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JP6303798B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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JP6303798B2 JP2014102488A JP2014102488A JP6303798B2 JP 6303798 B2 JP6303798 B2 JP 6303798B2 JP 2014102488 A JP2014102488 A JP 2014102488A JP 2014102488 A JP2014102488 A JP 2014102488A JP 6303798 B2 JP6303798 B2 JP 6303798B2
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Description

本発明は、アシスト機構及びギア比可変機構を備えたステアリング装置に関する。
アシスト機構を備えたステアリング装置としては、特許文献1に記載の装置がある。このステアリング装置には、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構が設けられている。アシスト機構は、操舵機構にアシスト力を付与するモータ、及びモータの駆動を制御する制御装置を備えている。制御装置は、運転者のステアリング操作に伴い操舵機構に付与される操舵トルクをトルクセンサにより検出し、検出された操舵トルクに基づいて基本アシスト成分を演算する。また、制御装置は、より優れた操舵感を実現するために、モータの出力軸の回転角を回転角センサにより検出し、検出されたモータ回転角に基づいて基本アシスト成分を補うための補償成分を演算する。補償成分としては、例えばモータ回転角の急変、すなわちステアリングホイールの回転角(操舵角)の急変を抑制するためのダンピング補償成分等がある。制御装置は、基本アシスト成分と補償成分とを加算することによりアシスト指令値を演算し、演算したアシスト指令値にモータの出力トルクを追従させるべくモータの供給電力を制御する。これにより、アシスト指令値に対応したアシスト力が操舵機構に付与され、運転者のステアリング操作が補助される。
一方、ギア比可変機構を備えたステアリング装置としては、特許文献2に記載の装置がある。特許文献2に記載のステアリング装置では、ステアリングシャフトがステアリングホイール側の第1シャフトと転舵輪側の第2シャフトとに分割されている。第1シャフトと第2シャフトとの間には、それらの伝達比(ギア比)を可変とするギア比可変機構が設けられている。なお、ギア比とは、第1シャフトの回転角に対する第2シャフトの回転角の比率を示す。ギア比可変機構では運転者の運転状態に応じてギア比を変化させる。これにより、ステアリングホイールの操作量に対する転舵輪の転舵角の変化量が車両の運転状態に応じて変化するため、良好な操舵感を得ることが可能となる。
特開2009−269540号公報 特許第3539468号公報
ところで、上記のようなアシスト機構及びギア比可変機構の両者をステアリング装置に搭載した場合、アシスト機構及びギア比可変機構のそれぞれの動作が干渉するおそれがある。すなわち、ギア比可変機構により第1シャフトに対する第2シャフトの相対的な回転角を変化させると、その回転角の変化に応じてモータの回転角が変化する可能性がある。これに起因して回転角センサにより検出されるモータ回転角が変化すると、アシスト機構の制御装置により演算される補償成分が変化するため、モータから操舵機構に付与されるアシスト力が変化する。すなわち、ギア比可変機構の駆動に伴いアシスト力が変化する。こうしたアシスト力の変化により運転者の操舵感が変化してしまい、運転者に違和感を与えるおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ギア比可変機構の駆動に伴う運転者の違和感を低減することのできるステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するステアリング装置は、互いに分離された第1シャフト及び第2シャフトを有し、車両のステアリングホイールの回転を前記第1シャフト及び前記第2シャフトを介して車両の転舵軸に伝達する操舵機構と、前記第1シャフトに対する前記第2シャフトの相対的な回転角である動作角を変化させるギア比可変機構と、前記操舵機構にアシスト力を付与するモータ、及び同モータの出力トルクの目標値に対応するアシスト指令値に基づき前記モータの駆動を制御する制御部を有するアシスト機構と、を備え、前記制御部は、ステアリング操作に伴い前記ステアリングホイールに付与される操舵トルクに基づいて前記アシスト指令値の基礎成分である基本アシスト成分を演算する基本アシスト成分演算部と、前記第2シャフトの実際の回転角から前記第2シャフトの動作角を減算した値に基づいて補償成分を演算する補償成分演算部と、前記基本アシスト成分と前記補償成分とを加算した値を基礎として前記アシスト指令値を演算するアシスト指令値演算部と、を有する。
この構成のように、第2シャフトの実際の回転角から第2シャフトの動作角を減算した値に基づいて補償成分を演算すれば、動作角が除かれた第2シャフトの回転角に基づいて補償成分を演算することができる。これにより、ギア比可変機構の駆動に伴い第2シャフトの動作角が変化したときに補償成分が変化し難くなるため、ギア比可変機構の駆動に伴うアシスト力の変化を抑制することができる。そのため、運転者の違和感を低減することができる。
上記ステアリング装置について、前記制御部は、前記操舵トルク、前記基本アシスト成分、及び前記補償成分の加算値に基づいて前記第2シャフトの回転角の目標値に対応する角度指令値を演算する角度指令値演算部と、前記第2シャフトの実際の回転角を前記角度指令値に追従させる角度フィードバック制御の実行により角度アシスト成分を演算する角度フィードバック制御部と、を更に有し、前記アシスト指令値演算部は、前記基本アシスト成分、前記角度アシスト成分、及び前記補償成分の加算値を基礎として前記アシスト指令値を演算することが好ましい。
上記のような角度フィードバック制御を通じて得られる角度アシスト成分をアシスト指令値に含めた場合、制御部がアシスト指令値に基づいてモータの駆動を制御すると、第2シャフトの実際の回転角が角度指令値に追従するようにモータのアシスト力が調整される。したがって、第2シャフトの実際の回転角を角度指令値に追従させることができる。ところで、こうした角度フィードバック制御を実行するステアリング装置では、角度指令値の演算にアシスト指令値の補償成分が用いられることがある。このようなステアリング装置では、ギア比可変機構の駆動に伴い補償成分が変化すると、角度指令値が変化し、結果としてアシスト力に変化が生じるおそれがある。この点、上記構成のように、ギア比可変機構の駆動時に変化し難い補償成分を用いて角度指令値を演算すれば、ギア比可変機構の駆動に伴う角度指令値の変化を抑制することができる。すなわち、ギア比可変機構の駆動に伴うアシスト力の変化を抑制することができるため、運転者の違和感を低減することができる。
上記ステアリング装置について、前記第2シャフトの実際の動作角を検出する動作角検出部を更に備え、前記補償成分演算部は、前記第2シャフトの実際の回転角から減算する前記第2シャフトの動作角の値として、前記動作角検出部により検出される前記第2シャフトの実際の動作角の値を用いることが好ましい。
また、上記ステアリング装置について、前記ギア比可変機構は、前記第2シャフトの実際の動作角を動作角指令値に追従させるフィードバック制御の実行により、前記第2シャフトの動作角を変化させるものであり、前記補償成分演算部は、前記第2シャフトの実際の回転角から減算する前記第2シャフトの動作角の値として、前記動作角指令値を用いることが好ましい。
これらの構成によれば、第2シャフトの実際の回転角から第2シャフトの動作角を減算する演算を容易に行うことができる。
上記ステアリング装置について、前記ステアリング操作に依存せずに前記第2シャフトの動作角を変化させるアクティブ操舵制御を実行すべく、前記第2シャフトの動作角の目標値に対応するアクティブ動作角指令値を演算する動作角指令値演算部を更に備え、前記ギア比可変機構は、前記第2シャフトの実際の動作角を前記アクティブ動作角指令値に追従させることにより、前記アクティブ操舵制御を実行し、前記補償成分演算部は、前記第2シャフトの実際の回転角から減算する前記第2シャフトの動作角の値として、前記アクティブ動作角指令値を用いることが好ましい。
ギア比可変機構の駆動に伴う運転者の違和感は、運転者がステアリングホイールを保舵している状態でギア比可変機構がアクティブ操舵制御を実行した場合により顕著となる。すなわち、運転者がステアリングホイールを保舵しているとき、本来であればアシスト力には変化がほとんど生じない。このような状況でギア比可変機構がアクティブ操舵制御を実行することによりアシスト力が変化すると、その変化を運転者が敏感に感じ取ってしまい、違和感がより顕著となる。この点、上記構成によれば、第2シャフトの実際の回転角からアクティブ動作角指令値を減算した値に基づいて補償成分が演算される。ここで、アクティブ動作角指令値は、アクティブ操舵制御に応じた第2シャフトの実際の動作角とほぼ等しい。したがって、上記構成によれば、アクティブ操舵制御に基づく動作角が除かれた第2シャフトの回転角に基づいて補償成分を演算することができる。そのため、アクティブ操舵制御の実行に伴い第2シャフトの動作角が変化したときに、補償成分が変化し難くなる。これにより、ギア比可変機構の駆動に伴うアシスト力の変化のうち、特にアクティブ操舵制御の実行に伴うアシスト力の変化を抑制することができるため、運転者の違和感を低減する効果が大きい。
また、上記課題を解決するステアリング装置は、互いに分離された第1シャフト及び第2シャフトを有し、車両のステアリングホイールの回転を前記第1シャフト及び前記第2シャフトを介して車両の転舵軸に伝達する操舵機構と、前記第1シャフトに対する前記第2シャフトの相対的な回転角である動作角を変化させるギア比可変機構と、前記操舵機構にアシスト力を付与するモータ、及び同モータの出力トルクの目標値に対応するアシスト指令値に基づき前記モータの駆動を制御する制御部を有するアシスト機構と、を備え、前記制御部は、ステアリング操作に伴い前記ステアリングホイールに付与される操舵トルクに基づいて前記アシスト指令値の基礎成分である基本アシスト成分を演算する基本アシスト成分演算部と、前記第2シャフトの動作角よりも絶対値の小さい補正値を演算する補正値演算部と、前記第2シャフトの実際の回転角から前記補正値を減算した値に基づいて補償成分を演算する補償成分演算部と、前記基本アシスト成分と前記補償成分とを加算した値を基礎として前記アシスト指令値を演算するアシスト指令値演算部と、を有する。
この構成によれば、第2シャフトの実際の回転角から補正値を減算した値には、第2シャフトの動作角の成分が部分的に残る。そのため、ギア比可変機構の駆動に伴い第2シャフトの動作角が変化したときに、補償成分演算部により演算される補償成分が若干変化する。これにより、ギア比可変機構の駆動の際に、運転者に違和感を与えない範囲でアシスト力を変化させることが可能となる。
本発明によれば、ギア比可変機構の駆動に伴う運転者の違和感を低減できる。
ステアリング装置の第1実施形態についてその概略構成を示すブロック図。 第1実施形態のステアリング装置についてそのVGR制御装置及びブレーキ制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 第1実施形態のステアリング装置についてそのEPS制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 ステアリング装置の第2実施形態についてそのEPS制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 ステアリング装置の変形例についてそのEPS制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 ステアリング装置の変形例についてその概略構成を示すブロック図。 ステアリング装置の変形例についてその概略構成を示すブロック図。 ステアリング装置の変形例についてそのVGR制御装置及びブレーキ制御装置の電気的な構成を示すブロック図。 ステアリング装置の変形例についてそのVGR制御装置及びブレーキ制御装置の電気的な構成を示すブロック図。
<第1実施形態>
以下、ステアリング装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、ステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール20の操作に基づき転舵輪4a,4bを転舵させる操舵機構2と、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3とを備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール20の回転軸となるステアリングシャフト21を備えている。ステアリングシャフト21は、ステアリングホイール20に連結される第1シャフト21aと、第1シャフト21aにギア比可変(VGR:Variable Gear Ratio)機構5を介して連結される第2シャフト21bとに分割されている。第2シャフト21bにおいてギア比可変機構5に連結された端部と反対側の端部は、ラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23に連結されている。本実施形態では、ラックシャフト23が転舵軸に相当する。操舵機構2では、運転者のステアリングホイール20の操作(ステアリング操作)に伴い第1シャフト21aが回転すると、その回転運動がギア比可変機構5を介して第2シャフト21bに伝達され、第2シャフト21bが回転する。第2シャフト21bの回転運動はラックアンドピニオン機構22を介してラックシャフト23の軸方向の往復直線運動に変換される。このラックシャフト23の往復直線運動により、その両端に連結された左右の転舵輪4a,4bの転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
ギア比可変機構5は、第1シャフト21aに一体回転可能に連結されたハウジング50、並びにハウジング50の内部に収容されるVGRモータ51及び減速機構52を備えている。VGRモータ51はブラシレスモータあるいはブラシ付きモータからなる。減速機構52は、差動回転可能な3つの回転要素からなる機構、例えば遊星歯車機構や波動歯車機構(ストレイン・ウェーブ・ギヤリング)等により構成される。減速機構52を構成する3つの回転要素は、ハウジング50、VGRモータ51の出力軸51a、及び第2シャフト21bにそれぞれ連結されている。すなわち、減速機構52では、ハウジング50の回転速度とVGRモータ51の回転速度とにより第2シャフト21bの回転速度が一義的に定まる。ギア比可変機構5では、減速機構52を通じて、ステアリング操作に伴う第1シャフト21aの回転にVGRモータ51の出力軸51aの回転を上乗せして第2シャフト21bに伝達することにより、第1シャフト21aに対する第2シャフト21bの相対的な回転角を変化させる。すなわち、第1シャフト21aの回転角に対する第2シャフト21bの回転角の比であるギア比を変化させる。なお、ここでの「上乗せ」には、加算及び減算の双方を含む。また、以下では、第1シャフト21aに対する第2シャフト21bの相対的な回転角を「第2シャフト21bの動作角」と称する。
アシスト機構3は、減速機構30を介して第2シャフト21bに連結されたEPS(Electric Power Steering)モータ31を備えている。EPSモータ31はブラシレスモータからなる。アシスト機構3では、EPSモータ31の出力軸31aの回転を減速機構30を介して第2シャフト21bに伝達することでステアリングシャフト21にトルクを付与し、運転者のステアリング操作を補助する。
ステアリング装置1は、VGRモータ51の駆動を制御するVGR制御装置54と、EPSモータ31の駆動を制御するEPS制御装置33とを備えている。VGR制御装置54及びEPS制御装置33は、CAN(Controller Area Netwok)等の車内ネットワーク11を介して各種情報を授受することが可能となっている。また、VGR制御装置54及びEPS制御装置33は、車内ネットワーク11を介してブレーキ制御装置12とも各種情報を授受することが可能となっている。ブレーキ制御装置12は、車両のブレーキ系に係る制御を統括的に司る部分である。
ステアリング装置1には、各種状態量を検出するセンサが設けられている。例えば第1シャフト21aには、その回転角、すなわちステアリングホイール20の操舵角θsを検出する操舵角センサ6が設けられている。第2シャフト21bには、運転者のステアリング操作に際してステアリングシャフト21に付与される操舵トルクThを検出するトルクセンサ7が設けられている。ギア比可変機構5には、VGRモータ51の出力軸51aの回転角θmvを検出するVGR回転角センサ53が設けられている。アシスト機構3には、EPSモータ31の出力軸31aの回転角θmeを検出するEPS回転角センサ32が設けられている。車両には、左右の転舵輪4a,4bの回転速度Vtr,Vtlをそれぞれ検出する車輪速センサ8a,8b、及び車両の走行速度Vを検出する車速センサ9が設けられている。また、車両には、ブレーキペダルが踏み込み操作されたときにその旨を示すブレーキ信号Sbkを出力するブレーキスイッチ10が設けられている。これらのうち、操舵角センサ6、車輪速センサ8a,8b、及び車速センサ9は車内ネットワーク11に接続されている。したがって、VGR制御装置54、EPS制御装置33、及びブレーキ制御装置12は車内ネットワーク11を介して操舵角センサ6、車輪速センサ8a,8b、及び車速センサ9のそれぞれの出力を取り込むことが可能となっている。VGR回転角センサ53の出力はVGR制御装置54に直接取り込まれる。トルクセンサ7及びEPS回転角センサ32の出力はEPS制御装置33に直接取り込まれる。ブレーキスイッチ10の出力はブレーキ制御装置12に直接取り込まれる。
次に、VGR制御装置54及びブレーキ制御装置12の電気的な構成及び動作について説明する。
図2に示すように、VGR制御装置54は、VGRモータ51を駆動させるための駆動回路55と、駆動回路55を介してVGRモータ51の駆動を制御するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と略記する)56とを備えている。駆動回路55は、車載バッテリなどの電源(電源電圧「+Vcc」)から供給される交流電力を三相(U相,V相,W相)の交流電力に変換する周知のインバータ回路からなる。駆動回路55は、マイコン56からの制御信号Scvに基づいて三相の交流電力を生成し、生成した三相の交流電力を各相に対応した給電線Wvを介してVGRモータ51に供給する。なお、図2では便宜上、各相の給電線Wvを一つにまとめて図示している。マイコン56は、操舵角センサ6により検出される操舵角θs、車速センサ9により検出される車速V、及びVGR回転角センサ53により検出されるVGRモータ回転角θmvに基づいて制御信号Scvを生成する。
詳しくは、マイコン56は、VGR動作角指令値演算部57、加算器58、フィードバック(F/B)制御部59、制御信号生成部60、及び動作角演算部61を有している。VGR動作角指令値演算部57は、操舵角θs及び車速Vに基づいてVGR動作角指令値θa1*を演算する。VGR動作角指令値θa1*は、第2シャフト21bの動作角の目標値成分に対応する。VGR動作角指令値演算部57は、演算したVGR動作角指令値θa1*を加算器58に出力する。加算器58は、VGR動作角指令値演算部57から出力されるVGR動作角指令値θa1*と、ブレーキ制御装置12から出力されるアクティブ動作角指令値θa2*とを加算することにより動作角指令値θa*を演算し、演算した動作角指令値θa*をフィードバック制御部59に出力する。
動作角演算部61は、ギア比可変機構5の減速機構52を構成する各回転要素相互間のギア比に応じて定まる減速比に基づいてVGRモータ回転角θmvから第2シャフト21bの実際の動作角である実動作角θaを演算し、演算した実動作角θaをフィードバック制御部59に出力する。
フィードバック制御部59は、実動作角θaを動作角指令値θa*に追従させるべく、それらの偏差に基づくフィードバック制御を実行することにより電流指令値Iv*を演算する。電流指令値Iv*はVGRモータ51の供給電流の目標値に対応する。フィードバック制御部59は、演算した電流指令値Iv*を制御信号生成部60に出力する。制御信号生成部60は、電流指令値Iv*に基づいて制御信号Scvを生成する。マイコン56は、このようにして演算される制御信号Scvを駆動回路55に出力する。これにより、電流指令値Iv*に応じた三相の交流電力が駆動回路55から給電線Wvを介してVGRモータ51に供給され、VGRモータ51が駆動する。このように操舵角θs及び車速Vに基づき設定されるVGR動作角指令値θa1*をもとにVGRモータ51の駆動制御が行われることにより、運転者のステアリング操作に応じて第1シャフト21a及び第2シャフト21bのギア比が変更されるギア比可変制御が実行される。
また、マイコン56は、ギア比可変制御とは別に、ステアリング操作に依存せずに第2シャフト21bの動作角を変化させるアクティブ操舵制御を実行する。次に、アクティブ操舵制御について説明する。
例えば車両がスプリットμ路上を走行しているとき、すなわち車両の左右の転舵輪4a,4bが路面抵抗の著しく異なる路面上を走行しているときに運転者がブレーキ操作をした場合、転舵輪4a,4bのうち、低μ路に接している一方の転舵輪の回転速度の方が、高μ路に接している他方の転舵輪の回転速度よりも速くなる。そのため、運転者がステアリング操作を行っていないにも関わらず、車両が、高μ路に接している転舵輪側に旋回する。このような意図しない車両の旋回は運転者に違和感を与えることになる。そこで、本実施形態のギア比可変機構5は、車両がスプリットμ路上を走行しているときに運転者によるブレーキ操作が行われたとき、VGRモータ51を駆動させて第2シャフト21bの動作角を変化させることにより、車両の旋回方向と逆方向に転舵輪4a,4bの転舵角を変化させる。すなわち、カウンターステアを自動的に実行することにより、運転者の意図しない車両の旋回を抑制する。なお、スプリットμ路上でブレーキ操作が行われたか否かの判断、及び第2シャフト21bの動作角の設定はブレーキ制御装置12にて行う。
具体的には、図2に示すように、ブレーキ制御装置12には、ブレーキスイッチ10から出力されるブレーキ信号Sbk、車輪速センサ8a,8bにより検出される転舵輪4a,4bのそれぞれの回転速度Vtr,Vtlが取り込まれる。ブレーキ制御装置12はブレーキ信号Sbkに基づいて運転者のブレーキ操作を検出した場合には、転舵輪4a,4bのそれぞれの回転速度Vtr,Vtlの差分値を演算する。そして、ブレーキ制御装置12は、回転速度Vtr,Vtlの差分値の絶対値が所定の閾値以上である場合、運転者の意図しない車両の旋回が行われる可能性があると判定する。このとき、ブレーキ制御装置12は、車両の旋回方向と逆方向に転舵輪4a,4bを転舵させるための制御量としてアクティブ動作角指令値θa2*を演算する。アクティブ動作角指令値θa2*は、第2シャフト21bの動作角の目標値成分に対応する。詳しくは、例えば右側転舵輪4aの回転速度Vtrの方が左側転舵輪4bの回転速度Vtlよりも速い場合、車両が左方向に旋回する可能性があるため、転舵輪4a,4bの転舵角を右方向に変化させるようなアクティブ動作角指令値θa2*を演算する。このように本実施形態では、ブレーキ制御装置12が動作角指令値演算部に相当する。そして、ブレーキ制御装置12は、演算したアクティブ動作角指令値θa2*をVGR制御装置54及びEPS制御装置33に送信する。このとき、VGR制御装置54では、フィードバック制御部59に入力される動作角指令値θa*にアクティブ動作角指令値θa2*が含まれるため、フィードバック制御部59がアクティブ動作角指令値θa2*に基づくフィードバック制御を行う。このアクティブ動作角指令値θa2*に基づくフィードバック制御を通じてVGRモータ51が駆動することにより、第2シャフト21bの動作角がアクティブ動作角指令値θa2*に対応した角度だけ変化する。これにより、操舵角θsが維持されたまま、車両の旋回方向と逆方向に転舵輪4a,4bの転舵角が変化するため、運転者の意図しない車両の旋回を抑制することができる。
なお、ブレーキ制御装置12は、運転者のブレーキ操作を検出できない場合、及び運転者のブレーキ操作を検出できたとしても回転速度Vtr,Vtlの差分値の絶対値が所定の閾値未満の場合には、アクティブ動作角指令値θa2*の設定(出力)を行わない。すなわちこの場合、VGR制御装置54はアクティブ操舵制御を行わない。
次に、EPS制御装置33の電気的な構成及び動作について説明する。
図3に示すように、EPS制御装置33は、EPSモータ31を駆動させるための駆動回路34、及び駆動回路34を介してEPSモータ31の駆動を制御するマイコン35を備えている。駆動回路34は、車載バッテリなどの電源(電源電圧「+Vcc」)から供給される直流電力を三相(U相,V相,W相)の交流電力に変換する周知のインバータ回路からなる。駆動回路34は、マイコン35からの制御信号Sceに基づいて三相の交流電力を生成し、生成した三相の交流電力を各相に対応した給電線Weを介してEPSモータ31に供給する。給電線Weには、EPSモータ31に供給される各相電流値Ieを検出する電流センサ39が設けられている。なお、図3では、便宜上、各相の給電線We及び各相の電流センサ39をそれぞれ一つにまとめて図示している。電流センサ39の出力はマイコン35に取り込まれる。
マイコン35は、トルクセンサ7により検出される操舵トルクTh、車速センサ9により検出される車速V、EPS回転角センサ32により検出されるEPSモータ回転角θme、ブレーキ制御装置12から送信されるアクティブ動作角指令値θa2*、及び電流センサ39により検出される各相電流値Ieに基づいて制御信号Sceを生成する。
詳しくは、マイコン35は、アシスト指令値演算部36、電流指令値演算部37、及び制御信号生成部38を有している。アシスト指令値演算部36は、操舵トルクTh、車速V、EPSモータ回転角θme、及びアクティブ動作角指令値θa2*に基づいてアシスト指令値Ta*を演算する。アシスト指令値Ta*は、EPSモータ31の出力トルクの目標値に対応する。アシスト指令値演算部36は、基本アシスト成分演算部40、補償成分演算部41、及び回転角演算部42を有している。
基本アシスト成分演算部40は、操舵トルクTh及び車速Vに基づいて基本アシスト成分Ta1*を演算する。基本アシスト成分Ta1*はアシスト指令値Ta*の基礎成分である。基本アシスト成分演算部40は、例えば操舵トルクThの絶対値が大きくなるほど、また車速Vが遅くなるほど基本アシスト成分Ta1*の絶対値をより大きな値に設定する。そして、基本アシスト成分演算部40は、演算した基本アシスト成分Ta1*を加算器43に出力する。
回転角演算部42は、アシスト機構3の減速機構30の減速比に基づき定まるEPSモータ回転角θmeと第2シャフト21bの回転角との相関関係を利用して、EPS回転角センサ32により検出されるEPSモータ回転角θmeから第2シャフト21bの実際の回転角θe1を演算する。回転角演算部42は、演算した第2シャフト21bの実回転角θe1を減算器44に出力する。
減算器44は、回転角演算部42により演算された第2シャフト21bの実回転角θe1からアクティブ動作角指令値θa2*を減算する補正を行い、補正後の第2シャフト21bの回転角θe2(=θe1−θa2*)を補償成分演算部41に出力する。
補償成分演算部41は、より優れた操舵感を実現するために、補正後の第2シャフト21bの回転角θe2に基づいて、基本アシスト成分Ta1*を補うための補償成分Ta2*を演算する。補償成分演算部41は、補償成分Ta2*として、例えばステアリングホイール20を中立位置に復帰させるためのステアリング戻し補償成分を演算する。なお、ステアリング戻し補償成分は、補正後の第2シャフト21bの回転角θe2の絶対値が大きくなるほど、すなわちステアリングホイール20が中立位置から離間するほど、ステアリングホイール20を中立位置に復帰させる方向にアシスト指令値Ta*を増大させるような値に設定される。また、補償成分演算部41は、補正後の第2シャフト21bの回転角θe2をそのまま用いるばかりでなく、例えばその1次時間微分値である第2シャフト21bの回転速度ωを演算し、演算した回転速度ωに基づいて補償成分Ta2*を演算する。補償成分演算部41は、回転速度ωに基づく補償成分Ta2*として、例えばステアリングホイール20の操舵角の急変を抑制するためのダンピング補償成分を演算する。なお、ダンピング補償成分は、回転速度ωの絶対値が大きくなるほど、アシスト指令値Ta*をより大きく減衰させるような値に設定される。補償成分演算部41は、演算した補償成分Ta2*を加算器43に出力する。
加算器43は、基本アシスト成分演算部40により演算される基本アシスト成分Ta1*と、補償成分演算部41により演算される補償成分Ta2*とを加算することによりアシスト指令値Ta*を演算する。アシスト指令値演算部36は、このようにして演算されるアシスト指令値Ta*を電流指令値演算部37に出力する。
電流指令値演算部37は、アシスト指令値Ta*に基づいてd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を演算する。d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*は、d/q座標系におけるEPSモータ31の供給電流の目標値に対応する。具体的には、アシスト指令値Ta*に基づいてq軸電流指令値Iq*を演算し、演算したq軸電流指令値Iq*を制御信号生成部38に出力する。なお、本実施形態では、d軸電流指令値Id*は「0」に設定されており、電流指令値演算部37は、このd軸電流指令値Id*も制御信号生成部38に出力する。
制御信号生成部38は、電流指令値演算部37から出力されるd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*、電流センサ39により検出される各相電流値Ie、並びにEPS回転角センサ32により検出されるEPSモータ回転角θmeに基づいて制御信号Sceを生成する。詳しくは、制御信号生成部38は、EPSモータ回転角θmeに基づいて各相電流値Ieをd/q座標系に写像することにより、d/q座標系におけるEPSモータ31の実際の電流値であるd軸電流値及びq軸電流値を演算する。そして、制御信号生成部38は、実際のd軸電流値をd軸電流指令値Id*に追従させるべく、また実際のq軸電流値をq軸電流指令値Iq*に追従させるべく、それぞれの偏差に基づく電流フィードバック制御を行うことにより制御信号Sceを生成する。マイコン35は、このようにして演算される制御信号Sceを駆動回路34に出力する。これにより、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に応じた三相の交流電力が駆動回路34から給電線Weを介してEPSモータ31に供給され、EPSモータ31が駆動する。その結果、アシスト指令値Ta*に応じたアシスト力がEPSモータ31から第2シャフト21bに付与されるアシスト制御が実行される。
以上説明した構成によれば、以下の(1),(2)に示すような作用及び効果を得ることができる。
(1)図1に示すように、第2シャフト21bは減速機構30を介してEPSモータ31の出力軸31aに連結されている。したがって、ギア比可変機構5におけるアクティブ操舵制御の実行により第2シャフト21bの動作角が変化したとき、EPSモータ31の出力軸31aが回転するため、EPS回転角センサ32により検出されるEPSモータ回転角θmeが変化する。したがって、図3に示すEPS制御装置33のマイコン35において回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1も変化する。そのため、仮に回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1に基づいて補償成分演算部41が補償成分Ta2*を演算すると、アクティブ操舵制御の実行に伴って補償成分Ta2*が変化してしまう。結果的に、アクティブ操舵制御の実行に伴ってEPSモータ31のアシスト力が変化してしまう。
この点、本実施形態の補償成分演算部41は、回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1からアクティブ動作角指令値θa2*を減算した値θe2に基づいて補償成分Ta2*を演算する。ここで、アクティブ動作角指令値θa2*は、アクティブ操舵制御に応じた第2シャフト21bの実際の動作角とほぼ等しい。したがって、補償成分演算部41は、アクティブ操舵制御に基づく動作角が除かれた第2シャフト21bの回転角に基づいて補償成分Ta2*を演算することができる。これにより、アクティブ操舵制御の実行に伴い第2シャフト21bの動作角が変化したときに、補償成分Ta2*が変化し難くなるため、アクティブ操舵制御の実行に伴うアシスト力の変化を抑制することができる。そのため、運転者の違和感を低減することができる。
(2)ギア比可変機構5の駆動に伴う運転者の違和感は、運転者がステアリングホイール20を保舵している状態でギア比可変機構5がアクティブ操舵制御を実行した場合により顕著となる。すなわち、運転者がステアリングホイール20を保舵しているとき、本来であればアシスト力には変化がほとんど生じない。このような状況でギア比可変機構5の駆動に伴いアシスト力に変化が生じると、その変化を運転者が敏感に感じ取ってしまい、違和感がより顕著となる。この点、本実施形態では上記(1)で述べたように、ギア比可変機構5の駆動に伴うアシスト力の変化のうち、特にアクティブ操舵制御の実行に伴うアシスト力の変化を抑制することができるため、運転者の違和感を低減する効果が大きい。
<第2実施形態>
次に、ステアリング装置の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図4に示すように、本実施形態のアシスト指令値演算部36は、加算器45,46、角度指令値演算部47、及び角度フィードバック(F/B)制御部48を有している。
加算器46には、加算器43により演算される基本アシスト成分Ta1*及び補償成分Ta2*の加算値「Ta1*+Ta2*」と、トルクセンサ7により検出される操舵トルクThが入力される。加算器46は、加算値「Ta1*+Ta2*」と操舵トルクThとを加算することにより駆動トルクTc(=Ta1*+Ta2*+Th)を演算し、演算した駆動トルクTcを角度指令値演算部47に出力する。
角度指令値演算部47は駆動トルクTcから理想モデルに基づいて角度指令値θe*を演算する。角度指令値θe*は、理想モデルに応じて定まる第2シャフト21bの回転角の目標値、換言すれば転舵輪4a,4bの転舵角の目標値に対応する。理想モデルは、駆動トルクTcに応じた理想的な第2シャフト21bの回転角を実験等により測定し、その測定結果をモデル化したものである。角度指令値演算部47は、理想モデルに基づいて演算した角度指令値θe*を角度フィードバック制御部48に出力する。
角度フィードバック制御部48には、角度指令値演算部47により演算される角度指令値θe*の他、回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1が入力される。角度フィードバック制御部48は第2シャフト21bの実回転角θe1を角度指令値θe*に追従させるべく、それらの偏差に基づくフィードバック制御を行うことにより角度アシスト成分Ta3*を演算し、演算した角度アシスト成分Ta3*を加算器45に出力する。加算器45は、加算器43により演算される加算値「Ta1*+Ta2*」と、角度フィードバック制御部48により演算される角度アシスト成分Ta3*とを加算することによりアシスト指令値Ta*(=Ta1*+Ta2*+Ta3*)を求める。アシスト指令値演算部36は、このようにして演算されるアシスト指令値Ta*を電流指令値演算部37に出力する。
以上説明した構成によれば、第1実施形態の(1),(2)の作用及び効果に加え、以下の(3),(4)に示す作用及び効果を得ることができる。
(3)角度フィードバック制御により生成される角度アシスト成分Ta3*がアシスト指令値Ta*に含まれているため、アシスト指令値Ta*に応じたアシスト力がEPSモータ31から第2シャフト21bに付与されると、第2シャフト21bの回転角が角度指令値θe*に対応した回転角に維持される。そのため、路面状態やブレーキング等に起因して操舵機構2に発生する逆入力を抑制することができる。すなわち、転舵輪4a,4bから操舵機構2に逆入力が伝達される場合であれ、第2シャフト21bの回転角が角度指令値θe*に対応した回転角に維持されるように角度アシスト成分Ta3*が調整される。そのため、第2シャフト21bに対して逆入力を打ち消す方向に操舵補助が行われる。これにより、逆入力に起因する操舵機構2の振動を抑制することができるため、運転者の操舵感を向上させることができる。
(4)角度指令値演算部47は、アクティブ操舵制御の実行時に変化し難い補償成分Ta2*に基づいて角度指令値θe*を演算するため、アクティブ操舵制御の実行に伴う角度指令値θe*の変化を抑制することができる。結果的に、アクティブ操舵制御の実行に伴う角度アシスト成分Ta3*の変化を抑制することができる。これにより、アクティブ操舵制御の実行に伴うアシスト力の変化を抑制することができるため、運転者の違和感を低減することができる。
<他の実施形態>
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第1実施形態のEPS制御装置33では、回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1から減算する値として、アクティブ動作角指令値θa2*をそのまま用いたが、アクティブ動作角指令値θa2*よりも絶対値の小さい値を用いてもよい。具体的には、図5に示すように、EPS制御装置33のマイコン35には、アクティブ動作角指令値θa2*に基づき補正値θrを演算する補正値演算部49を設ける。補正値演算部49は、例えば「0」よりも大きく、且つ、「1」よりも小さい値からなるゲインをアクティブ動作角指令値θa2*に乗算することにより補正値θrを演算する。そして、減算器44では、回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1から補正値θrを減算することにより補正後の第2シャフト21bの回転角θe2を演算する。このような構成によれば、補正後の第2シャフト21bの回転角θe2には、アクティブ操舵制御に基づく動作角の成分が部分的に残る。そのため、アクティブ操舵制御の実行に伴い第2シャフト21bの動作角が変化したときに、補償成分演算部41により演算される補償成分Ta2*が若干変化する。これにより、アクティブ操舵制御の実行の際に、運転者に違和感を与えない範囲でアシスト力を若干変化させることが可能となる。なお、同様の構成を第2実施形態のEPS制御装置33で採用してもよい。
・第2実施形態の角度フィードバック制御部48では、第2シャフト21bの回転角に基づく角度フィードバック制御を行ったが、この角度フィードバック制御は、第2シャフト21bの回転角に換算可能な回転角、例えば転舵輪4a,4bの転舵角等を用いて行ってもよい。
・各実施形態では、ブレーキ制御装置12がアクティブ動作角指令値θa2*をVGR制御装置54及びEPS制御装置33にそれぞれ送信した。これに代えて、例えば図6に示すように、ブレーキ制御装置12はアクティブ動作角指令値θa2*をVGR制御装置54にのみ送信し、VGR制御装置54のマイコン56がアクティブ動作角指令値θa2*をEPS制御装置33に送信してもよい。あるいは図7に示すように、ブレーキ制御装置12はアクティブ動作角指令値θa2*をEPS制御装置33にのみ送信し、EPS制御装置33のマイコン35がアクティブ動作角指令値θa2*をVGR制御装置54に送信してもよい。
・各実施形態では、アクティブ動作角指令値θa2*の演算をブレーキ制御装置12にて行ったが、ブレーキ制御装置12とは別の装置によりアクティブ動作角指令値θa2*を演算してもよい。すなわち、アクティブ動作角指令値θa2*を演算する動作角指令値演算部は適宜変更可能である。
・各実施形態のEPS制御装置33では、回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1から減算する値として、アクティブ動作角指令値θa2*を用いた。これに代えて、例えば図8に示すように、EPS制御装置33には、アクティブ動作角指令値θa2*の代わりに、VGR制御装置54のマイコン56により演算される動作角指令値θa*を入力する。そして、EPS制御装置33のマイコン56では、回転角演算部42により演算される第2シャフト21bの実回転角θe1から動作角指令値θa*を減算することにより、補正後の第2シャフト21bの回転角θe2を求めてもよい。このような構成によれば、補償成分演算部41は、アクティブ操舵制御に基づく動作角だけでなく、ギア比可変制御に基づく動作角も除かれた第2シャフト21bの回転角に基づいて補償成分Ta2*を演算することができる。これにより、アクティブ操舵制御の実行に伴い第2シャフト21bの動作角が変化する場合も含め、ギア比可変制御の実行に伴い第2シャフト21bの動作角が変化する場合にも補償成分Ta2*が変化し難くなる。したがって、ギア比可変機構5の駆動に伴うアシスト力の変化をさらに抑制することができるため、運転者の違和感を一層低減することができる。
・図9に示すように、VGR制御装置54のマイコン56により演算される実動作角θaをEPS制御装置33に入力してもよい。このような構成であっても、図8に例示した変形例と同様の効果を得ることが可能である。
・図8及び図9に例示した変形例に対して、図5に例示した変形例の構成を採用してもよい。
・各実施形態のVGR制御装置54は、車両がスプリットμ路上を走行している状況で運転者がブレーキ操作をしたときにアクティブ操舵制御を実行するものであったが、VGR制御装置54がアクティブ操舵制御を実行する状況は適宜変更可能である。
・VGR制御装置54では、アクティブ操舵制御を実行せずに、ギア比可変制御のみを実行してもよい。すなわち、VGR制御装置54のマイコン56では、VGR動作角指令値θa1*のみに基づいてVGRモータ51の駆動制御を行ってもよい。この場合、図8に示した構成に準ずる構成を採用し、VGR制御装置54では、アクティブ動作角指令値θa2*に代えて、VGR動作角指令値θa1*をEPS制御装置33に送信することが有効である。あるいは、図9に示した構成に準ずる構成を採用し、VGR制御装置54では、アクティブ動作角指令値θa2*に代えて、実動作角θaをEPS制御装置33に送信することが有効である。これにより、ギア比可変制御の実行に伴うアシスト力の変化を抑制することが可能である。
・各実施形態では、EPS回転角センサ32及び回転角演算部42により第2シャフト21bの回転角を検出したが、第2シャフト21bの回転角を検出する回転角検出部はこれに限定されない。例えば第2シャフト21bの回転角を直接検出する回転角センサを用いてもよい。
・各実施形態では、VGR回転角センサ53及び動作角演算部61により第2シャフト21bの動作角を検出したが、第2シャフトの動作角を検出する動作角検出部はこれに限定されない。例えば第1シャフト21aの回転角を検出する第1回転角センサ、及び第2シャフト21bの回転角を検出する第2回転角センサをそれぞれ設け、それらの回転角センサにより検出される回転角の差分値を演算することにより第2シャフト21bの動作角を検出してもよい。
・各実施形態のEPSモータ31はブラシレスモータであったが、ブラシ付きのモータであってもよい。
1…ステアリング装置、2…操舵機構、3…アシスト機構、5…ギア比可変機構、12…ブレーキ制御装置(動作角指令値演算部)、20…ステアリングホイール、21a…第1シャフト、21b…第2シャフト、31…EPSモータ、33…EPS制御装置(制御部)、36…アシスト指令値演算部、40…基本アシスト成分演算部、41…補償成分演算部、47…角度指令値演算部、48…角度フィードバック制御部、49…補正値演算部、53…VGR回転角センサ(動作角検出部)、61…動作角演算部(動作角検出部)。

Claims (6)

  1. 互いに分離された第1シャフト及び第2シャフトを有し、車両のステアリングホイールの回転を前記第1シャフト及び前記第2シャフトを介して車両の転舵軸に伝達する操舵機構と、
    前記第1シャフトに対する前記第2シャフトの相対的な回転角である動作角を変化させるギア比可変機構と、
    前記操舵機構にアシスト力を付与するモータ、及び同モータの出力トルクの目標値に対応するアシスト指令値に基づき前記モータの駆動を制御する制御部を有するアシスト機構と、
    を備え、
    前記制御部は、
    ステアリング操作に伴い前記ステアリングホイールに付与される操舵トルクに基づいて前記アシスト指令値の基礎成分である基本アシスト成分を演算する基本アシスト成分演算部と、
    前記第2シャフトの実際の回転角から前記第2シャフトの動作角を減算した値に基づいて補償成分を演算する補償成分演算部と、
    前記基本アシスト成分と前記補償成分とを加算した値を基礎として前記アシスト指令値を演算するアシスト指令値演算部と、を有することを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記制御部は、
    前記操舵トルク、前記基本アシスト成分、及び前記補償成分の加算値に基づいて前記第2シャフトの回転角の目標値に対応する角度指令値を演算する角度指令値演算部と、
    前記第2シャフトの実際の回転角を前記角度指令値に追従させる角度フィードバック制御の実行により角度アシスト成分を演算する角度フィードバック制御部と、を更に有し、
    前記アシスト指令値演算部は、前記基本アシスト成分、前記角度アシスト成分、及び前記補償成分の加算値を基礎として前記アシスト指令値を演算することを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1又は2に記載のステアリング装置において、
    前記第2シャフトの実際の動作角を検出する動作角検出部を更に備え、
    前記補償成分演算部は、前記第2シャフトの実際の回転角から減算する前記第2シャフトの動作角の値として、前記動作角検出部により検出される前記第2シャフトの実際の動作角の値を用いることを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1又は2に記載のステアリング装置において、
    前記ギア比可変機構は、前記第2シャフトの実際の動作角を動作角指令値に追従させるフィードバック制御の実行により、前記第2シャフトの動作角を変化させるものであり、
    前記補償成分演算部は、前記第2シャフトの実際の回転角から減算する前記第2シャフトの動作角の値として、前記動作角指令値を用いることを特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1又は2に記載のステアリング装置において、
    前記ステアリング操作に依存せずに前記第2シャフトの動作角を変化させるアクティブ操舵制御を実行すべく、前記第2シャフトの動作角の目標値に対応するアクティブ動作角指令値を演算する動作角指令値演算部を更に備え、
    前記ギア比可変機構は、前記第2シャフトの実際の動作角を前記アクティブ動作角指令値に追従させることにより、前記アクティブ操舵制御を実行し、
    前記補償成分演算部は、前記第2シャフトの実際の回転角から減算する前記第2シャフトの動作角の値として、前記アクティブ動作角指令値を用いることを特徴とするステアリング装置。
  6. 互いに分離された第1シャフト及び第2シャフトを有し、車両のステアリングホイールの回転を前記第1シャフト及び前記第2シャフトを介して車両の転舵軸に伝達する操舵機構と、
    前記第1シャフトに対する前記第2シャフトの相対的な回転角である動作角を変化させるギア比可変機構と、
    前記操舵機構にアシスト力を付与するモータ、及び同モータの出力トルクの目標値に対応するアシスト指令値に基づき前記モータの駆動を制御する制御部を有するアシスト機構と、を備え、
    前記制御部は、
    ステアリング操作に伴い前記ステアリングホイールに付与される操舵トルクに基づいて前記アシスト指令値の基礎成分である基本アシスト成分を演算する基本アシスト成分演算部と、
    前記第2シャフトの動作角よりも絶対値の小さい補正値を演算する補正値演算部と、
    前記第2シャフトの実際の回転角から前記補正値を減算した値に基づいて補償成分を演算する補償成分演算部と、
    前記基本アシスト成分と前記補償成分とを加算した値を基礎として前記アシスト指令値を演算するアシスト指令値演算部と、を有することを特徴とするステアリング装置。
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