JP4002948B2 - イオン生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正または負に荷電した空気イオンを生成するイオン生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電体に蓄積されている静電気を中和して除電するために、正または負に荷電した空気イオンを生成し、該空気イオンを該帯電体に向けて放出するイオン生成装置が知られている。
【0003】
この種のイオン生成装置は、高圧電源に接続された針状電極と、該針状電極に対向して設けられ、該高圧電源の接地回路に接続された対向電極とを備えている。前記イオン生成装置では、前記高圧電源により前記針状電極に高電圧を印加して前記針状電極と前記対向電極との間にコロナ放電を発生させることにより、正または負に荷電した空気イオンを生成する。
【0004】
前記イオン生成装置では、前記針状電極に正電圧が印加された場合には、生成した正負の空気イオンのうち、負の空気イオン(以下、負イオンと略記することがある)は針状電極に向けて移動し、正の空気イオン(以下、正イオンと略記することがある)は前記接地回路に接続されている前記対向電極に向けて移動する。ここで、大部分の正イオンは前記対向電極に捕獲されるが、一部の正イオンは前記対向電極を越えて外部に放出される。
【0005】
また、前記針状電極に負電圧が印加された場合には、正電圧が印加された場合と全く逆の現象が起き、生成した正負の空気イオンのうち、大部分の負イオンが前記対向電極に捕獲され、一部の負イオンが前記対向電極を越えて外部に放出される。この結果、前記対向電極を越えて外部に放出される正または負の空気イオンにより、帯電体に蓄積されている静電気を中和して除電することができる。
【0006】
前記高圧電源は、直流であっても交流であってもよいが、直流を用いる場合には正極用の針状電極と負極用の針状電極とを別々に設け、各個に作動するようにする必要があり、装置構成が複雑になる。これに対して、交流を用いる場合には前記針状電極を単一の電極として、前記単一の針状電極に正負電圧を交互に印加することができ、正負のイオンのバランスを取る上で有利である。
【0007】
そこで、前記高圧電源に交流を用いる場合には、前記針状電極に正電圧が印加されたときには正イオンを、負電圧が印加されたときには負イオンを放出して、正負イオンを交互に放出することができ、帯電体が正負どちらに帯電している場合にもその電荷を中和して良好に除電を行うことができる。ところが、交流の高圧電源は、装置が大型で重量も大であるとの問題がある。前記問題を解決するために、大きさと重量が直流の高圧電源装置と同等である高周波発振昇圧トランス式電源を用いることが考えられる。
【0008】
しかしながら、前記交流電圧として高周波の高電圧を用いると、前記コロナ放電が継続して安定に発生せず、発生する正負イオンのバランスが崩れ、これに伴って放出される正負イオンのバランスも崩れるため、前記帯電体の除電を良好に行えないばかりか、却って帯電を助長する場合があるという不都合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、帯電体に向けて正負の空気イオンをバランス良く放出することができるイオン生成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記交流電圧として高周波の高電圧を用いる場合の不都合を解決するために種々検討を行った。この結果、前記従来のイオン生成装置において、前記針状電極と、前記接地回路に接続された対向電極との間に、前記接地回路から絶縁されたイオン蓄積部材を配置することにより、正負の空気イオンを帯電体に向けてバランス良く放出することができることを見出した。
【0011】
本発明のイオン生成装置は、前記知見に基づくものであって、前記目的を達成するために、交流高周波高圧電源と、該交流高周波高圧電源に接続された少なくとも1つの針状電極と、該針状電極に対向して設けられると共に該交流高周波高圧電源の接地回路に接続されていて、該針状電極との間でコロナ放電を発生する少なくとも1つの対向電極とを備えるイオン生成装置であって、該針状電極と該対向電極との間に、該コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを蓄積する少なくとも1つのイオン蓄積部材を備え、該イオン蓄積部材は、該交流高周波高圧電源の接地回路から絶縁され、該対向電極から離間して、該針状電極と該対向電極とを結ぶ直線上で、該対向電極から該針状電極を望んだときに該針状電極を遮蔽するように備えられると共に、該イオン蓄積部材の該針状電極側の面が、該帯電体へ向かう該正又は負の空気イオンの流れに平行に配置されることを特徴とする。
【0012】
本発明のイオン生成装置によれば、まず、前記交流高周波高圧電源により前記針状電極に正電圧が印加された場合には、生成する正イオンの大部分が前記針状電極と前記対向電極との間に備えられたイオン蓄積部材と、前記対向電極とに捕獲され、一部が前記対向電極を越えて外部に放出される。
【0013】
次に、前記交流高周波高圧電源により前記針状電極に負電圧が印加された場合には、生成する負イオンの大部分が前記イオン蓄積部材と、前記対向電極とに捕獲され、一部が前記対向電極を越えて外部に放出される。
【0014】
このとき、前記対向電極は前記接地回路に接続されているため、正負どちらのイオンを捕獲しても電位がゼロのままであるが、前記イオン蓄積部材は、例えば初めに捕獲したイオンが正イオンであれば該正イオンの量に応じて正に帯電し、次いで負イオンを捕獲することにより、先に捕獲した正イオンが該負イオンの量と等しい量だけ打ち消される。そこで、生成する正負のイオンのバランスが良好に保たれているときには、前記イオン蓄積部材の電荷は、正負のイオンを交互に捕獲するたびに中和される。
【0015】
一方、生成する正負のイオンのバランスが崩れ、一方のイオンの生成量が他より多くなると、多くなった方のイオンは前記イオン蓄積部材が他のイオンを捕獲したときにも、該他のイオンにより完全に中和されず、前記イオン蓄積部材に生成量が多くなった方のイオンが残存するようになる。そして、次に、生成量が他より多いイオンが生成したときには、該イオンが前記イオン蓄積部材に残存しているイオンにより反発され、前記対向電極方向への移動が抑制され、帯電体に向けて放出される量が低減する。この結果、帯電体に向けて放出される生成量が他より多いイオンの量は、生成量が少ない方のイオンの量と略等量になる。
【0016】
従って、本発明のイオン生成装置によれば、高周波の交流高電圧を用いた場合に、生成する正負のイオンのバランスが崩れても、帯電体に向けて正負の空気イオンをバランス良く放出することができる。
さらに、本発明のイオン生成装置において、前記イオン蓄積部材は、前記対向電極から離間して、前記針状電極と前記対向電極とを結ぶ直線上で、該対向電極から該針状電極を望んだときに該針状電極を遮蔽するように備えられていることにより、前記正または負の空気イオンを良好に捕獲することができ、しかも生成する正負のイオンのバランスが崩れたときに、生成量が多くなった方のイオンの前記対向電極方向への移動をさらに確実に抑制することができる。
しかも、本発明のイオン生成装置において、前記イオン蓄積部材は、その前記針状電極側の面が、前記帯電体へ向かう該正または負の空気イオンの流れに平行に配置されていることにより、帯電体への空気イオンの流れを整流して、コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを帯電体に向けて放出することができる。
【0017】
前記イオン蓄積部材は、前記コロナ放電により生成する空気イオンを捕獲して蓄積できるものであればよく、導電体でも絶縁体でもよいが、絶縁被覆が施された導電体からなり、前記交流高周波高圧電源の接地回路から直流的に絶縁されていることが好ましい。前記絶縁被覆が施された導電体は、局部的なコンデンサとして作用して、電荷を蓄積することができるので、生成する正負のイオンのバランスが崩れたときに、生成量が多くなった方のイオンの前記対向電極方向への移動を確実に抑制することができる。
【0018】
この結果、本発明のイオン生成装置は、帯電体に向けて正負の空気イオンをさらにバランス良く放出するようにする効果を得ることができる。
【0019】
また、本発明のイオン生成装置は、前記交流高周波高圧電源が、直流電圧を印加することにより交流高周波電圧を発生する発振回路と、発生した交流高周波電圧を圧電素子により昇圧して高電圧を得る圧電トランスとからなることにより、装置全体を小型、軽量化することができる。
【0020】
また、本発明のイオン生成装置は、前記対向電極が、前記交流高周波高圧電源の接地回路に、電気抵抗を介して接続されていることにより、前記対向電極に流入する放電電流を検出することができ、コロナ放電が正常に発生していることの目安にすることができる。
【0021】
また、本発明のイオン生成装置は、前記針状電極と前記対向電極とが対向配置され、該針状電極と該対向電極との間に前記イオン蓄積部材が配置された筐体と、該筐体に設けられ前記コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを移送するファンとを備えることを特徴とする。本発明のイオン生成装置は、前記ファンを備えることにより、前記コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを、帯電体に向けて移送することができ、該帯電体に対する除電装置として作用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本発明の第1の実施形態のイオン生成装置の一部を切り欠いて示す正面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は図1示のイオン生成装置の回路図、図4乃至図6は図1示のイオン生成装置の他の態様の回路図、図7は本発明の第2の実施形態のイオン生成装置の説明的断面図である。
【0024】
次に、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0025】
図1及び図2に示すように、本実施形態のイオン生成装置(イオナイザ)1aは、交流高周波高圧電源2と、高圧ケーブル3を介して交流高周波高圧電源2に接続された複数の針状電極4と、針状電極4に対向して設けられた対向電極5とを備え、さらに針状電極4と対向電極5との間にイオン蓄積部材6を備える。
【0026】
針状電極4は、絶縁材料からなるフランジ部材7,7に挟持された絶縁支持部材8を貫通して外部に突出し、直線状に配列されている。また、針状電極4は、支持部材8の内部に備えられた導電材料からなる芯材9を介して高圧ケーブル3に接続されている。
【0027】
対向電極5は棒状の導体からなり、フランジ部材7,7に挟持されて、直線状に配列された複数の針状電極4と平行に2本備えられている。対向電極5は、フランジ部材7を貫通する接続部材10を介して、交流高周波高圧電源2の接地回路11に接続されている。
【0028】
イオン蓄積部材6は、対向電極5,5の内側で、フランジ部材7,7に挟持されて、直線状に配列された複数の針状電極4と平行に2本備えられている。イオン蓄積部材6は、針状電極4と対向電極5とを結ぶ直線上に位置し、対向電極5より大きな幅を備えているので、対向電極5から針状電極4を望んだときに、針状電極4がイオン蓄積部材6の背後に隠れ、イオン蓄積部材6により遮蔽されるようになっている。
【0029】
イオン蓄積部材6は、導電体12に絶縁被覆13が施されており、交流高周波高圧電源2の接地回路11に対して直流的に絶縁されている。尚、絶縁被覆13は、導電体12に絶縁物を装着してもよく、絶縁塗装を厚めに施すようにしてもよい。
【0030】
一方、交流高周波高圧電源2は、図3に示すように、直流電圧を印加することにより交流高周波電圧を発生する発振回路14と、発生した交流高周波電圧を圧電セラミックスからなる圧電素子15により昇圧して高電圧を得る圧電トランス16とからなる。発振回路14は、直流電源回路17を介して商用電源18に接続されている。圧電トランス16は、発振回路14の出力を受けて圧電素子15が機械的に振動することにより高周波高電圧を発生し、端子19から高圧ケーブル3に出力する。
【0031】
次に、イオン生成装置1aの作動について説明する。
【0032】
イオン生成装置1aでは、交流高周波電源2により高圧ケーブル3を介して針状電極4に交流高電圧を印加すると、針状電極4と対向電極5との間の空気中に高電界が形成される。この結果、針状電極4の先端近傍にコロナ放電が発生し、該コロナ放電により、正イオンと負イオンとが略等量ずつ生成する。
【0033】
交流高周波電源2によれば、針状電極4に正負電圧が交互に印加される。まず、交流高周波電源2により針状電極4に正電圧が印加されると、前記のようにして針状電極4と対向電極5との間の空気中に正イオンと負イオンとが生成する。前記イオンのうち、負イオンは針状電極4に向かい、正イオンは対向電極5に向けて移動する。そして、前記正イオンは、針状電極4と対向電極5との間に備えられているイオン蓄積部材6と、対向電極5とにその大部分が捕獲され、一部が帯電体Aに向けて放出される。このとき、対向電極5は交流高周波高圧電源2の接地回路11に接続されているので捕獲した正イオンの量に関わらず電位がゼロに保たれるが、イオン蓄積部材6は交流高周波高圧電源2の接地回路11に対して絶縁されているので、捕獲した正イオンの量に従って正に荷電する。
【0034】
次に、交流高周波電源2により、針状電極4に負電圧が印加されると、前記正電圧が印加された場合とは全く逆の現象が起こり、生成したイオンのうち、正イオンは針状電極4に向かい、負イオンは対向電極5に向けて移動する。そして、前記負イオンは、イオン蓄積部材6と、対向電極5とにその大部分が捕獲され、一部が帯電体Aに向けて放出される。このとき、対向電極5は接地回路11に接続されているので捕獲した負イオンの量に関わらず電位がゼロに保たれる。一方、イオン蓄積部材6は交流高周波高圧電源2の接地回路11に対して絶縁されており、針状電極4に正電圧が印加されたときに捕獲した正イオンによって正に荷電しているので、新たに捕獲した負イオンの量と等量の正イオンが該負イオンによって打ち消される。
【0035】
従って、前記コロナ放電が安定して発生しているときには、針状電極4に印加される電圧が正であるか負であるかに対応して、正または負のイオンが略等量ずつ帯電体Aに向けて放出され、帯電体Aが正負どちらに荷電していても、良好に除電することができる。
【0036】
ところで、前記コロナ放電の発生が不安定になり、発生する正負イオンのバランスが崩れた場合、イオン蓄積部材6が備えられていないと、前記正負イオンがバランスが崩れたまま、帯電体Aに向けて放出されることになる。つまり、正負イオンのうち、発生量の多い方のイオンが多く放出されることになり、帯電体Aの除電が不良になるばかりか、却って帯電体Aの帯電が助長されることがある。
【0037】
しかし、本実施形態のイオン生成装置1aはイオン蓄積部材6を備えているので、イオン蓄積部材6によりイオンバランスの自己制御機能が生じる。次に、前記自己制御機能について説明する。
【0038】
イオン蓄積部材6は、前述のように、針状電極4に正電圧が印加された場合には正イオンを捕獲し、負電圧が印加された場合には負イオンを捕獲する。従って、正負イオンが略等量ずつ生成しているときには、イオン蓄積部材6の電荷は、正負のイオンを交互に捕獲するたびに中和される。
【0039】
一方、生成するイオンのバランスが崩れると、正負いずれかのイオン、例えば正イオンの生成量が負イオンの生成量より多くなる。この場合、イオン蓄積部材6は、針状電極4に正電圧が印加された場合に捕獲された正イオンによる正電荷が、負電圧が印加された場合に捕獲された負イオンにより完全に中和されず、正の荷電が残っている状態になる。そこで、次に針状電極4に正電圧が印加されたときに前記自己制御機能が生じ、対向電極5に向けて移動する正イオンの一部がイオン蓄積部材6の正の荷電と反発し、対向電極5に向かう移動が抑制される。
【0040】
この結果、帯電体Aに向けて放出される正イオンの量が低減されて、生成量自体が低減している負イオンの放出量と略等量になり、正負イオンを帯電体Aに向けてバランス良く放出することができる。
【0041】
前記の例では、正イオンの生成量が負イオンの生成量より多くなった場合について説明したが、負イオンの生成量が正イオンの生成量より多くなった場合には、全く逆の現象が起こって、帯電体Aに向けて放出される負イオンの量が低減され、正負イオンを帯電体Aに向けてバランス良く放出することができる。
【0042】
さらに、本実施形態のイオン生成装置1aでは、イオン蓄積部材6が、導電体12に絶縁被覆13が施されて構成されており、接地回路11に対して直流的に絶縁されているので、局部的にコンデンサを構成することができる。従って、イオン蓄積部材6は、生成量が多くなった方のイオンと同符号の電荷をさらに多く蓄積することができ、該イオンの対向電極5方向への移動をさらに確実に抑制することができる。
【0043】
また、イオン蓄積部材6は、接地回路11に対して絶縁されていればよく、図4に示すように絶縁被覆13が施されていない導電体12でもよい。尚、イオン蓄積部材6は、それ自体絶縁体であってもよいことは言うまでもない。
【0044】
また、接地回路11は、図5に示すように、電気抵抗20を介して接地21に接続されていてもよい。このようにすることにより、対向電極5に流入する放電電流を検出することができ、コロナ放電が正常に発生しているか否かの目安にすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、交流高周波高圧電源2は発振回路14により発生した交流高周波電圧を圧電素子15により昇圧する圧電トランス16を備えるものとして説明しているが、圧電トランス16に替えて、図6に示すように巻線トランス22を備えるものであってもよい。
【0046】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0047】
図7に示すように、本実施形態のイオン生成装置(エアーイオナイザ)1bは、交流高周波高圧電源2と、高圧ケーブル3を介して交流高周波高圧電源2に接続された複数の針状電極4と、針状電極4に対向して設けられた対向電極5と、さらに針状電極4と対向電極5との間に設けられたイオン蓄積部材6とが、筐体31に収納されて備えられている。
【0048】
針状電極4は、絶縁支持部材32を貫通して放射状に複数備えられる一方、絶縁支持部材32内で高圧ケーブル3に接続されている。
【0049】
対向電極5は、放射状に複数備えられている針状電極4を囲繞する円筒形状の導体からなり、交流高周波高圧電源2の接地回路(図示せず)にリード線11aを介して接続されている。
【0050】
イオン蓄積部材6は、放射状に複数備えられている針状電極4を囲繞する円筒形状であり、対向電極5の内周側に備えられている。この結果、イオン蓄積部材6は、針状電極4と対向電極5とを結ぶ直線上に位置し、対向電極5から針状電極4を望んだときに、針状電極4がイオン蓄積部材6により遮蔽されるようになっている。また、イオン蓄積部材6は、導電体12に絶縁被覆13が施されており、交流高周波電圧電源2の接地回路(図示せず)に対して直流的に絶縁されている。
【0051】
また、筐体31は、一方の側に空気吸込口33を備えると共に、他方の側に空気吹出口34を備え、空気吸込口33と針状電極4との間に、図示しないモータにより回転駆動されるファン35を備えている。また、空気吹出口34の外側には、フィンガーガード36が設けられている。
【0052】
本実施形態のイオン生成装置1bによれば、交流高周波高圧電源2により針状電極4に高周波の交流電圧を印加したときに、第1の実施形態のイオン生成装置1aと同一の作用により、イオン蓄積部材4に向かう正負の空気イオンの量が略等量になるように制御することができる。そして、ファン35により空気吸込口33から吸い込んだ空気と共に、前記正負の空気イオンを空気吹出口34から吹き出すことにより、空気吹出口34の外部に設けられた帯電体Bに対する除電装置として作用することができる。
【0053】
ここで、帯電体Bは、イオン生成装置1bの性能を測定する試験装置であり、絶縁部材37を介して本体38に取り付けられた金属プレート39を備えると共に、本体38内部に、金属プレート39の電位を測定する電位測定装置40と、金属プレート39に電荷を付与する高電圧電源41と、金属プレート39の電位の減衰時間を測定するタイマ42とを備えている。
【0054】
次に、前記試験装置による本実施形態のイオン生成装置1bの性能試験について説明する。
【0055】
まず、本実施形態のイオン生成装置1b(実施例)と、イオン蓄積部材6を備えない従来のイオン生成装置(比較例)とについて、それぞれ150mm角の金属プレート39を、針状電極4から300mmの距離を隔てた位置に配置し、交流高周波高圧電源2により7kVp-pの交流電圧を針状電極4に印加して、コロナ放電により正負イオンを生成させたときのオフセット電圧V0を測定した。前記オフセット電圧V0とは、イオン生成装置1bから放出される正負イオンの量に偏りがある場合に金属プレート39に蓄積した電荷であり、電圧の絶対値が小さいほどイオンバランスが良好であることを示す。結果を表1に示す。
【0056】
次に、本実施形態のイオン生成装置1bと、イオン蓄積部材6を備えない従来のイオン生成装置とについて、それぞれ高電圧電源41により金属プレート39を±1000Vに帯電させたのち、前記と同一の交流電圧を針状電極4に印加して、コロナ放電により正負の空気イオンを生成させ、電位測定装置40により測定される金属プレート39の電圧が±100Vまで低下するまでの時間を減衰時間としてタイマ42により測定した。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
表1から、本実施形態のイオン生成装置1bによれば、オフセット電圧V0が−3〜+3であって絶対値が小さく、正負のバランスが良好であるのに対して、従来のイオン生成装置では−30〜−40と絶対値が大きく、しかも負に偏っていることが明らかである。
【0059】
また、本実施形態のイオン生成装置1bによれば、減衰時間が正負とも略等しくなっているのに対して、従来のイオン生成装置では負の場合の方が正の場合より長くなっていることが明らかである。
【0060】
従って、本実施形態のイオン生成装置1bによれば、帯電体Bに向けて正負イオンをバランス良く放出することができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のイオン生成装置の一部を切り欠いて示す正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図1示のイオン生成装置の回路図。
【図4】図1示のイオン生成装置の他の態様の回路図。
【図5】図1示のイオン生成装置の他の態様の回路図。
【図6】図1示のイオン生成装置の他の態様の回路図。
【図7】本発明の第2の実施形態のイオン生成装置の説明的断面図。
【符号の説明】
1a,1b…イオン生成装置、 2…交流高周波高圧電源、 3…高圧ケーブル、 4…針状電極、 5…対向電極、 6…イオン蓄積部材、 11…接地回路、 14…発振回路、 15…圧電素子、 16…圧電トランス、 20…電気抵抗、 31…筐体、 35…ファン。
Claims (5)
- 交流高周波高圧電源と、該交流高周波高圧電源に接続された少なくとも1つの針状電極と、該針状電極に対向して設けられると共に該交流高周波高圧電源の接地回路に接続されていて該針状電極との間でコロナ放電を発生する少なくとも1つの対向電極とを備え、該コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを帯電体に向けて放出するイオン生成装置であって、該針状電極と該対向電極との間に、該コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを蓄積する少なくとも1つのイオン蓄積部材を備え、該イオン蓄積部材は、該交流高周波高圧電源の接地回路から絶縁され、該対向電極から離間して、該針状電極と該対向電極とを結ぶ直線上で、該対向電極から該針状電極を望んだときに該針状電極を遮蔽するように備えられると共に、該イオン蓄積部材の該針状電極側の面が、該帯電体へ向かう該正又は負の空気イオンの流れに平行に配置されることを特徴とするイオン生成装置。
- 前記イオン蓄積部材は、絶縁被覆が施された導体からなり、前記交流高周波高圧電源の接地回路から直流的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載のイオン生成装置。
- 前記交流高周波高圧電源は、直流電圧を印加することにより交流高周波電圧を発生する発振回路と、発生した交流高周波電圧を圧電素子により昇圧して高電圧を得る圧電トランスとからなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のイオン生成装置。
- 前記対向電極は、前記交流高周波高圧電源の接地回路に、電気抵抗を介して接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のイオン生成装置。
- 前記針状電極と前記対向電極とが対向配置され、該針状電極と該対向電極との間に前記イオン蓄積部材が配置された筐体と、該筐体に設けられ前記コロナ放電により発生する正または負の空気イオンを移送するファンとを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載のイオン生成装置。
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