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JP5414674B2 - 編針駆動用カムおよび横編機 - Google Patents

編針駆動用カムおよび横編機 Download PDF

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JP5414674B2
JP5414674B2 JP2010521596A JP2010521596A JP5414674B2 JP 5414674 B2 JP5414674 B2 JP 5414674B2 JP 2010521596 A JP2010521596 A JP 2010521596A JP 2010521596 A JP2010521596 A JP 2010521596A JP 5414674 B2 JP5414674 B2 JP 5414674B2
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Description

本発明は、針床に沿って走行するキャリッジに搭載され、針床の針溝から突出する編針のバットを案内して駆動する編針駆動用カムおよび横編機に関する。
従来から、横編機では、針床に並設する針溝に編針を収容し、編針の先端側のフックを針床の端部側に形成される歯口に進退させて編地の編成を行っている。編針を進退させる駆動は、針溝の並設方向に往復移動するキャリッジの底面側の地板に編針駆動用カムを搭載して行う。編針駆動用カムは大略的に板状であり、キャリッジへの搭載時に針床に臨む表面からほぼ垂直に切込まれるように形成される面がカム面となる。カム面は、編針からキャリッジ側に突出するバットに当接して駆動する。キャリッジの地板上での編針駆動用カムの配置を示すカム配置図で、カム面は、キャリッジの走行方向に対して傾斜する区間を含む輪郭線として表示されている(特許文献1および特許文献2参照)。
図6は、特許文献1の図5を簡略化して、編針1の一例を針床に収容されている状態として示す。編針1はべら針であり、針本体2の先端のフック3をラッチ4で開閉する。針本体2の尾端側には、ニードルジャック5が連結されている。針本体2の一側面には、目移し片6が取付けられている。ニードルジャック5には、全体の中間付近に編成動作用バット7が設けられ、先端付近には目移し動作用バット8が設けられる。ニードルジャック5は、編成動作用バット7と尾端との間が弾性脚となっており、弾性脚の中間付近を、セレクトジャック9で選択用バット10が設けられる先端で押圧される。選択用バット10の背後側には、セレクタ11の先端が当接して、図の右方に押上げ可能である。セレクタ11は、図の左方へ下げる下げ用バット12と右方へ上げる上げ用バット13とを有し、中間には選針用バット14を有する。選針用バット14は、複数の位置のうちの一つが各編針1毎に割当てられる。
編針1は、針本体2、ニードルジャック5、セレクトジャック9およびセレクタ11が組合わされ、針床15側で支持される。針床15では、基板16に、一定のピッチでニードルプレート17が立設され、ニードルプレート17間に形成される針溝18に編針1が収容される。針溝18内での図の横方向の摺動変位で、編針1の先端側のフック3は、歯口19に進退し、歯口19で供給される編糸を針床15側に引込んで編目を形成する。歯口19を挟む前後の両側に一対の針床15を備える横編機では、一方または両方の針床15を使用して種々の編地を編成したり、針床15間で編目を移動させる目移しも可能である。
なお、各針床15は、歯口19側が高く、歯口19から離れる側では低くなるように傾斜しているけれども、説明の便宜上、一方の針床15のみを水平な姿勢で表示する。また、編針1の移動方向を、歯口19側に向う図の右方向を上昇、歯口19から離れる図の左方向を下降、図の上下方向を浮沈の方向として、それぞれ記載する。さらに、ニードルプレート17は、歯口19側に、固定式や可動式のシンカなどを設けるための構成を有しているけれども、図示を省略する。
図7は、図6に示すような編針1を駆動して、編成動作や目移し動作を行わせることができるカムシステム20の概略的な構成を示す。カムシステム20は、図6の針床15に沿って、紙面に垂直な方向に往復走行するキャリッジに、たとえば二組搭載される。各組のカムシステム20は、渡し受け両用目移しカム21、固定ニードルレイジングカム22、可動ニードルレイジングカム23、ステッチカム24、目移しガイドカム25、ニードルガイドカム26、下げ用セレクタガイドカム27、上げ用セレクタガイドカム28およびセレクタレイジングカム29を含む。これらのカムは、キャリッジの地板30上に配置される。渡し受け両用目移しカム21と可動ニードルレイジングカム23とは、一方が地板30の表面から突出する状態となると、他方が地板30に沈む状態となるように、交互に出没状態が切換えられる。
地板30上に配置されるカムシステム20は、選針アクチュエータなどの選針作用部31も含む。選針作用部31は、図6のセレクタ11の選針用バット14に作用する。選針動作には、セレクタ11の下げ用バット12に対する下げ用セレクタガイドカム27の作用と、上げ用バット13に対する上げ用セレクタガイドカム28およびセレクタレイジングカム29の作用も関連している。選針動作では、セレクトジャック9の選択用バット10の経路を切換える。選択用バット10の経路には、プレッサ32が配置される。
特許文献2などには、べら針ではなく、針本体に対して摺動するスライダでフックを開閉する複合針を編針とする横編機が開示されている。横編機の編針では、べら針や複合針などの形式を問わず、針本体2に連結されるニードルジャック5に設ける編成動作用バット7や目移し動作用バット8がカムに案内されることで、編針が歯口19に進退する。ニットなどの編目形成時は、可動ニードルレイジングカム23に、カム面で上下を挟まれる溝状のルートとして形成される溝カム37を編成動作用バット7が通るように案内される。目移し時の渡し針では、渡し受け両用目移しカム21の上縁と目移しガイドカム25の下縁との間に形成される溝カム38を目移し動作用バット8が通るように案内される。単一のバットを案内する溝カム37,38は、溝幅が編成動作用バット7や目移し動作用バット8の幅よりも若干広くなるように形成される。目移し時の受け針では、固定ニードルレイジングカム22の内側に形成される上縁39aがカム面となって編成動作用バット7を押上げるように案内し、渡し受け両用目移しカム21の下縁39bがカム面となって目移し動作用バット8を押下げるように案内する。これらのカム面は、板状の部材の表面から厚み方向に鋭いエッジで切込まれるように形成される壁面であり、カム配置図上では輪郭線で表示される。溝カムの案内経路がキャリッジの走行方向に対して傾斜している区間で、バット上昇時は主に下側となるカム面が案内し、バット下降時は主に上側となるカム面が案内する。
また、プレッサ32が図6の上方から選択用バット10を押圧すると、セレクトジャック9の先端はニードルジャック5を押圧し、編成動作用バット7を針溝18に沈める。したがって、編成動作用バット7が溝カム37で案内されていても、プレッサ32で選択用バット10を押圧する経路に切換えれば、編成動作用バット7を溝カム37から途中で脱出させ、ニットからタックへ動作の切換えなどを行うことができる。
国際公開第07/074944号パンフレット(図1および図6) 特許第2917146号公報(図1および図33)
図7の溝カム37,38や、固定ニードルレイジングカム22の内側の上縁39a、渡し受け両用目移しカム21の下縁39bで案内を受ける編成動作用バット7や目移し動作用バット8は、片側のカム面から作用を受けるので、バットを倒す方向に力が掛かる。また、バットの上昇開始時や下降開始時には、溝カム37,38や、上縁39a、下縁39bのカム面から離れている状態から当接する際に衝突する。これらの衝突時にも、バットを倒す方向に力が掛かる。横編機で生産性を高めるためには、編成の高速化を図る必要がある。特に高速で編成すると、倒れるバットに、カム面の先端のエッジが喰い込む状態となり、焼き付きが発生するおそれがある。
焼き付き防止のために、カム面に給油しても、バットが複数本通過すれば、カム面の油が切れて無くなり、焼き付くおそれがある。キャリッジの走行方向に対してカム面が傾斜する角度を緩くすれば、バットを倒す力が減少し、焼き付きの発生を抑制することができると考えられる。しかしながら、カムやキャリッジが大型化してしまう。キャリッジが大型化すると、同一の編幅の編地を編成する場合に必要な走行ストロークが増大し、生産性を高めるためには障害となってしまう。
本発明の目的は、簡単な構成で、編針のバットへの焼き付きを防止することができる編針駆動用カムおよび横編機を提供することである。
本発明は、横編機の針床に沿って往復走行するキャリッジの地板に搭載して用いられ、大略的に板状で、板状の表面から厚み方向に切込まれるようにカム面が形成されており、キャリッジが走行中に、針床の針溝に収容される編針から突出しているバットにカム面が当接して、カム面でバットを案内しながら編針を歯口に対して進退する方向に駆動する編針駆動用カムにおいて、
該カム面がキャリッジの走行方向に対して傾斜して、編針が歯口に進退するように駆動する区間に、該板状の表面からカム面に移行する部分で、断面の角部のエッジが除去されて、カム面がバットに当接して案内する際に、バットが倒れても角部がバットに喰い込みにくくしている区間を含むことを特徴とする編針駆動用カムである。
また本発明で、前記カム面に当接するバットは、前記針溝の上縁から2mm以上突出し、
前記キャリッジへの搭載時に、前記板状の表面と該針溝の上縁との間には、0.2mmの隙間が設けられ、
前記エッジが除去されている範囲は、該板状の表面から0.2〜0.4mmであることを特徴とする。
また本発明で、前記エッジは、前記カム面が前記キャリッジの走行方向に対して傾斜する角度が少なくとも45度以上となる区間で、除去されていることを特徴とする。
さらに本発明は、前述の編針駆動用カムのいずれかをキャリッジに搭載することを特徴とする横編機である。
本発明によれば、編針駆動用カムは、針床の表面に沿って往復走行するキャリッジの地板に搭載される。編針駆動用カムには、キャリッジが走行中に、針床の針溝に収容される編針から突出しているバットに当接して、カム面でバットを案内しながら編針を歯口に対して進退する方向に駆動するカム面が板状の表面から厚み方向に切込まれるように形成される。カム面がキャリッジの走行方向に対して傾斜して、編針を歯口に進退するように駆動する区間には、板状の表面からカム面に移行する部分のエッジが除去されている区間を含むので、高速での編成時などでバットが倒れても、カム面の先端が喰い込みにくくなる。また、カム面とバットとの間で、潤滑油を保持しやすくなる。このように本発明の横編機の編針駆動用カムは、カム面のエッジを除去するという簡単な構成で、編針のバットへの焼き付きを防止することができる。
また本発明によれば、カム面に当接して案内されるバットは、針溝の上縁から2mm以上突出し、針溝の上縁と編針駆動用カムの表面との間には、0.2mmの隙間が設けられ、エッジは、溝カムの表面から0.2〜0.4mmとなる範囲で除去されている。カム面でエッジを除去する範囲は、針溝の上縁から突出するバットの根元側に留まるので、バットに当接するカム面がバットを倒すモーメントを大きくしないで、充分な掛かり代を確保することができる。
また本発明によれば、カム面が前記キャリッジの走行方向に対して傾斜する角度が少なくとも45度以上となる区間でエッジが除去されるので、急傾斜のカム面での駆動でもバットへの焼き付きを防止することができる。
さらに本発明によれば、キャリッジを高速で走行させても、編針のバットへの焼き付きを防止可能となるので、編成の生産性を高めることができる。
図1は、本発明の実施の一形態となるカム部材40の主要部分の構成を示す簡略化した断面図である。 図2は、図7のカムシステム20に、図1のカム部材40の考え方を適用するカムシステム50の構成を示す部分的なカム配置図である。 図3は、図1のカム部材40で溝カム41のカム壁面43のカム表面42側に面取り45を施す効果を模式的に示す断面図である。 図4は、図1のカム部材40での面取り45とともに、他のカム部材70,80のカム表面72,82からカム壁面73,83が切込まれる部分でのエッジ除去を行う構成を示す断面図である。 図5は、図1のカム部材40に面取り45を設けることによる油切れ防止の効果を、面取りを設けない従来のカム部材60と比較して示す断面図である。 図6は、従来からの編針1の構成を示す側面図である。 図7は、図6の編針1を駆動して、編成動作や目移し動作を行わせることができるカムシステム20の概略的な構成を示すカム配置図である。
1 編針
2 針本体
5 ニードルジャック
7 編成動作用バット
8 目移し動作用バット
15 針床
17 ニードルプレート
18 針溝
19 歯口
40、70,80 カム部材
41,57,58 溝カム
42 カム表面
43 カム壁面
45,51a,53a,53b,55a,75,85 面取り
46 編み部材
47 バット
50 カムシステム
51 渡し受け両用目移しカム
51b,51c,52a,57a,57b,58a,58b 傾斜区間
52 固定ニードルレイジングカム
53 可動ニードルレイジングカム
54 ステッチカム
55 目移しガイドカム
59a 上縁
59b 下縁
図1(a)および図1(b)は、本発明の実施の一形態となるカム部材40の主要部分を、簡略化した断面構成として示す。特に図1(a)は、図1(b)の切断面線a−aから見た断面を示す。なお、以下の説明では、先行して説明している部分に対応する部分を、同一の参照符を付して示し、重複する説明を省略することがある。
カム部材40は、たとえば図7のカムシステム20に使用される可動ニードルレイジングカム23が溝カム37を有しているのと同様に、溝カム41を有する。カム部材40は、大略的に板状であり、横編機のキャリッジの底面側の地板に搭載される。カム部材40のカム表面42は、キャリッジへの搭載時、針床15の表面に隙間Sを空けて対向する。隙間Sは、たとえば0.2mmである。溝カム41は、カム表面42から垂直に切込まれて厚み方向に形成されるカム壁面43をカム面としている。単一のカム部材に溝カム41が形成される場合は、溝カム41はカム底面44を有する。溝カム41としては、単一のカム部材40に設けられるものに限られず、図7の渡し受け両用目移しカム21の上縁と目移しガイドカム25の下縁との間の溝カム38や、固定ニードルレイジングカム22の内側に形成される上縁39aと渡し受け両用目移しカム21の下縁39bとがカム壁面43に相当するようなカムであってもよい。この場合は、地板30がカム底面44に相当する。溝カム41では、カム壁面43のカム表面42側のエッジを、たとえば45度の角度をなす傾斜面の面取り45を設けて除去している。
面取り45によるエッジの除去は、溝カム41のカム表面42からカム部材40としての厚み方向に0.2〜0.4mmとなる範囲Cで行われる。溝カム41は、図6のニードルジャック5などの編み部材46のバット47を案内する。編み部材46は、針溝18内で浮いている状態で、針床15の表面となる針溝18の上縁から出代Hで突出する。なお、針溝18の上縁は、ニードルプレート17の上縁で形成されるものとする。出代Hは、2〜3mm程度である。カム面となるカム壁面43で面取り45によってエッジを除去する範囲は、針溝18の上縁から突出するバット47の根元側に留まるので、バット47に当接するカム壁面43がバット47を倒すモーメントを大きくしないで、充分な掛かり代を確保することができる。
図1では、紙面に垂直な方向にキャリッジが走行して、キャリッジに搭載されるカム部材40も移動する。図1(a)では、溝カム41のカム面となるカム壁面43が走行方向に対して平行で傾斜していないように示されているけれども、編み部材46を針溝18内で図の左右、すなわち歯口に対して進退する方向に摺動させるように駆動する部分では、走行方向に対してカム壁面43を傾斜させる必要がある。図1(a)に示されるカム壁面43が走行方向に対して傾斜していても、バット47が円滑に案内されるように、バット47の断面側にも面取り48を設け、傾斜したカム面に対してエッジとなる部分を除去している。
図2は、図7のカムシステム20に、図1のカム部材40での溝カム41の考え方を適用して形成するカムシステム50の主要部分の構成を示す。カムシステム50は、渡し受け両用目移しカム51、固定ニードルレイジングカム52、可動ニードルレイジングカム53、ステッチカム54、目移しガイドカム55およびニードルガイドカム56を含む。他の構成は、図7と同様である。渡し受け両用目移しカム51、固定ニードルレイジングカム52、可動ニードルレイジングカム53、および目移しガイドカム55では、図7の溝カム37,38および上縁39a、下縁39bにそれぞれ対応する溝カム57,58および上縁59a、下縁59bに、表面に垂直な厚み方向のカム面がそれぞれ形成される。カムシステム50を搭載するキャリッジは、図の左右に走行するので、左右の各方向への走行時にバットを駆動するのに使用される傾斜したカム面は、線対称に配置される。傾斜区間を含んで線対称に連なるカム面は、図1のカム部材40のカム表面42側と同様に、エッジを面取り45と同様な面取り53a,53b,;55a,51aの形成で除去している。また、固定ニードルレイジングカム52の内側の上縁59aと、渡し受け両用目移しカム51の下縁59bとには、全体に面取りが施される。
面取り53a,53b;55a,51aが施される溝カム57,58の両側のカム面は、図の左右へのキャリッジの走行方向に応じて、編成動作用バット7や目移し動作用バット8に作用するカム面を切換える必要がある。キャリッジは往復させるので、傾斜している区間のカム面は、往復で使用する両方に面取りが施される。たとえば、面取り53aが施される溝カム57の上側のカム面は、キャリッジの走行方向に対して約53°の角度をなす傾斜区間57aを含む。面取り53bが施される溝カム57の下側のカム面も、走行方向に対して約53°の角度をなす傾斜区間57bを含む。面取り55a,51aが施される溝カム58の上側および下側のカム面は、走行方向に対して約53°の角度をなす傾斜区間58a,58bをそれぞれ含む。また、固定ニードルレイジングカム52の内側に形成される上縁59aも、走行方向に対して約50°の角度をなす傾斜区間52aを含む。全体にわたって面取りを施す渡し受け両用目移しカム51の下縁59bには、走行方向に対して約50°および約45°の角度をなす傾斜区間51b、51cを含む。少なくとも、これらの走行方向に対して45°以上傾斜している傾斜区間57a,57b,58a,58b,52a,51b,51cに面取りを施すことで、焼き付き防止を図ることができる。これらの区間を繋ぐ水平な部分でも、加工の都合上、連続した面取りが施されている。さらに、ステッチカム54で編針の引込みを行う傾斜カム面にも、図1の面取り45と同様な面取り54aを施して、焼き付き防止を図ることができる。
編成動作用バット7を突出状態の可動ニードルレイジングカム53の溝カム57で案内すると、面取り53a,53bが施されるカム面の間で軌跡7aを描く。渡し受け両用目移しカム51は没状態となるので、目移し動作用バット8は軌跡8aを描く。このような動作は、ニットに対応し、ステッチカム54も編成動作用バット7を案内する。目移し動作用バット8を、突出状態の渡し受け両用目移しカム51の上縁と目移しガイドカム55の下縁との間の溝カム58で案内すると、面取り55a,51aが施されるカム面の間で軌跡8bを描く。可動ニードルレイジングカム53は没状態となるので、編成動作用バット7は軌跡7bを描く。このような動作は、渡し針に対応する。受け針の動作は、固定ニードルレイジングカム52の内側に形成される上縁59aをカム面として編成動作用バット7を案内する区間と、渡し受け両用目移しカム51の下縁59bに沿って目移し動作用バット8を案内する区間とを組合せて、編成動作用バット7および目移し動作用バット8バットが軌跡7cおよび軌跡8cをそれぞれ描くように行われる。
図3は、図1のカム部材40で溝カム41のカム壁面43のカム表面42側に面取り45を施す効果を模式的に示す。左側で示すように、カム壁面43がバット47に当接して案内する際に、バット47が若干倒れて傾斜しても、当接部分のエッジ45aは90度よりも大きい角度の鈍角であるので、喰い込みにくくすることができる。従来のカム部材60は、右側に示すように、溝カム61のカム表面62から切込まれて形成されるカム壁面63は、カム表面62との境界が90度程度の角度をなす鋭いエッジ65となっている。エッジ65は、たとえばバレル仕上げなどの研磨で和らげられることはあっても、0.2mmより充分に小さな範囲である。カム部材40では、0.2mm以上の範囲に面取り45を設けることで、バット47へ疵などの損傷を与えにくくしている。なお、面取り45の上限を0.4mmとすることで、エッジ45aがバット47に当接する位置が針床17の表面からあまり離れないようにすることができる。これによって、バット47を倒すモーメントが大きくなるのを防ぎ、カムとしてバット47に実質的に作用する範囲となる掛かり代を維持することができる。
図4は、左側に示すカム部材40での面取り45と同等に、中間と右側とで、カム部材70,80のカム表面72,82からカム壁面73,83が切込まれる部分でのエッジ除去を行う他の面取りの断面構成を示す。カム部材70では、曲面状の面取り75でエッジ除去を行う。曲面状の面取り75の方が、たとえば図3のカム部材40での傾斜面状の面取り45よりも、当接するエッジでの喰い込みを生じにくくすることができる。図4の右側に示すカム部材80の面取り85は、カム部材40の面取り45と同様の傾斜面状の面取り86と、その中間の溝87とを組合せて、段付き状に形成している。このような溝87を設ける面取り85は、潤滑油を貯留するスペースを特に大きくするので、以下に説明する油切れの防止に有効である。
図5は、カム部材40に面取り45を設けることによる油切れ防止の効果を、面取りを設けない従来のカム部材60と比較して示す。図4のカム部材70,80の面取り75,85でも基本的には同様な効果があるけれども、以下の説明では、カム部材40の面取り45で代表させて示す。
矢印で簡略化して示す給油装置90からカム面に潤滑油の給油が行われ油膜91が形成される表面に、バット47が摺接されて案内されると、バット47と当接する部分で油膜91が一時的に除去されてしまう。面取り45が設けられていると、潤滑油を貯留するスペースとなって滞留油92が生じ、滞留油92から除去された油膜91の少なくとも一部が戻るので、油膜91が回復しやすいと考えられる。これに対して、面取りがないカム部材60では、油膜91が一時的に除去されると、給油装置90側からしか油膜91の回復が進まない。このために、油膜91の回復に時間がかかり、バット47が複数、連続して案内されるような場合、エッジによるバット47への焼き付きが生じるおそれがある。さらに、図3に示すようにバット47が傾斜している場合は、カム部材40のエッジ45a付近ではバット47の摺接で油膜91が一時的に除去されても、面取り45付近には潤滑油の滞留が生じ、バット47の通過後に油膜91が回復しやすい。
以上のように、編み部材46のバット47を案内する溝カム41のカム壁面43のカム表面42側に面取り45を設けるという簡単な構成で、編成速度が高速化しても、焼き付きの防止を図ることができる。面取り45を施すカム面は、必ずしも溝カム41の両側である必要はなく、図2の渡し受け両用目移しカム51の下縁側の面取り51bや、固定ニードルレイジングカム52の上縁側の面取り52aのようにも、一方側のみでもよい。また、ステッチカム54の傾斜カム面に面取り54aを設けてもよい。

Claims (4)

  1. 横編機の針床に沿って往復走行するキャリッジの地板に搭載して用いられ、大略的に板状で、板状の表面から厚み方向に切込まれるようにカム面が形成されており、キャリッジが走行中に、針床の針溝に収容される編針から突出しているバットにカム面が当接して、カム面でバットを案内しながら編針を歯口に対して進退する方向に駆動する編針駆動用カムにおいて、
    該カム面がキャリッジの走行方向に対して傾斜して、編針が歯口に進退するように駆動する区間に、該板状の表面からカム面に移行する部分で、断面の角部のエッジが除去されて、カム面がバットに当接して案内する際に、バットが倒れても角部がバットに喰い込みにくくしている区間を含ことを特徴とする編針駆動用カム。
  2. 前記カム面に当接するバットは、前記針溝の上縁から2mm以上突出し、
    前記キャリッジへの搭載時に、前記板状の表面と該針溝の上縁との間には、0.2mmの隙間が設けられ、
    前記エッジが除去されている範囲は、該板状の表面から0.2〜0.4mmであることを特徴とする請求項1記載の編針駆動用カム。
  3. 前記エッジは、前記カム面が前記キャリッジ走行方向に対して傾斜する角度が少なくとも45度以上となる区間で、除去されていることを特徴とする請求項1または2記載の編針駆動用カム。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の編針駆動用カムをキャリッジに搭載することを特徴とする横編機。
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