[go: up one dir, main page]

JP3817940B2 - 工業用抗菌剤組成物 - Google Patents

工業用抗菌剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP3817940B2
JP3817940B2 JP31481598A JP31481598A JP3817940B2 JP 3817940 B2 JP3817940 B2 JP 3817940B2 JP 31481598 A JP31481598 A JP 31481598A JP 31481598 A JP31481598 A JP 31481598A JP 3817940 B2 JP3817940 B2 JP 3817940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
agent composition
antibacterial agent
industrial antibacterial
ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31481598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000143410A (ja
Inventor
裕之 鈴木
若子 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP31481598A priority Critical patent/JP3817940B2/ja
Publication of JP2000143410A publication Critical patent/JP2000143410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3817940B2 publication Critical patent/JP3817940B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用抗菌剤組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、有効成分として、ハロシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドとを含有し、水処理用殺菌剤、製紙用スライムコントロール剤、一般工業用防腐剤などとして好適に用いることができる安定性に優れた工業用抗菌剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙パルプ工業分野における抄紙工程や、各種産業分野における循環冷却水などの各種の用水、水性塗料、紙用塗工液、接着剤や塗料用の樹脂エマルション、ラテックスエマルション、切削油の製造などに用いられる水は、有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となり、作業環境を悪化させている。これらの微生物の繁殖の防止や殺菌のために、数多くの工業用抗菌剤が用いられている。このような工業用抗菌剤は、適用にあたって液体組成物として貯蔵、運搬されることが多い。
これらの工業用水における有害微生物の発生を抑制ないしは防除する工業用抗菌剤の一つとして、ハロシアノアセトアミドがよく知られている。しかし、ハロシアノアセトアミドの溶液は、一般に化学的安定性が必ずしも良好であるとは言えず、熱分解、加水分解、光分解などの分解を起こしやすい。このために、比較的短期間のうちに有効成分が減少し、工業用抗菌剤としての効果が小さくなるという欠点がある。
ハロシアノアセトアミドの分解を抑えるための安定性改善について、従来からさまざまな研究が行われている。例えば、特公昭53−5375号公報には、ハロシアノアセトアミドを含む安定な液体濃厚組成物として、平均分子量134〜600のポリエチレングリコールモノ又はその低級アルキルエーテル溶液が提案されている。また、特開平5−331006号公報には、ジブロモシアノアセトアミドの安定性を改善し、長期間にわたって薬効が持続する防菌防カビ組成物として、ジブロモシアノアセトアミドをプロピレンカーボネートに配合してなる組成物が提案されている。
また、他の有用な工業用抗菌剤の一つとして、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドがよく知られているところであり、例えば、米国特許第3,928,198号明細書には、相乗的な効果を発揮して工業用水中におけるスライムの成長を抑制する組成物として、ジブロモシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドを含有する組成物が提案されている。しかし、ハロシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドとを混合して製剤化すると、例えば、プロピレンカーボネートを単一溶媒として用いて製剤化した場合や、あるいは、グリコール系化合物を単一溶媒として用いて製剤化した場合、短時間に両成分が分解し、特にハロシアノアセトアミドは極めて容易に分解する。
このように、従来の技術では、ハロシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドとを混合して、その両成分を長期間安定に製剤化することは困難であった。工業用抗菌剤は、一般的に液体組成物の形で、製造され、貯蔵され、運搬され、使用される。従って、温度変化などのさまざま条件下において、長期間にわたって安定性を維持することができる工業用抗菌剤が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有効成分として、ハロシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドとを含有し、水処理用殺菌剤、製紙用スライムコントロール剤、一般工業用防腐剤などとして好適に用いることができる安定性に優れた工業用抗菌剤組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、溶剤としてアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルとプロピレンカーボネートとを用いて、ハロシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドとを溶解することにより、両成分ともに安定性が著しく向上することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド、(B)3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、(C)一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテル及び(D)プロピレンカーボネートを含有することを特徴とする工業用抗菌剤組成物、
【化2】
Figure 0003817940
(ただし、式中、X1はハロゲンであり、X2は水素又はハロゲンであり、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
H−(OCn2n)m−OR2 …[2]
(ただし、式中、R2は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは2又は3であり、mは1〜6である。)、及び、
(2)一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドが、ジブロモシアノアセトアミドである第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)一般式[2]で表されるアルキレングリコールが、ジエチレングリコールである第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
(4)一般式[2]で表されるオキシアルキレンエーテルが、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテルである第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
(5)一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドの含有量が、5〜50重量%である第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
(6)3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの含有量が、0.5〜20重量%である第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
(7)一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルの含有量が30〜90重量%である第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
(8)プロピレンカーボネートの含有量が、2〜50重量%である第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
(9)3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド1重量部に対して、一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドの含有量が0.25〜100重量部である第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、及び、
(10)プロピレンカーボネート1重量部に対して、一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルの含有量が0.6〜40重量部である第(1)項記載の工業用抗菌剤組成物、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の工業用抗菌剤組成物は、(A)一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド、(B)3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、(C)一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテル及び(D)プロピレンカーボネートを含有する。
【化3】
Figure 0003817940
H−(OCn2n)m−OR2 …[2]
一般式[1]において、X1はハロゲンであり、X2は水素又はハロゲンであり、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。一般式[2]において、R2は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは2又は3であり、mは1〜6である。本発明に用いる一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドにおいて、X1及びX2で表されるハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを挙げることができる。X2がハロゲンである場合、X1とX2は、同一であってもよく、また異なっていてもよい。X1及びX2で表されるハロゲンは臭素であることが好ましく、X1とX2が共に臭素であることが特に好ましい。
【0006】
1で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基を挙げることができる。R1は、水素又はメチル基であることが好ましく、水素であることが特に好ましい。
一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドとしては、例えば、モノクロロシアノアセトアミド、モノブロモシアノアセトアミド、ジクロロシアノアセトアミド、ジブロモシアノアセトアミド、モノクロロモノブロモシアノアセトアミド、N−メチルジブロモシアノアセトアミドなどを挙げることができる。これらの中で、ジブロモシアノアセトアミドを特に好適に用いることができる。
本発明の工業用抗菌剤組成物において、一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドの含有量は5〜50重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることがより好ましい。一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドの含有量が5重量%未満であると、殺菌力が不足するおそれがある。一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドの含有量が50重量%を超えると、工業用抗菌剤組成物の安定性が損なわれるおそれがある。
本発明の工業用抗菌剤組成物において、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの含有量は0.5〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの含有量が0.5重量%未満であると、殺菌力が不足するおそれがある。3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの含有量が20重量%を超えると、工業用抗菌剤組成物の安定性が損なわれるおそれがある。
【0007】
本発明に用いる一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルにおいて、R2で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などを挙げることができる。R2が炭素数1〜4の低級アルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。一般式[2]において、nは2又は3であり、OCn2nで表される基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシトリメチレン基を挙げることができる。これらの中で、nが2であるオキシエチレン基が特に好ましい。一般式[2]において、mは1〜6であり、mが1又は2であることが好ましい。
一般式[2]で表されるアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどを挙げることができる。一般式[2]で表されるオキシアルキレンエーテルとしては、例えば、、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのトリエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのトリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどを挙げることができる。
【0008】
これらのアルキレングリコール及びオキシアルキレンエーテルは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。さらに、mが4〜6であるポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル混合物を単独で、あるいは、他の一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルと組み合わせて用いることもできる。これらの中で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル及びジエチレングリコールモノアルキルエーテルを好適に用いることができる。
本発明の工業用抗菌剤組成物において、一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルの含有量は、30〜90重量%であることが好ましく、40〜70重量%であることがより好ましい。一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルの含有量が30重量%未満であると、工業用抗菌剤組成物の安定性が損なわれるおそれがある。一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルの含有量が90重量%を超えると、有効成分としての一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの濃度が低くなり、抗菌力が不足するおそれがある。
【0009】
本発明の工業用抗菌剤組成物において、プロピレンカーボネートの含有量は2〜50重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましい。プロピレンカーボネートの含有量が2重量%未満であっても、50重量%を超えても、一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドが分解しやすくなり、工業用抗菌剤組成物の安定性が損なわれるおそれがある。
本発明の工業用抗菌剤組成物において、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド1重量部に対して、一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドの含有量が0.25〜100重量部であることが好ましく、1〜40重量部であることがより好ましい。3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド1重量部当たり、一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド0.25〜100重量部を含有するとき、工業用抗菌剤組成物として非常に優れた抗菌作用が発揮される。
本発明の工業用抗菌剤組成物において、プロピレンカーボネート1重量部に対して、一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルの含有量が0.6〜40重量部であることが好ましく、2〜14重量部であることがより好ましい。プロピレンカーボネート1重量部当たり、一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテル0.6〜40重量部を含有するとき、本発明の工業用抗菌剤組成物は非常に優れた安定性を示す。
【0010】
本発明の工業用抗菌剤組成物には、必要に応じて公知の添加剤、例えば、他の抗菌剤、界面活性剤、酸化防止剤などを添加することができる。他の抗菌剤としては、例えば、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−オクチル−3−イソチアゾロン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、ジヨードメチル−p−トリルスルホン、ジヨードメチル−p−クロロフェニルスルホン、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン、メチレンビスチオシアネート、o−フタルアルデヒド、ジクロログリコキシム、α−クロロベンズアルドキシム、α−クロロベンズアルドキシムアセテート、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソアセトヒドロキシモイルクロライド、ヘキサブロモジメチルスルホン、2−(ブロモメチル)グルタロニトリル、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)プロパン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテンなどを挙げることができる。
界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤を挙げることができる。これらの中で、ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤を好適に用いることができる。ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンのブロック共重合物などを挙げることができる。また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルフォン酸金属塩などを挙げることができ、金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン、N,N'−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などを挙げることができる。
上記の公知の添加剤は、本発明の工業用抗菌剤組成物100重量部に対して、0.1〜5重量部の割合で添加することが好ましい。
【0011】
本発明の工業用抗菌剤組成物の使用方法に特に制限はなく、対象、目的などに応じて適当な方法を選択することができ、例えば、滴下法、間欠添加法、塗布法、噴霧法、浸漬法などを適宜使用することができる。本発明の工業用抗菌剤組成物の添加量に特に制限はないが、対象となる工業用水系などに対して、通常は有効成分である一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの合計濃度が0.1〜1,000ppmであることが好ましく、1〜500ppmであることがより好ましい。
本発明の工業用抗菌剤組成物は、製紙工程における白水、合成高分子エマルション、顔料、塗料、印刷版用処理液、接着剤、冷却用水、インキ、切削油、不織布、紡糸油、皮革などの用途に用いることができ、各成分に相乗的な効果を発揮させることができる。本発明の工業用抗菌剤組成物は、製紙工程におけるスライムコントロール剤として特に好適に使用することができる。
本発明の工業用抗菌剤組成物は、ハロシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの両成分ともに安定性が著しく良好であり、取り扱いが容易で、優れた抗菌効果を示す。また、本発明の工業用抗菌剤組成物は、長期間分解することなく安定に貯蔵、運搬することができ、各種の殺菌用途、特に製紙用スライムコントロール剤として効果的に用いることができる。
【0012】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例においては、調製した工業用抗菌剤組成物100gを、容量120mlの共通摺合わせ細口無色ガラス製試薬びんに入れて密封し、60℃に保った恒温器中に30日間保管したのち、高速液体クロマトグラフィーにより、ジブロモシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの濃度を測定し、それぞれの残存率を算出した。
実施例1
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル50重量部及びプロピレンカーボネート20重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は97.5重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は96.4重量%であった。
実施例2
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル50重量部及びプロピレンカーボネート20重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は95.5重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は98.5重量%であった。
実施例3
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部、ジエチレングリコール50重量部及びプロピレンカーボネート20重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は98.1重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は98.5重量%であった。
実施例4
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテル20重量部、ジエチレングリコール30重量部及びプロピレンカーボネート20重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は99.0重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は100.0重量%であった。
【0013】
比較例1
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部及びジエチレングリコールモノメチルエーテル70重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は75.4重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は80.5重量%であった。
比較例2
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部及びジエチレングリコールモノエチルエーテル70重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は78.2重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は82.2重量%であった。
比較例3
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部及びジエチレングリコール70重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は65.0重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は78.5重量%であった。
比較例4
ジブロモシアノアセトアミド25重量部、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド5重量部及びプロピレンカーボネート70重量部を配合して、工業用抗菌剤組成物を調製した。
この工業用抗菌剤組成物を60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミドの残存率は88.8重量%であり、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率は54.2重量%であった。
実施例1〜4の配合組成及び評価結果を第1表に、比較例1〜4の配合組成と評価結果を第2表に示す。
【0014】
【表1】
Figure 0003817940
【0015】
【表2】
Figure 0003817940
【0016】
第1表に見られるように、実施例1〜4の工業用抗菌剤組成物は、60℃において30日間保管したとき、ジブロモシアノアセトアミド、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの両成分ともに、95重量%以上の良好な残存率を示し、特に、実施例4の工業用抗菌剤組成物は優れた安定性を示している。
これに対して、第2表に見られるように、比較例1〜4の単一溶媒を用いた工業用抗菌剤組成物では、ジブロモシアノアセトアミドと3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの両者を安定化させることは困難である。特に、比較例1〜3のアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテルを単一溶媒として用いた場合には、ジブロモシアノアセトアミドの残存率が低く、比較例4のプロピレンカーボネートを単一溶媒として用いた場合は、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの残存率が低い。
実施例1〜4の結果から、本発明の工業用抗菌剤組成物は、実際の使用状況を模擬又は加速した高温環境下において、ハロシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの両成分ともに残存率が高く、安定性に優れることが分かる。
【0017】
【発明の効果】
本発明の工業用抗菌剤組成物は、ハロシアノアセトアミド及び3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドの両成分ともに安定性が非常に良好であり、取り扱いが容易で、優れた抗菌効果を示す。また、本発明の工業用抗菌剤組成物は、長期間安定に貯蔵することができ、各種の殺菌用途、特に製紙用スライムコントロール剤として効果的に用いることができる。

Claims (2)

  1. (A)一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミド、(B)3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、(C)一般式[2]で表されるアルキレングリコール又はオキシアルキレンエーテル及び(D)プロピレンカーボネートを含有することを特徴とする工業用抗菌剤組成物。
    Figure 0003817940
    (ただし、式中、X1はハロゲンであり、X2は水素又はハロゲンであり、R1は水素又は炭素数1〜6のアルキル基である。)
    H−(OCn2n)m−OR2 …[2]
    (ただし、式中、R2は水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは2又は3であり、mは1〜6である。)
  2. 一般式[1]で表されるハロシアノアセトアミドが、ジブロモシアノアセトアミドである請求項1記載の工業用抗菌剤組成物。
JP31481598A 1998-11-05 1998-11-05 工業用抗菌剤組成物 Expired - Fee Related JP3817940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31481598A JP3817940B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 工業用抗菌剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31481598A JP3817940B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 工業用抗菌剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000143410A JP2000143410A (ja) 2000-05-23
JP3817940B2 true JP3817940B2 (ja) 2006-09-06

Family

ID=18057945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31481598A Expired - Fee Related JP3817940B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 工業用抗菌剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3817940B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007077246A2 (en) * 2006-01-05 2007-07-12 Basf Se Solvent mixture for preparing water-dilutable liquid concentrate formulation of organic pesticide compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000143410A (ja) 2000-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0523036B1 (en) Anticorrosive microbicide
FI107223B (fi) Jodipropargyyliyhdisteiden ja 1,2-bentsisotiatsolin-3-onin synergistisiä yhdistelmiä sienten ja bakteerien kasvun estämisessä vesinesteissä
JP5422882B2 (ja) 殺菌洗浄剤組成物
JPH09263504A (ja) イソチアゾロン系化合物含有組成物及びイソチアゾロン系化合物の安定化法
JP3817939B2 (ja) 工業用抗菌剤組成物
JP3817940B2 (ja) 工業用抗菌剤組成物
JP4245097B2 (ja) 有害微生物撲滅剤
JP7469529B2 (ja) 殺菌剤組成物
JP6578152B2 (ja) 殺菌効力増強方法および液状殺菌組成物
JPH10114605A (ja) 安定化された工業用殺菌剤
JP3585263B2 (ja) 工業用防菌剤
JP3895280B2 (ja) スライムコントロール剤および水処理用薬剤組成物
JPH07277911A (ja) 殺菌剤組成物およびそれを用いた殺菌方法
JP5663183B2 (ja) トイレ洗浄用組成物
JP3604173B2 (ja) 殺菌剤およびそれを用いた殺菌方法
JP3910672B2 (ja) 安定化された工業用防カビ剤
JP4201885B2 (ja) 有害微生物撲滅剤
JPH05201810A (ja) 工業用殺菌剤
JP2009007306A (ja) 工業用防腐剤組成物
JP4996136B2 (ja) 工業用殺菌剤組成物
JP7365768B2 (ja) 酸性殺菌剤組成物および殺菌効力増強方法
JPH10114771A (ja) 液剤化されたテトラヒドロチオフェン−1,1− ジオキシド 誘導体
JP4145377B2 (ja) 有害微生物撲滅剤
JP2019202976A (ja) 洗浄除菌剤組成物
JP5654892B2 (ja) トイレ用除菌洗浄剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090623

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110623

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120623

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130623

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140623

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees