JP4048972B2 - レーザパワー調整方法、ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の記録媒体に対するディスクドライブ装置、及びレーザパワー調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−138946
【0003】
デジタルデータを記録・再生するための技術として、例えば、CD(Compact Disk),MD(Mini-Disk),DVD(Digital Versatile Disk)などの、光ディスク(光磁気ディスクを含む)を記録メディアに用いたデータ記録技術がある。光ディスクとは、金属薄板をプラスチックで保護した円盤に、レーザ光を照射し、その反射光の変化で信号を読み取る記録メディアの総称である。
光ディスクには、例えばCD、CD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
更に近年、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)と呼ばれる高密度光ディスクが開発され、著しい大容量化が図られている。
【0004】
ブルーレイディスクのような高密度ディスクについては、ディスク厚み方向に0.1mmのカバー層を有するディスク構造において、波長405nmのレーザ(いわゆる青色レーザ)とNA(Numerical Aperture)が0.85の対物レンズの組み合わせという条件下でフェーズチェンジマーク(相変化マーク)を記録再生を行うとし、トラックピッチ0.32μm、線密度0.12μm/bitで、64KB(キロバイト)のデータブロックを1つの記録再生単位として、フォーマット効率約82%としたとき、直系12cmのディスクに23.3GB(ギガバイト)程度の容量を記録再生できる。
また、同様のフォーマットで、線密度を0.112μm/bitの密度とすると、25GBの容量を記録再生できる。
さらに、記録層を多層構造とすることでさらに飛躍的な大容量化が実現できる。例えば記録層を2層とすることにより、容量は上記の2倍である46.6GB、又は50GBとすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらのディスク記録媒体に対するディスクドライブ装置(記録再生装置)では、記録レーザパワーを最適値に調整する動作が必要とされる。
記録レーザパワーの調整に関する技術は、例えば上記特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された技術では、記録レーザパワーPを逐次変化させながら未記録部分と記録部分とからなるパターンをテスト記録する。そしてこのテスト記録したパターンを再生して各記録レーザパワーPに対応した信号振幅mをモニターする。そして規格化された傾斜g(P)を例えば次式、
g(P)=(Δm/m)/(ΔP/P)
ΔP:Pの近傍における微小変化量
Δm:mの近傍におけるΔPに対応した微小変化量
にしたがって求め、
傾斜g(P)に基づいて記録パワーの過不足を評価することにより最適記録パワーを決定して設定するようにしていた。
【0006】
しかしながら、例えばこのような方法で最適記録レーザパワーを決定する場合、信号振幅がディスクの傾きや回転変動、記録感度ムラ等の影響をうけることにより、実用上十分な精度で最適記録パワーを決定できないという問題があった。特に上記ブルーレイディスクのように、光ディスクの高密度化によるレンズの開口率の増大という条件が重なると、この問題は無視できないレベルになりつつある。
【0007】
図12でこの点を説明する。図12ではディスク上の或る領域(テストライト実行領域)を8個のテストエリアTA1〜TA8に分割設定した場合を示している。
まず図12(a)はディスクの傾きや回転変動、記録感度ムラ等の影響が全くない理想的な状態において、各テストエリアTA1〜TA8に対して、或る固定の記録レーザパワーPnでテストパターンの記録を行い、それを再生した場合の信号振幅mを示している。この理想状態においては、同一の記録レーザパワーPnで記録したテストパターンを再生した場合、図示するように各テストエリアTA1〜TA8で、信号振幅値mとしては全て同じレベルになるはずである。
この理想状態において、各テストエリアTA1〜TA8で、それぞれ記録レーザパワーをP(1)〜P(8)として段階的に変化させる(上げていく)ようにしてテストパターンの記録を行い、それを再生すると、各テストエリアTA1〜TA8において図12(b)のような振幅が得られることが期待される。
【0008】
従来のレーザパワー調整の際には、この図12(b)の理想に近い状態で、レーザパワーに応じた振幅変化が得られることを前提とし、レーザパワーを変化させながら振幅値をモニタして、それに基づいてレーザパワー調整を行うものである。
ところが、上記原因により、この図12(a)(b)のような理想状態は得られず、特に高密度ディスクでは、その影響が無視できない。
例えば図12(c)は、図12(a)と同じく、各テストエリアTA1〜TA8に対して、或る固定の記録レーザパワーPnでテストパターンの記録を行い、それを再生した場合の信号振幅mを示している。即ち、本来図12(a)のように各テストエリアTA1〜TA8で同一の信号振幅値mが得られるべきところ、ディスク傾き、回転変動、記録ムラ等の影響で、図示するように振幅値が変動してしまう。
この場合、各テストエリアTA1〜TA8で、それぞれ記録レーザパワーをP(1)〜P(8)として段階的に変化させるようにしてテストパターンの記録を行い、それを再生すると、各テストエリアTA1〜TA8において得られる振幅レベルは図12(d)のようになる。つまり図12(b)の理想状態と比べて、振幅の変化と記録レーザパワーの変化の特性のカーブが歪んだ状態となる。
このことから、レーザパワーを変化させながら振幅値をモニタして、それに基づいてレーザパワー調整を行うようにしても、その調整精度が十分ではなくなることが理解される。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明では、ディスクの傾きや記録感度むら等の影響を受けにくい最適な記録レーザパワーへの調整技術を提供することを目的とする。
【0010】
このために本発明の書換可能な光記録媒体に対するディスクドライブ装置のレーザパワー調整方法は、上記記録媒体上に設定した第1から第x(xは2以上)の各テストエリアに対して、それぞれ第1のレーザパワーから第xのレーザパワーとしてレーザパワーを変化させながらテスト記録を行い、該テスト記録した領域を再生して、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を得る可変テスト記録ステップと、上記第1から第xの各テストエリアに対して、固定レーザパワーでテスト記録を行い、該テスト記録した領域を再生して、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を得る固定テスト記録ステップと、上記固定テスト記録ステップでの上記第1から第xの振幅情報を用いて、上記可変テスト記録ステップにおける第1から第xのレーザパワー又は上記第1から第xの振幅情報を補正する補正ステップと、上記補正ステップで補正された、上記可変テスト記録ステップにおける第1から第xのレーザパワーと上記第1から第xの振幅情報を用いて最適なレーザパワーを算出し、レーザパワー設定を行うレーザパワー設定ステップと、を有する。
【0011】
そして、上記補正ステップでは、上記第1から第xの各テストエリアに対応して、第1から第xのレーザパワー補正値を算出し、上記可変テスト記録ステップにおける第1から第xのレーザパワーを、上記第1から第xのレーザパワー補正値により補正する。
この場合、上記固定テスト記録ステップの際の固定レーザパワーの近傍での振幅変化率と、上記固定テスト記録ステップでの上記第1から第xの振幅情報と、上記固定テスト記録ステップでの上記第1から第xの振幅情報の平均値とを用いた演算により、上記第1から第xのレーザパワー補正値を算出する。
【0012】
また、上記固定テスト記録ステップにおいて得られた上記第1から第xの振幅情報によりテストエリアの適否を判別し、テストエリアが不適切であるとされた場合は、テストエリアを変更するテストエリア確認ステップをさらに備える。
また、上記振幅情報は、再生信号の振幅値、又は変調度である。
【0013】
本発明のディスクドライブ装置は、データの書込又は読出のために、ディスク記録媒体に対するレーザ照射及び反射光検出を行うヘッド手段と、上記ヘッド手段で得られる反射光に基づく信号から振幅情報を検出する振幅情報検出手段と、上記ヘッド手段において所定のレーザパワーでのレーザ出力を実行させるレーザ駆動手段と、上記ヘッド手段及び上記レーザ駆動手段を制御してディスク記録媒体に対する記録再生動作を実行させるとともに、上記振幅情報検出手段から振幅情報を得ることのできる制御手段とを備える。そして上記制御手段は、上記ヘッド手段及び上記レーザ駆動手段を制御して、上記記録媒体上に設定した第1から第x(xは2以上)の各テストエリアに対してそれぞれ第1のレーザパワーから第xのレーザパワーとしてレーザパワーを変化させながらテスト記録を実行させ、さらに該テスト記録した領域を再生させて、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を上記振幅情報検出手段から得る可変テスト記録処理と、上記ヘッド手段及び上記レーザ駆動手段を制御して、上記第1から第xの各テストエリアに対して固定レーザパワーでテスト記録を実行させ、さらに該テスト記録した領域を再生させて、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を上記振幅情報検出手段から得る固定テスト記録処理と、上記固定テスト記録処理での上記第1から第xの振幅情報を用いて、上記可変テスト記録処理における第1から第xのレーザパワー又は上記第1から第xの振幅情報を補正する補正処理と、上記補正処理で補正された、上記可変テスト記録処理における第1から第xのレーザパワーと上記第1から第xの振幅情報を用いて最適なレーザパワーを算出し、上記レーザ駆動手段に対してレーザパワー設定を行うレーザパワー設定処理とを行う。
【0014】
そして、上記制御手段は、上記補正処理において、上記第1から第xの各テストエリアに対応して、第1から第xのレーザパワー補正値を算出し、上記可変テスト記録処理における第1から第xのレーザパワーを、上記第1から第xのレーザパワー補正値により補正する。
この場合上記制御手段は、上記固定テスト記録処理の際の固定レーザパワーの近傍での振幅変化率と、上記固定テスト記録処理での上記第1から第xの振幅情報と、上記固定テスト記録処理での上記第1から第xの振幅情報の平均値とを用いた演算により、上記第1から第xのレーザパワー補正値を算出する。
【0015】
また上記制御手段は、上記固定テスト記録処理において得られた上記第1から第xの振幅情報によりテストエリアの適否を判別し、テストエリアが不適切であるとされた場合は、テストエリアを変更するテストエリア確認処理をさらに行う。
また上記振幅情報検出手段は、上記振幅情報として、再生信号の振幅値、又は変調度を検出する。
【0016】
このような本発明では、上記可変テスト記録ステップ(可変テスト記録処理)としてレーザパワーPをP(1)〜P(x)に逐次変化させてテスト記録を行う第1から第xのテストエリアに、上記固定テスト記録ステップ(固定テスト記録処理)として固定のレーザパワーPnでテスト記録を行うようにしている。
第1から第xのテストエリアに、固定のレーザパワーPnで記録した場合、それを再生して得られる振幅情報(振幅値又は変調度)が変動していれば、その変動はディスクの傾きや記録感度むら等の影響によるものと見ることができる。
つまり、上記固定テスト記録ステップ(固定テスト記録処理)におけるレーザパワーPnと、その際に第1から第xのテストエリアで得られる第1から第xの振幅情報の関係は、ディスクの傾きや記録感度むら等の影響を反映しているものとなり、この関係から、上記可変テスト記録ステップ(可変テスト記録処理)におけるレーザパワーP(1)〜P(x)と、第1から第xの振幅情報の関係を補正することで、ディスクの傾きや感度むらなどの影響をとりのぞいた本来の記録レーザパワーと振幅情報との関係を推定できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、光ディスクに対応して記録再生を行うディスクドライブ装置(記録再生装置)を例に挙げ、そのディスクドライブ装置で実行されるレーザパワー調整について説明していく。説明は次の順序で行う。
1.ディスクドライブ装置の構成
2.振幅情報を得るための構成
3.レーザドライバの構成
4.レーザパワー調整
4−1 テストライト及び補正処理
4−2 補正処理例1
4−3 補正処理例2
4−4 最適記録レーザパワー調整処理
4−5 変形例
5.調整タイミング
【0018】
1.ディスクドライブ装置の構成
図1に本例のディスクドライブ装置の構成を示す。
ディスク1は例えば相変化方式でデータの記録を行う光ディスク(ライタブルディスク)であるとする。またディスク上にはウォブリング(蛇行)されたグルーブが形成され、このグルーブが記録トラックとされる。グルーブのウォブリングによってはいわゆるADIP情報としてアドレス情報などが埋め込まれている。
【0019】
このようなディスク1は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ52によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。
そして光学ピックアップ(光学ヘッド)51によってディスク1上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報の読み出しがおこなわれる。
また記録時には光学ピックアップ51によってトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録され、再生時には光学ピックアップによって記録されたフェイズチェンジマークの読出が行われる。
【0020】
ピックアップ51内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、レーザ光を対物レンズを介してディスク記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系が形成される。
レーザダイオードは、例えば波長405nmのいわゆる青色レーザを出力するものとされる。また光学系によるNAは0.85である。
【0021】
ピックアップ51内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ51全体はスレッド機構53によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ51におけるレーザダイオードはレーザドライバ63からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
【0022】
なお、ピックアップ51内にはレーザ光の球面収差を補正する機構が備えられており、システムコントローラ60及びサーボ回路62の制御によって球面収差補正が行われる。
【0023】
ディスク1からの反射光情報はフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路54に供給される。
マトリクス回路54には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号又はRF信号ともいう)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
【0024】
マトリクス回路54から出力される再生データ信号はリーダ/ライタ回路55へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号はサーボ回路61へ、プッシュプル信号はウォブル回路58へ、それぞれ供給される。
【0025】
リーダ/ライタ回路55は、再生データ信号に対して2値化処理、PLLによる再生クロック生成処理等を行い、フェイズチェンジマークとして読み出されたデータを再生して、変復調回路56に供給する。
変復調回路56は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECCエンコーダ/デコーダ57は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。
再生時には、変復調回路56で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。
ECCエンコーダ/デコーダ57で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ60の指示に基づいて、読み出され、AV(Audio-Visual)システム120に転送される。
【0026】
グルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路54から出力されるプッシュプル信号は、ウォブル回路58において処理される。ADIP情報としてのプッシュプル信号は、ウォブル回路58においてADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ59に供給される。
アドレスデコーダ59は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ10に供給する。
またアドレスデコーダ9はウォブル回路8から供給されるウォブル信号を用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
【0027】
記録時には、AVシステム120から記録データが転送されてくるが、その記録データはECCエンコーダ/デコーダ57におけるメモリに送られてバッファリングされる。
この場合ECCエンコーダ/デコーダ57は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコードされたデータは、変復調回路56においてRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路55に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
【0028】
エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路55で記録補償処理として、記録層の特性、レーザー光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われた後、レーザドライブパルスとしてレーザードライバ63に送られる。
レーザドライバ63では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク1に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
【0029】
なお、レーザドライバ63は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニターしながらレーザーの出力が温度などによらず一定になるように制御する。
記録時及び再生時のレーザー出力の目標値(記録レーザパワー/再生レーザパワー)はシステムコントローラ60から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御する。
【0030】
サーボ回路61は、マトリクス回路54からのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ51内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ51、マトリクス回路54、サーボ回路61、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
【0031】
またサーボ回路61は、システムコントローラ60からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
【0032】
またサーボ回路61は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ60からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッド機構53を駆動する。スレッド機構53には、図示しないが、ピックアップ51を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ51の所要のスライド移動が行なわれる。
【0033】
スピンドルサーボ回路62はスピンドルモータ2をCLV回転させる制御を行う。
スピンドルサーボ回路62は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路55内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路62は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ62のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路62は、システムコントローラ60からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
【0034】
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はマイクロコンピュータによって形成されたシステムコントローラ60により制御される。
システムコントローラ60は、AVシステム120からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
【0035】
例えばAVシステム120から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ60は、まず書き込むべきアドレスにピックアップ51を移動させる。そしてECCエンコーダ/デコーダ57、変復調回路56により、AVシステム120から転送されてきたデータ(例えばMPEG2などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして上記のようにリーダ/ライタ回路55からのレーザドライブパルスがレーザドライバ63に供給されることで、記録が実行される。
【0036】
また例えばAVシステム120から、ディスク1に記録されている或るデータ(MPEG2ビデオデータ等)の転送を求めるリードコマンドが供給された場合は、まず指示されたアドレスを目的としてシーク動作制御を行う。即ちサーボ回路61に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとするピックアップ51のアクセス動作を実行させる。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム120に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク1からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路55、変復調回路56、ECCエンコーダ/デコーダ57におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
【0037】
なお、これらのフェイズチェンジマークによるデータの記録再生時には、システムコントローラ60は、ウォブル回路58及びアドレスデコーダ59によって検出されるADIPアドレスを用いてアクセスや記録再生動作の制御を行う。
【0038】
ところで、この図1の例は、AVシステム120に接続されるディスクドライブ装置としたが、本発明のディスクドライブ装置としては例えばパーソナルコンピュータ等と接続されるものとしてもよい。
さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
もちろん構成例としては他にも多様に考えられる。
【0039】
2.振幅情報を得るための構成
本実施の形態のディスクドライブ装置では、システムコントローラ60は後述するレーザパワー調整の際に、その最適な調整のための指標値として振幅情報(RF振幅値又は変調度)を用いる。この振幅情報を得るための構成例を図5に示す。
【0040】
再生RF信号に関する振幅情報は、一例としてリーダ/ライタ回路55内で検出するように構成できる。
例えば図2に示するよう、リーダ/ライタ回路55が、ライト波形生成部31,2値化回路32,RF再生処理部33,PLL回路34,振幅情報算出部35を有するように構成する。
ライト波形生成部31は、記録動作時において、変復調回路56でエンコード処理された記録データに対して、記録補償処理として、記録層の特性、レーザー光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などを行う。そしてこれらの処理を施した信号をレーザドライブパルスとしてレーザードライバ63に供給する。
再生時においては、マトリクス回路54からの再生データ信号(RF信号)は、2値化回路32で2値化処理される。また2値化データに基づいてPLL回路34で再生クロックが生成される。
2値化データはRF再生処理部33において、再生クロックに基づいて処理され、フェイズチェンジマークから読み出されたデータとされて変復調回路56に供給される。
【0041】
振幅情報算出部35は、例えばマトリクス回路54からの再生RF信号について、そのピーク/ボトム検出を行ってRF振幅値又は変調度を算出する。レーザパワー調整処理の際の振幅値又は変調度の算出方式については後述する。
振幅情報計算部35は、調整のための指標値として得た振幅情報(RF振幅値又は変調度)を、システムコントローラ60に供給する。
【0042】
3.レーザドライバの構成
レーザドライバ63は、上述したようにピックアップ51内の半導体レーザを駆動し、レーザ出力を実行させる回路である。このレーザドライバ63は例えば図3のように、APC回路41,レーザ駆動回路42、レーザパワーレジスタ43を備えて構成される。
【0043】
記録時には、上述のとおり、エンコード処理により生成された記録データは、リーダ/ライタ回路55で処理されてレーザドライブパルスとしてレーザードライバ63に供給されるが、図3に示すようにレーザドライブパルスはレーザ駆動回路42に入力される。
レーザ駆動回路42は、供給されたレーザドライブパルスによる駆動信号LDをピックアップ51内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。
また再生時にはレーザ駆動回路42は、システムコントローラ60の制御に基づいて、ピックアップ51から継続的なレーザ出力を実行させるように駆動信号LDを出力する。
【0044】
またAPC回路41は、ピックアップ51内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力(モニタ信号Lm)によりレーザ出力パワーをモニターしながらレーザーの出力が温度などによらず一定になるように制御する。
即ち、記録時及び再生時のレーザー出力の目標値としての記録レーザパワー/再生レーザパワーはシステムコントローラ60から与えられ、レーザパワーレジスタ43にセットされている。
APC回路41は、再生時には、レーザパワーレジスタ43にセットされている再生レーザパワー値を基準に、モニタ信号Lmのパワー誤差を検出し、その誤差に応じてレーザ駆動回路42の駆動信号レベルを制御する。これにより、再生時のレーザ出力レベルが目標値としてセットされた再生レーザパワー値において安定するように制御される。
またAPC回路41は、記録時には、レーザパワーレジスタ43にセットされている記録レーザパワー値を基準に、モニタ信号Lmのパワー誤差を検出し、その誤差に応じてレーザ駆動回路42の駆動信号レベルを制御する。これにより、記録時のレーザ出力レベルが目標値としてセットされた記録レーザパワー値において安定するように制御される。
【0045】
システムコントローラ60は後述するように最適記録レーザパワー調整処理を行うが、上記の目標値としての記録レーザパワー値とは、最適記録レーザパワー調整処理の結果、セットされた値である。
また最適記録レーザパワー調整処理の際には、記録レーザパワーが各種変化される。このレーザパワー可変動作は、システムコントローラ60が、レーザパワーレジスタ43にセットする記録レーザパワー値を変化させていくことでを実現できるものとなる。
【0046】
4.レーザパワー調整
4−1 テストライト及び補正処理
上記構成のディスクドライブ装置において行われる最適記録レーザパワー調整処理について説明していく。
最適記録レーザパワー調整処理としての一連の動作は、システムコントローラ60が図4の処理を行うことで実行されるが、この図4の処理において、ステップF101でパラメータκ、ρ、Pindを適切な値に設定した後、ステップF102でテストライト及び補正処理が行われる。
この図4の処理の説明に先立って、まずステップF102としてのテストライト及び補正処理について、図6、図7、図8を用いて詳しく述べる。
【0047】
図6は、図4のステップF102としてシステムコントローラ60が実行するテストライト及び補正処理のフローチャートを示している。
この場合、システムコントローラ60は、ますステップF201で、テストライトで使用する領域を選択する。
【0048】
図7(a)は、ディスク1上の領域構造を示しているが、ディスク1の領域は、内周側から外周側に向かって、リードインゾーン、データゾーン、リードアウトゾーンが形成されている。
リードインゾーンは、各種管理情報を記録するコントロールエリアや、DMAエリア、OPCエリア、バッファエリア等が形成されている。
データゾーンは、ユーザーデータの記録再生に用いられる領域である。
ディスク最外周側のリードアウトゾーンは、コントロールエリアやDMAエリアが形成されたり、バッファエリア等として使用される。
ここで、テストライトとしては、リードインゾーンにおけるOPCエリア(試し書き領域)が用いられる。図7(a)は単に模式的に示しているにすぎないが、リードインゾーン内には所定位置にOPCエリアが形成されている。
図7(b)には、このOPCエリアを拡大して示しているが、上記ステップF201の領域選択とは、この図7(b)のOPCエリア内で、実際にテストライトに使用する領域を選定することを意味する。例えば領域TW1を、使用エリアとして選択する。
【0049】
次にシステムコントローラ60は、ステップF202で、選択した使用領域をx個に分割する。ここでは、x=8、すなわち8分割するとし、それぞれの領域をテストエリアTA(1)〜TA(8)と設定する。
図7(c)に、選択した使用領域TW1を8分割し、各領域をテストエリアTA(1)〜TA(8)とした状態を示している。
【0050】
ステップF203では、システムコントローラ60は、テストライトを行う記録レーザパワーを決定する。この場合、8分割(x分割)したテストエリアTA(1)〜TA(8)にそれぞれ対応して、8段階(x段階)の記録レーザパワーP(1)〜P(8)を設定する。
記録レーザパワーP(1)〜P(8)の決定方式としては、各種考えられるが、一例として次の式により決定する。
P(k) = Pind + ΔP*(k−4.5)
ここで、kは1〜x、つまりこの場合、kは1〜8の値であり、従ってP(k)は記録レーザパワーP(1)〜P(8)を示す。
ΔPは記録レーザパワーを逐次変化させるステップ幅である。
Pindは、図4のステップF101で設定される、レーザパワー決定のためのパラメータである。
このような式により、記録レーザパワーP(1)〜P(8)を決定する。この記録レーザパワーP(1)〜P(8)は、ステップF207の可変テスト記録処理で用いるレーザパワーである。
また、後述する図4の処理で用いる値Pfit1、Pfit2を、Pfit1=P(3)、Pfit2=P(6)とする。
【0051】
ステップF204では、次のステップF205の固定テスト記録処理のためにテストエリアTA(1)〜TA(8)を消去する。即ちレーザドライバ63及びピックアップ51の動作を制御して、テストエリアTA(1)〜TA(8)の消去を実行させる。
【0052】
ステップF205では、固定テスト記録処理を行う。
即ち第1から第8の各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対して、固定の記録レーザパワーPnでテスト記録を実行させ、さらにこのテスト記録した領域(テストエリアTA(1)〜TA(8))を再生して、各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応する第1から第8の振幅情報mn(1)〜mn(8)を得る。
この場合システムコントローラ60は、レーザドライバ63に対して、固定の記録レーザパワーPnとして、例えば記録レーザパワーPn=P(4)を指示する。即ち、上記決定した記録レーザパワーP(1)〜P(8)のうちのほぼ中央のレベルとする。
そしてこの固定の記録レーザパワーPn=P(4)において、テストエリアTA(1)〜TA(8)に、テストパターンとしてのデータ書込を実行させる。
さらにその後、レーザドライバ63及びピックアップ51によりテストエリアTA(1)〜TA(8)の再生を実行させ、上述した振幅情報算出部35からの振幅情報として、テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応する振幅情報mn(1)〜mn(8)を得る。
なお、固定の記録レーザパワーPnは、P(4)とすることに限定されるものではない。
【0053】
図7(d)に、この固定テスト記録処理の動作を模式的に示している。図示するようにまずテストエリアTA(1)〜TA(8)に固定の記録レーザパワーPn=P(4)で記録を行い、その後、各テストエリアTA(1)〜TA(8)の再生時に得られる振幅情報mn(1)〜mn(8)を取得する。
振幅情報算出部35は、振幅情報mn(1)〜mn(8)を、例えば図8(a)に示すようにして算出する。
図8(a)には、例えばテストエリアTA(1)〜TA(4)の再生時に得られるRF信号振幅を示しているが、振幅情報算出部35は、各テストエリアTA(1)〜TA(8)の再生タイミングにおいて、振幅のピーク値の平均値PK(k)、及び振幅のボトム値の平均値BT(k)を検出する。そして平均値PK(k)から平均値BT(k)を減算した値を、そのテストエリアTA(k)の振幅情報mn(k)とする。kは1〜8の値である。
つまり図示するように、例えばテストエリアTA(1)の振幅情報mn(1)は、PK(1)−BT(1)、テストエリアTA(2)の振幅情報mn(2)は、PK(2)−BT(2)・・・として、振幅情報mn(1)〜mn(8)を算出し、これをシステムコントローラ60に出力する。
【0054】
なお、この場合、振幅情報mn=振幅値であるが、振幅情報mn=変調度としてもよい。
その場合も、振幅情報算出部35は、同じくテストエリアTA(k)の再生タイミングにおいて、振幅のピーク値の平均値PK(k)、及び振幅のボトム値の平均値BT(k)を検出する。そして平均値PK(k)から平均値BT(k)を減算するが、減算値を平均値PK(k)で除算する。即ち変調度とし、この値を、そのテストエリアTA(k)の振幅情報mn(k)とする。
つまり、例えばテストエリアTA(1)の振幅情報mn(1)は、(PK(1)−BT(1))/PK(1)、テストエリアTA(2)の振幅情報mn(2)は、(PK(2)−BT(2))/PK(2)・・・として、振幅情報mn(1)〜mn(8)を算出し、これをシステムコントローラ60に出力するようにしてもよい。
【0055】
システムコントローラ60は、ステップF205の固定テスト記録処理で振幅情報mn(1)〜mn(8)が得られたら、次にステップF206で、次のステップF207の可変テスト記録処理のためにテストエリアTA(1)〜TA(8)を消去する。即ちレーザドライバ63及びピックアップ51の動作を制御して、テストエリアTA(1)〜TA(8)の消去を実行させる。
【0056】
ステップF207では、可変テスト記録処理を行う。
即ち第1から第8の各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対して、それぞれ記録レーザパワーP(1)〜P(8)に変化させながらテスト記録を行い、テスト記録した領域(テストエリアTA(1)〜TA(8))を再生して、各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応する振幅情報m(1)〜m(8)を得る処理を行う。
【0057】
この場合システムコントローラ60は、レーザドライバ63に対して、各テストエリアTA(1)〜TA(8)の記録タイミングに合わせて、順次記録レーザパワーP(1)〜P(8)を指示しながら、テストパターンとしてのデータ書込を実行させる。なお、テストパターンは、上記固定テスト記録処理の際のテストパターンと同一とする。
さらにその後、レーザドライバ63及びピックアップ51によりテストエリアTA(1)〜TA(8)の再生を実行させ、上述した振幅情報算出部35からの振幅情報として、テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応する振幅情報m(1)〜m(8)を得る。
【0058】
図7(e)に、この可変テスト記録処理の動作を模式的に示している。図示するように、テストエリアTA(1)に対しては記録レーザパワーP(1)で、テストエリアTA(2)に対しては記録レーザパワーP(2)で、・・・テストエリアTA(8)に対しては記録レーザパワーP(8)で、それぞれテストパターンの記録を実行させる。その後、各テストエリアTA(1)〜TA(8)の再生時に得られる振幅情報m(1)〜m(8)を取得する。
振幅情報算出部35は、振幅情報m(1)〜m(8)を、例えば図8(b)に示すようにして算出する。図8(b)には、テストエリアTA(1)〜TA(4)の再生時に得られるRF信号振幅を示しているが、記録レーザパワーが可変されていることにより、テストエリア毎に振幅レベルが変化している。
振幅情報mの算出方式は、上記固定テスト記録処理の際の振幅情報mnの算出方式と同様であり、振幅情報mを振幅値とする場合は、m(k)=平均値PK(k)−平均値BT(k)として算出する。
また振幅情報mを変調度とする場合は、m(k)=(平均値PK(k)−平均値BT(k))/平均値PK(k)として算出する。
そして、このようにして得た振幅情報m(1)〜m(8)をシステムコントローラ60に出力する。
【0059】
ここまでの処理で、システムコントローラ60は、ステップF205の固定テスト記録処理の際のテストエリアTA(1)〜TA(8)に対応する振幅情報mn(1)〜mn(8)と、ステップF207の可変テスト記録処理の際のテストエリアTA(1)〜TA(8)に対応する振幅情報m(1)〜m(8)を得ることができた。
最適記録レーザパワー調整のために必要な情報は、可変テスト記録処理の際の記録レーザパワーP(1)〜P(8)の値と、振幅情報m(1)〜m(8)である。
ところが、上記図12で説明したように、記録レーザパワーP(1)〜P(8)と振幅情報m(1)〜m(8)の関係は、ディスク1の傾きや記録感度ムラの影響を受けていることが考えられる。
そこで本例では、ステップF208として、この記録レーザパワーP(k)と振幅情報m(k)の関係を、後述するように固定テスト記録処理の際に得た振幅情報mn(k)を用いて補正するようにしている。
補正後の記録レーザパワーP(k)と振幅情報m(k)の関係を、(Peff(k)、meff(k))とする。
即ち補正処理によって、記録レーザパワーP(1)〜P(8)は、Peff(1)〜Peff(8)とされ、また振幅情報m(1)〜m(8)は、meff(1)〜meff(8)とされる。
【0060】
そして、ステップF208で補正した後、補正後の記録レーザパワーP(k)と振幅情報m(k)の関係(Peff(k)、meff(k))を用いて、最適記録レーザパワーを算出する処理を行う。この処理は図4のステップF103以降の処理となる。
【0061】
なお、上記ステップF203では、後述する図4の演算処理で用いる値Pfit1、Pfit2を、Pfit1=P(3)、Pfit2=P(6)としたが、記録レーザパワーP(3)、P(6)が補正されることで、ステップF208の時点でPfit1=Peff(3)、Pfit2=Peff(6)とされる。或いは、ステップF203ではなく、この補正後の時点で値Pfit1、Pfit2を設定しても良い。
【0062】
ステップF208での補正処理としては、2つの処理例が考えられるため、以下、各補正処理例を述べる。
【0063】
4−2 補正処理例1
上記ステップF208で行われることになる補正処理例1は、第1から第8の各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応して、第1から第8の記録レーザパワー補正値SP(1)〜SP(8)を算出する。そして、上記可変テスト記録処理における記録レーザパワーP(1)〜P(8)を、それぞれ記録レーザパワー補正値SP(1)〜SP(8)を使用して補正する処理である。
即ち補正後の記録レーザパワーPeff(k)を、
Peff(k)=P(k)×SP(k)
として求める。
【0064】
また、記録レーザパワー補正値SP(1)〜SP(8)は、上記固定テスト記録処理の際の固定レーザパワーの近傍での振幅変化率Vと、固定テスト記録処理での振幅情報mn(1)〜mn(8)と、振幅情報mn(1)〜mn(8)の平均値(Σmn(k))/kを用いた演算により算出する。
具体的には、テストエリアTA(k)における記録レーザパワー補正値Sp(k)を、
Sp(k)=mn(ave)/{mn(k)−mn(ave)}/Vn
にしたがって求める。
但し、mn(ave):mn(k)の平均値(=(Σmn(k))/k)
Vn=Δmn/ΔPn
ΔPn:固定記録レーザパワーPn近傍での微小変化量
Δmn:mn近傍におけるΔPnに対応した微小変化量
である。
【0065】
この補正処理例1、即ち上記ステップF208で行われる補正処理例を図9に示す。
まずステップF301では、固定の記録レーザパワーPnの近傍での振幅変化率Vnを算出する。
上記のように固定の記録レーザパワーPn=P(4)としている場合、固定の記録レーザパワーP(4)の近傍での振幅変化率V(4)を、
V(4)={m(5)−m(4)}/{P(5)−P(4)}
として求める。
【0066】
次にステップF302では、各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応した、記録レーザパワー補正値SP(1)〜SP(8)を算出する。
この場合、テストエリアTA(k)の記録レーザパワー補正値SP(k)は、
Sp(k)=mn(ave)/{mn(k)−mn(ave)}/Vn
=[(Σmn(k))/k]/{mn(k)−[(Σmn(k))/k]}/V(4)
として求める。
【0067】
これによって、各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応した記録レーザパワー補正値SP(1)〜SP(8)が算出されたら、ステップF303で、記録レーザパワーP(1)〜P(8)を補正する。
即ち補正後の記録レーザパワーPeff(k)を、
Peff(k)=P(k)×SP(k)
として、Peff(1)〜Peff(8)を求める。
Peff(1)〜Peff(8)は、記録レーザパワーP(1)〜P(8)を補正した、補正記録レーザパワーである。
なお、この場合、記録レーザパワーP(1)〜P(8)を補正し、対する振幅情報m(1)〜(8)はそのままとする。
即ちmeff(k)=m(k)とし、振幅情報m(1)〜m(8)をそのまま補正振幅情報meff(1)〜meff(8)とする。
【0068】
このような補正処理により、記録レーザパワーPと振幅情報mの関係において、レーザパワー軸上で補正が行われ、記録レーザパワーP(k)と振幅情報m(k)の関係が、補正された関係(Peff(k)、meff(k))とされる。
【0069】
4−3 補正処理例2
図6のステップF208で行われることになる補正処理は、上記補正処理例1の他に、ここで説明する補正処理例2としてもよい。
この補正処理例2は、第1から第8の各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応して、第1から第8の振幅情報補正値Sm(1)〜Sm(8)を算出する。そして、上記可変テスト記録処理において得た振幅情報m(1)〜m(8)を、それぞれ振幅情報補正値Sm(1)〜Sm(8)を使用して補正する処理である。
即ち補正後の振幅情報meff(k)を、
meff(k)=m(k)×Sm(k)
として求める。
【0070】
また、振幅情報補正値Sm(1)〜Sm(8)は、上記固定テスト記録処理の際の振幅情報mn(1)〜mn(8)と、振幅情報mn(1)〜mn(8)の平均値(Σmn(k))/kを用いた演算により算出する。
具体的には、テストエリアTA(k)における振幅情報補正値Sm(k)を、
Sm(k)=mn(ave)/{mn(k)−mn(ave)}
にしたがって求める。
但し、mn(ave)は、mn(k)の平均値(=(Σmn(k))/k)
である。
【0071】
この補正処理例2として、上記ステップF208で行われる補正処理例を図10に示す。
まずステップF401では、各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応した、振幅情報補正値Sm(1)〜Sm(8)を算出する。
この場合、テストエリアTA(k)の振幅情報補正値Sm(k)は、
Sm(k)=mn(ave)/{mn(k)−mn(ave)}
=[(Σmn(k))/k]/{mn(k)−[(Σmn(k))/k]}
として求める。
【0072】
これによって、各テストエリアTA(1)〜TA(8)に対応した振幅情報補正値Sm(1)〜Sm(8)が算出されたら、ステップF402で、振幅情報m(1)〜m(8)を補正する。
即ち補正後の振幅情報meff(k)を、
meff(k)=m(k)×Sm(k)
として、meff(1)〜meff(8)を求める。
meff(1)〜meff(8)は、振幅情報m(1)〜m(8)を補正した、補正振幅情報である。
なお、この場合、振幅情報m(1)〜(8)を補正し、対する記録レーザパワーP(1)〜P(8)はそのままとする。
即ちPeff(k)=P(k)とし、記録レーザパワーP(1)〜P(8)をそのまま補正記録レーザパワーPeff(1)〜Peff(8)とする。
【0073】
このような補正処理により、記録レーザパワーPと振幅情報mの関係において、振幅情報軸上で補正が行われ、記録レーザパワーP(k)と振幅情報m(k)の関係が、補正された関係(Peff(k)、meff(k))とされる。
【0074】
4−4 最適記録レーザパワー調整処理
以上の図6〜図10で説明のように、図4のステップF102としてのテストライト及び補正処理が行われる。
このようなテストライト及び補正処理を含む、図4の最適記録レーザパワー調整処理を説明する。
【0075】
システムコントローラ60は、図4のステップF101で、パラメータκ、ρ、Pindを適切な値に設定する。これらのパラメータは、ディスク製造者によって値が指定されることを想定する。
次にステップF102として、図6〜図10で説明した処理が行われ、補正された関係(Peff(k)、meff(k))の、可変テスト記録処理による記録レーザパワーと振幅情報として、補正記録レーザパワーPeff(1)〜Peff(8)、及び対応する補正振幅情報meff(1)〜Peff(8)が得られたものとなる。
【0076】
そしてステップF103以降で、補正記録レーザパワーPeff(1)〜Peff(8)、及び補正振幅情報meff(1)〜Peff(8)を用いた最適記録レーザパワーの算出処理が行われる。
まずステップF103では、図5のように横軸をレーザパワーP、縦軸をレーザパワーP×振幅情報mとして、記録レーザパワーP(k)対(P(k)×m(k))をプロットする。
この場合、上述のように記録レーザパワーPと振幅情報mが補正されているため、当該プロットは、補正記録レーザパワーPeff(k)と補正振幅情報meff(k)が使用されて、Peff(k)対(Peff(k)×meff(k))として行われる。
そして、Peff(k)に対応するPeff(k)×meff(k)の点をPlot(k)とする。図5にはPeff(k)に対応するPlot(k)、即ちPlot(1)〜Plot(8)としての点を示している。
【0077】
次にステップF104では、Pfit1(=Peff(3))における直線近似式を求めるために、Plot(1)〜Plot(5)を、図5のように、
記録レーザパワーP×振幅情報m=α1・(P−β1)
でフィッティングして、α1,β1を求める。
【0078】
またステップF105では、Pfit2(=Peff(6))における直線近似式を求めるために、Plot(4)〜Plot(8)を
記録レーザパワーP×振幅情報m=α2・(P−β2)
でフィッティングして、α2,β2を求める。
【0079】
ステップF106では、
Pt1=β1×κ
Pt2=β2×κ
により図5に示すレーザパワーPt1,Pt2の値を算出する。
そしてステップF107では、
Ptarget=(Pt2×Pfit1−Pt1×Pfit2)/(Pt2−Pt1−Pfit2+Pfit1)
により値Ptargetを算出する。
【0080】
最後にステップF108で、最適記録レーザパワーPoptを、
Popt=ρ×Ptarget
として算出する。このようにして最適記録レーザパワーPoptが得られたら、それの値をレーザドライバ63にセットして、最適記録レーザパワー調整処理を終了する。
【0081】
本実施の形態では、以上のように最適記録レーザパワー調整処理が行われる。即ち、上記ステップF207の可変テスト記録処理として、記録レーザパワーP(1)〜P(8)でレーザパワーを逐次変化させてテスト記録を行い、それを再生して振幅情報m(1)〜m(8)を得る処理を行うが、その際の記録レーザパワーP(1)〜P(8)もしくは振幅情報m(1)〜m(8)を補正して、補正された関係としての記録レーザパワーPeff(1)〜Peff(8)、及び振幅情報meff(1)〜meff(8)を用いて、最適記録レーザパワーPoptを算出する。
補正処理のためには、ステップF205として示した固定テスト記録処理として、固定のレーザパワーPnでテスト記録を行うようにし、振幅情報mn(1)〜mn(8)を得るようにしている。そして振幅情報mn(1)〜mn(8)から、ディスクの傾きや感度むらなどの影響をとりのぞいた本来のレーザパワーと振幅情報の関係を推定する。
このため、本例の処理で得られた最適記録レーザパワーPoptは、ディスクの傾きや記録感度むらなどの影響が軽減されたものとなり、最適レーザパワーの調整精度を高めることができる。
【0082】
また、補正処理として、上記補正処理例1として示したように、振幅変化率Vと、振幅情報mn(1)〜mn(8)と、その平均値mn(ave)とを用いた演算により、レーザパワー補正値SP(k)を求め、そのレーザパワー補正値SP(k)を用いて記録レーザパワーP(1)〜P(8)を補正すれば、比較的精度の高い補正が可能となる。
一方、上記補正処理例2として示したように、振幅情報mn(1)〜mn(8)と、その平均値mn(ave)とを用いた演算により、振幅情報補正値Sm(k)を求め、その振幅情報補正値Sm(k)を用いて振幅情報m(1)〜m(8)を補正すれば、比較的簡易な演算処理により補正が可能となる。
【0083】
4−5 変形例
本発明は上記実施の形態に限られず、多様な変形例が考えられる。以下、例を挙げる。
【0084】
まず、図6の処理の変形例としては、固定テスト記録処理と可変テスト記録処理の順序を入れ換えても良い。即ち図6のステップF205の時点で可変テスト記録処理を行い、ステップF207の時点で固定テスト記録処理を行うようにする。あくまでも、ステップF208の補正処理のためには、その前段階で、可変テスト記録処理と固定テスト記録処理が行われていればよいためである。
【0085】
また、上記例ではx=8、すなわち8個のテストエリアTA(1)〜TA(8)に分割設定したが、もちろん8個のテストエリアに分割することに限定されない。
また、可変テスト記録処理での記録レーザパワーP(1)〜P(8)の設定方式やステップ幅ΔP等の具体的な設定方式は各種考えられる。
【0086】
また、補正処理後において、補正された関係としての記録レーザパワーPeff(1)〜Peff(8)、及び振幅情報meff(1)〜meff(8)を用いて、最適記録レーザパワーPoptを算出する処理は、図4のステップF103〜F108に示したものに限られず、例えば上記した特許文献1に記載された方式を用いることもできる。
即ち規格化された傾斜g(P)を例えば次式、
g(P)=(Δm/m)/(ΔP/P)
ΔP:Pの近傍における微小変化量
Δm:mの近傍におけるΔPに対応した微小変化量
にしたがって求め、傾斜g(P)に基づいて記録パワーの過不足を評価することにより最適記録パワーを決定するのであるが、その際に、補正された記録レーザパワーPeff(k)及び振幅情報meff(k)を用いればよい。
【0087】
また、上記図6のテストライト及び補正処理の際において、固定テスト記録処理において得られた振幅情報mn(k)によりテストエリアの適否を判別し、テストエリアが不適切であるとされた場合は、テストエリアを変更するテストエリア確認処理を実行するようにしてもよい。
その場合の処理を図11に示す。図11において、図6と同一の処理には同一ステップ番号を付し、説明を省略する。
この場合、ステップF205で固定テスト記録処理が行われた後、ステップF210として、振幅情報mn(k)を用いて、テストエリアTA(1)〜TA(8)の異常の有無を確認する。
例えば振幅情報mn(1)〜mn(8)の平均値をmn(ave)を算出し、各振幅情報mn(1)〜mn(8)と平均値mn(ave)を比較する。
このときに、平均値mn(ave)からかなり離れた値の振幅情報mn(k)が存在した場合、例えば或る振幅情報mn(k)が平均値mn(ave)から10%以上異なる値であった場合は、異常有りと判断する。これは、この振幅情報mn(k)が得られたテストエリアTA(k)は、傷その他の原因で、テストライトに適していないと判断する。
そしてそのような異常箇所があった場合は、ステップF211からF201に戻ってテストエリアTAの設定処理からやり直す。例えば図7(b)の使用領域TW1に代えて新たに使用領域TW2を設定し直す。
【0088】
このうような処理を行うことで、傷などが存在し、テストライトに不適切なテストエリアがあっても、そのエリアを回避してテストライトを実行できる。これによって、記録レーザパワー調整処理の精度をより上げることができる。
【0089】
5.調整タイミング
上記記録レーザパワー調整処理を実行するタイミングは多様に考えられる。
まず、当然ながら、ディスク装填時に実行することが適切である。
また、再生中、シーク前後、或いは所定時間経過後に実行したり、ディスク上のトレース位置(内外周)に応じて実行することも考えられる。
例えば再生中であれば、ディスク1から読み出したデータのバッファリングの余裕のあるタイミングで行うことができる。
また、シーク直前、或いはシーク直後のタイミングも、調整処理の実行タイミングとして好適である。
【0090】
また、機器の温度状態(デバイス、アクチュエータの温度特性によるフォーカスバイアス最適値の変化)、経年変化、ディスク上のトレース位置(半径位置)などに応じて調整することで、これらの事情に対応した調整状態とできる。
従って、ディスク1に対する動作期間中などであっても、定期的、或いは不定期に調整処理が実行されることで、装置動作の安定化にとって適切なものとなる。また、温度変化検出、再生データのエラーレート/ジッタの悪化などをトリガとして、調整処理を行うことも考えられる。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように本発明によれば、可変テスト記録ステップ(可変テスト記録処理)として第1から第xのレーザパワーに逐次変化させてテスト記録を行う第1から第xのテストエリアに、固定テスト記録ステップ(固定テスト記録処理)として固定のレーザパワーPnでテスト記録を行うようにもしている。そして、その際の振幅情報から、ディスクの傾きや感度むらなどの影響をとりのぞいた本来のレーザパワーと振幅情報の関係を推定する。即ち可変テスト記録ステップ(可変テスト記録処理)での第1から第xのレーザパワー又はその際の第1から第xの振幅情報を補正する。そして補正された第1から第xのレーザパワーと、それに対応する第1から第xの振幅情報を用いて、最適記録パワーを決定するようにしている。
これにより、ディスクの傾きや記録感度むらなどの影響を軽減でき、最適レーザパワーの調整精度を高めることができるという効果がある。
【0092】
また、補正の際には、第1から第xの各テストエリアに対応して、第1から第xのレーザパワー補正値を算出し、可変テスト記録ステップ(可変テスト記録処理)における第1から第xのレーザパワーを、第1から第xのレーザパワー補正値により補正する。特にこの場合、固定テスト記録ステップ(固定テスト記録処理)の際の固定レーザパワーの近傍での振幅変化率、第1から第xの振幅情報、及び第1から第xの振幅情報の平均値とを用いた演算により、第1から第xのレーザパワー補正値を算出する。このような補正処理により、比較的精度の高い補正が可能となる。
【0093】
或いは、補正の際には、第1から第xの各テストエリアに対応して、第1から第xの振幅情報補正値を算出し、可変テスト記録ステップ(可変テスト記録処理)における第1から第xの振幅情報を、上記第1から第xの振幅情報補正値により補正する。この場合、固定テスト記録ステップ(固定テスト記録処理)での第1から第xの振幅情報と、その平均値とを用いた演算により、第1から第xの振幅情報補正値を算出する。このような補正処理により、比較的簡易な処理として補正が可能となる。
【0094】
また、固定テスト記録ステップ(固定テスト記録処理)において得られた第1から第xの振幅情報によりテストエリアの適否を判別し、テストエリアが不適切であるとされた場合は、テストエリアを変更するテストエリア確認ステップ(テストエリア確認処理)をさらに備えることで、テストエリア自体の不具合にも適応でき、より精度の高い調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のディスクドライブ装置のブロック図である。
【図2】実施の形態のリーダ/ライタ回路のブロック図である。
【図3】実施の形態のレーザドライバのブロック図である。
【図4】実施の形態の最適記録レーザパワー調整処理のフローチャートである。
【図5】実施の形態の最適記録レーザパワー調整処理の説明図である。
【図6】実施の形態のテストライト及び補正処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態の固定テスト記録処理及び可変テスト記録処理の説明図である。
【図8】実施の形態の振幅情報の説明図である。
【図9】実施の形態の補正処理のフローチャートである。
【図10】実施の形態の補正処理のフローチャートである。
【図11】実施の形態の他のテストライト及び補正処理のフローチャートである。
【図12】ディスク傾きや記録ムラ等の影響の説明図である。
【符号の説明】
1 ディスク、31 ライト波形生成部、32 2値化回路、33 RF再生処理部、34 PLL回路、35 振幅情報算出部、41 APC回路、42 レーザ駆動回路、43 レーザパワーレジスタ、51 ピックアップ、52 スピンドルモータ、53 スレッド機構、54 マトリクス回路、55 リーダ/ライタ回路、56 変復調回路、57 ECCエンコーダ/デコーダ、58 ウォブル回路、59 アドレスデコーダ、60 システムコントローラ、61 サーボ回路、62 スピンドルサーボ回路、63 レーザドライバ、120 AVシステム
Claims (6)
- 書換可能な光記録媒体に対するディスクドライブ装置のレーザパワー調整方法として、
上記記録媒体上に設定した第1から第x(xは2以上)の各テストエリアに対して、それぞれ第1のレーザパワーから第xのレーザパワーとしてレーザパワーを変化させながらテスト記録を行い、該テスト記録した領域を再生して、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を得る可変テスト記録ステップと、
上記第1から第xの各テストエリアに対して、固定レーザパワーでテスト記録を行い、該テスト記録した領域を再生して、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を得る固定テスト記録ステップと、
上記固定テスト記録ステップでの上記第1から第xの振幅情報を用いて、上記可変テスト記録ステップにおける第1から第xのレーザパワーを補正する補正ステップと、
上記補正ステップで補正された、上記可変テスト記録ステップにおける第1から第xのレーザパワーと上記第1から第xの振幅情報を用いて最適なレーザパワーを算出し、レーザパワー設定を行うレーザパワー設定ステップと、を有し、
上記補正ステップでは、
上記固定テスト記録ステップの際の固定レーザパワーの近傍での振幅変化率と、
上記固定テスト記録ステップでの上記第1から第xの振幅情報と、
上記固定テスト記録ステップでの上記第1から第xの振幅情報の平均値と、を用いた演算により、上記第1から第xの各テストエリアに対応して、第1から第xのレーザパワー補正値を算出し、
上記可変テスト記録ステップにおける第1から第xのレーザパワーを、上記第1から第xのレーザパワー補正値により補正する
ことを特徴とするレーザパワー調整方法。 - 上記固定テスト記録ステップにおいて得られた上記第1から第xの振幅情報によりテストエリアの適否を判別し、テストエリアが不適切であるとされた場合は、テストエリアを変更するテストエリア確認ステップを、
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザパワー調整方法。 - 上記振幅情報は、再生信号の振幅値、又は変調度であることを特徴とする請求項1に記載のレーザパワー調整方法。
- データの書込又は読出のために、ディスク記録媒体に対するレーザ照射及び反射光検出を行うヘッド手段と、
上記ヘッド手段で得られる反射光に基づく信号から振幅情報を検出する振幅情報検出手段と、
上記ヘッド手段において所定のレーザパワーでのレーザ出力を実行させるレーザ駆動手段と、
上記ヘッド手段及び上記レーザ駆動手段を制御してディスク記録媒体に対する記録再生動作を実行させるとともに、上記振幅情報検出手段から振幅情報を得ることのできる制御手段と、
を備え、
上記制御手段は、
上記ヘッド手段及び上記レーザ駆動手段を制御して、上記記録媒体上に設定した第1から第x(xは2以上)の各テストエリアに対してそれぞれ第1のレーザパワーから第xのレーザパワーとしてレーザパワーを変化させながらテスト記録を実行させ、さらに該テスト記録した領域を再生させて、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を上記振幅情報検出手段から得る可変テスト記録処理と、
上記ヘッド手段及び上記レーザ駆動手段を制御して、上記第1から第xの各テストエリアに対して固定レーザパワーでテスト記録を実行させ、さらに該テスト記録した領域を再生させて、上記第1から第xの各テストエリアに対応する第1から第xの振幅情報を上記振幅情報検出手段から得る固定テスト記録処理と、
上記固定テスト記録処理での上記第1から第xの振幅情報を用いて、上記可変テスト記録処理における第1から第xのレーザパワーを補正する補正処理と、
上記補正処理で補正された、上記可変テスト記録処理における第1から第xのレーザパワーと上記第1から第xの振幅情報を用いて最適なレーザパワーを算出し、上記レーザ駆動手段に対してレーザパワー設定を行うレーザパワー設定処理とを行うとともに、
上記補正処理において、
上記固定テスト記録処理の際の固定レーザパワーの近傍での振幅変化率と、
上記固定テスト記録処理での上記第1から第xの振幅情報と、
上記固定テスト記録処理での上記第1から第xの振幅情報の平均値と、
を用いた演算により、上記第1から第xの各テストエリアに対応して、第1から第xのレーザパワー補正値を算出し、
上記可変テスト記録処理における第1から第xのレーザパワーを、上記第1から第xのレーザパワー補正値により補正する
ことを特徴とするディスクドライブ装置。 - 上記制御手段は、
上記固定テスト記録処理において得られた上記第1から第xの振幅情報によりテストエリアの適否を判別し、テストエリアが不適切であるとされた場合は、テストエリアを変更するテストエリア確認処理を、
さらに行うことを特徴とする請求項4に記載のディスクドライブ装置。 - 上記振幅情報検出手段は、上記振幅情報として、再生信号の振幅値、又は変調度を検出することを特徴とする請求項4に記載のディスクドライブ装置。
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