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JP3895280B2 - スライムコントロール剤および水処理用薬剤組成物 - Google Patents

スライムコントロール剤および水処理用薬剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水処理用薬剤組成物に関する。さらに詳しくは、第4級アンモニウム塩型スライムコントロール剤およびスケール防止剤を含有する水処理用薬剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水処理用のスライムコントロール剤としてはスライム発生の原因となる菌の増殖を抑制する抗菌剤、例えば有機臭素系化合物、チオシアネート系化合物、ジチオール系化合物、環状窒素硫黄系化合物、イソチアゾリン系化合物、4級アンモニウム塩(特許文献−1および2参照)などが知られている。
また、水処理用薬剤組成物は、スライムコントロ−ル剤と、水に溶解していた無機物成分が濃縮されて水に不溶性となって析出するスケールを抑えるキレート化剤および/またはスケール防止剤などを併用したものである。
【0003】
【特許文献−1】
特開昭63−96103号公報
【特許文献−2】
特開平11−302106号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライムコントロール剤として用いている有機臭素系化合物はカビには効果が弱く、チオシアネート系化合物は皮膚刺激があり、且つpH8以上では分解して効果がなくなり、ジチオール系化合物は皮膚刺激性と金属腐食性があり、環状窒素硫黄系化合物は加水分解してホルマリンを発生させ、イソチアゾリン系化合物は皮膚刺激性があるなどの問題がある。また、第4級アンモニウム塩は安全性が高く、加水分解もしないが、泡立ちが激しいこと、スケール防止剤と錯塩を形成して、スライムコントロール効果とスケール防止効果が共に低下することおよび金属腐食の問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A)およびスケール防止剤(C)を含有する水処理用薬剤組成物である。
【0006】
【化2】
Figure 0003895280
【0007】
式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なる、炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、R4は炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、X-は超強酸のアニオンを表す。
【0008】
【発明の実施の形態】
一般式(1)におけるR1およびR2は炭素数1〜22(好ましくは1〜14)の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。これらのうち、好ましいのは炭素数1〜14、さらに炭素数1〜8、特に炭素数1または2、最も好ましくはメチル基である。また、R1とR2 は同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
【0009】
3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基を表す。直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示したものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基、フェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基、シンナミル基などが挙げられる。R3のうち好ましくは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜15のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、さらに好ましくは炭素数が6〜14の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基である。
【0010】
4は炭素数8〜22の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。R4のうち好ましくは炭素数8〜18の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは炭素数10〜16の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基である。
【0011】
一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウム基の具体例としては、R3が脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、)、1つの長鎖アルケニル基を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウム)、2つの長鎖アルキル基を有するもの(ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウムおよびジメチルジドデシルアンモニウム)が挙げられる。
また、R3 がアリールアルキル基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
このうちスライムコントロール性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、およびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。
【0012】
一般式(1)においてX-で表されるアニオンを構成する超強酸は、100%硫酸より強い酸強度を有する酸(「超強酸・超強塩基」田部浩三、野依良治著、講談社サイエンティフィック刊、p1参照)であり、Hammettの酸度関数(H0)が100%硫酸の−11.93以下のものであり、プロトン酸、およびプロトン酸/ルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であるが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、スライムコントロール性および該スライムコントロール剤とスケール防止剤が共存しても錯塩を形成しないという観点から、好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸である。
【0013】
(A)としては、上記第4級アンモニウム基と上記超強酸で構成されるアニオンX-との任意の組み合わせのものが挙げられる。
(A)のうち、スライムコントロール性およびスケール防止剤と錯塩を形成しないという観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムなどの第4級アンモニウム基とトリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸などのHammett酸度関数(H0)が−12.00以下の超強酸との組み合わせである。
【0014】
本発明のスライムコントロール剤においては、これらの(A)は1種類を用いてもよいし、2種以上の併用でもよい。2種以上の併用の場合は、ジデシルジメチルアンモニウム四フッ化硼素酸塩とジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム四フッ化硼素酸塩の併用が好ましく、その場合の併用の重量比率は好ましくは50/50〜90/10である。
【0015】
本発明における(A)の重量に基づく遊離ハロゲン含量(測定法:イオンクロマトグラフィー)は、スライムコントロール性と防サビ性の観点から、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは0〜50ppm、とくに好ましくは0〜10ppmである。
【0016】
(A)の製造方法としては限定はなく公知の方法でよいが、遊離ハロゲン含量の観点から好ましいのは下記の[I]および[II]の方法、操作上の観点からさらに好ましいのは[II]である。
【0017】
[I] 第4級アンモニウム塩〔例えば、一般式(1)における第4級アンモニウム基とハロゲンアニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に前記超強酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリウム塩など)を加え(第4級アンモニウム塩/超強酸塩の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合して得られる水溶液(イ)を下記(i)および(ii)の工程で精製する。
(i):(イ)に金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸〔総炭素数1〜10のカルボン酸(モノ−およびポリカルボン酸)など〕銀から選ばれる1種以上の化合物(ロ)を、上記第4級アンモニウム塩〔一般式(1)におけるアンモニウム基とハロゲンアニオンからなる塩〕に対し1.1〜1.5当量となる量加えて混合する。析出する塩(ハロゲン化銀)と下層(水層)を分液除去し、さらに上層中の水分を減圧留去した後、析出する塩(アルカリ金属塩および遊離ハロゲン)を熱時濾過で除去する工程。
(ii):(i)で得られた液にハロゲン化水素水溶液(ハ)を加え、70〜80℃で約1時間撹拌混合後、静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る、過剰の銀を除去する工程。
【0018】
[II] 第3級アミンと同当量以上(好ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10〜1,000%)または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当量)し、10〜60℃で1〜3時間撹拌して塩交換する。静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の溶媒を50〜120℃で減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。
【0019】
本発明のスライムコントロール剤は、常温で、通常、固状(ブロック状、ワックス状もしくは粉末状)または液状(粘ちょう液状もしくはペースト状)であり、いずれの形態でもよい。固状の場合の融点は通常25〜90℃である。
【0020】
本発明の水処理用薬剤組成物は上記スライムコントロール剤、並びにキレート化剤(B)、スケール防止剤(C)、水、溶剤(D)、乳化分散剤(E)、粉末化剤(F)および固形化剤(G)からなる群から選ばれる1種以上を含有してなるものである。
【0021】
(B)としては、通常のキレート化剤として用いられるものであれば特に限定はなく、ヒドロキシカルボン酸(炭素数2〜12、たとえばグリコール酸、クエン酸、リンゴ酸および酒石酸)、アミノカルボン酸(炭素数6〜12、たとえばエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン酢酸およびグリシンなど)、リンの酸素酸類および縮合リン酸(メタリン酸、ヘキサメタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸およびテトラリン酸)およびこれらの塩、さらにジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン並びにアセチルアセトンなどが挙げられる。
上記の塩としてはアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20、たとえばトリエチルアミン、ヘキサメチレンジアミン)塩、アルカノールアミン(炭素数2〜12、たとえばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩などが挙げられる。
これらのうち、キレート効果の観点から好ましいのはヒドロキシカルボン酸(塩)、アミノカルボン酸(塩)および縮合リン酸(塩)からなる群から選ばれる1種または2種以上、さらに好ましいのはアミノカルボン酸(塩)、特に好ましいのはエチレンジアミン四酢酸ナトリウムである。
【0022】
(C)としては、通常のスケール防止剤として用いられるものであれば特に限定はなく、ポリカルボン酸(塩)[ホモポリマーおよび共重合体の数平均分子量(以下Mnと略記)は500〜300,000]〔ポリアクリル酸(塩)、アクリル酸(塩)/メタクリル酸ヒドロキシエチルエステル共重合体(共重合モル比30/70〜90/10)、アクリル酸ヒドロキシエチル/メタクリル酸(塩)共重合物(共重合モル比10/90〜70/30)、アクリル酸(塩)/ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)アリルエーテル共重合体(共重合モル比10/90〜90/10)、ポリマレイン酸(塩)など〕、ポリカルボン酸ヒドラジド(ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリマレイン酸ヒドラジドなど)、ポリカルボン酸アミド(ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドなど)、ホスホン酸(塩)〔アミノトリメチレンホスホン酸(塩)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(塩)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(塩)など〕およびこれらの混合物などが挙げられる。
上記の塩としてはアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20、たとえばトリエチルアミン、ヘキサメチレンジアミン)塩、アルカノールアミン(炭素数2〜12、モノ−、ジ−およびトリエタノールアミンなど)塩などが挙げられる。
これらのうち、スケール防止効果の観点から好ましいのはポリカルボン酸(塩)(Mn500〜30,000)および/またはホスホン酸(塩)、さらに好ましいのはポリカルボン酸(塩)(Mn1,000〜10,000)である。
(B)と(C)はそれぞれ単独使用でも併用でもよい。併用する場合の有効成分(本発明においては、試料1.0〜1.5gを105℃で90分間加熱乾燥させた後の残さを有効成分とした。)重量割合は、スケール防止効果の観点から好ましくは(B)/(C)=1/99〜50/50、さらに好ましくは5/95〜30/70である。
また、(A)/〔(B)+(C)〕の有効成分重量比はキレート効果およびスケール防止効果の観点から好ましくは1/99〜90/10、さらに好ましくは10/90〜50/50である。
【0023】
(D)としては、炭素数1〜18の1価アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなど)、炭素数2〜18の多価(2価〜4価またはそれ以上)アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなど)、上記多価アルコールの誘導体[モノアルキル(炭素数1〜4)エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル)、ジアルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エーテル(エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなど)、2−アルコキシエチルアシレート(エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)]、総炭素数4〜18のエーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなど)、総炭素数3〜18のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、炭素数2〜25のエステル(蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチルなど)が挙げられる。
【0024】
(E)には、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、アニオン界面活性剤および高分子乳化分散剤が含まれる。
【0025】
非イオン界面活性剤としては、たとえば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド(以下AOと略記)[炭素数2〜4例えば、エチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの2種以上の併用](数平均分子量174〜200,000);グリコール類にAOを付加させて得られるポリアルキレングリコール類(数平均分子量110〜6,000)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの2価〜8価またはそれ以上の多価アルコール)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にAOを付加させたもの(分子量288〜30,000)、高級脂肪酸アミドにAOを付加させたもの(分子量243〜30,000)、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにAOを付加させたもの(分子量148〜30,000)など]、および多価アルコ−ル(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤(多価アルコール脂肪酸(炭素数3〜60)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテル、脂肪酸(炭素数3〜60)アルカノールアミドなど)などが挙げられる。このうち好ましいのは高級アルコール(炭素数8〜18)に直接AOを付加させたもの(分子量500〜10,000)である。
【0026】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数12〜18)アミノプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタインなど]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸など)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、ベタイン型両性界面活性剤である。
【0027】
アニオン界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)カルボン酸またはその塩;
炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸またはその塩、並びにカルボキシメチル化物もしくはその塩[炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩(例えば、ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム)など]、
(2)硫酸エステル塩;
高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪酸アルコールの硫酸エステル塩など)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)、並びに硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)、
(3)スルホン酸塩;
アルキル(炭素数8〜22)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜22)ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキル(炭素数6〜20)エステル塩、α−オレフィン(炭素数8〜22)スルホン酸塩、並びにイゲポンT型など、
(4)リン酸エステル塩;
高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物(1〜10モル)リン酸エステル塩、並びにアルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など。
【0028】
なお、上記(1)〜(4)の塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩[アルカノールの炭素数2〜8のモノアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、モノブタノールアミン塩など)、ジアルカノールアミン塩(ジエタノールアミン塩など)、トリアルカノールアミン塩(トリエタノールアミン塩など)]が挙げられる。
【0029】
高分子乳化分散剤としては、ナフタレンスルホン酸(塩)のホルマリン縮合物(重合度3〜1000)、ポリビニルアルコールおよびポリアルキレンポリアミンなどで、数平均分子量500〜100,000のものが挙げられる。
【0030】
(F)としては可溶化デンプン(Mn1,000〜1,000,000)、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース(Mn1,000〜1,000,000)など;
(G)としてはポリエチレングリコール(Mn1,000〜100,000)、ロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなど)、炭素数15以上の炭化水素(パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなど)、炭素数12〜22の高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、炭素数12〜22の高級アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコールなど)などが挙げられる。
【0031】
本発明の水処理用薬剤組成物における、水および(D)〜(G)の使用量は、(A)[必要により使用される(B)および/または(C)の合計も含む]の有効成分重量に基づいて、組成物が液状(水性分散体状、溶液状)の場合、水および/または(D)は通常10%以上、好ましくは50〜1,000%、(E)は、通常、有効成分で1〜750%、好ましくは10〜500%である。
組成物が粉体の場合、(F)は、通常、有効成分で10〜1,000%、好ましくは30〜500%、(E)は、通常、有効成分で1〜1,000%、好ましくは10〜500%である。
また、組成物がブロック状固形体の場合は、(G)は、通常、有効成分で10〜1,000%、好ましくは30〜500%であり、(E)は、通常、有効成分で1〜1,000%、好ましくは10〜500%である。
【0032】
また、本発明の水処理用薬剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに必要によりその他の添加剤として消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防藻剤、(A)以外のスライムコントロール剤および腐蝕防止剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を加えることができる。
消泡剤としてはシリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、金属石鹸(炭素数12〜22、たとえばステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム)など;pH調整剤としては苛性アルカリ(苛性ソーダなど)、アミン(モノ−、ジ−およびトリエタノールアミンなど);酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など];硫黄系[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など];リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など];アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]など;紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど]、アクリル系[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど]など;抗菌剤としては、イソチアゾロン系化合物、ハロゲン化脂肪族ニトロ化合物(2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールなど)およびこれらのエステル、ジブロモニトリルプロピオンアミド、アルキレンビスチオシアネート(メチレンビスチオシアネートなど)、1,4−ビスブロモアセトキシ−2−ブテン、ヘキサブロモジメチルスルホン、イソフタロニトリル化合物(5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、テトラクロロイソフタロニトリルなど)、ジメチルジチオカルバメート、4,5−ジクロロ−1,2−ジオール−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、トリヨードアリルアルコール、ブロモニトロスチレン、アルデヒド化合物(グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなど)、ジクロログリオキシム、ベンズアルドキシム化合物(α−クロロベンズアルドキシム、α−クロロベンズアルドキシムアセテートなど)、ハロゲン化ヒダントイン化合物(1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインなど)など;防藻剤としてはアメリントンなど;(A)以外のスライムコントロール剤としては有機臭素系化合物、チオシアネート系化合物、ジチオール系化合物、環状窒素硫黄系化合物、イソチアゾリン系化合物、並びに前記一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩における第4級アンモニウム基と超強酸以外のアニオンから構成される第4級アンモニウム塩(A’)が挙げられ、超強酸以外のアニオンとしては、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)アニオンが挙げられる。
(A’)の具体例としては、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライドなど)、1つの長鎖アルケニル基を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウムクロライドなど)、2つの長鎖アルキル基を有するもの(ジメチルジデシルアンモニウムクロライドおよびジメチルジドデシルアンモニウムブロマイドなど)、およびアリールアルキル基を有するもの(ジメチルデシルベンジルアンモニウムクロライドなど)が挙げられる。;腐蝕防止剤としては、トリアゾール化合物(トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールなど)、モリブデン酸、タングステン酸、珪酸、亜硝酸およびこれらの塩、塩化亜鉛、塩酸酸性塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リグニンスルホン酸亜鉛並びにヒドラジンなどが挙げられる。
【0033】
上記その他の添加剤の使用量は、本発明における(A)[必要により使用される(B)および/または(C)の合計も含む]の有効成分重量に基づいて、消泡剤は通常10%以下、好ましくは1〜3%;pH調整剤は通常20%以下、好ましくは1〜10%;酸化防止剤および紫外線吸収剤は通常それぞれ10%以下、好ましくは0.1〜5%;抗菌剤、防藻剤および腐蝕防止剤は通常それぞれ1〜10,000%、好ましくは2〜5,000%、さらに好ましくは5〜900%;(A’)は好ましくは有効成分で50%以下、さらに好ましくは30%以下である。
【0034】
本発明の組成物が水性分散体の場合の製造方法としては、例えば(A)1〜80部、好ましくは5〜60部を融点以上(例えば30〜90℃)に加熱して融解し、必要により(D)を0〜50部、好ましくは0〜30部および(E)を有効成分で1〜120部、好ましくは5〜90部を添加して均一に混合、溶解した後、よく攪拌しながら必要により水(水道水、イオン交換水いずれでもよい)並びに(B)および/または(C)を合計で通常1〜400部、好ましくは5〜250部加えて水性分散体(水を加えない場合は油状体)を得る方法が挙げられる。
本発明の組成物における(A)の有効成分濃度は好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは3〜15重量%である。
本発明の組成物は、水性分散体もしくは油状体のまま、もしくは必要によりさらに水で希釈して用いられる。
【0035】
本発明の組成物が粉体もしくはブロック状固形体の場合の製造方法としては、例えば(A)を通常1〜70部、好ましくは10〜60部を30〜90℃に加熱して融解し、必要により(E)1〜60部、好ましくは5〜50部を添加して均一に混合、溶解し、必要により(B)および/または(C)を合計で、通常0〜50部、好ましくは0〜30部を加えて、均一に混合した後、(F)もしくは(G)30〜120部、好ましくは40〜100部をよく攪拌しながら加えて30〜90℃で融解し、成型型枠内に流し込み、冷却固化後、型枠から外してブロック状固形体を得る方法、またはさらに粉砕機で粉砕する方法などが挙げられる。粉体もしくはブロック状固形体中の(A)の有効成分濃度は通常1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%である。
上記、粉体もしくはブロック状固形体はそのまま処理すべき水に投入するか、必要によりプラスチック製容器や不織布などの布製袋に入れ、処理すべき水系ラインの一部に設置することにより、薬剤が徐々に溶解してスライムコントロール性とスケール防止性を発揮させるような使い方ができる。
【0036】
本発明の水処理用薬剤組成物は、処理対象の水系に対し、4級アンモニウム塩(A)が、有効成分濃度で通常0.01〜1,000mg/L、スライムコントロール性と経済性の観点から好ましくは0.1〜100mg/Lとなるような濃度で添加される。
【0037】
本発明の水処理用薬剤組成物の対象となる用途は特に限定されない、例えば、各種工業用冷却水(開放循環式冷却水、密閉循環式冷却水など)、各種工業用水(工業用プロセス水など)、製紙工業用水、工業排水および循環式浴槽用水など、スライムコントロール性やスケール防止性が求められる対象水系の水処理などに広く用いられる。
【0038】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の%は重量%、部は見かけの重量部を示す。
【0039】
実施例1
加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの82.5%メタノール溶液100部を仕込み、30〜60℃に昇温した後、その温度に保ちながら42%四フッ化硼素酸水溶液43部を2時間かけて徐々に滴下した。その後、さらに同温度で1時間熟成した。引き続き同温度で5時間静置した後、下層(水層)を除いた後、上層を減圧下に60〜80℃に加熱してメタノールを除去し、ジメチルジn−デシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩(A1)85部を得た。(A1)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0040】
実施例2
ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートをトリメチルヘキサデシルアンモニウムメチルカーボネートに代え、その仕込み量を90部にしたこと以外は実施例1と同様にして、トリメチルヘキサデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩(A2)76部を得た。
(A2)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0041】
実施例3
ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートをラウリルジメチルベンジルアンモニウムメチルカーボネートに代え、その仕込量を94部にしたこと以外は実施例1と同様にして、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩(A3)80部を得た。
(A3)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0042】
実施例4〜9
撹拌機を備えたステンレス製容器に、表1記載の(A)を50部および表1記載の(E)を表1記載の部数仕込み、混合して溶解(必要により70〜80℃で加熱溶解)させた。
さらに攪拌しながら水、および必要により表1記載の(C)および/または(B)を表1記載の部数加えて乳化分散して水性分散体とし、本発明の水処理用薬剤組成物(X1)〜(X6)を得た。
【0043】
実施例10
実施例4と同様の容器に、(A1)50部、R−EO19を25部およびPEG90部を仕込み、70〜80℃で均一に融解する。同温度で成型型枠内に流し込み、冷却固化後、型枠から成形物をはずし、(A1)を30%含有する本発明の水処理用薬剤組成物(ブロック状固形体)(X7)を得た。
【0044】
下記表1および表2に記載の配合物の略号は以下の通り。
DDCL:ジメチルジn−デシルアンモニウムクロライド50%水溶液
EDTA:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
PSA−8,000:ポリアクリル酸ソーダ(Mn8,000)40%水溶液
PSA−2,000:ポリアクリル酸ソーダ(Mn2,000)40%水溶液
PMA:ポリマレイン酸(Mn1,000)40%水溶液
DDAC:ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム29%水溶液
CABT:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン30%水溶液
LABT:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン36%水溶液
R−EO19:ポリオキシエチレン(EO19モル)アルキル(炭素数14〜1 5)エーテル
PEG:ポリエチレングリコール(Mn4,000)
【0045】
【表1】
Figure 0003895280
【0046】
比較例1〜3
実施例4と同様の容器に、表2記載のDDCLを100部および必要により表2記載の(E)を表2記載の部数仕込み、混合して溶解(必要により70〜80℃で加熱溶解)させた。
さらに攪拌しながら水、および必要により表2記載の(C)を表1記載の部数加えて比較例の水処理用薬剤組成物(Y1)〜(Y3)を得た。
なお、(Y3)は水溶液であった。
また、DDCLの固形分当たりの遊離塩素含量は9.8%であった。
【0047】
【表2】
Figure 0003895280
【0048】
上記で得られたX1〜X7とY1〜Y3について、各種性能評価を実施した。
<水処理用薬剤組成物のスライムコントロール性評価>
スライムコントロール性を最小殺菌濃度(MBC)試験により評価した。即ち、培地として普通ブイヨン液体培地を用い、厚生省が発表した消毒薬検査指針(1952年)に準じて最小殺菌濃度を測定した。
X1〜X7とY1〜Y3をそれぞれ第4級アンモニウム塩濃度が500、250、125、63、32ppmとなるように滅菌水を用いて希釈し、それぞれ0.5mlづつをワッセルマンチューブに採取した。
普通ブイヨン液体培地を用いて一晩37℃で培養した大腸菌液100μlを滅菌生理食塩水100mlに加えよく振とうする(この時の菌数は105〜106cfu/mlであった)。均一に混和した供試菌液4.5mlを先の薬剤希釈液0.5ml入りのワッセルマンチューブに加え、軽く振とうする。
供試菌を加えた後、1、2.5、5、10分後に1白金耳を普通ブイヨン培地に殖菌し、37℃、24時間振とう培養し、培養後に菌の発育有無を判定する。結果を表3に示す。
表3から、本発明の水処理用薬剤組成物X1〜X7はスケール防止剤未添加の組成物Y3と同等の殺菌力であり、従来の4級アンモニウム塩水処理用薬剤組成物Y1またはY2と比べ優れた殺菌性、即ち、優れたスライムコントロール性を示すことがわかった。
【0049】
【表3】
Figure 0003895280
【0050】
<水処理用薬剤組成物のスケール防止性評価>
イオン交換水500mlに塩化カルシウムをCaCO3換算で250ml/L、炭酸水素ナトリウムをCaCO3換算で250mg/L加え、水処理用薬剤組成物0.05g(スケール防止剤として20ppm)加えた後、水酸化ナトリウムと塩酸でpH8.5に調整した。この試験液をガラス製サンプル瓶に入れ、蓋をした後60℃、20時間、恒温槽で静置した。その後、析出した炭酸カルシウムを0.1μmミリポアフィルターで濾別し、ろ液中に残存しているカルシウム濃度を原子吸光法で測定した。
結果を表4に示す。
表4から、本発明の水処理用薬剤組成物X1〜X7は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3と比べ優れたスケール防止性を有することがわかる。
【0051】
【表4】
Figure 0003895280
【0052】
<水処理用薬剤組成物の泡立ち性評価1>
JIS K 3362(合成洗剤試験方法)記載の「気泡力と泡の安定度(ロス・マイルス法)」に準じて泡立ち性を評価した。
水処理用薬剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を0.01%含有する試験液とした。ロス・マイルス法で試験した時の、直後と5分後の泡高さを表5に示す。
表5から、本発明の水処理用薬剤組成物X1〜X7は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3と比べ泡立ちが極めて少ないことがわかる。
【0053】
【表5】
Figure 0003895280
【0054】
<水処理用薬剤組成物の泡立ち性評価2>
冷却水塔での実使用を想定した泡立ち性を比較評価した。
水処理用薬剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を10ppm含有する試験液とし、試験液50mlを100mlメスシリンダーに取り、30回激しく浸透した直後の泡高さを測定した。泡高さを表6に示す。
表6から、本発明の水処理用薬剤組成物X1〜X7は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3と比べ泡立ちが極めて少ないことがわかる。
【0055】
【表6】
Figure 0003895280
【0056】
<水処理用薬剤組成物の皮膚刺激性評価>
Draize法に基づく皮膚一次刺激性試験を行った。
即ち、モルモットによる10%水溶液原液開放塗布試験を行い、24時間後、下記判定基準で評価した。
(皮膚刺激性判定基準)
◎:無刺激
○:軽度の刺激
△:中程度の刺激
×:強度の刺激
結果を表7に示す。
表7から、本発明の水処理用薬剤組成物X1〜X7は従来の水処理用薬剤組成物Y1〜Y3と比べ皮膚刺激性が少ないことがわかる。
【0057】
【表7】
Figure 0003895280
【0058】
<水処理用薬剤組成物の金属腐食性評価>
鋼板(20×100×1mm)を中性洗剤を用いてスポンジで洗浄し、トルエン、アセトンの順にそれぞれ1時間浸せきした後、風乾した。水処理用薬剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を0.5重量%含有する水希釈液を作成した。この水希釈液に洗浄、風乾した鋼板を半浸せきし、経時における発サビ状況を観察した。結果を表8に示す。
表8から、本発明の水処理用薬剤組成物X1〜X7は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3と比べ金属腐食性が極めて少ないことがわかる。
【0059】
【表8】
Figure 0003895280
【0060】
【発明の効果】
本発明のスライムコントロール剤および水処理用薬剤組成物は、下記の効果を奏することから極めて有用である。
(1)優れたスライムコントロール性を有する。
(2)水処理用薬剤組成物が、スライムコントロール剤の他にキレート化剤および/またはスケール防止剤を含有する場合であっても、スライムコントロール性とスケール防止性が共に優れる。
(3)低泡性である。
(4)皮膚刺激性が極めて少なく、安全性が高い。
(5)金属腐食性が極めて少ない。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表される第4級アンモニウム塩(A)及びスケール防止剤(C)を含有してなることを特徴とする水処理用薬剤組成物。
    Figure 0003895280
    (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なる、炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、R4は炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、X-は超強酸のアニオンを表す。)
  2. (A)の重量に基づく遊離塩素含量が100ppm以下である請求項1記載の水処理用薬剤組成物。
  3. 一般式(1)におけるX-を構成する超強酸が−12.00以下のHammett酸度関数(H0)を有する請求項1または2記載の水処理用薬剤組成物。
  4. 超強酸がプロトン酸とルイス酸との組み合わせからなる請求項1〜3いずれか記載の水処理用薬剤組成物。
  5. さらに、キレート化剤(B)、水、溶剤、乳化分散剤、粉末化剤および固形化剤からなる群から選ばれる1種以上を含有してなる請求項1〜4のいずれか記載の水処理用薬剤組成物。
  6. (B)がヒドロキシカルボン酸(塩)、アミノカルボン酸(塩)および縮合リン酸(塩)からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項5記載の組成物。
  7. (C)がポリカルボン酸(塩)および/またはホスホン酸(塩)である請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
  8. (A)/〔(B)+(C)〕の有効成分重量比が10/90〜50/50である請求項5〜7いずれか記載の組成物。
  9. さらに、消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防藻剤および腐蝕防止剤からなる群から選ばれる1種または2種以上を加えてなる請求項1〜8いずれか記載の組成物。
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