F,13JA,13JBを、異なる形状のカム溝12Fa,12Fbあるいはカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbにより異なる針振り模様を形成する際の1回転当たりの針数がそれぞれの針振り模様の1パターンを形成するのに必要な針数の最小公倍数となるように形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振りカム13F,13JA,13JBの1回転当たりの針数が最も少なくなるので、針振りカム13F,13JA,13JBに形成する異なる形状のカム溝12Fa,12Fbあるいはカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbを最も円滑にすることができ、その結果、針振りカム13F,13JA,13JBが回転した際のカム溝12Fa,12Fbあるいはカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbと、カムコロ19a,19b,19Ja,19Jbとの接触による騒音および振動を低減することができる。
【0060】
また、特許請求の範囲の請求項27に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40G,40Jの特徴は、請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項において、前記針振りカム12G,13JA,13JBを、異なる形状のカム溝12Ga,12Gbあるいはカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbにより形成する異なる針振り模様のそれぞれの最大針振り幅が一致するように形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振りカム12G,13JA,13JBの切換ポイントSPにおける切換許容範囲が拡大するので、針振り模様を変更する際の作業性を容易に向上することができる。
【0061】
また、特許請求の範囲の請求項28に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40Iの特徴は、請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項において、前記針振りカム13Gを、ミシン本体1Iの内部の下軸37より前面側FSに配設した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、針振りカム13Gが作業者が操作を行う前面側FSに近づくので、針振り模様を変更する際に作業者が前面側FSから操作することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を向上することができる。
【0062】
また、特許請求の範囲の請求項29に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置40の特徴は、請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項において、前記針振りカム13の針振り模様を変更する際の切換可能な位相を、針振り幅方向の少なくとも一端の針落ち位置に設定した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、作業者は、針落ち位置が針振り幅方向の少なくとも一端に位置したのを視認によって容易に判別することができるので、針振り模様を変更する際に、作業者が針落ち位置を針振り幅方向の少なくとも一端に位置させるという簡単な操作で、針振りカム13を針振りカム13の切換可能な位相である針振りカム13の切換ポイントSPに容易に位置させることができる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態により説明する。
【0064】
図1から図8は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第1実施形態を示すものであり、図1はミシンの裏面側から見て示す要部の一部省略正面図であり、図2は図1の一部省略平面図であり、図3は図1のカム溝を示す拡大図であり、図4はカム体の基端部近傍を示す正面図であり、図5はカム体の移動途中を示す図2と同様の図であり、図6は図2の省略側面図であり、図7は切換位置表示手段の他例の要部を示す説明図であり、図8は図1の油滴給油手段を示す説明図である。なお、前述した従来のものと同一乃至相当する構成については図面中に同一の符号を付しその詳しい説明は省略する。
【0065】
図1および図2に示すように、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40は、図1および図2に示すミシン本体1の図2上下に示す前後方向に延在し、下軸37(図35)の回転により駆動力伝達機構を介して回転駆動されるカム駆動軸11が軸受41を介してミシン本体1の内壁に水平に回転自在に支持されている。このカム駆動軸11の図2下方に示す後面側BSに位置する後端部には、両面にそれぞれ異なる形状のカム溝12a,12bが形成された針振りカム13が配設されている。この針振りカム13の図2上方に示す操作側たる前面側FSには、図2に示すように、カム受け42が複数のねじ24(一部のみ図示)によって取着されており、このカム受け42を図示しない止めねじによりカム駆動軸11の所望の位置に固着することにより、針振りカム13がカム駆動軸11の所定の位置に固定されるようになっている。そして、ねじ24は、針振りカム13をミシン外方から覆う、詳しくは、本実施形態においては、針振りカム13を後面側BSから覆うようにして配設されたカムカバー14を取り外すことにより操作可能になっている。すなわち、針振りカム13は、カム受け42にねじ24により単独で着脱可能に固定されており、ねじ24を着脱することにより容易に交換可能に形成されている。また、カム駆動軸11の後端面には、図1に示すように、針振りカム13の切換可能な位相である切換ポイントSPの位置を表示する切換表示手段43の一部を構成する可動合マーク44が設けられている。
【0066】
前記針振りカム13の図2上方に示す前面側FSに位置する一方のカム溝12aは、例えば、図49に示す2点千鳥模様などの比較的頻繁に使用する使用頻度の高い針振り模様を形成できるカム形状とされており、図2下方に示す後面側BSに位置する他方のカム溝12bは、例えば、図50に示す4点千鳥模様などの前記2点千鳥模様についで使用頻度の高い針振り模様を形成できるカム形状とされている。なお、針振りカム13の両面に形成するカム溝12a,12bは、比較的頻繁に使用する使用頻度の高い針振り模様を形成できる2種類のカム形状を選択すればよい。
【0067】
また、前記カム溝12a,12bは、図3に示すようにその縁部を面取り処理して形成することにより、カムコロ19a,19bの先端部がカム溝12a,12bの縁部に引掛かることを防止して、前記カムコロ19a,19bがカム溝12a,12bに対して係合し易いものとすることができる。なお、前記面取り処理はカム溝12a,12bの全周に亘ってなされている必要はなく、最低限、前記切換ポイントSP部分が処理されていれば目的を達成することができる。
【0068】
前記ミシン本体1の内壁には、前記カム駆動軸11と平行に延在する針振り駆動軸20が軸受45を介して回転自在に軸支されており、この針振り駆動軸20の図2下方に示す後端面には、ガイド板46の基端部が図示しない回り止めを重ねてねじ47により固定されている。このガイド板46の図1右斜め上方に向かって延出された先細の先端部近傍には、針振り駆動軸20の軸方向に平行に延在するように先端が前面側FSに向かって板厚方向に突出するガイド軸48が固着されている。さらに、針振り駆動軸20の外周面には、図2に示すように、後述するカム体50の移動位置を規制するためのカム体位置決め手段49としての1対の位置決めピン49a,49bが所望の間隔を隔てて立設されている。
【0069】
前記針振り駆動軸20の図2下方に示す後面側BSに位置する後端部近傍の外周面には、カム体50の基部51が配設されている。このカム体50の基部51には、図4に示すように、針振り駆動軸20の外周面に遊嵌される取付孔52が形成されている。そして、図4に示すように、カム体50の基部51の下部には、上端が取付孔52に接続し下端がカム体50の基部51の下部外表面に接続するようにして取付孔52の軸方向に平行に延在するスリ割りと称される所定幅のスリット53が軸方向に沿って形成されている。さらに、カム体50の基部51の図2上下に示すカム体50の移動方向への長さ方向のほぼ中央位置のスリット53の左側には、雌ねじ54が形成されており、スリット52の右側には、ボルト孔55が前記雌ねじ54と同軸に形成されている。そして、図1に示すように、前記針振り駆動軸20の後端部近傍の外周面にカム体50の基部51に形成した取付孔52を遊嵌したうえで、ボルト孔55側から所定の抱き締めねじ56を雌ねじ53に螺合させることにより、スリット53の間隔を狭めて取付孔52を縮径させ、その結果、針振り駆動軸20の所定位置にカム体50を固定することができるようになっている。また、雌ねじ54に螺合している抱き締めねじ56を緩めることにより、スリット53の間隔を拡大して取付孔52を拡径させて、針振り駆動軸20の外周面に対して取付孔52を遊嵌状態とし、その結果、カム体50を針振り駆動軸20の外周面に沿って軸方向に容易に移動させることができるようになっている。したがって、カム体50は針振り駆動軸20をいわゆる抱き締めするように形成されている。
【0070】
前記スリット53、雌ねじ54、ボルト孔55および抱き締めねじ56により、本実施形態のカム体50を針振り駆動軸20に固定可能な固定手段57が構成されている。
【0071】
なお、固定手段57は、設計コンセプトやミシンの構成などの必要に応じて設ければよく、例えば、針振り模様を自動的に変更する場合、すなわち、カム体50を針振り駆動軸20の外周面に沿って自動的に移動させる場合などにおいては固定手段57を設けない構成が好ましい。
【0072】
前記カム体50の基部51の上面には、図1および図2に示すように、上部および右端部が開口とされた平面ほぼ横U字形状の作動溝58が形成されており、この作動溝58には、カム体50の基部51の上方にミシン本体1の内壁などによって回転可能に支持された切換レバー59の図1下方に示す作動腕60の先端部下面に突設された作動ピン61が嵌合されている。この切換レバー59の上部には、操作部としてのほぼ水平の駆動腕62が配設されている。
【0073】
前記作動溝58および切換レバー59により、本実施形態の針振り模様を変更する際にカム体50を軸方向に移動させる移動機構63が構成されている。
【0074】
すなわち、針振り模様を変更する際には、人手などにより駆動腕62を操作することにより、作動ピン61が切換レバー59の基部59aを中心にして回転し、カム体50を針振り駆動軸20の軸方向に移動させることができるようになっている。
【0075】
なお、操作部としての駆動腕62の配設位置は、設計コンセプトやミシンの構成などの必要に応じて決定すればよく、ミシン本体1の内部であっても、ミシン本体1の外部にであってもどちらでもよい。
【0076】
図4に示すように、前記カム体50の基部51の取付孔52の右斜め上方には、ガイド孔64が形成されており、このガイド孔64には、図1および図2に示すガイド軸48が軸方向に移動可能に嵌合されている。
【0077】
図2に示すように、前記カム体50の両端部には、前記針振りカム13側に突出する1対のカム腕18a,18bが一体に形成されており、これら各カム腕18a,18bの先端部には、前記針振りカム13の各カム溝12a,12bに係合されるカムコロ19a,19bがそれぞれの先端を対向するようにして突設されており、前記各カムコロ19a,19bは、一方のカムコロ19aが前面側FSに位置する一面側のカム溝12aに係合している状態では、他方のカムコロ19bが後面側BSに位置する他面側のカム溝12bに係合しないように形成されている。さらに、各カムコロ19a,19bの相互間の間隔は、前記移動機構63により前記カム体50を前記針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中で、図5に示すように、前記各カムコロ19a,19bが前記各カム溝カム溝12a,12bの何れとも係合しないニュートラル状態と称される非係合状態を有するように広く形成されている。
【0078】
図1および図2に示すように、前記カム体50の基部51の右方に位置するミシン本体1の内壁には、針振りカム13の1対のカム溝12a,12bの何れか一方に前記1対のカムコロ19a,19bの何れか一方が選択的に係合された位置においてのみ前記固定手段57を構成する抱き締めねじ56を操作する図示しないドライバーあるいはスパナなどの作業工具が挿通可能な1対の操作孔66a,66bが形成されている。すなわち、カム溝12aにカムコロ19aを係合した状態においては、図6に示すように、後面側BSに位置する操作孔66aの延長線上に抱き締めねじ56が位置しており、この操作孔66aを介してのみ抱き締めねじ56を操作することができるように形成されている。また、カム溝12bにカムコロ19bを係合した状態においては、前面側FSに位置する操作孔66bを介してのみ抱き締めねじ56を操作することができるように形成されている。
【0079】
また、図1に示すように、前記カム体50の基部51の左方には、抱き締めねじ56の先端に対向するようにして、少なくとも抱き締めねじ56の先端の移動領域とほぼ同等の長さとされたねじ位置規制部材67が配設されている。このねじ位置規制部材67は、針振りカム13の各カム溝12a,12bに前記1対のカムコロ19a,19bのうちの何れか一方が選択的に係合された位置においてのみ前記固定手段57を構成する抱き締めねじ56を締めることができるように締結状態において抱き締めねじ56の先端から離間する凹部68と、針振りカム13の各カム溝12a,12bに前記1対のカムコロ19a,19bのうちの何れか一方が非係合状態に位置する場合には抱き締めねじ56を締めることができないように抱き締めねじ56の先端に向かって突出した凸部69とが形成されている。また、ねじ位置規制部材67は、ミシン本体1の内壁に直接あるいは図示しない支持部材を介して固着されている。
【0080】
前記各操作孔66a,66bおよびねじ位置規制部材67は、共に、本実施形態の針振りカムの各カム溝12a,12bに1対のカムコロ19a,19bのうちの何れか一方が選択的に係合された位置においてのみ固定手段57がカム体50を針振り駆動軸20に固定可能な安全確保手段70を構成するものである。
【0081】
すなわち、本実施形態においては、2つの安全確保手段70が配設されている。
【0082】
なお、安全確保手段70は、設計コンセプトやミシンに対する針振り模様切換装置40の配設位置などに応じて、操作孔66a,66bおよびねじ位置規制部材67の何れか一方のみを配設する構成であってもよい。
【0083】
また、安全確保手段70を構成する各操作孔66a,66bは、設計コンセプトやミシンに対する針振り模様切換装置40の配設位置などに応じて、ミシン本体1の内壁に直接形成せずに、ミシン本体1の内壁などに固定された図示しない支持部材に形成する構成としてもよい。
【0084】
図1に示すように、針振りカム13をミシン外方から覆うカムカバー14には、カム駆動軸11の後端面に設けた可動合マーク44をミシン外方から視認可能な覗き窓71が形成されており、この覗き窓71の周囲には、固定合マーク72が設けられている。この固定合マーク72は、針振りカム13の切換ポイントSPが各カムコロ19a,19bの配設位置に位置した場合に、カム駆動軸11の後端面に設けた可動合マーク44と直線上にならぶ位置に形成されている。
【0085】
前記可動合マーク44および固定合マーク72により、本実施形態の針振りカム13の1対のカム溝12a,12bに係合していない1対のカムコロ19a,19bの何れか一方が前記1対のカム溝12a,12bの何れか一方に係合可能となる針振りカム13の切換可能な位相を表示する切換位置表示手段43が構成されている。
【0086】
なお、可動合マーク44および固定合マーク72の形状としては、丸、三角形、四角形および直線、二重線などの各種の形状から選択することができる。
【0087】
さらに、可動合マーク44は、針振りカム13の後面側BSの任意の位置に形成してもよい。この場合には、可動合マーク44の形成位置に応じてカムカバー14に形成する固定合マーク71を形成した覗き窓71の位置を決定するとよい。
【0088】
さらにまた、固定合マーク72は、カム体25の後面側BSに位置する後端面に形成してもよい。この場合には、固定合マーク72の形成位置に応じて針振りカム13の後面側BSに可動合マーク44を形成するとともに、カムカバー14にミシン外方から切換位置表示手段43を視認可能な単なる覗き窓72を形成するとよい。また、この場合には、カムカバー14をミシン本体1から外した状態で切換ポイントSPを見つけることができる。
【0089】
また、固定合マーク72は、可動合マーク44を針振りカム13の後面側BSの外周縁近傍に設け、インジケータとして独立した固定合マーク72をミシン本体1の内部の針振りカム13の外周近傍に接近させて隣位するように配設する構成としてもよい。この場合には、カムカバー14にミシン外方から切換位置表示手段43を視認可能な単なる覗き窓71を形成するとよい。さらに、この場合には、カムカバー14をミシン本体1から外した状態で針振りカム13の切換ポイントSPを見つけることができる。
【0090】
さらに、針振りカム13は、上軸2に対して減速されているため、図7に示すように、可動合マーク44を上軸プーリ10に設け、固定合マーク72を上軸プーリ10近傍のミシン本体1に設ける構成とすることにより、より正確な切換ポイントSPを容易に見つけることができる。
【0091】
したがって、切換位置表示手段43としては、前記針振りカム13、前記カム軸11および上軸プーリ10からなる群から選ばれた少なくとも一つに設けた可動合マーク44と、前記針振りカム13をミシン外方から覆うカムカバー14、前記カム体50、前記針振りカム13に隣位するミシン本体1の内部および前記上軸プーリ10近傍のミシン本体1からなる群から選ばれた少なくとも一つに設けた固定合マーク72との組み合わせから、設計コンセプトなどの必要に応じてそれぞれ単独もしくは複数の組み合わせから選択するとよい。
【0092】
また、針振りカム13の針振り模様を変更する際の切換可能な位相である切換ポイントSPを、針振り幅方向の少なくとも一端の針落ち位置、すなわち、針の最左端あるいは最右端の針落ち位置に位置するように設定すると、針振り模様を変更する際に、作業者が針の針振り幅方向への最左端あるいは最右端の針落ち位置を容易に判別して見出すことができるので、作業者の簡単な操作で針振りカム13の切換ポイントSPをより容易に位置させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の労力の低減と作業性の向上とを容易に図ることができる。この場合には、前記切換位置表示手段43を必ずしも設ける必要はない。
【0093】
なお、このような、針振りカム13の針振り模様を変更する際の切換可能な位相である切換ポイントSPを針振り幅方向の少なくとも一端の針落ち位置に設定する構成は、本発明に係るミシンの針振り模様切換装置40だけでなく、従来からある針振りカム13を交換するタイプを含む各種のミシンの針振り模様切換装置にも適用することができる。
【0094】
また、図1に示すように、垂直に組み込まれた前記針振りカム13の配設位置の上方には油滴給油手段73が配設されている。この油滴給油手段73は、図8に示すように、図示しない給油ポンプによって予め吸い上げられた油を、前記針振りカム13に形成されたカム溝12a,12bに係合するカムコロ19a,19bに対してそれぞれ滴下可能に配設されたチューブ73a,73bを有している。そして前記移動機構63によって前記カム体50を前記針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させることにより、前記カム溝12a,12bに係合した何れかのカムコロ19a,19bに対して前記油を強制給油するように構成されている。
【0095】
つまり、チューブ73aからカム溝12aに係合するカムコロ19aに対して油を滴下可能な状態においては、他方のチューブ73bからはその対応するカムコロ19bに対して油を滴下することはできないが、前記カム体50を移動させ、カム溝12bにカムコロ19bを係合したときは、逆に、チューブ73bからカム溝12bに係合するカムコロ19bに対して油を滴下可能となり、他方のチューブ73aからは、その対応するカムコロ19aに対して油を滴下することはできないこととなる。
【0096】
その他の構成は前記従来のものと同様であるためその説明を省略する。なお、カム体50にはカム溝12a,12bを形成せず、周面カムその他のカム部を有するように構成してもよい。
【0097】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について図1、図2、図5、図8、図9および図10により説明する。
【0098】
図1および図2は一方のカムコロが一方のカム溝に係合して一方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態を示しており、図5は針振り模様を変更する際の針振りカムの移動途中の状態を示しており、また、図8は、カムコロ19bに対して強制給油している状態を示す拡大図である。図9は他方のカムコロが他方のカム溝に係合して他方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態を示す図2と同様の図であり、図10は針振り模様を変更する際の針振りカムの移動途中の固定手段の抱き締めねじが締まらない状態を示す説明図である。
【0099】
本実施形態においては、図2に示すように、カム体50の図2上方に示す前面側FSに位置する一方のカム腕18aのカムコロ19aが図2上方に示す前面側BSに位置する一方のカム溝12aに係合した状態で、図示しない下軸を介してカム駆動軸11を回転駆動させると、前記針振りカム11が回転駆動され、前記針振りカム11aの回転により回転するカム溝12aにカムコロ19aが追随することにより、前記カム体50が揺動され、これにより、針振り駆動軸20が回転駆動され、図示しない針振り駆動アーム、針振りロッド、針振り駆動リンクおよび針振り軸を介して針棒を水平方向に移動させて針振り動作が行なわれ、例えば、図49に示す2点千鳥縫いなどの所望の針振り模様を形成することができるようになっている。
【0100】
この時、カム体50は、図1に示すように、固定手段57により針振り駆動軸20の外周面に固定されているので、カム体50の揺動運動を針振り駆動軸20に確実に伝達することができるとともに、カム体50が針振り駆動軸20を中心として回転するのを確実に防止することができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらに、固定手段57は、針振り駆動軸20を抱き締めするので、カム体50と針振り駆動軸20との接続部位の剛性を格段に向上させることができ、その結果、カム体50と針振り駆動軸20との接続部位の信頼性を長期間に亘り確実に保持させることができる。
【0101】
なお、固定手段57を設けない場合には、ガイド軸48がガイド孔64に嵌合しているので、カム体50が針振り駆動軸20を中心として回転するのを防止することができるとともに、カム体50の揺動運動を針振り駆動軸20に確実に伝達することができる。そして、ガイド軸48およびガイド孔64は、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド軸48とガイド孔64とのクリアランスを容易に小さくすることができ、カム体50と針振り駆動軸20との間に生じる針振り駆動軸20の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。このように、ガイド軸48とガイド孔64とのクリアランスを小さくすると、ガイド軸48とガイド孔64とが密着して、カム体50を針振り駆動軸20の軸方向へ円滑に移動させることができない場合があるので、このような不都合を防止するため、ガイド軸48およびガイド孔64の少なくとも一方に軸方向に延在する空気抜き用の凹溝を形成することが好ましい。
【0102】
つぎに、針振りカム13の図2下方に示す後面側BSに位置する他方のカム溝12bを用いた針振り動作に変更する場合、すなわち、針振り模様を変更する際の動作について説明する。
【0103】
針振り模様を変更する際には、針振りカム13のカム溝12aに係合していたカムコロ19aの係合を解除して、他方のカムコロ19bを針振りカム13の他方のカム溝12に係合することになるが、一方のカム溝12aと他方のカム溝12bの形状が異なるため、針振り動作を変更するタイミングは、各カムコロ19a,19bの配設位置において一方のカム溝12aと他方のカム溝12bの形状とが重なる所定の位置である図1に示す針振りカム13の切換ポイントSPが各カムコロ19a,19bの配設位置に位置したタイミング、すなわち、針振りカム13の各カム溝12a,12bに前記1対のカムコロ19a,19bが選択的に係合可能な前記針振りカム13の切換可能な位相で行う必要がある。
【0104】
そこで、切換位置表示手段43を構成する可動合マーク44と固定合マーク72とが直線状に位置した状態とする。これにより、従来と異なり、針振りカム13の切換ポイントSPを各カムコロ19a,19bの配設位置に容易に一致させることができ、針振り模様を変更する際の針振りカム13の切換ポイントSPを見つけるのに要する労力と時間とを低減することができるとともに、針振り模様を変更する際の作業性を向上させることができる。
【0105】
ついで、後面側BSに位置するカムカバー14をミシン本体1から取り外す。そして、図6に示すように、カム溝12aにカムコロ19aを係合した状態においては、後面側BSに位置する操作孔66aの延長線上に抱き締めねじ56が位置しているので、後面側BSに位置する操作孔66aを介して図示しないドライバーあるいはスパナなどの作業工具を挿入することにより、固定手段57を構成する雌ねじ54に螺合している抱き締めねじ56を緩める。すると、カム体50の基部51に形成されたスリット53の間隔が拡大し、これにより取付孔52も拡径し、針振り駆動軸20の外周面に対してカム体50の取付孔52が遊嵌状態となり、その結果、カム体50が針振り駆動軸20外周面に沿って軸方向に移動可能になる。
【0106】
ついで、移動機構63を構成する切換レバー59の駆動腕62を図2下方に示す後面側BSに向かうように手前に向かって操作する。これにより、切換レバー59は基部59aを中心として図2において時計方向へ回動し、切換レバー59の図1下方に示す作動腕60の先端部下面に突設された作動ピン61が、カム体50の基部51の上面に形成された作動溝58を図2上方に示す前面側FSに向かって移動させ、その結果、カム体50が針振り駆動軸20に沿って図2上方に示す前面側FSに向かって移動する。そして、カム体50の移動は、図9に示すように、図9下方に示す後面側BSに位置する他方のカムコロ17bが図9上方に示す前面側FSに位置する他方のカム溝10bに係合し、カム体50の基部51の図9上方に示す前面側FSに位置する端面が図9上方に示す前面側FSに位置する位置決めピン49bに当接した位置で停止する。
【0107】
ついで、操作孔66bを介して図示しないドライバーあるいはスパナなどの作業工具を挿入することにより抱き締めねじ56を締め、その後、カムカバー14をミシン本体1に取り付けることにより完了する。そして、図9に示すように、カム体50の後面側BSに位置する他方のカム腕18bのカムコロ19bが後面側BSに位置する他方のカム溝12bに係合した状態で、図示しない下軸を介してカム駆動軸11を回転駆動させると、前記針振りカム13が回転駆動され、前記針振りカム13の回転により回転するカム溝12bにカムコロ19bが追随することにより、前記カム体50が揺動され、これにより、針振り駆動軸20が回転駆動され、図示しない針振り駆動アーム、針振りロッド、針振り駆動リンクおよび針振り軸を介して針棒を水平方向に移動させて針振り動作が行なわれ、例えば、図50に示す4点千鳥縫いなどの所望の針振り模様を形成することができる。
【0108】
この時、針振り駆動軸20上を移動するカム体50は、カム体50に設けたガイド孔64が針振り駆動軸20に設けたガイド軸48に沿って案内されて軸方向に移動するので、従来と異なり、カム体50を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、カム体50は、遊嵌状態とされたカム体50の取付孔52と針振り駆動軸20の外周面との接触部、および、嵌合状態とされたガイド孔64とガイド軸48との接触部とで2点支持された状態で針振り駆動軸20上を移動するので、針振り駆動軸20とカム体50との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができ、その結果、カム体50に設けた各カムコロ19a,19bの位置が変化するのを防止することができる。
【0109】
すなわち、ガイド軸48およびガイド孔64は、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50と針振り駆動軸20との間に生じる針振り駆動軸20の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、カム体50が針振り駆動軸20を中心として回転するのを防止することができるとともに、針振り駆動軸20に装着されたカム体50が針振り駆動軸20上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20とカム体50との組み付け位相をほとんど変化させないので、従来と異なり、各カムコロ19a,19bの位置が変化せず、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができる。
【0110】
また、針振り模様を変更する際に、前記移動機構63によりカム体50を針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中で、図5に示すように、1対のカムコロ19a,19bが1対のカム溝12a,12bの何れとも係合しない非係合状態、すなわち、ニュートラル状態を有するように形成してあるので、作業者の手違いなどによるカム体50の移動が不十分な場合における装置の破損を容易に防止することができる。
【0111】
さらにまた、1対の操作孔66a,66bからなる安全確保手段70が設けられているので、針振り模様を変更する際に、前記移動機構63によりカム体50を針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中においては、抱き締めねじ56を操作することができず、これにより、作業者の手違いなどによるカム体50の移動が不十分な場合における装置の破損を容易かつ確実に防止することができる。
【0112】
また、位置規制部材67からなる安全確保手段70が設けられているので、針振り模様を変更する際に、前記移動機構63によりカム体50を針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中においては、図10に示すように、位置規制部材67の凸部69によって緩めた抱き締めねじ56を締めることができず、これにより、作業者の手違いなどによるカム体50の移動が不十分な場合における装置の破損を容易かつ確実に防止することができる。
【0113】
さらに、針振りカム13の一方のカム溝12aに係合していたカムコロ17aの係合が解除された状態で、作業者が誤って針棒もしくは上軸プーリ10に触れた場合には、針振りカム13が回転して切換ポイントSPの位相がずれ、他方のカムコロ17bをカム溝10bに容易に係合することができなくなるが、切換位置表示手段43により、針振りカム13の切換ポイントSPを容易に見つけることができるので、針振り模様を変更する際の作業性を確実に向上させることができる。
【0114】
したがって、針振り模様を変更する際に、カム体50を軸方向に円滑に移動させる移動させることができるとともに、1対のカム溝12a,12bの何れか一方に1対のカムコロ19a,19bの何れか一方を安全で容易かつ確実に選択的に係合させることができるようにしているので、作業者が針振り模様を簡単かつ容易でしかも安全に変更することができる。
【0115】
すなわち、針振りカム13を交換することなく、異なる針振り模様を容易かつ適正に変更することができる。
【0116】
また、多種類の針振り模様を形成したい場合には、前記カムカバー14を取外して針振りカム13を交換すればよいが、本実施形態においては、1つの針振りカム13により2種類の針振り模様を形成することができるので、針振りカム13の交換作業が少なくて済み、作業効率を高めることが可能である。
【0117】
そして、図8にしめすように、油滴給油手段73により前記カムコロ19a,19bに対して上方から滴下して強制油滴給油することで、カムコロ19a,19bを介してカム溝13a,13b内にも確実に給油し、油を保持することができるので、カムコロ19a,19bとカム溝13a,13bとの摺動による摩耗を防止することが可能となる。
【0118】
図11および図12は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第2実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Aにおいては、前述した第1実施形態のガイド孔64およびガイド軸48のかわりに、針振り駆動軸20の外周面の少なくとも一部に軸方向に平行な平面部81を設けるとともに、この平面部81に摺動可能に当接する平坦面82を具備するストッパ83をカム体50の後面側BSに位置する後端面にねじ84などによって固着したものである。また、針振り駆動軸20に設ける平面部81は、針振り駆動軸20の後面側BSに位置する後端面から、カム体50が前面側FSに移動して他方のカムコロ19bが後面側BSに位置する他方のカム溝12bに係合した状態に位置するまでの長さに亘って形成するとよい。なお、図11においては固定手段57を省略して示す。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様とされている。
【0119】
このような構成により、本実施形態は前述した第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、針振り駆動軸20の外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部82を、前記カム体50に配設されたストッパ83の平坦面82が摺動するので、カム体50を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、平面部81にストッパ83の平坦面82を摺動可能に当接することにより、カム体50が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50と針振り駆動軸20との間に生じる針振り駆動軸20の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、平面部81とこの平面部81に摺動可能に当接するストッパ83の平坦面82とは、針振り駆動軸20に装着されたカム体50が針振り駆動軸20上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20とカム体50との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0120】
図13から図15は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第3実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Bにおいては、前述した第1実施形態のように各カムコロ19a,19bの相互間の間隔が前記移動機構63によりカム体50Bを前記針振り駆動軸20の軸方向に沿って移動させる途中で前記各カムコロ19a,19bが前記各カム溝カム溝12a,12bの何れとも係合しないニュートラル状態と称される非係合状態を有しないように、図14に示すように、前記各カムコロ19a,19bの何れか一方が前記各カム溝12a,12bの何れか一方に係合するように形成したものである。すなわち、本実施形態においては、各カムコロ19a,19bの相互間の間隔が小さくされている。その他の構成は、前述した第1実施形態あるいは第2実施形態と同様とされている。
【0121】
このような構成により、本実施形態は前述した第1実施形態および第2実施形態と同様の効果を奏するとともに、針振り模様を変更する際のカム体50Bの移動量を少なくすることができるし、カム体50Bの移動方向への長さを短くすることができ、その結果ミシンの小型化および軽量化を容易に図ることができる。なお、作業者の手違いなどによるカム体50Bの移動が不十分な場合における装置の破損は安全確保手段70によって確実に確保される。
【0122】
図16から図19は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第4実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Cは、針振り模様を自動的に変更することができるものであり、このため本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Cには、前述した第1実施形態および第2実施形態の固定手段57および安全確保手段70は設けられていない。そして、図16および図17に示すように、前記移動機構63を構成する切換レバー59の駆動腕62を駆動するための駆動手段としてのソレノイドなどのアクチェータ91が設けられている。なお、駆動手段としては、往復動シリンダを用いてもよい。
【0123】
前記針振りカム13の外周面には、図18に示すように、前記針振りカム13の1対のカム溝12a,12bに係合していない前記1対のカムコロ19a,19bの何れか一方が前記1対のカム溝12a,12bの何れか一方に係合可能となる針振りカム13の切換可能な位相である切換ポイントSPを示す切換位置マーカ92が設けられており、針振りカム13の近傍には、切換位置マーカ92を検出するための検出手段としての光りセンサ93が配設されている。なお、検出手段としては、光りセンサ93だけに限らず、接触型のリミットスイッチ、非接触型の近接スイッチなど公知の各種のものから選択することができる。
【0124】
前記アクチェータ91および光りセンサ93などは、図19に示すように、針振り模様切換制御部94に電気的に接続されている。
【0125】
前記針振り模様切換制御部94は、ミシンモータ駆動スイッチ95から送出されるON−OFF信号に基づいてモータ駆動回路96を介してミシンモータ97の駆動状態を制御するCPU98にプログラムとして記憶されており、針振り模様を変更する際に、光りセンサ93が切換位置マーカ92を検出すると、ミシンモータ駆動回路96を介してミシンモータ97の駆動を停止し、ミシンモータ97の駆動を停止したらアクチェータ駆動回路99を介してアクチェータ91のON−OFF、例えば、ソレノイドの出力軸の前進あるいは後退によって切換レバー59の駆動腕62を駆動し、針振り模様を変更することができるようにされている。また、CPU98には、アクチェータ91のON−OFF、例えば、ソレノイドの出力軸の前進位置あるいは後退位置に基づいて、針振り模様表示手段としてのLED100を点灯させるプログラムも記憶されている。その他の構成は、前述した第1実施形態あるいは第2実施形態あるいは第3実施形態と同様とされている。
【0126】
このような構成により、本実施形態は前述した各実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、針振り模様を自動的に変更することができるので、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができる。また、針振り模様表示手段としてのLED100は、作業者に縫製動作に用いる針振り模様を容易に判別させることができるので、作業者が変わった場合の最初の縫製動作時において針振り模様を間違えるという単純ミスを確実に防止することができる。
【0127】
なお、切換位置マーカ92を光りセンサ93で検出した際の検出信号を図示しない表示手段により表示させる構成とすることにより、前記各実施の形態における切換位置表示手段43として用いることもできる。
【0128】
図20および図21は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第5実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Dにおいては、前述した第1実施形態のガイド軸48を、カム体50Dの前面側FSに位置するカム腕18aの基端部に固定し、ガイド軸48の先端が前面側FSに向かって延在するように設けるとともに、前述した第1実施形態のガイド孔64を針振り駆動腕21に設けたものである。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様とされている。
【0129】
このような構成により、本実施形態は前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0130】
また、本実施形態に前述した第3実施形態および/または第4実施形態の構成を単独もしくは組み合わせて付加する構成としてもよい。
【0131】
図22から図24は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第6実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Eにおいては、移動機構63Eにミシン外部から操作可能な操作部としての駆動腕62Eをミシン本体1Eの脚柱部101に設けるとともに、カム体位置決め手段49Eをミシン外部から操作可能なミシン本体1Eの脚柱部101に設けたものである。
【0132】
さらに説明すると、本実施形態においては、図22に示すように、移動機構取付板104がミシン本体1Eの脚柱部101、詳しくは、ミシンベッド102とミシンアーム103との接続部近傍のミシン頭部と称される前面側FSから見て左側面に取着されている。そして、この移動機構取付板104には、切換レバー59Eの基部59Eaが移動機構取付板104を板厚方向に貫通するようにして回転自在に支持されている。また、図23に示すように、前記切換レバー59Eの基部59Eaの図23右方に示す後端には、作動腕60Eが基部59Eaの軸方向に対して直交する方向に延出形成されており、この作動腕60Eの先端部には、作動ピン61Eがその先端をカム体50Eの基部51Eの上面に軸方向に形成されたほぼU字形状の作動溝58Eに係合するようにして配設されている。さらに、切換レバー59Eの基部59Eaの図23左方に示す先端には、個別に形成されたミシン外部から操作可能な操作部としてのレバー状の駆動腕62Eが取着されている。そして、圧縮ばね105を切換レバー59Eの基部59Eaに装着し、この圧縮ばね105の一端を切換レバー59Eの基部59Eaの後端に取着した止め輪107に当接させ、圧縮ばね105の他端を移動機構取付板104の底面に形成した凹溝106の底面106aに当接させるとともに、切換レバー59Eの基部59Eaの先端近傍に止め輪107を取着することにより、切換レバー59Eは、基部59Eaの軸方向に移動可能とされるとともに、常には駆動腕62Eを移動機構取付板104の上面に向かって適宜な付勢力をもって付勢されるようになっている。また、駆動腕62Eの根本近傍の移動機構取付板104と対向する面には、位置決めピン108がその先端を移動機構取付板104の表面に向かって延出するようにして突設されており、移動機構取付板104の表面には、図24に示すように、位置決めピン108の先端部が嵌合する1対のきり穴109a,109bが針振り模様を変更する際のカム体50Eの移動距離と等しい間隔を隔てて形成されている。
【0133】
前記作動溝58E、切換レバー59Eおよび駆動腕62Eにより、本実施形態の移動機構63Eが構成されている。
【0134】
また、前記位置決めピン108および1対のきり穴109a,109bにより本実施形態のミシン外部に設けられたカム体50Eの軸方向への移動位置を規制するカム体位置決め手段49Eが構成されている。
【0135】
本実施形態によれば、位置決めピン108を1対のきり穴109a,109bの何れか一方に嵌合することにより、針振り駆動軸20上を移動するカム体50Eの一方の位置が位置決めされる。そして、針振り模様を変更するには、ミシン外方から駆動腕62Eをミシン本体1Eから離間する方向に引っ張る。すると、駆動腕62Eは、切換レバー59Eとともに圧縮ばね105の付勢力に抗してミシン本体1Eから離間する方向に移動し、この駆動腕62Eの移動に連動して位置決めピン108もミシン本体1Eから離間する方向に移動し、図24に示す一方のきり穴109bに嵌合していた位置決めピン108の先端部は、きり穴109bから離脱する。この状態で駆動腕62Eを図24において時計方向へ回転させると、カム体50Eが針振り駆動軸20上を移動する。ついで、駆動腕62Eを図24において時計方向へ回転させて、位置決めピン108の先端部を他方のきり穴109aと対向させたうえでミシン本体1Eから離間する方向に引っ張る力を弱めると、位置決めピン108の先端部が他方のきり穴109aに挿入して嵌合し、カム体50Eの位置が固定され、カム体50Eの他方の位置が位置決めされるようになっている。
【0136】
このような構成により、本実施形態は移動機構63Eの操作部としての駆動腕62Eを作業者がミシン外部の前面側FSから操作してカム体50Eを軸方向に容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をより向上することができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。さらに、操作部としての駆動腕62Eがミシン本体1Eの脚柱部101に配設されているので、操作部としての駆動腕62Eは、作業者の操作位置の手元に位置しているので、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をよりさらに向上することができるとともに、作業者の労力をよりさらに低減することができる。また、カム体位置決め手段49Eがミシン本体1Eの脚柱部101に配設されているので、作業者がミシン外部の前面側FSから操作して針振り模様を変更する際のカム体50Eの移動位置の位置決めを容易かつ確実に行うことができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をよりさらに向上することができるとともに、作業者の労力をよりさらに低減することができる。
【0137】
なお、前述の本実施形態の移動機構63Eおよびカム体位置決め手段49Eは、前述した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態および第5実施形態に用いることができる。
【0138】
また、図25(a)(b)に示すように、前記切換レバー59Eの操作時に駆動腕62Eの移動に連動して移動する位置決めピン108が嵌合するきり穴109aときり穴109bとの間の渡り部分110を、何れかのきり穴109a,109bに一端を連接させて傾斜する斜面110a,110bからなる断面三角形状に形成すれば、前記位置決めピン108を図25(a)に示すようにその傾斜110a,110bに沿ってスライドさせることにより前記きり穴109a,109bに確実に案内することが可能となる。このように形成することにより、前記位置決めピン108が中途半端な位置にあってカム体50Eの位置が固定されない状態でミシンが駆動され、結果としてカム等を破損するような事故を防止することができる。
【0139】
さらには、図26に示すように、きり穴109a,109bの底部に位置決めピン108の有無を検出するスイッチSW1,SW2をそれぞれ配設し、このスイッチSW1,SW2により、位置決めピン108の有無を検出する構成とすることも可能である。
【0140】
この場合、図27に示すように駆動伝達回路を構成する。つまり、スイッチSW1,SE2をそれぞれ針振り模様切換制御部94に電気的に接続する。前記針振り模様切換制御部94は、ミシンモータ駆動スイッチ95から送出されるON−OFF信号に基づいてモータ駆動回路96を介してミシンモータ97の駆動状態を制御するCPU98にプログラムとして記憶されており、スイッチSW1,SW2のうち、スイッチSWがON状態とされたことを検出したいずれか一方の針振り模様について、ミシンモータ駆動回路96を介してミシンモータ97の駆動制御を行うことになる。こうすることにより、カム等を破損するような事故を防止し、安全をより確保することができる。
【0141】
図28は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第7実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Fにおいては、針振りカム13Fの異なる形状の各カム溝12Fa,12Fbを、異なる針振り模様を形成する際の1回転当たりの針数がそれぞれんの針振り模様の1パターンを形成するのに必要な針数の最小公倍数となるように形成したものである。
【0142】
すなわち、図49に示す2点千鳥模様の1パターンを形成するのに必要な針数は2針であり、図50に示す4点千鳥模様の1パターンを形成するのに必要な針数は6針である。そこで、針振りカム13Fは、その1回転当たりの針数を2点千鳥模様の1パターンを形成するのに必要な針数である2針と、4点千鳥模様の1パターンを形成するのに必要な針数である6針との最小公倍数である6針とされている。つまり、針振りカム13Fを6針カムとすることにより、2点千鳥模様を形成する一方のカム溝12Faは、図28(a)に示すように、針振りカム13Fの1回転当たりの針数が6針のほぼおむすび形状とされ、図28(b)に示すように、針振りカム13Fの1回転で3パターンの2点千鳥模様を形成することができるようになっている。そして、4点千鳥模様を形成する他方のカム溝12Fbは、図28(c)に示すように、針振りカム13Fの1回転当たりの針数が6針のほぼ円形形状とされ、図28(d)に示すように、針振りカム13Fの1回転で1パターンの4点千鳥模様を形成することができるようになっている。
【0143】
このような構成により、本実施形態は、針振りカム13Fの1回転当たりの針数が最も少なくなるので、針振りカム13Fに形成する異なる形状のカム溝12Fa,12Fbを最も円滑にすることができ、その結果、カムコロ19a,19bの動作を最も円滑にすることができ、針振りカム13Eが回転した際のカム溝12Fa,12Fbと、カムコロ19a,19bとの接触による騒音および振動などを確実に低減することができる。
【0144】
すなわち、本実施形態の針振りカム13Fである6針カムによる各カム溝12Fa,12Fbの形状は、針数を最小公倍数としない場合、例えば、針振りカム13aを12針カムとして、2点千鳥模様を形成する一方のカム溝12aaを図29(a)に示すように針振りカム13aの1回転当たりの針数を12針のほぼ六角形形状とし、図29(b)に示すように針振りカム13aの1回転で6パターンの2点千鳥模様を形成するものとし、4点千鳥模様を形成する他方のカム溝12baを図29(c)に示す針振りカム13の1回転当たりの針数が12針のほぼ横長の楕円形状とし、図29(d)に示すように、針振りカム13aの1回転で2パターンの4点千鳥模様を形成するものとした場合や、前述した第1実施形態のように、針振りカム13を24針カムとして、2点千鳥模様を形成する一方のカム溝12aを図30(a)に示すように、針振りカム13の1回転当たりの針数が24針のほぼ花形形状とし、図30(b)に示すように、針振りカム13の1回転で12パターンの2点千鳥模様を形成するものとし、4点千鳥模様を形成する他方のカム溝12bを図30(c)に示すように、針振りカム13の1回転当たりの針数が24針のほぼ四角形形状とし、図30(d)に示すように、針振りカム13の1回転で3パターンの4点千鳥模様を形成するものとした場合などに比較して円滑にすることができる。
【0145】
なお、針振りカム13Eは、2点千鳥模様と4点千鳥模様以外の組み合わせ、例えば、2点千鳥模様と3点千鳥模様や、3点千鳥模様と4点千鳥模様などの場合であっても、針振り模様を形成する際の1回転当たりの針数がそれぞれんの針振り模様の1パターンを形成するのに必要な針数の最小公倍数となるように形成することが肝要である。
【0146】
さらに、本実施形態の針数を最小公倍数とした針振りカム13Fは、前述した各実施形態のものに組み合わせて用いることができる。
【0147】
また、このような針数を最小公倍数とした針振りカム13Fは、従来からある針振りカム13を交換するタイプを含む各種のミシンの針振り模様切換装置にも用いることができる。
【0148】
図31は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第8実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Gにおいては、針振りカム13Gを前述した第7実施形態と同様の6針カムとするとともに、異なる形状のカム溝12Ga,12Gbにより形成する異なる針振り模様のそれぞれの最大針振り幅L,L’,M,M’が一致するように形成したものである。
【0149】
すなわち、図31に示すように、針振りカム13Gの一方のカム溝12Gaによる最大針振り幅L,Mと、針振りカム13Fの他方のカム溝12Gbによる最大針振り幅L’,M’とが一致する(L=L’M=M’)ように形成したものである。
【0150】
このような構成により、本実施形態は、図31に示すように、針振りカム13Gの切換可能な位相である切換ポイントSPを4カ所形成することができるとともに、図31上下に斜線領域にて示す2カ所の切換ポイントSPの切換許容範囲がカム溝12Ga,12Gbに沿って拡大させることができるので、図31上下に示す2カ所の切換ポイントSPを、針振り模様を変更する際の針振りカム13Gの切換ポイントSPとして用いることにより、針振りカム13Gの位相が多少ずれた場合であってもカムコロ19a,19bをカム溝12Ga,12Gbに選択的に容易に係合させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を容易に向上することができる。
【0151】
なお、本実施形態の最大針振り幅を一致させた針振りカム13Gは、前述した各実施形態のものに組み合わせて用いることができる。
【0152】
また、このような最大針振り幅を一致させた針振りカム13Gは、従来からある針振りカム13を交換するタイプを含む各種のミシンの針振り模様切換装置にも用いることができる。
【0153】
さらにまた、前述した第7実施形態の針振りカム13Fを最大針振り幅を一致させないで用いた場合の針振りカム13Fと切換ポイントSPとの関係を図32に示す。
【0154】
図33および図34は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第9実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Hにおいては、カム駆動軸11Hに前述した第8実施形態の針振りカム13Gを取着するとともに、ガイド軸48Hをその先端が前面側FSに向かって延在するようにして針振り駆動軸20Hに固定した針振り駆動腕21Hの先端側に固定し、ガイド孔64Hをカム体50Hの先端側に設けたものである。なお、図33および図34においては移動機構を省略して示すが、移動機構としては前述した各実施形態に示すものを設計コンセプトなどの必要により選択して用いるとよい。その他の構成は、前述した第5実施形態と同様とされている。また、針振りカム13Hとしては、前述した第1実施形態と同様の針振りカム13を用いる構成であってもよい。
【0155】
このような構成により、本実施形態は前述した第5実施形態に、第7実施形態および第8実施形態を合わせたものと同様の効果を奏することができる。
【0156】
図35は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第10実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Iにおいては、前述した第8実施形態の針振りカム13Gをミシン本体1Iの内部の下軸37より前面側FSに配設したものである。また、カム駆動軸11Iは、ミシン本体1Iの後面側BSに支持されており、針振り駆動軸20Jは、ミシン本体1Iの前面側FSに支持されている。その他の構成は、前述した第5実施形態と同様とされている。なお、針振りカム13Gとしては、前述した第1実施形態の針振りカム13を用いてもよい。
【0157】
このような構成により、本実施形態は前述した第5実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、針振りカム13Gが作業者が操作を行う前面側FSに近づくので、針振り模様を変更する際に作業者が前面側FSから操作することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を向上することができる。さらに、ミシン本体1Iのミシンの針振り模様切換装置40Iの配設部位が従来のように後面側BSに突出する(図48)することがないので、ミシン本体1Iをコンパクトにすることが可能であるとともに、給油時においてミシン本体1の上部を後面側BSに向かって容易に傾斜させることができるので、メンテナンス時における作業性を向上させることもできる。
【0158】
また、図35に示すように、針振りカム13Gを上軸2のほぼ下方に位置させることができるので、図示しない公知の潤滑油供給機構によって、上軸2からミシン本体1Iの内部へ飛散させた潤滑油を従来に比べて針振り模様切換装置40Iの可動部にダイレクトにより円滑かつ確実に供給することができ、その結果、ミシンの針振り模様切換装置40Iの耐久性の向上や作動音の低減を容易に図ることができるとともに、操作性の向上や、騒音および振動の低減などを容易に図ることができる。
【0159】
なお、本実施形態の針振り模様切換装置40Iに配設する移動機構63Eとしては、前述した第1実施形態と同様の構成としたり、前述した第4実施形態と同様の針振り模様を自動的に変更することができる構成としてもよい。
【0160】
また、本実施形態の針振りカム13Gをミシン本体1Iの内部の下軸37より前面側FSに配設する構成は、前述した各実施形態および従来からある針振りカム13を交換するタイプを含む各種のミシンの針振り模様切換装置にも用いることができる。
【0161】
図36から図38は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第11実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Jにおいては、前述した第1実施形態の両面に異なるカム溝12a,12bを形成した針振りカム13のかわりに、外周面にそれぞれ1対のカム面120Aa,120Ab,120Ba,120Bbを形成した共役カムからなる2体の針振りカム13JA,13JBを用いるとともに、そして、ガイド軸48Jを針振り駆動軸20Jに形成し、ガイド孔64Jをカム体50Jの基部51Jに設けたものである。また、カム駆動軸11Jは、ミシン本体1Jの前面側FSに支持されており、針振り駆動軸20Jは、ミシン本体1Jの後面側BSに支持されている。
【0162】
さらに説明すると、図37上方に示す一方の針振りカム13JAの外周面には、例えば、前述した2点千鳥模様を形成するための1対のカム面120Aa,120Abが形成されており、図37下方に示す他方の針振りカム13JBの外周面には、例えば、前述した4点千鳥模様を形成するための1対のカム面120Ba,120Bbが形成されている。そして、カム体50Jの基部51Jには、図38に示すように、針振り駆動軸20Jの外周面に遊嵌される取付孔52Jが形成されており、カム体50Jの基部51Jの上部には、下端が取付孔52Jに接続し上端がカム体50Jの基部51Jの上部外表面に接続するようにして取付孔52Jの軸方向に平行に延在するスリ割りと称される所定幅のスリット53Jが軸方向に沿って形成されている。さらに、カム体50Jの基部51Jの図37上下に示すカム体50Jの移動方向への長さ方向のほぼ中央位置のスリット53Jの右側には、雌ねじ54Jが形成されており、スリット52Jの左側には、ボルト孔55Jが前記雌ねじ54Jと同軸に形成されている。そして、図37に示すように、前記針振り駆動軸20Jの後端部近傍の外周面にカム体50Jの基部51Jに形成した取付孔52Jを遊嵌したうえで、ボルト孔55J側から所定の抱き締めねじ56Jを雌ねじ53Jに螺合させることにより、スリット53Jの間隔を狭めて取付孔52Jを縮径させ、その結果、針振り駆動軸20Jの所定位置にカム体50Jを固定することができるようになっている。また、雌ねじ54Jに螺合している抱き締めねじ56Jを緩めることにより、スリット53Jの間隔を拡大して取付孔52Jを拡径させて、針振り駆動軸20の外周面に対して取付孔52Jを遊嵌状態とし、その結果、カム体50Jを針振り駆動軸20Jの外周面に沿って少なくとも図37実線位置と図37破線位置との間で軸方向に容易に移動させることができるようになっている。したがって、カム体50Jは針振り駆動軸20Jをいわゆる抱き締め可能に形成されている。
【0163】
前記スリット53J、雌ねじ54J、ボルト孔55Jおよび抱き締めねじ56Jにより、本実施形態のカム体50Jを針振り駆動軸20に固定可能な固定手段57Jが構成されている。
【0164】
図38に示すように、前記カム体50Jの基部51Jの取付孔52Jの左斜め下方には、ガイド孔64Jが形成されており、このガイド孔64Jには、図37に示すガイド軸48Jが軸方向に移動可能に嵌合されている。そして、ガイド軸48Jは、図37に示すように、針振り駆動軸20Jの所定位置に止めねじ47Jなどにより固定されたガイド板46Jに固着されている
図36に示すように、前記カム体50Jには、前記各針振りカム13JA,13JB側に突出する1対のカム腕18Ja,18Jbが一体に形成されており、これら各カム腕18Ja,18Jbの先端部には、前記針振りカム13JAの各カム面120Aa,120Abあるいは針振りカム13JBの各カム面120Ba,120Bbに当接されるカムコロ19Ja,19Jbが回転自在に設けられている。
【0165】
また、本実施形態の針振りカム13JAの各カム面120Aa,120Abおよび針振りカム13JBの各カム面120Ba,120Bbの形状は、前述した第8実施形態の針振りカム13Gと同様の針数が最小公倍数で最大針振り幅が一致する形状の6針カムとされている。なお、針振りカム13JAの各カム面120Aa,120Abおよび針振りカム13JBの各カム面120Ba,120Bbの形状としては、前述した第1実施形態の針振りカム13のカム溝12a,12bと同様のものであってもよい。
【0166】
さらに、図36および図37に示すように、本実施形態の針振り駆動軸20Jの後面側BSの端部には、針振り駆動腕21Jの基端部が固着されており、この針振り駆動腕21Jの先端部には、駆動ロッド22Jの基端部が駆動ピン23Jを介して回転自在に接続されている。また、駆動ロッド22Jの先端部は、針振り駆動リンク7Jの長手方向の中途部に連結されており、この針振り駆動リンク7Jの右端には、布送り方向に対して直交する方向の針落ち位置たる針振り幅を制御する針振り調節体130が配設されている。
【0167】
また、図37に示すように、針振りカム13JAの後面側BSに位置するミシン本体1Jとの対向面には、カム体50Jを自動的に移動させる際に用いる切換位置マーカ92が配設されており、この切換位置メーカと対向するようにして切換位置マーカ92を検出する検出手段としての光りセンサ93が配設されている。その他の構成は前述した第1実施形態とほぼ同様とされている。
【0168】
このような構成により、本実施形態のガイド軸48Jとガイド孔64Jとは、前述した第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0169】
すなわち、針振り駆動軸20J上を移動するカム体50Jは、カム体50Jに設けたガイド孔64Jが針振り駆動軸20Jに設けたガイド軸48Jに沿って案内されて軸方向に移動するので、従来と異なり、カム体50Jを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、カム体50Jは、遊嵌状態とされたカム体50Jの取付孔52Jと針振り駆動軸20Jの外周面との接触部、および、嵌合状態とされたガイド孔64Jとガイド軸48Jとの接触部とで2点支持された状態で針振り駆動軸20J上を移動するので、針振り駆動軸20Jとカム体50Jとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができ、その結果、カム体50Jに設けた各カムコロ19Ja,19Jbの位置が変化するのを防止することができる。
【0170】
したがって、ガイド軸48Jおよびガイド孔64Jは、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50Jと針振り駆動軸20Jとの間に生じる針振り駆動軸20Jの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、カム体50Jが針振り駆動軸20Jを中心として回転するのを防止することができるとともに、針振り駆動軸20Jに装着されたカム体50Jが針振り駆動軸20J上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Jとカム体50Jとの組み付け位相をほとんど変化させないので、従来と異なり、各カムコロ19Ja,19Jbの位置が変化せず、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができる。
【0171】
また、本実施形態の針振りカム13JA,13JBは、前述した第7実施形態および第8実施形態を合わたものと同様の効果を奏する。そして、確動カムとも称される共役カムからなる各針振りカム13JA,13JBは、カム体50Jの1対のカムコロ19Ja,19Jbが必ず針振りカム13JAの各カム面120Aa,120Abまたは針振りカム13JBの各カム面120Ba,120Bbに当接するので、各針振りカム13JA,13JBが高速回転した際のジャンピング現象などと称されるカムコロ19Ja,19Jbの接離による振動の発生を確実に防止することができる。
【0172】
なお、本実施形態の針振り模様切換装置40Jに配設する移動機構(図示せず)としては、前述した各実施形態に用いたものから設計コンセプトなどの必要に応じて選択して配設することにより、針振り模様を変更する際の作業性を向上させることができる。さらに、前述した第4実施形態と同様の針振り模様を自動的に変更することができる構成とすることにより、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。また、前述した第1実施形態と同様の切換位置表示手段43を設ける構成とすることにより、針振り模様を変更する際の作業性を向上させることができる。さらにまた、各針振りカム13JA、13JBを一体形成した構成としてもよい。またさらに、各針振りカム13JA、13JBを前述した第10実施形態と同様にミシン本体1Jの内部の下軸37より前面側FSに配設した構成としてもよい。また、ガイド軸48Jおよびガイド孔64Jは、それぞれ針振り駆動軸20Jとカム体50Jとの少なくとも一方に形成されていればよい。さらにまた、本実施形態は、2体の針振りカム13JA、13JBを配設して2種類の針振り模様を形成する構成としたが、3体以上の針振りカム13JA,13JB,…を配設して、3種類以上の異なる針振り模様を形成することのできる構成としてもよい。さらに、針振りカム13Jの針振り模様を変更する際の切換可能な位相である切換ポイントSPを、針振り幅方向の少なくとも一端の針落ち位置、すなわち、針の最左端あるいは最右端の針落ち位置に位置するように設定すると、針振り模様を変更する際に、作業者が針の針振り幅方向への最左端あるいは最右端の針落ち位置を容易に判別して見出すことができるので、作業者の簡単な操作で針振りカム13Jの切換ポイントSPをより容易に位置させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の労力の低減と作業性の向上とを容易に図ることができる。この場合には、前記切換位置表示手段43を必ずしも設ける必要はない。
【0173】
図39および図40は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第12実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Kにおいては、前述した第11実施形態のガイド孔64Jおよびガイド軸48Jのかわりに、針振り駆動軸20Kの外周面の少なくとも一部に軸方向に平行な平面部81Kを設けるとともに、この平面部81Kに摺動可能に当接する平坦面82Kを具備するストッパ83Kをカム体50Kの基部51Kの前面側FSにねじ84Kなどによって固着したものである。また、針振り駆動軸20Kに設ける平面部81Kは、カム体50Kが針振り駆動軸20Kの後面側BSから前面側FSに移動して一方の針振りカム13JAから他方の針振りカム13JBに位置するまでの長さに亘って形成するとよい。なお、ストッパ83Kをカム体50Kの後面側BSや前後両面に設ける構成としてもよい。また、図39および図40においては固定手段を省略して示す。その他の構成は、前述した第11実施形態と同様とされている。
【0174】
このような構成により、本実施形態は前述した第3実施形態と第11実施形態とを合わせたものと同様の効果を奏する。
【0175】
すなわち、針振り駆動軸20Kの外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部81Kを、前記カム体50に配設されたストッパ83の平坦面82が摺動するので、カム体50を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、平面部81Kにストッパ83Kの平坦面82Kを摺動可能に当接することにより、カム体50Kが針振り駆動軸21Kを中心として回転するのを防止することができるとともに、高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体50Kと針振り駆動軸20Kとの間に生じる針振り駆動軸20Kの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、平面部81Kとこの平面部81Kに摺動可能に当接するストッパ83Kの平坦面82Kとは、針振り駆動軸20Kに装着されたカム体50Kが針振り駆動軸20K上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Kとカム体50Kとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0176】
図41は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第13実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Lにおいては、針振り駆動軸20Jの前面側FSにガイド腕135Lの基端部を固定し、このガイド腕135Lの先端部にガイド軸48Lを固定し、ガイド軸48Lの先端が前面側FSに向かって延在するように針振り駆動軸20Jに対して平行するように設けるとともに、ガイド孔64Lをカム体50Lの一方のカム腕18Laに設けたものである。なお、ガイド孔64Lは、カム体50Lの1対のカム腕18La,18Lbの少なくとも一方に設ければよい。また、ガイド腕135Lは、前述した第11実施形態の固定手段57Jと同様のスリット53L、雌ねじ54L、ボルト孔55Lおよび抱き締めねじ56Lからなるガイド腕135Lを針振り駆動軸20Jに固定可能なガイド腕固定手段136Lが設けられている。その他の構成は、前述した第11実施形態と同様とされている。
【0177】
このような構成により、本実施形態は前述した第11実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0178】
なお、本実施形態のその他の構成については、前述した各実施形態のものを単独もしくは組み合わせて用いるとよい。
【0179】
図42および図43は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第14実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Mにおいては、針振り駆動軸20Mに2体のカム体50MA、50MBを回転自在に取着し、一方のカム体50MAのカム腕18MAa,18MAbに設けた1対のカムコロ19MAa,19MAbを一方の針振りカム13MAの1対のカム面120MAa,120MAbに常に当接させ、他方のカム体50MBのカム腕18MBa,18MBbに設けた1対のカムコロ19MBa,19MBbを他方の針振りカム13MBの1対のカム面120MBa,120MBbに常に当接させるようになっている。
【0180】
また、針振り駆動軸20M上の2体のカム体50MA、50MBの間には、前述した第13実施形態とほぼ同様の先端部に針振り駆動軸20Mに対して平行するようにして両端が突出するガイド軸48Mを固定した針振り駆動軸20M上を軸方向に移動可能なガイド腕135Mを配設し、各カム体50MA,50MBにガイド孔64M,64Mをそれぞれ設けたものである。このガイド腕135Mには、前述した第11実施形態の固定手段57Jと同様のスリット53M、雌ねじ54M、ボルト孔55Mおよび抱き締めねじ56Mからなるガイド腕135Mを針振り駆動軸20Mに固定可能なガイド腕固定手段136Mが設けられている。さらに、針振り駆動軸20M上の2体のカム体50MA、50MBの間には、ガイド腕135Mの移動位置を規制するガイド腕位置決め手段としての1対の位置決めピン142a,142bが突設されている。このガイド腕位置決め手段としては、2体のカム体50MA、50MBのそれぞれの基部51MA,51MBの相互に対向する対向面を用いる構成であってもよい。
【0181】
前記ガイド腕135Mの基部135Maの上面には、図43に示すように、前述した第1実施形態の移動機構63と同様に、上部および左端部が開口とされた平面ほぼ横U字形状の作動溝58Mが形成されており、この作動溝58Mには、ガイド腕135Mの基部135Maの上方にミシン本体1の内壁などによって回転可能に支持された切換レバー59Mの下方に位置する作動腕60Mの先端部下面に突設された作動ピン61Mが嵌合されている。この切換レバー59Mの上部には、操作部としてのほぼ水平の駆動腕62Mが配設されている。そして、前記作動溝58Mおよび切換レバー59Mにより、本実施形態の針振り模様を変更する際にガイド腕135Mを軸方向に移動させるガイド腕移動機構145が構成されている。また、ガイド軸48Mを各カム体50MA,50MBに設け、共通のガイド孔64Mをガイド腕135Mに設ける構成としてもよい。さらに、操作部としてのほぼ水平の駆動腕62Mの配設位置は、設計コンセプトやミシンの構成などの必要に応じて決定すればよく、ミシン本体1の内部であっても、ミシン本体1の外部にであってもどちらでもよい。また、操作部としてのほぼ水平の駆動腕62Mの配設位置をミシン本体1の外部とする場合には、前記第5実施形態の移動機構63Eと同様の構成としたものを脚注部101に設けるとよい。さらにまた、ガイド腕135Mを自動的に移動させる場合には、前述した第4実施形態の移動機構63を駆動する駆動手段91、切換位置マーカ92、検出手段93および針振り模様切換制御部94と同様にして、ガイド腕移動機構145を駆動する図示しない駆動手段91、図42に示すように、針振りカム13MAの後面側BSに位置するミシン本体1との対向面に配設したガイド腕135Mを自動的に移動させる際に用いる切換位置マーカ92、この切換位置メーカと対向するようにして切換位置マーカ92を検出する検出手段としての光りセンサ93および図示しない針振り模様切換制御部を配設するとよい。その他の構成は前述した第1実施形態とほぼ同様とされている。その他の構成は、前述した第11実施形態と同様とされている。
【0182】
このような構成により、本実施形態の針振りカム13MA,13MBは、前述した第11実施形態と同様の効果を奏する。また、本実施形態のガイド軸48Mおよびガイド孔64M,64Mは、何れか一方の各カム体50MA,50MBの揺動運動を針振り駆動軸20Mに確実に伝達することができる。さらに、ガイド軸48Mおよびガイド孔64Mは、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド軸48Mとガイド孔64Mとのクリアランスを容易に小さくすることができ、ガイド軸48Mとガイド孔64Mとの間に生じる針振り駆動軸20Mの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。このように、ガイド軸48Mとガイド孔64Mとのクリアランスを小さくすると、ガイド軸48Mとガイド孔64Mとが密着して、ガイド腕135Mを針振り駆動軸20Mの軸方向へ円滑に移動させることができない場合があるので、このような不都合を防止するため、ガイド軸48Mおよびガイド孔64Mの少なくとも一方に軸方向に延在する空気抜き用の凹溝を形成することが好ましい。また、本実施形態のガイド腕135M、ガイド軸48Mおよびガイド孔64Mは、針振り模様を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0183】
また、ガイド腕移動機構145は、ガイド腕135Mを軸方向に容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性を向上することができるとともに、作業者の労力を低減することができる。
【0184】
さらに、前述した第1実施形態と同様の切換位置表示手段43を設ける構成とすることにより、作業者が針振りカムカム13MA,13MBの切換位置を容易に確認することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を向上させることができる。なお、ガイド腕移動機構145としては、前述した移動機構63Jの構成であってもよい。
【0185】
さらにまた、前述した第4実施形態の移動機構63を駆動する駆動手段91、切換位置マーカ92、検出手段93および針振り模様切換制御部94と同様にして、前記ガイド腕移動機構145を駆動する駆動手段(図示せず)と、各針振りカム13MA,13MBの切換可能な位相を示す切換位置マーカ92(図37)と、この切換位置マーカ92を検出するための検出手段93(図37)と、針振り模様を変更する際に前記検出手段が前記切換位置マーカを検出した場合に前記駆動手段により前記ガイド腕移動機構145を動作させて前記ガイド腕135Mを所望の針振り模様を得るように移動させる針振り模様切換制御部(図示せず)とを設ける構成とすることにより、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0186】
なお、本実施形態のその他の構成については、前述した各実施形態のものを単独もしくは組み合わせて用いるとよい。
【0187】
図44および図45は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第15実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Nにおいては、前述した第14実施形態の針振り駆動軸20Mに第2ガイド軸138を設け、ガイド腕135Mに第2ガイド孔139を設けものである。そして、第2ガイド軸138は、針振り駆動軸20Mの所望の位置に固着された取付板140によって針振り駆動軸20Mの軸方向に対して平行に配設されている。その他の構成は、前述した第14実施形態と同様とされている。
【0188】
このような構成により、本実施形態は前述した第14実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、第2ガイド軸138と第2ガイド孔139とは、ガイド腕135Mを移動させるる際に、前述した第11実施形態のカム体50Jの移動に際するガイド軸48Jとガイド孔64Jと同様の効果を奏する。
【0189】
すなわち、針振り駆動軸20M上を移動するガイド腕135Mは、ガイド腕135Mに設けた第2ガイド孔139が針振り駆動軸20Mに設けた第2ガイド軸138に沿って案内されて軸方向に移動するので、ガイド腕135Nを軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド腕135Nは、遊嵌状態とされたガイド腕135Mの取付孔52M(図44)と針振り駆動軸20Mの外周面との接触部、および、嵌合状態とされた第2ガイド孔139と第2ガイド軸138との接触部とで2点支持された状態で針振り駆動軸20M上を移動するので、針振り駆動軸20Mとガイド腕135Mとの組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができ、その結果、ガイド腕135Mの先端に配設したガイド軸48Mの位置が変化するのを防止することができる。
【0190】
したがって、第2ガイド軸138および第2ガイド孔139は、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド腕135と針振り駆動軸20Mとの間に生じる針振り駆動軸20Mの回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、ガイド腕135Mが針振り駆動軸20Mを中心として回転するのを防止することができるとともに、針振り駆動軸20Mに装着されたガイド腕135Mが針振り駆動軸20M上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸20Mとガイド腕135Mとの組み付け位相をほとんど変化させないので、ガイド軸48Mの位置が変化せず、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができる。
【0191】
なお、本実施形態のその他の構成については、前述した各実施形態のものを単独もしくは組み合わせて用いるとよい。
【0192】
図46は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第16実施形態の要部を示したもので、本実施形態のミシンの針振り模様切換装置40Pにおいては、前述した第15実施形態の第2ガイド軸138と第2ガイド孔139のかわりに、針振り駆動軸20Pの外周面の少なくとも一部に軸方向に平行な平面部81Pを設けるとともに、この平面部81Pに摺動可能に当接する平坦面82Pを具備するストッパ83Pをガイド腕135Pの基部135Paの軸方向の少なくとも一方の面に固着したものである。この針振り駆動軸20Pに設ける平面部81Pは、少なくともガイド腕135Pが針振り駆動軸20Pを移動する長さにストッパ83Pの平坦面82Pの厚さを加えた長さに亘って形成するとよい。その他の構成は、前述した第15実施形態と同様とされている。
【0193】
このような構成により、本実施形態は前述した第15実施形態と同様の効果を奏する。
【0194】
なお、本実施形態のその他の構成については、前述した各実施形態のものを単独もしくは組み合わせて用いるとよい。
【0195】
また、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、設計コンセプトなどに応じて前記各実施形態の要部の構成を組み合わせた構成など、必要に応じて種々変更することができる。
【0196】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、カム体を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸およびガイド孔は、カム体が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、針振り駆動軸に取着されたカム体が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とカム体との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0198】
さらに、請求項2に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、カム体を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸およびガイド孔は、カム体が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、針振り駆動軸に取着されたカム体が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とカム体との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0199】
また、請求項3に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、作業者の手違いなどによるカム体の移動が不十分な場合に1対のカムコロが1対のカム溝の何れとも係合しない非係合状態とすることができ、その結果、作業者の手違いなどによるカム体の移動が不十分な場合における装置の破損を容易に防止することができる。
【0200】
また、請求項4に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振り模様を変更する際のカム体の移動量を少なくすることができるとともに、カム体の移動方向への長さを短くすることができ、その結果、装置の小型化および軽量化を容易に図ることができる。
【0201】
また、請求項5に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、固定手段は、針振り駆動軸上を移動するカム体の位置を制御することができるとともにカム体が針振り駆動軸を中心として回転するのをより確実に防止することができる。さらに、固定手段は、カム体と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを確実に防止して針棒左右ガタをなくすことができ、その結果、縫製品質をより向上させることができる。
【0202】
また、請求項6に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、カム体位置決め手段は、作業者による針振り模様を変更する際のカム体の移動位置の位置決めを容易かつ確実にすることができる。
【0203】
また、請求項7に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、カム体を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸およびガイド孔は、カム体が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、針振り駆動軸に取着されたカム体が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とカム体との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0204】
また、請求項8に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振り駆動軸の外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部を、カム体に配設されたストッパの平坦面が摺動するので、カム体を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、平面部にストッパの平坦面を摺動可能に当接することにより、カム体が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、平面部とこの平面部に摺動可能に当接するストッパの平坦面とは、針振り駆動軸に取着されたカム体が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とカム体との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0205】
また、請求項9に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、カム体を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、ガイド軸およびガイド孔は、カム体が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、カム体と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、針振り駆動軸に取着されたカム体が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とカム体との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0206】
また、請求項10に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、ガイド軸とこのガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とは、カム体による揺動運動を針振り駆動軸に確実かつ容易に伝達することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド軸とガイド孔との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。
【0207】
また、請求項11に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、第2ガイド軸とこの第2ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合される第2ガイド孔とは、ガイド腕を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、第2ガイド軸および第2ガイド孔は、ガイド腕が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、軸と孔との嵌合により高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド腕と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、第2ガイド軸とこの第2ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合される第2ガイド孔とは、針振り駆動軸に取着されたカム腕が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とガイド腕との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0208】
また、請求項12に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振り駆動軸の外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部を、ガイド腕に配設されたストッパの平坦面が摺動するので、ガイド腕を軸方向へ円滑に移動させることができる。さらに、平面部にストッパの平坦面を摺動可能に当接することにより、ガイド腕が針振り駆動軸を中心として回転するのを防止することができるとともに、高精度の加工を容易に行うことができるので、ガイド腕と針振り駆動軸との間に生じる針振り駆動軸の回転方向へのガタを針棒左右ガタを無視し得る程度に容易に小さくすることができ、その結果、縫製品質を向上させることができる。さらにまた、平面部とこの平面部に摺動可能に当接するストッパの平坦面とは、針振り駆動軸に取着されたガイド腕が針振り駆動軸上を軸方向に移動した場合の針振り駆動軸とガイド腕との組み付け位相をほとんど変化させないようにすることができる。
【0209】
また、請求項13に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、切換位置表示手段は、針振り模様を変更する際の針振りカムの切換位置を容易に表示することができるので、作業者が針振りカムの切換位置を容易に確認することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を向上させることができる。
【0210】
また、請求項14に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、切換位置表示手段は、針振り模様を変更する際の針振りカムの切換位置をより容易かつ正確に表示することができるので、作業者が針振りカムの切換位置をより容易かつ正確に確認することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができる。さらに、切換位置表示手段を、上軸プーリに設けた可動合マークとミシン本体に設けた固定合マークとの組み合わせにより形成した場合には、針振り模様を変更する際の針振りカムの切換位置をさらに容易かつ正確に表示することができる。
【0211】
また、請求項15に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、移動機構はカム体を軸方向に容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性を向上することができるとともに、作業者の労力を低減することができる。
【0212】
また、請求項16に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、ガイド腕移動機構はガイド腕を軸方向に容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性を向上することができるとともに、作業者の労力を低減することができる。
【0213】
また、請求項17に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、操作部は、ミシン外部からカム体およびガイド腕を軸方向により容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をより向上することができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0214】
また、請求項18に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、操作部は、ミシン外部からカム体およびガイド腕を軸方向によりさらに容易に移動させることができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業者の作業性をよりさらに向上することができるとともに、作業者の労力をよりさらに低減することができる。
【0215】
また、請求項19に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、位置決めピンが中途半端な位置にあってカム体の位置が固定されない状態でミシンが駆動されることを防止し、カムの破損等を防止することができる。
【0216】
また、請求項20に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、スイッチSWがON状態とされたことを検出したいずれか一方の針振り模様についてミシンモータ駆動回路を介してミシンモータの駆動制御を行うことで、カム等尾を破損するような事故を防止し、安全をより確保することができる。
【0217】
また、請求項21に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振り模様を変更する際に、検出手段が換位置マーカを検出すると駆動手段が移動機構を駆動して針振り模様を自動的に変更することができるので、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0218】
また、請求項22に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振り模様を変更する際に、検出手段が換位置マーカを検出すると駆動手段がガイド腕移動機構を駆動して針振り模様を自動的に変更することができるので、針振り模様を変更する際の作業性をより向上させることができるとともに、作業者の労力をより低減することができる。
【0219】
また、請求項23に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振り模様表示手段は、縫製動作に用いる針振り模様を表示することができるので、作業者は縫製動作に用いる針振り模様を容易に判別することができる。
【0220】
また、請求項24に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、油滴給油手段により前記カムコロに対して上方から滴下して強制油滴給油することで、カムコロを介してカム溝内にも確実に給油し、油を保持することができるので、カムコロとカム溝との摺動による摩耗を防止することができる。
【0221】
また、請求項25に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、前記カム溝の縁部を面取り処理しているので、カムコロがカム溝に対して係合し易いものとなり、使用感を向上させることができる。
【0222】
また、請求項26に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振りカムの1回転当たりの針数が最も少なくなるので、針振りカムに形成する異なる形状のカム溝あるいはカム面を最も円滑にすることができ、その結果、針振りカムが回転した際のカム溝あるいはカム面と、カムコロとの接触による騒音および振動を低減することができる。
【0223】
また、請求項27に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振りカムの切換ポイントにおける切換許容範囲が拡大するので、針振り模様を変更する際の作業性を容易に向上することができる。
【0224】
また、請求項28に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振りカムが作業者が操作を行う前面側に近づくので、針振り模様を変更する際に作業者が前面側から操作することができ、その結果、針振り模様を変更する際の作業性を向上することができる。
【0225】
また、請求項29に記載の本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、作業者は、針落ち位置が針振り幅方向の少なくとも一端に位置したのを視認によって容易に判別することができるので、針振り模様を変更する際に、作業者が針落ち位置を針振り幅方向の少なくとも一端に位置させるという簡単な操作で、針振りカムを針振りカムの切換可能な位相である針振りカムの切換ポイントに容易に位置させることができる。
【0226】
したがって本発明のミシンの針振り模様切換装置によれば、針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を容易かつ適正に変更することができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第1実施形態の一方のカムコロが一方のカム溝に係合して一方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態の要部を示す一部省略正面断面図
【図2】 図1の一部省略平面図
【図3】 図1のカム溝の形状を示す拡大説明図
【図4】 図1のカム体の基端部近傍を示す正面図
【図5】 図1のカム体の移動途中を示す図2と同様の図
【図6】 図2の省略側面図
【図7】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の切換位置表示手段の他例の要部を示す説明図
【図8】 図1の油滴給油手段とカムコロとの位置関係説明図
【図9】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の他方のカムコロが他方のカム溝に係合して他方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態を示す図2と同様の図
【図10】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の針振り模様を変更する際の針振りカムの移動途中の固定手段の抱き締めねじが締まらない状態を示す説明図
【図11】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第2実施形態の要部を示す正面図
【図12】 図11の平面図
【図13】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第3実施形態の一方のカムコロが一方のカム溝に係合して一方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態の要部を示す平面図
【図14】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第3実施形態のカム体の移動途中を示す図12と同様の図
【図15】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第3実施形態の他方のカムコロが他方のカム溝に係合して他方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態を示す図12と同様の図
【図16】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第4実施形態の一方のカムコロが一方のカム溝に係合して一方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態の要部を示す平面図
【図17】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第4実施形態の他方のカムコロが他方のカム溝に係合して他方の針振り模様を形成することのできる縫製可能な状態を示す図15と同様の図
【図18】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第4実施形態の要部を示す正面図
【図19】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第4実施形態の針振り模様制御部の動作を説明するブロック図
【図20】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第5実施形態の要部を示す正面図
【図21】 図20の平面図
【図22】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第6実施形態の要部を示す正面図
【図23】 図22の要部の拡大縦断面図
【図24】 図23のA矢視図
【図25】 (a)は位置決めピンが渡り部分の斜面をスライドする状態を示す説明図、(b)は位置決めピンがきり穴に嵌合した状態を示す説明図
【図26】 第6実施形態の更なる変形例を示す要部断面図
【図27】 図26の変形例における駆動伝達回路を示すブロック図
【図28】 (a)から(d)は本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第7実施形態の針振りカムのカム溝と縫製パターンとの関係を示す説明図であり、(a)は6針カムからなる針振りカムに形成した一方のカム溝を示し、(b)は(a)のカム溝により形成される針振りカム1回転当たりの縫製パターンを示し、(c)は6針カムからなる針振りカムに形成した他方のカム溝を示し、(d)は(c)のカム溝により形成される針振りカム1回転当たりの縫製パターンを示す
【図29】 (a)から(d)は12針カムからなる針振りカムの針振りカムのカム溝と縫製パターンとの関係を示す説明図であり、(a)は12針カムからなる針振りカムに形成した一方のカム溝を示し、(b)は(a)のカム溝により形成される針振りカム1回転当たりの縫製パターンを示し、(c)は12針カムからなる針振りカムに形成した他方のカム溝を示し、(d)は(c)のカム溝により形成される針振りカム1回転当たりの縫製パターンを示す
【図30】 (a)から(d)は24針カムからなる針振りカムの針振りカムのカム溝と縫製パターンとの関係を示す説明図であり、(a)は24針カムからなる針振りカムに形成した一方のカム溝を示し、(b)は(a)のカム溝により形成される針振りカム1回転当たりの縫製パターンを示し、(c)は24針カムからなる針振りカムに形成した他方のカム溝を示し、(d)は(c)のカム溝により形成される針振りカム1回転当たりの縫製パターンを示す
【図31】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第7実施形態の最大針振り幅を一致させた針振りカムとこの針振りカムの切換ポイントとの関係を示す説明図
【図32】 最大針振り幅を一致させない場合の針振りカムとこの針振りカムの切換ポイントとの関係を示す説明図
【図33】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第9実施形態の要部を示す正面図
【図34】 図33の平面図
【図35】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第10実施形態の要部を示す側断面図
【図36】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第11実施形態の要部を省略して示す正面図
【図37】 図36の平面図
【図38】 図36のカム体の基部近傍を拡大して示す一部拡大正面図
【図39】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第12実施形態の要部を省略して示す正面図
【図40】 図39の平面図
【図41】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第13実施形態の要部を省略して示す正面図
【図42】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第14実施形態の要部を省略して示す正面図
【図43】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第14実施形態のガイド腕移動機構の要部を示す平面図
【図44】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第15実施形態の要部を省略して示す正面図
【図45】 図44の平面図
【図46】 本発明に係るミシンの針振り模様切換装置の第16実施形態の要部を省略して示す正面図
【図47】 従来のミシンの針振り装置を示す正面断面図
【図48】 図47の側面断面図
【図49】 2点千鳥模様を示す模式図
【図50】 4点千鳥模様を示す模式図
【図51】 従来の異なる針振り模様を容易に形成することのできるミシンの針振り模様切換装置の要部を示す平面図
【図52】 図51の針振り模様を変更する際の針振りカムの切換ポイントを示す説明図
【図53】 図51のカム体の移動が不十分な場合を示す説明図
【符号の説明】
1、1E、1J ミシン本体
10 上軸プーリ
11 カム駆動軸
12a、12b、Fa、Fb、Ga、Gb カム溝
13、13F、13G、13JA、13JB、13MA、13MB 針振りカム
14 カムカバー
18a、18b、18Ja、18Jb、18La、18Lb カム腕
19a、19b、19Ja、19Jb、19MAa、MAb カムコロ
20、20H、20I、20J、20K、20M、20P 針振り駆動軸
21 針振り駆動腕
40、40A、40B、40C、40D、40、40E、40F、40G、40H、40I、40J、40K、40L、40M、40N、40P ミシンの針振り模様切換装置
43 切換位置表示手段
44 可動合マーク
46 ガイド板
48、48J、48L、48M ガイド軸
49、49E カム体位置決め手段
50、50B、50D、50E、50J、50K、50MA、50MB カム体
52、52J、52M 取付孔
53、53J、53L、50M スリット
54、54J、54L、54M 雌ねじ
55、55J、55L、55M ボルト孔
56、56J、56L、56M 抱き締めねじ
57、57J 固定手段
58、58E、58M 作動溝
59、59E、59M 切換レバー
62E (操作部としての)駆動腕
63、63E 移動機構
64、64J、64L、64M ガイド孔
66a、66b 操作孔
67 ねじ位置規制部材
70 安全確保手段
72 固定合マーク
73 油滴給油手段
81、81K、81P 平面部
82、82K、82P 平坦面
83、83K、83P ストッパ
91 (駆動手段としての)アクチェータ
92 切換位置マーカ
93 (検出手段としての)光りセンサ
94 針振り模様切換制御部
98 CPU
100 (針振り模様表示手段としての)LED
101 脚柱部
110 (操作部の位置決めピンの)渡り部分
110a,110b 斜面
120Aa、120Ab、120Ba、120Bb カム面
135L、135M ガイド腕
136L、136M ガイド腕固定手段
138 第2ガイド軸
139 第2ガイド孔
142a、142b (ガイド腕位置決め手段としての)位置決めピン
145 ガイド腕移動機構
SP 切換ポイント
FS 前面側
BS 後面側
SW スイッチ
Claims (29)
- 回転駆動可能なカム駆動軸と、このカム駆動軸に取着され両面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム溝を形成した針振りカムと、前記カム駆動軸と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸と、前記針振りカムの各カム溝にそれぞれ選択的に係合される1対のカムコロを設けた1対のカム腕を具備し前記針振り駆動軸に軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体と、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸の運動を駆動ロッドに伝達する針振り駆動腕とを有し、前記針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置において、
前記針振り駆動軸および前記カム体の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸の軸方向に平行なガイド軸と、前記針振り駆動軸および前記カム体の少なくとも他方に配設され前記ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とを設けたことを特徴とするミシンの針振り模様切換装置。 - 回転駆動可能なカム駆動軸と、このカム駆動軸に取着され両面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム溝を形成した針振りカムと、前記カム駆動軸と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸と、前記針振りカムの各カム溝にそれぞれ選択的に係合される1対のカムコロを設けた1対のカム腕を具備し前記針振り駆動軸に軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体と、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸の運動を駆動ロッドに伝達する針振り駆動腕とを有し、前記針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置において、
前記針振り駆動腕および前記カム体の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸の軸方向に平行なガイド軸と、前記針振り駆動腕および前記カム体の少なくとも他方に配設され前記ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とを設けたことを特徴とするミシンの針振り模様切換装置。 - 針振り模様を変更する際に、前記カム体を前記針振り駆動軸の軸方向に沿って移動させる途中で、前記1対のカムコロが前記1対のカム溝の何れとも係合しない非係合状態を有するように形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 針振り模様を変更する際に、前記カム体を前記針振り駆動軸の軸方向に沿って移動させる途中で、前記1対のカムコロの何れか一方が前記1対のカム溝の何れか一方に係合するように形成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記カム体に、このカム体を前記針振り駆動軸に固定する固定手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記カム体の軸方向への移動位置を規制するカム体位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 回転駆動可能なカム駆動軸と、このカム駆動軸に取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面をそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカムと、前記カム駆動軸と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸と、前記各針振りカムのカム面に選択的に当接される1対のカムコロを設けたカム腕を具備し前記針振り駆動軸に軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体と、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸の運動を駆動ロッドに伝達する針振り駆動腕とを有し、前記針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置において、
前記針振り駆動軸および前記カム体の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸の軸方向に平行なガイド軸と、前記針振り駆動軸および前記カム体の少なくとも他方に配設され前記ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とを設けたことを特徴とするミシンの針振り模様切換装置。 - 回転駆動可能なカム駆動軸と、このカム駆動軸に取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面をそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカムと、前記カム駆動軸と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸と、前記各針振りカムのカム面に選択的に当接される1対のカムコロを設けたカム腕を具備し前記針振り駆動軸に軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体と、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸の運動を駆動ロッドに伝達する針振り駆動腕とを有し、前記針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置において、
前記針振り駆動軸の外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部と、前記カム体に配設され前記平面部に摺動可能に当接する平坦面を具備するストッパとを設けたことを特徴とするミシンの針振り模様切換装置。 - 回転駆動可能なカム駆動軸と、このカム駆動軸に取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面をそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカムと、前記カム駆動軸と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸と、前記各針振りカムのカム面に選択的に当接される1対のカムコロを設けたカム腕を具備し前記針振り駆動軸に軸方向に沿って移動可能に取着されたカム体と、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸の運動を駆動ロッドに伝達する針振り駆動腕とを有し、前記針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置において、
前記針振り駆動軸に取着されたガイド腕と、このガイド腕および前記カム体の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸の軸方向に平行なガイド軸と、前記ガイド腕および前記カム体の少なくとも他方に配設され前記ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とを設けたことを特徴とするミシンの針振り模様切換装置。 - 回転駆動可能なカム駆動軸と、このカム駆動軸に取着され外周面に異なる針振り模様を形成するように異なる形状のカム面をそれぞれ形成した共役カムからなる複数の針振りカムと、前記カム駆動軸と平行に配設され回転可能な針振り駆動軸と、前記各針振りカムのカム面に当接される1対のカムコロを設けたカム腕を具備し前記針振り駆動軸に回転自在に取着された複数のカム体と、基端部が前記針振り駆動軸に取着され前記針振り駆動軸の運動を駆動ロッドに伝達する針振り駆動腕とを有し、前記針振りカムを交換することなく、異なる針振り模様を形成することのできるミシンの針振り模様切換装置において、
前記針振り駆動軸に軸方向に移動可能に取着されたガイド腕と、このガイド腕および前記複数のカム体の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸の軸方向に平行なガイド軸と、前記ガイド腕および前記複数のカム体の少なくとも他方に配設され前記ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合されるガイド孔とを設けたことを特徴とするミシンの針振り模様切換装置。 - 前記針振り駆動軸および前記ガイド腕の少なくとも一方に配設され前記針振り駆動軸の軸方向に平行な第2ガイド軸と、前記針振り駆動軸および前記ガイド腕の少なくとも他方に配設され前記第2ガイド軸が軸方向に移動可能に嵌合される第2ガイド孔とを設けたことを特徴とする請求項10に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記針振り駆動軸の外周面の少なくとも一部に設けた軸方向に平行な平面部と、前記ガイド腕に配設され前記平面部に摺動可能に当接する平坦面を具備するストッパとを設けたことを特徴とする請求項10に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 針振り模様を変更する際に、前記針振りカムの切換可能な位相を表示する切換位置表示手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記切換位置表示手段は、
前記針振りカム、前記カム駆動軸および上軸プーリからなる群から選ばれた少なくとも一つに設けた可動合マークと、
前記針振りカムをミシン外方から覆うカムカバー、前記カム体、前記針振りカムに隣位するミシン本体の内部および前記上軸プーリ近傍のミシン本体からなる群から選ばれた少なくとも一つに設けた固定合マークと、
の組み合わせにより形成されていることを特徴とする請求項13に記載のミシンの針振り模様切換装置。 - 前記カム体を軸方向に移動させる移動機構を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記ガイド腕を軸方向に移動させるガイド腕移動機構を設けたことを特徴とする請求項10乃至請求項12の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記移動機構およびガイド腕移動機構にミシン外部から操作可能な操作部を設けたことを特徴とする請求項15または請求項16に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記操作部をミシン本体の脚柱部に配設したことを特徴とする請求項17に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記操作部は、切換レバーの操作に連動して移動する位置決めピンと、この位置決めピンが嵌合する1対の凹部とを有し、前記位置決めピンは前記凹部に嵌合する方向に常時付勢されており、前記1対の凹部間の渡り部分は、各凹部に一端を連接させて傾斜する1対の斜面からなる断面三角形状に形成したことを特徴とする請求項17または請求項18に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記各凹部の底部に位置決めピンの有無を検出するスイッチをそれぞれ配設したことを特徴とする請求項19に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記移動機構を駆動する駆動手段と、前記針振りカムの切換可能な位相を示す切換位置マーカと、この切換位置マーカを検出するための検出手段と、針振り模様を変更する際に前記検出手段が前記切換位置マーカを検出した場合に前記駆動手段により前記移動機構を動作させて前記カム体を所望の針振り模様を得るように移動させる針振り模様切換制御部とを有することを特徴とする請求項15に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記ガイド腕移動機構を駆動する駆動手段と、前記針振りカムの切換可能な位相を示す切換位置マーカと、この切換位置マーカを検出するための検出手段と、針振り模様を変更する際に前記検出手段が前記切換位置マーカを検出した場合に前記駆動手段により前記ガイド腕移動機構を動作させて前記ガイド腕を所望の針振り模様を得るように移動させる針振り模様切換制御部とを有することを特徴とする請求項16に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 縫製可能な針り振り模様を表示する針振り模様表示手段を設けたことを特徴とする請求項21または請求項22に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記カムの配設位置の上方に、給油ポンプによって予め吸い上げられた油を前記カムに形成されたカム部に係合しうるカムフロアに対してそれぞれ滴下可能に形成された油滴供給手段が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項23の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記カム部はカムコロが嵌合されるカム溝とされ、カム溝は、その縁部を面取り処理して形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項24の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記針振りカムを、異なる形状のカム溝あるいはカム面により異なる針振り模様を形成する際の1回転当たりの針数がそれぞれの針振り模様の1パターンを形成するのに必要な針数の最小公倍数となるように形成したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記針振りカムを、異なる形状のカム溝あるいはカム面により形成する異なる針振り模様のそれぞれの最大針振り幅が一致するように形成したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記針振りカムを、ミシン本体の内部の下軸より前面側に配設したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
- 前記針振りカムの針振り模様を変更する際の切換可能な位相を、針振り幅方向の少なくとも一端の針落ち位置に設定したことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項7乃至請求項10の何れか1項に記載のミシンの針振り模様切換装置。
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