JP4020699B2 - 投射型カラー表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型カラー表示装置、より詳細には、R,G,Bの三原色光の照明領域が移動しながら常に液晶パネルを照射することによってカラー表示を行うカラースクロール方式の投射型カラー表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ライトバルブを用いた投射型カラー画像表示方式には、大きく分けて、R(赤),G(緑),B(青)の三原色に対応した3枚の液晶パネルを用いる3板式と、1枚の液晶パネルを用いる単板式がある。単板式は、R,G,Bの三原色に対応した専用画素を備えた液晶パネルを使用する「専用画素方式」と、各画素を時分割で三原色に共用してフルカラー表示を行う「共用画素方式」の2種類に分けられる。「共用画素方式」は、R,G,Bの三原色に対応した専用画素を備えた液晶パネルを使用する「専用画素方式」に比較して、1/3の画素数で同じ解像度を得ることができるという長所がある。従って、この「共用画素方式」は、画素数の少ない低価格の液晶パネルを使用することができることから、製品コストを低減することができる。
【0003】
「共用画素方式」として代表的なものには、ライトバルブである液晶パネル全面に対し、時分割で順次R,G,Bの光を投影するカラーフィールドシーケンシャル方式と、R,G,Bの三原色の光を色毎に液晶パネルの異なる領域に同時に照射し、各照射領域を時間の経過に伴って移動(スクロール)させるカラースクロール方式がある。このカラースクロール方式については、特開平4−316296号公報に記載されている。
【0004】
図8は、カラースクロール方式について説明するための図で、1/3フレーム分のスクロールの様子を示すものである。カラースクロール方式では、R,G,Bの三原色光の照明領域が移動しながら常に液晶パネルを照射しているために、カラーフィールドシーケンシャル方式に比べて高い光利用効率を得ることができ、より明るく鮮明な画像表示を実現することができる利点がある。
【0005】
カラースクロール方式を実現する光学システムは、例えば、“Single Panel Reflective LCD Optics”,J.A.Shimizu,IDW99,PP−989−992に記載されている。このカラースクロール方式の光学系は、ランプから出射した光束をフライアイレンズ系によってライトバルブ上の照明領域に相似した形状に一旦集光させる集光系と、これをリレーレンズ系によって一定の倍率でライトバルブ上に結像させるリレー系によって構成されており、光束の集光位置のすぐ後方に四角柱プリズムが配置されている。このプリズムをスクロール方向に回転させることによりプリズムガラスの屈折による光軸シフトによってライトバルブ上での照明領域スクロールを実現させており、この方式は、「プリズム回転式カラースクロール光学系」として一般的に知られている。
【0006】
このときのライトバルブ上の照明領域の位置座標fは、プリズムの回転角度θによって、
f(θ)=m・p・cos(θ)[tan(θ)−sin(θ)/{n2−sin2(θ)}1/2] ・・・(1)
で表される(1)式に従って移動する。
【0007】
上記(1)式について、図9を参照して説明する。図9は、プリズム回転式カラースクロール光学系の作用を説明するための図で、時間の変移に従って回転するプリズム状態を、図9(A)及び図9(B)に示すものである。図9において、41はスリット、42はプリズム、43はリレーレンズ系、44はライトバルブである。
【0008】
上記(1)式において、mはリレーレンズ系43の倍率であり、図9においては図示しないフライアイレンズ系によって集光されてスリット41を経た光束がm倍でライトバルブ上44に結像することを示す。またpはプリズム42の厚さであり、プリズム42が例えば四角柱である場合には、その正方形断面の1辺の長さに相当する。プリズムは時間tの変移に応じて回転し、このときの回転角度θは、各速度ωと時間tとによってθ=ωtで表される。
【0009】
これによって光軸のシフトが発生し、そのシフト量は、前記文献に記載されているように、
p・cosθ(tanθ−tanθ’) ・・・(2)
となる。(2)式において、θ’は屈折率nのプリズム材料内部の屈折によって曲がる角度で、θとスネルの法則
n・sinθ=sinθ’ ・・・(3)
に従う関係にある。従って、m倍の倍率で結像するライトバルブ面では、このm倍の量
m・p・cosθ(tanθ−tanθ’) ・・・(4)
だけ照明領域がシフトしている。これをスネルの法則を用いてθのみの関数として書き直したものが(1)式である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
プリズムの回転角度θが一定の角速度ω0で回転する「プリズム回転方式カラースクロール光学系」では、ライトバルブ上の座標fと時間tは線形の関係にない。従って、プリズムの回転角度θ(すなわちライトバルブ上の位置f)によって照明領域の移動速度が異なるという現象が生じてしまう。この現象については特開平8−22006号公報でも触れられているが、実用上特に補正が必要なレベルではないとされている。しかし実際には照明領域移動速度の不均一は、人間の目が時間平均として見たときライトバルブ面内の位置毎に明るさが異なる明るさムラの現象として認識されるため、画像の質劣化を招いてしまう。
【0011】
照明領域移動速度不均一の対策としては、プリズムの回転角度を狭める方法を採用できる。すなわち、通常の四角柱プリズムでは、θ=−45°〜45°の範囲でライトバルブ上の照明領域移動を行っているところを六角柱プリズムを用いることでθ=−30°〜30°で照明領域移動を行い、f(θ)のうちのできるだけ線形に近い部分だけを用いることによってスクロールの移動速度の差を小さく抑える方法がある。θの範囲を狭めるためには、プリズムの形状を通常の四角柱よりも六角,八角など、より面の多い対向平面のある正多角柱にすることが必要である。
【0012】
しかしながら、プリズムを多角柱にする方法は、プリズムの大型化および成型性の困難さを伴うために、光学系の大型化やコストアップを招くという問題があった。このために、六角柱以上の多角柱プリズムを使用することは困難であり、等速回転の「プリズム回転方式カラースクロール光学系」での画面内の明るさムラを除去することができなかった。
【0013】
また、照明領域を決めるスリットの幅の設定にも課題があった。原理的なスリット幅Wは、ライトバルブ44のスクロール方向長さh,倍率mとすると、カラースクロール照明光学系が3原色で異なる光路を経てライトバルブを照明する場合、
W=h×m/3 ・・・(5)
で求められる。しかしながら、光源や各光学部品の分光特性のばらつきや機械的な取付精度、プリズム駆動モータ(図示省略)の回転ムラ、ライトバルブ44のスクロールバラツキ等の影響によりこの数値は必ずしも最適なものではない。しかも、仮にこの数字が決まったとしても、最適なスリット幅と位置になるように機械的な精度を求めるには限界がある。
【0014】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、本発明の1つの目的は、スリット幅を最適化するとともに、画面の明るさのムラを改善したカラースクロール方式の投射型カラー表示装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、スクロールする照明領域の画面内移動速度の差による画面の明るさのムラを改善するプリズム回転方式カラースクロール光学系を比較的簡単に構成することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
第1の技術手段は、光源と、該光源から出射された光を複数の波長帯域の光に分離する光分離手段と、該光分離手段で分離されたそれぞれの光を変調し画像を形成するライトバルブと、該ライトバルブで形成された画像を投射する投射手段と、前記光分離手段と前記ライトバルブとの間に設けられ前記光分離手段で分離されたそれぞれの光を前記ライトバルブ上の異なる領域に照射すべくそれぞれの光の光路を変更する複数のプリズムと、各該プリズムの直前に配置され前記ライトバルブ上の照明領域と相似形状の開口を持つスリットと、前記ライトバルブ上に照射される光を移動させるべく各前記プリズムを回転させるプリズム回転手段とを具備した投射型カラー表示装置において、前記プリズムの回転角度に応じて前記スリットの幅を変化させるスリット幅変更手段を有することを特徴としたものである。
【0016】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記プリズムに入射する光の進行方向に対し該プリズムの1の面が垂直になる角度を0度とした場合、前記スリット幅変更手段は、前記入射する光の進行方向に対するプリズムの回転角度が−45度から0度までは前記スリットの幅が単調減少で狭くなるようにし、0度から45度までは単調増加で広がるようにすることを特徴としたものである。
【0017】
請求項3の技術手段は、第1の技術手段において、各前記プリズムと前記ライトバルブとの間の光路上に設けられ前記プリズムを経た光束を前記ライトバルブ上に一定の倍率で結像するリレーレンズを有し、前記入射する光の進行方向に対し前記プリズムの1の面が垂直になる角度を0度、時間をt、前記光の進行方向に対する前記プリズムの回転角度をθ度、前記リレーレンズの倍率をm、前記プリズムの厚さをp、前記プリズムの屈折率をnとし、前記ライトバルブ上の照明領域の位置座標f(θ)が、
f(θ)=m・p・cos(θ)[tan(θ)−sin(θ)/{n2−sin2(θ)}1/2]
で表され、該照明領域の移動速度がdf(θ)/dtで表されるとき、前記プリズムの回転角度が45度のときのスリット幅と、該回転角度がθ度のときのスリット幅との比W(θ)が
W(θ)=df(θ)/dt÷df(45)/dt
で表されることを特徴としたものである。
【0018】
第4の技術手段は、第1乃至3のいずれか1の技術手段において、前記複数のプリズムは、それぞれ所定角度ずつ回転角度の位相がずれていることを特徴としたものである。
【0020】
第5の技術手段は、第1の技術手段において、前記入射する光の進行方向に対し前記プリズムの1の面が垂直になる角度を0度としたとき、前記スリット幅変更手段は、前記回転角度が−45度から0度までは回転角度に応じて前記スリット幅を狭くなるような制御をし、0度から45度までは回転角度に応じてスリットの幅を広くするように制御することを特徴としたものである。
【0021】
第6の技術手段は、第1乃至4のいずれか1の技術手段において、前記スリット幅変更手段は、前記スリット幅を変更するための駆動手段として圧電素子またはピエゾ素子を用いていることを特徴としたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る投射型カラー液晶表示装置の模式図で、図中、1は光源、2はリフレクタ、3は第1フライアイレンズ、4は第2フライアイレンズ、5は青反射ダイクロイックミラー、6は第1緑反射ダイクロイックミラー、7,8はコンデンサレンズ、9,10,11はプリズム、12は第2緑反射ダイクロイックミラー、13は赤反射ダイクロイックミラー、14,15はリレーレンズ、16はライトバルブ、17,18はアルミミラー、19は変調回路、20は投射レンズ、21,22,23はスリットである。
【0023】
光源1は、可視域でスペクトルをもつ白色光源である。この白色光源は、キセノンランプや高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの連続スペクトルの光源であっても、LED光源のような離散スペクトルの光源であっても良い。光源1は、放物面形状のリフレクタ2の焦点位置に設置され、光源1から発した光束は概略平行光となってリフレクタ2の出射口前方に位置する第1フライアイレンズ3に向けて出射する。
【0024】
第1フライアイレンズ3は、矩形のレンズセルを多数配列した形状を有するものであり、各レンズセルの形状は、後述するプリズム前方の集光位置における光束断面形状と相似形状になっている。この第1フライアイレンズ3の各レンズセルは、第2フライアイレンズ4の各レンズセルと1対1に対応しており、リフレクタ2より入射した概略平行光が第2フライアイレンズ4の対応する各レンズセルの中心付近に焦点を結ぶように、そのレンズ中心や焦点距離などを決めている。
【0025】
第1フライアイレンズ3から第2フライアイレンズ4を経た光路は、青反射ダイクロイックミラー5によって青光路と赤緑光路に分岐し、赤緑光路は、第1緑反射ダイクロイックミラー6によって緑光路と赤光路に分岐する。何れの光路に分岐した光束も、各コンデンサレンズ7,8によって、四角柱の各プリズム9,10,11の前方に配置された長方形状開口を持つスリット21,22,23に集光する。
【0026】
これらの各スリット21,22,23は、第1フライアイレンズ3の各レンズセルと光学的に共役な位置関係にある。すなわち、第1フライアイレンズ3の各レンズセルは、第2のフライアイレンズ4及び各コンデンサレンズ7,8によって一定の倍率で各スリット21,22,23に結像させられるのである。各スリット21,22,23に集光した光束は、各プリズム9,10,11を経て、第2の緑反射ダイクロイックミラー12および赤反射ダイクロイックミラー13によって同一光路上に戻しながら、リレーレンズ14,15によってライトバルブ16上に一定の倍率mで結像する。なお、アルミミラー17,18は、赤光路と青光路を90°曲げるために用いられている。
【0027】
そして、ライトバルブ変調手段である変調回路19によって、スクロールする各色の照明領域に応じてライトバルブ16を制御することにより、該ライトバルブ16で制御した透過光束は、投射レンズ20によってスクリーン(図示省略)に投射される。
【0028】
各プリズム9〜11は、1辺の長さがpの正方形断面形状の四角柱であり、プリズム回転駆動手段のプリズム駆動モータ(後述する)に駆動されて回転する。このとき、ライトバルブ16上に結像した長方形状の光束断面は、帯状の照明領域としてスクロールする。照明領域のライトバルブ16上での位置座標fは、プリズム9〜11の回転角度θに従って前記(1)式のごとく移動する。プリズム9〜11はそれぞれ一定間隔で回転角度の位相がずれており、これによりライトバルブ16上の各色の照明領域は異なる位置に結像しながら移動することになる。
【0029】
ここで、nはプリズム9〜11の屈折率である。この実施の形態における四角柱プリズム9〜11の場合、照明領域がライトバルブ16上の上端から下端までスクロールするとき、各プリズム9〜11は、−45°から45°まで回転する。すなわち、プリズム9〜11が1回転(360°)すると、ライトバルブ16上の照明領域は、4周期でスクロールする。前記(1)式では、プリズム9〜11の回転角度θがθ=0°のとき、位置座標f(θ)=0、すなわち、ライトバルブ16の中央となり、θ=45°または−45°のときに、位置座標f(θ)は、ライトバルブ16の上端または下端となる。
【0030】
プリズム9〜11の回転角速度をω0(一定)の等速度回転としたときこの位置座標f(θ)にθ=ω0tを代入した式の時間微分df/dtがライトバルブ16上の照明領域の移動速度となる。図2は、ライトバルブ16のスクロール方向長さh=15mm,倍率m=1.5倍,プリズム辺長p=13mm,プリズム屈折率n=1.72の場合について、移動時間と移動速度との関係を示す図で、縦軸を移動速度df/dt、横軸を時間tとして表したグラフを図2(A)に、そのグラフの基礎となる計算値を図2(B)に示すものである。
【0031】
回転角速度ω0は、1フレーム60Hzの画像信号に対して3倍速でスクロールを行っている場合には、
ω0=2π/(3×60×4)=282.7(rad/sec) ・・・(6)
回転数にして
(ω0/2π)×60=2700(rpm) ・・・(7)
となる。このとき、図2に示すように、ライトバルブ16上の照明領域の移動速度は、時間tに対して大きく変動しており、θ=0(ライトバルブ16の中央)で最も遅く2308(mm/sec)、θ=45°(ライトバルブ16の端)で最も早く3541(mm/sec)となっていることが分かる。
【0032】
この移動速度の差は、人間の目がライトバルブ16上を時間平均で見るときに、ライトバルブ16の中央に比べてライトバルブ16の端の位置が暗く見える明るさムラとしてそのまま認識される。つまり、速度比から明るさムラを予測することができ、2308/3541=0.65、すなわち、ライトバルブ16の中央に対して上下端は約65%の明るさしかないことが予測される。この移動速度差による明るさムラは、プリズム9〜11の材料として屈折率nが高いものを選ぶことで、低減することができるが、現実的に使用することができる光学材料の範囲で明るさムラを実質的に排除することは困難である。この実施の形態においても、可視域の光学材料の中では屈折率が比較的高いものを使用したプリズム9〜11であるにも関わらず、一定の回転角速度ω0では65%のムラが発生する。従って、プリズムの材料による画質の改善には限界がある。
【0033】
この実施の形態においては、この明るさムラを解消するために、スリット21,22,23の幅をプリズム9〜11の回転角度θに応じて変動させ、結果として、ライトバルブ16上の照明領域の移動速度差による明るさムラを除去する。
【0034】
光の入射方向に対してプリズムの1の面が垂直になる角度を0度とした場合、時間をt、前記光の入射進行方向に対するプリズムの回転角度をθ度とすると、前記ライトバルブ上の照明領域の位置座標f(θ)は(1)式で表され、その移動速度はその時間微分df(θ)/dtで表される。このときプリズムの回転角度が45度のときのスリット幅に対する、回転角度θ度のときのスリット幅の比W(θ)が、
W(θ)=df(θ)/dt÷df(45)/dt(2) ・・・(8)
となるようにスリット幅を変動させれば画面上での明るさムラは除去することができる。
【0035】
図3は、図2に示した特性を補正するために必要なスリット幅の変動量を(2)式に基づいて算出したもので、縦軸をスリット幅の比W(45度でW=1)、横軸を時間t(角度θに比例)として表したグラフを図3(A)に、そのグラフの基礎となる計算値を図3(B)に示すものである。このようなスリット幅Wを最適化するとともに、プリズム位置に応じた幅の変動を実現するために技術的な手段として、例えば、圧電素子やピエゾ素子を利用した方法が知られている。
【0036】
図4は、貼り合わせ型圧電素子を利用したスリット幅調整・変動機構を示す概略構成図である。スリット幅調整・変動機構の構成としては、支持部25に固定された貼り合わせ型圧電素子24の自由端にスリット21,22,23を設け、各プリズム9,10,11に対してスリット21,22,23を備えて、これらスリット21,22,23を入射光軸に垂直方向に移動可能とする。スリットを構成する対となる部材は、各プリズム9,10,11の光軸センタに対称に配置されて、該プリズムに入射される光の幅Wは、この対のスリット部材間の距離によって決定される。
【0037】
図5及び図6は、貼り合わせ型圧電素子の動作原理を説明するための図で、支持部に固定された貼り合わせ型圧電素子の斜視概略図を図5に、側面概略構成を電源とともに概念的に表す図を図6に示すものである。図5において、24は圧電素子、25は支持部で、また図6おいて、26は電極、27は分極方向、28は電源である。
【0038】
圧電素子24は、分極方向27と同一方向に電圧が印加されると縮み、逆方向に電圧が印加されると伸びる性質をもっている。したがって、2枚の圧電素子24を分極方向をそろえて貼り合わせ、図6に示すように結線して電圧を印加すると、2枚の圧電素子24のうち、一方は縮もうとし、他方は伸びようとする。その結果、ひずみのつりあいの式
【0039】
【式1】
【0040】
但し、上記式1において、Kdは電圧定数、Vは印加電圧、E1,E2は縦弾性係数、P1,P2はせん断力、t1,t2は圧電素子の厚さ、bは圧電素子の幅、lは圧電素子の長さである。
式1より、
【0041】
【式2】
【0042】
但し、上記式2において、E1=E2,t1=t2=t/2,P1=P2の場合の屈曲変形Yを生じる。したがって、その先端に載置されたスリットの位置を印加電圧Vにより制御できることになる。
【0043】
以上のような貼り合わせ構造をもつ圧電素子24において、その入力に対する振幅特性は一般的に電圧に比例することが知られている。したがって、図3に示す適正スリット幅が得られるように電圧を制御して圧電素子24に印加することで、画面上での明るさムラを除去することができる。
【0044】
図7は、圧電素子のような振幅制御可能な機構を用いてスリット幅を制御するスリット幅駆動手段の機能ブロック図である。あらかじめ、スリット幅を制御するために用いる設定値Tableを用意し、その設定値Tableを用いて、高圧駆動回路にて昇圧させた電圧を各圧電素子に印加する。このとき、設定値Tableの目標設定値は、ライトバルブ駆動からの同期信号(カラースクロール同期信号)に対して最適な位相遅延をとる必要がある。また、各対となる圧電素子は位相同期が必要となるため、各一対の圧電素子に対し同じ設定Tableである方が望ましい。このように、スリット幅の制御を行うことにより、ライトバルブ16の中心と上下端での明るさの差をなくすことができる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のカラースクロール方式の投射型カラー液晶表示装置によれば、プリズムの入射側に備えられたスリットの幅を、該プリズムの回転角度θに応じて変動させることにより、ライトバルブ上の照明領域の移動速度差による明るさムラを改善することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるカラースクロール方式の投射型カラー液晶表示装置の模式図である。
【図2】カラースクロール光学系においてプリズムを等速度回転したときのライトバルブ上の照明領域の移動速度特性を示す図である。
【図3】図2に示した照明領域の移動速度特性を補正するために必要なスリット幅の変動特性を示す図である。
【図4】貼り合わせ型圧電素子の動作原理を説明するための図である。
【図5】貼り合わせ型圧電素子の動作原理を説明するための他の図である。
【図6】貼り合わせ型圧電素子によるスリット幅制御手段の機能ブロック図である。
【図7】圧電素子のような振幅制御可能な機構を用いてスリット幅を制御するスリット幅駆動手段の機能ブロック図である。
【図8】カラースクロール方式における照明領域の1/3フレーム分のスクロールの様子を示す模式図である。
【図9】プリズム回転方式カラースクロール光学系における照明領域の移動を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…光源、2…リフレクタ、3…第1フライアイレンズ、4…第2フライアイレンズ、5…青反射ダイクロイックミラー、6…第1緑反射ダイクロイックミラー、7,8…コンデンサレンズ、9,10,11…プリズム、12…第2緑反射ダイクロイックミラー、13…赤反射ダイクロイックミラー、14,15…リレーレンズ、16…ライトバルブ、17,18…アルミミラー、19…変調回路、20…投射レンズ、21,22,23…スリット。
Claims (6)
- 光源と、該光源から出射した光を複数の波長帯域の光に分離する光分離手段と、該光分離手段で分離されたそれぞれの光を変調し画像を形成するライトバルブと、該ライトバルブで形成された画像を投射する投射手段と、前記光分離手段と前記ライトバルブとの間に設けられ前記光分離手段で分離されたそれぞれの光を前記ライトバルブ上の異なる領域に照射すべくそれぞれの光の光路を変更する複数のプリズムと、各該プリズムの直前に配置され前記ライトバルブ上の照明領域と相似形状の開口を持つスリットと、前記ライトバルブ上に照射される光を移動させるべく各前記プリズムを回転させるプリズム回転手段とを具備した投射型カラー表示装置において、前記プリズムの回転角度に応じて前記スリットの幅を変化させるスリット幅変更手段を有することを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項1に記載の投射型カラー表示装置において、前記プリズムに入射する光の進行方向に対し該プリズムの1の面が垂直になる角度を0度とした場合、前記スリット幅変更手段は、前記入射する光の進行方向に対するプリズムの回転角度が−45度から0度までは前記スリットの幅が単調減少で狭くなるようにし、0度から45度までは単調増加で広がるようにすることを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項1に記載の投射型カラー表示装置において、各前記プリズムと前記ライトバルブとの間の光路上に設けられ前記プリズムを経た光束を前記ライトバルブ上に一定の倍率で結像するリレーレンズを有し、
前記入射する光の進行方向に対し前記プリズムの1の面が垂直になる角度を0度、時間をt、前記光の進行方向に対する前記プリズムの回転角度をθ度、前記リレーレンズの倍率をm、前記プリズムの厚さをp、前記プリズムの屈折率をnとし、
前記ライトバルブ上の照明領域の位置座標f(θ)が、
f(θ)=m・p・cos(θ)[tan(θ)−sin(θ)/{n2−sin2(θ)}1/2]
で表され、該照明領域の移動速度がdf(θ)/dtで表されるとき、前記プリズムの回転角度が45度のときのスリット幅と、該回転角度がθ度のときのスリット幅との比W(θ)が
W(θ)=df(θ)/dt÷df(45)/dt
で表されることを特徴とする投射型カラー表示装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1に記載の投射型カラー表示装置において、前記複数のプリズムは、それぞれ所定角度ずつ回転角度の位相がずれていることを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項1に記載の投射型カラー表示装置において、前記入射する光の進行方向に対し前記プリズムの1の面が垂直になる角度を0度としたとき、前記スリット幅変更手段は、前記回転角度が−45度から0度までは回転角度に応じて前記スリット幅を狭くするような制御をし、0度から45度までは回転角度に応じてスリットの幅を広くするように制御することを特徴とする投射型カラー表示装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1に記載の投射型カラー表示装置において、前記スリット幅変更手段は、前記スリット幅を変更するための駆動手段として圧電素子またはピエゾ素子を用いることを特徴とする投射型カラー表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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