JP4046197B2 - 非線形回路のためのエコーキャンセラ - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、通信システムにおけるエコーキャンセレーションに関し、特に、例をあげると、ハンドフリー操作のために装備された移動局におけるエコーのキャンセレーションに関する。
関連技術
2人のユーザ間の、陸線電話システムおよび無線電話システムにおけるような通信リンクを経ての双方向(ツーウェイ)音声送信のために備えられた通信システムにおいては、ローカルユーザからの音声信号は、通常その通信リンクの近端のマイクロホンにより検出され、次にその通信リンクを経て遠端へ伝送され、そこでそれは遠隔ユーザへのプレゼンテーションのためにその遠端のスピーカにより再生される。逆に、遠隔ユーザからの音響信号は、通信リンクの遠端のマイクロホンにより検出され、次に通信リンクを経て近端へ送信され、それはローカルユーザへのプレゼンテーションのためにその近端のスピーカにより再生される。通信リンクのいずれの端においても、他端から送信され、こちらの端において再生された原音声信号は、周囲の物により反射され、または周囲の物を通って伝播し、こちらの端のマイクロホンにより検出されうる。従って、このスピーカの信号は、他端のユーザへ送り返され、原音声信号に対して時間的に遅延して到着する(この遅延の量は、原音声信号が「往復旅行」を行うのに要する時間に等しい)。この時間遅延した信号は、他端のユーザに聞こえる不愉快な「エコー」を発生する。
本技術分野において公知のように、例えば、通信リンクの近端から遠端へ帰ってきたエコー信号の知覚可能性(識別可能性)は、2つの因子の関数である。2つの因子とは、第1に、近端から遠端へ送信されたエコー信号の振幅(音量またはラウドネス)であり、第2に、近端において受信されたエコー信号の、遠端から近端へ送信された原音声信号に対する遅延の量である。一般に、受信されたエコー信号の振幅または遅延のいずれかの増加は、その知覚可能性を増大させる。遠端において受信されるエコー信号の振幅は、そのエコー信号を形成すスピーカ信号に対する近端のマイクロホンの感度に依存する。一方、エコー信号の遅延は通信媒体に依存する(例えば、有線または無線、アナログまたはディジタル、など)。エコー信号のこれら2つの特徴(振幅および遅延)を、さらに以下に説明する。
例えば、有線電話における従来の送受器においては、マイクロホンはユーザの口の近くに位置するように設計され、一方スピーカはユーザの耳により本質的に覆われるように設計されている。この配置においては、近端音声信号を十分にピックアップするためにマイクロホンの顕著な利得(増幅)を必要とはせず、従って、マイクロホンはローカルスピーカ信号に対しあまり感度が高くはない。一方、ポータブル電話機のサイズの引き続いての減少とスピーカホン(speakerphone)の使用の増加は、マイクロホンがますますユーザの口から遠ざかり、従って、近端音声信号の所望レベルを維持するためには比較的高利得を必要とすることを意味する。しかし、これはまた、マイクロホンがローカルスピーカ信号をピックアップするために、より感度が高いことを意味する。この状況は、車両電話機に用いられるハンドフリー部品においてはさらに顕著になり、その場合、マイクロホンはユーザの口からさらに離れ、従って、その利得はさらに高くなり、これはまたローカルスピーカ信号をピックアップするためにそれがさらに高感度になりうることを意味する。要するに、現代的な電話機から発生するエコー信号の音量は、知覚的にかなりのものとなりやすい。
エコー信号に関連する遅延もまた、知覚的にかなりのものとなりうる。与えられたエコー音量において、知覚可能性は、エコー遅延の50msまでの増加に比例して増加する。一般に、50msより大きいエコー遅延は、知覚的に耐えられないものと考えられている。有線ネットワーク内の本来のアナログ電話機から発生するエコー信号は、比較的短い(すなわち50ms未満の)遅延を受けるので、知覚的に重要なものでないか、またはそれらが知覚的に重要である程度にそれらは直線ひずみのみを受け、従って、ネットワーク内において効果的にキャンセルされえた。しかし、ディジタルコードレス電話機およびセルラ電話機を含めた新しいディジタル電話機は、音声信号をボコーダにより処理し、ボコーダは顕著な(例えば200ms程度の)遅延のみでなく、非直線ひずみをも導入し、これがネットワークにおけるエコー信号の効果的なキャンセレーションを妨げる。これらの現代的な電話機においては、エコー信号は源において、すなわち送信前に、キャンセルされなければならない。
望ましくないエコー信号の送信を避けるためには、マイクロホンへ入力される近端ユーザ信号を、スピーカから発生する遠端ユーザ信号から分離する必要があるが、これもまたマイクロホンにより検出されるので、遠端ユーザが遠端ユーザ自身の音声の遅延したものを聞かないためには、近端ユーザ信号のみを遠端ユーザへ送信することが必要である。これは、一般に、エコー抑制、またはエコーキャンセレーションのプロセスにより行われ、このプロセスは、マイクロホンの出力からエコー信号を除去し、送信のためのユーザ信号のみを残すように設計される(本明細書の目的上、「エコー抑制」および「エコーキャンセレーション」という用語は、エコー信号を消去または減少させる機能を呼ぶために、交換可能な用語として用いられる)。
エコーキャンセレーションの必要は、従来の陸線電話送受器を使用する電話システムを含む全ての電話システムに少なくともある程度存在するが、上述のように、それは特にハンドフリースピーカホンの応用において強く、車両に搭載された、または車両に支持された(すなわちポータブルの)ハンドフリー操作に適応した、無線電話機において殊に厳しい。閉鎖された車両環境は、ハンドフリー操作に用いられる高利得マイクロホン内へのスピーカ信号の多重反射を極めて起こしやすい。しかし、この環境におけるエコーキャンセレーションのタスクは、車両の動きにより、また窓の開閉に伴う、または運転中のユーザの頭の移動に伴う、ユーザ信号およびエコー信号の相対方向および強度の変化により、複雑化される。さらに、エコー信号へ非直線ひずみを導入する非線形部品(例えばボコーダ)を含む現代的なディジタル無線電話機は、簡単なエコーキャンセレーション技術による除去を、より困難にする。
エコーキャンセレーション一般における、また特に移動体無線電話機の環境における、従来の試みは、例えば、米国特許第4,468,641号、第4,584,441号、第4,712,235号、第5,062,102号、第5,084,865号、第5,305,309号、第5,307,405号、第5,131,032号、第5,193,112号、第5,237,562号、第5,263,019号、第5,263,020号、第5,274,705号、第5,280,525号、第5,315,585号、第5,319,585号、および第5,475,731号に見られる。しかし、ディジタル無線電話機の環境におけるエコーキャンセレーションの問題に対する通常の対策は、図1に示されている回路に見ることができる。このエコーキャンセレーション回路は、ディジタルセルラ電話(図示せず)のような電話システムに接続される。電話システムからの入来信号Lは、回路の線路10上へ受信される。信号Lは、遠端トーカ(話者)(図示せず)から発信された音声信号のパルス符号変調(PCM)表示または他のディジタル表示である。このディジタル信号は、ディジタルアナログ変換器(DAC)16と、増幅器18と、スピーカ20と、の直列結合へ印加され、そこでそれぞれ、ディジタルからアナログへ変換され、増幅され、さらに電気信号から音響(オーディオ)信号へ変換される。
図1のエコーキャンセレーション回路への参照を続けると、DAC16、増幅器18、およびスピーカ20のそれぞれは、少なくともいくらかの(非直線)ひずみを入来信号Lへ導入しうる。従って、スピーカ20の出力は、入来信号Lの真の複製ではなく、むしろひずんだバージョンL’である。オーディオ信号L’は、周囲の領域を通って伝播し、1つまたはそれ以上の表面から反射して、方向、振幅、および/または位相を変化し、その後、実際には近端トーカ4からの発信信号Tを検出するように意図されているマイクロホン22により検出される。本技術分野において公知のように、信号L’がスピーカ20からマイクロホン22まで進む際に信号L’が受ける、多重経路および周波数に依存する振幅および位相の変化および遅延は、単一の線形音響伝達関数により記述することができ、その伝達関数をここではH1で示す。同様にして、ここでH3で示すもう1つの音響伝達関数が、トーカ4からマイクロホン22までの音声信号Tの結果的経路に対して定義されうる。
なお図1を参照すると、増幅器およびアナログディジタル変換器(簡単にするために、両者とも図1には示されていない)を含むか、またはこれらに接続されたマイクロホン22は、音響エコーおよびトーカオーディオ信号をディジタル電気信号に変換する。マイクロホン22の出力は、複合信号M1=L’・H1+T・H3である(ここで、記号「・」は、周波数領域または時間領域のそれぞれにおける、これらの信号の乗算または畳込みを示す)。信号M1は、加算器(または、同等なものとしての減算器)24の入力へ供給される。加算器24の他の入力は、適応FIR(有限インパルス応答)フィルタ14の出力を受け、このフィルタは、例えば米国特許第5,475,731号に開示されているように、フィルタタップ係数の組により伝達関数H1をモデル化または推定するために用いられるものである。フィルタ14への入力は、(DAC16におけるディジタルアナログ変換の前の)入来信号Lであり、従って、フィルタ14の出力はL・H1となり、これは多分エコー信号L’・H1に近いものである。フィルタ14は、DAC16と、増幅器18と、スピーカ20と、音響経路H1と、マイクロホン22と、を経た信号Lの遅延を補償でき、またはこの遅延に整合でき、従ってフィルタ14の出力は、信号M1と時間的にアラインするものと仮定される。このようにして、加算器24において信号M1からフィルタ14の出力を減算することにより、M1内の(音響)エコー信号L’・H1は、(電気的)エコー推定L・H1により効果的にキャンセルされ、所望のトーカ信号T・H3のみが残って線路12を経て電話システムへ送信され、それは電話システムにおいてさらに処理され遠端トーカへ送られうる。
フィルタ14により与えられる伝達関数は、H1の推定であって正確な複製ではなく、さらにH1は、車両環境の変化(例えば窓の開閉)により影響される動的関数である。もしそのような変化が、入来信号Lがアクティブである間に起これば、フィルタ14の出力は、真のエコー推定から逸れ、従って、線路12上には残留エコー信号E1が生じる。もちろん、もしトーカTが話し中であれば、信号E1は音声信号T・H3をも含む。しかし、エコー信号と音声信号とは比較的に相関がないものと仮定されるので、信号E1は、信号E1を最小化するためにフィルタ14の係数を適応するよう調節する誤差帰還信号として用いられうる。最小平均二乗(LMS)アルゴリズムは、この目的のために用いられる公知の技術である。LMSアルゴリズムが信号E1を最小化する速度は、EP−A−709−958に開示されているように増大させることができる。
図1の従来技術のエコーキャンセレーション回路に固有なことは、スピーカ20からの出力であるエコー信号L’が、フィルタ14への入力である入来信号Lに実質的に等しいという仮定である。換言すれば、図1の回路によるエコーキャンセレーションは、DAC16と、増幅器18と、スピーカ20と、により導入されるひずみが、比較的に無視しうることを必要とする。もしこのことが真であれば、信号L’のための伝達関数H1がフィルタ14において実質的に複製されうる限り、エコー信号L’・H1は、発信信号M1=L’・H1+T・H3からからフィルタ14の出力L・H1を減算することにより、M1から効果的に除去されうる。従って、近端トーカが沈黙している時は、これらの理想的条件下における誤差信号E1はゼロになる。
しかし、図1の回路における信号ひずみの無視可能な効果(すなわち、L’・H1=L・H1)に関して組み込まれた仮定は、多くの「実世界」での応用においては真とならない。実際には、1つまたはそれ以上の、DAC16と、増幅器18と、スピーカ20と、において、かなりのひずみが入来信号Lに加わりうる。そのような場合には、適応フィルタ14の伝達特性は、加算器24における減算形キャンセレーションを、ひずんでいない信号Lの成分のみに対してのものに限定するので、かなりの残留エコー信号E1=L’・H1−L・H1が線路12上に残り、これは遠端トーカに聞こえる。換言すれば、信号L’およびLが線形的に関連していないために、信号E1は非直線ひずみを含み、これは遠端トーカへ送信される。
多くの実際的な応用において、かなりのひずみがスピーカ20において加わる。例えば、セルラ電話機において用いられるハンドフリー部品の典型的なスピーカは、通過帯域における共振により約10%の振幅ひずみを導入する。さらに、スピーカおよびマイクロホンによる信号の利得は、12dB程の高さでありうる。これは図1の回路によるエコー抑制を、約20−12=8dBに制限し、これは、最低の産業上の要求45dBに遙かに及ばない。通過帯域共振が小さい、または無い、もっと高価な(高品質の)「線形」(ダイナミック)スピーカが用いられた場合でも、なお約1%のひずみは生じ、スピーカは単独でエコー抑制を約28dBに制限する。もちろん、他の部品(DACおよび増幅器)もさらにひずみを加えるので、図1のエコー抑制回路の性能は、受け入れられている産業規格からさらに逸脱する。要するに、多くの実際的な応用において、図1の理想化された回路は、最低の産業規格またはユーザの要求を満たしえない。
図1のエコーキャンセレーション回路の限界を認識して、従来技術は、ダイナミックスピーカのような低ひずみ部品を用いることにより、または、センタクリッパ、適応減衰器、スペクトル減算器、音声検出器、ダブルトーク検出器、ダイバージェンス検出器、または雑音解析検出器のような、線路12上の残留エコー信号を除去または阻止するための他の部品を追加することにより、それらの限界を克服することを試みた。しかし、低ひずみ部品は高価で、かつ上述のように、ひずみを完全には消去せず、すなわち全体的性能を著しくは改善しない。さらに、追加部品のあるものは、それら自身のひずみを実際上追加し、また他のものは回路の本来の動作を実際上妨害する。例えば音声検出器は、しばしば環境雑音にだまされ、その結果エコー信号の代わりに音声信号を不注意に除去する。他のタイプの検出器の使用によっても、類似した不利に遭遇する。
ハンドフリー電話システムにおけるエコーキャンセレーションの問題に関連して、音響雑音キャンセレーション、すなわち、送信されつつあるトーカ信号からの環境(背景)雑音の除去、の問題が存在する。移動体環境における雑音のキャンセレーションの1つの方法は、EP−A−729−288に開示されており、その場合は、1対のマイクロホンが、運転手の音声および乗客の音声のそれぞれを検出するために用いられている。一方のマイクロホンが音声を検出するために用いられている時は、他方のマイクロホンは環境雑音を検出するために用いられる。すなわち、運転手のマイクロホンが音声を検出しつつある時は、乗客のマイクロホンは、運転手のマイクロホンが受ける音声信号内の雑音成分を推定するために第1適応フィルタにより用いられる雑音を検出しつつあり、従って、その雑音成分は音声信号から第1加算器において減算されうる。同様にして、乗客のマイクロホンが音声を検出しつつある時は、運転手のマイクロホンは、乗客のマイクロホンが受ける音声信号内の雑音成分を推定するために第2適応フィルタにより用いられる雑音を検出しつつあり、従って、その雑音成分は音声信号から第2加算器において減算されうる。しかし、この方法は、雑音キャンセレーション指向のものであり、エコーキャンセレーションをも指向しているわけではない。
雑音およびエコーの双方のキャンセレーションに関する1つの最近の方法は、1995年10月24ないし26日の、信号処理の応用および技術に関する第6回国際会議(ICSPAT)の会報(The Proceedings of the 6th International Conference on Signal Processing Applications and Technology)、第41ないし45頁に所載の、クオ(Kuo)他著「デスクトップ会議のための音響雑音およびエコーキャンセレーションマイクロホンシステム(Acoustic Noise and Echo Cancellation Microphone System for Desktop Conferencing)」に開示されている。図2に示されているように、この方法は、互いに接近して、しかし反対方向へ向けて配置された2つの方向性マイクロホン22および26を用いる。第1マイクロホン22は、近端トーカ4へ向けられ、主マイクロホンとして用いられる。第2マイクロホン26は、近端トーカ4から離れる方向へ向き、雑音源8からの環境雑音をキャンセルするための参照マイクロホンとして用いられる。マイクロホン22および26の間には、参照マイクロホン26へのトーカ信号Tの漏れを減少させるための音響障壁(図示せず)が配置される。
図2の雑音およびエコーキャンセレーション回路への参照を続けると、この回路がアイドルモードにある間は、近端または遠端のトーカ信号は存在せず、主および参照マイクロホン22および26のそれぞれの出力MpおよびMrは、雑音源8からの背景雑音Nのみを含む。主マイクロホン22からの雑音信号Mpは、加算器27へ供給される。参照マイクロホン26からの雑音信号Mrは、伝達関数A(z)を有する適応フィルタ28へ供給される。適応フィルタ28の出力は、加算器27において雑音信号Mpから減算される。アイドルモード中において、適応フィルタ28は、加算器27の出力における誤差信号Eaを最小化するために、LMSアルゴリズムを用いてその係数を調節し、それにより、主マイクロホン22からの雑音信号Mpをキャンセルする。適応フィルタ28は、最終的には残留雑音Eaを最小化する最適伝達関数A*(z)に収束する。
図2の回路が受信モードにある時は、雑音源8からの背景雑音Nに加えて、スピーカ20からのエコー信号L’が存在する。前のアイドルモードから得られた係数を有する固定最適フィルタA*(z)が、適応フィルタ28の代わりに用いられ、主信号Mpの雑音成分をキャンセルする。信号Mpのエコー成分は、伝達関数B(z)を有する適応フィルタ30の出力を受ける加算器29においてキャンセルされる。適応フィルタ30は、LMSアルゴリズムを用いてその係数を調節し、音響エコーキャンセレーションを行い、加算器29の出力における残留誤差信号Ebを最小化する。適応フィルタ30は、最終的には残留雑音Ebを最小化する最適伝達関数B*(z)に収束する。
図2の回路が送信モードにある時は、雑音源8からの背景雑音Nに加えて、近端トーカ4からの音声信号Tが存在する(しかし、多分エコー信号はない)。フィルタB*(z)ではなく、固定最適フィルタA*(z)が、再び主信号Mpの雑音成分をキャンセルするために用いられる。このモードにおいては、マイクロホン22および26の配置と、音響障壁によるそれらの分離とにより、参照マイクロホン26への音声信号Tの漏れは少ない。従って、近端トーカ信号Tは、主マイクロホン22により検出され、最小のひずみをもって遠端トーカへ送信されるものと仮定する。
図2の回路が「ダブルトーク」(送信および受信)モードにある時は、参照信号Mrは、雑音源8からの背景雑音Nと、スピーカ20からのエコー信号L’と、トーカ4からの(多分最小の)音声信号Tと、を含む。このモードにおいては、前のアイドルモードおよび受信モードのそれぞれからの固定最適フィルタA*(z)およびB*(z)が、主信号Mp内の雑音成分およびエコー成分のそれぞれをキャンセルするために用いられる。
図2の回路は、残留およびエコーキャンセレーションのための2つの低次フィルタの使用を許容するように設計されている。主マイクロホン22および参照マイクロホン26は接近して配置されているので、それらの出力MpおよびMrのそれぞれは、高度の相関のある音響雑音信号およびエコー信号を含み、これらは、2つの低次フィルタ28および30のそれぞれによりキャンセルされうる。しかし、この設計は、アイドル、受信、送信、およびダブルトークの諸モードにおける、音声と雑音とを区別する堅牢な音声検出器の使用を必要とする。車両電話機の環境のような雑音の多い環境においては、そのような検出器は、殊に移動体間の通話中においては、雑音により容易にだまされうる。さらに、図2の回路の設計は、フィルタ28および30が、さまざまなモードの動作中に起動および動作停止されることを必要とし、従って遠端ユーザに聞こえるうるさい遷移を起こす。
エコーおよび/または雑音のキャンセレーションの以上の方法の短所に鑑み、非直線ひずみが存在する場合にエコー信号を効果的に除去することができ、高価な部品または追加の検出器の使用を必要としない、新しいエコーキャンセレーション回路が必要とされている。また、この新しい回路は、雑音の多い、または変化しつつある環境においても、エコーを効果的にキャンセルしうることが所望される。さらに、この新しい回路は、背景雑音を効果的にキャンセルしうることが望ましい。これらの目的は、本発明により達成される。
発明の要約
本発明は、図1の回路内に必要とされるであろう線形スピーカのような高品質のオーディオ部品を用いる出費なしに、また、図2の回路内に必要とされるであろう音声検出器のような問題を伴う検出器回路を用いる必要なしに、所望レベルのエコー抑制を提供する。一般に、本発明によるエコー抑制は、(1)図1の1マイクロホン回路におけるひずんだ信号E1を、エコーキャンセレーション回路の出力としてではなく、所望の音響伝達関数を推定する適応フィルタのための誤差信号としてのみ用い、(2)少なくとも1つの適応フィルタの係数を調節するための基準信号として入来信号Lを用いることにより、音声検出器の使用をやはり回避しつつ、図2の2マイクロホン回路におけるように、少なくとも1つの他のマイクロホンと、もう1つの所望の音響伝達関数を推定する少なくとも1つの他の適応フィルタと、を用い、(3)1つまたはそれ以上の適応フィルタの係数を用いて、1つまたはそれ以上のマイクロホン(これら自体は実質的にはひずみを追加しない)のひずんだエコー信号をフィルタし、(4)これらのマイクロホンのフィルタされた出力および/またはフィルタされていない出力を線形的に組合わせて、非直線ひずみを受けたエコー信号を消去する、ことにより行われる。このようにして、1つのマイクロホンにより検出されたひずんだ音響エコー信号は、例えば図1の従来技術の回路での場合のように、ひずんでいないエコー信号に基づく電気的エコー推定により部分的にのみキャンセルされる代わりに、もう1つのマイクロホンにより検出されたひずんだ音響エコー信号により本質的にキャンセルされうる。
本発明の回路のさまざまな実施例においては、いずれのマイクロホン出力の所望のフィルタリングも、1つまたはそれ以上の適応フィルタからコピーされた係数を有する固定フィルタにおいて、入来信号Lに関連して調節される係数を有する適応フィルタにおいて、または、基準信号としてもう1つの適応フィルタの出力を用いる適応フィルタにおいて、行われうる。さらに、これらの実施例においては、環境雑音もまた、本発明のマイクロホンの適切な配置、または向きにより、エコー信号のキャンセレーションといっしょに自動的にキャンセルされうる。従来技術とは異なり、エコーおよび雑音のキャンセレーションのこの新しい線形方法は、何時でも近端トーカおよび遠端トーカのいずれが稼働しているかには無関係であり、さらにそれは雑音により「だまされ」えず、それ自身がいかなる非直線ひずみの結果をも挿入することがない。
本発明は、1つの特徴として、マイクロホンおよびスピーカを含むオーディオ回路におけるエコーキャンセレーションの方法を提供し、前記マイクロホンは近端ユーザからの音声信号を検出し、前記スピーカは遠端音声信号を受けて対応するエコー信号を発生し、このエコー信号もまた前記マイクロホンにより検出される。この方法は、前記エコー信号を検出するための、前記オーディオ回路内の少なくとも1つの他のマイクロホンであって、該少なくとも1つの他のマイクロホンもまた前記近端音声信号を検出する、該少なくとも1つの他のマイクロホンを配設するステップと、それぞれが複数の係数を有する複数の適応フィルタであって、該適応フィルタの少なくとも1つが前記遠端音声信号をその係数を適応させるための基準信号として用いる、前記複数の適応フィルタにおける複数の音響伝達関数を推定するステップと、1つまたはそれ以上の前記マイクロホンの出力を、1つまたはそれ以上の前記適応フィルタの係数を用いてフィルタするステップと、前記近端音声信号を実質的に保存しつつ前記エコー信号を実質的にキャンセルするように、前記フィルタされたマイクロホン出力および/またはフィルタされていないマイクロホン出力を組合わせるステップと、を含む。
この方法のいくつかの実施例が可能であり、該実施例においては、前記オーディオ回路は第1および第2マイクロホンを含み、前記スピーカから前記第1および第2マイクロホンへの前記エコー信号は、それぞれ音響伝達関数H1およびH2を特徴とする。同様にして、この方法のいくつかの実施例が可能であり、これらの実施例においては、前記オーディオ回路は第1、第2、および第3マイクロホンを含み、前記スピーカから前記第1、第2、および第3マイクロホンへの前記エコー信号は、それぞれ音響伝達関数H1、H2、およびH5を特徴とする。ここでは、2マイクロホン回路および3マイクロホン回路のそれぞれのための、いくつかの典型的な実施例を説明する。もちろん、本発明によれば、3つより多くのマイクロホン回路のためのものを含め、多くの他の実施例が考えられる。
本発明の方法の、2マイクロホン回路のための第1の典型的な実施例においては、該方法は、第1適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、第2適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、前記第2適応フィルタの係数を用いる第1固定フィルタにより前記第1マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1適応フィルタの係数を用いる第2固定フィルタにより前記第2マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1固定フィルタの出力から、前記第2固定フィルタの出力を減算するステップと、を含む。
2マイクロホン回路のための第2の典型的な実施例においては、該方法は、第1適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、第2適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、前記第1および第2適応フィルタの係数を用いH1/H2を推定する固定フィルタにより前記第2マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1マイクロホンの出力から、前記固定フィルタの出力を減算するステップと、を含む。
2マイクロホン回路のための第3の典型的な実施例においては、該方法は、第1適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第1適応フィルタにおいて1/H1を推定するステップと、第2適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第2適応フィルタにおいて1/H2を推定するステップと、前記第1適応フィルタにより前記第1マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第2適応フィルタにより前記第2マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1適応フィルタの出力から、前記第2適応フィルタの出力を減算するステップと、を含む。
2マイクロホン回路のための第4の典型的な実施例においては、該方法は、第1適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、第2適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第2適応フィルタにおいて1/H2を推定するステップと、前記第2適応フィルタにより前記第2マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1適応フィルタの係数を用いる固定フィルタにより前記第2適応フィルタの出力をフィルタするステップと、前記第1マイクロホンの出力から、前記固定フィルタの出力を減算するステップと、を含む。
2マイクロホン回路のための第5の典型的な実施例においては、該方法は、第1適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、第2適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記第1適応フィルタの出力前記第2適応フィルタにおいてH1/H2を推定するステップと、前記第2適応フィルタにより前記第2マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1マイクロホンの出力から、前記第2適応フィルタの出力を減算するステップと、を含む。
2マイクロホン回路のための、これらの典型的な実施例のいずれにおいても、前記第1および第2マイクロホンは、前記ユーザおよび前記スピーカに対し、前記第1マイクロホンが前記第2マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記近端音声信号を受け、かつ前記第2マイクロホンが前記第1マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記エコー信号を受けるように、配置されうる。あるいは、前記第1および第2マイクロホンを前記スピーカから実質的に等距離に配置し、前記第1および第2マイクロホンにより実質的に等しく受け取られる環境雑音を抑制するようにもしうる。
3マイクロホン回路のための第1の典型的な実施例においては、該方法は、第1適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、第2適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、第3適応フィルタの係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号を用い前記第3適応フィルタにおいてH5を推定するステップと、前記第2および第3適応フィルタのそれぞれの係数を用いる第1対の固定フィルタにより前記第1マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1および第3適応フィルタのそれぞれの係数を用いる第2対の固定フィルタにより前記第2マイクロホンの出力をフィルタするステップと、前記第1および第2適応フィルタのそれぞれの係数を用いる第3対の固定フィルタにより前記第3マイクロホンの出力をフィルタするステップと、第1乗算器において前記第1対の固定フィルタの出力に、0≦c≦1である定数(c)を乗算するステップと、第2乗算器において前記第2対の固定フィルタの出力に、定数(1−c)を乗算するステップと、前記第1および第2乗算器の出力から、前記第3対の固定フィルタの出力を減算するステップと、を含む。
3マイクロホン回路のための第2の典型的な実施例においては、前記第1実施例における前記第3適応フィルタの係数を用いる前記2つの固定フィルタを、前記第1および第2対の固定フィルタ内の他の2つの固定フィルタの出力のそれぞれにおける前記第1および第2乗算器の再配置によって単一固定フィルタにより置き換え、かつ前記第1および第2乗算器の出力を組合わせた後に、この単一固定フィルタによりフィルタする。3マイクロホン回路のためのいずれの典型的な実施例においても、定数(c)の値は、前記近端音声信号の方向を追跡するように、または雑音の影響を最小化するように調節されうる。
本発明の、これらの、およびその他の、特徴は、図面および添付の詳細な説明から容易に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
本発明は、以下の図面を参照することにより、当業者にとって、より良く理解され、その多くの目的および利点が明らかとなろう。
図1は、通常の従来技術のエコーキャンセレーション回路のブロック図であり、
図2は、ある雑音およびエコーキャンセレーション回路のブロック図であり、
図3は、本発明により構成された2マイクロホンエコーキャンセレーション回路の1つの実施例のブロック図であり、
図4から図7までは、図3の2マイクロホンエコーキャンセレーション回路の、さまざまな別の実施例であり、
図8および図9は、図3から図7までのいずれかによる2つのマイクロホンの典型的な配置の、2つの異なる図であり、この配置は、従来の車両内に取付けられるセルラ電話のためのハンドフリー部品における雑音およびエコー双方のキャンセレーションのために用いられる。
図10および図11は、本発明により構成された3マイクロホンエコーキャンセレーション回路の別の実施例である。
詳細な説明
まず図3を参照すると、図1の従来のエコーキャンセレーション回路が、本発明の1つの実施例により改変されている。この実施例においては、マイクロホン22に加えて、第2マイクロホン36が、スピーカ20からのエコー信号L’および近端トーカ4からのトーカ信号Tを検出するために用いられている。以下に示される図3の動作の概観の後に認識されるように、マイクロホン36は、図2のマイクロホン26とは異なった様式で用いられている。さらに、部品16ないし20により導入されるひずみは、フィルタ14のエコー推定出力による、図1の加算器24における音響エコーの完全なキャンセルを妨げるが、それにもかかわらず、フィルタ14の係数は、そのようなひずみが存在しても同じ値に収束するので、フィルタ14は、図3において音響伝達関数H1を推定するために用いられうる。
図3に示されているように、スピーカ20とマイクロホン36との間のオーディオ経路は、H2で表される音響伝達関数を特徴とする。同様にして、近端トーカ4とマイクロホン36との間のオーディオ経路は、H4で表される音響伝達関数を特徴とする。マイクロホン36の出力M2=L’・H2+T・H4は、加算器38の1つの入力へ印加される。加算器38の他の入力は、関数H2をモデル化した適応FIRフィルタ40の出力を受ける。適応フィルタ40への入力は、電話システムからの線路10上の入来信号Lである。従って、適応フィルタ40の出力は信号L・H2であり、これは加算器38において信号M2から減算される。適応フィルタ40は、LMSアルゴリズムを用い加算器38の出力における誤差信号E2を最小化する。
図3への参照を続けると、第1マイクロホン22の出力M1=L’・H1+T・H3は、フィルタ40および42の間の破線により示されているように、適応フィルタ40のタップからコピーされた係数を有する固定FIRフィルタ42へ供給される。従って、固定フィルタ42の出力は、組合せL’・H1・H2+T・H3・H2により表される複合エコーおよびトーカ信号となる。同様にして、第2マイクロホン36の出力M2=L’・H2+T・H4は、フィルタ14および32の間の破線により示されているように、適応フィルタ14のタップからコピーされた係数を有する固定FIRフィルタ32へ供給される。従って、固定フィルタ32の出力は、組合せL’・H2・H1+T・H4・H1により表される複合エコーおよびトーカ信号となる。図3に示されているように、固定フィルタ32の出力は、加算器46において固定フィルタ42の出力から減算される。定義により、L’・H1・H2=L’・H2・H1であるから、固定フィルタ32および42の出力内のエコー成分は、加算器46において互いに線形的にキャンセルされ、加算器46の出力Fにはエコーのない複合トーカ信号T・H3・H2−T・H4・H1=T(H3・H2−H4・H1)が残り、線路12を経て電話システムへ送信される。
図3の回路は、2つのマイクロホン22および36、およびスピーカ20の配置すなわち相対的位置決めにかかわらず、加算器46において線形エコーキャンセレーションを実現する。しかし、理想的には、加算器46の出力Fに反映される回路の周波数応答は、マイクロホン22において検出されたトーカ信号Tに、できるだけ近いように対応していることが所望される。数学的にいうと、次の方程式が成立することが所望される。
F=T(H3・H2−H4・H1)=T・H3
容易に認識されるように、この方程式は、もしH2=1かつH4・H1=0であれば成立する。第1の条件は、もし第2マイクロホン36がスピーカ20の直前に接近して配置され、そのためにマイクロホン36により検出される直接的L’信号対反射L’信号のエネルギーの比が極めて高く、H2が衝撃関数に極めて近ければ(すなわちH2=1)満たされうる。第2の条件は、もし第2マイクロホン36が、第1マイクロホン22よりもスピーカ20のずっと近くに(例えば10倍近くに)配置され、そのためにH1≪H2であれば、かつ、もし第1マイクロホン22がトーカ4の方へ向き、第2マイクロホン36がトーカ4から離れる方へ且つスピーカの方へ向き、そのためにH4≪H3であれば、満たされる。従って、H4・H1≪H3・H2であり、かつH4・H1は0に近いものとして扱われうる。これらの条件のもとでは、組合せ(H3・H2−H4・H1)は効果的にH3まで減少し、出力信号Fは所望される入力信号T・H3に似たものとなる。
次に図4を参照すると、そこには、図3のエコーキャンセレーション回路の別の実施例が示されている。この実施例においては、マイクロホン22の出力M1は、図3に示されている固定フィルタ42のようなフィルタを通過することなく、直接加算器46へ供給される。この構成は、フィルタ42による近端トーカ信号Tの処理における遅延を、その遅延が遠端トーカにとって目立つものとなる場合に解消する。さらに、もしマイクロホン22が近端トーカ4の近くに配置されれば、信号Tの経路H1を経ての遅延は最小化されうる。加算器46においてエコーキャンセレーションを行うために、マイクロホン36の出力M2は、有理音響伝達関数H1/H2(ここで、記号「/」は、周波数領域または時間領域のそれぞれにおける除算またはデコンボリューション(deconvolution)を表す)を実現する固定無限インパルス応答(IIR)フィルタ48を通過せしめられる。この関数の分子H1は、破線34によって示されているように、適応フィルタ14の係数をコピーすることにより与えられる。分母H2は、破線44によって示されているように、適応フィルタ40の係数をコピーすることにより与えられる。
図4への参照を続けると、第1マイクロホン22の出力M1は、組合せL’・H1+T・H3により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ48の出力は、組合せL’・H1+T・H4・H1/H2により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ48の出力は、加算器46において信号M1から減算される。経路H2を経ての信号L’の遅延が、経路H1を経ての遅延より小さいか、またはこれに等しいと仮定すると(例えば、もしマイクロホン36がマイクロホン22よりもずっとスピーカ20に近いか、または、もしマイクロホン36およびスピーカ20が同じアセンブリ内に含まれる場合はこうなる)、因果関係はフィルタ48に対し維持される。信号M1内のエコー成分L’・H1は、固定フィルタ48の出力からの等価成分により効果的にキャンセルされる。このようにして、電話システムへの出線12上の信号Fは無エコーとなる。
次に図5を参照すると、そこには、図3のエコーキャンセレーション回路のもう1つの別の実施例が示されている。この実施例は、図4におけるフィルタ14および40のようなフィルタの、係数のコピーに関連した処理およびメモリの必要を回避しているので、図4に示されている実施例よりも効率的であると考えられうる。さらに、この実施例は、図4におけるフィルタ48の分母のH2が、もしいずれかの周波数において0になったとすれば起こりうるような、ある周波数において不安定になりうるIIRフィルタの使用に関連した危険、を回避している。図5においては、マイクロホン22および36の出力は、それぞれ適応FIRフィルタ50および52へ供給され、これらのフィルタはそれぞれ有理伝達関数1/H1および1/H2を推定し、また、これらのフィルタはそれぞれLMSアルゴリズムを用いて、加算器24および38の出力における誤差信号E1およびE2を最小化する。当業者の認識するように、FIRフィルタは無条件に安定しているので、IIR機能のFIR近似を表す適応フィルタ50および52は全ての周波数において安定している。
図5にはまた遅延素子54および56が示されており、これらはそれぞれ、フィルタ50および52の因果関係を保証するために、また加算器24および38のそれぞれへの入力信号のそれぞれの時間アラインメントのために用いられる。換言すれば、遅延素子54および56がないと、フィルタ50および52は、適用可能であるものとしての、部品16ないし20、音響経路H1またはH2、およびマイクロホン22または36から成るループの部分を経ての信号Lの正の遅延を補償するために、負の遅延を推定しなければならなくなるであろう。遅延素子54および56を含めると、フィルタ50および52はそれぞれ、素子54および56のそれぞれと、ループの残余の部分と、における遅延の量の間の差に等しい正の遅延へ収束しうるようになる。当業者の認識するように、遅延素子54および56は、信号L内へいかなるひずみをも導入しないように、線形に動作しうる。また、素子54および56による遅延の量は、加算器46への入力を形成するフィルタ50および52の出力の時間アラインメントを保証するように、同じであるべきである。従って、遅延素子54および56を、入来信号Lが加算器24および38へ分岐する前に入来信号Lが通過する、単一遅延素子により置き換えることが可能である。
図5への参照を続けると、適応フィルタ50の出力は、組合せL’+T・H3/H1により表される複合エコーおよびトーカ話者信号である。同様にして、適応フィルタ52の出力は、組合せL’+T・H4/H2により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ52の出力は、加算器46においてフィルタ50の出力から減算され、それによってエコー成分L’がキャンセルされ、トーカ信号T(H3/H1−H4/H2)が残される。従って、電話システムへの出線12上の信号Fは無エコーのものとなる。図5においては、マイクロホン22および36はスピーカ20からある程度等距離に配置されているが、そのような配置は、加算器46における効果的なエコーキャンセレーションのために必要ではなく、図示の目的のためのみのものである。図5の回路の適正な動作のために必要なことは、加算器46におけるエコーキャンセレーションの後にトーカ信号Tが実質的に保存されるように、H3/H1≫H4/H2であることのみである。この要求は、例えば、もしマイクロホン22が近端トーカ4の方へ且つスピーカ20から離れる方へ向き、一方マイクロホン36が近端トーカ4から離れる方へ且つスピーカ20の方へ向いていて、それによりH3≫H4かつH1≪H2であれば満たされる。
次に図6を参照すると、そこには、図3のエコーキャンセレーション回路のさらにもう1つの別の実施例が示されている。この実施例は、図3と図5とに示されている回路のある程度のハイブリッドと考えられうる。そのわけは、それがこれら2つの回路のそれぞれからの、ある部品を用いているからである。図6の回路は、図4のフィルタ48のような潜在的に不安定なIIRフィルタの使用を避けているが、それにもかかわらず、図3において用いられたような安定なFIRフィルタ32への係数のあるコピーは必要である。図6の回路は、図5におけると同じ目的(すなわち、加算器38への入力の時間アラインメント)のために遅延素子56を用いているが、図5からの遅延素子54の使用は必要としない。そのわけは、図6の適応フィルタ14が、回路のその部分における信号Lの遅延の適正な(すなわち、加算器24への入力の時間アラインメントの目的のための)責任をもつからである。しかし、図6の回路は、マイクロホン22の出力M1が、FIRフィルタ52の出力と時間的にアラインして加算器46へ到着し、これら2つの出力内のエコー成分が加算器46において互いに効果的にキャンセルすることを保証するために、もう1つの線形遅延素子58の使用を必要とする。この目的のためには、素子58による遅延は、素子56による遅延と一致すべきであり、これはひいては音響経路H2およびフィルタ52による遅延と同等であることが認識される。フィルタ32が音響経路H1による遅延の推定を取り入れているので、マイクロホン36から加算器46へ中継される信号は、もし遅延素子56および58が一致する遅延を有すれば、マイクロホン22から加算器46へ中継される信号と同じ遅延を受ける。
図6からわかるように、マイクロホン22の出力M1は、組合せL’・H1+T・H3により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ32の出力は、組合せL’・H1+T・H4・H1/H2により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ32の出力は、加算器46においてマイクロホン22の(遅延した)出力信号M1から減算され、それによりエコー成分L’・H1がキャンセルされて、トーカ信号T(H3−H4・H1/H2)が残される。従って、電話システムへの出線12上の信号Fは無エコーのものとなる。図5におけると同様に、図6においてもマイクロホン22および36はスピーカ20からある程度等距離に配置されているが、そのような配置は、加算器46における効果的なエコーキャンセレーションのために必要ではなく、図示の目的のためのみのものである。図6の回路の適正な動作のために必要なことは、加算器46におけるエコーキャンセレーションの後にトーカ信号Tが実質的に保存されるように、H3≫H4・H1/H2であることのみである。この要求は、例えばもし、マイクロホン22が、マイクロホン36よりも実質的に大きいエネルギーのトーカ信号Tを受けて、H3≫H4を意味するように、マイクロホン22および36が配置されれば満たされる。
次に図7を参照すると、そこには、図3のエコーキャンセレーション回路のさらなる別の実施例が示されている。この実施例は、前述の諸実施例に関連する潜在的欠点を避けつつ、それらの利点を組合わせている。特に、この実施例は、フィルタ係数のコピー、またはIIRフィルタまたは遅延素子の使用、を避けつつ、加算器46における所望のエコーキャンセレーションを行う。図7においては、マイクロホン22の出力M1は、直接加算器46へ供給される。これは、もしマイクロホン22が近端トーカ4に接近して配置されていれば、マイクロホン22により検出される信号Tには最小の遅延があることを意味する。適応FIRフィルタ60は、適応フィルタ14の出力と、マイクロホン36の出力M2とに基づき、有理伝達関数H1/H2を推定する。前述のように、有理関数の具体化にかかわらずフィルタ60は、それがFIRフィルタであるために安定する。
図7への参照を続けると、マイクロホン22の出力M1は、組合せL’・H1+T・H3により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ60の出力は、組合せL’・H1+T・H4・H1/H2により表される複合エコーおよびトーカ信号である。フィルタ60の出力は、加算器46において信号M1から減算され、それによりエコー成分L’・H1がキャンセルされて、トーカ信号T(H3−H4・H1/H2)が残される。従って、電話システムへの出線12上の信号Fは無エコーのものとなる。さらにマイクロホン22および36が、トーカ4に対してH3≫H4であるように配置されている限り、回路の出力における信号Fは、回路の入力に現れる所望のトーカ信号T・H3に極めて近くなる。要するに、図7の回路は、トーカ信号Tの遅延またはひずみを最小にしつつ、エコーキャンセレーションを実現する。
図示の目的上図7は、スピーカ20の直前にマイクロホン36が置かれており、これは、H2が1に極めて近く、関数H1/H2がほぼH1に近いことを意味する。これらの状況下では、適応フィルタ60は、本質的にスピーカ20からマイクロホン22までのエコー経路H1をモデル化する。しかし、図7の回路は、たとえもしマイクロホン22および36が、例えば、スピーカ20から実質的に等距離に配置されていても、所望のエコーキャンセレーションを実現しうることに注意すべきである。トーカ4がマイクロホン36よりもマイクロホン22に近い限り、H3はH4よりも大きくなり、トーカ信号Tは、回路の出力において保存される。しかし、もしマイクロホン22および36が、音響経路H2による遅延が音響経路H1による遅延よりも長いように、配置されているならば、図7のフィルタ60の因果関係を保証する(そうでなければ、フィルタ60は負の遅延を推定しなければならない)ために、信号M1に(例えば、図6の遅延素子58により示されているように)ある遅延を適用する必要がある。
図3から図7までに関連しては、図2に示されているような雑音源8からの背景雑音Nの効果は特に論じなかったが、環境雑音は加算器46において、マイクロホン22および36のそれぞれにより検出される雑音信号の相対振幅、周波数、および位相に依存し、かつ加算器46に到達する前のこれらの雑音信号に適用されるフィルタの伝達関数の性質に依存する程度まで、キャンセルされることを容易に認識できる。しかし、もしマイクロホン22および36のそれぞれまでの音響エコー経路H1およびH2における利得を、相互に、また対応する音響雑音経路における利得に、実質的に同じにすることができれば、加算器46において受け取られる雑音成分は、エコー成分におけると同様に、かつエコー成分におけると同じフィルタを用いて、(マイクロホン22および36のそれぞれにおいて、同相かつ等振幅で検出されるべきである、少なくとも可聴低周波、例えば300ないし800Hzの範囲内、における雑音成分において)キャンセルされうる。この雑音およびエコーの2重のキャンセレーションは、マイクロホン22および36を、H1=H2になるように、スピーカ20から等距離に配置することにより実現されうる。近端トーカ信号Tが、加算器46において同様にキャンセルされることがないよう保証するためには、マイクロホン22を、H3≫H4となるように、マイクロホン36よりもずっとトーカ4に近づけて配置すればよい。そのような配置の例は、図8および図9に示してある。
次に図8および図9を参照すると、そこには、ハンドフリーセルラ電話への応用における図3ないし図7からの、マイクロホン22および36、およびスピーカ20の典型的な配置の、2つの一般化された図が示されている。セルラ電話機(図示せず)は、ダッシュボード64および前面ガラス66を有する従来の車両内に取付けられている。マイクロホン22および36は、セルラ電話機と共に用いるハンドフリー部品装備の一部として備えられうる。スピーカ20もまた、その部品装備の一部として備えられ、または車両62上の本来の無線機器の一部でありうる。図8および図9に示されている例においては、スピーカ20はダッシュボード64の下の中央に取付けられ、マイクロホン22および36は前面ガラス66の上部の反対側の隅に配置されている。マイクロホン22は、この場合は車両62の運転手である近端トーカ4の近くにあることがわかる。一方、マイクロホン36は、この場合は車両62の前部座席の乗客であるもう1人の近端トーカ6の近くにあることがわかる。この配置は、双方の近端トーカ4および6をハンドフリーの会話に参加しうるようにする。
図8および図9にはまた、図3ないし図7に、スピーカ20からのエコー信号L’と、近端トーカ4からの信号Tと、のために示されているものに対応する音響伝達関数H1ないしH4も、適用可能として示されている。簡単にするために、近端トーカ6からの音声信号のための音響伝達関数は、図示しておらず、またここでは論じないが、近端トーカ6のための雑音およびエコーのキャンセレーションの解析は、図3ないし図9に関連して一般的に与えられている近端トーカ4のための解析を反映したものであることを理解すべきである。図8および図9に示されている例においては、スピーカ20からマイクロホン22および36までのオーディオ経路のそれぞれは、等しい長さであるとして図示されており、従って関数H1およびH2における利得は実質的に等しいはずである
一方、トーカ4からマイクロホン22までのオーディオ経路は、トーカ4からマイクロホン36までのオーディオ経路より実質的に短く、従って、関数H3における利得は、関数H4におけるよりも実質的に大きいはずである(すなわち、H3≫H4)。
雑音信号Nおよびエコー信号L’は、図8および図9におけるマイクロホン22および36のそれぞれにおいて高度に相関しているであろうから、それらは、図3ないし図7に示されている回路内の加算器46におけると同様にキャンセルされる。さらに、マイクロホン22は、マイクロホン36よりもずっと大きいトーカ信号を受けるので、トーカ信号は、加算器46における雑音およびエコーのキャンセレーションの後にも実質的に保存される。しかし、ある設置においては、電話システムへの線路12上における適正な信号レベル(SN比)を保証するために、出力信号Fに対する自動利得制御(AGC)を用いることが必要となりうる。このAGCはまた、近端トーカが変化する雑音条件に反応して音声を調節する時、遠端トーカに対し、より一貫した受信音量レベルを提供する。さらに、このAGCは、ディジタル電話システムにおけるコーデックの使用から生じる量子化雑音の影響を減少させるために必要とされうる。
図3から図9までは、2つのマイクロホンを用いる回路のみにおける本発明を図示しているが、エコー抑制を実現するために異なるマイクロホンの信号を線形的に組合わせる本発明の方法は、3つまたはそれ以上のマイクロホンによっても用いられうることを認識すべきである。図10および図11は、本発明による3つのマイクロホンを用いるエコーキャンセレーションの2つの例を示す。これら2つの例は、図3の基本回路を、2マイクロホンから3マイクロホンへ拡張している。しかし、図4ないし図9も同様に拡張することができ、さらに、当業者にとって容易に明らかになるように、本発明によって、3つより多くのマイクロホンを用いる多くの異なる回路を構成することができる。
ここで図10を参照すると、適応フィルタ14および40は、スピーカ20からマイクロホン22および36のそれぞれまでのエコー経路のための音響伝達関数H1およびH2をモデル化し、LMSアルゴリズムを用いて、図3に示されている回路に関連しての説明と同様にして、加算器24および38の出力における誤差信号E1およびE2を最小化する。しかし、図10の回路は、第3マイクロホン68と、加算器70と、スピーカ20からマイクロホン68までのエコー経路のための音響伝達関数H5をモデル化し、やはりLMSアルゴリズムを用いて加算器70の出力における誤差信号E3を最小化する適応フィルタ72と、を用いている。前と同様に、目的は、マイクロホン22、36、および68の出力内のエコー成分を、それらが加算器46において線形的に組合わされ且つキャンセルされるように操作することである。この目的のために、図10の回路は、適応フィルタ14から線34を経てコピーされた係数を有する2つの固定フィルタ32と、適応フィルタ40から線44を経てコピーされた係数を有する2つの固定フィルタ42と、適応フィルタ72から線76を経てコピーされた係数を有する2つの固定フィルタ74と、を用いている。換言すれば、固定フィルタ32、42、および74はそれぞれ、図10に示されているように、伝達関数H1、H2、およびH5を実現する。
図10への参照を続けると、マイクロホン22の出力M1は、2つの連続するフィルタ42および74のそれぞれの段を通過し、次に乗算器78において定数(c)(ただし、0≦c≦1)を乗算される。乗算器78の出力におけるエコー成分は、信号c・L’・H1・H2・H5となり、これは加算器46へ供給される。マイクロホン36の出力M2は、2つの連続するフィルタ32および74のそれぞれの段を通過し、次に乗算器80において定数(1−c)を乗算される。乗算器80の出力におけるエコー成分は、信号(1−c)・L’・H2・H1・H5となり、これも加算器46へ供給される。マイクロホン68の出力M3は、2つの連続するフィルタ32および42のそれぞれの段を通過し、生じたエコー成分L’・H5・H1・H2は次に加算器46へ直接供給され、加算器46が受け取った他のエコー信号から減算される。加算器46においては、受け取られたエコー成分は互いにキャンセルし、次の式により示されるように出力Fは無エコーとなる。
F(エコー)=c・L’・H1・H2・H5
+(1−c)・L’・H2・H1・H5
−L’・H5・H1・H2
=0
図11は、固定フィルタ32、42、および74の数と、関連する係数のコピーの量と、を減少させることを目指した図10の変種である。図10と図11との比較からわかるように、図11の回路は、図10内の2つの固定フィルタ74を、1つの固定フィルタ74と、乗算器78および80の出力を組合わせた後その組合せを単一固定フィルタ74を通過させ加算器46へ送る加算器82と、により置き換えている。従って、図11の固定フィルタ74の出力は、図10の乗算器78および80の出力の和と等価であり、エコーキャンセレーションは図11の加算器46において、図10と等価であるように行われる。図10および図11はまた、加算器46において減算されるべきエコー信号が、図10に示されているように加算器46の負の(反転)リードへ供給されるか、またはその代わりに、図11に示されているように乗算器84において(−1)を乗算された後に加算器46へ供給されることを示している。
図10および図11を調査すると、任意の数の(すなわち3つより多い)マイクロホンを有する回路へ拡張されうる本発明の基本的教示が明らかになる。加算器46におけるエコーキャンセレーションを実現するためには、「最小共通分母」に類似した方法が用いられ、その場合マイクロホンの出力のそれぞれは、これらの出力に対し共通の伝達関数の組を課す複数のフィルタ段によりフィルタされる。必要に応じて1つまたはそれ以上のマイクロホン出力に適切な定数を乗算し、それにより、それらが加算器46において加算(または減算)された時、エコー信号が残らないようにしうる。しばらく図10へ帰ると、マイクロホン22までのエコー経路が伝達関数H1を有する該マイクロホン22の出力M1は、他の2つのマイクロホン36および68のそれぞれまでのエコー経路に対応する伝達関数H2およびH5を実現するフィルタ42および74を通過する。同様にして、マイクロホン36までのエコー経路が伝達関数H2を有する該マイクロホン36の出力M2は、他の2つのマイクロホン22および68のそれぞれまでのエコー経路に対応する伝達関数H1およびH5を実現するフィルタ32および74を通過する。マイクロホン68の出力M3も、同様のプロセスに従う。図10における定数(c)および(1−c)の選択的乗算は、さまざまなエコー信号が適正な重みを与えられて、加算器46において互いを完全にキャンセルしうることを保証する。
さらに、図10および図11における定数(c)の値は、加算器46におけるエコーキャンセレーションに影響を与えることなく、マイクロホン22および36を、近端トーカ4からの音声信号の方へ向かうように、または雑音源8からの雑音信号Nから離れる向きになるように、「操縦」するために、0と1との間で変化せしめられうることを認識すべきである。例えば、マイクロホン22および36は、図8および図9に一般的に示されているように前面ガラス66上に配置することができ、一方マイクロホン68は、車両62内のスピーカ20の近くに、かつスピーカ20へ向けて配置されうる。もしc=0ならば、図10および図11における乗算器78の出力は0になり、マイクロホン36の出力M2のみが加算器46へ送られる。逆に、もしc=1ならば、図10および図11における乗算器80の出力は0になり、マイクロホン22の出力M1のみが加算器46へ送られる。これら両極端の間において、(c)の値は、近端トーカ4の頭の移動を自動的に追跡するように、音声信号Tに対するマイクロホン22および36の一方の感度を増大させるために調節されうる。同様にして、(c)の値は、雑音を最小化するように、雑音信号Nに対するマイクロホン22および36の一方の感度を減少させるために調節することができ、この場合例えば、このマイクロホンは雑音源8に近い方のマイクロホンである。任意の瞬間における(c)の最適値は、例えば、本技術分野において公知の、ビーム形成技術およびマイクロホンアレイにより決定されうる。
図3ないし図11および関連の説明から明らかなように、本発明の回路のそれぞれは、第1マイクロホンにより検出されたエコー信号の所望のキャンセレーションを、第1マイクロホンにより検出されたエコー信号が1つまたはそれ以上の他のマイクロホンにより検出されたエコー信号によりキャンセルされうる、回路内の適切なノードまでのエコー信号のためのもう1つの経路を確立する少なくとも1つの他のマイクロホンを用いて実現する。効果的には、エコーキャンセレーション回路内の与えられたノードにおいてエコー信号がゼロになるように、複数のマイクロホンの使用により、エコー信号のためのビームパターンが形成される。このノードにおいては、エコー信号の直線ひずみおよび非直線ひずみの双方と、環境雑音のかなりの部分と、がキャンセルされる。また、本発明が、極めてさまざまな配置の2つまたはそれ以上のマイクロホンによりエコーおよび雑音の抑制を実現すること、また、3つまたはそれ以上のマイクロホンを用いる時は、少なくともあるマイクロホンの感度が、回路によって行われるエコーキャンセレーションに影響を与えることなく、音声信号出力レベルを最大化し、雑音信号出力レベルを最小化するように、マイクロホン出力の適切な重み付けにより制御されうること、がわかる。
図示の目的上、図3ないし図11の回路内の適応フィルタは、所望の関数を推定するために最小平均二乗(LMS)アルゴリズムを用いたことに注意すべきである。しかし、当業者は、他の多くの推定アルゴリズムもまた用いられうることを認識するであろう。特に、この目的のためには、2種類のアルゴリズムが適している。第1種のアルゴリズムは、最急降下(Gradient Descent)アルゴリズムとして公知であり、LMS、正規化LMS(NLMS)、およびブロックLMS(BLMS)を含む。第2種のアルゴリズムは、最小2乗推定(LSE)アルゴリズムとして公知であり、カルマンフィルタリング、逐次形最小2乗推定法(LRS)、および高速トランスバーサルフィルタ(FTF)を含む。
また、図3ないし図11の回路内には、1つのスピーカのみが示されているが、本発明の教示は、複数のスピーカを取り入れたエコーキャンセレーション回路へ容易に拡張されうる。一般に、当業者は、本発明の精神および範囲から実質的に逸脱することなく、ここで開示された本発明の実施例に対して多くの改変および変形を行いうることを容易に認識するであろう。従って、ここに開示された本発明の形式は代表的なものであり、以下の請求の範囲に定められた本発明の範囲に対する制限として意図されたものではない。
Claims (29)
- マイクロホン(22)およびスピーカ(20)を含むオーディオ回路においてエコー信号をキャンセルする方法であって、前記マイクロホンが近端ユーザ(4)からの音声信号(T)を検出し、前記スピーカは遠端音声信号(L)を受けて対応するエコー信号(L’)を発生し、このエコー信号(L’)もまた前記マイクロホン(22)により検出され、前記方法が、
前記オーディオ回路内の少なくとも1つの他のマイクロホン(36、68)であって、該少なくとも1つの他のマイクロホンもまた前記近端音声信号を検出する、該少なくとも1つの他のマイクロホン(36、68)を配設するステップと、
それぞれが複数の係数を有する複数の適応フィルタ(14、40、50、52、60、72)であって、該適応フィルタの少なくとも1つが前記遠端音声信号をその係数を調節するための基準信号として用いる、前記複数の適応フィルタ(14、40、50、52、60、72)における複数の音響伝達関数を推定するステップと、
1つまたはそれ以上の前記マイクロホン(22、36、68)の出力を、1つまたはそれ以上の前記適応フィルタの係数を用いてフィルタするステップと、
前記近端音声信号(T)を実質的に保存しつつ前記エコー信号(L’)を実質的にキャンセルするように、前記フィルタされたマイクロホン出力および/またはフィルタされないマイクロホン出力を組合わせるステップと、
を含む、前記方法。 - 前記フィルタするステップが、1つまたはそれ以上の前記適応フィルタからコピーされた係数を有する固定フィルタ(32、42、48、74)により少なくとも1つのマイクロホン出力をフィルタするステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記フィルタするステップが、前記遠端音声信号(L)を基準信号として用いて適応せしめられた係数を有する適応フィルタ(50、52)により少なくとも1つのマイクロホン出力をフィルタするステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記フィルタするステップが、もう1つの適応フィルタ(14)の出力を基準信号として用いる適応フィルタ(60)により少なくとも1つのマイクロホン出力をフィルタするステップを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1および第2マイクロホン(22、36)を含み、前記スピーカ(20)から前記第1および第2マイクロホンへの前記エコー信号(L’)が、それぞれ音響伝達関数H1およびH2を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(14)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(40)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、
前記第2適応フィルタ(40)の係数を用いる第1固定フィルタ(42)により前記第1マイクロホン(22)の出力をフィルタするステップと、
前記第1適応フィルタ(14)の係数を用いる第2固定フィルタ(32)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
前記第1固定フィルタ(42)の出力から、前記第2固定フィルタ(32)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を、前記近端ユーザ(4)および前記スピーカ(20)に対し、前記第1マイクロホン(22)が前記第2マイクロホン(36)よりも実質的に高レベルの前記近端音声信号(T)を受け、かつ前記第2マイクロホンが前記第1マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記エコー信号(L’)を受けるように、配置するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
- 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を前記スピーカ(20)から実質的に等距離に配置し、前記第1および第2マイクロホンにより実質的に等しく受け取られる環境雑音(8)をも抑制するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1および第2マイクロホン(22、36)を含み、前記スピーカ(20)から前記第1および第2マイクロホンへの前記エコー信号(L’)が、それぞれ音響伝達関数H1およびH2を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(14)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(40)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、
前記第1および第2適応フィルタ(14、40)の係数を用いH1/H2を推定する固定フィルタ(48)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
前記第1マイクロホン(22)の出力から、前記固定フィルタ(48)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を、前記近端ユーザ(4)および前記スピーカ(20)に対し、前記第1マイクロホン(22)が前記第2マイクロホン(36)よりも実質的に高レベルの前記近端音声信号(T)を受け、かつ前記第2マイクロホンが前記第1マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記エコー信号(L’)を受けるように、配置するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を前記スピーカ(20)から実質的に等距離に配置し、前記第1および第2マイクロホンにより実質的に等しく受け取られる環境雑音(8)をも抑制するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1および第2マイクロホン(22、36)を含み、前記スピーカ(20)から前記第1および第2マイクロホンへの前記エコー信号が、それぞれ音響伝達関数H1およびH2を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(50)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいて1/H1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(52)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第2適応フィルタにおいて1/H2を推定するステップと、
前記第1適応フィルタ(50)により前記第1マイクロホン(22)の出力をフィルタするステップと、
前記第2適応フィルタ(52)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
前記第1適応フィルタ(50)の出力から、前記第2適応フィルタ(52)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を、前記近端ユーザ(4)および前記スピーカ(20)に対し、前記第1マイクロホン(22)が前記第2マイクロホン(36)よりも実質的に高レベルの前記近端音声信号(T)を受け、かつ前記第2マイクロホンが前記第1マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記エコー信号(L’)を受けるように、配置するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
- 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を前記スピーカ(20)から実質的に等距離に配置し、前記第1および第2マイクロホンにより実質的に等しく受け取られる環境雑音(8)をも抑制するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1および第2マイクロホン(22、36)を含み、前記スピーカ(20)から前記第1および第2マイクロホンへの前記エコー信号(L’)が、それぞれ音響伝達関数H1およびH2を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(14)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(52)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第2適応フィルタにおいて1/H2を推定するステップと、
前記第2適応フィルタ(52)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
前記第1適応フィルタ(14)の係数を用いる固定フィルタ(32)により前記第2適応フィルタ(52)の出力をフィルタするステップと、
前記第1マイクロホン(22)の出力から、前記固定フィルタ(32)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を、前記近端ユーザ(4)および前記スピーカ(20)に対し、前記第1マイクロホン(22)が前記第2マイクロホン(36)よりも実質的に高レベルの前記近端音声信号(T)を受け、かつ前記第2マイクロホンが前記第1マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記エコー信号(L’)を受けるように、配置するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を前記スピーカ(20)から実質的に等距離に配置し、前記第1および第2マイクロホンにより実質的に等しく受け取られる環境雑音(8)をも抑制するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1および第2マイクロホン(22、36)を含み、前記スピーカから(20)前記第1および第2マイクロホンへの前記エコー信号(L’)が、それぞれ音響伝達関数H1およびH2を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(14)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(60)の係数を適応させるための基準信号として前記第1適応フィルタ(14)の出力を用い前記第2適応フィルタにおいてH1/H2を推定するステップと、
前記第2適応フィルタ(60)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
前記第1マイクロホン(22)の出力から、前記第2適応フィルタ(60)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を、前記ユーザ(4)および前記スピーカ(20)に対し、前記第1マイクロホン(22)が前記第2マイクロホン(36)よりも実質的に高レベルの前記近端音声信号(T)を受け、かつ前記第2マイクロホンが前記第1マイクロホンよりも実質的に高レベルの前記エコー信号(L’)を受けるように、配置するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
- 前記第1および第2マイクロホン(22、36)を前記スピーカ(20)から実質的に等距離に配置し、前記第1および第2マイクロホンにより実質的に等しく受け取られる環境雑音(8)をも抑制するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1、第2、および第3マイクロホン(22、36、68)を含み、前記スピーカ(20)から前記第1、第2、および第3マイクロホンへの前記エコー信号(L’)が、それぞれ音響伝達関数H1、H2、およびH5を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(14)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(40)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、
第3適応フィルタ(72)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第3適応フィルタにおいてH5を推定するステップと、
前記第2および第3適応フィルタの係数を用いる第1対の固定フィルタ(42、74)により前記第1マイクロホン(22)の出力をフィルタするステップと、
前記第1および第3適応フィルタの係数を用いる第2対の固定フィルタ(32、74)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
前記第1および第2適応フィルタの係数を用いる第3対の固定フィルタ(32、42)により前記第3マイクロホン(68)の出力をフィルタするステップと、
第1乗算器(78)において、前記第1対の固定フィルタ(42、74)の出力に、0≦c≦1である定数(c)を乗算するステップと、
第2乗算器(80)において、前記第2対の固定フィルタ(32、74)の出力に、定数(1−c)を乗算するステップと、
前記第1および第2乗算器(78、80)の出力から、前記第3対の固定フィルタ(32、42)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記マイクロホンにより検出された雑音を最小化するように(c)の値が調節される、請求項20に記載の方法。
- 前記近端音声信号に対する前記マイクロホンの感度を変化させるように(c)の値が調節される、請求項20に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が第1、第2、および第3マイクロホン(22、36、68)を含み、前記スピーカ(20)から前記第1、第2、および第3マイクロホンへの前記エコー信号(L’)が、それぞれ音響伝達関数H1、H2、およびH5を有し、前記方法が、
第1適応フィルタ(14)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第1適応フィルタにおいてH1を推定するステップと、
第2適応フィルタ(40)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第2適応フィルタにおいてH2を推定するステップと、
第3適応フィルタ(72)の係数を適応させるための基準信号として前記遠端音声信号(L)を用い前記第3適応フィルタにおいてH5を推定するステップと、
前記第2適応フィルタの係数を用いる第1固定フィルタ(42)により前記第1マイクロホン(22)の出力をフィルタするステップと、
前記第1適応フィルタの係数を用いる第2固定フィルタ(32)により前記第2マイクロホン(36)の出力をフィルタするステップと、
第1乗算器(78)において、前記第1固定フィルタ(42)の出力に、0≦c≦1である定数(c)を乗算するステップと、
第2乗算器(80)において、前記第2固定フィルタ(32)の出力に、定数(1−c)を乗算するステップと、
加算器(82)において、前記第1および第2固定フィルタの前記乗算された出力を加算するステップと、
前記第3適応フィルタの係数を用いる第3固定フィルタ(74)により前記加算器(82)の出力をフィルタするステップと、
前記第1および第2適応フィルタのそれぞれの係数を用いる1対の固定フィルタ(32、42)により前記第3マイクロホン(68)の出力をフィルタするステップと、
前記第3固定フィルタ(74)の出力から、前記1対の固定フィルタ(32、42)の出力を減算するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記マイクロホンにより検出された雑音を最小化するように(c)の値が調節される、請求項23に記載の方法。
- 前記近端音声信号に対する前記マイクロホンの感度を変化させるように(c)の値が調節される、請求項23に記載の方法。
- 前記オーディオ回路が無線電話のためのハンドフリー部品の一部である、請求項1に記載の方法。
- 前記適応フィルタが、前記音響伝達関数を推定するために最急降下(Gradient Descent)または最小二乗推定(LSE)アルゴリズムを用いる、請求項1に記載の方法。
- 前記遠端音声信号(L)が、前記スピーカ(20)において、かつ/または、前記スピーカに接続された増幅器(18)またはディジタルアナログ変換器(DAC)(16)において、ひずみを受ける、請求項1に記載の方法。
- 前記適応フィルタが有限インパルス応答(FIR)フィルタである、請求項1に記載の方法。
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