JP4025399B2 - 核酸の回収方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸を含有する物質からの核酸の回収方法に関する。更に詳しくは、核酸の検査による遺伝子診断のための体液成分からの内因性、或いは、外来性の遺伝子として存在する核酸成分の自動回収装置、或いは、核酸の塩基配列決定のための遺伝子組換え大腸菌等からのプラスミドDNAの自動回収装置に適した核酸の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子生物学の進歩によって、遺伝子に関する数々の技術が開発され、また、それらの技術により、多くの疾患性の遺伝子が分離・同定された。その結果、医療の分野でも、診断、或いは、検査法に分子生物学的な技法が取り入れられ、従来不可能であった診断が可能となったり、検査日数の大幅短縮が達成されつつある。
【0003】
この急激な進歩は、主として、核酸増幅法、特に、PCR法(polymerase chain reaction:ポリメラーゼ連鎖反応、Saiki et al.,Science,239,487−491(1988))に依るところが大きい。
【0004】
PCR法は、溶液中の核酸を配列特異的に増幅することが可能なため、例えば、血清中に極微量しか存在しないウイルスを、そのウイルスの遺伝子である核酸を増幅し検出することにより、間接的にそのウイルスの存在を証明することができる。
【0005】
しかし、このPCR法を臨床の場で日常検査に使用した際に、いくつかの問題点が存在する。その中でも、特に、前処理における核酸の抽出、精製工程の困難性が問題であり、これら核酸の抽出、精製工程は、重要であることが指摘されている(大島ほか,JJCLA,22(2),145−150(1997))。
【0006】
これは、核酸精製時に除去し得なかった阻害因子の影響により困難性が生じるものであり、阻害因子としては、血液中のヘモグロビン、抽出工程で使用される界面活性剤等が知られている。
【0007】
また、抽出工程に関しては、煩雑な操作と熟練者による多大な労力とが必要とされる。そのため、病院の検査室へ新規に遺伝子検査を導入する際の障害となっており、この工程の自動化が熱望されている。
【0008】
また、分子生物学的な研究を行う機関では、遺伝子組換え操作を行うための材料として、プラスミドDNAが頻繁に使用されているが、省力化の点等から、検査室の場合と同様に、核酸を抽出し精製する工程の自動化が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、核酸を含有する生物試料から阻害因子を含まない精製度の高い状態で核酸を回収するための既知の方法としては、タンパク質分解酵素の存在下で、生物試料に界面活性剤を作用させ、核酸を遊離状とし、フェノール(及び、クロロフォルム)と混合し、遠心分離器による水相・有機相分離を数回行った後、水相からアルコールにより沈殿物の形で核酸を回収する方法が知られている。
【0010】
しかし、この調製方法は、工程内に有毒物質であるフェノール等の有機溶媒を使用することに伴う問題が存在する。つまり、フェノール等の有機溶媒は、核酸回収に使用する装置のプラスチック部分を溶かす恐れがあり、装置を劣化させてしまう可能性がある。
さらに、フェノール等の有機溶媒を使用した後、その廃棄に必要な処理が煩雑である。
【0011】
また、核酸を回収する他の方法としては、上記の水相・有機相分離を利用した方法以外にも、カオトロピック物質の存在下でガラス表面に核酸が結合する性質を利用して、アガロースゲルからDNAを回収する方法(B.Vogelstein and D.Gillespie,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76(2),615−619(1979))、或いは、大腸菌からプラスミドDNAを回収する為の方法(M.A.Marko,R.Chipperfield and H.C.Birnboim,Anal.Biochem.,121,382−387(1982))が報告されている。
【0012】
さらに、生物材料からの核酸の回収を目的とし、より操作を簡便にした方法が、特開平2−289596号公報に記載されている。この公報記載の方法では、生物試料を十分大きい量のカオトロピック物質(例えばグアニジン塩)及びシリカ粒子と混合し、遊離した核酸を固相へ結合させることにより迅速に核酸の回収が行える。
【0013】
しかし、精製された状態の核酸を得るには、固相に結合した状態を保持したまま、核酸の結合した固相からグアニジン塩を除去する操作が必要であるが、その適切な除去操作については、示されてはいなかった。
【0014】
また、従来においては、室温で固相の洗浄のための操作を効率的に行うには、少なくとも75%濃度のエタノール使用が推奨されてる(C.W.Chen and C.A.Thomas,Jr.,Anal.Biochem.,101,339−341(1980))が、エタノールは揮発性成分であるため、装置化に際して、蒸発防止のための蓋の開閉機構や冷却機構が必要となり、装置の大型化や信頼性の低下を招く。
【0015】
さらに、70%エタノールやアセトンでの洗浄が必要とされ、このため、乾燥によるアセトンの除去作業が必要とされる。しかし、70%以上のエタノール、及び、アセトンは揮発性であるため、上述したように、自動装置上に実装した際には、気密性の高い容器と蓋の開閉機構、或いは/及び、揮発を防ぐための冷却機構が必要とされる。
【0016】
また、アセトンの使用は、その強力な有機溶剤としての性質から、上述したように、核酸回収に使用する装置のプラスチック部分を溶かす恐れがあり、装置を劣化させてしまう可能性がある。
【0017】
したがって、使用する装置や容器、及び、分注器等の材質が著しく限定されてしまう。しかも、急性毒性物質で、且つ、引火性物質であるため、蒸発操作に伴う環境中へのアセトンの放出を充分に防止する必要がある。
【0018】
本発明の目的は、核酸を含有する材料からの迅速、簡便で、精製度の高い核酸の収量を低下させずに回収し得る核酸の回収方法及び装置を実現することである。
【0019】
また、本発明の他の目的は、生物試料中に存在する核酸成分を自動回収し得る装置に好適な核酸の回収方法を実現することである。
【0020】
さらに、本発明の他の目的は、大腸菌からのプラスミドDNAを自動回収し得る装置に好適な核酸の回収方法を実現することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
(1)核酸を含有する材料から核酸を回収する核酸の回収方法において、核酸とカオトロピック物質を混合する混合工程と、混合液と酸化ケイ素含有固相とを接触させる接触工程と、核酸が結合した固相と液体とを分離する分離工程と、核酸が結合した固相を、カオトロピック物質を含む溶液により洗浄し、その後、酢酸塩とアルコールとを含む溶液により洗浄する洗浄工程と、核酸を固相から溶離する溶離工程とを備える。
【0022】
(2)好ましくは、上記(1)において、上記混合工程の前に、核酸を含有する材料に熱又は超音波を加えて、核酸の遊離を促すための遊離工程を備える。
【0023】
(3)また、好ましくは、上記(1)において、上記カオトロピック物質は、塩酸グアニジン溶液である。
【0024】
(4)また、好ましくは、上記(1)において、上記酢酸塩とアルコールとを含む溶液が、0.5モル/リットル以上の酢酸カリウムを含む。
【0025】
(5)また、好ましくは、上記(1)において、上記溶離工程で核酸を固相から溶離した後、アルコールを除去するアルコール除去工程を有する。
【0026】
(6)また、好ましくは、上記(5)において、上記アルコール除去工程で、アルコールを除去するために加熱する。
【0027】
(7)また、好ましくは、上記(1)において、上記洗浄工程で使用するアルコールは50%以下のエタノールである。
【0028】
(8)また、好ましくは、上記(5)、(6)、(7)において、上記アルコールと酢酸塩を含む溶液が、40%エタノールと10mモル/リットル以上の酢酸カリウムとを含む溶液である。
【0029】
(9)また、好ましくは、上記(1)〜(8)において、上記接触工程で使用するカオトロピック物質が、塩酸グアニジンである。
【0030】
(10)また、好ましくは、上記(1)〜(9)において、酸化ケイ素含有固相が、ガラス粒子、酸化ケイ素パウダー、石英濾紙、石英ウール、あるいは、それらの破砕物、ケイソウ土である。
【0031】
(11)核酸含有材料からの核酸回収方法であって、カオトロピック物質と核酸含有材料とを含む混合液と、酸化ケイ素含有固相とを接触させ、酸化ケイ素含有固相と混合液とを分離し、酸化ケイ素含有固相を、カオトロピック物質を含む溶液により洗浄し、その後、酢酸塩とアルコールとを含む溶液により洗浄し、酸化ケイ素含有固相から核酸を溶離する。
【0032】
(12)好ましくは、上記(11)において、上記アルコールが、エタノールである。
【0033】
(13)また、好ましくは、上記(11)において、上記酢酸塩が、酢酸ナトリウム又は酢酸カリウムである。
【0034】
(14)また、好ましくは、上記(11)において、溶離した核酸からアルコールと酢酸塩を除去する。
【0035】
(15)また、好ましくは、上記(11)において、混合液と酸化ケイ素含有固相とを室温中で攪拌し、混合液と酸化ケイ素含有固相とを接触させる。
【0036】
(16)また、好ましくは、上記(11)において、酸化ケイ素含有固相が、ガラス粒子、酸化ケイ素パウダー、石英濾紙、石英ウール、あるいは、それらの破砕物、ケイソウ土である。
【0037】
(17)また、好ましくは、上記(11)において、洗浄の際に、酸化ケイ素含有固相から核酸が溶離しない。
(18)また、好ましくは、上記(11)において、酸化ケイ素含有固相が、1〜100μm程度の粒径の粒子である。
【0044】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
1モル/リットル塩水溶液を利用した洗浄工程を採用した際の核酸の回収
図1のフローチャートに従い、核酸を含む水溶液からの核酸の回収を行った。核酸含有材料としては、市販精製品のpBR322DNAをTE緩衝液(pH7.4)により希釈した。
【0045】
この場合、核酸含有材料中で既に核酸は遊離の状態であるため、核酸含有材料から核酸の遊離を促す工程である第1工程はスキップした。なお、この第1の工程において、通常、使用する遊離材料としては、界面活性剤や酵素等がある。また、核酸含有材料から核酸の遊離を促進する手段としては、熱を加える手段や、超音波等を加える手段等がある。
【0046】
第2工程は、遊離した核酸と核酸の固相への結合を促進する物質とを混合する工程であり、1.5mリットル容量の反応容器内で、上記核酸水溶液100μリットルに対して6モル/リットルGuHCl溶液900μリットルを添加し攪拌を行った。
【0047】
第3工程は、混合液と核酸結合性固相とを接触させる工程であり、核酸結合性固相としてガラス粒子を100mg添加し、室温中でロータリーミキサーにより、溶液を攪拌する事により固相と液体の接触を行った。
【0048】
第4工程は、核酸が結合した固相と液体を分離する工程であり、このために、遠心分離器を使用し、15000g、1分の遠心により固相の沈殿を得、上清を破棄した。
【0049】
第5工程は、核酸が結合した固相を塩を含む溶液により洗浄する工程であり、1モル/リットルの塩水溶液により固相を懸濁し、上清を破棄した。
【0050】
第6工程は、核酸が結合した固相から核酸を溶離する工程であり、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得た。そして、この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色後に、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき回収率を算出した。
【0051】
結果を表1に示す。塩化物、酢酸塩を使用することにより洗浄時に効果的に核酸を保持することができる。
【0052】
【表1】
【0053】
以上のように、本発明の実施形態1は、核酸含有材料から核酸の遊離を促すための第1工程と、遊離した核酸と核酸の固相への結合を促進する物質を混合する第2工程と、混合液と核酸結合性固相とを接触させる第3工程と、固相と液体とを分離する第4工程と、核酸が結合した固相を塩を含む溶液により洗浄する第5工程と、核酸を固相から溶離する第6工程とを備える。
したがって、本発明の実施形態1によれば、核酸を含有する材料からの迅速、簡便で、精製度の高い核酸を、収量を低下させずに回収し得る核酸の回収方法を実現することができる。つまり、遺伝子検査、或いは、遺伝子解析に好適な純度の核酸を迅速、且つ、簡便に、危険性のある物質を使用することなく回収することができる。
【0054】
また、生物試料中に存在する核酸成分を自動回収し得る装置に好適な核酸の回収方法を実現することができる。
【0055】
さらに、大腸菌からのプラスミドDNAを自動回収し得る装置に好適な核酸の回収方法を実現することができる。
【0056】
(実施形態2)
塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムを含む溶液を利用した洗浄工程を採用した際の核酸の回収
図2のフローチャートに従い、核酸を含む水溶液からの核酸の回収を行った。なお、この図2のフローチャートにおいて、第1、第2、第3、第4及び第6工程は、図1のフローチャートと同様であり、図1の第5工程が、図2においては、第5a工程と第5b工程とに分かれている。
【0057】
また、この実施形態2においては、実施形態1と同様に、核酸含有材料としては、市販精製品のpBR322DNAをTE緩衝液(pH7.4)により希釈した。
【0058】
第1工程から第4工程までは、図1の工程と同様であるので、説明は省略する。
第5a工程は、核酸が結合した固相を塩を含む溶液により洗浄し、固相から非核酸成分を洗浄する工程であり、6モル/リットルのGuHCl(塩酸グアニジン)溶液1000μリットルにより固相を懸濁し、15000g、1分の遠心により固相の沈殿を得、上清を破棄する操作により、固相の洗浄を行った。
【0059】
第5b工程は、核酸が結合した固相を塩を含む溶液により洗浄し、固相から核酸の固相への結合を促進する物質を洗浄する工程であって、濃度の異なるNaCl、KCl、NaOAc、KOAc水溶液により固相を懸濁し、上清を破棄した。
【0060】
第6工程では、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得、この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色後に、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき回収率を算出した。
【0061】
結果を図6に示す。NaCl、KOAcでは500mモル/リットル以上の濃度で50%以上の回収率となり、Kclでは200mモル/リットル以上の濃度で50%以上の回収率となって、効果的に核酸の回収が行われていることが分かる。
【0062】
以上のように、本発明の実施形態2においても、上述した実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0063】
(実施形態3)
酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムを含む溶液を利用した洗浄工程を採用した際の核酸の回収
図3のフローチャートに従い、核酸を含む水溶液からの核酸の回収を行った。なお、この図3のフローチャートにおいて、第1、第2、第3、第4、第5a及び第6工程は、図2のフローチャートと同様である。したがって、第1工程から第5a工程までは、説明は省略する。
【0064】
第5b工程では、濃度の異なるKOAc、NaClと40%エタノール水溶液により固相を懸濁し、上清を廃棄した。第6工程では、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得た。第7工程は、アルコールを除去する工程であり、60℃の加熱、加温によりエタノールを除去し、精製状態の核酸水溶液を得た。
【0065】
この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色後に、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき回収率を算出した。
【0066】
結果を図7に示す。40%エタノールと組み合わせることにより、10mモル/リットル以上のKOAc、或いは、25mモル/リットル以上のNaCl濃度で効果的に核酸の回収を行うことができる。
【0067】
以上のように、本発明の実施形態3においても、上述した実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0068】
(実施形態4)
エタロールと酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム溶液を組み合わせて洗浄工程に利用した際にエタノール濃度が変化したときの核酸の回収
図3のフローチャートに従い、核酸を含む水溶液からの核酸の回収を行った。なお、この図3のフローチャートにおいて、第1、第2、第3、第4、第5a及び第6工程は、図2のフローチャートと同様である。したがって、第1工程から第5a工程までは、その説明は省略する。
【0069】
第5b工程は、核酸が結合した固相を塩を含む溶液とアルコールとの混合液により洗浄し、固相から核酸の固相への結合を促進する物質を洗浄する工程である。この第5b工程において、25mモル/リットル、或いは50mモル/リットル、或いは、100mモル/リットルのNaClと濃度の異なるエタノール水溶液により固相を懸濁し、上清を破棄した。
【0070】
第6工程では、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得た。第7工程は、アルコールを除去する工程であり、60℃の加温によりエタノールを除去し、精製状態の核酸水溶液を得た。
【0071】
この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色後に、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき回収率を算出した。
【0072】
結果を図8に示す。50mモル/リットル以上のKOAc、或いは、100mモル/リットル以上のNaClとエタノールを組み合わせる事で、エタノール濃度が変動した際の回収率が低下することを効果的に抑制することができる。
【0073】
以上のように、本発明の実施形態4においても、上述した実施形態1と同様な効果を得ることができる。なお、この実施形態4において、エタノールを使用しているが、25mモル/リットル、或いは50mモル/リットル、或いは、100mモル/リットルのNaClと濃度の異なるエタノールとの水溶液であるので、従来技術のような問題は生じない。
【0074】
(実施形態5)
血清へ添加したDNAの回収
図3のフローチャートに従い、血清へ添加した核酸の回収を行った。
ヒトの血清に対し、市販精製品のpBR322DNAを添加したものを試料とした。核酸は既に遊離状であるが、ヌクレアーゼ対策のために、第1工程でドデシル硫酸ナトリウムを添加した。
【0075】
第2工程から第5a工程までは、実施形態4と同様となるので、説明は省略する。
第5b工程では、50mモル/リットルのKOAcを含む50%エタノール水溶液により固相を懸濁し、上清を破棄した。
【0076】
第6工程では、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得た。第7工程で、60℃の加温によりエタノールを除去し、精製状態の核酸水溶液を得た。
【0077】
この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色後に、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき回収率を算出した。回収率は70%であり、A260/A280は1.90であった。また、第1〜第7行程を処理するための時間は約30分であった。
【0078】
この実施形態5においても、上述した実施形態1と同様な効果を得ることができる。なお、この実施形態5において、エタノールを使用しているが、50mモル/リットルのKOAcを含む50%エタノール水溶液であるので、従来技術のような問題は生じない。
【0079】
(実施形態6)
培養した遺伝子組換え大腸菌からのプラスミドDNAの回収
図3のフローチャートに従い、培養した遺伝子組換え大腸菌からのプラスミドDNAの回収を行った。大腸菌HB101株に対して、pBR322DNAを遺伝子工学的に組み込んだ大腸菌を試料とした。大腸菌をLB培地1mリットル中で、37℃で一晩培養した物を遠心分離により集菌し、100μリットルの0.15モル/リットルのNaClに懸濁させた物を試料とした。
【0080】
第1工程では、大腸菌の細胞壁中のペプチドグリカンを破壊するために、50mモル/リットルのグルコース、10mモル/リットルのEDTA、25mモル/リットルのTris−HCl(pH8.0)に8mg/mリットルとなるようにリゾチームを加えた溶液を添加、混合した。
【0081】
更に、0.2モル/リットルのNaOH、1%SDS溶液を添加し、核酸を遊離状とした。この溶液に5モル/リットルの酢酸カリウムを添加した。
【0082】
第2工程では、上記核酸含有水溶液に対して6モル/リットルのGuHCl溶液1000μリットルを添加し攪拌を行った。
【0083】
第3工程で、核酸結合性固相としてガラス粒子を150mg添加し、室温中でロータリーミキサーにより、溶液を攪拌する事で固相と液体の接触を行った。
【0084】
第4工程では、核酸が結合した固相と液体を分離するために、遠心分離器を使用し、15000g、1分の遠心により固相の沈殿を得、上清を破棄した。
【0085】
第5a工程では、6モル/リットルのGuHCl溶液1000μリットルにより固相を懸濁し、15000g、1分の遠心により固相の沈殿を得、上清を破棄する操作により、固相の洗浄を行った。
第5b工程では、50mモル/リットルのKOAcを含む50%エタノール水溶液により固相を懸濁し、上清を破棄した。
【0086】
第6工程では、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得た。第7工程で、60℃の加温によりエタノールを除去し、精製状態の核酸水溶液を得た。この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色により、核酸の電気泳動バンドを得、同時に流した移動量マーカーから、プラスミドDNAとrRNAのバンドが確認された。
【0087】
この状態で、A260/A280は1.96であった。また、リオボヌクレアーゼ処理、及び、エタノール沈殿処理後のA260吸光度からの算出により、得られたプラスミドDNAの収量は4.5μgであった。また、第1〜第7行程を処理するための時間は約45分であった。
【0088】
この実施形態6においても、上述した実施形態1と同様な効果を得ることができる。なお、この実施形態6において、エタノールを使用しているが、50mモル/リットルのKOAcを含む50%エタノール水溶液であるので、従来技術のような問題は生じない。
【0089】
(実施形態7)
自動装置である核酸の回収装置による血清へ添加したDNAの回収
図9に本発明の実施形態7である核酸の回収装置(自動装置)の平面レイアウトを示す。
図9において、撹拌装置101は、機械制御により円周方向と上下方向への移動が可能で、粒子吸入口107と洗浄場所108との間を移動することができる。ピペッタA102とピペッタB103とは機械制御により円周方向と上下方向への移動が可能で、それぞれ使い捨てチップを設置するためのノズル118とノズル119とを有する。
【0090】
反応容器移送機構104は、機械制御により反応容器120を、A、B、Cの位置へ移送することができ、位置Cの両側には永久磁石122が反応容器120の大きさに合わせて設置されている。精製品収納容器移送機構105は機械制御により精製品収納容器121を、D、Eの位置へ移送することができる。
【0091】
図3のフローチャートに従い、図9に示した装置により血清へ添加した核酸の回収を行った。
ヒトの血清に対し、市販精製品のpBR322DNAを添加したものを試料とし、反応容器120に所定量分注し、Aの位置へ設置した。核酸は既に遊離状であるが、ヌクレアーゼ対策のために、第1工程でSDSを添加した。
【0092】
第2工程では、反応容器120を反応容器移送機構104によりBの位置へ移動し、ピペッタA118を円周方向の回転によりチップ取り付け位置106でノズル102にチップに取り付けた後、ピペッタ118をGuHCl吸入口109へ移動し、核酸水溶液100μリットルに対して8モル/リットルGuHCl溶液900μリットルを吸引する。
【0093】
更に、ピペッタA118をBの位置へ移動し、反応容器120内へGuHClを吐出し、更に吸引・吐出動作を複数回行い撹拌を行った。その後、ピペットA102をチップ廃棄位置116へ移動し、ノズル118からチップを廃棄した。
【0094】
第3工程では、核酸結合性固相として磁性粒子溶液を使用し、撹拌機構101により磁性粒子吸入部107から内容物を撹拌し、ピペッタA102のノズル118へチップ取り付け位置106で新規に取り付けたチップにより所定の量を吸引する。その後、Bの位置へピペットA102を移動し、反応容器120へチップ内容物を吐出し、更に、吸引・吐出を行い撹拌を行った。撹拌機構101は洗浄部108へ移動し、洗浄を行い、ピペッタA102はチップ廃棄位置116へ移動し、ノズル118からチップを廃棄した。
【0095】
第4工程では、核酸が結合した固相と液体とを分離するために、反応容器移送機構104により反応容器120をBの位置からCの位置へ移動し、永久磁石122により反応容器120内の磁性粒子を容器側壁に捕捉する。そして、ピペッタB103を回転によりチップ取り付け位置113へ移動し、ノズル119へチップを取り付けた後、Cの位置へ移動し、反応容器120内の液相を吸引する。さらに、溶液廃棄位置114へ移動し、チップ内の溶液を廃棄し、チップ廃棄位置115へ移動して、ノズル119からチップを廃棄した。
【0096】
第5a工程では、反応容器移送機構104により反応容器120をCからBの位置へ移動し、ピペットA102をチップ取り付け位置106へ移動し、ノズル118へチップを取り付ける。その後、GuHCl吸入口111へ移動し、所定の量を吸引した後、Bの位置へ移動し、反応容器120内へGuHClを吐出する。この吸引・吐出動作により撹拌した後、チップ廃棄位置116へ移動し、ノズル118からチップを廃棄した。
【0097】
さらに、反応容器移送機構104により反応容器120をBからCの位置へ移動し、永久磁石122により反応容器120内の磁性粒子を容器側壁に捕捉する。そして、ピペッタB103を回転によりチップ取り付け位置113へ移動し、ノズル119へチップを取り付けた後に、Cの位置へ移動し、反応容器120内の液相を吸引する。次に、溶液廃棄位置114へ移動し、チップ内の溶液を廃棄し、更に、チップ廃棄位置115へ移動して、ノズル119からチップを廃棄した。
【0098】
第5b工程では、反応容器移送機構104により反応容器120をCからBの位置へ移動する。次に、ピペットA102をチップ取り付け位置106へ移動し、ノズル118へチップを取り付けた後、50mモル/リットルKOAcを含む50%エタノール水溶液吸入口110へ移動し、所定の量を吸引する。その後、Bの位置へ移動し、反応容器120内へ50mモル/リットルKOAcを含む50%エタノール水溶液を吐出し、吸引・吐出動作により撹拌した後、チップ廃棄位置116へ移動し、ノズル118からチップを廃棄した。
【0099】
さらに、反応容器移送機構104により反応容器120をBからCの位置へ移動し、永久磁石122により反応容器120内の磁性粒子を容器側壁に捕捉する。次に、ピペッタB103を回転によりチップ取り付け位置113へ移動し、ノズル119へチップを取り付けた後、Cの位置へ移動し、反応容器120内の液相を吸引し、溶液廃棄位置114へ移動しチップ内の溶液を廃棄する。さらに、チップ廃棄位置115へ移動し、ノズル119からチップを廃棄した。この工程を、さらに所定の回数繰り返した。
【0100】
第6工程では、反応容器移送機構104により反応容器120をCからBの位置へ移動し、ピペットA102をチップ取り付け位置106へ移動し、ノズル118へチップを取り付けた後、60°C加温TE緩衝液(pH8.0)吸引口109へ移動し、所定の量を吸引した後、Bの位置へ移動する。そして、反応容器120内へ60°Cに加温したTE緩衝液を吐出し、吸引・吐出動作により撹拌した後、チップ廃棄位置116へ移動し、ノズル118からチップを廃棄した。
【0101】
さらに、反応容器移送機構104により反応容器120をBからCの位置へ移動し、永久磁石122により反応容器120内の磁性粒子を容器側壁に捕捉し、ピペッタB103を回転によりチップ取り付け位置113へ移動する。次に、ノズル119へチップを取り付けた後、Cの位置へ移動し、反応容器120内の液相を吸引した後、位置Dへ移動する。そして、精製品収納容器121へ溶液を吐出し、さらに、この工程を所定の回数だけ繰り返した。
【0102】
第7工程で、精製品収納容器移送機構105により精製品収納容器121を60°Cのヒートブロック112上の位置Eへ移動し、所定の時間加熱し、精製状態の核酸水溶液を得た。
【0103】
この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色後に、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき、回収率を算出した。その結果、回収率は65%であった。また、第1〜第7工程を処理するための時間は、約30分であった。
【0104】
以上のように、本発明の実施形態7によれば、核酸を含有する材料からの迅速、簡便で精製度の高い核酸を収量を低下させずに回収する核酸の回収装置を実現することができる。なお、この実施形態7において、エタノールを使用しているが、50mモル/リットルKOAcを含む50%エタノール水溶液であるので、従来技術のような問題は生じない。
【0105】
次に、本発明と従来技術とを比較するための比較例について説明する。
【0106】
(比較例)
従来例と同様に、エタノール水溶液のみによる洗浄工程を使用した際の核酸の回収
図4のフローチャートに従い、核酸を含む水溶液からの核酸の回収を行った。核酸含有材料としては、市販精製品のpBR322DNAをTE緩衝液(pH7.4)により希釈した。
【0107】
この場合、核酸含有材料中で既に核酸は遊離の状態であるため、核酸含有材料から核酸の遊離を促す工程である第1工程はスキップした。第2工程は、遊離した核酸と核酸の固相への結合を促進する物質とを混合する工程であって、1.5mリットル容量の反応容器内で、核酸水溶液100μリットルに対して6モル/リットルGuHCl溶液900μリットルを添加し攪拌を行った。
【0108】
第3工程は、混合液と核酸結合性固相とを接触する工程であり、核酸結合性固相としてガラス粒子を100mg添加し、室温中でロータリーミキサーにより、溶液を攪拌する事により固相と液体の接触を行った。
【0109】
第4工程は、核酸が結合した固相と液体とを分離する工程であって、核酸が結合した固相と液体とを分離するために、遠心分離器を使用し、15000g、1分の遠心により固相の沈殿を得、上清を破棄した。
【0110】
第5工程は、核酸が結合した固相をエタノール水溶液により洗浄する工程であって、濃度の異なる各種エタノール水溶液により固相を懸濁し、15000g、1分の遠心により固相の沈殿を得、上清を破棄する操作により、固相の洗浄を行った。
【0111】
第6工程は、核酸が結合した固相から核酸を遊離する工程であって、TE緩衝液(pH8.0)を固相へ添加し、60℃、1分の加温により溶離を行い、15000g、1分の遠心により上清を得た。そして、この一部分を試料とし、0.8%アガロースゲルを支持体として電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色を行った。その後、各バンドの強度をデンシトグラフにより数値化し、第1工程での核酸量に基づき回収率を算出した。
【0112】
結果を図5に示す。エタノール濃度80%付近を境に回収率が低下する事が確認された。つまり、エタノール濃度80%で、核酸の回収率は最も高い率となるが、高濃度のエタノールを使用しなければならず、上述したように、70%以上のエタノールは揮発性であるため自動装置上に実装した際には、気密性の高い容器と蓋の開閉機構、或いは/及び、揮発を防ぐための冷却機構が必要とされ、装置構成が複雑となってしまう。
【0113】
これに対して、上述した本発明の実施形態1〜7は、核酸を含有する材料からの迅速、簡便で、精製度の高い核酸の収量を低下させずに回収し得る核酸の回収方法及び装置を実現することができる。
【0114】
なお、本発明は、核酸を含有する材料であれば適応可能であるが、特に、全血、血清、喀痰、尿等の臨床検体、或いは、培養細胞、培養細菌等の生物学的な試料、或いは、電気泳動後のゲルに保持された状態の核酸、等が好適である。
【0115】
また、本発明の方法は、DNA増幅酵素等の反応産物や素精製状態の核酸を含む材料に対しても有効である。なお、ここでいう核酸は、2本鎖、1本鎖、或いは、部分的に2本鎖、もしくは、1本鎖構造を採るDNA、或いは、RNAである。
【0116】
また、本発明の第1工程における、核酸含有材料から核酸の遊離を促すための方法は、乳鉢、超音波、マイクロウエーブなどによる物理的な方法、或いは、界面活性剤、変性剤などによる化学的な方法、或いは、タンパク質分解酵素などによる生化学的な方法、及び、それらを組み合わせた方法などが使用できる。
【0117】
また、本発明の第2工程における、核酸の固相への結合を促進する物質としては、NaI(ヨウ化ナトリウム)、KI(ヨウ化カリウム)、NaClO4、NaSCN(チオシアン酸ナトリウム)、GuSCN(チオシアン酸グアニジン)、などのカオトロピック剤が好適だが、これらの物質は核酸が吸収を持つ260nm付近にピークの裾野がかかるため、万が一、精製核酸溶液中に混入した際には、一般的に利用される、分光光度計を利用した核酸の純度や量の検定結果に対して悪影響を与える可能性がある。
【0118】
また、チオシアン酸を含むNaSCN、GuSCNは、酸と反応することにより致死性のHCN(シアン化水素)を発生するため、廃液の取り扱いに注意が要求される。
【0119】
そのため、本発明においては、核酸の固相への結合を促進する物質としては、GuHCl(塩酸グアニジン)の使用が望ましい。GuHClは容易に入手可能で、且つ、上記カオトロピック剤に比し260nmの吸光度への悪影響は著しく低い。また、致死性のガスを発生させる潜在的な危険性がない。
【0120】
また、本発明においては、特異的に核酸成分を固相へ結合させるために、GuHClの最終濃度を、4〜6モル/リットルとするのが望ましい。
【0121】
本発明の第3工程における、核酸結合性固相は、ガラス粒子、シリカパウダー、石英濾紙、石英ウール、あるいは、それらの破砕物、ケイソウ土など、酸化ケイ素を含有する物質であれば使用することができるが、核酸とカオトロピック剤の混合液中で、核酸と固相の接触確率を高める事により、結合効率の向上、或いは、結合時間の短縮が可能であるため、粒径の小さい粒子の使用が望ましい。
【0122】
本発明においては1〜100μm程度の粒径が好適であった。また、核酸と固相の接触確率を高めるために、使用する粒子の比重に応じて、攪拌操作を行うことが望ましい。
【0123】
また、本発明の第4工程における、固相と液体を分離する手段としては、遠心分離や濾過により分離可能であるが、自動化、及び、装置化に際しては、抗原抗体反応を利用した免疫分析装置で一般的に使用される、既知のB/F(bond
form/free form)分離技術を応用することができる。
【0124】
また、本発明の第5工程における、核酸が結合した固相を塩を含む溶液により洗浄する手段は、第4工程終了後の固相に対して、核酸の固相への結合を保持しつつ、固相を洗浄するための塩を含む溶液を混合し、第4工程と同様、固相と液体の分離をすることにより洗浄を行うことができる。
【0125】
また、第5工程は、固相に対して非特異的に結合している非核酸成分を固相から分離するための第5a工程、及び、固相から核酸の固相への結合を促進する物質を洗浄する第5b工程に分割される。この際に、第5a、第5b工程で固相の洗浄のために使用する液体は、固相に結合した核酸を溶離させないことが重要であり、これは最終的に得られる核酸の収率に影響を及ぼす。
【0126】
また、本発明は、75%以上の濃度のエタノールは、洗浄用の液体として使用用しないが、第5a工程で使用する洗浄用の液体としては、第4工程と同様に、GuHClが好適である。これは、GuHClが変性剤作用を持つためで、4〜6モル/リットルの濃度での使用により固相から非特異吸着物質を除去することが出来る。
【0127】
また、第5b工程で使用する洗浄用の液体としては、溶離した後の核酸の使用に対して悪影響を与えない塩で、且つ、中程度の濃度の水溶液を調製できるものが好適である。これは、固相の表面上で非溶液状となった核酸が、塩濃度が高い水溶液に対して溶けにくくなる性質を利用したものであり、例えば、NaCl(塩化ナトリウム)を500mM以上の濃度で使用することが望ましい。或いは、第5b工程に塩を含む水溶液とアルコールとの混合液を使用することもできる。
【0128】
この場合には、塩を単独で使用する場合よりも、更に、低い濃度にすることが可能であり、また、アルコール成分の揮発によるアルコール濃度変化に対しても寛容性を持つ。本発明においては、50mモル/リットル以上のNaClを含む50%エタノール水溶液の使用が有効であった。
【0129】
また、第5b工程において、アルコールを含む溶液を使用する際には、第6工程の後に、精製した核酸溶液中に混入する恐れのある微量のアルコール成分を除去するための第7工程を追加することが必要となる。この第7工程は、溶液の加温などにより達成することが出来る。
【0130】
本発明の第6工程における、核酸を固相から溶離する手段は、洗浄後の固相に対して固相の体積以上の低塩濃度の水溶液、或いは、水を混合することにより達成される。この操作により核酸は固相から水相へと移行するため、第4工程と同様に固相と液体を分離することで精製状態の核酸水溶液が得られる。
【0131】
本発明において使用される、低塩濃度の水溶液、或いは、水は滅菌状態であることが好適で、或いは、必要に応じて、DEPC処理を行った物の使用が望まれる。
【0132】
また、ここで使用される、低塩濃度の水溶液、或いは、水は、得られる核酸の収率を高めるために、55〜60℃に加温した状態で使用することが望ましいが、溶離を行う際に使用する容器を同様の温度に加温した場合でも同様の効果が得られる。
また、本発明において、核酸の収率を高めるためには、第6工程を少なくとも2回行うことが望ましい。
【0133】
また、第5工程の洗浄は、酢酸塩又は塩化物を含む洗浄液により行うが、酢酸塩は、0.5モル/リットル以上の濃度を有する酢酸カリウム水溶液とすることができる。また、上記塩化物は、0.5モル/リットル以上の濃度を有する塩化ナトリウム、又は、0.2モル/リットル以上の濃度を有する塩化カリウムとすることができる。
【0134】
また、第5b工程で、洗浄するための溶液は、40%エタノールと10mモル/リットル以上の酢酸カリウムとを含む溶液とすることができる。
また、第5b工程で、洗浄するための溶液は、40%エタノールと25mモル/リットル以上の塩化ナトリウムとを含む溶液とすることができる。
また、第3工程で使用する核酸結合性固相は、二酸化ケイ素を含有する物質とすることができる。
【0135】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているため、次のような効果がある。核酸を含有する材料からの迅速、簡便で、精製度の高い核酸を、収量を低下させずに回収し得る核酸の回収方法及び装置を実現することができる。つまり、遺伝子検査、或いは、遺伝子解析に好適な純度の核酸を迅速、且つ、簡便に、危険性のある物質を使用することなく回収することができる。
【0136】
また、生物試料中に存在する核酸成分を自動回収し得る装置に好適な核酸の回収方法及び装置を実現することができる。
【0137】
さらに、大腸菌からのプラスミドDNAを自動回収し得る装置に好適な核酸の回収方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における核酸の回収を行うための動作フローチャートである。
【図2】本発明の実施形態2における塩化ナトリウム等を含む溶液による洗浄工程を含む核酸の回収を行うための動作フローチャートである。
【図3】本発明の実施形態3、4、5、6における洗浄工程を含む核酸の回収を行うための動作フローチャートである。
【図4】従来技術の核酸の回収方法であり、エタノール水溶液のみによる洗浄工程を含む核酸の回収を行うための動作フローチャートである。
【図5】従来技術におけるエタノールによる洗浄工程の結果を表すグラフである。
【図6】本発明の実施形態2による洗浄工程の結果を表すグラフである。
【図7】本発明の実施形態3による洗浄工程の結果を表すグラフである。
【図8】本発明の実施形態4による洗浄工程の結果を表すグラフである。
【図9】本発明の実施形態7である核酸の回収装置の平面レイアウト図である。
【符号の説明】
101 撹拌装置
102、103 ピペッタ
104 反応容器移送機構
105 精製品収納容器移送機構
106、113 チップ取り付け位置
107 磁性粒子吸入部
108 洗浄場所
109、111 GuHCl吸入口
110 50%エタノール水溶液吸入口
112 ヒートブロック
114 溶液廃棄位置
115、116 チップ廃棄位置
118、119 ノズル
120 反応容器
121 精製品収納容器
122 永久磁石
Claims (18)
- 核酸を含有する材料から核酸を回収する核酸の回収方法において、
核酸とカオトロピック物質を混合する混合工程と、
混合液と酸化ケイ素含有固相とを接触させる接触工程と、
核酸が結合した固相と液体とを分離する分離工程と、
核酸が結合した固相を、カオトロピック物質を含む溶液により洗浄し、その後、酢酸塩とアルコールとを含む溶液により洗浄する洗浄工程と、
核酸を固相から溶離する溶離工程と、
を備えることを特徴とする核酸の回収方法。 - 請求項1記載の核酸の回収方法において、上記混合工程の前に、核酸を含有する材料に熱又は超音波を加えて、核酸の遊離を促すための遊離工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項1記載の核酸の回収方法において、上記カオトロピック物質は、塩酸グアニジン溶液であることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項1記載の核酸の回収方法において、上記酢酸塩とアルコールとを含む溶液が、0.05モル/リットル以上の酢酸カリウムを含むことを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項1記載の核酸の回収方法において、上記溶離工程で核酸を固相から溶離した後、アルコールを除去するアルコール除去工程を有することを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項5記載の核酸の回収方法において、上記アルコール除去工程で、アルコールを除去するために加熱することを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項1記載の核酸の回収方法において、上記洗浄工程で使用するアルコールは50%以下のエタノールであることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項5、6又は7のうちのいずれか一項記載の核酸の回収方法において、上記アルコールと酢酸塩を含む溶液が、40%エタノールと10mモル/リットル以上の酢酸カリウムとを含む溶液であることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項1から8のうちのいずれか一項記載の核酸の回収方法において、上記接触工程で使用するカオトロピック物質が、塩酸グアニジンであることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項1から9のうちのいずれか一項記載の核酸の回収方法において、上記酸化ケイ素含有固相が、ガラス粒子、酸化ケイ素パウダー、石英濾紙、石英ウール、あるいは、それらの破砕物、ケイソウ土であることを特徴とする核酸の回収方法。
- 核酸含有材料からの核酸回収方法であって、
カオトロピック物質と核酸含有材料とを含む混合液と、酸化ケイ素含有固相とを接触させ、
酸化ケイ素含有固相と混合液とを分離し、
酸化ケイ素含有固相を、カオトロピック物質を含む溶液により洗浄し、その後、酢酸塩とアルコールとを含む溶液により洗浄し、
酸化ケイ素含有固相から核酸を溶離することを特徴とする核酸の回収方法。 - 請求項11記載の核酸回収方法であって、上記アルコールが、エタノールであることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項11記載の核酸回収方法であって、上記酢酸塩が、酢酸ナトリウム又は酢酸カリウムであることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項11記載の核酸回収方法であって、溶離した核酸からアルコールを除去することを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項11記載の核酸回収方法であって、混合液と酸化ケイ素含有固相とを室温中で攪拌し、混合液と酸化ケイ素含有固相とを接触させることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項11記載の核酸回収方法であって、酸化ケイ素含有固相が、ガラス粒子、酸化ケイ素パウダー、石英濾紙、石英ウール、あるいは、それらの破砕物、ケイソウ土であることを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項11記載の核酸回収方法であって、洗浄の際に、酸化ケイ素含有固相から核酸が溶離しないことを特徴とする核酸の回収方法。
- 請求項11記載の核酸回収方法であって、酸化ケイ素含有固相が、1〜100μm程度の粒径の粒子であることを特徴とする核酸の回収方法。
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