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JP3863924B2 - ねじとドライバービットの組合せ - Google Patents

ねじとドライバービットの組合せ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ねじ及びこれに適用するドライバービットに係るものであり、特にねじの頭部に形成する十字溝とこれに適応するドライバービットとの嵌合を緊密に行うと共に、ドライバービットのカムアウト現象の発生を有効に防止して、常に適正なトルク伝達によってねじの取付けおよび取外しを迅速かつ確実に達成することができるねじとドライバービットの組合せに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なねじとドライバービットの組合せは、図9ないし図12に示すように構成したものが知られている。すなわち、図9および図10は、従来の十字溝を有するねじを示し、図11はこの十字溝ねじ用のドライバービットを示し、図12は前記ねじとドライバービットとの嵌合状態を示すものである。
【0003】
しかるに、図9に示す従来のねじ10は、そのねじ頭部10aに十字溝12が設けられている。この十字溝12は、それぞれ端縁部よりねじ頸部10bの中心部に指向して、それぞれ一定の傾斜溝部12aが延在形成されると共に、その底部においては、緩傾斜のほぼ円錐底面14が形成されている。なお、参照符号13は、それぞれ隣接する十字溝12との間に形成されるテーパ側壁部を示す。すなわち、このテーパ側壁部13において、後述するドライバービットの翼部と当接係合する。
【0004】
一方、図11に示す従来のドライバービット20は、前記ねじ10の十字溝12に嵌合する翼部22をそれぞれ備えると共に、前記十字溝12の端縁部よりねじ頸部10bの中心部に指向して延在形成された傾斜溝部12aの形状に適合するようにそれぞれ延在させた延長翼部22aが形成されている。なお、参照符号23は、前記各翼部22ないし延長翼部22aの両側面に形成されるテーパ側壁部を示す。すなわち、このテーパ側壁部23が、前述したねじ10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13と当接係合する。
【0005】
このように構成された従来のねじとドライバービットの組合せによれば、図12に示すように、ねじ10とドライバービット20とを嵌合すれば、前述したように、ドライバービット20の各翼部22および延長翼部22aが、それぞれ十字溝12の傾斜溝部12aに嵌入し、前記各翼部22および延長翼部22aの側壁部23が、ねじ10の十字溝12のテーパ側壁部13に当接する。そこで、ドライバービット20を回動することにより、ねじ10に対して所定のトルク伝達を行ことができる。すなわち、所要のねじ取付け対象物におけるねじの取付けまたは取外しを行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した構成からなる従来のねじ10とドライバービット20の組合せによれば、図12に示すように、ねじ頭部10aの十字溝12は、その端縁部よりねじ頸部10bの中心部に指向して一定の傾斜溝部12aを形成しており、一方これに対応するドライバービット20は、その延長翼部22aの稜線部分が前記傾斜溝部12aの形状に適合して前記十字溝12に嵌合される。しかも、この延長翼部22aの稜線部分は、その先端より後方に指向して漸次幅広く形成されている。さらに、ドライバービット20の各翼部22に形成されたテーパ側壁部23も、ねじ10の十字溝12に形成されたテーパ側壁部13に当接係合するため、前記ドライバービット20を所定の方向に回動させると、前記ドライバービット20と十字溝12との接触状態が、全面的にテーパ接触と言えるものであるため、ドライバービット20の先端は前記十字溝12の傾斜溝部12aの傾斜面に沿って外方へ飛び出そうとする(図12に矢印で示す)、所謂カムアウト現象が生じる。
【0007】
特に、従来のねじの十字溝の形状は、図10に示すように、ドライバービット20の先端の嵌合を容易にするため、それぞれ十字溝12の溝幅はドライバービット20の延長翼部22aの稜線部分の幅より比較的大きく形成され、一方隣接する十字溝12、12間の境界部分に形成されるテーパ側壁部13の面積は比較的小さく形成されている。このため、前記ドライバービット20の回動操作において、前記テーパ側壁部13には多大な応力が負荷され、ねじ締め抵抗が大きな場合には、図10に斜線部15で示すように、前記テーパ側壁部13が次第に破損する。従って、この破損部(斜線部15)が拡大されると、前記ドライバービット20のカムアウト現象が頻繁に生じて、遂にはねじ締め作業が不可能となる。
【0008】
このような観点から、前記ドライバービット20のカムアウト現象を防止するためには、ドライバービット20の回動に際し、これをねじの傾斜溝部12aに対して強力に押し付ける推力を加えることが必要となる。しかしながら、ねじの取付け対象物が金属等の剛性体である場合は問題ないが、木材や合成樹脂等の場合には、これら対象物を損傷ないし破損してしまう欠点がある。
【0009】
また、前述したカムアウト現象の発生を防止するために、ドライバービット20に推力を加えることにより、ビット先端部すなわち翼部22および延長翼部22aの摩耗が顕著となり、これらの摩耗により、返って前記カムアウト現象を助長するばかりでなく、ねじ溝の破損も増大することになる。
【0010】
さらに、前記ドライバービット20に対して過大な推力を加えることにより、前記カムアウト現象の発生を防止することは可能であるが、その反面において、ねじに対して正確なトルクを伝達することができずに、特に電動ドライバーを使用する場合には、操作者によってドライバービット20に加える推力の大きさが相違し、この結果ねじの締付けトルクにばらつき生じる難点がある。
【0011】
さらにまた、タッピングねじの場合、これを合成樹脂等の対象物に対してねじの締付けを行う際には、ねじの回転摩擦に加えて推力による摩擦が加わって、対象物に高熱が発生して対象物のねじ取付け部分の硬度を低下させ、ねじの緩みの発生ないしは対象物を破損させる等の難点がある。
【0012】
一方、手動でねじの締付けを行う場合、ドライバービット20をねじに対し十分押し付けながらこれを回動させるという操作は、操作者にとって多大な労力と疲労とを与える難点がある。
【0013】
また、前述した従来のねじ10とドライバービット20の組合せによれば、手動工具あるは電動工具を使用してねじの取付けを行う場合、ねじ溝に対するビット先端部との嵌合に際して、ねじ軸とドライバービット軸とを同軸に適合させた状態を維持してねじの回動操作を行うことは困難であり、従ってねじ軸とドライバービット軸とが傾斜している場合には、前記カムアウト現象が頻繁に発生するばかりでなく、ねじ溝の破損も頻繁に生じることになる。
【0014】
さらに、ねじの取外し作業に際しても、前記と同様のカムアウト現象およびねじ溝の破損を生じ易くなるが、この場合にねじの取外しが不可能となり、ねじの取付け対象物の一部を破壊しなければならなくなる事態が発生する。特に、ねじ溝内にごみ詰まり等を生じた場合には、前記事態の発生は著しくなる欠点がある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、ねじとドライバービットの組合せにおいて、ねじの十字溝における溝部の構成を改善することにより、ドライバービットのカムアウト現象の発生を有効に防止し、従来におけるようなねじの破損を防止すると共に、仮にねじの十字溝部分に破損を生じても、常に適正かつ迅速なねじ締め作業を達成し、作業能率を著しく向上することができるねじとドライバービットの組合せを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係るねじとドライバービットの組合せは、ねじの十字溝に嵌合する翼部をそれぞれ備えると共にこれら翼部の先端をその中心部に指向して一定の傾斜で延在する延長翼部として形成した従来のドライバービットにも適合するようにねじのねじ頭部における十字溝からなるビット嵌合溝の端縁部に、それぞれ所定深さの垂直端壁部とその側壁部とを形成し、これらの垂直端壁部の下縁部よりねじ頸部の中心部に指向して、前記従来のドライバービットの先端部の形状に適合するように、水平および傾斜して延在する溝底部を形成すると共にその中心底部において緩傾斜の円錐底面を形成してなるねじと、
前記ねじのビット嵌合溝の垂直端壁部および水平に延在する溝底部とその側壁部とにそれぞれ係合する直角縁部とその側壁部とを有する翼部を設けると共に、前記各翼部の先端部中心に、前記ねじのビット嵌合溝の傾斜して延在する溝底部および円錐底面の内部形状に適合するように突出延在する垂直延長翼部を備えてなるドライバービットと、から構成したことを特徴とする。
【0017】
【作用】
本発明に係るねじとドライバービットの組合せによれば、ねじのねじ頭部における十字溝からなるビット嵌合溝の端縁部に形成した所定深さの垂直端壁部とその側壁部および前記垂直端壁部の下縁部よりねじ頸部の中心部に指向し水平および傾斜して延在する溝底部に対して、ドライバービットの直角縁部とその側壁部とを有する翼部および前記翼部の先端部中心に前記ねじのビット嵌合溝の傾斜して延在する溝底部および円錐底面の内部形状に適合するように突出延在するように形成した垂直延長翼部が、それぞれ嵌合当接して、従来のねじとドライバービットの組合せによるようなビット嵌合溝に対するテーパ接触面積を少なくし、むしろ隣接するビット嵌合溝の交差する境界部におけるドライバービットの先端が当接する側壁部の面積を拡大することができ、これによりドライバービットのカムアウト現象の発生を確実に防止することができる。
【0018】
すなわち、本発明のねじとドライバービットの組合せによれば、前記ドライバービットの前記直角縁部とその側壁部とを有する翼部および翼部の先端部中心に突出延在する垂直延長翼部の一部が、ねじのビット嵌合溝の端縁部に形成した垂直端壁部とその側壁部およ び垂直端壁部の下縁部よりねじ頸部の中心部に指向し水平および傾斜して延在する溝底部にそれぞれ確実に係合し、さらに前記各翼部の先端部中心に設けた垂直延長翼部の先端部が、ねじの中心底部に形成した緩傾斜の円錐底面に適合して、前記ねじに最も適合したものとなり、ドライバービットのカムアウト現象の発生を有効に防止することができる。
【0019】
また、本発明のねじとドライバービットの組合せにおいては、ねじのねじ頭部における十字溝からなるビット嵌合溝の端縁部に形成した所定深さの垂直端壁部とその側壁部、前記垂直端壁部の下縁部よりねじ頸部の中心部に指向し水平および傾斜して延在する溝底部および前記溝底部の中心底部において形成した緩傾斜の円錐底面は、それぞれ従来のドライバービットにも適合するように構成されているため、従来のドライバービットを使用することも可能であり、この場合においても、カムアウト現象の発生を防止する効果は発揮されると共に、適正なねじ締め操作を達成することができるという利点も有している
【0020】
【実施例】
次に、本発明に係るねじとドライバービットの組合せに関する実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0021】
図1および図2は、本発明に係るねじとドライバービットの組合せにおけるねじの一実施例を示すものである。すなわち、図1および図2において、参照符号30は本実施例のねじを示し、このねじ30の頭部30aには、ビット嵌合溝32が設けられる。このビット嵌合溝32は、その端縁部において、所定深さの垂直端壁部32aを形成し、この端壁部32aの下縁より若干のテーパを介して水平段部32bを設け、次いでこの水平段部32bからねじ頸部30bの中心部に指向して傾斜溝部32cをそれぞれ形成すると共に、その底部において緩傾斜のほぼ円錐底面34を形成した構成からなる。なお、参照符号33は、それぞれ隣接するビット嵌合溝32との間に形成される適宜抜きテーパを有するほぼ垂直な側壁部を示す。従って、これらの側壁部33において、後述するドライバービットの翼部の側壁部と当接係合する。
【0022】
このように、本実施例におけるねじ30は、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に水平段部32bをそれぞれ設け、これら水平段部32bからねじ頸部30bの中心部に指向してそれぞれ傾斜溝部32cを延在形成することにより、ビット嵌合溝32の全体に対するテーパ接触面積を部分的にしてかつ少なく構成し、しかも隣接するビット嵌合溝32の溝間の境界部におけるドライバービットの先端が当接する側壁部33の面積を拡大することができる。また、前記ビット嵌合溝32の溝幅は、後述するドライバービットの翼部の厚みに適合するように構成するが、ねじ表面に対するめっき塗装等を考慮して、前記厚みより若干幅広く構成すれば好適である。
【0023】
図3は、前記実施例に係るねじ30に適合するドライバービット40の一実施例を示すものである。すなわち、本実施例のドライバービット40は、前記ねじ30のビット嵌合溝32に嵌合し、このビット嵌合溝32の端縁部に形成した垂直端壁部32aと水平段部32bとにそれぞれ係合するほぼ直角に延在する縁部42aを有する翼部42をそれぞれ備えると共に、前記ビット嵌合溝32の水平段部32bよりねじ頸部30bの中心部に指向して延在形成された傾斜溝部32cの形状に適合するようにそれぞれ延在させた延長翼部42bを形成した構成からなる。なお、参照符号43は、前記各翼部42ないし延長翼部42bの両側面に形成される多少のテーパは許容し得るほぼ垂直な側壁部を示す。従って、この側壁部43は、前述した実施例におけるねじ30のビット嵌合溝32に形成された側壁部33と当接係合する。このようにして、本実施例においては、従来のねじとドライバービットの組合せにおいて生じたカムアウト現象を有効に防止することが可能となる。
【0024】
図4は、図3に示すドライバービット40の変形例を示すものであり、前記実施例のドライバービット40における翼部42の直角に延在する縁部42aを若干長く形成すると共に、延長翼部を下方に垂直に延在する垂直延長翼部42cとして構成したものである。すなわち、本実施例のドライバービット40においては、前記垂直延長翼部42cを形成することにより、この部分が前述した実施例におけるねじ30のビット嵌合溝32の傾斜溝部32cに対し、テーパ接触しないように構成したものである。このようにドライバービット40を構成することによって、カムアウト現象の防止をより確実なものとすることができるものである。
【0025】
図5は、前記実施例に係るねじ30(図1参照)とドライバービット40(図3参照)との嵌合操作を示すものである。すなわち、本実施例によれば、ドライバービット40の翼部42に形成した直角縁部42と延長翼部42bとが、それぞれねじ30のビット嵌合溝32の水平段部32b傾斜溝部32cに嵌入すると共に、前記各翼部42および延長翼部42bの側壁部43が、ねじ30のビット嵌合溝32の側壁部33に当接する。従って、このような状態で、ドライバービット40を回動することにより、ねじ30に対して所定のトルク伝達を行うことができる。
【0026】
特に、本実施例によれば、ねじ30のビット嵌合溝32に水平段部32bを形成したことにより、ドライバービット40との嵌合に際して、ドライバービット40の翼部42の側壁部43と当接するねじ30のビット嵌合溝32の側壁部33の当接面積を増大することができる。しかも、ねじ30のビット嵌合溝32の傾斜溝部32cとドライバービット40の延長翼部42bとが当接するテーパ接触面積が部分的でかつ少ないため、従来のねじとドライバービットの組合せにおいて生じたカムアウト現象を確実に防止することができる。
【0027】
図6は、図5に示すねじ30とドライバービット40との嵌合操作の変形例を示すものである。すなわち、本実施例においては、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32に対し、そのねじ軸L0 に所要の傾斜角度θをもってドライバービット40(ビット軸L1 )の先端翼部42を嵌合させたものである。本実施例によれば、このようなねじ30とドライバービット40との嵌合操作においても、前記実施例と同様にして、ドライバービット40を回動することにより、ねじ30に対して所定のトルク伝達を行うことができる。なお、この場合に許容し得るねじ軸L0 とビット軸L1 との間の角度θは、約15°以内が好適である。
【0028】
図7は、本発明に係るねじとドライバービットの組合せにおけるねじの別の実施例を示すものである。なお、説明の便宜上、図1に示す実施例のねじと同一の構成部分については、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。すなわち、本実施例においては、図1のねじでは、ねじ頭部30aが皿形であったねじに代えて、ねじ頭部30aがなべ形のねじに対して、前述した本発明の構成を適用したものである。しかるに、本実施例においては、ビット嵌合溝32の端縁部に形成した垂直端壁部32aからねじ頸部30bの中心部に指向して湾曲状の溝部32dをそれぞれ形成すると共に、その底部において緩傾斜のほぼ円錐底面34を形成した構成からなる。その他の構成は、図1に示す実施例のねじと基本的に同一である。
【0029】
このように構成した本実施例のねじ30を使用することによっても、前記実施例のドライバービット40との組合せにおいて、カムアウト現象を生じることなく、適正なねじ締め操作を行うことができる。その他、前記実施例のねじ30のねじ頭部30aに形成するビット嵌合溝32の溝部32dの形状、テーパとすることも可能である。
【0030】
また、本実施例のねじに対しては、例えば図3に示すドライバービット40において、各翼部42の直角縁部42aおよび延長翼部42bの形状に代えて、前記ねじ30のビット嵌合溝32に形成した湾曲状の溝部32dないしはテーパの溝部の形状にそれぞれ適合した形状とする翼部42の構成とすることもできる。
【0031】
図8は、図1に示す実施例におけるねじ30を製造するためのヘッダーパンチ50の一実施例を示すものである。すなわち、本実施例のヘッダーパンチ50は、図1に示すねじ30のねじ頭部30aにおけるビット嵌合溝32を押し抜き成形加工するものである。そして、本実施例のヘッダーパンチ50は、ねじ頭部30aのビット嵌合溝32の端縁部に垂直端壁部32aと水平段部32bとを形成するための直角縁部52aを有する突起片52をそれぞれ備え、これら突起片52よりねじ頸部30bの中心部に指向してそれぞれ延在する傾斜溝部32cを形成するための傾斜突条52bを設けた構成からなる。
【0032】
なお、図7に示す実施例のねじ30を製造するためのヘッダーパンチ50としては、図8に示す実施例のヘッダーパンチ50において、突起片52を、ビット嵌合溝32の端縁部における所定深さの垂直端壁部32aと、この端壁部32aより延在する湾曲状の溝部32dとを形成し得る形状に構成すれば好適である。
【0033】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得ることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
前述した実施例から明らかなように、本発明に係るねじとドライバービットの組合せによれば、ねじのねじ頭部における十字溝からなるビット嵌合溝の端縁部に形成した所定深さの垂直端壁部とその側壁部および前記垂直端壁部の下縁部よりねじ頸部の中心部に指向し水平および傾斜して延在する溝底部に対して、ドライバービットの直角縁部とその側壁部とを有する翼部および前記翼部の先端部中心に突出延在するように形成した垂直延長翼部が、それぞれ嵌合当接して、従来のねじとドライバービットの組合せによるようなビット嵌合溝に対するテーパ接触面積を少なくし、むしろ隣接するビット嵌合溝の交差する境界部におけるドライバービットの先端が当接する側壁部の面積を拡大することができ、これによりドライバービットのカムアウト現象の発生を確実に防止することができる。
【0035】
そして、本発明においては、ねじ頭部における十字溝からなるビット嵌合溝の端縁部に、それぞれ所定深さの垂直端壁部とその側壁部を形成し、これらの端壁部よりねじ頸部の中心部に指向し水平ないし傾斜して延在する溝底部を形成すると共に、その中心底部においてほぼ円錐底面を形成する、突起片ないし突条をそれぞれ備えたヘッダーパンチを使用することにより、本発明に係るねじを簡便に製造することができる。
【0036】
なお、本発明において使用するねじは、ドライバービットとの嵌合に際して、基本的にビット嵌合溝全体に対するテーパ接触面積を、部分的かつ少ない構成としたものであり、しかもドライバービットの先端の側壁部が当接するビット嵌合溝の側壁部の面積を拡大したことにより、ドライバービットのカムアウト現象は殆ど解消される。しかも、この効果は従来のドライバービットを使用した場合にも有効に発揮させることができる等の利点が得られる
【0037】
従って、本発明において使用するねじは、従来のドライバービット(図11参照)を使用しても、適正なねじ締め操作を達成することができる。しかし、この場合には、カムアウト現象により、例えば図10に示すようなビット嵌合溝の一部に破損(参照符号15)を生じ易く、そしてこのような破損が生じた場合には、前記従来のドライバービットでは最早ねじの締め付けないし取外しは困難となる。
【0038】
しかるに、本発明において使用するねじは、ねじ頭部のビット嵌合溝の一部において、前述したような破損を生じた場合においても、前記本発明に係るドライバービットを使用することにより、カムアウト現象を生じることなく、適正なねじ締め操作並びにねじの取外し操作を達成することができる。
【0039】
また、本発明に係るねじとドライバービットの組合せによれば、ねじのビット嵌合溝内にごみ詰まり等を生じた場合や、ねじ軸とビット軸とが同一軸上でなくても、カムアウト現象やねじ等の破損を生じることなく、ドライバービット40の回動をねじ30に対して円滑に伝達して、常に適正なトルクによるねじ締め操作を迅速に達成することができる。
【0040】
すなわち、本発明に係るねじとドライバービットの組合せによれば、硬軟各種の材料からなるねじの取付け対象物に対して、常に適正なトルクにより確実なねじの締付け操作を行うことができるばかりでなく、ねじの破損を大幅に低減することができ、ねじ締め作業の安全性と作業能率の向上を容易にかつ経済的に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るねじとドライバービットの組合せの一実施例におけるねじの要部断面側面図である。
【図2】 図1に示すねじのねじ頭部平面図である。
【図3】 本発明に係るねじとドライバービットの組合せの一実施例におけるドライバービットの要部側面図である。
【図4】 図3に示すドライバービットの変形例を示す要部側面図である。
【図5】 図1に示すねじと図3に示すドライバービットと結合状態を示す要部断面側面図である。
【図6】 図1に示すねじと図3に示すドライバービットと結合状態の変形例を示す要部断面側面図である。
【図7】 図1に示すねじの別の実施例を示す要部断面側面図である。
【図8】 図1に示すねじの頭部を形成するねじ製造用ヘッダーパンチの要部側面図である。
【図9】 従来の十字溝ねじの要部断面側面図である。
【図10】 図9に示す十字溝ねじのねじ頭部平面図である。
【図11】 従来の十字溝ねじ用ドライバービットの要部側面図である。
【図12】 図9に示すねじと図11に示すドライバービットとの結合状態を示す要部断面側面図である。
【符号の説明】
30 ねじ
32 ビット嵌合溝
32a 垂直端壁部
32b 水平段部
32c 傾斜溝部
32d 湾曲状溝部
33 側壁部
34 円錐底面
40 ドライバービット
42 翼部
42a 直角縁部
42b 延長翼部
42c 垂直延長翼部
43 側壁部

Claims (1)

  1. ねじの十字溝に嵌合する翼部をそれぞれ備えると共にこれら翼部の先端をその中心部に指向して一定の傾斜で延在する延長翼部として形成した従来のドライバービットにも適合するようにねじのねじ頭部における十字溝からなるビット嵌合溝の端縁部に、それぞれ所定深さの垂直端壁部とその側壁部とを形成し、これらの垂直端壁部の下縁部よりねじ頸部の中心部に指向して、前記従来のドライバービットの先端部の形状に適合するように、水平および傾斜して延在する溝底部を形成すると共にその中心底部において緩傾斜の円錐底面を形成してなるねじと、
    前記ねじのビット嵌合溝の垂直端壁部および水平に延在する溝底部とその側壁部とにそれぞれ係合する直角縁部とその側壁部とを有する翼部を設けると共に、前記各翼部の先端部中心に、前記ねじのビット嵌合溝の傾斜して延在する溝底部および円錐底面の内部形状に適合するように突出延在する垂直延長翼部を備えてなるドライバービットと、から構成したことを特徴とするねじとドライバービットの組合せ。
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Cited By (1)

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