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JP3820743B2 - アクティブマトリクス基板およびアクティブマトリクス基板の製造方法および表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス基板およびアクティブマトリクス基板の製造方法および表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板の製造方法、この製造方法で製造したアクティブマトリクス基板、表示装置に関するものである。さらに詳しくは、アクティブマトリクス基板を製造していく過程で生じる静電気や絶縁基板表面に蓄積された電荷から駆動回路などを保護するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置に用いられるアクティブマトリクス基板のうち、駆動回路内蔵型のものでは、絶縁基板上に配列された複数の走査線と複数のデータ線との交差点に対応して複数の画素電極(または、画素という。)が構成されており、これらの画素が構成されている領域が画素部である。各々の画素には、走査線およびデータ線に接続する画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(以下、TFTという。)が形成されている。絶縁基板上における画素部の外側領域には、複数のデータ線のそれぞれに画像信号を供給するデータ線駆動回路部と、複数の走査線のそれぞれに走査信号を供給する走査線駆動回路部とが構成されている。
【0003】
このような構成のアクティブマトリクス基板において、TFTは半導体プロセスを利用して形成される。これらの工程を行う際には、アクティブマトリクス基板の基体として絶縁基板が用いられていることから、静電気などに起因する不具合が発生しやすい。そこで、従来は、走査線を形成する工程を利用して走査線などに電気的に接続する短絡用配線を形成し、イオン打ち込みを行った際などに絶縁基板の表面に蓄積された電荷や静電気を短絡用配線を介して基板外周側に拡散させ、突発的な過剰な電流でTFTなどが破壊されないようにしている。但し、短絡用配線は、アクティブマトリクス基板の製造が完了した後には不要なので、短絡用配線を覆う層間絶縁膜に切断用孔を形成することにより、この切断用孔を介して短絡用配線を所定位置(切断予定部分)で切断し、短絡用配線と走査線とを電気的に分離する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アクティブマトリクス基板では、TFTのドレイン領域に対する画素電極の接続性の向上などの観点から、画素電極とドレイン領域とを直接、接続せずに、第1の層間絶縁膜の表面に形成したドレイン電極を中継して画素電極をドレイン領域に電気的に接続することがある。
【0005】
このように構成するには、まず、ドレイン領域を覆う第1の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成した後、ドレイン電極を形成する。次に、ドレイン電極の表面に第2の層間絶縁膜を形成し、この第2の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成した後、画素電極を形成することになる。従って、短絡用配線も第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜で覆われることになる。しかし、TFTの側において第1の層間絶縁膜と第2の層間絶縁膜との間にドレイン電極を介在させると、第1および第2の層間絶縁膜を一気に貫通するようなコンタクトホールを形成しないので、短絡用配線を切断用に露出させる切断用孔を形成できないという問題点がある。
【0006】
また、第1の層間絶縁膜の表面にドレイン電極を形成すると、その分、凹凸が形成されることになり、液晶の配向を乱すなどの問題点がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明では、画素電極とドレイン領域とをドレイン電極を中継して電気的に接続する場合でも、工程数を増やすことなく第1および第2の層間絶縁膜から短絡用配線を露出させることができ、かつ、ドレイン電極に起因する凹凸も平坦化することもできるアクティブマトリクス基板の製造方法、この製造方法で製造したアクティブマトリクス基板、および液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、走査線およびデータ線に接続する画素スイッチング用の薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続してなる画素電極と、前記走査線および前記データ線に信号出力する走査線駆動回路およびデータ線駆動回路と、該駆動回路に信号供給する複数の信号配線とを有し、前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、第1の層間絶縁膜の第1のコンタクトホールを介して前記データ線に電気的に接続するソース領域と、前記第1の層間絶縁膜の第2のコンタクトホールを介してドレイン電極に電気的に接続するドレイン領域とを備え、前記ドレイン電極には、前記第1の層間絶縁膜の上層側に形成された第2の層間絶縁膜の第3のコンタクトホールを介して前記画素電極が電気的に接続するアクティブマトリクス基板の製造方法において、
前記走査線、前記データ線の少なくともいずれかの配線同士を電気的に接続する短絡用配線を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜に前記短絡用配線を露出させる第1の切断用孔を形成する工程と、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜を用いて前記第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜に前記第1の切断用孔と重なる位置に第2の切断用孔を形成して前記短絡用配線を露出させる工程と、前記第1の切断用孔および前記第2の切断用孔を介して前記短絡用配線を切断する工程とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明では、データ線駆動回路および走査線駆動回路を駆動するのに必要な複数の信号を供給するために複数の端子からそれぞれ引き回された信号配線、走査線、またはデータ線などを短絡用配線で電気的に接続した状態で各工程を行う。従って、静電気が発生したり、絶縁基板表面に電荷が蓄積されても、かかる電荷を短絡用配線を介して基板外周側に拡散させるので、過剰な電流がデータ線駆動回路および走査線駆動回路に突発的に流れない。それ故、データ線駆動回路および走査線駆動回路を保護することができる。しかも、TFTの形成過程で行うコンタクトホールの形成やパターニング工程を使用して、短絡用配線および切断用孔を形成する。すなわち、短絡用配線を前記走査線および前記ゲート電極とともに形成し、第1および第2のコンクタクトホールとともに第1の切断用孔を形成し、さらに第3のコンクタクトホールとともに第2の切断用孔を形成して短絡用配線の切断予定部分を露出させる。それ故、画素電極とドレイン領域とをドレイン電極を中継して電気的に接続する場合でも、TFTを製造していく工程の中で第1および第2の層間絶縁膜から短絡用配線を露出させ、切断することができるので、工程数が増えることはない。また、画素電極とドレイン領域とをドレイン電極を中継して電気的に接続するために第1の層間絶縁膜の表面にドレイン電極を形成しても、第2の層間絶縁膜として、平坦化に適した液状物の塗布膜から形成した絶縁膜(ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜)を用いるので、ドレイン電極に起因する凹凸を平坦化することができる。それ故、液晶の配向状態を適正に制御できるという利点がある。
【0010】
本発明において、前記第2の層間絶縁膜を形成する工程では、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜と、該絶縁膜の表面にCVD法により形成した絶縁膜とを用いて前記第2の層間絶縁膜を形成することが好ましい。ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物(以下、単にポリシラザンという。)の塗布膜は、凹凸を平坦化する分、凸部では極めて薄く形成されることになる。従って、ポリシラザンの塗布膜は、応力の集中する段差部などでクラックが発生しやくすく、かつ、上下の電極間に高容量の寄生容量が形成されることになるが、ポリシラザンを用いた絶縁膜の表面にCVD法により形成した絶縁膜を積層しておけば、このような問題点を解消することができる。また、CVD法により形成した絶縁膜は、形成条件を変えることにより膜質をある程度、選択することができる。たとえば、ゲート絶縁膜ならば、より緻密で耐圧が高く、また、第1の層間絶縁膜であれば、応力が小さく、ステップカバレージがよいという特性の膜を、形成条件(堆積条件)を変えれば得ることができる。ここで必要な条件とは、ポリシラザンの絶縁膜よりも応力が小さく、エッチングレートが小さいということである。このような特性の絶縁膜を、ポリシラザンを用いた絶縁膜より上層に形成すれば、コンタクトホールを形成した際に、CVD法により形成した絶縁膜の側には上向きの斜面を備えるコンタクトホールが形成される。従って、このコンタクトホールを介して電気的な接続を行えば、段差切れなどが発生しないので、信頼性が向上するという利点もある。
【0011】
また、前記走査線、前記データ線の少なくともいずれかの配線同士を電気的に接続する短絡用配線を前記走査線と同時に形成する工程、又は前記第1の層間絶縁膜に前記短絡用配線の切断予定部分を露出させる第1の切断用孔を前記第1および第2のコンクタクトホールと同時に形成する工程、更には前記第2の層間絶縁膜に前記第1の切断用孔と重なる位置に第2の切断用孔を前記第3のコンクタクトホールと同時に形成して前記短絡用配線の切断予定部分を露出させる工程を、用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
[液晶表示パネルの構成]
図1(A)、(B)はそれぞれ、液晶表示装置に用いた液晶パネルの平面図および断面図である。
【0014】
図1(A)、(B)に示すように、液晶表示装置において、アクティブマトリクス基板AMは、対向基板OPとをシール層110で所定のセルギャップを確保した状態に貼り合わせて液晶表示パネルLPを構成する。ここで、シール層110は部分的に途切れているので、そこからシール層110の内側に液晶120を封入した後、封止材130で塞ぐ。この状態では、対向基板OPがアクティブマトリクス基板AMより小さく、アクティブマトリクス基板AMのはみ出し部分に対して、後述する各種端子80、81、82・・・、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70を形成する。従って、各種端子80、81、82・・・、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70は、対向基板OPの外側に位置することになる。
【0015】
なお、ここでは、一例として、対向基板OPをアクティブマトリクス基板AMよりも小さく形成したが、同じサイズの基板であってもよい。その場合、シール層110を駆動回路と重なる領域に形成する。
【0016】
[アクティブマトリクス基板の全体構成]
図2は、液晶表示パネルに用いられる駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示すブロック図、図3は、このアクティブマトリクス基板の画素部のコーナー部分を拡大して示す平面図である。
【0017】
図2に示すように、本形態の液晶表示装置に用いられる駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板AMでは、絶縁基板10上に、互いに交差する複数の走査線20と複数のデータ線30とに接続する画素40がマトリクス状に構成されている。走査線20はタンタル膜、アルミニウム膜、アルミニウムの合金膜などで構成され、データ線30はアルミニウム膜あるいはアルミニウム合金膜などで構成され、それぞれ単層もしくは積層されている。これらの画素40が形成されている領域が画素部11(画面表示領域)である。
【0018】
絶縁基板10上における画素部11の外側領域(周辺部分)には、複数のデータ線30のそれぞれに画像信号を供給するデータ線駆動回路部60が構成されている。また、走査線20の両端部のそれぞれには、各々の走査線20に画素選択用の走査信号を供給する走査線駆動回路部70が構成されている。
【0019】
データ線駆動回路部60には、X側シフトレジスタ回路、X側シフトレジスタ回路から出力された信号に基づいて動作するアナログスイッチとしてのTFTを備えるサンプルホールド回路S/H、6相に展開された各画像信号VD1〜VD6に対応する6本の画像信号線videoなどが構成されている。本例において、データ線駆動回路60は、前記のX側シフトレジスタ回路が4相で構成されており、端子を介して外部からスタート信号DX、クロック信号CLX1〜CLX4、およびその反転クロック信号CLX1バー〜CLX4バーがX側シフトレジスタ回路に供給され、これらの信号によってデータ線駆動回路60が駆動される。従って、サンプルホールド回路S/Hは、前記のX側シフトレジスタ回路から出力された信号に基づいて各TFTが動作し、画像信号線videoを介して供給される画像信号VD1〜VD6を所定のタイミングでデータ線30に取り込み、各画素40に供給することが可能である。一方、走査線駆動回路部70には、端子を介して外部からスタート信号DY、クロック信号CLY、およびその反転クロック信号CLYバーが供給され、これらの信号によって走査線駆動回路70が駆動される。
【0020】
本形態のアクティブマトリクス基板AMにおいて、絶縁基板10の辺部分のうち、データ線駆動回路60の側の辺部分には定電源VDDX、VSSX、VDDY、VSSY、変調画像信号(画像信号VD1〜VD6)、各種駆動信号などが入力されるアルミニウム膜等の金属膜、金属シリサイド膜、あるいはITO膜等の導電膜からなる多数の端子80、81、82・・・が構成され、これらの端子80、81、82・・・からは、走査線駆動回路60およびデータ線駆動回路70を駆動するためのアルミニウム膜などの低抵抗の金属膜からなる複数の信号配線74、75がそれぞれ引き回されている。また、信号配線74、75の途中位置には、後述する静電保護回路65、75が形成されている。なお、アクティブマトリクス基板AMと対向基板(図示せず。)とは、外部から入力される対向電極電位LCCOMが上下導通材により対向基板に供給されている。
【0021】
[画素およびTFTの構造]
図3は、図2に示すアクティブマトリクス基板の画素部のコーナー部分を拡大して示す平面図である。図4は、図2に示すアクティブマトリクス基板の画素の等価回路図である。図5(A)、(B)はそれぞれ、図3の画素TFT部のA−A′線、図7の静電気対策部のB−B′線、図6の端子部のC−C′線における断面図、およびそれらの一部を拡大して示す断面図である。
【0022】
図3および図4からわかるように、画素40には、走査線20およびデータ線30に接続する画素スイッチング用のTFT50が形成されている。また、各画素40に向けては容量線71も形成されている。
【0023】
TFT50は、図5(A)、(B)に示すように、走査線20と同時形成されたゲート電極3aと、データ線30の一部としてのソース電極6aが第1の層間絶縁膜4の第1のコンタクトホール4aを介して電気的に接続するソース領域1b、1dと、データ線30と同時形成されたアルミニウム膜などから構成されたドレイン電極6dが第1の層間絶縁膜4の第2のコンタクトホール4dを介して電気的に接続するドレイン領域1c、1eとを有している。また、第1の層間絶縁膜4の上層側には第2の層間絶縁膜7が形成されており、この第2の層間絶縁膜7に形成された第3のコンタクトホール8aを介しては、画素電極9aがドレイン電極6dに対して電気的に接続している。
【0024】
[第2の層間絶縁膜の構造]
本形態において、第2の層間絶縁膜7は、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜71と、CVD法などにより形成された厚さが約500オングストローム〜約15000オングストロームのシリコン酸化膜からなる絶縁膜72との2層構造になっている。
【0025】
ここで、ペルヒドロポリシラザンとは無機ポリシラザンの一種であり、大気中で焼成することによってシリコン酸化膜に転化する塗布型コーティング材料である。たとえば、東燃(株)製のポリシラザンは、−(SiH2 NH)−を単位とする無機ポリマーであり、キシレンなどの有機溶剤に可溶である。従って、この無機ポリマーの有機溶媒溶液(たとえば、20%キシレン溶液)を塗布液としてスピンコート法(たとえば、2000lrpm、20秒間)で塗布した後、450℃の温度で大気中で焼成すると、水分や酸素と反応し、CVD法で成膜したシリコン酸化膜と同等以上の緻密なアモルファスのシリコン酸化膜を得ることができる。従って、この方法で成膜した絶縁膜71(シリコン酸化膜)は、層間絶縁膜として用いることができるとともに、ドレイン電極6dに起因する凹凸などを平坦化してくれる。それ故、液晶の配向状態が凹凸に起因して乱れることを防止できる。
【0026】
また、第2の層間絶縁膜7では、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜71の表面に、CVD法などにより形成した絶縁膜72が積層されており、これらの絶縁膜71、72の間ではエッチングレートが異なる。すなわち、絶縁膜72は絶縁膜71よりもエッチングレートが小さい。従って、第2の層間絶縁膜7に形成されている第2のコンタクトホール8aは、エッチングレートの大きな絶縁膜71に形成されたストレート孔に近いコンタクトホール71aと、エッチングレートの小さな絶縁膜72に形成されたテーパ孔のコンタクトホール71aとから構成されている。従って、画素電極9aは、第2のコンタクトホール8aで段差切れなどを起こすことなく、ドレイン電極6dに確実に電気的に接続している。
【0027】
[端子の構造]
図6および図5(A)、(B)に示すように、端子80、81、82・・・は、第1のパッド下配線3c、その表面を覆う第1の層間絶縁膜4、この第1の層間絶縁膜4のコンタクトホール4cを介して第1のパッド下配線3cに電気的に接続する第2のパッド下配線6cをこの順に積み上げた構造を有し、この第2のパッド下配線6cには、第2の層間絶縁膜7のコンタクトホール8cを介してパッド9cが接続している。ここで、第1のパッド下配線3cは、ゲート絶縁膜2と第1の層間絶縁膜4との層間に走査線20やゲート電極3aと同時に形成されたタンタル膜である。第2のパッド下配線6cは、第1の層間絶縁膜4と第2の層間絶縁膜7との層間にデータ線30と同時に形成されたアルミニウム膜である。パッド9cは、第2の層間絶縁膜7の表面に画素電極9aと同時に形成されたITO膜である。従って、パッド9cを硬いITO膜から構成するといっても、中間にアルミニウム膜からなる第2のパッド下配線6cを有しているので、第1の層間絶縁膜4および第2の層間絶縁膜7を貫通するような深いコンタクトホールを介してパッド9cと第1のパッド下配線3cとを接続する必要がない。それ故、パッド9cと第1のパッド下配線3cとの電気的な接続部分の信頼性が高い。
【0028】
ここでも、第2の層間絶縁膜7はペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜71と、CVD法などにより形成された絶縁膜72との2層構造になっているので、コンタクトホール8cは、エッチングレートの大きい絶縁膜71に形成されたストレート孔に近いコンタクトホール71cと、エッチングレートの小さい絶縁膜72に形成されたテーパ孔のコンタクトホール72cとから構成されている。従って、パッド9cは段差切れを起こすことなく、第2のパッド下配線6cに確実に電気的に接続している。
【0029】
また、タンタル膜からなる第1のパッド下配線3c、第1の層間絶縁膜4、アルミニウム膜からなる第2のパッド下配線6cをこの順に積み上げ、この第2のパッド下配線6cに第2の層間絶縁膜7のコンタクトホール8cにパッド9cが接続する端子構造であっても、第2の層間絶縁膜7では、ポリシラザンを用いた絶縁膜71で平坦化されているので、パッド9cを平坦に形成できる。それ故、パッド9c(端子)に対してフレキシブル配線基板などを高い信頼性で接続することができる。
【0030】
[静電気対策]
このような構成を有するアクティブマトリクス基板AMにおいて、前記のTFT50、各種の配線、走査線駆動回路部70、およびデータ線駆動回路60は、半導体プロセスを利用して形成される。ここで、アクティブマトリクス基板AMには絶縁基板10が用いられていることから、静電気などに起因する不具合が発生しやすいので、本形態では以下の静電気対策を施してある。
【0031】
まず、本形態では、図2に示すように、走査線20およびTFT50のゲート電極を形成する工程を兼用して、すべての信号配線74、75に電気的に接続する第1の短絡用配線91を形成してある。また、走査線20およびTFT50のゲート電極を形成する工程を兼用して、すべての走査線20に電気的に接続する第2の短絡用配線92を形成してある。さらに、走査線20およびTFT50のゲート電極を形成する工程を兼用して、すべてのデータ線30に電気的に接続する第3の短絡用配線93を形成してある。
【0032】
ここで、第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93は、あくまで走査線20とTFT50のゲート電極と一括してゲート絶縁膜2と第1の層間絶縁膜4との層間に形成されたタンタル膜である。これに対して、信号配線74、75およびデータ線30は、第1の層間絶縁膜4と第2の層間絶縁膜7との層間に形成されたアルミニウム膜である。従って、第1および第3の短絡用配線91、93は、アルミニウム膜からなる信号配線74、75およびデータ線30とは異なる層間に位置している。
【0033】
このため、図7および図5(A)に示すように、第1および第3の短絡用配線91、93と、配線6e(信号配線74、75およびデータ線30)とは、第1の層間絶縁膜4に形成されたコンタクトホール4eを介して電気的に接続している。
【0034】
このようにして、第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93をそれぞれ信号配線74、75、走査線20、およびデータ線30に接続しておくと、これらの配線構造を形成した以降行われる工程において静電気などが発生しても、この電荷は第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93を介して基板外周側に拡散し、突発的な過剰な電流が走査線20、画素部11、走査線駆動回路部70、サンプルホールド回路S/H、およびデータ線駆動回路60に流れないので、こられ全ての部分を静電気から保護することができる。
【0035】
但し、第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93は、アクティブマトリクス基板AMの製造工程が終了した後には不要なので、詳しくは後述するが、図2に「×」印を付した位置で、図5(A)、(B)に示すように、第1の層間絶縁膜4および第2の層間絶縁膜7に切断用孔8bを形成し、この切断用孔8bを介して短絡用配線3b(第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93)にエッチングを行うことによって切断してある。このため、図2において、製造工程の途中まで、第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93はそれぞれ信号配線74、75、走査線20、およびデータ線30に接続しているが、切断用孔を介してのエッチング後は、信号配線74、75、走査線20、およびデータ線30の各々が電気的に分離されることになる。これにより、アクティブマトリクス基板AMでは、第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93を切断した後であれば、電気特性な検査、および液晶表示装置を製造した後の動作に支障はない。
【0036】
ここで、短絡用配線3b(第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93)は、第1の層間絶縁膜4および第2の層間絶縁膜7から露出させて切断するため、第1の層間絶縁膜4には、短絡用配線3bに相当する部分に切断用孔4b(第1の接続用孔)が形成され、第2の層間絶縁膜7には、短絡用配線3bに相当する部分には切断用孔8b(第2の切断用孔)が形成されている。切断用孔8bは、切断用孔4bに重なる位置に切断用孔4bより大きな内径をもって形成されている。ここでも、第2の層間絶縁膜7はペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜71と、CVD法などにより形成された絶縁膜72との2層構造になっているので、切断用孔8bは、エッチングレートの大きい絶縁膜71に形成されたストレート孔に近い切断用孔71bと、エッチングレートの小さい絶縁膜72に形成されたテーパ孔の切断用孔72bとから構成されている。
【0037】
[静電保護回路]
図2に示した静電保護回路65、75としては、各種回路を利用できるが、図8に示すものでは、保護抵抗66と、プッシュプル配列されたPチャネル型TFT67とNチャネル型TFT68とを利用しており、それぞれの正電源VDDおよび負電源VSSとの間にダイオードを構成する。また、本形態では、第1の短絡用配線91を信号配線74(または75)に接続するのは、必ず、端子80(または81、82)と保護抵抗66との間であり、これにより、端子80(または81、82)、あるいは第1の短絡用配線91から入った静電気は、保護抵抗66および静電気保護回路65(または75)を通過しないとデータ線駆動回路60および走査線駆動回路70に達しない。このような構成とすることで、静電気は静電気保護回路65(または75)に確実に吸収され、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70を確実に保護することができる。
【0038】
[アクティブマトリクス基板AMの製造方法]
このような静電保護対策を行いながら、アクティブマトリクス基板AMを製造する方法を、図9ないし図12を参照して説明する。これらの図は、本形態のアクティブマトリクス基板AMの製造方法を示す工程断面図であり、いずれの図においても、その左側部分には図3のA−A′線における断面(画素TFT部の断面)、中央部分には図7のB−B′線における断面(短絡用配線の切断が行われる静電気対策配線部(図1に「×」印を付した部分)の断面)、右側部分には図6のC−C′線における断面(端子80、81、82・・・が形成されている端子部の断面)を示してある。
【0039】
まず、図9(A)に示すように、ガラス基板、たとえば無アリカリガラスや石英などからなる透明な絶縁基板10の表面に直接、あるいは絶縁基板10の表面に形成した下地保護膜(図示せず。)の表面全体に、減圧CVD法などにより厚さが約200オングストローム〜約2000オングストローム、好ましくは約1000オングストロームのポリシリコン膜からなる半導体膜1を形成した後、図9(B)に示すように、それをフォトリソグラフィ技術を用いて、パターニングし、画素TFT部の側に島状の半導体膜1a(能動層)を形成する。これに対して、静電気対策配線部および端子部の側では半導体膜1を完全に除去する。前記の半導体膜の形成は、アモルファスシリコン膜を堆積した後、500℃〜700℃の温度で1時間〜72時間、好ましくは4時間〜6時間の熱アニールを施してポリシリコン膜を形成したり、ポリシリコン膜を堆積した後、シリコンを打ち込み、非晶質化した後、熱アニールにより再結晶化してポリシリコン膜を形成する方法を用いてもよい。
【0040】
次に、図9(C)に示すように、CVD法などにより半導体膜1aの表面に厚さが約500オングストローム〜約1500オングストロームのシリコン酸化膜からなるゲート酸化膜2を形成する。あるいは、熱酸化膜を約50オングストローム〜約1000オングストローム、好ましくは300オングストローム形成した後、全面にCVD法などによりシリコン酸化膜を約100オングストローム〜約1000オングストローム、好ましくは500オングストローム堆積し、それらによりゲート絶縁膜2を形成してもよい。また、ゲート絶縁膜2としてシリコン窒化膜を用いてもよい。
【0041】
次に、図9(D)に示すように、ゲート電極などを形成するためのタンタル膜3を絶縁基板10全面に形成した後、タンタル膜3をフォトリソグラフィ技術を用いて、図9(E)に示すように、パターニングし、画素TFT部の側にゲート電極3aを形成する。これに対して、静電気対策配線部および端子部の側には、タンタル膜を短絡用配線3b(第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93に相当する。)、および端子80、81、82・・・の第1のパッド下配線3cとして残す。
【0042】
次に、図9(F)に示すように、画素TFT部および駆動回路のNチャネルTFT部の側には、ゲート電極3aをマスクとして、約0.1×1013/cm2 〜約10×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純物イオン(リンイオン)の打ち込みを行い、画素TFT部の側には、ゲート電極3aに対して自己整合的に低濃度のソース領域1b、および低濃度のドレイン領域1cを形成する。ここで、ゲート電極3aの真下に位置しているため、不純物イオンが導入されなかった部分は半導体膜1aのままのチャネル領域となる。
【0043】
次に、図10(A)に示すように、画素TFT部では、ゲート電極3aよりの幅の広いレジストマスクRM1を形成して高濃度の不純物イオン(リンイオン)を約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/cm2 のドーズ量で打ち込み、高濃度のソース領域1dおよびドレイン領域1eを形成する。
【0044】
これらの不純物導入工程に代えて、低濃度の不純物の打ち込みを行わずにゲート電極3aより幅の広いレジストマスクRM1を形成した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、ゲート電極3aの上に高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込んで、セルフアライン構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもとよいことは勿論である。
【0045】
また、図示を省略するが、周辺駆動回路のPチャネルTFT部を形成するために、前記画素部およびNチャネルTFT部をレジストで被覆保護して、ゲート電極をマスクとして、約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/cm2 のドーズ量でボロンイオンを打ち込むことにより、自己整合的にPチャネルのソース・ドレイン領域を形成する。なお、NチャネルTFT部の形成時と同様に、ゲート電極をマスクとして、約0.1×1013/cm2 〜約10×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純物(ボロンイオン)を導入して、ポリシリコン膜に低濃度領域を形成した後、ゲート電極よりの幅の広いマスクを形成して高濃度の不純物(ボロンイオン)を約0.1×1015/cm2 〜約10×1015/cm2 のドーズ量で打ち込み、LDD構造(ライトリー・ドープト・ドレイン構造)のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、低濃度の不純物の打ち込みを行わずに、ゲート電極より幅の広いマスクを形成した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。これらのイオン打ち込み工程によって、CMOS化が可能になり、周辺駆動回路の同一基板内への内蔵化が可能となる。
【0046】
次に、図10(B)に示すように、ゲート電極3a、短絡用配線3bおよび第1のパッド下配線3cの表面側にCVD法などにより、酸化シリコン膜やNSG膜(ボロンやリンを含まないシリケートガラス膜)などからなる第1の層間絶縁膜4を3000オングストローム〜15000オングストローム程度の膜厚で形成する。
【0047】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、第1の層間絶縁膜4にコンタクトホールや切断用孔を形成するためのレジストマスクRM2を形成する。
【0048】
次に、図10(C)に示すように、画素TFT部の側では第1の層間絶縁膜4のうち、ソース領域1dおよびドレイン領域1eに対応する部分、静電気対策配線部の側では第1の層間絶縁膜4のうち、各短絡用配線3bに対応する部分の一部、端子部の側では第1の層間絶縁膜4のうち、第1のパッド下配線3cに対応する部分にコンタクトホール4a、4c、4d、4eおよび切断用孔4bをそれぞれ形成する。その結果、静電気対策配線部の側では、短絡用配線3bの切断予定部分が露出した状態となる。そして、レジストマスクRM2を除去する。
【0049】
次に、図10(D)に示すように、第1の層間絶縁膜4の表面側に、ソース電極などを構成するためのアルミニウム膜6をスパッタ法などで形成する。
【0050】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、アルミニウム膜6をパターニングするためのレジストマスクRM3を形成する。
【0051】
次に、図10(E)に示すように、アルミニウム膜6をパターニングし、画素TFT部では、データ線30の一部としてソース領域1aに第1のコンタクトホール4aを介して電気的に接続するアルミニウム膜からなるソース電極6aと、ドレイン領域1eに第2のコンタクトホール4dを介して電気的に接続するドレイン電極6dとを形成する。また、端子部の側には、第1の層間絶縁膜4のコンタクトホール4cを介してタンタル膜からなる第1のパッド下配線3cに電気的に接続するアルミニウム膜からなる第2のパッド下配線6cを形成する。さらに、静電気対策配線部では、アルミニウム膜からなる各種の配線6e(データ線30や信号配線74、75)をコンタクトホール4eを介して短絡用配線3bに電気的に接続させる。このように、図10(C)〜(E)の工程を利用して、図7を参照して説明した第1および第3の短絡用配線91、93と、信号入力線74、75およびデータ線30との配線接続を行う。また、静電気対策配線部の側では、短絡用配線3bの切断予定部分が露出した状態となる。そして、レジストマスクRM3を除去する。
【0052】
次に、図11(A)に示すように、ソース電極6a、配線6eおよび第2のパッド下配線6cの表面側に、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜71を形成する。さらに、この絶縁膜71の表面に、TEOSを用いたCVD法によりたとえば400℃程度の温度条件下で厚さが約500オングストローム〜約15000オングストロームのシリコン酸化膜からなる絶縁膜72を形成する。これらの絶縁膜71、72によって第2の層間絶縁膜7が形成される。
【0053】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、第2の層間絶縁膜7にコンタクトホールおよび切断用孔を形成するためのレジストマスクRM4を形成する。
【0054】
次に、図11(B)に示すように、第2の層間絶縁膜7を構成する絶縁膜71、72に対して、ドレイン電極6dに対応する部分にコンタクトホール71a、72aからなる第3のコンタクトホール8aを形成する。
【0055】
また、端子部でも、第2の層間絶縁膜7を構成する絶縁膜71、72に対して、第2のパッド下配線6cに対応する部分にコンタクトホール71c、72cからなる第3のコンタクトホール8cを形成する。
【0056】
このとき、静電気対策配線部において、短絡用配線3b(第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93に相当する。)の切断予定部分では、第2の層間絶縁膜7を構成する絶縁膜71、72に対して切断用孔71b、72bからなる切断用孔8bを構成する。従って、短絡用配線3bの切断予定部分が露出した状態となる。そして、レジストマスクRM4を除去する。
【0057】
次に、図11(C)に示すように、第2の層間絶縁膜7の表面側に、ドレイン電極を構成するための厚さが約400オングストローム〜約2000オングストロームのITO膜9(Indium Tin Oxide)をスパッタ法などで形成する。
【0058】
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて、ITO膜9をパターニングするためのレジストマスクRM5を形成する。
【0059】
そして、レジストマスクRM5を用いて、ITO膜9をパターニングする。その結果、図5に示すように、画素TFT部には、第3のコンタクトホール8aを介してドレイン電極6dに電気的に接続する画素電極9aが形成される。静電気対策配線部ではITO膜9が完全に除去される。端子部では、コンタクトホール8cを介して第2のパッド下配線6cに電気的に接続するITO膜からなるパッド9cが形成される。
【0060】
また、本形態では、ITO膜9をパターニングした際には、静電気対策配線部の側で短絡用配線3bの切断予定部分が切断され、この切断部によって各配線が分離される。このように製造工程の最終工程で短絡用配線3bを切断するので、それ以前の多くの工程で発生する静電気に対して有効である。
【0061】
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態ではデータ線駆動回路60および走査線駆動回路70の各々に向けて複数の80、81、82・・・からそれぞれ引き回された信号配線74、75(配線6e)を第1の短絡用配線91(短絡用配線6b)で電気的に接続した状態で各工程を行う。従って、静電気が発生したり、絶縁基板表面に電荷が蓄積されても、かかる電荷を第1の短絡用配線91を介して基板外周側に拡散させるので、過剰な電流がデータ線駆動回路60および走査線駆動回路70に突発的に流れない。それ故、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70を保護することができる。また、走査線20の各々に電気的に接続する第2の短絡用配線92(短絡用配線6b)を利用して過剰な電流が走査線20に突発的に流れることを防止するので、走査線20や画素部11を保護することができる。さらに、データ線30(配線6e)の各々に電気的に接続する第3の短絡用配線93(短絡用配線6b)を利用して過剰な電流がデータ線30に突発的に流れることを防止するので、データ線30、サンプルホールド回路S/H、および画素部11を保護することができる。
【0062】
しかも、短絡用配線3bを走査線20などと同時に形成し、第1の層間絶縁膜4に第1および第2のコンクタクトホール4a、4dを形成する際に切断用孔4bを同時に形成し、さらに第2の層間絶縁膜7に第3のコンクタクトホール8aを形成する際に切断用孔8bを形成する。それ故、画素電極9aとドレイン領域1eとをドレイン電極6dを中継して電気的に接続する場合でも、TFTを製造していく工程の中で第1および第2の層間絶縁膜4、7から短絡用配線3bを露出させ、切断することができる。また、第2の層間絶縁膜7として、ポリシラザンを利用した絶縁膜71を用いるので、画素電極9aとドレイン領域1eとをドレイン電極6dを介して電気的に接続した場合でも、ドレイン電極6dに起因する凹凸を平坦化することができる。それ故、液晶の配向を適正に制御できる。
【0063】
また、ポリシラザンを用いた絶縁膜71によれば、凹凸を平坦化する分、凸部では極めて薄く形成されることになる。従って、この薄い部分ではクラックが発生しやくすく、かつ、上下の電極間に高容量の寄生容量が形成されることになるが、本形態では、ポリシラザンを用いた絶縁膜71の表面にCVD法により形成した絶縁膜72を積層するので、このような問題点を解消することができる。また、CVD法により形成した絶縁膜72は、ポリシラザンを用いた絶縁膜71よりエッチングレートが小さいので、CVD法により形成した絶縁膜72を、ポリシラザンを用いた絶縁膜71より上層に形成してコンタクトホール8a、8cを形成すると、CVD法により形成した絶縁膜72の側にはテーパ孔が形成される。従って、このコンタクトホール8a、8cを介して電気的な接続を行えば、段差切れなどが発生しないので、信頼性が向上するという利点もある。
【0064】
さらにまた、端子80、81、82・・・は、タンタル膜からなる第1のパッド下配線3c、その表面を覆う第1の層間絶縁膜4、この第1の層間絶縁膜4のコンタクトホール4cを介して第1のパッド下配線3cに電気的に接続するアルミニウム膜からなる第2のパッド下配線6cをこの順に積み上げた構造を有し、この第2のパッド下配線6cには、第2の層間絶縁膜7のコンタクトホール8cを介してITO膜からなるパッド9cが接続している。従って、パッド9cを硬いITO膜から構成するといっても、第1の層間絶縁膜4および第2の層間絶縁膜7を貫通するような深いコンタクトホールを介してパッド9cと第1のパッド下配線3cとを接続する必要がないので、パッド9cと第1のパッド下配線3cとの電気的な接続部分の信頼性が高い。しかも、第2の層間絶縁膜7は、ポリシラザンを用いた絶縁膜71で平坦化を行っているので、パッド9cを平坦な面に形成できる。しかも、このような構造を有する端子80、81、82・・・も、TFTを製造していく工程の中で作り込むことができるので、製造工程数が増えることはない。
【0065】
[その他の実施形態]
なお、実施の形態1では、第1、第2、および第3の短絡用配線91、92、93をそれぞれ信号配線74、75、走査線20、およびデータ線30に接続したが、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70を駆動するための複数の信号を供給するために複数の端子6c(80、81、82・・・)からそれぞれ引き回された複数の信号配線のうち、静電保護回路65、75よりも端子6c(80、81、82・・・)側に位置する信号配線74、75のみに対して第1の短絡用配線91を形成してもよい。また、第3の短絡用配線93を省略して、データ線駆動回路60および走査線駆動回路70の各々に向けて複数の端子(80、81、82・・・)からそれぞれ引き回された信号配線74、75、および走査線20に対してのみ、第1の短絡用配線91および第2の短絡用配線92を形成してもよいなど、いずれの形態で短絡用配線を構成した場合でも、本発明を適用することができる。
【0066】
なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形した形態で実施が可能である。たとえば、本発明は上述の各種の液晶表示装置に限らず、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、プラズマ表示装置にも適用できるものである。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るアクティブマトリクス基板の製造方法では、信号配線、走査線、またはデータ線などを短絡用配線で電気的に接続した状態で各工程を行うので、静電気が発生したり、絶縁基板表面に電荷が蓄積されても、かかる電荷を短絡用配線を介して基板外周側に拡散させるので、過剰な電流がデータ線駆動回路および走査線駆動回路に突発的に流れない。それ故、データ線駆動回路および走査線駆動回路を保護することができる。また、短絡用配線を走査線と同時に形成し、第1の切断用孔を第1および第2のコンクタクトホールと同時に形成し、第2の切断用孔を第3のコンクタクトホールと同時に形成するなど、画素電極とドレイン領域とをドレイン電極を中継して電気的に接続した場合でも、工程数を増やすことなく、第1および第2の層間絶縁膜から短絡用配線を露出させることができる。また、第2の層間絶縁膜として、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜を用いるので、画素電極とドレイン領域とをドレイン電極を介して電気的に接続した場合でも、ドレイン電極に起因する凹凸を平坦化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ、液晶表示装置に用いた液晶パネルの平面図および断面図である。
【図2】図1に示す液晶表示パネルに用いたアクティブマトリクス基板のブロック図である。
【図3】図2に示すアクティブマトリクス基板の画素部のコーナー部分を拡大して示す平面図である。
【図4】図2に示すアクティブマトリクス基板の画素の等価回路図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、図3の画素TFT部のA−A′線、図7の静電静電気対策部のB−B′線、図6の端子部のC−C′線における断面図、およびそれらの一部を拡大して示す断面図である。
【図6】図2に示すアクティブマトリクス基板の端子の構造を示す平面図である。
【図7】図2に示すアクティブマトリクス基板における信号配線と短絡用配線との接続構造を示す平面図である。
【図8】図2に示すアクティブマトリクス基板に構成した静電保護回路の回路図である。
【図9】図2に示すアクティブマトリクス基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図10】図9に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【図11】図10に示す工程に続いて行う各工程の工程断面図である。
【符号の説明】
2 ゲート絶縁膜
3a ゲート電極
3b 短絡用配線
3c 第1のパッド下配線
4 第1の層間絶縁膜
4a 第1のコンタクトホール
4b 切断用孔(第1の切断用孔)
4d 第2のコンタクトホール
5b、8b 切断用孔
6c 第2のパッド下配線
6d ドレイン電極
7 第2の層間絶縁膜
8a 第3のコンタクトホール
8b 切断用孔(第2の切断用孔)
8c 端子部のコンタクトホール
9a 画素電極
9c パッド
11 画素部(画面表示領域)
20 走査線
30 データ線
50 TFT
60 データ線駆動回路
65、75 静電保護回路
66 保護抵抗
70 走査線駆動回路
71 ポリシラザンを用いた絶縁膜
72 CVD法で形成した絶縁膜
74、75 信号配線
80、81、82 端子
91 第1の短絡用配線
92 第2の短絡用配線
93 第3の短絡用配線
AM アクティブマトリクス基板(TFT基板)
MM マザー基板

Claims (6)

  1. 走査線およびデータ線に接続する画素スイッチング用の薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続してなる画素電極と、前記走査線および前記データ線に信号出力する走査線駆動回路およびデータ線駆動回路と、該駆動回路に信号供給する複数の信号配線とを有し、前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、第1の層間絶縁膜の第1のコンタクトホールを介して前記データ線に電気的に接続するソース領域と、前記第1の層間絶縁膜の第2のコンタクトホールを介してドレイン電極に電気的に接続するドレイン領域とを備え、前記ドレイン電極には、前記第1の層間絶縁膜の上層側に形成された第2の層間絶縁膜の第3のコンタクトホールを介して前記画素電極が電気的に接続するアクティブマトリクス基板の製造方法において、
    前記走査線、前記データ線の少なくともいずれかの配線同士を電気的に接続する短絡用配線を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜に前記短絡用配線を露出させる第1の切断用孔を形成する工程と、ペルヒドロポリシラザンまたはこれを含む組成物の塗布膜を焼成した絶縁膜と、該絶縁膜の表面にCVD法により形成した絶縁膜とを用いて前記第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜に前記第1の切断用孔と重なる位置に第2の切断用孔を形成して前記短絡用配線を露出させる工程と、前記第1の切断用孔および前記第2の切断用孔を介して前記短絡用配線を切断する工程とを有することを特徴とするアクティブマトリクス基板の製造方法。
  2. 前記走査線、前記データ線の少なくともいずれかの配線同士を電気的に接続する短絡用配線を前記走査線と同時に形成することを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
  3. 前記第1の層間絶縁膜に前記短絡用配線を露出させる第1の切断用孔を前記第1および第2のコンクタクトホールと同時に形成することを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
  4. 前記第2の層間絶縁膜に前記第1の切断用孔と重なる位置に第2の切断用孔を前記第3のコンクタクトホールと同時に形成して前記短絡用配線を露出させることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクス基板の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに規定する製造方法で製造したことを特徴とするアクティブマトリクス基板。
  6. 請求項5に規定するアクティブマトリクス基板を用いた液晶表示装置。
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