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JP2004149466A - 水処理用薬剤組成物 - Google Patents

水処理用薬剤組成物 Download PDF

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JP2004149466A
JP2004149466A JP2002317436A JP2002317436A JP2004149466A JP 2004149466 A JP2004149466 A JP 2004149466A JP 2002317436 A JP2002317436 A JP 2002317436A JP 2002317436 A JP2002317436 A JP 2002317436A JP 2004149466 A JP2004149466 A JP 2004149466A
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JP
Japan
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acid
carbon atoms
meth
group
water treatment
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Application number
JP2002317436A
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English (en)
Inventor
Katsumi Shinoda
克巳 篠田
Hirotaka Ogasawara
啓隆 小笠原
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

【課題】従来、優れたスライムコントロール性と優れたスケール防止性が両立し、かつ安全で金属腐食もない水処理用薬剤が存在しなかったため、スライムコントロール性とスケール防止性が共に優れ、皮膚刺激性および金属腐食性がなく、泡立ちの少ない水処理用薬剤組成物を得る。
【解決手段】ポリマーアニオンと4級アンモニウムカチオンおよび/または金属、アンモニウムおよびアミン等から選ばれるカチオンからなる特定の塩を含有することを特徴とする水処理用薬剤組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水処理用薬剤組成物に関する。さらに詳しくは、スライムコントロール性能とスケール防止性能が共に優れ、泡立ちが少ない水処理用薬剤組成物、即ち、スライムコントロールおよび/またはスケール防止用薬剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水処理用薬剤は微生物の繁殖を抑えるスライムコントロ−ル剤と、水に溶解していた無機物成分が濃縮されて水に不溶性となって析出するスケールを抑えるキレート化剤および/またはスケール防止剤を併用したものが一般的である(例えば、特許文献1、2、3参照)。
スライムコントロール剤としてはスライム発生の原因となる菌の増殖を抑制する抗菌剤、例えば有機臭素系化合物、チオシアネート系化合物、ジチオール系化合物、環状窒素硫黄系化合物、イソチアゾリン系化合物、4級アンモニウム塩などが知られており、スケール防止剤としてはポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸などのホモポリマーまたはそれらモノマーを共重合したポリアニオンが用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開平3−47593号公報
【特許文献2】
特開平9−323905号公報
【特許文献3】
特開2001−48711号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スライムコントロール剤として用いている有機臭素系化合物はスライムコントロール性が弱く、チオシアネート系化合物は皮膚刺激があり、かつpH8以上では分解して効果がなくなり、ジチオール系化合物は皮膚刺激性と金属腐食性があり、環状窒素硫黄系化合物は加水分解してホルマリンを発生させ、イソチアゾリン系化合物は皮膚刺激性があるなどの問題がある。
また、4級アンモニウム塩は安全性が高く、加水分解もされないが、泡立ちが激しいこと、スケール防止剤と錯塩を形成して、スライムコントロール効果とスケール防止効果が共に低下することおよび塩素を含有しているので金属腐食の問題がある。
本発明の目的は、スライムコントロール性とスケール防止性が共に優れ、皮膚刺激性および金属腐食性がなく、泡立ちの少ない水処理用薬剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される塩(A)を含有することを特徴とする水処理用薬剤組成物である。
[Q・Z・[(Mh+1/hm−n (1)
R[(O)SOH] (2)
R〔(O)[P(=O)(OH)3−y1/y (3)
R(COOH) (4)
〔式(1)中、Zは一般式(2)、(3)および/または(4)で表される酸からHを除いたポリマーアニオン;(Mh+1/hはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびアミンから選ばれるh(1または2)価のカチオン;Rはポリマーのアニオン残基;mは3〜15,000の数、nはn≦mを満足する1以上の整数、xは0または1、yは1または2、zは(3−y)z/y=mを満足する正数;Qは一般式(5)または(6)で示される4級アンモニウムカチオンを表す。
(5)
CH(CH (6)
[式(5)、(6)中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なる、炭素数が1〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、RおよびRは炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を表す。]〕
【0006】
【発明の実施の形態】
一般式(1)におけるQは一般式(5)で表される4級アンモニウムカチオン(Q1)、または一般式(6)で表される4級アンモニウムカチオン(Q2)であり、一般式(5)におけるR、RおよびRは炭素数1〜22(好ましくは1〜14)の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
【0007】
一般式(5)におけるRは炭素数8〜22(好ましくは10〜18)の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
【0008】
一般式(5)で表される4級アンモニウムカチオン(Q1)の具体例としては、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチルオレイルアンモニウム、トリメチル2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチル2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウム、メチルジエチルオレイルアンモニウム、メチルジエチル2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジオレイルアンモニウムなどが挙げられる。
これらのうちスライムコントロール性の観点から好ましいのは、トリメチルヘキサデシルアンモニウムおよびジメチルジデシルアンモニウムである。
【0009】
一般式(6)におけるRは前記Rと同じである。
一般式(6)における4級アンモニウムカチオン(Q2)の具体例としては、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルヘキシルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルオクチルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチル2−エチルヘキサデシルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。
これらのうちスライムコントロール性の観点から好ましいのは、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。
【00010】
、RおよびRの炭素数が22を超える場合、RおよびRの炭素数が8未満の場合、並びにRおよびRの炭素数が22を超える場合はいずれもスライムコントロール性が劣る。
【0011】
一般式(1)におけるZは、一般式(2)、(3)および/または(4)で表される酸〔それぞれ一般式(2)はスルホン酸またはサルフェート、一般式(3)はリン酸またはホスホン酸、一般式(4)はカルボン酸を表す〕からHを除いたポリマーアニオンである。
該ポリマーアニオンのアニオン残基であるポリマーの数平均分子量(以下Mnと略記)はスケール防止性の観点から、好ましくは500〜100万、さらに好ましくは1,000〜50万、とくに好ましくは2,000〜30万であり、対イオンとなる第4級アンモニウムカチオンの当量数(上記の酸基1当量に対し第4級アンモニウムカチオンが置換している当量数)はスライムコントロール性とスケール防止性、並びに水希釈液安定性の観点から、好ましくは0.01〜1当量、さらに好ましくは0.1〜0.95当量、とくに好ましくは0.3〜0.9当量である。
【0012】
対イオンが一般式(1)における第4級アンモニウムカチオン(Q)でない場合のポリマーアニオンの対イオン[一般式(1)における(Mh+1/h]は通常H、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウム、アルキルアミン(炭素数1〜20)、アルカノールアミン(炭素数2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)、および一般式(1)におけるQ以外の第4級アンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなど)などが挙げられる。
これらのうち水希釈液安定性の観点から好ましいのはHおよび/またはアンモニウムである。
【0013】
一般式(1)において、mは3〜15,000の数であり、nはn≦mを満足する1以上の整数である。mが3未満のときはスケール防止性が悪くなり、15,000を超えるとスライムコントロール性が悪くなる。
【0014】
一般式(1)における前記ポリマーとしては、非架橋タイプ(直鎖および分岐タイプ)、部分架橋タイプ[テトラハイドロフラン(THF)不溶解分が50%未満のもの]および架橋タイプ[THF不溶解分が50〜90%のもの]のポリマーが挙げられる。これらのうち本発明の組成物の取り扱い性の観点等から好ましいのは非架橋タイプおよび部分架橋タイプ、さらに好ましいのは非架橋タイプである。
本発明におけるポリマーは下記ビニルモノマーのうち、少なくとも(イ)、(ロ)および/または(ハ)を用いて構成され、(ニ)は必要により用いられる。
(イ)スルホ基またはサルフェート基を有するビニルモノマー
(ロ)リン酸基またはホスホン酸基を有するビニルモノマー
(ハ)カルボキシル基を有するビニルモノマー
(ニ)上記(イ)、(ロ)および/または(ハ)と共重合可能なビニルモノマー
【0015】
上記モノマーの全体量に対する各モノマーのモル%は、水希釈安定性とスケールコントルール性の観点から、好ましくは(イ)、(ロ)はそれぞれ0〜60%、(ハ)は40〜100%、(ニ)は0〜40%、さらに好ましくは(イ)、(ロ)はそれぞれ0〜40%、(ハ)は60〜100%、(ニ)は0〜20%である。
【0016】
上記(イ)のうち、スルホ基含有ビニルモノマーとしては、炭素数4〜25、例えばビニルエチルスルフォン、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホサクシネート、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸)、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸が挙げられる。
【0017】
また、上記(イ)のうち、サルフェート基含有ビニルモノマーとしては、
炭素数5〜30のビニル硫酸モノエステル化物、例えばヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)もしくはポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4;単独付加もしくはランダムおよび/またはブロック付加のいずれでもよい)(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンメタクリレート硫酸エステル化物など]、ポリオキシエチレン多環(2〜4またはそれ以上)フェニルエーテル硫酸エステルなどが挙げられる。
【0018】
上記(ロ)のうち、リン酸基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート]、およびが挙げられ、ホスホン酸基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルカン(炭素数2〜4)ホスホン酸、例えば2−アクリロイルオキシエタンホスホン酸]が挙げられる。
【0019】
上記(ハ)としては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8またはそれ以上)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル;イタコン酸モノアルキル(炭素数1〜8またはそれ以上)エステルなど〕などが挙げられる。
【0020】
(ニ)としては、(イ)、(ロ)および/または(ハ)と共重合可能なモノマーであれば特に限定はなく、下記のものが挙げられる。
【0021】
(a)エポキシ基含有ビニルモノマー
・炭素数6〜15のエポキシ基含有(メタ)アクリレート、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート
【0022】
(b)アミノ基含有ビニルモノマー
・炭素数5〜15の1級、2級アミノ基含有(メタ)アクリレート〔アミノアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリレート、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、アルキル(炭素数1〜6)アミノアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリレート、例えばt−ブチルアミノエチルメタクリレートなど〕
・炭素数3〜10のアミノ基含有アリル化合物〔(メタ)アリルアミンなど〕
・炭素数5〜10のアミノ基含有アクリルアミド〔N−アミノアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、例えばN−アミノエチル(メタ)アクリルアミドなど〕 ・アリルアミン化合物〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アリルアミン、ジアリルアミン〕
【0023】
(c)イソシアネート基含有ビニルモノマー
・脂肪族ビニルモノマー
炭素数5〜15の脂肪族ビニルモノマー[イソシアナートアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリレート、例えばイソシアナートエチル(メタ)アクリレート]
・芳香脂肪族ビニルモノマー
炭素数9〜20の芳香脂肪族ビニルモノマー、例えばm−イソプロペニル−α,α−ジメチルメチルベンジルイソシアネート
(d)水酸基含有ビニルモノマー
・炭素数8〜15の水酸基含有スチレン化合物〔ヒドロキシスチレンなど〕
・炭素数4〜10の水酸基含有(メタ)アクリルアミド〔N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど〕
・炭素数5〜12の不飽和カルボン酸エステル
▲1▼ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリレート〔ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど〕
▲2▼ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)鎖を有する水酸基含有モノマー〔ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート[ポリ(n=10)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートなど]〕
▲3▼ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)不飽和カルボン酸(ジ)エステル[ポリ(n=10)オキシエチレンマレイン酸(ジ)エステルなど]、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)(メタ)アリルエーテル[ポリ(n=10)オキシエチレン(メタ)アリルエーテルなど]〕
・炭素数3〜8のアルコール〔(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1,4−ジオール〕
・炭素数5〜20の水酸基含有エーテル〔ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜6)エーテル、例えば2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、多価アルコール(後述のもの)のアリルエーテル、例えば蔗糖アリルエーテルなど〕
【0024】
(e)加水分解性シリル基含有ビニルモノマー
・炭素数5〜40のビニル〔アルキル(炭素数1〜6)〕アルコキシ(炭素数1〜12)シラン〔ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど〕
・炭素数6〜40の(メタ)アクリロキシアルコキシ(炭素数1〜12)シラン〔γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなど〕
【0025】
(f)ビニル炭化水素
(f1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜18またはそれ以上のオレフィン、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン;炭素数4〜10またはそれ以上のジエン、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン
(f2)脂環式ビニル炭化水素:炭素数4〜18またはそれ以上の環状不飽和化合物、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン
(f3)芳香族ビニル炭化水素:炭素数8〜20またはそれ以上の芳香族不飽和化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン
【0026】
(g)アルキル(メタ)アクリレート
炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート
【0027】
(h)(ポリ)(n=1〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)鎖を有するビニルモノマー
ポリアルキレングリコール(Mn100〜1,000)ジ(メタ)アクリレート、例えばポリエチレングリコール(Mn300)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn500)ジ(メタ)アクリレート;ポリオキシアルキレンモノオール、例えばポリオキシアルキレンアルキル(炭素数1〜18)エーテル(メタ)アクリレート〔メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート〕
【0028】
(i)含窒素ビニルモノマー
(i1)アミド基含有ビニルモノマー
・炭素数3〜20の(メタ)アクリルアミド化合物、例えば(メタ)アクリルアミド;N−アルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリルアミド、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド;N,N−ジアルキル(炭素数1〜6)もしくはジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド
・上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物、例えばメタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、桂皮酸アミド、環状アミド(N−ビニルピロリドンなど)、4級アンモニウム基含有ビニル化合物〔ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドなどの3級アミン基含有ビニル化合物の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネートなどの4級化剤を用いて4級化したもの)〕
(i2)(メタ)アクリレート化合物
炭素数5〜20の(メタ)アクリレート化合物、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート〔ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの3級アミン基含有(メタ)アクリレートの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネートなどの4級化剤を用いて4級化したもの)〕、メチル−α−アセトアミノアクリレートなど
(i3)複素環含有ビニル化合物
ピリジン化合物(炭素数7〜14、例えば4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン)、イミダゾール化合物(炭素数5〜12、例えばN−ビニルイミダゾール)、ピロール化合物(炭素数6〜13のN−ビニルピロールなど)
(i4)ニトリル基含有ビニル化合物
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物、例えば(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート
(i5)その他のビニル化合物
ニトロ基含有ビニル化合物(炭素数8〜16、例えばニトロスチレン)など
【0029】
(j)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン、サルファイド基含有モノマー、不飽和ジカルボン酸ジエステル
(j1) ビニルエステル
・脂肪族ビニルエステル(炭素数4〜15、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート)
・芳香族ビニルエステル(炭素数9〜20、例えばジアリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、アセトキシスチレン)
(j2)ビニルエーテル
・脂肪族ビニルエーテル〔炭素数3〜15、例えばビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル、[ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテルなど]、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル、[ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテルなど]、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタンなど]〕
・芳香族ビニルエーテル(炭素数8〜20、例えばビニルフェニルエーテル、フェノキシスチレン)
(j3)ビニルケトン
・脂肪族ビニルケトン(炭素数4〜25、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン)
・芳香族ビニルケトン(炭素数9〜21 、例えばビニルフェニルケトン)
(j4)サルファイド基含有モノマー
炭素数4〜20のサルファイド基含有モノマー、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド
(j5)不飽和ジカルボン酸ジエステル
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、例えばジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基)等
【0030】
本発明における(A)は例えば以下の方法で製造することができる。
▲1▼ トリアルキル(炭素数1〜22)アミン1モルと等モル以上の炭酸ジエステル(置換基1個の炭素数1〜12)を溶媒の存在下または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させ、この反応物に前記スルホ基、サルフェート基、リン酸基、ホスホン酸基および/またはカルボキシル基を有する前記ポリマーを添加する。
▲2▼ トリアルキルアミン1モルと等モル以上の炭酸ジエステル(上記に同じ)を溶媒の存在下または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させ、この反応物に前記モノマー(イ)、(ロ)および/または(ハ)を添加して得られるテトラアルキルアンモニウム塩(モノマー)を重合するか、もしくはさらに前記モノマー(ニ)を加えて共重合する。
▲3▼ 通常の方法で得られるテトラアルキルアンモニウム塩[ジメチルジデシルアンモニウムクロライド(以下DDACと略記)など]に前記スルホ基、サルフェート基、リン酸基、ホスホン酸基および/またはカルボキシル基を有するを有する前記ポリマーを添加する。
▲4▼ 通常の方法で得られるテトラアルキルアンモニウム塩(上記に同じ)に前記モノマー(イ)、(ロ)および/または(ハ)を添加して得られるテトラアルキルアンモニウム塩(モノマー)を重合するか、もしくはさらに前記モノマー(ニ)を加えて共重合する。
【0031】
上記炭酸ジエステルとしては、置換基1個の炭素数が1〜12のもの、例えばジメチル炭酸、メチルエチル炭酸、ジエチル炭酸、メチル−i−プロピル炭酸、ジ−n−プロピル炭酸、ジ−i−プロピル炭酸、ジ−n−ブチル炭酸、ジ−i−ブチル炭酸、ジ−t−ブチル炭酸、ジ−sec−ブチル炭酸、ジペンチル炭酸、ジヘキシル炭酸、ジオクチル炭酸、ジベンジル炭酸、ジノニル炭酸、ジデシル炭酸、ジドデシル炭酸などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、炭素数1〜4、とくにジメチル炭酸である。
【0032】
一般式(5)におけるR〜R、一般式(6)におけるメチル基、ベンジル基およびRは、上記アミン、第4級アンモニウム塩又は炭酸ジエステルのいずれから由来するものであってもよい。
【0033】
これらの製造法のうち製造のし易さ、泡立ち性および防錆性の観点から、好ましいのは▲1▼および▲2▼である。
(A)の重量に基づく遊離ハロゲン含量(以下、遊離ハロゲン含量と略記。測定法:イオンクロマトグラフィー)は防錆性の観点から、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは0〜50ppm、とくに好ましくは0〜10ppmである。上記製造法のうち、▲1▼および▲2▼では、遊離ハロゲン含量が100ppm以下となることからも好ましい。
【0034】
本発明の組成物における4級アンモニウムカチオン(前記Q1またはQ2)はそれぞれ単独、またはそれらを併用することを特徴とするものである。併用する場合のモル比(Q1/Q2)は通常1/99〜99/1、スライムコントロール性の観点から好ましくは30/70〜70/30である。
【0035】
本発明の組成物には、キレート化剤(B)および/または防錆剤(C)を含有させることができる。
キレート化剤(B)としては、通常のキレート化剤として用いられるものであれば特に限定はなく、ヒドロキシカルボン酸(炭素数2〜12、たとえばグリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸)、アミノカルボン酸(炭素数6〜12、例えばエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン酢酸)、縮合リン酸(トリポリリン酸、テトラリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、ピロリン酸など)およびこれらの塩、さらにジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセトン、グリシンなどが挙げられる。上記の塩としてはアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、亜鉛など)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20、たとえばトリエチルアミン、ヘキサメチレンジアミン)塩、アルカノールアミン(炭素数2〜12、たとえばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩などが挙げられる。
これらのうち、キレート効果の観点から好ましいのは、ヒドロキシカルボン酸(塩)、アミノカルボン酸(塩)および縮合リン酸(塩)からなる群から選ばれる1種または2種以上、さらに好ましいのはアミノカルボン酸(塩)、特に好ましいのはエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩である。
【0036】
防錆剤(C)としては、通常の防錆剤として用いられるものであれば特に限定はなく、トリアゾール化合物(トリアゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールなど)、無機酸[正リン酸、縮合リン酸(ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸など)、モリブデン酸、タングステン酸、珪酸、亜硝酸などの]、ホスホン酸化合物(2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸など)およびこれらの塩、塩化亜鉛、塩酸酸性塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リンタングステン酸亜鉛などが挙げられる。
これらのうち防錆効果の観点から好ましいのは、トリアゾール化合物および/またはホスホン酸化合物、さらに好ましいのは2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸およびヒドロキシエチリデンジホスホン酸である。
【0037】
(B)の使用量は、キレート効果の観点から(A)の重量に基づいて好ましくは1〜100重量%、さらに好ましくは5〜80重量%であり、(C)の使用量は、防食効果の観点から(A)の重量に基づいて好ましくは1〜150重量%、さらに好ましくは5〜100重量%である。
また、(A)と[(B)+(C)]の重量比〔(A)/[(B)+(C)]〕は、スライムコントロール効果の観点から好ましくは99/1〜50/50である。
【0038】
本発明の水処理用薬剤組成物は水溶液、乳化剤、水性分散体、粉体、固形体、油状体、ペースト状体などのいずれの形態でもよく、それぞれの形態に応じ水、溶剤、乳化剤、分散剤、粉末化剤、固形化剤などの助剤を加えることができる。
【0039】
溶剤としては、炭素数1〜18の1価アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなど)、炭素数2〜18の多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなど)〕、多価アルコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど)、炭素数4〜18のエーテル(ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭素数2〜18のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、炭素数2〜25のエステル(蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチルなど)などが挙げられる。
【0040】
乳化剤としてはアニオン界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤などが挙げられ、分散剤としてはアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤およびMn1,000〜100,000の分散剤、たとえばナフタレンスルホン酸(塩)ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールなどが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、たとえばカルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩〔炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのエチレンオキシド(以下、EOと略記)(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩など〕、硫酸エステル塩[高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪酸アルコールの硫酸エステル塩など)]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪酸アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など]が挙げられる。
【0041】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)のプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタインなど]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸など)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。
上記塩としてはアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20)塩、アルカノールアミン(炭素数2〜12、モノ−、ジ−およびトリエタノールアミンなど)塩などが挙げられる。
【0042】
非イオン界面活性剤としては、たとえば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド(炭素数2〜4、例えば、EO、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用)を付加させたもの〔分子量158〜Mn200,000〕;グリコール(炭素数2〜4、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール)にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリアルキレングリコール(分子量150〜Mn6,000)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなど)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量250〜Mn30,000)、高級脂肪酸アミドにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量200〜Mn30,000)、多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量120〜Mn30,000)など]、および多価アルコ−ル(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤[多価アルコール脂肪酸(炭素数3〜60)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテル、脂肪酸(炭素数3〜60)アルカノールアミドなど]などが挙げられる。
【0043】
粉末化剤としては可溶化デンプン(Mn1,000〜1,000,000)、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース(Mn1,000〜1,000,000)など;固形化剤としてはポリエチレングリコール(Mn1,000〜100,000)、ロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなど)、炭素数15以上の炭化水素(パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなど)、炭素数12〜22の高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、炭素数12〜22の高級アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコールなど)などが挙げられる。
【0044】
上記助剤の使用量は、本発明における(A)の重量、または(B)および/または(C)を併用する場合は(A)+(B)+(C)の合計重量に基づいて、水溶液、乳化体、水性分散体、油状体およびペースト状体の場合、水および/または溶剤は通常10%以上、好ましくは50〜1000%、乳化剤は通常1〜500%、好ましくは10〜250%、分散剤は通常1〜500%、好ましくは10〜250%である。粉体の場合、粉末化剤は通常10〜1000%、好ましくは30〜500%、乳化剤は通常1〜500%、好ましくは10〜250%、分散剤は通常1〜500%、好ましくは10〜250%である。固形体の場合、固形化剤は通常10〜1000%、好ましくは30〜500%、乳化剤は通常1〜500%、好ましくは10〜250%、分散剤は通常1〜500%、好ましくは10〜250%である。
【0045】
また、本発明の水処理用薬剤組成物には、さらに必要により本発明の効果を阻害しない範囲で消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防藻剤、並びに本発明における(A)を除くその他のスライムコントロール剤およびその他のスケール防止剤から選ばれる添加剤(D)を加えることができる。
【0046】
消泡剤としてはシリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、金属石鹸(炭素数12〜22、たとえばステアリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウム)など;pH調整剤としては苛性アルカリ(苛性ソーダなど)、アミン(モノ−、ジ−およびトリエタノールアミンなど)、有機酸(クエン酸など)、無機酸(リン酸など)など;酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など];硫黄系[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など];リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など];アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]など;
【0047】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど]、アクリル系[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど;防藻剤としては、トリアジン系化合物(アメトリン、アトラジン、シマジンなど)など;
【0048】
(A)以外のスライムコントロール剤としては、イソチアゾリン系化合物(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなど)、ハロゲン化脂肪族ニトロ化合物(2−ブロモ−2−1,3−プロパンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールなど)およびこれらのエステル、ジブロモニトリルプロピオンアミド、アルキレンビスチオシアネート(メチレンビスチオシアネートなど)、1,4ビスブロモアセトキシ−2−ブテン、ヘキサブロモジメチルスルホン、イソフタロニトリル化合物(5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、テトラクロロイソフタロニトリルなど)、ジメチルジチオカーバメート、4,5−ジクロロ−1,2−ジオール−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、トリヨードアリルアルコール、ブロモニトロスチレン、アルデヒド化合物(グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなど)、ジクロログリオキシム、ベンズアルドキシム化合物(α−クロロベンズアルドキシム、α−クロロアルドキシムアセテートなど)、ハロゲン化ヒダントイン化合物(1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3,−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインなど)、ヒドラジンなど;(A)以外のスケール防止剤としては、縮合リン酸(ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸など)、ホスホン酸(2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸など)などが挙げられる。
【0049】
添加剤(D)の使用量は、本発明における(A)の重量、または(B)および/または(C)を併用する場合は(A)+(B)+(C)の合計重量に基づいて、消泡剤は通常10%以下、好ましくは1〜3%、pH調整剤は通常20%以下、好ましくは1〜10%、酸化防止剤および紫外線吸収剤は通常それぞれ10%以下、好ましくは0.1〜5%、防藻剤、(A)以外のスライムコントロール剤および(A)以外のスケール防止剤は通常それぞれ50%以下、好ましくは1〜25%である。
【0050】
本発明の組成物の水溶液、乳化体、水性分散体、油状体もしくはペースト状体の製造方法としては、例えば本発明における(A)1〜60部、好ましくは5〜30部を50〜80℃に加熱して融解し、必要によりエチレングリコール、プロピレングリコールなどの溶剤1〜60部、好ましくは5〜50部、およびアニオン界面活性剤、両性界面活性剤および/または非イオン界面活性剤を1〜60部、好ましくは5〜50部を添加して均一に混合、溶解した後、よく撹拌しながら必要により水(水道水、イオン交換水いずれでもよい)を加えて乳化体、水性分散体、油状体もしくはペースト状体〔(A)の濃度は通常1〜30重量%〕とした後、必要により(B)および/または(C)を合計で通常1〜60部、好ましくは5〜30部加えて原液を得る方法が挙げられる。
上記、乳化体、水性分散体、油状体もしくはペースト状体は上記原液もしくは必要によりさらに水で希釈した状態で用いられる。
【0051】
本発明の組成物の粉体もしくは固形体の製造方法としては、例えば本発明における(A)を通常1〜70部、好ましくは10〜60部を50〜80℃に加熱して融解し、必要によりアニオン界面活性剤、両性界面活性剤および/または非イオン界面活性剤を通常1〜60部、好ましくは5〜50部を添加して均一に混合、溶解し、必要により(B)および/または(C)を通常1〜60部、好ましくは5〜30部を加えて、均一に混合した後、可溶化デンプンなどの粉末化剤もしくはポリエチレングリコール、ロウ類などの固形化剤を通常30〜99部、好ましくは40〜90部をよく攪拌しながら加えて粉体もしくは固形体の原体〔粉体または固形体中の(A)の濃度は通常1〜70重量%、好ましくは10〜60重量%〕を得る方法が挙げられる。
上記、粉体もしくは固形体は原体をそのまま処理すべき水に投入するか、必要によりプラスチック製容器や不織布などの布製袋に入れ、処理すべき水系ラインの一部に設置することにより、薬剤が徐々に溶解してスライムコントロール性とスケール防止性を発揮させるような使い方ができる。
【0052】
上記水溶液、乳化体、水性分散体、油状体、ペースト状体、粉体もしくは固形体の形態で用いられる本発明の水処理用薬剤組成物は、処理対象の水系に対し、(A)の濃度は通常0.01〜1,000mg/L、スライムコントロール性と経済性の観点から好ましくは0.1〜100mg/Lである。
【0053】
本発明の水処理用薬剤組成物の用途は特に限定されず、各種工業用水、排水、冷却水、冷温水、循環式浴槽用水など、スライムコントロールやスケール防止が求められる対象水系の水処理などに広く用いられる。
【0054】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の%は重量%、部は重量部を示す。
【0055】
実施例1
Mn8,000のアクリル酸ポリマー30%水溶液100部に、室温でジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液177部を徐々に加え、続いて28%アンモニア水6部を室温で加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A1)(乳化体)を得た。(A1)の遊離ハロゲン含量は2ppmであった。
【0056】
実施例2
Mn1,000のマレイン酸ポリマー50%水溶液50部に、ジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液102部を室温で徐々に加え、続いて30%苛性ソーダ水溶液29部を室温で加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A2)(水性分散体)を得た。(A2)の遊離ハロゲン含量は5ppmであった。
【0057】
実施例3
Mn5,000のアクリル酸/ヒドロキシアリロキシプロパンスルホン酸共重合物(モル比1/1)50%水溶液100部に、ジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液20部を室温で徐々に加え、続いて30%苛性ソーダ水溶液30部を室温で加え、さらにエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩10部、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸10部を加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A3)(乳化体)を得た。(A3)の遊離ハロゲン含量は3ppmであった。
【0058】
実施例4
Mn5,000のアクリル酸/イソブチレン共重合物(モル比1/1)50%水溶液100部に、ジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液92部を室温で徐々に加え、続いて28%アンモニア水25部を室温で加え、さらにエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩10部、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸10部を加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A4)(乳化体)を得た。(A4)の遊離ハロゲン含量は3ppmであった。
【0059】
実施例5
Mn2,000のアクリル酸/イソプレンスルホン酸共重合物(モル比1/1)50%水溶液100部に、ジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液106部を室温で徐々に加え、続いて28%アンモニア水29部を室温で加え、さらにエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩10部、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸10部を加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A5)(水性分散体)を得た。(A5)の遊離ハロゲン含量は5ppmであった。
【0060】
実施例6
Mn2,000のマレイン酸/スチレンスルホン酸共重合物(モル比1/1)50%水溶液100部に、ジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液80部を室温で徐々に加え、続いて28%アンモニア水42部を室温で加え、さらにエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩10部、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸10部を加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A6)(水性分散体)を得た。(A6)の遊離ハロゲン含量は5ppmであった。
【0061】
実施例7
Mn8,000のアクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリル酸共重合物(モル比8/2)50%水溶液100部に、ジデシルジメチルアンモニウムメチルカーボネート85%メタノール溶液145部を室温で徐々に加え、続いて28%アンモニア水40部を室温で加え、さらにエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩10部、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸10部を加えて均一撹拌し、本発明の水処理用薬剤組成物(A7)(乳化体)を得た。(A7)の遊離ハロゲン含量は5ppmであった。
【0062】
比較例1
ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液100部に、ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム29%水溶液300部を加え、さらに撹拌しながら水100部を加え、ポリアクリル酸ソーダ(Mn8,000)40%水溶液500部を加えて、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド5%含有の水処理用薬剤組成物(Y1)(水性分散体)を得た。
ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの重量に基づく遊離塩素含量は9.8%であった。
【0063】
比較例2
ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液100部に、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン36%水溶液150部を加え、さらに水250部を徐々に加え、ポリマレイン酸(Mn1,000)40%水溶液500部を加えて、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド5%含有の水処理用薬剤組成物(Y2)(水性分散体)を得た。
ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの重量に基づく遊離塩素含量は9.8%であった。
【0064】
比較例3
ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの50%水溶液100部に、水400部を加えて、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド10%含有の水処理用薬剤組成物(Y3)(水溶液)を得た。
ジデシルジメチルアンモニウムクロライドの重量に基づく遊離塩素含量は9.8%であった。
【0065】
<水処理用薬剤組成物のスライムコントロール性評価>
A1〜A7(実施例1〜7)とY1〜Y3(比較例1〜3)について、スライムコントロール性を最小殺菌濃度(MBC)試験により評価した。
即ち、培地として普通ブイヨン液体培地を用い、厚生省が発表した消毒薬検査指針(1952年)に準じて最小殺菌濃度を測定した。
A1〜A7とY1〜Y3をそれぞれ4級アンモニウム塩濃度が500、250、125、63、32ppmとなるように滅菌水を用いて希釈し、それぞれ0.5mlづつをワッセルマンチューブに採取した。
普通ブイヨン液体培地を用いて一晩37℃で培養した大腸菌液100μlを滅菌生理食塩水100mlに加えよく振とうする。(この時の菌数は10〜10cfu/mlであった。)均一に混和した供試菌液4.5mlを先の薬剤希釈液0.5ml入りのワッセルマンチューブに加え、軽く振とうした。
供試菌を加えた後、1、2.5、5、10分後に1白金耳を普通ブイヨン培地に殖菌し、37℃、24時間振とう培養し、培養後に菌の発育有無を判定した。結果を表1に示す。
表1から、本発明の水処理用薬剤組成物A1〜A7(実施例1〜7)はスケール防止剤未添加の殺菌剤Y3(比較例3)と同等の殺菌力であり、従来の4級アンモニウム塩水処理用薬剤組成物Y1、Y2(比較例1、2)と比べ優れた殺菌性、即ち、優れたスライムコントロール性能を示すことがわかった。
【0066】
【表1】
Figure 2004149466
【0067】
<水処理用薬剤組成物のスケール防止性評価>
A1〜A7(実施例1〜7)とY1〜Y3(比較例1〜3)について、スケール防止効果を比較評価した。
イオン交換水500mlに塩化カルシウムをCaCO換算で250mg/L、炭酸水素ナトリウムをCaCO換算で250mg/L加え、水処理用薬剤組成物0.05g(スケール防止剤として20ppm)加えた後、水酸化ナトリウムと塩酸でpH8.5に調整した。この試験液をガラス製サンプル瓶に入れ、蓋をした後60℃、20時間、恒温槽で静置した。その後、析出した炭酸カルシウムを0.1μmミリポアフィルターで濾別し、ろ液中に残存しているカルシウム濃度をJIS K−0101(工業用水試験方法)に準じてキレート滴定法で測定した。結果を表2に示す。
表2から、本発明の水処理用薬剤組成物A1〜A7(実施例1〜7)は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3(比較例1〜3)と比べ優れたスケール防止性能を有することがわかる。
【0068】
【表2】
Figure 2004149466
【0069】
<水処理用薬剤組成物の泡立ち性評価1>
A1〜A7(実施例1〜7)とY1〜Y3(比較例1〜3)について、泡立ち性を比較評価した。
JIS K 3362(合成洗剤試験方法)記載の「気泡力と泡の安定度(ロス・マイルス法)」に準じて泡立ち性を評価した。
水処理用薬剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を0.01%含有する試験液とした。ロス・マイルス法で試験した時の、直後と5分後の泡高さを表3に示す。
表3から、本発明の水処理用薬剤組成物A1〜A7(実施例1〜7)は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3(比較例1〜3)と比べ泡立ちが極めて少ないことがわかる。
【0070】
【表3】
Figure 2004149466
【0071】
<水処理用薬剤組成物の泡立ち性評価2>
A1〜A7(実施例1〜7)とY1〜Y3(比較例1〜3)について、冷却水塔での実使用を想定した泡立ち性を比較評価した。
水処理用薬剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を10ppm含有する試験液とし、試験液50mlを100mlメスシリンダーに取り、30回激しく浸透した直後の泡高さを測定した。結果を表4に示す。
表4から、本発明の水処理用薬剤組成物A1〜A7(実施例1〜7)は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3(比較例1〜3)と比べ泡立ちが極めて少ないことがわかる。
【0072】
【表4】
Figure 2004149466
【0073】
<水処理用薬剤組成物の皮膚刺激性評価>
A1〜A7(実施例1〜7)とY1〜Y3(比較例1〜3)について、Draize法に基づく皮膚一次刺激性試験を行った。
即ち、モルモットによる10%水溶液原液開放塗布試験を行い、24時間後、下記判定基準で評価した。結果を表5に示す。
(皮膚刺激性判定基準)
◎:無刺激
○:軽度の刺激
△:中程度の刺激
×:強度の刺激
表5から、本発明の殺菌洗浄剤組成物A1〜A7(実施例1〜7)は従来の殺菌洗浄剤組成物Y1〜Y3(比較例1〜3)と比べ皮膚刺激性が少ないことがわかる。
【0074】
【表5】
Figure 2004149466
【0075】
<水処理用薬剤組成物の金属腐食性評価>
A1〜A7(実施例1〜7)とY1〜Y3(比較例1〜3)について、鉄腐食性試験を次の方法で行った。
鋼板(20×100×1mm)を中性洗剤を用いてスポンジで洗浄し、トルエン、アセトンの順にそれぞれ1時間浸せきした後、風乾した。水処理用薬剤組成物を水道水で希釈し4級アンモニウム塩を0.5重量%含有する水希釈液を作成した。この水希釈液に洗浄、風乾した鋼板を半浸せきし、経時における発サビ状況を観察した。結果を表6に示す。
表6から、本発明の水処理用薬剤組成物A1〜A7(実施例1〜7)は従来の4級アンモニウム塩を用いた水処理用薬剤組成物Y1〜Y3(比較例1〜3)と比べ金属腐食性が極めて少ないことがわかる。
【0076】
【表6】
Figure 2004149466
【0077】
【発明の効果】
本発明の水処理用薬剤組成物は、下記の効果を奏することから極めて有用である。
(1)該組成物が塩(A)を含有し、キレート化剤および/または防錆剤を含有しない場合でも優れたスライムコントロール性とスケール防止性を共に有する。
(2)該組成物が塩(A)に、さらにキレート化剤および/または防錆剤を含有する場合であっても、優れたスライムコントロール性とスケール防止性を共に有する。
(3)低泡性である。
(4)皮膚刺激性が極めて少なく、安全性が高い。
(5)金属腐食性が極めて少ない。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される塩(A)を含有することを特徴とする水処理用薬剤組成物。
    [Q・Z・[(Mh+1/hm−n (1)
    R[(O)SOH] (2)
    R〔(O)[P(=O)(OH)3−y1/y (3)
    R(COOH) (4)
    〔式(1)中、Zは一般式(2)、(3)および/または(4)で表されるポリマーからHを除いたポリマーアニオン;(Mh+1/hはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびアミンから選ばれるh(1または2)価のカチオン;Rはポリマーのアニオン残基;mは3〜15,000の数、nはn≦mを満足する1以上の整数、xは0または1、yは1または2、zは(3−y)z/y=mを満足する正数;Qは一般式(5)または(6)で示される4級アンモニウムカチオンを表す。
    (5)
    CH(CH (6)
    [式(5)、(6)中、R、RおよびRはそれぞれ同一または異なる、炭素数が1〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基、RおよびRは炭素数が8〜22の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基を表す。]〕
  2. (A)の重量に基づく遊離ハロゲン含量が100ppm以下である請求項1記載の組成物。
  3. ポリマーの数平均分子量が500〜100万である請求項1または2記載の組成物。
  4. さらに、キレート化剤(B)および/または防錆剤(C)を含有させてなる請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. (B)がヒドロキシカルボン酸(塩)、アミノカルボン酸(塩)および縮合リン酸(塩)からなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項4記載の組成物。
  6. (C)がトリアゾール化合物および/またはホスホン酸である請求項4または5記載の組成物。
  7. (A)/[(B)+(C)]の重量比が99/1〜50/50である請求項4〜6のいずれか記載の組成物。
  8. さらに、消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防藻剤、その他のスライムコントロール剤およびその他のスケール防止剤からなる群から選ばれる添加剤(D)を加えてなる請求項1〜7のいずれか記載の組成物。
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CN118755462A (zh) * 2024-09-09 2024-10-11 洛阳常龙新材料科技有限公司 一种用于石油的低温酸化缓蚀剂及其制备方法
CN119073309A (zh) * 2024-11-08 2024-12-06 山东万豪作物科学有限公司 一种具有植物生长调节功能的组合物及其制备方法

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