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JP6214592B2 - 樹脂成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形用金型に関する。
樹脂成形品において、射出成形の際に樹脂が合流する地点やその近傍には、ウェルドラインが発生することがある。
特に、貫通孔を有する樹脂成形品では、貫通孔の近傍にウェルドラインが発生する。樹脂成形用金型の空洞を貫くコアの周りを樹脂が流れて、コアの背面側で樹脂が合流するため、ウェルドラインが発生してしまう。
このウェルドラインは、樹脂成形品の外観意匠を損なったり、樹脂成形品の強度低下を招いたりするという問題がある。
そこで、特許文献1に開示された成形装置および成形方法では、貫通孔となる部分(廃棄部分)にランナーゲート(スプール)を接続して樹脂を充填し、成形後に貫通孔となる部分を切り取るようにしている。
この成形装置および成形方法によれば、樹脂成形用金型の空洞を貫くコアが存在しないため、貫通孔の近傍にウェルドラインが発生することを防止できる。
特開2014−166689号公報
しかしながら、上述した成形装置および成形方法では、貫通孔となる部分(廃棄部分)が複数個所に存在する場合には、樹脂成形用金型の形状が複雑になるという問題がある。すなわち、貫通孔となる部分にそれぞれランナーゲートを接続すると、樹脂成形用金型が複雑になり、製造費用の上昇等を招いてしまう。
また、上述した成形装置および成形方法では、貫通孔となる部分を切り取り可能にするために、貫通孔となる部分の外周部の厚みを薄く(薄肉)に成形している。
このため、射出成形の際に、貫通孔となる部分の外周部の周りを樹脂が流れて、ウェルドラインが発生してしまうという問題がある。
本発明は、貫通孔を有する樹脂成形品を成形する際に、貫通孔の周囲にウェルドラインが発生することを確実に防止できる樹脂成形用金型を提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂成形用金型の第一実施態様は、貫通孔を有する樹脂成形品を成形する樹脂成形用金型であって、樹脂注入前に前記貫通孔となる部分を空洞にする退避位置に配置され、樹脂注入後に前記空洞を埋める成形位置に移動する可動コアを備え、前記可動コアは、先端面の周縁に環状に突出する突部を有し、前記先端面のうち、前記突部を除く窪部は、前記貫通孔の周囲を成形する周囲空洞と同一の深さを有することを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形用金型の第二実施態様は、第一実施態様において、前記成形位置は、前記貫通孔の周囲を成形する成形面と面一な孔成形面に前記可動コアが近接または当接する位置であることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形用金型の第実施態様は、第一または第二実施態様において、前記樹脂成形品に前記貫通孔が複数成形されるとき、前記貫通孔のそれぞれのまでの距離の総和が最小になる位置にゲートが配置されることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形用金型の第実施態様は、第一から第実施態様のいずれかにおいて、前記貫通孔は、樹脂成形された装飾部材が嵌入する嵌合孔であることを特徴とする。
本発明に係る樹脂成形用金型および樹脂成形方法では、貫通孔を成形する可動コアが樹脂注入時に貫通孔となる部分を空洞にする退避位置に配置される。このため、樹脂が可動コアの周りを流れて、可動コアの背面側で樹脂が合流することがない。したがって、貫通孔の周囲にウェルドラインが発生することもない。
よって、樹脂成形品の意匠性を向上させることができる。
また、樹脂注入後に可動コアが空洞(貫通孔となる部分)を埋める成形位置に移動するので、貫通孔を確実に成形できる。
特に、可動コアが成形位置に移動したとき、貫通孔の周囲を成形する成形面と面一な孔成形面に近接または当接するので、貫通孔となる部分に配置された樹脂と貫通孔の周囲に配置された樹脂が完全に分離しない。このため、樹脂成形用金型の内部に、貫通孔となる部分に配置された樹脂が残存せず、樹脂を除去する装置等を樹脂成形用金型に設ける必要がない。
その一方で、貫通孔となる部分に配置された樹脂と貫通孔の周囲に配置された樹脂は、薄肉部を介して接続される。このため、樹脂成形品を樹脂成形用金型から取り出した後に、貫通孔となる部分に配置された樹脂を押圧することにより、貫通孔となる部分に配置された樹脂を容易に除去できる。
本発明の実施形態に係る車両用装着品1を示す図であって、(a)平面図、(b)Ib-Ib断面図である。 本発明の実施形態に係る有色部材10を示す図であって、(a)平面図、(b)IIb-IIb断面図である。 本発明の実施形態に係る樹脂成形用金型20の構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る樹脂成形方法を示す図であって、(a)退避工程、(b)樹脂注入工程、(c)成形工程を示す。 成形直後の有色部材10を示す図であって、(a)平面図、(b)Vb-Vb断面図、(c)要部拡大図である。 廃棄部位11を取り除く工程を示す図であって、(a)除去前、(b)除去後を示す。
以下、本発明の実施形態に係る樹脂成形用金型および樹脂成形方法について、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
<樹脂成形品:有色部材10>
図1は、車両用装着品1を示す図であって、(a)平面図、(b)Ib-Ib断面図である。
図2は、有色部材10を示す図であって、(a)平面図、(b)IIb-IIb断面図である。
有色部材10(車両用装着品1)の厚み方向を前後方向と呼ぶ。樹脂成形用金型20の分割方向(有色部材10の厚み方向)を上下方向と呼ぶ。
車両用装着品1は、車両Aに装着される樹脂成形品であって、車両Aの前面に露出する。
車両用装着品1は、金属光輝性を呈する金属光輝部材5と、黒色等の色を呈する有色部材10からなる。
金属光輝部材(装飾部材)5は、水平方向に沿って延在する帯状の部材からなる。この金属光輝部材5によって、車両Aの標章であるエンブレムMが表される。
金属光輝部材5は、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)、PC又はPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂からなる。
金属光輝部材5の前面には、金属蒸着処理を用いて形成された金属層と、この金属層を保護するためのベースコート層及びトップコート層(いずれも不図示)が配置される。
金属光輝部材5の後面には、一対の円形の嵌合軸6が突出するように成形される。
有色部材(樹脂成形品)10は、金属光輝部材5の周囲の領域に、金属光輝部材5を取り囲むように設けられる。有色部材10は、金属光輝部材5の後面に密着して、金属光輝部材5を保持する。
有色部材10は、例えばABS、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合合成樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC、PET等の合成樹脂またはこれらの複合樹脂からなる。
有色部材10は、僅かに湾曲する薄板状に成形される。有色部材10は、例えば2.0mm〜10mm程度の厚みに成形される。
有色部材10の中央部には、厚み方向に貫通する、一対の円形の貫通孔12が形成される。この一対の貫通孔(嵌合孔)12には、金属光輝部材5の一対の嵌合軸6がそれぞれ嵌入される。つまり、貫通孔12に嵌合軸6を嵌め込むことにより、有色部材10に金属光輝部材5が固定される。
<樹脂成形用金型20>
図3は、本発明の実施形態に係る樹脂成形用金型20の構成を示す図である。
樹脂成形用金型20は、射出成形機(不図示)に用いられる金型であって、いわゆる3プレート金型と呼ばれる。
樹脂成形用金型20は、有色部材10を成形するための空洞Cを有する入れ子21を備える。入れ子21は、キャビティと呼ばれる上型22と、コアと呼ばれる下型24からなり、上型22と下型24の間に溶融樹脂が充填される空洞(周囲空洞)Cが形成される。
樹脂成形用金型20には、2つの空洞Cが形成される。つまり、一回の樹脂成形で、2つの有色部材10が成形される。
空洞Cは、上型22の成形面22sと下型24の成形面24sにより形成される。上型22の成形面22sは、有色部材10の前面を成形する面であって、僅かに凹状に湾曲するように形成される。下型24の成形面24sは、有色部材10の後面を成形する面であって、僅かに凸状に湾曲するように形成される。
樹脂成形用金型20は、上型22を保持する固定側に、固定側型板30、ランナーストリッパープレート31、固定側取付板32、スプールブッシュ33、ランナーロックピン34、ランナー35等を備える。
樹脂成形用金型20は、下型24を保持する可動側に、可動側型板36、エジェクタプエート上37、エジェクタプレート下38、可動側取付板39、リターンピン40、リターンスプリング41、リターンガイド42、エジェクタピン43、エジェクタストッパー44、エジェクタブロック45等を備える。
また、樹脂成形用金型20は、有色部材10の貫通孔12を成形する可動コア26を備える。可動コア26は、下型24の一部を構成する部材であって、細長い円柱形に形成される。
可動コア26は、下型24に対して摺動して、空洞Cの一部を空けたり、埋めたりすることができる。つまり、空洞Cのうち、貫通孔12となる部分(空洞Ch)を空けたり、埋めたりする。
可動コア26の基端(下端)は、エジェクタプエート上37とエジェクタプレート下38に保持固定される。これにより、可動コア26は、上下方向に移動することができる。
具体的には、可動コア26は、貫通孔12となる部分を空洞Chにする退避位置P1と、空洞Chを埋める成形位置P2に移動する。
退避位置P1では、可動コア26の先端面27が、下型24の成形面24sとほぼ面一になる。一方、成形位置P2では、可動コア26の先端面27が、上型22の成形面22s(孔成形面22t)に当接する。
上型22の成形面22sのうち、可動コア26の先端面27が当接する孔成形面22tは、貫通孔12の周囲の部位を成形する成形面22sと面一に形成される。つまり、孔成形面22tは、その周囲の成形面22sと一体的に、段差なく形成される。
このため、可動コア26は、成形位置P2では、先端面27が上型22の孔成形面22tに当接して、成形面22sと面一になる(同一面上に配置される)。
可動コア26の先端面27には、周縁が上方に向けて突出した環状の突部28が形成される。突部28は、周縁を除く全ての領域を掘り込むことにより、鋭角に形成される。言い換えれば、先端面27のうち、周縁(突部28)を除く領域には、下方に向けて窪んだ窪部29が形成される。この窪部29の深さ(上下方向の長さ)は、空洞Cの厚みとほぼ同一に設定される。
このため、成形位置P2では、可動コア26の突部28が上型22の孔成形面22tに当接すると、窪部29は、下型24の成形面24sとほぼ面一になる。つまり、貫通孔12となる部分の空洞Chの厚みが、空洞Cの厚みのほぼ同一になる。
なお、退避位置P1では、可動コア26の突部28が下型24の成形面24sとほぼ面一になる。つまり、貫通孔12となる部分の空洞Chの厚みは、空洞Cの厚みのほぼ2倍になる。
<樹脂成形方法>
図4は、本発明の実施形態に係る樹脂成形方法を示す図であって、(a)退避工程、(b)樹脂注入工程、(c)成形工程を示す。
有色部材10を樹脂成形する製造工程は、退避工程、樹脂注入工程、成形工程および除去工程を有する。
退避工程では、貫通孔12となる部分を成形する可動コア26を移動させて貫通孔12となる部分を空洞Chにする。樹脂注入工程では、空洞C,Chに樹脂を注入する。成形工程では、可動コア26を移動させて空洞Chを埋める。除去工程では、樹脂硬化後に空洞Chに配置された樹脂を取り除く。
以下、これら各工程について詳述する。
最初に、退避工程(樹脂注入前)では、図4(a)に示すように、樹脂成形用金型20の上型22と下型24を密着させて、空洞Cを出現させる。
そして、可動コア26を下方に移動させて、可動コア26を退避位置P1に配置する。エジェクタプエート上37とエジェクタプレート下38を可動側取付板39に密着させることにより、可動コア26を退避位置P1に配置できる。
上述してように、退避位置P1では、可動コア26の突部28が下型24の成形面24sとほぼ面一になる。このため、貫通孔12となる部分の空洞Chの厚みは、空洞Cの厚みのほぼ2倍になる。
次に、樹脂注入工程では、図4(b)に示すように、樹脂成形用金型20の空洞C,Chに溶融樹脂を充填する。
このとき、貫通孔12となる部分には、可動コア26が配置されておらず、空洞Cに連通する空洞Chが形成されている。このため、溶融樹脂は、その流れが分岐したり、合流したりせずに、空洞C,Chの全体に円滑に充填される。つまり、ウェルドラインの発生原因となる溶融樹脂の流れの分岐や合流が存在しない。
続いて、溶融樹脂が硬化する前に成形工程(樹脂注入後)を行う。すなわち、成形工程では、図4(c)に示すように、可動コア26を上方に移動させて、可動コア26を成形位置P2に配置する。エジェクタプエート上37とエジェクタプレート下38を上方に向けて、空洞Cの厚み分だけ移動させることにより、可動コア26を成形位置P2に配置できる。
上述してように、成形位置P2では、可動コア26の突部28が上型22の孔成形面22tに当接する。このため、貫通孔12となる部分の空洞Chの厚みは、空洞Cの厚みのほぼ同一になる。つまり、樹脂注入工程から成形工程に移行すると、空洞Cの容積がほぼ半減する。
したがって、樹脂注入工程において空洞Chに充填された溶融樹脂のほぼ半分程度は、空洞Chから空洞Cに押し出される。
その後に、樹脂成形用金型20を冷却して、空洞C,Chに充填された溶融樹脂を硬化させる。
次に、樹脂が硬化したら、樹脂成形用金型20の上型22と下型24を分離して、空洞Cから、有色部材10を取り出す。そして、成形直後の有色部材10から、貫通孔12となる部分に成形された樹脂(廃棄部位11)を取り除く。廃棄部位11の除去方法については、後述する。
このような工程を経ることにより、有色部材10が製造される。
図5は、成形直後の有色部材10を示す図であって、(a)平面図、(b)Vb-Vb断面図、(c)要部拡大図である。
図6は、廃棄部位11を取り除く工程(除去工程)を示す図であって、(a)除去前、(b)除去後を示す。
図5に示すように、成形直後の有色部材10は、貫通孔12となる部分に廃棄部位11を有する。廃棄部位11は、貫通孔12よりも小径の円板形であって、貫通孔12と同心状に成形される。廃棄部位11の厚みは、貫通孔12の周囲の部位の厚みとほぼ同一である。
また、廃棄部位11は、有色部材10に対して薄肉部13を介して接続される。薄肉部13は、貫通孔12の内周と廃棄部位11の外周に沿う円環形に成形される。薄肉部13は、有色部材10と廃棄部位11を完全に接続するものではなく、一部が切断(破損)した状態に成形される場合もある。
廃棄部位11は、上述した成形工程において、空洞Chに残存した溶融樹脂が硬化したものである。
薄肉部13は、成形工程において、可動コア26の突部28と上型22の孔成形面22tの間に残存した溶融樹脂が硬化したものである。突部28と孔成形面22tは、成形工程において密着するものの、僅かな溶融樹脂が突部28と孔成形面22tの間に残存する。このため、成形直後の有色部材10には、貫通孔12の周囲の部位と廃棄部位11の間に薄肉部13が成形される。
上述したように、上型22の成形面22sのうち、可動コア26の先端面27が当接する孔成形面22tは、貫通孔12の周囲の部位を成形する成形面22sと面一に形成される。このため、薄肉部13と貫通孔12の周囲の部位は、段差がないため分断されることなく一体的に成形される。つまり、薄肉部13と貫通孔12の周囲の部位が接続された状態に成形される。
薄肉部13は、僅かな樹脂により成形されているため、容易に破損してしまう。成形直後には、薄肉部13と貫通孔12の周囲の部位は、完全に接続されずに、一部が破損した状態に成形される場合もある。つまり、薄肉部13は、僅かな力を加えるだけで容易に切断可能に成形される。
このため、図6に示すように、廃棄部位11を指等で軽く押し圧するだけで、薄肉部13が破れて、廃棄部位11が有色部材10から分離、除去される。
こうして、有色部材10に貫通孔12が成形される(出現する)。
また、図5に示すように、有色部材10は、成形直後には、有色部材10のほぼ中央にゲート15を有する。
ゲート15は、有色部材10を成形する樹脂成形用金型20において、射出成形機(不図示)のノズルから射出された溶融樹脂が有色部材10となる空洞Cへの流入する流入通路である。
ゲート15は、有色部材10のほぼ中央に配置される。より正確には、ゲート15は、一対の貫通孔12の中間位置に配置される。ゲート15は、それぞれの貫通孔12からの距離の総和が最小になる位置に配置される。つまり、ゲート15は、複数の貫通孔12の重心位置に配置される。
このため、樹脂成形用金型20の空洞Cに溶融樹脂を注入したとき(樹脂注入工程)に、貫通孔12となるべき部分の空洞Chに対して最短の時間で溶融樹脂が充填される。有色部材10においては、2つの空洞Chに対して、ほぼ同時に溶融樹脂が充填される。したがって、複数の可動コア26を時間差を設けることなく、同時に成形位置P2に移動させることができる。つまり、樹脂成形用金型20や成形工程が複雑化せず、製造費用や製造工程の効率化等を図ることができる。
なお、ゲート15は、金属光輝部材5により覆い隠される。このため、車両用装着品1(有色部材10)を前面から見たときに、エンブレムMの意匠性が損なわれることもない。
以上、説明したように、本実施形態に係る樹脂成形用金型20は、可動コア26を備える。可動コア26は、溶融樹脂を注入する前に、貫通孔12となる部分を空洞Chにする退避位置P1に配置され、溶融樹脂を注入した後に空洞Chを埋める成形位置P2に移動する。
このため、樹脂注入時には、貫通孔12となる部分には可動コア26が配置されておらず、空洞Cに連通する空洞Chが形成される。したがって、溶融樹脂の流れが分岐したり、合流したりせずに、空洞C,Chの全体に円滑に充填される。
よって、有色部材10の貫通孔12の周囲にウェルドラインが発生することを防止できる。
また、成形位置P2は、貫通孔12の周囲を成形する成形面22sと面一な孔成形面22tに可動コア26が近接または当接する位置である。このため、可動コア26の突部28と上型22の孔成形面22tの間に残存した溶融樹脂が硬化して薄肉部13が成形される。つまり、薄肉部13と貫通孔12の周囲の部位が接続された状態に成形される。
したがって、貫通孔12となる部分の空洞Chに充填された樹脂を樹脂成形用金型20の内部に残存させることなく、有色部材10と一体的にして、樹脂成形用金型20から取り出すことができる。
よって、樹脂成形用金型20に余分な樹脂(廃棄部位11)を除去する装置を設ける必要がなく、樹脂成形用金型20の複雑化防止、低コスト化を図ることができる。
可動コア26は、先端面27の周縁に環状に突出する突部28を有する。このため、貫通孔12となる部分(廃棄部位11)と貫通孔12の間に薄肉部13を確実に成形することができる。
また、先端面27のうち、突部28を除く窪部29は、貫通孔12の周囲を成形する空洞Cと同一の深さを有する。このため、空洞Cと空洞Chに充填された溶融樹脂の冷却速度をほぼ同一になる。したがって、廃棄部位11と有色部材10の成形がほぼ同時になり、製造効率の向上が図られる。
また、有色部材10に貫通孔12が複数成形される場合に、貫通孔12のそれぞれのまでの距離の総和が最小になる位置にゲート15が配置される。
このため、樹脂成形用金型20の空洞Cに溶融樹脂を注入したときに、貫通孔12となるべき部分の空洞Chに対して最短の時間で溶融樹脂が充填される。したがって、複数の可動コア26を時間差を設けることなく、同時に成形位置P2に移動させることができる。
よって、樹脂成形用金型20や成形工程が複雑化せず、製造費用や製造工程の効率化等を図ることができる。
有色部材10の貫通孔12には、金属光輝部材5の嵌合軸6がそれぞれ嵌め合わされる。これにより、有色部材10に金属光輝部材5を確実に固定することができる。貫通孔12の周囲にウェルドラインが存在しないので、金属光輝部材5からなるエンブレムMの意匠性を損なわれることがない。
また、本実施形態に係る樹脂成形方法は、退避工程、樹脂注入工程、成形工程および除去工程を有する。
退避工程では、貫通孔12となる部分(廃棄部位11)を成形する可動コア26を移動させて貫通孔12となる部分を空洞Chにする。樹脂注入工程では、空洞C,Chに樹脂を注入する。成形工程では、可動コア26を移動させて空洞Chを埋める。除去工程では、樹脂硬化後に空洞Chに配置された樹脂(廃棄部位11)を取り除く。
このため、樹脂注入工程では、貫通孔12となる部分に可動コア26が配置されておらず、空洞Cに連通する空洞Chが形成される。したがって、溶融樹脂の流れが分岐したり、合流したりせずに、空洞C,Chの全体に円滑に充填される。
よって、有色部材10の貫通孔12の周囲にウェルドラインが発生することを防止できる。
また、貫通孔12の周囲を成形する成形面22sと面一な孔成形面22tに可動コア26を近接または当接させるので、廃棄部位11と貫通孔12の周囲の部位(有色部材10)の間に薄肉部13が成形される。したがって、貫通孔12となる部分の空洞Chに充填された樹脂を樹脂成形用金型20の内部に残存させることなく、有色部材10と一体的にして、樹脂成形用金型20から取り出すことができる。
よって、樹脂成形方法の複雑化を防止することができる。
また、除去工程は、有色部材10を樹脂成形用金型20から取り出した後に、貫通孔12となる部分(空洞Ch)に配置された樹脂(廃棄部位11)を押圧して除去する。したがって、貫通孔12を容易かつ確実に形成することができる。
このように、本発明に係る樹脂成形用金型20および樹脂成形方法では、溶融樹脂が可動コア26の周りを流れて、可動コア26の背面側で樹脂が合流することがない。したがって、貫通孔12の周囲にウェルドラインが発生することもない。
よって、樹脂成形品の意匠性を向上させることができる。
また、樹脂注入後に可動コア26が空洞Chを埋める成形位置P2に移動するので、貫通孔12を確実に成形できる。
特に、可動コア26が成形位置P2に移動したとき、貫通孔12の周囲を成形する成形面22sと面一な孔成形面22tに近接または当接するので、貫通孔12となる部分に配置された樹脂と貫通孔12の周囲に配置された樹脂が完全に分離しない。このため、樹脂成形用金型20の内部に、貫通孔12となる部分に配置された樹脂が残存せず、樹脂を除去する装置等を樹脂成形用金型に設ける必要がない。
その一方で、貫通孔12となる部分に配置された樹脂と貫通孔12の周囲に配置された樹脂は、薄肉部13を介して接続される。このため、有色部材10を樹脂成形用金型20から取り出した後に、貫通孔12となる部分に配置された樹脂を押圧することにより、貫通孔12となる部分に配置された樹脂を容易に除去できる。
上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
貫通孔12は、2つの場合に限らず、1つの場合や3つ以上の場合であってもよい。
貫通孔12は、円形に限らず、矩形等であってもよい。異なる形状の貫通孔を複数有する場合であってもよい。
貫通孔12は、金属光輝部材5等の装飾部材を嵌入する嵌合孔に限らず、通気孔や透孔等であってもよい。
樹脂成形品は、黒色等の有色部材10の場合に限らず、例えば透明部材等であってもよい。また、樹脂成形品は、二色成形やインサート成形されるものであってもよい。
成形位置P2は、可動コア26の突部28が上型22の孔成形面22tに当接する場合に限らない。成形位置P2は、突部28が孔成形面22tに近接して、僅かな隙間が形成される場合であってもよい。この場合であっても、有色部材10と廃棄部位11の間に、これらよりも薄肉の薄肉部13を成形することができる。
突部28は、先端面27の周縁に沿う環形に限らない。すなわち、完全な環形に限らず、例えば破線状の環形であってもよい。この場合には、薄肉部13は、厚肉な部位と薄肉な部位が交互に配置された形成された形状となる。
廃棄部位11が大きな体積を有する場合には、有色部材10を樹脂成形用金型20から取り出すときに、薄肉部13が破れて、廃棄部位11が樹脂成形用金型20の内部に取り残されるおそれがある。
そこで、上述したように、薄肉部13の複数個所に厚肉な部位を成形することにより、薄肉部13の破損を防止して、廃棄部位11が樹脂成形用金型20の内部に取り残されることを回避できる。
可動コア26は、下型24に対して摺動して、上型22に当接する場合に限らない。可動コア26は、上型22に対して摺動して、下型24に当接する場合であってもよい。
また、可動コア26は、上型22と下型24に対して交差する方向に移動してもよい。可動コア26は、いわゆるスライドの様に、上型22と下型24に対してほぼ直交する方向に移動するものであってもよい。
1 車両用装着品 5 金属光輝部材(装飾部材) 10 有色部材(樹脂成形品) 11 廃棄部位 12 貫通孔(嵌合孔) 13 薄肉部 15 ゲート 20 樹脂成形用金型 22s 成形面 22t 孔成形面 26 可動コア 27 先端面 28 突部 29 窪部 C 空洞(周囲空洞) Ch 空洞 P1 退避位置 P2 成形位置

Claims (4)

  1. 貫通孔を有する樹脂成形品を成形する樹脂成形用金型であって、
    樹脂注入前に前記貫通孔となる部分を空洞にする退避位置に配置され、樹脂注入後に前記空洞を埋める成形位置に移動する可動コアを備え
    前記可動コアは、先端面の周縁に環状に突出する突部を有し、
    前記先端面のうち、前記突部を除く窪部は、前記貫通孔の周囲を成形する周囲空洞と同一の深さを有することを特徴とする樹脂成形用金型。
  2. 前記成形位置は、前記貫通孔の周囲を成形する成形面と面一な孔成形面に前記可動コアが近接または当接する位置であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形用金型。
  3. 前記樹脂成形品に前記貫通孔が複数成形されるとき、前記貫通孔のそれぞれのまでの距離の総和が最小になる位置にゲートが配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂成形用金型。
  4. 前記貫通孔は、樹脂成形された装飾部材が嵌入する嵌合孔であることを特徴とする請求項1からのうちいずれか一項に記載の樹脂成形用金型。
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