JP4013783B2 - 車両のパワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵ハンドルの操舵操作をアシストするとともに、ステアリングギヤ比を可変とする車両のパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者による操舵ハンドルの回動操作をアシストする操舵アシストアクチュエータと、車両の走行状態に応じてステアリングギヤ比を変更するステアリングギヤ可変アクチュエータとを備えた車両のパワーステアリング装置は知られている。そして、この種のパワーステアリング装置においては、ステアリングギヤ比に応じて操舵アシストアクチュエータによるアシスト量を変更して、運転者にステアリングギヤ比変更による操舵フィーリングの違和感を感じさせないようにしている(下記特許文献1,2,3)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭60−261780号公報
【特許文献2】
特開平1−204864号公報
【特許文献3】
特開平11−34893号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の車両のパワーステアリング装置においては、ステアリングギヤ比の変更などにより、運転者の操舵とは無関係に操舵輪が操舵された際の操舵フィーリングに対する考慮が充分になされておらず、運転者は、この操舵輪の操舵による反力に対して違和感を感じる。また、ステアリングギヤ比可変アクチュエータの作動時における操舵フィーリングに対する考慮も充分になされておらず、運転者は、ステアリングギヤ比可変アクチュエータの作動時におけるステアリングギヤ比可変アクチュエータ系の慣性による反力に対して違和感を感じる。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、操舵ハンドルに上端部にて接続された操舵軸と、操舵軸の下端部に連結されて同操舵軸の下端部の回転に応じて操舵輪を操舵する操舵機構と、操舵軸に介装されて同操舵軸の下端部に対する上端部の回転角の比を可変とするステアリングギヤ比可変アクチュエータと、操舵機構による操舵輪の操舵をアシストする操舵アシストアクチュエータとを備えた車両のパワーステアリング装置において、操舵フィーリングをより良好にすることにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、操舵軸の上端部に対する下端部の相対的な回転角を検出する回転角検出手段と、前記検出された回転角を用いて操舵軸の上端部と下端部との回転角度差に応じて変化する路面反力に対する操舵アシスト補償量を計算して、操舵アシストアクチュエータによるアシスト量を前記計算した操舵アシスト補償量に応じて補正する反力補償手段とを設けたことにある。
【0007】
これによれば、ステアリングギヤ比の変更などにより、運転者の操舵とは無関係に操舵輪が操舵されても、操舵軸の上端部と下端部との回転角度差に応じて変化する路面反力に対する操舵アシスト補償量が、操舵アシストアクチュエータによるアシスト量に加味される。したがって、運転者の操舵とは無関係な操舵輪の操舵による路面反力を運転者に感じさせることがなくなり、操舵フィーリングが良好に保たれる。
【0008】
また、本発明の他の構成上の特徴は、ステアリングギヤ比可変アクチュエータの発生トルクを検出するトルク検出手段と、前記検出された発生トルクを用いてステアリングギヤ比可変アクチュエータの慣性による操舵反力を補償するための操舵アシスト補償量を計算して、操舵アシストアクチュエータによるアシスト量を前記計算した操舵アシスト補償量に応じて補正する慣性補償手段とを設けたことにある。
【0009】
これによれば、ステアリングギヤ比可変アクチュエータが作動した場合には、操舵アシストアクチュエータの慣性による操舵反力に対する操舵アシスト補償量が操舵アシストアクチュエータによるアシスト量に加味される。したがって、ステアリングギヤ比可変アクチュエータの作動による操舵反力を運転者に感じさせることがなくなり、操舵フィーリングが良好に保たれる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同実施形態に係る車両のパワーステアリング装置を概略的に示している。
【0011】
このパワーステアリング装置は、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を有する。操舵ハンドル11には、上下2分割した操舵軸12a,12bの上端部が接続されている。操舵軸12a,12bの下端部にはピニオンギヤ13が設けられ、同ピニオンギヤ13にはラックバー14が噛み合っている。ラックバー14は左右に延設され、その両端にて操舵輪としての左右前輪15a,15bを操舵可能に連結していて、軸線方向の変位により左右前輪15a,15bを操舵する。したがって、操舵ハンドル11の回動は、操舵軸12a,12bおよびピニオンギヤ13を介してラックバー14に伝達されて、ラックバー14を軸線方向に変位させて、左右前輪15a,15bを操舵する。
【0012】
操舵軸12a,12b間には、左右前輪15a,15bの操舵角に対する操舵ハンドル11の回転角θsの比であるステアリングギヤ比を変更するための、言い換えれば下側の操舵軸12bに対する上側の操舵軸12aの回転角の比を可変とするためのステアリングギヤ比可変装置20が介装されている。ステアリングギヤ比可変装置20は、操舵軸12aの下端部に一体回転するように接続された円筒状のケーシング21を備えている。このケーシング21内には、ステアリングギヤ比可変アクチュエータを構成する電動モータ22が固定されている。電動モータ22の出力軸22aは、ケーシング21に回転可能に支持されていて、下端にて操舵軸12bに一体回転可能に接続されている。なお、電動モータ22は減速機構を内蔵していて、電動モータ22の回転は減速されてその出力軸22aに出力される。
【0013】
操舵軸12bには、ピニオンギヤ13およびラックバー14からなる操舵機構による左右前輪15a,15bの操舵をアシストするための操舵アシスト装置30が接続されている。操舵アシスト装置30は、操舵アシストアクチュエータとしての電動モータ31を有する。電動モータ31の出力軸31aは、小ギヤ32および大ギヤ33からなる減速機構を介して操舵軸12bに動力伝達可能に接続されている。なお、この場合も、電動モータ31は必要に応じて減速機構を内蔵していて、電動モータ31の回転は減速されてその出力軸31aに出力される。
【0014】
これらの電動モータ22,31は、電子制御ユニット40を有する電気制御装置によって作動制御されるようになっている。電子制御ユニット40は、CPU,ROM,RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、プログラムの実行により、駆動回路51,52を介して電動モータ22,31の回転を制御する。この電子制御ユニット40には、ハンドル角センサ53、相対角センサ54、操舵トルクセンサ55、車速センサ56、トルク検出器51aおよび電流検出器52aも接続されている。
【0015】
ハンドル角センサ53は、操舵軸12aに組み付けられていて、操舵ハンドル11の回転角θs(以降、ハンドル角θsという)を検出する。相対角センサ54は、電動モータ22の出力軸22aに組み付けられていて、出力軸22aおよび操舵軸12bのケーシング21に対する回転角Δθvを検出する。なお、ラックバー14に対するピニオンギヤ13(すなわち操舵軸12b)の回転角は、ハンドル角θsと操舵軸12bのケーシング21に対する回転角Δθvの和に等しく、この回転角Δθvは操舵軸12aに対する操舵軸12bの相対的な回転角を意味し、以降、相対角Δθvという。操舵トルクセンサ55は、操舵軸12bに組み付けられていて、操舵軸12bに作用するトルク、すなわち左右前輪15a,15bの操舵に伴う操舵トルクT2を検出する。
【0016】
車速センサ56は、車速Vを検出する。トルク検出器51aは、駆動回路51内に設けられ、電動モータ22を駆動するための駆動電流を検出することにより電動モータ22が発生するトルクTv(以降、ギヤ比アクチュエータトルクTvという)を検出する。電流検出器52aは、駆動回路51内に設けられ、電動モータ22を駆動するための駆動電流Ie(以降、アシストアクチュエータ電流Ieという)を検出する。なお、前述した各種トルクおよび角度においては、正により左方向のトルクおよび角度を表し、負により右方向のトルクおよび角度を表す。
【0017】
次に、上記のように構成した実施形態の動作を図2の機能ブロック図を用いて説明する。この機能ブロック図は、プログラムの実行により実現される電子制御ユニット40の機能を表すもので、プログラムを表すフローチャートに代わるものである。電子制御ユニット40は、ハンドル角センサ53、相対角センサ54、操舵トルクセンサ55、車速センサ56、トルク検出器51aおよび電流検出器52aよってそれぞれ検出されたハンドル角θs、相対角Δθv、操舵トルクT2、車速V、ギヤ比アクチュエータトルクTvおよびアシストアクチュエータ電流Ieを入力する。
【0018】
電子制御ユニット40の目標相対角演算部41は、入力したハンドル角θsおよび車速Vを用いて、下記数1の演算の実行により目標相対角Δθv*を計算する。なお、下記数1中の係数K1は予め決められた定数である。係数Kvは、電子制御ユニット40内に設けられた車速−係数テーブル(図3参照)を参照することにより、車速Vが増加するに従って「1.0」より大きな所定値から「1.0」に徐々に減少する値に決定される。
【0019】
【数1】
Δθv*=K1・(Kv−1)・θs
【0020】
なお、前記数1に代えて、下記数2の演算の実行により目標相対角Δθv*を計算するようにしてもよい。この場合、図1および図2に破線で示すように、ヨーレートγを検出するヨーレートセンサ57および横加速度Gyを検出する横加速度センサ58を設けるとともに、電子制御ユニット40内に、ヨーレートγが増加するに従って「1.0」から徐々に減少する係数Kγを記憶したヨーレート−係数テーブル(図4参照)および横加速度Gyが増加するに従って「1.0」から徐々に減少する係数Kyを記憶した横加速度−係数テーブルを設ける。そして、これらのヨーレート−係数テーブルおよび横加速度−係数テーブルも参照されて、係数Kγ,Kyが決定される。なお、係数K2は予め決められた定数である。
【0021】
【数2】
Δθv*=K2・(Kv・Kγ・Ky−1)・θs
【0022】
前記計算された目標相対角Δθv*は減算部42に供給される。そして、減算部42は、目標相対角Δθv*から前記入力した相対角Δθvを減算した減算値Δθv*−Δθvを制御電圧演算部43に供給する。制御電圧演算部43は、この減算値Δθv*−Δθvに応じた制御電圧Vvを計算して、同制御電圧Vvにより駆動回路51を介して電動モータ22の回転を制御して、操舵軸12bを目標相対角Δθv*まで回転させる。この制御電圧Vvの計算においては、例えばPI制御手法が利用され、下記数3に示す演算の実行により制御電圧Vvが計算される。ただし、下記数3中の係数Kp1,Ki1は、予め決められた定数である。
【0023】
【数3】
Vv=Kp1・(Δθv*−Δθv)+Ki1・∫(Δθv*−Δθv)・dt
【0024】
駆動回路51は、制御電圧Vvに比例した駆動電流を電動モータ22に流すことにより電動モータ22を回転させる。この電動モータ22の回転により、操舵軸12bが基準回転位置から目標相対角Δθv*に等しい回転位置まで回転される。この状態では、ハンドル角(すなわち、操舵軸12aの基準回転位置からの回転角)がθsであれば、操舵軸12bの回転角はθs+Δθv*となり、左右前輪15a,15bはこの回転角θs+Δθv*に比例した操舵角だけ操舵される。したがって、車速Vが小さいほど操舵ハンドル11の回転に対して左右前輪15a,15bは大きく操舵される。すなわち、ステアリングギヤ比は、車速Vが小さくなるに従って小さくなり、車両の小回り性能が良好になる。また、高速走行時における車両の走行安定性が良好になる。
【0025】
また、上記数2を用いて目標相対角Δθv*を計算した場合には、ヨーレートγおよび横加速度Gyが大きくなるに従って、操舵ハンドル11の回転に対して左右前輪15a,15bは小さく操舵される。すなわち、ステアリングギヤ比は、ヨーレートγおよび横加速度Gyが大きくなるに従って大きくなり、車両の走行安定性が良好に保たれる。
【0026】
一方、電子制御ユニット40の目標トルク演算部44は、前記入力した操舵トルクT2および車速Vを用いて目標アシストトルクTeを計算する。この計算においては、電子制御ユニット40に設けた操舵トルク−目標アシストトルクテーブルが参照される。この操舵トルク−目標アシストトルクテーブルは、図6に示すように、操舵トルクT2の増加に従って増加する目標アシストトルクTeを記憶しているもので、さらに、この目標アシストトルクTeは車速Vが小さくなるほどその絶対値が大きな値となる。
【0027】
この目標アシストトルクTeは、加算部45に供給される。加算部45は、目標アシストトルクTeに、詳しくは後述する操舵アシスト補償量としての路面反力補償量Tbおよび慣性補償量Taを加算することにより、最終目標アシストトルクT*(=Te+Tb+Ta)を計算してトルク−電流変換部46に供給する。トルク−電流変換部46は、最終目標アシストトルクT*を、同トルクT*を発生するために必要な電動モータ31の駆動電流に変換して、目標駆動電流I*として減算部47に供給する。この最終目標アシストトルクT*から目標駆動電流I*の変換においては、最終目標アシストトルクT*に比例した値が目標駆動電流I*として計算される。
【0028】
そして、減算部47は、目標駆動電流I*から前記入力したアシストアクチュエータ電流Ieを減算した減算値I*−Ieを制御電圧演算部48に供給する。制御電圧演算部48は、この減算値I*−Ieに応じた制御電圧Veを計算して、同制御電圧Veにより駆動回路52を介して電動モータ31の回転を制御する。この制御電圧Veの計算においても、例えばPI制御手法が利用され、下記数4に示す演算の実行により制御電圧Veが計算される。ただし、下記数4中の係数Kp2,Ki2は、予め決められた定数である。
【0029】
【数4】
Ve=Kp2・(I*−Ie)+Ki2・∫(I*−Ie)・dt
【0030】
駆動回路52は、制御電圧Veに比例した駆動電流を電動モータ31に流すことにより電動モータ31を回転させる。これにより、電動モータ31には、目標駆動電流I*に等しい駆動電流が流されて、電動モータ31は目標駆動電流I*に対応した駆動トルクで小ギヤ32および大ギヤ33を介して操舵軸12bを回転駆動する。その結果、操舵軸12bは最終目標アシストトルクT*で回転駆動されて、操舵ハンドル11の回動操作に伴う左右前輪15a,15bの操舵をアシストする。この最終目標アシストトルクT*には、目標アシストトルクTeが含まれている。そして、目標アシストトルクTeは、前記検出した操舵トルクT2が大きくなるに従って大きくなるので、運転手は、適度にアシストされながら操舵ハンドル11を回動操作できる。また、目標アシストトルクTeは、車速Vの増加に従って小さくなるので、低速走行時における車両の旋回性能が良好になるとともに、高速走行時における車両の走行安定性が良好となる。
【0031】
前述のように加算部45においては、目標トルク演算部44にて計算された目標アシストトルクTeに、路面反力補償量Tbおよび慣性補償量Taが加算されて最終目標アシストトルクT*(=Te+Tb+Ta)が計算される。
【0032】
この路面反力補償量Tbは、路面反力補償演算部49Aにて前記入力した相対角Δθvを用いて下記数5の演算の実行により計算される。なお、下記数5中の係数Kbは予め決められた定数である。
【0033】
【数5】
Tb=Kb・Δθv
【0034】
そして、この路面反力補償量Tbに応じて目標アシストトルクTeが補正されて、操舵軸12bは路面反力補償量Tbを加味したトルクで回転駆動される。この路面反力補償量Tbは、上記数5からも理解できるように、相対角Δθvに比例した値であり、すなわち運転者の操舵ハンドル11の回動操作とは無関係な操舵軸12bの回転に関係した値である。したがって、操舵ハンドル11の操舵操作とは無関係に左右前輪15a,15bが操舵された場合に、路面から受ける反力が補償され、運転者の操舵とは無関係な路面反力を運転者に感じさせることがなくなり、操舵フィーリングが良好に保たれる。
【0035】
また、慣性補償量Taは、慣性補償演算部49Bにて前記入力したギヤ比アクチュエータトルクTvおよび操舵トルクT2を用いて下記数6の演算の実行により計算される。なお、下記数6中の係数Kaは予め決められた定数である。
【0036】
【数6】
Ta=Ka・(Tv−T2)
【0037】
そして、この慣性補償量Taに応じて目標アシストトルクTeが補正されて、操舵軸12bは慣性補償量Taを加味したトルクで回転駆動される。この慣性補償量Taは、上記数6からも理解できるように、電動モータ22による操舵軸12bの駆動トルクから実際に操舵軸12bに作用しているトルクを減算した値に比例した値であり、すなわち操舵軸12aに対して操舵軸12bを相対回転させるための(すなわち、ステアリングギヤ比を変更するための)電動モータ22の作動による操舵反力に関係した値である。したがって、電動モータ22の作動による操舵反力を運転者に感じさせることがなくなり、操舵フィーリングが良好に保たれる。
【0038】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では、電動モータ22に流れる駆動電流を検出することにより電動モータ22の発生トルクを検出するようにしたが、電動モータ22内に発生トルクを検出するトルクセンサを設けて前記発生トルクを実際に検出するようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、ケーシング21内に固定した電動モータ22を回転させることにより、操舵軸12bを操舵軸12aに対して相対的に回動させてステアリングギヤ比を可変するようにした。しかし、これに代えて、操舵軸12aと操舵軸12bとの間に遊星歯車機構を介在させて、電動モータにより遊星歯車機構のギヤ比を変えて操舵軸12aと操舵軸12bとの回転比を可変にするようにしてもよい。
【0041】
さらに、上記実施形態では、ステアリングギヤ比可変制御と操舵アシスト制御とを一つの電子制御ユニット(マイクロコンピュータ)40のプログラム処理により行うようにした。しかし、これに代えて、ステアリングギヤ比可変制御と操舵アシスト制御とを別々の電子制御ユニット(マイクロコンピュータ)のプログラム処理によって行うようにしてもよい。この場合、路面反力補償量Tbおよび慣性補償量Taの計算処理をステアリングギヤ比可変制御用の電子制御ユニットで行ってもよいし、操舵アシスト制御用の電子制御ユニットで行ってもよい。ステアリングギヤ比可変制御用の電子制御ユニットで行う場合には、同電子制御ユニットは、相対角センサ54からの相対角Δθ、トルク検出器51aからのギヤ比アクチュエータトルクTvおよび操舵トルクセンサ55からの操舵トルクT2を入力するとともに、計算した路面反力補償量Tbおよび慣性補償量Taを操舵アシスト制御用の電子制御ユニットに供給する。逆に、路面反力補償量Tbおよび慣性補償量Taの計算処理を操舵アシスト制御用の電子制御ユニットで行う場合には、同電子制御ユニットは、相対角センサ54からの相対角Δθ、トルク検出器51aからのギヤ比アクチュエータトルクTvおよび操舵トルクセンサ55からの操舵トルクT2を入力して、路面反力補償量Tbおよび慣性補償量Taを計算する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両のパワーステアリング装置の全体概略図である。
【図2】 プログラム処理によって実現される図1の電子制御ユニットの機能を表す機能ブロック図である。
【図3】 車速Vと係数Kvとの関係を示すグラフである。
【図4】 ヨーレートγと係数Kγとの関係を示すグラフである。
【図5】 横加速度Gyと係数Kyとの関係を示すグラフである。
【図6】 操舵トルクT2と、車速Vと、目標トルクTeとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11…操舵ハンドル、12a,12b…操舵軸、13…ピニオンギヤ、14…ラックバー、15a,15b…左右前輪、20…ステアリングギヤ比可変装置、21…ケーシング、22…電動モータ、30…操舵アシスト装置、31…電動モータ、40…電子制御ユニット、51a…トルク検出器、52a…電流検出器、53…ハンドル角センサ、54…相対角センサ、55…操舵トルクセンサ、56…車速センサ。
Claims (2)
- 運転者によって回動操作される操舵ハンドルと、前記操舵ハンドルに上端部にて接続された操舵軸と、前記操舵軸の下端部に連結されて同操舵軸の下端部の回転に応じて操舵輪を操舵する操舵機構と、前記操舵軸に介装されて同操舵軸の下端部に対する上端部の回転角の比を可変とするステアリングギヤ比可変アクチュエータと、前記操舵機構による操舵輪の操舵をアシストする操舵アシストアクチュエータとを備えた車両のパワーステアリング装置において、
前記操舵軸の上端部に対する下端部の相対的な回転角を検出する回転角検出手段と、
前記検出された回転角を用いて前記操舵軸の上端部と下端部との回転角度差に応じて変化する路面反力に対する操舵アシスト補償量を計算して、前記操舵アシストアクチュエータによるアシスト量を前記計算した操舵アシスト補償量に応じて補正する反力補償手段とを設けたことを特徴とする車両のパワーステアリング装置。 - 運転者によって回動操作される操舵ハンドルと、前記操舵ハンドルに上端部にて接続された操舵軸と、前記操舵軸の下端部に連結されて同操舵軸の下端部の回転に応じて操舵輪を操舵する操舵機構と、前記操舵軸に介装されて同操舵軸の下端部に対する上端部の回転角の比を可変とするステアリングギヤ比可変アクチュエータと、前記操舵機構による操舵輪の操舵をアシストする操舵アシストアクチュエータとを備えた車両のパワーステアリング装置において、
前記ステアリングギヤ比可変アクチュエータの発生トルクを検出するトルク検出手段と、
前記検出された発生トルクを用いて前記ステアリングギヤ比可変アクチュエータの慣性による操舵反力を補償するための操舵アシスト補償量を計算して、前記操舵アシストアクチュエータによるアシスト量を前記計算した操舵アシスト補償量に応じて補正する慣性補償手段とを設けたことを特徴とする車両のパワーステアリング装置。
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