JP4040963B2 - 射出成形金型 - Google Patents
射出成形金型 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4040963B2 JP4040963B2 JP2002359686A JP2002359686A JP4040963B2 JP 4040963 B2 JP4040963 B2 JP 4040963B2 JP 2002359686 A JP2002359686 A JP 2002359686A JP 2002359686 A JP2002359686 A JP 2002359686A JP 4040963 B2 JP4040963 B2 JP 4040963B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gate
- slide
- mold
- core
- cylindrical member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内,外周面が射出成形される筒状部材、および、上記筒状部材を成形する射出成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の内スライドコア(開きコア)を用いた射出成形金型によれば、カメラの鏡枠部材等のように内周面にカムやヘリコイドなどが形成される複雑な形状の部材を容易に成形することができる。上記内スライドコアを用いた射出成形金型として、特許文献1、または、特許文献2に記載された射出成形金型は、6分割された第1のスライドコアと第2のスライドコアがセンターコアの回りにひとつおきに配置されたものであり、型開き時、上記センターコアを軸方向に後退させ、上記第1,2スライドコアをセンターコア側に窄ませて成形部材を取り出す構造を有している。このような射出成形金型では、複雑な形状の物品を容易に成形することができるという特徴を有しているが、型の分割面にバリが生じやすい問題があった。
【0003】
従来のバリを防ぐ方法としては、型締め力を大きくして、型割り面をより大きな力で密着させる方法が一般的である。また、別の手段として、特許文献3に示された方法もある。この方法は、図20の金型部分断面図に示すように、型締めされる金型101,102のキャビティ部103の分割面101aに当接する片側の分割面102aを凸状の当たり面を設けることで高い面圧を作用させてバリの発生を防止するものである。それでも成形品にバリが生じてしまった場合は、手作業にてバリを除去せざるを得ない。
【0004】
【特許文献1】
上記特許文献1は、特許公告公報平1−46296号公報である。
【0005】
【特許文献2】
上記特許文献2は、特許公告公報平4−42971号公報である。
【0006】
【特許文献3】
上記特許文献3は、特許公開公報2001−232639号公報である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1、または、2に記載された内スライド型(開きコア型)によれば、第1のスライドコアと第2のスライドコアの間にバリが生じる可能性があるが、型締め力を強くしても、その型構造上、第1のスライドコアと第2のスライドコア間の密着力はあまり大きくならない。すなわち、型締め力を強くしても、バリを防ぐには有効ではない。
【0008】
そこで、上記内側スライド型に特許文献3によるバリ発生防止構造を適用しようとしても、上記第1のスライドコアと第2のスライドコアの形状が複雑であるため、上記図20に示した凸状の当たり面を上記スライドコアに設けるためには、高精度な加工技術を必要とし、適用は極めて困難である。そして、成形品の内周部に発生したバリは、除去することが困難であり、それらのバリの発生を抑えることは避けられない要求といえる。
【0009】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、内周部のパーティングライン(型割線部分)にバリが少ない筒状部材を提供することを1つの目的とし、さらに、上記バリが少ない筒状部材を射出成形する射出成形金型を提供することを他の1つの目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の射出成形金型は、筒状部材を射出成形により成形する射出成形金型において、センターコアと、上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に互いに離間して設けられ、上記センターコアと相対移動可能な複数の第1のスライドコアと、上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に上記複数の第1のスライドコアの間に配置され、上記第1のスライドコアとの合わせ面部を有し、型閉じ時には上記合わせ面部が上記第1のスライドコアに覆われるように構成され、型開閉時には上記センターコアと相対移動可能な複数の第2のスライドコアと、上記筒状部材の外周面の周方向において、複数のスライドコアよりなり、上記第1のスライドコアと対向するように第1のゲートが設けられ、さらに、上記第2のスライドコアと対向し上記第1のゲートのゲート開口の面積より小さいゲート開口を有する第2のゲートが設けられて上記筒状部材の外形形状を形成するための外形型と、を有していることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2記載の射出成形金型は、請求項1に記載の射出成形金型において、さらに、上記外形型には上記筒状部材の外周面の周方向において、上記第2のスライドコアと対向するように第2のゲートが設けられ、該第2のゲートに通じるスプルの射出成形材料流路進行方向に対して直交する直角断面積は、上記第1のゲートに通ずるスプルのその直角断面積より小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3記載の射出成形金型は、請求項1に記載の射出成形金型において、さらに、上記外形型には上記筒状部材の外周面の周方向において、上記第2のスライドコアと対向するように第2のゲートが設けられ、該第2のゲートの射出成形材料流路長が上記第1のスライドコアと対向した上記第1のゲートの射出成形材料流路長より長いことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4記載の射出成形金型は、請求項1に記載の射出成形金型において、さらに、上記外形型には上記筒状部材の外周面の周方向において、上記第2のスライドコアと対向するように第2のゲートが設けられ、該第2のゲートに通じるスプルの射出成形材料流路長が上記第1のゲートに通ずるスプルの射出成形材料流路長より長いことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5記載の射出成形金型は、筒状部材を射出成形により成形する射出成形金型において、センターコアと、上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に互いに離間して設けられ、上記センターコアと相対移動可能な複数の第1のスライドコアと、上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に上記複数の第1のスライドコアの間に配置され、型閉じ時には上記第1のスライドコアとの合わせ面部を有し、該合わせ面部では上記第1のスライドコアに覆われるように構成され、型開閉時には上記センターコアと相対移動可能な複数の第2のスライドコアと、上記筒状部材の外周面の周方向において、複数のスライドコアよりなり、上記第1のスライドコアと上記第2のスライドコアとのパーティングラインから離間し上記第1のスライドコアに対向するようにゲートが設けられ、上記金型開閉方向に直交する平面における上記センターコア中心と上記パーティングラインとを通る直線に対し上記ゲートからの成形材料の射出方向が上記第1のスライドコアの外周面上に向かうように上記ゲートが所定の角度を有した上記筒状部材の外形を形成するための外形型と、を有していることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6記載の射出成形金型は、請求項5に記載の射出成形金型において、上記ゲートは、上記パーティングラインから、上記筒状部材の外周面の周方向において、所定の距離離れており、上記第1のスライドコアの外周面上に対向していることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7記載の射出成形金型は、請求項6に記載の射出成形金型において、上記所定の角度をα、上記所定の距離をdとすると、
α≧10°、かつ、d≧0.5mm
であることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項8記載の射出成形金型は、請求項6に記載の射出成形金型において、上記所定の角度をα、上記所定の距離をdとすると、
α≧15°、かつ、d≧1.0mm
であることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項9記載の射出成形金型は、請求項6に記載の射出成形金型において、上記外形型は、複数の外スライドからなり、互いが接するパーティング面にスプル及び上記ゲートを設けていることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である筒状部材のカム枠の縦断面図である。
【0030】
本実施形態のカム枠10は、例えば、カメラのレンズ鏡筒に適用可能な筒状の枠部材であって、図1に示すように内周面に複数の本のカム溝10a,10b,10cが設けられる。このカム枠1は、後述する各実施形態の射出成形金型9,11,21,31,41,51等により成形可能な合成樹脂部材である。なお、上記射出成形金型9〜51は、複数の合わせ面(パーティングライン)を有する分割内側スライドコアと、複数の2次ゲート/スプル(2次ゲート部と2次スプル部を含む)を有する外形型である分割外側スライドコアとを有する金型である。
【0031】
上記カム枠10の内周面は、上記内側スライドコアにより形成されるが、該内側スライドコアの成形時の合わせ面による複数のパーティングライン跡10dが上記内周面に残る。上記カム溝10a等は、パーティングライン跡10dを横切って形成される。
【0032】
上記カム枠10の外周面は、上記外側スライドコアによって形成されるが、その外周面には、該外側スライドコアに設けられる2次ゲート/スプルのゲート開口によるゲート跡が上記パーティングライン跡に対して相対的に周方向で所定距離範囲離間した位置に残る。但し、上記射出成形金型41で成形されるカム枠1の場合、ゲート跡は、外周面ではなく筒部端面に残る。
【0033】
本実施形態のカム枠10は、後述するように射出成形金型9等のゲート部に好適な形状を適用することにより、上記パーティングライン部のバリ発生が少なく、パーティングライン跡も目立たない状態で成形することができる。なお、上記パーティングライン部に発生したバリが大きく出るとバリ取り作業が困難になる。また、パーティングライン跡が大きいと、カム溝10a等を摺動するカムフォロアの動作不良が発生し、好ましくないが、それらの問題点が本実施形態のカム枠10では改善される。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態の射出成形金型について、図2〜6を用いて説明する。
図2は、本実施形態の射出成形金型の軸心と直交する断面(図3のB−B断面)を示す横断面図である。図3は、図2のA−A断面図であり、図4は、上記射出成形金型における外側スライドコアの2次ゲート/スプルの分解斜視図である。図5は、図3のE矢視図であって、上記2次ゲート/スプルを上方スプル口側から見た図である。図6は、上記図3のB−B断面の一部であって、上記2次ゲート/スプルのゲート部を示す。
【0035】
本実施形態の射出成形金型9は、例えば、前記第1の実施形態の筒状部材であるカム枠10を成形可能な金型であって、固定型と可動型とからなる。図2,3に示すように上記固定型は、固定側コア5を有しており、上記可動型は、可動側入子6と、後述する6分割内側スライド型と、外形型である後述する外側スライド型とを有している。
【0036】
上記6分割内側スライド型は、金型の軸心C0 方向に移動可能な1つのセンターコア1と、そのセンターコア1の周囲に配置され、軸心C0 に対するラジアル方向にスライドして相対移動可能な内側スライドコアである複数の第1のスライドコア2A,2B,2Cおよび複数の第2のスライドコア3A,3B,3Cとを有してなる。これら第1のスライドコア,第2スライドコアは、センターコア1に対して上記軸心C0 方向においてもスライドして相対移動可能となっている。そして、それら相対移動は、金型の開閉時に生ずる。
【0037】
上記センターコア1は、軸心C0 に対して所定角度傾斜する各3つのアリ溝部1a,1bを有している。
【0038】
上記第1のスライドコア2A,…は、それぞれ、弓型断面形状をなし、カム枠内周面を形成するための分割外周面2aと、該分割外周面2aの両幅側の合わせ面2cと、センターコア1のアリ溝部に摺動自在に嵌合するアリ部2bとを有している。
【0039】
上記第2のスライドコア3A,…は、それぞれ、略台形断面形状をなし、カム枠内周面を形成するための分割外周面3aと、該分割外周面3aの両端から内側に上記合わせ面2cに合致する角度で形成される合わせ面3cと、センターコア1のアリ溝部に摺動自在に嵌合するアリ部3bとを有している。
【0040】
上記第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とは、各合わせ面2cと3cを合わせた状態、すなわち、合わせ面2cによって合わせ面3cが覆われる状態でセンターコア1の周囲に交互に配置される。そして、型閉じ状態にあるとき、図2に示すようにセンターコア1の外周にて上記第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とを合わせ面3c側を内側にした状態で合わせ面2cが上記合わせ面3cに密着当接した状態に保持される。その型閉じ状態では、分割外周面2a,3aで内側スライドコアの外周面を形成し、その外周面がカム枠10の内周面を形成するためのキャビティ7の内周面となる。また、上記合わせ面2c,3cの周面端部が成形時のパーティングラインとなる。そのパーティングライン箇所に成形品であるカム枠10の外周面のパーティングライン跡10dができる。
【0041】
一方、型開き時には、上記センターコア1が軸心C0 方向に沿った型開き方向(図3の下方)に移動するので、アリ溝部1a,1bがアリ部2b,3bを摺動移動することから第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とが軸心C0 に向けてラジアル方向に窄まるようにスライド移動する。この移動時には第1のスライドコア2A,…の移動量よりも第2のスライドコア3A,…の移動量が大きく、上記合わせ面2c,3cが干渉することがない。この型開き状態で成形されたカム枠10が型から取り出し自在である。
【0042】
上記外側スライド型は、6分割された外側スライドコア4A,4B,4C,4D,4E,4Fを有してなり、それぞれが上記第1,2スライドコアの外方にて軸心C0 のラジアル方向に外側方向にスライド移動可能である。
【0043】
上記外側スライドコア4A,…,4Fは、それぞれに外側スライドコアの内周面4aを形成する分割内周面を有しており、それぞれの分割内周面の両側面には、隣り合った外側スライドコア同士が密着する型合わせ面4fが設けられる。上記型合わせ面4fは、隣り合う外側スライドコア、例えば、外側スライドコア4Aと4Bの場合、そのスライド方向D1 とD2 との角度の2等分割角度に沿った分割面であって、軸心C0 と第1のスライドコア2A,…、または、第2のスライドコア3A,…の各幅の中心とを結ぶラジアルライン上に位置している。
【0044】
この外側スライド4A,…,4Fの型閉じ状態では、上記両型合わせ面4fが互いに密着状態に保持され、上記内周面4aがキャビティ7の外径面となる。この外径面にてカム枠10の外周面が形成可能である。
【0045】
上記外側スライドコア4A,…,4Fの型合わせ面4fの図3中の上面側の端面には、固定側コア5の1次ゲートとなるピンゲート5a(6箇所)が配置されている。上記ピンゲート5aに対向する型合わせ面4f上の各位置に2次ゲート/スプルが配置される。
【0046】
上記2次ゲート/スプルは、2種類の2次ゲートである第1の2次ゲート/スプルおよび第2の2次ゲート/スプルからなる。上記第1の2次ゲート/スプルは、上記第2の2次ゲート/スプルに対して比較的長い2次スプル部4bと2次ゲート部4cとからなる。上記第2の2次ゲート/スプルは、第1の2次ゲート/スプルに対して比較的短い2次スプル部4dと2次ゲート部4eとからなる(図3)。それら各ゲート/スプルは、それぞれが外側スライドコア4A,…,4Fの各双方の型合わせ面4f上に跨って2分割された対称状態で設けられる。そして、型合わせ面4fに対して第1の2次ゲート/スプルと第2の2次ゲート/スプルとが交互に配置される(図2)。
【0047】
上記第1の2次ゲート/スプルの2次スプル部4bは、型閉じ状態でピンゲート5aに対向した位置に開口し、軸心C0 と平行な方向に沿って設けられ、長さL1 を有する。また、2次スプル部4bは、外側スライドコアの外方へのスライドが可能なようにスライド方向D1 ,D2 に沿った平行な壁面4bbを有している(図3,4,5)。但し、上記平行な壁面4bbは、上記平行な面に限らず傾斜した型抜き可能な面であればよい。
【0048】
上記第1の2次ゲート/スプルの2次ゲート部4cは、2次スプル部4bの先端部に連通し、外側スライドコアの内周面4aに開口している。すなわち、キャビティ7側に開口するゲート開口4ccを有する。上記ゲート開口4ccの周方向位置は、第2のスライドコア3A,…の幅の中心線近傍を通る位置が望ましいが、必ずしも幅の中心線近傍を通る位置である必要はなく、上記合わせ面2c、3cからの所定の離間距離d1 (後述)が確保されていればよい。また、ゲート開口4ccの軸心C0 方向の位置は、固定側コア5側より距離L1 だけ図3中の下方の位置である。
【0049】
一方、第2の2次ゲート/スプルの2次スプル部4dは、その長さが長さL1より短い長さL2 であり(図3)、その他の部分は、2次スプル部4bと同一形状とする。
【0050】
上記第2の2次ゲート/スプルの2次ゲート部4eは、同様に2次スプル部4dの先端部に連通し、内周面4aに開口するように設けられ、ゲート開口4eeを有している。上記ゲート開口4eeの周方向位置は、第1のスライドコア2A,…の幅の中心線を通る位置が望ましいが、必ずしも幅の中心線近傍を通る位置である必要はなく、上記合わせ面2c、3cからの所定の離間距離d2 (後述)が確保されていればよい。また、ゲート開口4eeの軸心C0 方向の位置は、固定側コア5側より距離L2 だけ図3中の下方の位置である。
【0051】
本実施形態の射出成形金型9においては、2次ゲート/スプルの2次ゲート部4c,4eのゲート開口4cc,4eeの位置を第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…との合わせ面2c,3c端部のパーティングライン位置から上記所定の離間距離d1 ,d2 だけ離間させていることを1つの重要なポイントとしている。
【0052】
すなわち、本実施形態の金型9における上記ゲート開口4cc,4eeとパーティングライン部との周方向に沿った離間距離d1 ,d2 として(図6)、高圧の溶融樹脂がパーティングライン部に直接的に当たらないように最短距離でも1.5mm以上、さらに、望ましくは、3.0mm以上確保するよう。この離間距離データは、実験的に射出成形金型により筒状部材を成形して得られたデータである。本実施形態の場合、前述したように上記ゲート開口4cc,4eeを第2のスライドコア3A,…、または、第1のスライドコア2A,…の幅の中心線延長上に配置し、かつ、上記離間距離dを満足させる。但し、上記ゲート開口の位置は、上述のように上記幅の中心線の延長線上に限定されるものではなく、場合によっては、上記離間距離d1 ,d2 が確保されていればよい。
【0053】
なお、成形品であるカム枠10の外周面上の外スライドコア4A,…等の上記ゲート開口4cc,4eeの位置には、ゲート跡がつく。
【0054】
すなわち、本発明のこの射出成形金型は、センターコア1と、上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコア1の周囲に互いに離間して設けられ、上記センターコアと相対移動可能な複数の第1のスライドコア2A,2B,2Cと、上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコア1の周囲に上記複数の第1のスライドコア2A,2B,2Cの間に配置され、上記第1のスライドコア2A,2B,2Cとの合わせ面部2c,3cを有し、型閉じ状態では上記合わせ面部が上記第1のスライドコア2A,2B,2Cに覆われるように構成され、型開閉時には上記センターコア1と相対移動可能な複数の第2のスライドコア3A,3B,3Cと、少なくとも第1のスライドコア2A,2B,2Cと対向するゲート4eが設けられ、外形形状を形成するための外形型と、を有しているといつてよい。
【0055】
次に、上述した構成を有する本実施形態の射出成形金型9によりカム枠10を成形時の動作について説明する。
まず、上記射出成形金型9を型閉じ状態とする。すなわち、図中のように固定側コア5の下方に外側スライドコア4A,…,4Fをスライド移動させ、型合わせ面4fを互いに当接させた状態とすると、上記外側スライドコアで形成される内周面4aによってキャビティ7の外側周面(カム枠10の外周面)が形成される。一方、センターコア1を上方に移動させることによって、第1のスライドコア2A,2B,2Cと、第2のスライドコア3A,3B,3Cとを所定の外方位置までスライド移動させる。そのスライド状態では、第1,2のスライドコアの合わせ面2cと3cとが当接状態に保持されている。そして、第1,2のスライドコアの各分割内周面2a,3aによってキャビティ7の内側周面(カム枠10の内周面)が形成される。なお、上記キャビティ7の図中の上端面は、固定側コア5により、図中の下端面は、可動側入子6および第1,2のスライドコアの段部とによって形成される。
【0056】
上記型閉じ状態のもとで、高圧の溶融樹脂をピンゲート5aから第1,第2の2次ゲート/スプルの2次スプル部4bおよび4dに注入する。上記溶融樹脂は、2次ゲート部4c,4eから上記キャビティ7内に射出される。
【0057】
上記溶融樹脂が冷却固化した後、金型9を型開き状態とする。すなわち、外側スライドコア4A,…,4FをD1 ,D2 方向等にスライドさせて開放する。同時に、センターコア1を軸心C0 方向下方に移動させることによって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とを内側に窄ませると、キャビティ7内に形成されたカム枠10の成形品を上記金型9から取り出すことができる。
【0058】
上述のように本実施形態の射出成形金型9では、上記ゲート開口4cc,4eeを合わせ面2c,3c端部のパーティングライン位置から上記離間距離d1 ,d2 だけ離間させて配置することにより該ゲート開口から高圧かつ高速でキャビティ7内に射出された溶融樹脂がゲートから直接的に上記パーティングライン部分に達しないようになる。したがって、上記パーティングライン部分(合わせ面2c,3c端部)にバリが生じにくい。
【0059】
さらに、本実施形態の射出成形金型9においては、2次ゲート/スプルの2次スプル部4b,4dおよび2次ゲート部4c,4eを外側スライドコア4A,…の双方の型合わせ面4fに対称形状に分割した状態で設けているので、上記2次ゲート部の型抜きが簡単である。
【0060】
また、本実施形態の射出成形金型9においては、2次ゲート/スプルとしてスプル部の長さが異なる2種類の2次ゲート/スプルをキャビティ7の周囲の交互に配置するようにしたので、溶融樹脂がキャビティ7内へのより均一した状態で射出され、成形性が向上する。
【0061】
なお、本実施形態の射出成形金型9は、筒状部材としてのカム枠10の成形用として説明したが、これに限らず分割内側スライドコアを適用して成形される他の形状の筒状部材の成形用金型に対しても同様の構成を適用することが可能である。
【0062】
次に、本発明の第3の実施形態の射出成形金型について、図7の上記金型の横断面図を用いて説明する。
本実施形態の射出成形金型11は、図7に示すように6分割の外側スライドコアの3箇所に2次ゲート/スプルを設けることを特徴とするものである。なお、その他、ピンゲート5aが配される固定側コア5と、第1,第2のスライドコア2A,…および3A,…が適用される6分割内側スライド型とは、前記第2の実施形態の場合と同一であり、同一符号を付し、以下、異なる部分について説明する。また、成形される筒状部材は、例えば、前記第1の実施形態のカム枠10とする。
【0063】
本実施形態の射出成形金型11においては、外側スライドコア14Aと14F、14Bと14C、14Dと14Eの両型合わせ面14fに跨って3組の同一形状の2次ゲート/スプルが配置される。
【0064】
上記3組の2次ゲート/スプルは、それぞれピンゲート5aに対向する開口を有する2次スプル部14bと、上記2次スプル部に連通し、外側スライドコアの内周面14aに開口するゲート開口14ccを有する2次ゲート部14cとからなる。
【0065】
上記2次スプル部14bと2次ゲート部14cとは、前記第1の実施形態における2次ゲート/スプルの2次スプル部4bと2次ゲート部4cと同様の形状を有している。その2次スプル部14bと2次ゲート部14cが配置される外側スライドコアの型合わせ面14fは、軸心C0 と第1のスライドコア2A,2B,2Cの幅中心を結ぶラジアルライン上に位置している。したがって、2次ゲート部14cのゲート開口14ccは、第1のスライドコア2A,…の外方の第1,2スライドコアの合わせ面2c,3cの幅方向中間に位置する。但し、上記ゲート開口は、合わせ面2c,3c端部からの周方向離間距離を、例えば、1.5mm以上とする位置、さらに、望ましくは、3mm以上とする位置に配置すればよく、必ずしも上記幅方向の中間位置に限定されるものではなく、
上述した構成を有する射出成形金型11によりカム枠10を成形する場合、前記第2実施形態の射出成形金型9と同様に型閉じ状態とする。上記型閉じ状態のもとで、高圧の溶融樹脂をピンゲート5aから2次ゲート/スプルの2次スプル部14bに注入する。上記溶融樹脂は、2次ゲート部14cからキャビティ17内に射出される。
【0066】
上記溶融樹脂が冷却固化した後、金型11を型開き状態とする。すなわち、外側スライドコア14A,…,14FをD1 ,D2 方向等にスライドさせて開放する。同時に、センターコア1を軸心C0 方向の図中の下方に移動させることによって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とを内側に窄ませると、キャビティ17内に形成されたカム枠10の成形品を上記金型11から取り出すことができる。
【0067】
本実施形態の射出成形金型11の場合、溶融樹脂を射出するとき、第2のスライドコア3A,…の合わせ面3cの外側を覆うように当接する合わせ面2c側の第1のスライドコア2A,…の略中央外側部分が上記ゲート開口に作用する上記溶融樹脂の高圧力と高射出力で押圧される。一方、第2のスライドコア3A,…の外方には、ゲート開口がないので上記上記溶融樹脂の高圧力は、直接的には作用しない。したがって、合わせ面2cが合わせ面3cに強く密着する状態が得られる。さらに、上記ゲート開口は、合わせ面2cと合わせ面3c端部から所定距離離間して位置することから、上記溶融樹脂が合わせ面2cと合わせ面3c端部に上記ゲートから直接的には流入しない。したがって、合わせ面2cと合わせ面3c端部のパーティングライン部分でのバリ発生が抑えられる。
【0068】
次に、本発明の第4の実施形態の射出成形金型について、図8,9を用いて説明する。
図8は、本実施形態の射出成形金型の横断面図(図9のN−N断面)を示している。図9は、図8のM−M断面図ある。
【0069】
前記第2の実施形態の射出成形金型9は、上記外側スライドコアの型合わせ面4fの各位置にスプル部の長さが異なる2種類の2次ゲート/スプルが配置されるものであった(図3)。それに対して本実施形態の射出成形金型21では、やはり2種類の2次ゲート/スプルを設けるがその2次スプル部の溶融樹脂が流れる流路断面積、および、2次スプル部の流路長、さらに、2次ゲート長,ゲート開口面積が異なる2種類の2次ゲート/スプルを設けるものである。その他の金型の構造、すなわち、6分割内側スライド型と外側スライド型とを適用するなど第2の実施形態の射出成形金型と同様とする。したがって、同一の構成要素には、同一符号を付してその説明は行わず、異なる点について、以下、説明する。
【0070】
本実施形態の射出成形金型21は、例えば、前記第1の実施形態の筒状部材であるカム枠10を成形可能な金型であって、固定型と可動型とからなる。図8,9に示すように上記固定型は、固定側コア5を有しており、上記可動型は、可動側入子6と、6分割内側スライド型を構成するセンターコア1、第1のスライドコア2A,…,2Cおよび第2のスライドコア3A,…,3Cと、外形型である外側スライドコア24A,…,24Fとを有している。
【0071】
図8,9に示すように外側スライドコア24A,…,24Fの型合わせ面24fの図中の上面側には、固定側コア5の1次ゲートとなるピンゲート5a(6箇所)が配置されている。上記ピンゲート5aに対向する型合わせ面24f上の各位置に2次ゲート/スプルが配置される。
【0072】
上記2次ゲート/スプルは、2種類のゲートである第1の2次ゲート/スプルと第2の2次ゲート/スプルを有してなる。上記第1の2次ゲート/スプルは、溶融樹脂用流路に関する形状として後述する第2の2次ゲート/スプルに比較して短いスプル長さL3 と比較して広い流路直角断面積をもつ2次スプル部24bと、比較的短い流路長で、かつ、比較的に広い開口面積のゲート開口24ccをもつ2次ゲート部24cとを有する。
【0073】
一方、上記第2の2次ゲート/スプルは、溶融樹脂用流路に関する形状として上記第1の2次ゲート/スプルでのスプル長さL3 ,流路直角断面積に対してより長いスプル長さL4 、かつ、より狭い流路直角断面積をもつ2次スプル部24dと、上記第1の2次ゲート/スプルのゲート流路長より長く、かつ、ゲート開口面積より狭い面積のゲート開口24eeをもつ2次ゲート部24eとを有する。
【0074】
上記各第1,第2の2次ゲート/スプルは、それぞれが外側スライドコア24A,…,24Fの各双方の型合わせ面24fに2分割した対称形状の状態で設けられ、型合わせ面24fに対して第1の2次ゲート/スプルと第2の2次ゲート/スプルとが交互に配置される(図8)。なお、上記第1,第2の2次ゲート/スプルに対向しているピンゲート5aの開口面積も第2の2次ゲート/スプルの2次スプル部24d側のものが第1の2次ゲート/スプルの2次スプル部24b側のものより小さくなっている。
【0075】
上記第1,2の2次ゲート/スプルの2次スプル部24b,24dは、型閉じ状態でピンゲート5aに対向した位置に開口し、軸心C0 と平行な方向に沿って設けられる。また、2次スプル部24b,24dは、外側スライドコアの外方へのスライドが可能なようにスライド方向D1 ,D2 に沿った壁面を有している。
【0076】
上記第1,2の2次ゲート/スプルの2次ゲート部24c,24eは、上記2次スプル部24b、または、24dの先端部に連通し、外側スライドコアの内周面24aに開口している。詳しくは、キャビティ27内に開口する第1の2次ゲート/スプル側の2次ゲート部24cのゲート開口24ccの周方向位置は、第1のスライドコア2A,…の幅中心線を通る外側位置、あるいは、その近傍位置であるが(図8)、上記ゲート開口24ccとパーティングライン部との周方向に沿った離間距離として、前記第2の実施形態の場合と同様に最短距離でも1.5mm以上、さらに、望ましくは、3.0mm以上確保するようにしている。また、ゲート開口24ccの軸心C0 方向の位置は、固定側コア5側より距離L3 だけ図中の下方に位置する。
【0077】
一方、キャビティ27内に開口する第2の2次ゲート/スプルの2次ゲート部24eのゲート開口24eeの周方向位置は、第2のスライドコア3A,…の中心線を通る外側位置、あるいは、その近傍位置であるが(図8)、上記ゲート開口24eeとパーティングライン部との周方向に沿った離間距離として、前記第2の実施形態の場合と同様に最短距離でも1.5mm以上、さらに、望ましくは、3.0mm以上確保するようにしている。また、ゲート開口24eeの軸心C0 方向の位置は、固定側コア5側より距離L4 だけ図中の下方に位置する。
【0078】
次に、上述した構成を有する本実施形態の射出成形金型21によりカム枠10成形時の動作は、前記第2の実施形態の射出成形金型9の場合と同様であり、型閉じ状態のもとで、高圧の溶融樹脂は、ピンゲート5aから2次スプル部24bおよび24dを経て2次ゲート部24c,24eから上記キャビティ27内に射出される。
【0079】
上記溶融樹脂が冷却固化した後、金型21を型開き状態とする。すなわち、外側スライドコア24A,…,24FをD1 ,D2 方向等にスライドさせて開放する。同時に、センターコア1を軸心C0 方向図中の下方に移動させることによって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とを内側に窄ませると、キャビティ27内に形成されたカム枠10の成形品を上記金型21から取り出すことができる。
【0080】
上述したように金型上、上記ゲート開口24cc,24eeをパーティングライン部との周方向に沿った所定離間距離だけ離して配置することにより該ゲート開口からキャビティ27内に高圧、かつ、高速で射出される溶融樹脂が該ゲートから直接的に上記パーティングライン部分に達しないようになる。したがって、上記パーティングライン部分(合わせ面2c,3c端部)にバリが生じにくい。
【0081】
また、特に本実施形態の射出成形金型21においては、上述したように第1の2次ゲート/スプルと第2の2次ゲート/スプルとは、その2次スプル部の流路の断面積や長さやゲート開口面積が異なっていることから、上記ゲート/スプルを通る溶融樹脂の流路抵抗(ゲート開口の影響を含む)が第1の2次ゲート/スプル側が小さく、第2の2次ゲート/スプル側が大きい。したがって、第1の2次ゲート/スプル側のゲート開口24ccがキャビティ外方に位置する第1のスライドコア2A,…の方が第2の2次ゲート/スプル側のゲート開口24eeがキャビティ外方に位置する第2のスライドコア3A,…よりも溶融樹脂による高圧力,高射出力でより強く押圧されることになる。このように第1のスライドコア2A,…の方が強く押圧されることによって、溶融樹脂射出時に第1,第2のスライドコアの合わせ面2c,3cが強く密着され、合わせ面2c,3c端部のパーティングライン部分に生じるバリの発生が抑えられる。
【0082】
本実施形態の射出成形金型21においては、第1の2次ゲート/スプルと第2の2次ゲート/スプルとの流路抵抗(ゲート開口の影響を含む)に差異をつけるために2次スプルの断面積、2次スプルの長さ、2次ゲート長さ、2次ゲート開口を全てに差異を付けたが、これに限らず、上記各項目のうち少なくとも1つを選択して差異をつけるように上記第1,2の2次ゲート/スプルを形成しても、同様の効果を得ることは可能である。
【0083】
次に、本発明の第5の実施形態の射出成形金型について、図10〜13を用いて説明する。
図10は、本実施形態の射出成形金型の横断面図(図11のG−G断面図)である。図11は、図10のF−F断面図である。図12は、上記射出成形金型の2次ゲート/スプルの分解斜視図である。図13は、図11のG−G断面の一部であって、上記2次ゲート/スプルの2次ゲート部断面を示す。
【0084】
本第5の実施形態の射出成形金型31は、成形される筒状部材の形状から前記第2の実施形態の射出成形金型9のように第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…の合わせ面以外の箇所に外側スライドコアの型合わせ面を配置することができないような場合に適用される金型であって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…の合わせ面の近傍に外側スライドコアの型合わせ面が位置する金型である。そのために2次ゲート/スプルの形状が第2実施形態の場合と異なる。その他の金型の構造、すなわち、6分割内側スライド型と外側スライド型とを適用するなど第2の実施形態の射出成形金型と同様とする。したがって、同一の構成要素には、同一符号を付し、異なる点について、以下、説明する。
【0085】
本実施形態の射出成形金型31は、例えば、前記第1の実施形態の筒状部材であるカム枠10を成形可能な金型であって、固定型と可動型とからなる。図10,11に示すように上記固定型は、固定側コア5を有しており、上記可動型は、可動側入子6と、6分割内側スライド型を構成するセンターコア1,第1のスライドコア2A,…,2Cおよび第2のスライドコア3A,…,3Cと、外形型である外側スライド型34A,…,34Fとを有している。上記外側スライド型34A,…,34Fの型合わせ面34fは、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…との合わせ面2c,3c端部の近傍に位置する。
【0086】
図10,11に示すように外側スライドコア34A,…,34Fの型合わせ面34fの図中の上面側には、固定側コア5の1次ゲートとなるピンゲート5a(6箇所)が配置されている。上記ピンゲート5aに対向する型合わせ面34f上の各位置に2次ゲート/スプルが配置される。
【0087】
上記2次ゲート/スプルは、2次スプル部34bと2次ゲート部34cからなり、各外側スライドコア34A,…,34Fの型合わせ面34fに跨った状態で配置され、外側スライドコア34A,34C,34E側には、周方向に対称な上記2次ゲート部34cが設けられ、外側スライドコア34B,34D,34F側に上記2次スプル部34bが設けられれる(図10)。
【0088】
上記2次スプル部34bと2次ゲート部34cの形状について、外側スライドコア34Aと34Bの型合わせ面34fに設けられる例で説明する。なお、他に外側スライドコア34Bと34C,34Cと34D,34Dと34E,34Eと34F,34Fと34Aの各型合わせ面34fに設けられる2次スプル部34bと2次ゲート部34cの形状も同様の形状を有する。但し、それらは、各外側スライドコアに対して対称形状の2次ゲート部34c、または、2次スプル部34bのいずれかである。
【0089】
図12に示すように上記2次スプル部34bは、外側スライドコア34Bの上面から軸心C0 と平行な流路を有し、外側スライドコア34Bのスライド方向D2 と平行な面34bbが形成されている。但し、上記平行な面34bbは、平行な面に限らず型抜き可能な面であればよい。
【0090】
上記2次ゲート部34cは、上記外側スライドコア34Aの型合わせ面上の2次スプル部34bの底部に対向した位置に所定の角度傾斜した傾斜面34caにより形成されており、外側スライドコア34Aの内周面(キャビティ27の外面)に開口するゲート開口34ccを有している。2次ゲート部34cの傾斜面34caにより溶融樹脂の射出方向が定まる。
【0091】
上記2次スプル部34bと2次ゲート部34cは、外側スライドコア34A,34Bの型締め状態で第1,2内側スライドコア2A,3Aに対して所定の位置関係を有している。すなわち、図13に示すように上記ゲート開口34ccの周方向位置は、第1,2スライドコア2A,3Aの合わせ面2c,3c端部(パーティングライン部分)から第1のスライドコア2Aの幅中心側に向けて所定の離間距離d3 を確保した位置とする。また、樹脂射出方向与える傾斜面34caの傾きは、軸心C0 と第1,2スライドコア2A,3Aの合わせ面2c,3c端部とを結ぶ中心線に対して樹脂射出方向第1のスライドコア2Aの外周側に倒れるように傾斜した所定の傾斜角度α3 を確保する。
【0092】
本実施形態の射出成形金型31においては、2次ゲート/スプルの2次ゲート部34cのゲート開口34ccの離間距離d3 を少なくともd3 ≧0.5mmとし、かつ、ゲート開口34cの傾斜面34caの傾きである傾斜角度α3 をα3 ≧10°にする。さらには、d3 ≧1.0mm、かつ、α3 ≧15°を採用することが望ましい。なお、これらの値は、実験的検討により得られた値である。
【0093】
次に、上述した構成を有する本実施形態の射出成形金型31によりカム枠10成形時の動作は、前記第2の実施形態の射出成形金型9の場合と同様に型閉じ状態のもとで、高圧の溶融樹脂をピンゲート5aから2次ゲート/スプルの2次スプル部34bに注入する。上記溶融樹脂は、2次ゲート部34cからキャビティ37内に射出される。そのとき、上記溶融樹脂は、第1,2スライドコア2A,…と3A,…の合わせ面2c,3cから所定距離離れているゲート開口34ccから上記型合わせ面34fに対し傾斜して第1のスライドコア2A,…の幅中心に向けて射出される。したがって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…の合わせ面2c,3cには、高速かつ高圧の溶融樹脂が直接当たることはない。
【0094】
上記溶融樹脂が冷却固化した後、金型31を型開き状態とする。すなわち、外側スライドコア34A,…,34FをD1 ,D2 方向等にスライドさせて開放する。同時に、センターコア1を軸心C0 方向、固定型から離す方向(図中の下方)に移動させることによって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とを内側に窄ませると、キャビティ27内に形成されたカム枠10の成形品を上記金型31から取り出すことができる。
【0095】
本実施形態の射出成形金型31によれば、上述のような形状寸法を採用することにより第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…の合わせ面の近傍に外側スライドコアの型合わせ面が位置するような金型であっても第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…との合わせ面2c,3c端部に高速かつ高圧の溶融樹脂がゲートから直接当たることがなく、パーティングライン部分に発生するバリアを抑えることができる。
【0096】
また、上記2次ゲート部34cの開口34ccの位置が第1スライドコア2A,…上に限定されているので、溶融樹脂の高圧の射出力は、第1スライドコア2A,…にのみ作用することになり第2スライドコア3A,…との合わせ面2c,3cの密着力が高まり、この点からもパーティングライン部分に発生するバリアが抑えられる。
【0097】
次に、本発明の第6の実施形態の射出成形金型について、図14〜16を用いて説明する。
図14は、本実施形態の射出成形金型の横断面図(図15のI−I断面図)である。図15は、図14のH−H断面図である。図16は、図15のI−I断面図の一部であって、上記射出成形金型のピンゲートの配置を示す。
【0098】
本実施形態の射出成形金型41は、前記第2実施形態の射出成形金型9等のように2次ゲート/スプルを設けずに、第1のスライドコアの端面の近傍の所定位置にピンゲートを配置することによって成形される筒状部材のバリ発生を抑えるようにしたものである。その他の金型の構造、すなわち、6分割内側スライド型と外側スライド型とを適用すること等は、前記第2の実施形態の射出成形金型9と同様とする。したがって、同一の構成要素には、同一符号を付してその説明は行わず、異なる点について、以下、説明する。
【0099】
本実施形態の射出成形金型41は、例えば、前記第1の実施形態の筒状部材であるカム枠10を成形可能な金型であり、固定型と可動型とからなる。図14,15に示すように上記固定型は、固定側コア45を有している。上記可動型は、可動側入子6と、6分割内側スライド型を構成するセンターコア1,第1のスライドコア2A,…,2Cおよび第2のスライドコア3A,…,3Cと、外形型である外側スライドコア44A,…,44Fとを有している。
【0100】
上記固定側コア45には、第1のスライドコア2A,2B,2Cの上端面近傍であって、第1のスライドコア2A,2B,2Cに対向するキャビティ47の図15中の上端部位置に開口する2つずつのピンゲート45a,45bが3組配置されている。なお、上記キャビティ47は、外側スライドコア44A,…,44Fの内周面44aと、第1のスライドコア2A,2B,2Cの分割外周面2a,第2のスライドコア3A,3B,3Cの分割外周面3aとで形成される。
【0101】
上記ピンゲート45a,45bの周方向の位置としては、図16に示すように第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…との合わせ面2c,3cから上記ピンゲート45a,45bまでの第1のスライドコア2A,…の幅の中心側に向けて周方向に離間する離間距離d4 、およびd5 は、1.5mm以上、望ましくは3.0mm以上とする。なお、これらの値は、実験的検討により得られた値である。
【0102】
次に、上述した構成を有する本実施形態の射出成形金型41によりカム枠10成形時の動作は、前記第2の実施形態の射出成形金型9の場合と同様に型閉じ状態のもとで、高圧の溶融樹脂がピンゲート45aからキャビティ47に射出される。そのとき、上記溶融樹脂は、第1,2スライドコア2A,…と3A,…の合わせ面2c,3cから所定距離離れているピンゲート45a,45bから射出されるので、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…の合わせ面2c,3cに高速かつ高圧の溶融樹脂が直接当たることはない。
【0103】
上記溶融樹脂が冷却固化した後、金型41を型開き状態とする。すなわち、外側スライドコア44A,…,44FをD1 ,D2 方向等にスライドさせて開放する。同時に、センターコア1を軸心C0 方向、図中の下方に移動させることによって、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…とを内側に窄ませると、キャビティ47内に形成されたカム枠10の成形品を上記金型41から取り出すことができる。
【0104】
本実施形態の射出成形金型41によれば、上述のように固定側コア45にピンゲートを配置することにより第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…との合わせ面2c,3c端部のパーティングライン部分のバリ発生を抑えることができる。また、上記ピンゲート45a,45bは、外側スライドコア44A,…の位置や大きさに制限されることなく、自由に配置することができる。さらに、上記外側スライドコア44A,…が存在しないような金型に対しても本実施形態の金型41のピンゲート構造を採用できる。またさらに、上記ピンゲートを第1のスライドコア2A,…側に多数配置すれば、上記ピンゲートから射出される溶融樹脂により第1のスライドコア2A,…を内側方向に押圧する力が発生して、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…との合わせ面2c,3cの密着力が増え、さらにバリ発生を抑える効果を奏する。
【0105】
次に、本発明の第7の実施形態の射出成形金型について、図17〜19を用いて説明する。
図17は、本実施形態の射出成形金型の横断面図(図18のK−K断面)を示している。図18は、図17のJ−J断面図である。図19は、図18のQ−Q断面図であり、上記射出成形金型のサブマリンゲートのゲート開口部を示す。
【0106】
本実施形態の射出成形金型51は、前記第2実施形態の射出成形金型9等の外側スライドコアに設けた2次ゲート/スプルに対して外側スライドコアにサブマリンゲートを設けたものである。その他の金型の構造、すなわち、6分割内側スライド型と外側スライド型とを適用するなど、前記第2の実施形態の射出成形金型9と同様とする。したがって、同一の構成要素には、同一符号を付してその説明は行わず、異なる点について、以下、説明する。
【0107】
本実施形態の射出成形金型51は、例えば、前記第1の実施形態の筒状部材であるカム枠10を成形可能な金型であって、固定型と可動型とからなる。図18に示すように上記固定型は、固定側コア55を有している。上記可動型は、可動側入子6と、6分割内側スライド型を構成するセンターコア1,第1のスライドコア2A,…,2Cおよび第2のスライドコア3A,…,3Cと、外形型である外側スライドコア54A,…,54Fとを有している。
【0108】
上記外側スライドコア54A,…,54Fは、それぞれに外側スライドコア内周面54aを形成する分割内周面を有しており、それぞれの分割内周面の両側面に隣り合った外側スライドコア同士が密着する型合わせ面54fが設けられる。上記型合わせ面54fは、隣り合う外側スライドコアの分割面により形成される(図19)。また、上記型合わせ面54fは、軸心C0 と第1のスライドコア2A,…、または、第2のスライドコア3A,…の各幅の中心とを結ぶラジアルライン上に位置している。
【0109】
この外側スライド54A,…,54Fの型閉じ状態では、上記両型合わせ面54fが互いに密着状態に保持され、上記分割内周面によって上記内周面54aが形成され、この内周面54aがキャビティ57の外周面となる。この外周面によってカム枠10の外周面が形成可能である。
【0110】
上記外側スライドコア54A,…,54Fの型合わせ面54fの図中の上面側には、固定側コア55のストレート形状の2次スプル55a(6箇所)が配置されている。上記スプル55aに対向する型合わせ面54fの各位置に跨った状態でサブマリンゲート54bが配置される(図17,18)。
【0111】
上記サブマリンゲート54bは、型合わせ面54fの図中の上面部の開口部から軸心C0 方向下方のキャビティ57に向けて傾斜し、流路断面積が徐々に絞られる流路を有し、その先端部に内周面54aに開口するゲート開口部54bbが形成されている。
【0112】
上記ゲート開口54bbの周方向位置は、第1,第2のスライドコア2A,…,3A,…の幅中心線近傍を通る位置が望ましいが、必ずしも幅中心線近傍を通る位置である必要はなく、上記合わせ面2c、3cから第1のスライドコア2A,…側ゲート開口54bbまでの離間距離d6 、および、上記合わせ面2c、3cから第2のスライドコア3A,…側ゲート開口54bbまでの離間距離d7 として後述する所定距離が確保されていればよい。また、上記ゲート開口54bbの軸心C0 方向の位置は、固定側コア55側より距離L5 だけ図中の下方の略中央位置である。
【0113】
本実施形態の金型51における上記ゲート開口54bbと合わせ面2c、3c(パーティングライン部)との周方向に沿った離間距離d6 ,d7 として(図19)、少なくても1.5mm以上、さらに、望ましくは、3.0mm以上確保するようにしている。
【0114】
本実施形態の射出成形金型51によりカム枠10を成形する場合、高圧の溶融樹脂がサブマリンゲート54bのゲート開口54bbからキャビティ57に高速で注入される。しかし、サブマリンゲート54bのゲート開口54bbは、上述したように第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…の合わせ面2c,3cから離間距離d6 ,d7 だけ離れた位置に配置されているため、上記合わせ面2c,3cに高速、かつ、高圧の溶融樹脂がゲートから直接当たることはない。したがって、上記合わせ面2c,3c端部のパーティングラインにバリが生じにくい。
【0115】
本実施の形態の射出成形金型51によれば、前記第6の実施形態の射出成形金型41と同様の効果を得ることができる。さらに、キャビティ57の中間部分にサブマリンゲート54bの先端のゲート開口54bbを配置することができるため、溶融樹脂がキャビティ57に注入されるときの流動バランスが良くなり、成形されるカム枠成形品の成形による変形を小さく抑えることができる。
【0116】
上述した各実施形態においては、6分割内側スライド型を適用し、第1のスライドコア2A,…と第2のスライドコア3A,…は、それぞれ3個としたが、このような6分割内側スライド型に限らず、8分割型、または、10分割型、それ以上、あるいは、それ以下の分割型であってもよい。
【0117】
また、上述した各実施形態においては、外形型の外側スライドコアの分割数として、説明を判りやすくするために上記第1のスライドコアの数と上記第2のスライドコアの数とを加えた分割数を採用したが、本発明は、外側スライドコアの数に限定するものではない。さらに、各外側スライドコアの形状が同じである必要はない。
【0118】
さらに、上述した各実施形態においては、合成樹脂の射出成形金型に適用した例として説明したが、成形材料は、必ずしも合成樹脂に限定するものではなく、たとえは、金属射出成形等などでも、本発明の要旨は、適用可能である。
【0119】
また、上記各実施形態の射出成形金型により成形される部材は、カム枠10のように円筒形状の部材に限定するものではなく、四角筒や円筒部と四角筒部から構成される筒状部材など、様々な形状の筒状部材に本発明は適用できる。
【0120】
【発明の効果】
本発明によると、筒状部材において外周面にあるゲート位置を適切な位置に配置することにより内周面に発生するバリを少なく抑えられる筒状部材を提供することができ、また、その筒状部材を射出成形することができる金型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である筒状部材のカム枠の縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の射出成形金型の軸心と直交する断面を示す横断面図である。
【図3】上記図2のA−A断面図である。
【図4】上記図2の射出成形金型における外側スライドコアの2次ゲート/スプルの分解斜視図である。
【図5】上記図3のE矢視図であって、上記2次ゲート/スプルを上方入り口側から見た図である。
【図6】上記図3のB−B断面図の一部であって、上記2次ゲート/スプルの2次ゲート部断面を示す。
【図7】本発明の第3の実施形態の射出成形金型の横断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態の射出成形金型の横断面図である。
【図9】上記図8のM−M断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態の射出成形金型の横断面図である。
【図11】上記図10のF−F断面図である。
【図12】上記図10の射出成形金型の2次ゲート/スプルの分解斜視図である。
【図13】上記図11のG−G断面の一部であって、上記2次ゲート/スプルの2次ゲート部断面を示す。
【図14】本発明の第6の実施形態の射出成形金型の横断面図である。
【図15】上記図14のH−H断面図である。
【図16】上記図15のI−I断面図の一部であって、上記射出成形金型のピンゲートの配置を示す。
【図17】本実施形態の射出成形金型の横断面図を示している。
【図18】上記図17のJ−J断面図である。
【図19】上記図18のQ−Q断面図であり、上記射出成形金型のサブマリンゲートのゲート開口部を示す。
【図20】従来の射出成形金型のキャビティまわりの断面図である。
【符号の説明】
1 …センターコア
2A,2B,2C
…第1のスライドコア(内側スライドコア)
2c,3c
…合わせ面(合わせ面部)
3A,3B,3C
…第2のスライドコア(内側スライドコア)
4A〜4F,14A〜14F,24A〜24F,
34A〜34F,44A〜44F,
54A〜54F
…外側スライドコア(外形型)
4b,4d,14b,34b
…2次スプル部(スプル)
4c,4e,14c,34c,
…2次ゲート部(ゲート)
4cc,4ee,14cc,34cc,54bb
…ゲート開口
4f,14f,24f,34f,44f,54f
…型合わせ面
(外側スライドコア同士の合わせ面)
9,11,21,31,41,51
…射出成形金型
10 …カム枠(筒状部材)
10d…パーティングライン跡
(パーティングライン)
24b…2次スプル部
(第1のゲートに通じるスプル)
24c…2次ゲート部(第1のゲート)
24cc…ゲート開口
(第1のゲートのゲート開口)
24d…2次スプル部
(第2のゲートに通じるスプル)
24e…2次ゲート部(第2のゲート)
24ee…ゲート開口
(第2のゲートのゲート開口)
45a,45b…ピンゲート(ゲート)
54b…サブマリンゲート(ゲート)
d1 ,d2 ,d3 ,d4 ,d5 ,d6 ,d7
…離間距離(所定の距離)
α3 …傾斜角度(所定の角度)
Claims (9)
- 筒状部材を射出成形により成形する射出成形金型において、
センターコアと、
上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に互いに離間して設けられ、上記センターコアと相対移動可能な複数の第1のスライドコアと、
上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に上記複数の第1のスライドコアの間に配置され、上記第1のスライドコアとの合わせ面部を有し、型閉じ時には上記合わせ面部が上記第1のスライドコアに覆われるように構成され、型開閉時には上記センターコアと相対移動可能な複数の第2のスライドコアと、
上記筒状部材の外周面の周方向において、複数のスライドコアよりなり、上記第1のスライドコアと対向するように第1のゲートが設けられ、さらに、上記第2のスライドコアと対向し上記第1のゲートのゲート開口の面積より小さいゲート開口を有する第2のゲートが設けられて上記筒状部材の外形形状を形成するための外形型と、
を有していることを特徴とする射出成形金型。 - さらに、上記外形型には上記筒状部材の外周面の周方向において、上記第2のスライドコアと対向するように第2のゲートが設けられ、該第2のゲートに通じるスプルの射出成形材料流路進行方向に対して直交する直角断面積は、上記第1のゲートに通ずるスプルのその直角断面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
- さらに、上記外形型には上記筒状部材の外周面の周方向において、上記第2のスライドコアと対向するように第2のゲートが設けられ、該第2のゲートの射出成形材料流路長が上記第1のスライドコアと対向した上記第1のゲートの射出成形材料流路長より長いことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
- さらに、上記外形型には上記筒状部材の外周面の周方向において、上記第2のスライドコアと対向するように第2のゲートが設けられ、該第2のゲートに通じるスプルの射出成形材料流路長が上記第1のゲートに通ずるスプルの射出成形材料流路長より長いことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。
- 筒状部材を射出成形により成形する射出成形金型において、
センターコアと、
上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に互いに離間して設けられ、上記センターコアと相対移動可能な複数の第1のスライドコアと、
上記筒状部材の内周面を形成するため、上記センターコアの周囲に上記複数の第1のスライドコアの間に配置され、型閉じ時には上記第1のスライドコアとの合わせ面部を有し、該合わせ面部では上記第1のスライドコアに覆われるように構成され、型開閉時には上記センターコアと相対移動可能な複数の第2のスライドコアと、
上記筒状部材の外周面の周方向において、複数のスライドコアよりなり、上記第1のスライドコアと上記第2のスライドコアとのパーティングラインから離間し上記第1のスライドコアに対向するようにゲートが設けられ、上記金型開閉方向に直交する平面における上記センターコア中心と上記パーティングラインとを通る直線に対し上記ゲートからの成形材料の射出方向が上記第1のスライドコアの外周面上に向かうように上記ゲートが所定の角度を有した上記筒状部材の外形を形成するための外形型と、
を有していることを特徴とする射出成形金型。 - 上記ゲートは、上記パーティングラインから、上記筒状部材の外周面の周方向において、所定の距離離れており、上記第1のスライドコアの外周面上に対向していることを特徴とする請求項5に記載の射出成形金型。
- 上記所定の角度をα、上記所定の距離をdとすると、
α≧10°、かつ、d≧0.5mm
であることを特徴とする請求項6に記載の射出成形金型。 - 上記所定の角度をα、上記所定の距離をdとすると、
α≧15°、かつ、d≧1.0mm
であることを特徴とする請求項6に記載の射出成形金型。 - 上記外形型は、複数の外スライドからなり、互いが接するパーティング面にスプル及び上記ゲートを設けていることを特徴とする請求項6に記載の射出成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002359686A JP4040963B2 (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 射出成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002359686A JP4040963B2 (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 射出成形金型 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004188794A JP2004188794A (ja) | 2004-07-08 |
JP2004188794A5 JP2004188794A5 (ja) | 2005-10-27 |
JP4040963B2 true JP4040963B2 (ja) | 2008-01-30 |
Family
ID=32759018
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002359686A Expired - Fee Related JP4040963B2 (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 射出成形金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4040963B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107415143B (zh) * | 2017-04-21 | 2019-08-20 | 歌尔股份有限公司 | 框架与内部分体式入子的分合方法以及分合装置 |
JP7373363B2 (ja) * | 2019-11-18 | 2023-11-02 | ニデックインスツルメンツ株式会社 | レンズホルダ成形用金型 |
CN112810069B (zh) * | 2020-12-30 | 2022-11-29 | 武汉联镇科技有限公司 | 一种精密度高的拼接式注塑机用模具 |
CN113146958B (zh) * | 2021-04-30 | 2024-10-22 | 常州煜明电子有限公司 | 一种具有二次注塑功能的注塑模具及其注塑方法 |
-
2002
- 2002-12-11 JP JP2002359686A patent/JP4040963B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004188794A (ja) | 2004-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4854849A (en) | Injection mold | |
JP4040963B2 (ja) | 射出成形金型 | |
JP2018099795A (ja) | コアを備えた積層成形用金型 | |
JP5562083B2 (ja) | 成形用金型 | |
JP7595044B2 (ja) | 樹脂成形品、成形装置、成形方法及び金型 | |
JP4056158B2 (ja) | レンズ用成形金型 | |
JP5351196B2 (ja) | シールリング | |
JP6929000B2 (ja) | 樹脂パネル部品及びその製造方法 | |
JP3611977B2 (ja) | 中空体製品の成形方法および成形用金型 | |
JP4134180B2 (ja) | 射出成形用金型及び射出成形方法 | |
JP2007223252A (ja) | 光学素子射出成形金型およびその成形方法 | |
JP2003053784A (ja) | 射出成形方法および射出成形用金型装置 | |
JP2004142286A (ja) | 湾曲物の射出成形金型及びその離型方法 | |
JP4727341B2 (ja) | シールリングの成形方法および成形用金型 | |
JP2005297466A (ja) | プラスチック成形金型及びプラスチック成形方法 | |
JP6314003B2 (ja) | 射出成形用金型、及び成形品 | |
JP2712728B2 (ja) | カセットハーフ成形方法及びカセットハーフ成形用金型 | |
JP2017185759A (ja) | プラスチックレンズおよびその製造方法 | |
JP4649119B2 (ja) | 射出成形用金型 | |
JP2001260187A (ja) | 複合成形品及びその成形用金型並びに成形方法 | |
JP4585901B2 (ja) | 樹脂製リング形状品の射出成形型 | |
JP6214592B2 (ja) | 樹脂成形用金型 | |
JPH11156890A (ja) | プラスチックレンズの射出成形装置 | |
JPH09254202A (ja) | 射出成形用金型 | |
JP4695456B2 (ja) | 射出成形用金型装置および射出成形方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050902 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050902 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070529 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070725 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071106 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071108 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101116 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111116 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121116 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131116 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |