JP3873761B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、膨張用ガスを流入させて膨張を完了させるエアバッグが、低温時の膨張初期に、内部に配設させた補助膨張部を膨張させて、乗員を保護可能なエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、この種のエアバッグ装置としては、特開平8−119052号公報等に記載されているものが知られていた。上記公報記載のエアバッグ装置は、車両のステアリングホイールに使用されていた。
【0003】
このエアバッグ装置のエアバッグは、共に円形とした二枚の車体側(ステアリングホイール側)壁部と乗員側(運転者側)壁部とを備えていた。そして、エアバッグは、車体側壁部と乗員側壁部との外周縁相互を縫合して、形成されていた。また、このエアバッグは、車体側壁部と乗員側壁部とが、破断可能な縫合糸により、外周縁から離れたガス流入口の周囲を囲むように、相互に縫合されて、この縫合部位に囲まれた部位に、ガス流入口に連通した補助膨張部を、配設させていた。
【0004】
このようなエアバッグでは、流入してくる膨張用ガスの体積が小さい低温時でも、膨張初期に、エアバッグ本体に比べて容積の小さい補助膨張部に膨張用ガスが流入され、内圧を高めて補助膨張部が膨張を完了させることから、補助膨張部によって、低温時の膨張初期に干渉する乗員(運転者)を、保護することができた。
【0005】
しかし、上記公報のエアバッグでは、クッション作用を奏する容積を大きくするように、エアバッグ自体の膨張を完了させる際、補助膨張部の外周縁に形成した車体側壁部と乗員側壁部との縫合部位を破断させていた。そして、何等かの手段を講じなければ、縫合部位の縫合糸を破断する際に、車体側壁部や乗員側壁部における縫合糸の通った穴が大きくなって、その穴から膨張用ガスが漏れる虞れが生じ、エアバッグが、所定の内圧を確保して、膨張を完了させ難くなってしまう。特に、低温時には、膨張用ガスによる内圧を確保し難いことから、上記の課題を助長してしまう。
【0006】
そのため、従来のエアバッグでは、縫合部位からのガス漏れが生じないように、縫合部位に、シール材を塗布する等の対策が講じられることとなって、エアバッグの製造工数・コストを増大させていた。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するものであり、低温時に乗員を保護可能な補助膨張部をエアバッグ内に配設させていても、エアバッグからの不要なガス漏れを防止して、製造工数・コストを抑えて製造可能なエアバッグを備えたエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエアバッグ装置は、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグが、
膨張用ガスを流入させるためのガス流入口を有して、膨張完了時の外周壁を構成するエアバッグ本体と、
前記ガス流入口に連通するように、前記エアバッグ本体内に配設されて、前記エアバッグ本体の膨張完了前に、乗員を保護可能に膨張する補助膨張部と、
を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ本体の外周壁が、前記ガス流入口を有した車体側壁部と、前記ガス流入口に対向する乗員側壁部と、を備えるとともに、前記車体側壁部と前記乗員側壁部との外周縁相互を縫合させて形成され、
前記エアバッグの補助膨張部が、前記車体側壁部のガス流入口の周縁から前記乗員側壁部における前記ガス流入口に対向する対向部位まで延びる筒状の周壁部に囲まれて形成されるとともに、該周壁部の乗員側壁部側の端部を前記乗員側壁部に結合させて、前記乗員側壁部における前記対向部位を前記補助膨張部の天井壁部として、構成され、
前記周壁部が、前記ガス流入口から流入する膨張用ガスを前記エアバッグ本体側に流出可能なガス流出口を備え、
前記補助膨張部が前記エアバッグ本体の膨張完了前にクッション作用を奏し得る内圧を確保して膨張可能に、前記ガス流出口が、前記ガス流入口からの膨張用ガスを前記補助膨張部に一旦貯留させて前記エアバッグ本体に流出可能な開口面積として、設定され、
前記周壁部が、膨張初期時の前記エアバッグ本体の乗員側への突出を抑えるように、前記乗員側壁部の前記対向部位における前記ガス流入口からの離隔距離を規制可能とするとともに、前記エアバッグ本体の内圧上昇に伴なう前記周壁部への張力作用時、前記離隔距離の規制と前記補助膨張部の膨張状態とを解除可能に、前記エアバッグ本体の前記車体側壁部と前記乗員側壁部とから離れた前記周壁部の部位に配置させた破断予定部を破断させて、前記エアバッグ本体の膨張を完了させるように、構成されていることを特徴とする。
【0009】
そして、前記エアバッグの補助膨張部は、膨張初期時に前記エアバッグ本体の乗員側への突出を抑えるように、前記ガス流出口から前記エアバッグ本体内へ流出する膨張用ガスの流出方向を、制御可能な整流用部材として、配設させることが望ましい。
【0011】
また、前記エアバッグの補助膨張部が、前記ガス流出口を複数配設させる場合には、前記破断予定部は、前記各ガス流出口相互の間に、スリットを配設させて構成することが望ましい。
【0013】
さらに、前記周壁部は、前記乗員側壁部との結合部を、前記車体側壁部との結合部より、前記ガス流入口を中心として、外側に配置させることが望ましい。
【0014】
また、前記エアバッグには、前記エアバッグ本体の膨張完了時に、前記乗員側壁部の前記ガス流入口からの離隔距離を規制可能なテザー、を設けることが望ましい。
【0015】
この場合、前記周壁部における前記乗員側壁部の側を延設させ、
該延設部位を、前記ガス流入口近傍の前記車体側壁部の側に結合させて、前記テザーとして、構成することが望ましい。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係るエアバッグ装置では、作動当初、膨張用ガスがガス流入口からエアバッグの補助膨張部内に流入すれば、膨張用ガスの一部をガス流出口からエアバッグ本体側に流出させつつ、補助膨張部が、膨張を完了させる。
【0017】
このエアバッグの膨張初期時、流入してくる膨張用ガスが低温時で体積を小さくしていても、ガス流出口の開口面積を小さく設定すれば、エアバッグ本体側に流出する膨張用ガスの流量が少なく、補助膨張部は、内圧を高めて、クッション作用を確保可能に膨張することができ、乗員を保護可能となる。
【0018】
その後、補助膨張部は、エアバッグ本体の外周壁から離れた部位を破断させて、膨張状態を解除することから、エアバッグ本体が、予め、ガス流出口からの膨張用ガスを流入させた膨張状態から、さらに、円滑かつ迅速に膨張用ガスを流入させて、膨張を完了させることとなる。
【0019】
そして、補助膨張部の膨張状態の解除時、補助膨張部は、エアバッグ本体の外周壁から離れた部位を破断させることから、仮に、補助膨張部を縫合させて、エアバッグ本体の外周壁に結合させていても、その縫合部位に影響を与えず、すなわち、従来のような外周壁における縫合糸の通る穴が広がることを抑えて、エアバッグ本体は、膨張を完了させることができる。
【0020】
そのため、補助膨張部とエアバッグ本体との結合部位に、シール材を塗布する等の作業を行わなくとも、エアバッグを簡便に製造することができる。
【0021】
したがって、本発明に係るエアバッグ装置では、低温時に乗員を保護可能な補助膨張部をエアバッグ内に配設させていても、エアバッグからの不要なガス漏れを防止できることから、エアバッグを、製造工数・コストを抑えて、製造することができる。
また、エアバッグ本体の膨張完了前におけるエアバッグ本体の内圧上昇に伴なう周壁部の破断予定部の破断前、すなわち、補助膨張部の膨張状態の解除前に、エアバッグ本体における車体側壁部のガス流入口周縁と乗員側壁部との間の距離を、小さく抑えることができる。そのため、エアバッグ本体は、膨張初期から膨張途中において、膨張用ガスの流れ方向に依存することなく、乗員側壁部が乗員側へ不必要に突出することを、抑えることが可能となる。
さらに、エアバッグの補助膨張部が、車体側壁部のガス流入口の周縁から延びる筒状の周壁部を、エアバッグ本体の乗員側壁部に結合させて、補助膨張部の乗員側の天井壁部をエアバッグ本体の乗員側壁部と共用すれば、補助膨張部の周壁部における乗員側の部位を覆うような部材を、別途、設ける場合に比べて、補助膨張部を構成する部材を、省くことができる。
【0022】
そして、請求項2に記載するように構成する場合には、エアバッグの補助膨張部を、整流用部材として、利用でき、エアバッグの構成部品点数の増加を抑えて、膨張初期時にエアバッグ本体の乗員側への突出を抑えることの可能なエアバッグを、製造することができる。
【0023】
さらに、請求項2に記載の構成では、膨張初期に、エアバッグ本体が、乗員側への突出を抑えて、整流用部材としての補助膨張部のガス流出口から膨張用ガスを流入させて、幅広く展開させることができることとなる。そのため、膨張初期に、乗員がエアバッグ装置に接近して、乗員とエアバッグ装置との間が狭くとも、乗員とエアバッグ装置との間に、エアバッグ本体を容易に展開させて配置させることができて、その後のエアバッグ本体の膨張により、クッション効果を高めて、乗員をエアバッグ本体の広いエリアで保護することができる。
【0024】
なお、整流用部材としての補助膨張部が、流れを制御してエアバッグ本体側に膨張用ガスを流出させる方向は、エアバッグ本体の外周壁におけるガス流入口に対向する乗員側の部位を、ガス流入口から離すように押す方向ではなく、その部位に沿う方向が望ましい。
【0026】
そして、請求項3に記載するように、補助膨張部の破断予定部が、複数のガス流出口間に、予め、スリットを配設させた破断予定部として構成されていれば、的確に、補助膨張部を破断させることができる。さらに、破断時の破断予定部が、複数のガス流出口相互を繋ぐように破断することとなって、効率的かつ迅速に、補助膨張部を破断させることができる。また、補助膨張部のガス流出口が、複数配設されておれば、ガス流出口からエアバッグ本体に流出させる膨張用ガスの流れを、ガス流入口を中心とする相互に離れる二方向等に設定できることから、一層、膨張初期のエアバッグ本体を幅広く展開させることができる。
【0028】
そして、請求項4のように構成すれば、補助膨張部の膨張形状として、ガス流入口側より天井壁部側(乗員側)が大きく膨らみ、かつ、その天井壁部側が、エアバッグ本体の乗員側壁部自体で構成されているため、補助膨張部が、初期膨張時に干渉してくる乗員を、クッション効果を高めた広いエリアで、直接的に、保護可能となる。
【0029】
また、このような構成では、補助膨張部の膨張時、周壁部に設けられたガス流出口が、車体側壁部の側に向いて、エアバッグ本体に膨張用ガスを流出する構成となり、一層、エアバッグ本体が、乗員側への突出を押えて、膨張可能となる。
【0030】
さらに、請求項5のように構成されていれば、膨張完了時のエアバッグ本体が、テザーによって、乗員側壁部のガス流入口からの離隔距離を、規制されるため、エアバッグ本体は、膨張完了時においても、乗員側への不要な突出を防止することができる。
【0031】
この場合、請求項6に記載したように構成すれば、補助膨張部の周壁部に、エアバッグ本体の膨張完了時における形状を規制可能なテザーを、一体化して配置させることができる。そのため、エアバッグ本体の膨張完了形状を規制できるテザーを、エアバッグに、別途取り付ける必要がない。すなわち、テザーの乗員側壁部側の端部を、別途、乗員側壁部に結合させることなく、周壁部を乗員側壁部に結合させるだけで、テザーの乗員側壁部側の端部を、乗員側壁部に結合させることができる。その結果、テザーを備えたエアバッグを、製造工数及びコストを低減して、製造することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、図1・2に、本発明の第1実施形態であるステアリングホイール用のエアバッグ装置M1を示す。
【0033】
なお、第1実施形態では、ステアリングホイール用のエアバッグ装置M1を例に採り説明するが、本発明を適用可能なエアバッグ装置としては、これに限られるものではなく、本発明は、助手席用エアバッグ装置等のエアバッグ装置にも、適用可能である。
【0034】
また、第1実施形態における前後上下左右方向は、特に断らない限り、車両に搭載させたステアリングホイールWの直進操舵時を基準とするものであり、ステアリングホイールWを組み付けるステアリングシャフトSS(図11参照)の軸方向に沿った上下を上下方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の前後方向を前後方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の左右方向を左右方向として、前後上下左右方向を示すものである。
【0035】
エアバッグ装置M1は、図1・2に示すように、ステアリングホイールWの中央のボス部Bにおける上部に配置される構成である。ステアリングホイールWは、操舵時に把持するリング部Rと、中央に配置されてステアリングシャフトSS(図11参照)に連結されるボス部Bと、ボス部Bとリング部Rとを連結する四本のスポーク部Sと、を備えて構成されている。また、ステアリングホイールWは、構成部品上では、エアバッグ装置M1とステアリングホイール本体1とを備えて構成されている。
【0036】
ステアリングホイール本体1は、リング部R・ボス部B・スポーク部Sの各部を連結するように配置されるアルミニウム合金等からなる芯金2と、リング部Rとリング部R側の各スポーク部Sとの芯金2を被覆する合成樹脂製の被覆層3と、ボス部Bの下部に配置される合成樹脂製のロアカバー4と、を備えて構成されている。
【0037】
エアバッグ装置M1は、図2に示すように、折り畳まれたエアバッグ20と、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するインフレーター8と、エアバッグ20とインフレーター8とを収納して保持するケース10と、を備えて構成されている。エアバッグ20は、エアバッグ本体21と、補助膨張部36と、を備えて構成されている。
【0038】
インフレーター8は、上部に膨張用ガスを吐出する複数のガス吐出口8bを備えた略円柱状の本体8aと、本体8aの外周面から突出して配置される略四角板状のフランジ部8cと、を備えて構成されている。複数のガス流出口8bは、本体8aの上部で、周方向に均等に配設され、本体8aからの膨張用ガスを放射状に吐出させるように配設されている。フランジ部8cには、後述するリテーナ6から突出するボルト6aを挿通させるための挿通孔8dが、形成されている。
【0039】
リテーナ6は、略四角環状体の板金製として、四隅に、下方へ突出するボルト6aを備えて構成されている。このリテーナ6は、エアバッグ20の後述する開口23・38aの周縁を押えるとともに、ボルト6aを、開口23・38aの周縁や後述するバッグホルダ11を経て、インフレーター8のフランジ部8cから突出させる。そして、各ボルト6aにナット7を締結することにより、エアバッグ20が、リテーナ6を利用して、ケース10のバッグホルダ11に取り付けられている。なお、このリテーナ6は、補助膨張部36の開口38aの周縁を、エアバッグ本体21の開口23の周縁に押えることとなり、補助膨張部36の後述する車体側結合部38を形成することとなる。
【0040】
ケース10は、板金製のバッグホルダ11と、エアバッグカバーとしての合成樹脂製のパッド15と、から構成されている。
【0041】
バッグホルダ11は、上方を開口させた略直方体形状のホルダプレート12と、ホルダプレート12と協動してパッド15を挟持するバックアッププレート13と、から構成されている。各プレート12・13は、インフレーター8の本体8aを下方から挿入させる挿入孔12a・13aと、挿入孔12a・13aの周囲に配置されてリテーナ6のボルト6aを挿通させる取付孔12b・13bと、を備える。また、バックアッププレート13は、ステアリングホイール本体1の芯金2に接続される図示しないブラケットを備える。
【0042】
パッド15は、ボス部Bの上部を覆う蓋体部16と、蓋体部16の周縁の下面から略四角筒形状に下方へ突出する側壁部17と、を備える。蓋体部16は、側壁部17に囲まれた部位に、エアバッグ20の膨張時、ステアリングホイールWの前後方向へ開く2つの扉部(図符号省略)を備えて構成され、それらの扉部の周囲には、エアバッグ20に押されて破断して、扉部を円滑に開かせる薄肉の破断予定部(図符号省略)が、形成されている。側壁部17は、バッグホルダ11を構成するホルダプレート12とバックアッププレート13とにより、下端付近を挟持されて、バッグホルダ11に保持されている。
【0043】
なお、折り畳まれたエアバッグ20は、第1実施形態の場合、下面側が、バッグホルダ11のホルダプレート12とインフレーター8の本体8aとで規制され、上面側が、パッド15の蓋体部16と側壁部17とで規制されることとなる。
【0044】
エアバッグ20は、図3〜5に示すように、膨張用ガスを流入させて膨張する袋状のエアバッグ本体21と、エアバッグ本体21内に配設される補助膨張部36と、を備えて構成されている。
【0045】
エアバッグ本体21は、膨張完了時の外周壁が、ポリアミドやポリエステル等の可撓性を有した織布から形成されている。エアバッグ本体21の外周壁は、膨張完了時にステアリングホイールW側となって、ガス流入口(開口)23を有した車体側壁部22と、ガス流入口23と対向して配置されて膨張完了時に乗員(乗員)側となる乗員側(運転者側)壁部25と、を備えて構成されている。
【0046】
ガス流入口23は、インフレーター8の本体8aを下方から挿入させて、インフレーター8のガス吐出口8bから吐出される膨張用ガスを、エアバッグ20内に流入させるための部位である。また、ガス流入口23の周縁には、リテーナ6に形成されたボルト6aを挿通させる取付穴24が四個形成されている。なお、エアバッグ20のガス流入口23の周縁とインフレーター8のフランジ部8cとの間には、バッグホルダ11が配設されている。しかし、図5・7・9・10では、バッグホルダ11は、省略されている。
【0047】
そして、第1実施形態では、エアバッグ本体21は、図6・7に示すように、車体側壁部22を構成して、ガス流入口23を構成する円形の開口28aを中心に配設させた円形状の車体側基布28と、乗員側壁部25を構成する円形の乗員側基布29と、ガス流入口23の周縁において車体側基布28に縫着される四枚の補強布30・31・32・33と、を備えて構成されている。補強布30・31・32・33は、ガス流入口23の周縁の強度を補強するために配置されるもので、配置数は、インフレーター8の出力に応じて適宜変更可能である。車体側基布28は、開口28aの周縁に、取付穴24を構成する四つの取付穴28bを備えている。また、車体側基布28には、図4に示すように、ベントホール28cが、形成されている。
【0048】
各補強布30・32・33は、図6に示すように、それぞれ、中央付近にガス流入口23に対応した円形の開口30a・32a・33aを備えて、略円環状に形成されている。また、各開口30a・32a・33aの周縁には、取付穴24に対応した位置に、取付穴30b・32b・33bが、それぞれ、形成されている。
【0049】
補強布31は、補強布30と補強布32との間に配置されて、各補強布30・32・33と同様に、中央付近に形成されるガス流入口23に対応した円形の開口31aと、開口31a周縁に形成される取付穴24に対応した取付穴31bと、を備えている。そして、補強布31には、周縁から、後述するテザー43に連結される帯状の延設部31cが、左右対称となるように、左右方向両側へ延設されて形成されている。
【0050】
補強布30・31は、三箇所に配置される円環状の縫合部位47・48・49で、縫合糸53により縫合されて、車体側基布28に縫着されている。また、補強布32・33は、補強布30・31とともに、二箇所に配置される縫合部位47・48で、車体側基布28に縫着されることとなる。
【0051】
補助膨張部36は、エアバッグ本体21と同様なポリアミドやポリエステル等の可撓性を有した織布からなる膨張部用布材37から形成されている。この膨張用布材37は、図3・6に示すように、中央に略円板状の平板部37aと、平板部37aから左右両側に帯状に延びる帯状部37b・37bと、を備えて構成されている。各帯状部37bは、テザー43を形成することとなる。
【0052】
そして、平板部37aの中央側には、エアバッグ本体21における車体側壁部22に結合される車体側結合部38が配設され、車体側結合部38の中央には、エアバッグ本体21のガス流入口23に連通する開口38aが形成されている。さらに、開口38aの周縁には、リテーナ6の各ボルト6aを挿通させる四個の取付穴38bを備えている。開口38aには、下方から、インフレーター8の本体8aが挿入されることとなる。そして、第1実施形態の場合には、開口38aの周縁の全周が、リテーナ6に押えられて、車体側壁部22に結合されることとなり、車体側結合部38となる。
【0053】
また、平板部37aの外周縁には、縫合糸53を使用して、乗員側壁部25に縫合して結合される乗員側結合部42が配設されている。乗員側結合部42を形成する縫合部位50は、ガス流入口23を中心とする円環状としており、乗員側壁部25におけるガス流入口23に対向する部位25aを囲むように、配設されている。この乗員側結合部42は、一枚の膨張部用布材36の平板部37aにおける外周縁に形成されていることから、平板部37aの中央側に形成される車体側結合部38より、ガス流入口23を中心として、外側に配置されることとなる。なお、第1実施形態の場合、縫合部位50の外径寸法は300φ、乗員側壁部25を平らに展開させた外径寸法は680φとしている。
【0054】
そして、平板部37aにおける車体側結合部38と乗員側結合部42との間が、補助膨張部36の膨張時における外周壁を構成する筒状の周壁部39としている。なお、膨張完了時の補助膨張部36は、図7・10の二点鎖線や図9の実線に示すように、周壁部39が、ガス流入口23の周縁における円環状の車体側結合部38から、下狭まりのテーパ管状に立ち上がって膨張し、補助膨張部36の乗員側の天井壁部44が、乗員側壁部25の対向部位25aによって、構成されることとなる。そして、テーパ管状の周壁部39が、エアバッグ本体21との区画壁を構成することとなる。
【0055】
この周壁部39には、インフレーター8から吐出された膨張用ガスをエアバッグ本体21内に流出させる複数(実施形態では二個)のガス流出口40が形成されている。ガス流出口40・40は、開口38a周縁に沿って長方形を湾曲させたような扇状に開口し、周壁部39の前後の二箇所に、形成されている。なお、ガス流出口40・40の合計の開口面積は、補助膨張部36が、流入される膨張用ガスを、一旦、貯留させて、低温時でも、クッション作用を奏し得る内圧を確保可能な大きさに、設定されている。
【0056】
また、周壁部39には、エアバッグ本体21の内圧が所定圧力(10〜20KPa程度)に到達した際に、補助膨張部39の膨張状態を解除するように、車体側結合部38と乗員側結合部42との間の部位を、破断する複数(実施形態では二個)の破断予定部41が、形成されている。破断予定部41・41は、実施形態の場合、ガス流出口40・40の間に、ミシン目状の切込みを形成したスリットを設けて、形成されている。これらの破断予定部41・41は、それぞれ、前後のガス流出口40の左右両縁相互を連結するように、前後方向に沿って延びる直線状に配置されている。そして、各破断予定部41の破断前には、周壁部38が、ガス流入口23から乗員側壁部25の対向部位25aまでの離隔距離を規制することとなる。
【0057】
テザー43・43は、既述したように、膨張部用布材37の左右両側の帯状部37bから形成されて、端部43a・43aを、それぞれ、車体側壁部22の側の補強布31における延設部31c・31cの端部31d・31dに、縫合糸53により縫合させて、ガス流入口23の近傍に連結されている。そして、テザー43・43は、エアバッグ本体21の膨張完了形状を規制して、乗員側壁部25の対向部位25aがガス流入口23から離れた離隔距離を、規制することとなる。なお、テザー43によるガス流入口23から対向部位25aまでの離隔距離は、周壁部38の規制時より、長くなるように設定されている。
【0058】
つぎに、エアバッグ20の製造について述べる。補助膨張部36を形成する膨張部用布材37には、予め、開口38a、取付穴38b、ガス流出口40、及び、破断予定部41、を形成しておく。そして、まず、乗員側基布29に、縫合糸53を利用して、布材37を縫合する。縫合時、縫合部位50(乗員側結合部42)は、ガス流出口40の外方側に配置される円環状として形成される。ついで、車体側基布28に、縫合糸53を利用して、補強布30・31・32・33を縫合する。なお、開口28a・30a・31a・32a・33aは、予め形成しておく。この縫合時、縫合部位47・48・49は、ガス流入口23の周縁において、三本の円環状として構成される。内側に配置される縫合部位47は、ガス流入口23と取付穴24との間に形成されることとなり、外側に配置される縫合部位48・49は、取付穴24の外側に形成されることとなる。そして、縫合部位47・48は、補強布30・31・32・33を車体側基布28に縫着させており、縫合部位49は、補強布30・31のみを車体側基布28に縫着させている。
【0059】
ついで、縫合後、取付穴24の孔明け加工を、車体側基布28と、補強布30・31・32・33と、に施す。なお、この孔明け加工時に、同時に、ガス流入口23を設けるようにして、縫合前には、開口28a・30a・31a・32a・33aが形成されていないようにしてもよい。なお、ベントホール28cは、予め形成しておいたり、あるいは、孔明け加工時に、同時に形成してもよい。
【0060】
その後、車体側基布28と乗員側基布29とを、それぞれ、外表面側が対向するように重ねて、外周縁を、縫合糸53により縫合する。外周縁の縫合後、外周縁の縫合代がエアバッグ20の外表面に表れないように、エアバッグ本体21を、ガス流入口23を利用して、反転させる。そして、反転後に、補強布31に形成される延設部31c・31cの端部31d・31dと、補助膨張部36に形成されたテザー43・43の端部43a・43aと、を、それぞれ、ガス流入口23から引き出し、対応する端部31d・43a相互を、重ねるとともに、縫合糸53により、縫合して、テザー43・43の端部43a・43aを、延設部31cを介在させて、ガス流入口23の周縁に結合させる。
【0061】
そして、上記のようにして製造したエアバッグ20を使用して、エアバッグ装置M1を組み立てる。まず、エアバッグ20を折り畳む。折り畳み前には、リテーナ6を、開口23・38aからエアバッグ20内に挿入させて、乗員側基布29と補助膨張部36の開口38aの周縁との間に配置させる。そして、各ボルト6aを取付穴38b・24から突出させた状態で、エアバッグ20を折り畳む。折り畳み時には、まず、図8A・Bに示すように、乗員側基布29を車体側基布28に重ねて平らに展開した状態から、ガス流入口23の近傍で前後方向に沿った折り目をつけて、エアバッグ20の右側部位56を乗員側基布29に載せるように折り返す。そして、図8B・Cに示すように、前後方向に沿うように折り目をつけて、蛇腹折りをし、縦折りを完了させる。そして、図8C・Dに示すように、縦折りされたエアバッグ57の前側部位58と後側部位59とを、左右方向に沿うように折り目をつけて、端部58a・59aが外側となるように折り返し、横折りを完了させれば、エアバッグ20の折り畳みを完了させることができる。
【0062】
ついで、折り畳んだエアバッグ20のケース10内への収納について説明すると、まず、折り畳んだエアバッグ20から突出しているリテーナ6の各ボルト6aを、バッグホルダ11のホルダプレート12に形成された各取付孔12bに貫通させて、エアバッグ20をホルダプレート12上に載置する。
【0063】
その後、パッド15を、エアバッグ20の上方から被せて、ホルダプレート12に係止させ、さらに、バックアッププレート13をホルダプレート12の下方に配置させて、パッド15の側壁部17を、ホルダプレート12とバックアッププレート13とで挟持して、パッド15をバッグホルダ11に保持させる。この時、リテーナ6の各ボルト6aは、バックアッププレート13に形成された取付孔13bに貫通させておく。
【0064】
その後、インフレーター8の本体8aを、下方から、バッグホルダ11の挿入孔12a・13a・開口23・38aに挿入させるとともに、リテーナ6の各ボルト6aを、インフレーター8のフランジ部8cに形成された挿通孔8dから下方へ突出させ、各ボルト6aにナット7を螺合させれば、エアバッグ20・バッグホルダ11・インフレーター8を一体的に組み付けることができて、エアバッグ装置M1の組み立てが完了することとなる。
【0065】
ついで、ステアリングホイール本体1のボス部Bの芯金2を、車両のステアリングシャフトSSに締結させた状態で、バッグホルダ11の図示しないブラケットを利用すれば、エアバッグ装置M1を、ステアリングホイールWに取り付けることができる。
【0066】
その後、ステアリングホイールWが車両に装着されて、インフレーター本体8aのガス吐出口8bから膨張用ガスが吐出されれば、折り畳まれていたエアバッグ20が、パッド15の所定位置を破断させて、大きく膨張することとなる。
【0067】
この作動当初、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、インフレーター本体8aのガス吐出口8bから吐出された膨張用ガスGは、図9に示すように、車体側結合部38、周壁部39、及び、天井壁部44に囲まれた補助膨張部36に、一旦、充満されて、補助膨張部36を膨張させ、かつ、ガス流出口40・40から、流入方向を制御されて、前後方向両側に向かうように、エアバッグ本体21内に、流入することとなる。
【0068】
そして、エアバッグ本体21内に膨張用ガスGが流入して、エアバッグ本体21の内圧が所定圧力に到達すると、周壁部39における乗員側結合部42と車体側結合部38との間に所定以上の張力が発生して、破断予定部41・41が破断され、乗員側壁部25とガス流入口23の近傍との連結状態が解除される。そのため、インフレーター8の本体8aにおけるガス吐出口8bからの膨張用ガスGが、流れを規制されること無く、ガス流入口23を中心として放射状に流れて、図10に示すように、エアバッグ本体21が、膨張を完了させることとなる。その際、エアバッグ本体21は、テザー43・43により、ガス流入口23からの乗員側壁部25における対向部位25aの離隔距離を規制された状態で、膨張を完了させることとなる。
【0069】
以上のように、第1実施形態では、エアバッグ20の膨張初期に、補助膨張部36が、図9に示すように、膨張用ガスGの一部をガス流出口40・40からエアバッグ本体21側に流出させつつ、膨張を完了させる。この時、流入してくる膨張用ガスGが低温時で体積を小さくしていても、ガス流出口40・40の開口面積が広すぎないことから、エアバッグ本体21側に流出する膨張用ガスGの流量が少なく、補助膨張部36は、内圧を高めて、クッション作用を確保可能に膨張することができ、乗員(運転者)を保護可能となる。
【0070】
その後、補助膨張部36は、エアバッグ本体21の外周壁を構成する車体側壁部22や乗員側壁部25から離れた破断予定部41・41を破断させて、膨張状態を解除する。そのため、エアバッグ本体21は、予め、ガス流出口23からの膨張用ガスGを流入させた膨張状態から、さらに、円滑かつ迅速に膨張用ガスGを流入させて、図10に示すように、膨張を完了させることとなる。この補助膨張部36の膨張解除時、補助膨張部36は、エアバッグ本体21の外周壁から離れた部位41を破断させることから、補助膨張部36の乗員側結合部42を縫合させてエアバッグ本体21の乗員側壁部25に結合させていても、その縫合部位50に影響を与えず、エアバッグ本体21は、膨張を完了させることができる。
【0071】
そのため、補助膨張部36とエアバッグ本体21との結合部位38・42に、シール材を塗布する等の作業を行わなくとも、エアバッグ20を簡便に製造することができる。
【0072】
したがって、第1実施形態のエアバッグ装置M1では、低温時に乗員(運転者)を保護可能な補助膨張部36をエアバッグ20内に配設させていても、エアバッグ20からの不要なガス漏れを防止できることから、エアバッグ20を、製造工数・コストを抑えて、製造することができる。
【0073】
そして、第1実施形態では、補助膨張部36は、膨張時、周壁部39の前後に開口されたガス流出口40・40から、前方側と後方側との二方向に、膨張用ガスGを、エアバッグ本体21側に流出させることから、膨張用ガスGの流れを制御する整流用部材としての役目を果たす。そして、この膨張用ガスGの流れにより、エアバッグ本体21は、図11に示すように、乗員側(運転者D側)への突出を抑えて、前後方向両側に、幅広く展開させることができることとなる。そのため、膨張初期に、乗員がエアバッグ装置M1に接近して、乗員とエアバッグ装置M1との間が狭くとも、乗員とエアバッグ装置M1との間に、エアバッグ本体21を容易に展開させて配置させることができて、その後のエアバッグ本体21の膨張により、クッション効果を高めて、乗員をエアバッグ本体21の広いエリアで保護することができる。
【0074】
したがって、第1実施形態では、エアバッグ20の補助膨張部36を、整流用部材として、利用でき、エアバッグ20の構成部品点数の増加を抑えて、膨張初期時にエアバッグ本体21の乗員側への突出を抑えることの可能なエアバッグ20を、製造することができる。
【0075】
特に、第1実施形態の場合には、エアバッグ20が、ステアリングホイール用として構成されている。そして、ステアリングホイールWのリング部Rが、ステアリングシャフトSSの軸直交方向の面に沿って形成され、整流用部材としての補助膨張部36から流れる膨張用ガスGが、ステアリングシャフトSSの軸直交方向の前後両側に流れて、ステアリングホイールWのリング部Rに沿う前後両側に流れる。その結果、エアバッグ本体21は、図11に示すように、膨張初期から、ステアリングホイールWのリング部Rにおける後部Rb側に、エアバッグ本体21の後部21a側を配置させることができる。そのため、運転者Dがリング部Rに接近していても、運転者Dの腹部DBとステアリングホイールWのリング部Rの後部Rb側との狭い隙間に、エアバッグ本体21の一部21aを容易に侵入させることができ、その後のエアバッグ本体21の膨張によって、運転者Dの腹部DBを的確に保護することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、エアバッグ本体21の膨張完了前、すなわち、補助膨張部36の膨張状態の解除前に、周壁部39が、上下端の乗員側結合部42と車体側結合部38とを乗員側壁部25と車体側壁部22とに結合させて、エアバッグ本体21における車体側壁部22のガス流入口23周縁と乗員側壁部25の対向部位25aとの間の距離を、小さく抑えることができる。そのため、エアバッグ本体21は、膨張初期から膨張途中において、膨張用ガスGの流れ方向に依存することなく、乗員側壁部25が乗員D側へ不必要に突出することを、抑えることが可能となる。
【0077】
なお、上記の点を考慮しなければ、補助膨張部36を、乗員側壁部25と結合させなくともよい。この場合、補助膨張部36の膨張状態の解除は、補助膨張部の内圧上昇に伴って、ガス流入口40・40の周縁を、破断させて、行なえばよい。
【0078】
そして、第1実施形態では、周壁部37の周方向に沿うように、複数(実施形態では二個)のガス流出口40を配置させ、補助膨張部36の破断部位が、ガス流出口40・40間に、予め、スリットを配設させた破断予定部41として構成されている。そのため、補助膨張部36は、破断予定部41によって、的確に、破断する。さらに、破断時の破断予定部41が、ガス流出口40・40相互を繋ぐように破断することとなって、効率的かつ迅速に、補助膨張部36の周壁部39を上下に分断させるように、破断させることができ、エアバッグ本体21は、円滑かつ迅速に膨張用ガスGを流入させて、素早く膨張を完了させることができる。
【0079】
勿論、補助膨張部36のガス流出口40・40が、複数配設されて、ガス流出口40・40からエアバッグ本体21に流出させる膨張用ガスGの流れを、ガス流入口23を中心とする相互に離れる前後二方向に設定できることから、一層、膨張初期のエアバッグ本体21を幅広く展開させることができる。
【0080】
なお、第1実施形態では、周壁部39の前後にガス流出口40・40を配設させたが、上記の作用・効果を得られる他の構成としては、周壁部39の左右両側にガス流出口40・40を配置させたり、あるいは、周壁部39の周方向に沿って三個以上にガス流出口を配設させてもよい。
【0082】
さらに、第1実施形態では、エアバッグ20の補助膨張部36が、車体側壁部22のガス流入口23の周縁から延びる筒状の周壁部39を、エアバッグ本体21の乗員側壁部25に結合させて、補助膨張部36の乗員側の天井壁部44をエアバッグ本体21における乗員側壁部25の対向部位25aと共用している。そのため、第1実施形態の補助膨張部36は、周壁部39における乗員側の部位を覆うような部材を、別途、設ける場合に比べて、補助膨張部36の外周壁を構成する部材を、省くことができる。
【0083】
なお、上記の点を考慮しなければ、補助膨張部36の天井壁部44を、乗員側壁部25と別体で形成してもよい。この場合には、エアバッグ本体21の膨張完了前に、周壁部22の破断予定部41を破断可能なように、天井壁部44と乗員側壁部25とを、別途、連結片等で連結する必要が生ずる。また、補助膨張部36の膨張形状を、球状等として、その頂部側を、乗員側壁部25に、縫合等を利用して、直接、結合させてもよい。この場合でも、乗員側壁部25から離れた部位、例えば、補助膨張部36の外周壁におけるガス流入口23を中心とした周方向に、破断予定部41を形成すれば、乗員側壁部25との結合部位からのガス漏れを防止することができる。
【0084】
そしてさらに、第1実施形態の補助膨張部36では、周壁部39が、乗員側結合部44を、車体側結合部38より、ガス流入口23を中心として、外側に配置させている。そのため、補助膨張部36が、膨張形状を下狭まりの円錐台形状として、ガス流入口23側より天井壁部44側(乗員側)が大きく膨らみ、かつ、その天井壁部44側が、エアバッグ本体21の乗員側壁部25自体で構成されているため、補助膨張部36が、初期膨張時に干渉してくる乗員Dを、クッション効果を高めた広いエリアで、直接的に、保護可能となる。
【0085】
また、補助膨張部36が、膨張形状を下狭まりの円錐台形状としていれば、図9に示すように、周壁部39に設けられたガス流出口40・40が、若干下向きの車体側壁部22の側に向いて、エアバッグ本体21に膨張用ガスGを流出する構成となり、一層、エアバッグ本体21が、乗員D側への突出を押えて、膨張することができる。
【0086】
さらに、第1実施形態では、エアバッグ20内に、車体側壁部22と乗員側壁部22とを連結するテザー43・43が配設されて、膨張完了時のエアバッグ本体21が、テザー43・43によって、乗員側壁部25における対向部位25aのガス流入口23からの離隔距離を、規制される。そのため、エアバッグ本体21は、膨張完了時においても、乗員D側への不要な突出を防止することができる。
【0087】
さらにまた、第1実施形態では、補助膨張部36の周壁部39から延設させて、テザー43・43を一体化して配置させており、エアバッグ20に、別途、テザーを取り付ける必要がない。すなわち、テザー43・43の乗員側壁部25側の端部を、別途、乗員側壁部25に結合させることなく、周壁部39の乗員側結合部42を乗員側壁部25に結合させるだけで、テザー43・43の乗員側壁部25側の端部を、乗員側壁部25に結合させることができる。その結果、テザー43・43を備えたエアバッグ20を、製造工数及びコストを低減して、製造することができる。
【0088】
特に、第1実施形態の場合、車体側壁部22に縫合させた補強布31に延設部31cを設け、各テザー43における車体側壁部22の側の端部43aを、その延設部31cに縫合させて、車体側壁部22の側に結合させている。そのため、補助膨張部36の乗員側結合部42が、乗員側壁部25に縫合され、かつ、延設部31cを備えた補強布31が、車体側壁部22に縫合されていても、それらの縫合後の後工程で、テザー43の端部43aと延設部31cとを、ガス流入口23からエアバッグ20外に引き出して、両者を容易に縫合させることができ、テザー43を容易に形成することができる。
【0089】
ちなみに、上記の点を考慮しなければ、車体側壁部22の側の補強布31に延設部31cを設けずに、各テザー43の端部43aを、直接、補強布33の外周縁付近等に、縫合等して、結合させてもよい。あるいは、布材37に各テザー43を設けずに、延設部31cを長く延ばし、それらの先端側を乗員側壁部25に縫合等により結合させて、各延設部31c自体で、テザー43を構成してもよい。
【0090】
また、第1実施形態では、車体側結合部38からテザー43・43の先端まで、一枚の膨張部用布材37から形成されている。そのため、一枚の膨張部用布材37を使用するだけで、補助膨張部36を配設させ、かつ、膨張初期から膨張途中までと、膨張完了時と、の二段階で、エアバッグ本体21の形状を規制可能なエアバッグ20を、簡便に、製造することができる。
【0091】
そしてまた、第1実施形態では、エアバッグ装置M1が、折り畳まれたエアバッグ20を収納するケース10、を備えるとともに、エアバッグ20の内周面側におけるガス流入口23の周縁を押えて、エアバッグ20をケース10に取付可能な環状のリテーナ6、を備えて構成されている。そして、補助膨張部36を形成する膨張部用布材37が、車体側結合部38と乗員側結合部42とを備えて、車体側結合部38が、リテーナ6に押えられて車体側壁部22に結合されている。すなわち、周壁部39の下端側における車体側結合部38の車体側壁部22への結合を、縫合等の接合手段を利用することなく、リテーナ6で押えるだけで、行なえる。そのため、周壁部39の車体側結合部38を、容易に形成することができる。
【0092】
なお、第1実施形態において、エアバッグ20の補助膨張部36の容積は、車体側結合部38と乗員側結合部42との間の長さ寸法の調整により、変更することができる。例えば、容積を大きくする場合には、第1実施形態の場合、乗員側結合部42を、円板状の平板部37aの外周縁に接近させればよい。この時、補助膨張部36の容積増加に伴い、乗員側への突出量も増加させることができる。さらに、平板部37aの略円板形状を大きして、その外周縁に乗員側結合部42を接近させれば、一層、補助膨張部36の容積と乗員側への突出量を大きくすることができる。逆に、補助膨張部36の容積を小さく、かつ、乗員側への突出量を小さくする場合には、乗員側結合部42の外径寸法を小さくすればよい。
【0093】
この時、図12・13に示す第2実施形態のエアバッグ装置M2のように、平板部37a自体の形状を小さくしてもよい。
【0094】
この第2実施形態のエアバッグ装置M2は、エアバッグ20Aの補助膨張部36の容積と乗員側への突出量が小さくなるだけで、第1実施形態と同様な構成であり、各部材・部位には、同一の符号を付してある。そして、第2実施形態のエアバッグ装置M2でも、第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
【0095】
なお、第2実施形態のエアバッグ20Aにおける補助膨張部36の破断予定部41は、開口38aを中心とした略半円弧状として、ガス流出口40・40相互を連結するように、配設されており、破断予定部41をこのように構成してもよい。
【0096】
また、第1・2実施形態では、ステアリングホイール用のエアバッグ装置M1・M2について、説明したが、本発明を、助手席用エアバッグ装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるエアバッグ装置が使用されるステアリングホイールの平面図である。
【図2】第1実施形態のステアリングホイールの概略断面図である。
【図3】第1実施形態で使用されるエアバッグの展開状態の平面図である。
【図4】第1実施形態のエアバッグにおける展開状態の底面図である。
【図5】第1実施形態のエアバッグにおける展開状態の概略断面図である。
【図6】第1実施形態のエアバッグの製造時における構成部材を示す概略分解斜視図である。
【図7】第1実施形態のエアバッグのガス流入口付近を示す概略断面図であり、車両の左右方向に沿った概略断面図である。
【図8】第1実施形態のエアバッグの折り畳み工程を示す概略図である。
【図9】第1実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張初期状態を示す概略断面図であり、車両の前後方向に沿った概略断面図である。
【図10】第1実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張完了状態を示す概略断面図であり、車両の左右方向に沿った概略断面図である。
【図11】第1実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張過程を、側方から見た概略図である。
【図12】第2実施形態のエアバッグの構成部材を示す概略分解斜視図である。
【図13】第2実施形態のエアバッグにおける補助膨張部の膨張時を示す概略断面図である。
【符号の説明】
20・20A…エアバッグ、
21…エアバッグ本体、
22…(エアバッグ本体の外周壁)車体側壁部、
23…ガス流入口
25…(エアバッグ本体の外周壁)乗員側壁部、
25a…対向部位、
36…補助膨張部、
38…車体側結合部、
39…周壁部、
40…ガス流出口、
41…破断予定部、
42…乗員側結合部、
43…テザー、
44…天井壁部、
D…(乗員)運転者、
G…膨張用ガス、
M1・M2…エアバッグ装置。
Claims (6)
- 膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグが、
膨張用ガスを流入させるためのガス流入口を有して、膨張完了時の外周壁を構成するエアバッグ本体と、
前記ガス流入口に連通するように、前記エアバッグ本体内に配設されて、前記エアバッグ本体の膨張完了前に、乗員を保護可能に膨張する補助膨張部と、
を備えて構成されるエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ本体の外周壁が、前記ガス流入口を有した車体側壁部と、前記ガス流入口に対向する乗員側壁部と、を備えるとともに、前記車体側壁部と前記乗員側壁部との外周縁相互を縫合させて形成され、
前記エアバッグの補助膨張部が、前記車体側壁部のガス流入口の周縁から前記乗員側壁部における前記ガス流入口に対向する対向部位まで延びる筒状の周壁部に囲まれて形成されるとともに、該周壁部の乗員側壁部側の端部を前記乗員側壁部に結合させて、前記乗員側壁部における前記対向部位を前記補助膨張部の天井壁部として、構成され、
前記周壁部が、前記ガス流入口から流入する膨張用ガスを前記エアバッグ本体側に流出可能なガス流出口を備え、
前記補助膨張部が前記エアバッグ本体の膨張完了前にクッション作用を奏し得る内圧を確保して膨張可能に、前記ガス流出口が、前記ガス流入口からの膨張用ガスを前記補助膨張部に一旦貯留させて前記エアバッグ本体に流出可能な開口面積として、設定され、
前記周壁部が、膨張初期時の前記エアバッグ本体の乗員側への突出を抑えるように、前記乗員側壁部の前記対向部位における前記ガス流入口からの離隔距離を規制可能とするとともに、前記エアバッグ本体の内圧上昇に伴なう前記周壁部への張力作用時、前記離隔距離の規制と前記補助膨張部の膨張状態とを解除可能に、前記エアバッグ本体の前記車体側壁部と前記乗員側壁部とから離れた前記周壁部の部位に配置させた破断予定部を破断させて、前記エアバッグ本体の膨張を完了させるように、構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記エアバッグの補助膨張部が、膨張初期時に前記エアバッグ本体の乗員側への突出を抑えるように、前記ガス流出口から前記エアバッグ本体内へ流出する膨張用ガスの流出方向を、制御可能な整流用部材として、配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
- 前記エアバッグの前記補助膨張部が、前記ガス流出口を複数配設させるとともに、前記破断予定部が、前記各ガス流出口相互の間に、スリットを配設させて構成されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のエアバッグ装置。
- 前記周壁部が、前記乗員側壁部との結合部を、前記車体側壁部との結合部より、前記ガス流入口を中心として、外側に配置させていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
- 前記エアバッグが、前記エアバッグ本体の膨張完了時に、前記乗員側壁部の前記ガス流入口からの離隔距離を規制可能なテザー、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
- 前記周壁部が、前記乗員側壁部の側を延設させ、
該延設部位が、前記ガス流入口近傍の前記車体側壁部の側に、結合されて、前記テザーとして、構成されていることを特徴とする請求項5に記載のエアバッグ装置。
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