JP3860549B2 - 殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は殺菌洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、4級アンモニウム塩とアニオン界面活性剤、両性界面活性剤および/または非イオン界面活性剤を併用しても、殺菌性と洗浄性が低下することがなく、皮膚刺激性および金属腐食性がともに少ない殺菌洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、4級アンモニウム塩殺菌剤は殺菌スペクトルが広く即効的な効力を有することから食品工場、病院などの環境殺菌剤として広く使用されている。更に、殺菌性と洗浄性を併せ持った薬剤として4級アンモニウム塩と、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤および/または非イオン界面活性剤を組み合わせた殺菌洗浄剤組成物(特許文献−1および特許文献−2)もよく知られている。
【0003】
【特許文献−1】特開平5−221805号公報
【特許文献−2】特開平7−53995号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、洗浄剤としてアニオン界面活性剤や両性界面活性剤を4級アンモニウム塩殺菌剤と併用した場合は、4級アンモニウム塩殺菌剤と該界面活性剤が錯体を形成するため4級アンモニウム塩殺菌剤の殺菌効力が大幅に低下してしまう問題があった。また、4級アンモニウム塩と錯体を形成しにくい非イオン界面活性剤を洗浄剤として用いる場合であっても、洗浄効果の高いポリオキシエチレンアルキルフェノールやポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン界面活性剤では、4級アンモニウム塩の疎水基と非イオン界面活性剤の疎水基の親和性が強すぎるため4級アンモニウム塩が菌体と接触しにくくなり、4級アンモニウム塩殺菌剤の効力がやはり低下してしまうという問題があった。
更に、4級アンモニウム塩を含む殺菌洗浄剤は皮膚刺激性と金属腐食性がともに強いという問題もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、アニオン界面活性剤(B)、両性界面活性剤(C)および非イオン界面活性剤(D)からなる群から選ばれる1種以上、並びに一般式(1)で表される4級アンモニウム塩(A)からなることを特徴とする殺菌洗浄剤組成物である。
【0006】
【化2】
【0007】
式中、R1およびR2はそれぞれ同一のまたは異なる、炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基、R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基、R4は炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、X-は超強酸のアニオンを表す。
【0008】
【発明の実施の形態】
一般式(1)におけるR1およびR2は炭素数1〜22(好ましくは1〜14)の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油由来のアルコールから水酸基を除いたアルキル基(以下、ヤシ油アルキル基と略記する。)、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。これらのうち、好ましいのは炭素数1〜14、さらに炭素数1〜8、特に炭素数1または2、最も好ましくはメチル基である。また、R1とR2 は同一であっても異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
【0009】
R3は炭素数が1〜22の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基を表す。直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示したものが挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基、フェネチル基など、アリールアルケニル基としてはスチリル基、シンナミル基などが挙げられる。R3のうち好ましくは炭素数が1〜18の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜15のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基、さらに好ましくは炭素数が6〜14の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基である。
【0010】
R4は炭素数8〜22の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。R4のうち好ましくは炭素数8〜18の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基、さらに好ましくは炭素数10〜16の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基である。
【0011】
一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウム基の具体例としては、R3が脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、)、1つの長鎖アルケニル基を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウムおよびメチルジエチルオレイルアンモニウム)、2つの長鎖アルキル基を有するもの(ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウムおよびジメチルジドデシルアンモニウム)が挙げられる。
また、R3 がアリールアルキル基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウムおよびジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
このうち殺菌性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、およびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。
【0012】
一般式(1)においてX-で表されるアニオンを構成する超強酸は、100%硫酸より強い酸強度を有する酸(「超強酸・超強塩基」田部浩三、野依良治著、講談社サイエンティフィック刊、p1参照)であり、Hammettの酸度関数(H0)が100%硫酸の−11.93未満のものであり、プロトン酸、およびプロトン酸/ルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であるが、組み合わせて得られる超強酸の具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン酸、六フッ化砒酸、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、殺菌性および皮膚刺激性の観点から、好ましいのはトリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸である。
【0013】
(A)としては、上記第4級アンモニウム基と上記超強酸で構成されるアニオンX-との任意の組み合わせのものが挙げられる。
(A)のうち、殺菌性と皮膚刺激性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムなどの第4級アンモニウム基とトリフルオロメタンスルホン酸、四フッ化硼素酸および六フッ化リン酸などのHammett酸度関数(H0)が−12.00以下の超強酸との組み合わせである。
【0014】
本発明における(A)の重量に基づく遊離ハロゲン含量(測定法:イオンクロマトグラフィー)は、皮膚刺激性の観点から、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは0〜50ppm、とくに好ましくは0〜10ppmである。
【0015】
(A)の製造方法としては限定はなく公知の方法でよいが、遊離ハロゲン含量の観点から好ましいのは下記の[I]および[II]の方法、操作上の観点からさらに好ましいのは[II]である。
【0016】
[I] 第4級アンモニウム塩〔例えば、一般式(1)における第4級アンモニウム基とハロゲンアニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に前記超強酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩またはカリウム塩など)を加え(第4級アンモニウム塩/超強酸塩の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合して得られる水溶液(イ)を下記(i)および(ii)の工程で精製する。
(i):(イ)に金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸〔総炭素数1〜10のカルボン酸(モノ−およびポリカルボン酸)など〕銀から選ばれる1種以上の化合物(ロ)を、上記第4級アンモニウム塩〔一般式(1)におけるアンモニウム基とハロゲンアニオンからなる塩〕に対し1.1〜1.5当量となる量加えて混合する。析出する塩(ハロゲン化銀)と下層(水層)を分液除去し、さらに上層中の水分を減圧留去した後、析出する塩(アルカリ金属塩および遊離ハロゲン)を熱時濾過で除去する工程。
(ii):(i)で得られた液にハロゲン化水素水溶液(ハ)を加え、70〜80℃で約1時間撹拌混合後、静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る、過剰の銀を除去する工程。
【0017】
[II] 第3級アミンと同当量以上(好ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10〜1,000%)または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当量)し、10〜60℃で1〜3時間撹拌して塩交換する。静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の溶媒を50〜120℃で減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。
【0018】
本発明における(A)は、常温で、通常、固状(ブロック状、ワックス状もしくは粉末状)または液状(粘ちょう液状もしくはペースト状)であり、いずれの形態でもよい。固状の場合の融点は通常25〜90℃である。
【0019】
本発明におけるアニオン界面活性剤(B)としては、以下のものが挙げられる。
(1)カルボン酸またはその塩;
炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和脂肪酸またはその塩、並びにカルボキシメチル化物もしくはその塩[炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩(例えば、ドデカン−1,2−ジオールカルボキシメチルエーテルナトリウム)など](2)硫酸エステル塩;
高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪酸アルコールの硫酸エステル塩など)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)、並びに硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)、
(3)スルホン酸塩;
アルキル(炭素数8〜22)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数8〜22)ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキル(炭素数6〜20)エステル塩、α−オレフィン(炭素数8〜22)スルホン酸塩、並びにイゲポンT型など、
(4)リン酸エステル塩;
高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物(1〜10モル)リン酸エステル塩、並びにアルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など。
【0020】
なお、上記(1)〜(4)の塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)、アンモニウム塩およびアルカノールアミン塩[アルカノールの炭素数2〜8のモノアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、モノブタノールアミン塩など)、ジアルカノールアミン塩(ジエタノールアミン塩など)、トリアルカノールアミン塩(トリエタノールアミン塩など)]が挙げられる。
【0021】
両性界面活性剤(C)としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数12〜18)アミノプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン(例えばラウリルジメチル酢酸ベタインなど)、脂肪酸アミドアルキルベタイン(例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど)、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタインなど]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸など)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、ベタイン型両性界面活性剤である。
【0022】
非イオン界面活性剤(D)としては、たとえば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド(以下AOと略記)[炭素数2〜4例えば、エチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの2種以上の併用](数平均分子量174〜200,000);グリコール類にAOを付加させて得られるポリアルキレングリコール類(数平均分子量110〜6,000)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの2価〜8価またはそれ以上の多価アルコール)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にAOを付加させたもの(分子量288〜30,000)、高級脂肪酸アミドにAOを付加させたもの(分子量243〜30,000)、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにAOを付加させたもの(分子量148〜30,000)など]、および多価アルコ−ル(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤(多価アルコール脂肪酸(炭素数3〜60)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテル、脂肪酸(炭素数3〜60)アルカノールアミドなど)などが挙げられる。このうち好ましいのは高級アルコール(炭素数8〜18)に直接AOを付加させたもの(分子量500〜10,000)である。
【0023】
上記(B)、(C)および/または(D)は、本発明の殺菌洗浄剤組成物を構成する必須成分であるとともに、後述する分散剤としての役割も果たすことができる。
【0024】
本発明における(A)/〔(B)+(C)+(D)〕の重量比は殺菌性と皮膚刺激性の観点から好ましくは90/10〜0.1/99.9、さらに好ましくは60/40〜1/99、特に好ましくは55/45〜10/90である。
また、(B)、(C)および(D)の重量比は、通常、(B)/(C)/(D)=0〜100/0〜100/0〜100である。
(A)との併用において、好ましいのは、(B)、(C)もしくは(D)のみの使用、またはこれらのうちの2種の併用であり、さらに好ましいのは、(B)、(C)もしくは(D)のみの使用である。2種の併用の場合の比率は、通常、それぞれが1〜99%である。
【0025】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、水性分散体(エマルジョンもしくはサスペンジョン)、溶液(低粘度液体もしくはペースト状溶液)または固形体(粉末、板状固体もしくはブロック)のいずれの形態でもよく、その形態に応じ、水、溶剤、分散剤、増粘剤、粉末化剤および/または固形化剤などを含むことができる。
【0026】
溶剤としては、炭素数1〜13の1価アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなど)、炭素数2〜18の多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなど)〕、
多価アルコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど)、炭素数4〜18のエーテル(ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭素数2〜18のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、炭素数2〜25のエステル(蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチルなど)など;
【0027】
分散剤としては、Mn1,000〜100,000の分散剤、たとえばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸塩[アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩など](Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸塩[アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩など](Mn2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールなど;
【0028】
増粘剤としては天然高分子(カラギーナン、デンプンなど)、半合成高分子〔メチルセルロース(Mn5,000〜100,000)、可溶性デンプン、アルギン酸(塩)[アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩など]など〕、合成高分子(Mn1,000〜50,000、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン)、無機物(ベントナイト、コロイダルアルミナなど)など;
【0029】
粉末化剤としては可溶性デンプン、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース(Mn5,000〜100,000)など;
固形化剤としてはポリエチレングリコール(Mn1,000〜100,000)、ロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなど)、炭素数15以上の炭化水素(パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなど)、炭素数12〜22の高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、炭素数14〜22の高級アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコールなど)などが挙げられる。
【0030】
上記添加剤の使用量は、本発明における(A)〜(D)の合計重量に基づいて以下の範囲で使用できる。
水性分散体および溶液の場合は、水および/または溶剤は通常10%以上、好ましくは50〜1,000%、分散剤および増粘剤はそれぞれ通常0.1〜10%、好ましくは0.2〜5%である。
また、固形体のうちの粉体の場合は、粉末化剤は通常10〜99%、好ましくは30〜90%、固形体のうちの粉末以外の場合、固形化剤は通常10〜99%、好ましくは30〜90%である。
【0031】
本発明の殺菌洗浄剤組成物にはさらに、必要により、その他の添加剤として消泡剤、キレート化剤,pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、漂白剤、香料および色素などを加えることができる。消泡剤としては、シリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、炭素数12〜22の金属石鹸(ステアリン酸カルシウムなど)など;キレート化剤としては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸(エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸など)、ポリカルボン酸[マレイン酸、コハク酸など]、不飽和カルボン酸(共)重合体[ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)、イソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)など]、炭素数3〜10のヒドロキシカルボン酸(クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸など)、縮合リン酸(トリポリリン酸、トリメタリン酸など)およびこれらの塩[アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、炭素数1〜20のアルキルアミン(たとえばメチルアミン、エチルアミン、オクチルアミン)塩および炭素数2〜12のアルカノールアミン(たとえばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩など]など;pH調整剤としては、苛性アルカリ(苛性ソーダなど)、アミン(モノ−、ジ−およびトリエタノールアミンなど)、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸など)など;酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など]、硫黄系[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など]、リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など]、アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]など;紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど]、アクリル系[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど]など;防腐剤としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸など;漂白剤としては、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水、過炭酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなど;香料としては、天然香料(バラ油、ジャスミン油、ラベンダー油、レモン油、ムスク油など)、合成香料(リモネン、ファルネソール、シトラール、ローズオキサイドなど)など;および色素としては、青色1号、黄色4号、赤色2号などが挙げられる。
【0032】
上記その他の添加剤の使用量は、本発明における(A)〜(D)の合計重量に基づいて、消泡剤は通常10%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常10〜100%、好ましくは20〜50%、pH調整剤は通常20%以下、好ましくは1〜10%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常10%以下、好ましくは0.1〜5%、漂白剤は通常30%以下、好ましくは1〜20%、香料は通常10%以下、好ましくは1〜3%、色素は通常1%以下、好ましくは0.01〜0.3%である。
【0033】
本発明の組成物の水性分散体または溶液の製造方法としては、たとえば(A)を50〜80℃に加熱して融解し、必要により溶剤を加えて、さらに(B)、(C)および/または(D)を添加して均一に混合、溶解した後、
必要により分散剤および/またはその他の添加剤を加え、よく攪拌しながら水(水道水、イオン交換水いずれでもよい、以下同じ)を加えて水性分散体または溶液〔(A)の濃度は通常1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%〕を得る方法が挙げられる。
上記、水性分散体もしくは溶液は原液もしくは必要によりさらに水または溶剤で希釈した状態で用いられ、殺菌洗浄剤組成物として使用される時の(A)の濃度は通常0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。
【0034】
本発明の組成物の固形体の製造方法としては、例えば(A)を50〜80℃に加熱して融解し、(B)、(C)および/または(D)を添加して均一に混合、溶解した後、粉末化剤もしくは固形化剤をよく攪拌しながら加えて固形体〔(A)の濃度は通常1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%〕を得る方法が挙げられる。
上記固形体は原体もしくは必要によりさらに水または溶剤で溶解、乳化または分散した状態で用いられ、殺菌洗浄剤組成物として使用される時の(A)の濃度は通常0.001〜70重量%、好ましくは0.01〜30重量%である。
【0035】
本発明の殺菌洗浄剤組成物には、さらに必要により(A)以外の殺菌剤(A’)を併用してもよい。(A’)としては、例えば、前記一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩における第4級アンモニウム基と超強酸以外のアニオンから構成される第4級アンモニウム塩(A’)が挙げられ、超強酸以外のアニオンとしては、ハロゲン(塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)アニオンが挙げられる。
(A’)の具体例としては、1つの長鎖アルキル基を有するもの(トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルテトラデシルアンモニウムクロライドなど)、1つの長鎖アルケニル基を有するもの(トリメチルオレイルアンモニウムクロライドなど)、2つの長鎖アルキル基を有するもの(ジメチルジデシルアンモニウムクロライドおよびジメチルジドデシルアンモニウムブロマイドなど)、およびアリールアルキル基を有するもの(ジメチルデシルベンジルアンモニウムクロライドなど)が挙げられる。
(A’)を併用する場合の(A)に対する使用割合は、(A)の重量に基づいて、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下である。
【0036】
本発明の殺菌洗浄剤組成物の用途はとくに限定されず、建物等(医療関連施設、畜産施設、公共施設、食品工場、ホテル、レストラン、食堂、給食センターおよび一般家庭などの床、壁、設備、器具および備品など)の殺菌洗浄剤組成物、トイレ・流し・浴室などの徐溶化殺菌洗浄剤組成物、動物(家畜、ペットなど)、人体および手指の殺菌洗浄剤組成物、繊維(製品)[糸、織物、編物、不織布など]などの殺菌洗浄剤組成物、ベルトコンベア用殺菌潤滑洗浄剤組成物および化粧品(シャンプー、リンス、染毛剤などの頭髪用化粧品、クレンジングフォームなどの洗顔料および口紅などのメーキャップ化粧品など)用殺菌洗浄剤組成物などとして用いることができる。
【0037】
建物等の殺菌洗浄剤組成物として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通常0.001〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%となるように本発明の組成物を水で希釈調整し、床、壁などを希釈液でブラッシングして洗浄した後、水で洗い流すか、ブラッシングできない高所や隙間は発泡機を用いて発泡させた泡状希釈液を吹き付けたり、泡のまま押し込み、一定時間放置した後、水で洗い流すことにより殺菌と洗浄が同時にできる。本発明における4級アンモニウム塩(A)は被洗浄面に吸着されるため殺菌性が持続する。
【0038】
トイレ・流し・浴室などの配管用徐溶化殺菌洗浄剤組成物として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通常1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%となるように本発明の組成物を固形体に成型し、必要により樹脂製などの容器または不織布などの袋に入れて、排水口内もしくは排水口上部に置いておくことにより流水により本発明組成物が徐々に溶解し、配管の殺菌および消臭ができる。
【0039】
動物、人体および手指の殺菌洗浄剤組成物として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%となるように本発明の組成物を水で希釈調整し、該希釈液を掌、タオル、ブラシなどに取り、動物、人体、手指を殺菌洗浄した後、水で洗い流すことにより、殺菌と洗浄が同時にできる。本発明における4級アンモニウム塩(A)は動物の毛に吸着されるため、殺菌性が持続すると同時に、毛に柔軟性と帯電防止性をも付与することができる。
【0040】
繊維(製品)の殺菌洗浄剤として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通常0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜3重量%となるように本発明の組成物を水で希釈調整し、該希釈液を洗濯機などの洗浄機で通常の洗剤と同様に洗浄、濯ぎをすることにより、殺菌と洗浄が同時にできる。本発明における4級アンモニウム塩(A)は繊維(製品)に吸着されるため、殺菌性が持続し、悪臭発生を防ぐことができ、繊維(製品)に柔軟性と帯電防止性をも付与することができる。
【0041】
ベルトコンベア用殺菌潤滑剤洗浄剤組成物として用いる場合は、本発明における(A)の濃度が通常0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%となるように本発明の組成物を水または溶剤で希釈、溶解、乳化または分散し、該液をベルトコンベアのプレート表面に塗布することにより、ベルトコンベアの殺菌とベルトコンベア上の搬送物の移動時の潤滑性付与を行うことができる。本発明における4級アンモニウム塩(A)は、塩素を含有していないため、コンベアに錆びを発生させることもない。
化粧品用殺菌洗浄剤組成物としては、本発明の組成物を、化粧品中の(A)の濃度が通常0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%となるように添加して用いられる。
【0042】
【実施例】
以下製造例および実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。製造例および実施例中の%は重量%、部は見かけの重量部を示す。
【0043】
製造例1
加熱冷却装置、攪拌機および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートの82.5%メタノール溶液100部を仕込み、30〜60℃に昇温した後、その温度に保ちながら42%四フッ化硼素酸水溶液43部を2時間かけて徐々に滴下した。その後、さらに同温度で1時間熟成した。引き続き同温度で5時間静置した後、下層(水層)を除いた後、上層を減圧下に60〜80℃に加熱してメタノールを除去し、ジメチルジn−デシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩(A1)85部を得た。(A1)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0044】
製造例2
ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートをトリメチルヘキサデシルアンモニウムメチルカーボネートに代え、その仕込み量を90部にしたこと以外は製造例1と同様にして、トリメチルヘキサデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩(A2)76部を得た。
(A2)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0045】
製造例3
ジメチルジn−デシルアンモニウムメチルカーボネートをラウリルジメチルベンジルアンモニウムメチルカーボネートに代え、その仕込量を94部にしたこと以外は製造例1と同様にして、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩(A3)80部を得た。
(A3)の重量に基づく遊離塩素含量は10ppm以下であった。
【0046】
実施例1〜4
撹拌機を備えたステンレス製容器に、表1記載の(A)を50部および表1記載の(B)〜(D)を表1記載の部数仕込み、混合して溶解(必要により70〜80℃で加熱溶解)させた。
さらに攪拌しながら水を表1記載の部数加えて乳化分散して水性分散体とし、本発明の殺菌洗浄剤組成物(X1)〜(X4)を得た。
【0047】
比較例1〜3
実施例1と同様の容器に、ジメチルジn−デシルアンモニウムクロライド50%水溶液(DDCLと略記)を100部および表1記載の(B)もしくは(C)を表1記載の部数仕込み、混合して溶解させた。
さらに攪拌しながら水を表1記載の部数加えて比較例の殺菌洗浄剤組成物(Y1)〜(Y3)を得た。
なお、DDCLの固形分重量に基づく遊離塩素含量は9.8%であった。
【0048】
下記表1に記載の配合原料の略号は以下の通り。
DDCL:ジメチルジn−デシルアンモニウムクロライド50%水溶液
DDAC:ドデカン−1,2−ジオールカルボキシメチルエーテルナトリウム29%水溶液
CABT:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン30%水溶液
LABT:ラウリルジメチル酢酸ベタイン36%水溶液
R−EO19:ポリオキシエチレン(EO19モル)アルキル(炭素数14〜15エーテル)
R−EO10:ポリオキシエチレン(EO10モル)アルキル(炭素数14〜15エーテル)
【0049】
【表1】
【0050】
<殺菌洗浄剤組成物の殺菌性評価>
X1〜X4とY1〜Y3について、殺菌性を最小殺菌濃度(MBC)試験により評価した。即ち、培地として普通ブイヨン液体培地を用い、厚生省が発表した消毒薬検査指針(1952年)に準じて最小殺菌濃度を測定した。
X1〜X4とY1〜Y3をそれぞれ4級アンモニウム塩濃度が33、16.5、8.3、4.1、2.1ppmとなるように滅菌水を用いて希釈し、それぞれ0.5mlづつをワッセルマンチューブに採取した。
普通ブイヨン液体培地を用いて一晩37℃で培養した大腸菌液100μlを滅菌生理食塩水100mlに加えよく振とうした(この時の菌数は105〜106cfu/mlであった。)。均一に混和した供試菌液4.5mlを先の薬剤希釈液0.5ml入りのワッセルマンチューブに加え、軽く振とうした。
供試菌を加えた後、1、2.5、5、10分後に1白金耳を普通ブイヨン培地に殖菌し、37℃、24時間振とう培養し、培養後に菌の発育有無を判定した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
表2から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1〜X4は洗浄剤未添加の殺菌剤(比較例3)と同等の殺菌性を示し、比較例1および2の殺菌洗浄剤組成物と比べ優れた殺菌性を有することがわかる。
<殺菌洗浄剤組成物の洗浄力評価>
X1〜X4とY1〜Y3について、JIS K 3362(合成洗剤試験方法)記載の「台所用合成洗剤の洗浄力評価方法」に準じて洗浄力を試験し、下記式により洗浄力を評価した。結果を表3に示す。
(洗浄力算出式)
洗浄力(%)=〔(W1−W2)/W1〕×100
W1:洗浄前の人工汚れ付着量
W2:洗浄後の人工汚れ付着量
【0053】
【表3】
【0054】
表3から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1〜X4は比較例の殺菌洗浄剤組成物Y1〜Y3と比べ優れた洗浄性を有することがわかる。
<殺菌洗浄剤組成物の皮膚刺激性評価>
X1〜X4とY1〜Y3について、Draize法に基づく皮膚一次刺激性試験を行った。即ち、モルモットによる10%水溶液原液開放塗布試験を行い、24時間後、下記判定基準で評価した。結果を表4に示す。
(皮膚刺激性判定基準)
◎:無刺激
○:軽度の刺激
△:中程度の刺激
×:強度の刺激
【0055】
【表4】
【0056】
表4から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1〜X4は比較例の殺菌洗浄剤組成物Y1〜Y3と比べ皮膚刺激性が少ないことがわかる。
<殺菌洗浄剤組成物の金属腐食性評価>
X1〜X4とY1〜Y3について、鉄腐食性試験を次の方法で行った。
鋼板(20×100×1mm)を中性洗剤を用いてスポンジで洗浄し、トルエン、アセトンの順にそれぞれ1時間浸せきした後、風乾した。殺菌洗浄剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を0.5重量%含有する水希釈液を作成した。この水希釈液に洗浄、風乾した鋼板を半浸せきし、経時における発さび状況を観察した。結果を表5に示す。
(金属腐食性判定基準)
○:鉄さび発生なし
×:鉄さび発生あり
【0057】
【表5】
【0058】
表5から、本発明の殺菌洗浄剤組成物X1〜X4は比較例の4級アンモニウム塩を用いた殺菌洗浄剤組成物Y1〜Y3と比べ金属腐食性が極めて少ないことがわかる。
【発明の効果】
本発明の殺菌洗浄剤組成物は、下記の効果を奏することから極めて有用である。
(1)殺菌性に優れ、かつ洗浄性にも優れる。
(2)殺菌性に優れ、かつ皮膚刺激性が少ない。
(3)金属腐食性が少ない。
(4)殺菌洗浄後の対象物に殺菌性を持続させることができる。
(5)殺菌洗浄後の対象物[繊維(製品)等]に柔軟性および帯電防止性を付与することができる。
Claims (8)
- (A)の重量に基づく遊離塩素含量が100ppm以下である請求項1記載の殺菌洗浄剤組成物。
- 一般式(1)におけるX-を構成する超強酸が−12.00以下のHammett酸度関数(H0)を有する請求項1または2記載の殺菌洗浄剤組成物。
- 超強酸がプロトン酸とルイス酸との組み合わせからなる請求項1〜3いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
- 水性分散体または固形体である請求項1〜4いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
- (A)/〔(B)+(C)+(D)〕の重量比が90/10〜0.1/99.9である請求項1〜5いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
- 更に、溶剤、分散剤、増粘剤、粉末化剤、固形化剤、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、漂白剤、香料および色素からなる群から選ばれる1種以上を含有させてなる請求項1〜6いずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
- 建物用、トイレ・流し・浴室用、動物用、人体用、繊維用、ベルトコンベア用または化粧品用である請求項1〜7のいずれか記載の殺菌洗浄剤組成物。
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