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JP3865528B2 - 半導体メモリ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体不揮発性メモリ及び高密度DRAMに最適な強誘電体薄膜コンデンサを用いた半導体メモリ素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の強誘電体薄膜コンデンサを用いた半導体メモリでは、例えば「強誘電体薄膜メモリ」(サイエンスフォーラム刊,1995年)227頁に記載されているように、Pt上部電極/強誘電体層(PZT)/Pt下部電極の積層構造を持っている。この強誘電体層の製造方法としては、ゾル・ゲル法,スパッタリング法,CVD(Chemical Vapor Deposition)法等が知られている。
【0003】
例えば、特開平7−142600号公報に記載された薄膜の形成方法では、BaTiO3の化合物をPt下部電極上に形成している。Pt薄膜の結晶配向をそのまま受け継ぐことにより、強誘電性薄膜の配向性を制御し、残留分極を確保していた。
【0004】
また例えば、Integrated Ferroelectrics ,1995,Vol10,pp.145-154に記載されたPZT強誘電体薄膜は、下部電極上にスパッタ法でPZTを成膜し、アニールで結晶化させている。この強誘電体薄膜の走査電子顕微鏡による表面観察写真では、平均結晶粒径は約180nmであり、結晶粒径の相対標準偏差は約15%であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、強誘電体薄膜の結晶粒径を制御することが困難であった。強誘電体薄膜をパターニングし、メモリキャパシタとしたときに、結晶粒径のばらつきが大きいために、メモリセル間の特性ばらつきが大きくなる。その結果、すべてのメモリセルで同時に十分な特性を得ることが困難であり、製造上の歩留り低下を引き起こすという問題があった。またメモリセル内での結晶粒子の粒径ばらつきが大きいために、リーク電流の発生、あるいは粒界部分の電界集中による膜疲労の発生等が起こり、メモリセル性能上の問題となっていた。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するために、メモリセル間で特性ばらつきの少ない強誘電体薄膜キャパシタを提供し、高集積強誘電体メモリを高性能化すると同時に製造歩留りを向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の半導体メモリ素子は、強誘電体薄膜コンデンサをメモリキャパシタとして用いる半導体メモリ素子であって、前記コンデンサが、少なくとも接着層、下部電極、強誘電体薄膜及び上部電極を基板上に順次形成した積層構造を備え、前記下部電極が、前記基板面に対して(111)優先配向してなり、前記強誘電体薄膜の結晶粒子が、初期核から形成された微小核を基に結晶成長させた前記下部電極と同じ(111)優先配向を有する膜厚方向に平行な柱状形状であり、前記強誘電体薄膜の表面粗さとして、前記強誘電体薄膜の表面の平均面に対する最高値と最低値との差が、前記強誘電体薄膜の平均膜厚に対して40%以下となるように、前記強誘電体薄膜が前記下部電極の上に形成されてなり、前記強誘電体薄膜の膜厚方向を法線とした面内であって、前記柱状形状の結晶粒子における平均結晶粒径の相対標準偏差が13%以下の範囲であり、前記強誘電体薄膜がペロブスカイト構造を有するABO 型酸化物であり、その組成として、AはPb、La、Sr、Nd、Baの中から選ばれた少なくともひとつの元素からなり、BはZr、Ti、Mn、Mg、Nb、Sn、Sb、Inの中から選ばれた少なくともひとつの元素からなるものである。
本発明においては、基板上の少なくとも下部電極,強誘電体薄膜及び上部電極の積層構造よりなる強誘電体薄膜コンデンサをメモリキャパシタとして使用する半導体メモリ素子において、該強誘電体薄膜の結晶粒径の相対標準偏差を13%以下に制御し、かつ膜厚方向に平行な柱状形状とし、かつ膜厚方向に粒界を有さないとすることにより、リーク電流や強誘電体薄膜内部や強誘電体薄膜と電極等との界面での電界集中によるキャパシタ間の印加実効電圧の低下を防ぐことができる。
【0008】
また上記キャパシタの下部電極としてPt電極、あるいはPt合金を使用し、該下部電極を基板面に対して垂直方向に(111)優先配向とすることにより、その上に形成した強誘電体結晶粒子の配向性を向上することができる。これにより、メモリセル間の均一性を更に向上することができる。また上記下部電極としてRu,Ir乃至同酸化物やPtと強誘電体薄膜中に含む元素との化合物を使用することによっても同様に達成される。
【0009】
また強誘電体材料として、ペロブスカイト構造を有するABO3型酸化物を使用し、各強誘電体結晶粒子を基板面に対して垂直方向に(111)優先配向とすることにより、配向性ばらつきによる特性の不均一性を低減できる。該強誘電体の組成として、A=Pb,La,Sr,Nd及びBaの中から選択される少なくとも1つの元素、B=Zr,Ti,Mn,Mg,Nb,Sn,Sb及びInの中から選択される少なくとも1つの元素を用いることにより、不揮発性メモリに好適な残留分極の大きい強誘電体薄膜を得ることができる。また該強誘電体組成がA=Pb,La,Sr,Nd及びBaの中から選択される少なくとも1つの元素であり、B=Zr,Ti,Mn,Mg,Nb,Sn,Sb及びInの中から選択される少なくとも1つの元素を用いることにより、メモリ使用温度においてヒステリシスのない常誘電層を得ることができ、DRAM等のキャパシタに好適な膜を得ることができる。
【0010】
また、強誘電体薄膜の結晶粒径の相対標準偏差を小さくする方法として、下部電極上にばらつきの少ない晶粒子成長に必要な微小核形成のために、該強誘電体材料に含まれる少なくとも1つ以上の元素の金属,酸化物あるいは化合物の初期核を形成し、あるいは下部電極形成後に高温熱処理を行い、下部電極表面に接着層(下部電極とCMOS基板との密着層)に含まれる少なくとも1つ以上の元素の金属,酸化物あるいは化合物を析出させることにより、微小核形成に必要な初期核を形成し、該初期核層の上に半導体装置に要求される膜厚の強誘電体薄膜を形成して結晶化を行うことにより、結晶粒径の相対標準偏差の小さく、各結晶粒子が基板面に対し垂直方向に(111)優先配向である、表面粗さの小さい強誘電体キャパシタを得ることができる。
【0011】
あるいは、下部電極表面に形成させる初期核層に、ペロブスカイト構造を有するABO3型酸化物を使用し、その組成としてA=Pb,La,Sr,NdおよびBaの中から選択される少なくとも1つの元素、B=Zr,Ti,Mn,Mg,Nb,Sn,Sb及びInの中から選択される少なくとも1つの元素を用いることにより、結晶粒径が小さく、結晶粒径の相対標準偏差が小さい強誘電体薄膜を得ることができる。その結果、強誘電性低下の原因である、絶縁物であるパイロクロア構造の結晶粒子や、ロゼッタ状の酸化物結晶粒子成長の抑制を可能となり、不揮発性メモリに最適な、残留分極値が大きい、かつリーク電流が小さい、かつ膜疲労(書き換えによる残留分極の低下)の小さい強誘電体薄膜を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を説明する。
(1)強誘電体薄膜を搭載した半導体メモリ素子
図9は、本発明装置の一実施の形態となる強誘電体薄膜を用いた半導体メモリ素子のキャパシタ部分の概要を示す断面図である。基板99上に、下地LSI91であるメモリセルのトランジスタ部分となるCMOSを形成し、更にその上に平坦化及び絶縁、保護のため絶縁層92を形成する。本発明の実施の形態では,BPSGと呼ばれるSiO2ガラス膜を膜厚300nmで形成している。SiO2絶縁層92の上に、接着層81(20nm),下部電極11(200nm),本発明の結晶粒径の相対標準偏差が13%以下の結晶粒子の集合体で構成される強誘電体層94(250nm),上部電極95(10nm)の積層構造よりなる強誘電体キャパシタを形成する。キャパシタ上には、層間絶縁層96及び配線層93を積層し、キャパシタ電極6,8とトランジスタとの配線を行っている。更に上部にはSiO2等よりなる保護層97を成膜し、封止樹脂98でパッケージングを行っている。
【0013】
(2)強誘電体薄膜の結晶粒径の相対標準偏差
図1は、本発明装置の一実施の形態となる、下部電極11上に形成された結晶粒子13で構成された結晶粒径の相対標準偏差が13%以下の強誘電体薄膜12を用いた半導体メモリ素子のキャパシタ部分の概要を示す上面及び断面図である。このとき該結晶粒径14のばらつきは相対標準偏差σとして定義され、(数1)で表される。単位は%であり、数値の大小によって、結晶粒径の大きさが揃っているか否かを判断できる。
【0014】
【数1】
Figure 0003865528
【0015】
結晶粒径の相対標準偏差の解析については、走査型電子顕微鏡(SEM),原子間力顕微鏡(AFM)あるいは断面TEM(透過型電子顕微鏡)により薄膜表面または断面像を測定して、強誘電体薄膜の膜厚方向を法線とした面内の結晶粒径とその相対標準偏差σを求めた。図2に実施の形態の1つとして、結晶粒径の求め方を示す。AFMで得られた強誘電体薄膜の1μm角の観察像について、縦横方向に直線(結晶粒径計算走査線21)を設ける。このとき、各走査線に対する結晶粒子の数を求める。(数1)に結晶粒径の相対標準偏差の計算式を示す。求めた結晶粒子数を(数1)に代入することにより、平均結晶粒径とその相対標準偏差が得られる。ここで使用したAFMは、米国デジタルインスツルメンツ社製の走査型プローブ顕微鏡NanoScopeIIIである。該AFMのプローブ(探針)先端の曲率半径は10nmであり、そのテーパ角は35゜である。このプローブを用いたとき、最表面の粒子と粒子間が80nmのとき、プローブの侵入深さの限界は110nmである。本実施の形態のAFM測定では、タッピングモードで行った。タッピングモードの詳細な原理は、東陽テクニカ発行の大型サンプルSPM観測システムオペレーションガイド(平成8年4月)に記載されている。
【0016】
図3に、本発明のPZT強誘電体薄膜のX線回折パターン例を示す。横軸に回折角2θ,縦軸にX線回折強度を示している。測定装置については、CuターゲットのX線管球をX線源に用いた粉末X線回折装置を使用した。このとき、強誘電体薄膜については111と222の回折ピークが主に測定され、他の100,110,200,210,211及び220の回折ピークは小さく、ほとんど測定できなかった。したがって、本発明の強誘電体薄膜は、基板面に対し垂直方向に(111)優先配向であることが分かった。すなわち、該強誘電体薄膜の結晶面(111)に対応する逆格子ベクトルが、基板面に対して垂直であることを示している。また、電極Ptの回折ピーク111と222や下地Tiの回折ピークが確認された。
【0017】
図4(a)及び(b)に平均結晶粒径aと残留分極値P及び膜疲労との相関図を示す。
【0018】
ここで記述する膜疲労は、108回まで書き込んだ後の残留分極値を書き込む前の初期残留分極値で割った百分率で定義する。単位は%である。この膜疲労が小さいとき書き換え可能回数は大きく、膜疲労が大きいとき書き換え可能回数は小さいことを表している。尚、残留分極値Pや膜疲労の物理的意味や定義、また測定・解析方法は、「強誘電体薄膜メモリ」(サイエンスフォーラム刊,1995年)や Integrated Ferroelectrics Vol18,pp.1−17(1997)など強誘電体材料に関する文献に記載されている。図4からわかるように、平均結晶粒径が80nmまでは、粒径粒径が小さくなるにつれて、残留分極値Pは大きくなり、膜疲労は小さくなる(書き換え可能回数は大きくなる)。該平均結晶粒径が80nm以下では、残留分極値Pは高い値を、膜疲労は小さい(書き換え可能回数は大きい)値を保ったまま一定となる。
【0019】
図5(a)及び(b)に結晶粒径の相対標準偏差σと残留分極値P及び膜疲労との相関図を示す。このとき横軸は、前記したAFMを用いて(数1)で求めた結晶粒径の相対標準偏差σである。単位はnmである。この図から、該結晶粒径の相対標準偏差σが13%までは、該結晶粒径の相対標準偏差σが小さくなるにつれて残留分極値Pは大きくなり、膜疲労は小さくなる(書き換え可能回数は大きくなる)ことがわかる。該結晶粒径の相対標準偏差σが13%以下では、残留分極値Pは高い値を、膜疲労は小さい(書き換え可能回数は大きい)値を保ったまま一定となる。
【0020】
(3)強誘電体薄膜の表面粗さ
図6に、AFMを用いた表面凹凸測定の断面概要図を示す。AFMプローブ62で、CMOS基板63上の下部電極11を介して作製された強誘電体薄膜12表面上を振動(タッピング)させながら走査させたとき、強誘電体薄膜表面の凹面すなわち粒界部分では大きく振幅し、凸面すなわち結晶粒子部分では小さく振幅する。この振幅を電気信号に変換して、表面粗さ61の凹凸を測定する。
【0021】
強誘電体薄膜表面粗さの算出については、実施の形態1で記述した、AFM,SEMあるいはTEMで求めた強誘電体薄膜の表面凹凸形状(曲面)に対して、以下の方法で表面粗さを見積もった。本実施の形態の一例として、表面粗さはAFMで測定した凹凸全データの最高値と最低値の差の標準偏差で表した。(数2)は表面粗さRmsを、標準偏差で表した式である。単位はnmである。または、他の表面粗さの定義として、(数3)に中心面(この平面と表面形状がつくる体積はこの面に対し上下で等しくなる)に対する3次元の平均表面粗さを表す。単位はnmである。詳細は、東陽テクニカ発行の大型サンプルSPM観測システムオペレーションガイド(平成8年4月)に記載されている。
【0022】
【数2】
Figure 0003865528
【0023】
【数3】
Figure 0003865528
【0024】
図7(a)及び(b)に、本実施の形態の1つとして表面粗さRmsと残留分極値P及び膜疲労との相関図を示す。このとき横軸は、前記AFMを用いて表面凹凸を測定し、(数2)で求めた表面粗さRmsである。単位はnmである。この図から、該表面粗さRmsが10nmまでは、表面粗さRmsが小さくなるにつれて残留分極値Pは大きくなり、膜疲労は小さくなる(書き換え可能回数は大きくなる)。該表面粗さRmsが10nm以下では、残留分極値Pは高い値を保ったまま一定となる。
【0025】
(4)強誘電体薄膜の製造方法
図8に本実施の形態における強誘電体薄膜の製造方法を示す。結晶粒径の相対標準偏差が13%以下の強誘電体薄膜を得るためには、結晶粒子成長に必要な初期核形成が必要である。はじめに強誘電体薄膜形成の前に、スパッタリング法、CVD法あるいはゾル・ゲル法で、該強誘電体材料に含まれる少なくとも1つ以上の元素の金属,酸化物あるいは化合物の極薄膜層を設け、その後高温熱処理により初期核82を形成する(図8(b))。または、下部電極形成後に高温熱処理を行い、下部電極11表面に、接着層81(下部電極11とCMOS基板64との接着層)に含まれる少なくとも1つ以上の元素の金属,酸化物あるいは化合物を析出させることにより、微小核形成に必要な初期核82を形成する(図8(b))。ここで記載した初期核82として、ペロブスカイト構造を有するABO型酸化物を使用し、その組成としてA=Pb,La,Sr,Nd及びBaの中から少なくとも1つの元素、B=Zr,Ti,Mn,Mg,Nb,Sn,Sb及びInの中から選択される少なくとも1つの元素を用いる。あるいは、上記A,Bに含まれる少なくとも1つの元素で構成された酸化物を使用する。次に、該初期核82の上に、スパッタリング法、CVD法あるいはゾル・ゲル法等で、半導体メモリ素子に要求される膜厚分だけ、結晶化前誘電体膜83を成膜する(図8(c))。その後、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用い、ランプによる迅速な熱処理を行って、結晶化後誘電体膜84が得られる(図8(d))。本発明の実施の形態における熱処理では、各結晶粒子がペロブスカイト構造であり、かつ基板面に対し垂直方向に(111)優先配向である強誘電体薄膜を得ることができる。以上の製造方法により、平均結晶粒径が約80nmであり、結晶粒径の相対標準偏差が約13%、かつ表面粗さの標準偏差が約10nmである(111)優先配向の強誘電体薄膜を得ることができるので、強誘電性劣化の原因であるパイロクロア構造を有する結晶粒子やロゼッタ状の酸化物結晶粒子の成長を抑制できる。したがって、高い残留分極値を有し、かつ膜疲労の小さい(書き換え可能回数の大きい)強誘電体キャパシタを得ることができる。
【0026】
(5)強誘電体薄膜を備えた半導体メモリを搭載したICカード
ICカードは、その場の要求に応じて様々な半導体メモリが使用されている。本発明の強誘電体薄膜を用いた半導体メモリは、不揮発性メモリである。本発明のICカードは、SRAM(Static Random Access Memory)のようにデータ保持に電池を内蔵する必要がないので、チップサイズの制限,携帯性,メンテナンスフリーの点で有利である。本発明の強誘電体薄膜を備えた半導体メモリは、高歩留りに製造できるので、低コストでICカードを供給することができる。また、不揮発性メモリの1つであるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)(書き換え可能回数10〜10回)より書き換え回数の向上が図られているので、ICカードの耐用年数が向上し、ランニングコストが低くなる。尚、ICカードの簡単なシステム構成の一例が、川合 知二編著「消えないICメモリFRAMのすべて」(工業調査会刊,1996年)やリアライズ社最新技術講座資料集「不揮発性強誘電体薄膜メモリの最新技術とプロセス技術課題」(リアライズ社,1996年)に記載されている。
【0027】
(6)強誘電体薄膜を備えた半導体メモリを搭載したコンピュータ
従来のDRAM(Dinamic Random Access Memory)を搭載したコンピュータは、電源切断による作業データの消滅を防ぐことができない。本発明の強誘電体薄膜を用いた半導体メモリは不揮発性メモリである。したがって、本発明のコンピュータは、不意の停電でも直前までの作業状態を保持できる。また、電源投入毎にシステムやアプリケーショーンを読み込む必要はなく、電源投入後すぐに作業を開始できる。また,無停電電源や電池を内蔵する必要がないので、コンピュータの小型化や重量軽減による携帯性の向上あるいは省スペース化を図ることができる。
【0028】
(7)強誘電体薄膜を備えた半導体メモリを搭載した携帯情報端末機器
本発明の携帯情報端末機器の1つである携帯電話について、その内蔵半導体メモリは小電力で駆動できる。また不揮発性メモリであるので、データ保存用の電源が不要になる。したがって従来のDRAMやSRAMやEEPROMを搭載した携帯情報端末機器に比べて、内蔵電池の小型化による本体重量の軽減や、電池の大容量化なしで本体駆動時間の長時間化が実現する。
【0029】
(8)強誘電体薄膜を備えた半導体メモリを搭載した映像音響機器
本発明の映像音響機器の1つであるビデオカメラは、画像や音声情報記録用のDRAMやSRAMやEEPROM等の半導体メモリ素子を内蔵した従来のビデオカメラに比べて、内蔵半導体メモリ素子の駆動電力は少なくて済み、またデータ保存用の電源が不要になる。そのため、内蔵電池の小型化による本体重量の軽減や、電池の大容量化なしで本体駆動時間の長時間化が可能になる。
【0030】
【発明の効果】
本発明により、メモリセル間の特性ばらつきの少ない強誘電体キャパシタを実現でき、高品質で製造歩留りの高い半導体メモリ素子を得ることが可能になる。本発明の半導体メモリ素子は、データ保存用の電源不要,省電力駆動あるいは書き換え回数向上を可能にした不揮発性メモリである。したがって、本発明の半導体メモリ素子を搭載したシステム装置については、内部電源の小容量化や非内蔵化が可能になり、本体システム装置の小型化、耐用年数の増加あるいは低価格化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態となる結晶粒径の相対標準偏差が13%以下の強誘電体薄膜を用いた半導体メモリ素子のキャパシタ部分の概要を示す上面図である。
【図2】本発明の一実施の形態となるAFMで得られた強誘電体薄膜の1μm角領域観察像における結晶粒径の求め方を示す上面図である。
【図3】本発明の一実施の形態となる半導体メモリ素子中の強誘電体キャパシタのX線回折図である。
【図4】図4(a)は、本発明の一実施の形態となる平均結晶粒径aと残留分極値Pとの相関図であり、図4(b)は、本発明の一実施の形態となる平均結晶粒径aと膜疲労との相関図である。
【図5】図5(a)は、本発明の一実施の形態となる強誘電体薄膜における結晶粒径の相対標準偏差σと残留分極値Pの相関図であり、図5(b)は、本発明の一実施の形態となる強誘電体薄膜の結晶粒径の相対標準偏差σと膜疲労との相関図である。
【図6】本発明の一実施の形態となる強誘電体薄膜のAFMによる表面凹凸測定の断面概要図である。
【図7】図7(a)は、本発明の一実施の形態となる表面粗さRmsと残留分極値Pのの相関図であり、図7(b)は、本発明の一実施の形態となる表面粗さRmsと膜疲労の相関図である。
【図8】本発明の一実施の形態となる強誘電体薄膜を製造方法である。
【図9】本発明装置の一実施の形態となる強誘電体薄膜を用いた半導体メモリ素子のキャパシタ部分の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
11…下部電極, 12…強誘電体薄膜,
13…結晶粒子, 14…結晶粒径,
21…結晶粒径計算走査線,
61…表面粗さ, 62…AFMプローブ
63…CMOS基板
81…接着層, 82…初期核
83…結晶化前誘電体膜 84…結晶化後誘電体膜
91…下地LSI, 92…絶縁層
93…配線層, 94…強誘電体層,
95…上部電極, 96…層間絶縁層,
97…保護層, 98…封止樹脂
99…基板

Claims (1)

  1. 強誘電体薄膜コンデンサをメモリキャパシタとして用いる半導体メモリ素子であって、
    前記コンデンサは、少なくとも接着層、下部電極、強誘電体薄膜及び上部電極を基板上に順次形成した積層構造を備え
    記下部電極が、前記基板面に対して(111)優先配向してなり、
    前記強誘電体薄膜の結晶粒子が、初期核から形成された微小核を基に結晶成長させた前記下部電極と同じ(111)優先配向を有する膜厚方向に平行な柱状形状であり、
    前記強誘電体薄膜の表面粗さとして、前記強誘電体薄膜の表面の平均面に対する最高値と最低値との差が、前記強誘電体薄膜の平均膜厚に対して40%以下となるように、前記強誘電体薄膜が前記下部電極の上に形成されてなり、
    前記強誘電体薄膜の膜厚方向を法線とした面内であって、前記柱状形状の結晶粒子における平均結晶粒径の相対標準偏差が13%以下の範囲であり、
    前記強誘電体薄膜がペロブスカイト構造を有するABO 型酸化物であり、その組成として、AはPb、La、Sr、Nd、Baの中から選ばれた少なくともひとつの元素からなり、BはZr、Ti、Mn、Mg、Nb、Sn、Sb、Inの中から選ばれた少なくともひとつの元素からなることを特徴とする半導体メモリ素子。
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