JP3752470B2 - 質量分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオントラップ−飛行時間型質量分析(Ion Trap - Time of Flight Mass Spectrometer または IT-TOFMS)に関する。人のDNAの解析がほぼ終了した現在、IT-TOFMSは遺伝情報をもとにつくられる蛋白質などの生体高分子の高速構造解析手段として特に有望視されている。生体分子の機能解明により、新しい薬を発見・開発したりすることを可能にし、また、人それぞれの個性を測定することにより、個人にマッチした有効な薬の選択などに寄与する。
【0002】
【従来の技術】
蛋白質分析においては、広い質量数範囲のイオンを質量分解能5000以上の高分解能、10ppmの高質量精度、高感度なタンデム質量分析が求められている。IT-TOFMSはこのような要求を満たすと期待される分析装置であり、イオントラップ(Ion Trap または IT)と飛行時間型質量分析部(Time-of-Fight Mass Spectrometer または TOFMS)の2つの部分から構成される。イオントラップで可能な分解反応などの分子構造決定に有効な多様なイオン操作能力と、TOFMSで達成される高い質量分解能および質量数精度の両者を備えていることが特長である。
3次元四重極イオントラップ(IT)は四重極高周波電圧により、イオンを安定にトラップすることができ、” Practical Aspects of Ion Trap Mass Spectrometry”, R. E. March and J. F. Todd, John Wiley, 1995”で下記の動作方法が公知である。試料イオンはイオントラップの外部で生成し、イオントラップ内部に捕捉させるため、イオントラップ内部には数〜数10 mTorrのヘリウムなどのガスが充満される。入射イオンはこのガスとの衝突により冷却されて、イオントラップに保持される。イオントラップを用いれば、ターゲットとなる試料イオンを保持したまま、不純物イオンを除去したり、イオントラップ内部に満たされたガスとの衝突分解(Collision induced dissociation : CID)したり、ガスとの化学反応、光化学反応を行なうことができる。分解前に加え、分解後イオンの質量スペクトルを検出する(タンデム質量分析)ことにより、試料イオンをより精度良く推定できる。上記方式では、蛋白質分析に必要な分解能及び質量数精度を得ることが不十分である。
【0003】
下記のTOF MSの動作方式は、” Time-of-Flight Mass Spectrometry”, R. J. Cotter, ACS professional reference book, 1997”により公知である。TOF MSは、プッシャーと呼ばれる加速部とイオン検出器からなる。プッシャー(図5の6)は、イオンに電場勾配を印加する装置で、基本的には2枚の平行平板に高圧電圧を数〜数100 nsの高速で印加する。平板にはイオンが通過できるように、穴をあけたり、メッシュで形成したりする。プッシャーで加速されたイオンはイオン検出器(マルチチャンネルプレートが用いられる:以下ではMCPと記載する。図5の8)へ向かって飛行する。プッシャーを動作させた時刻とMCPでイオンを検出した時刻の差が飛行時間である。プッシャーとMCPとの距離は既知なので、質量数を知ることができる。また、質量分解能を低下させるプッシャー内でのイオンの空間的エネルギー的な広がりを補正するために、リフレクトロンが用いられることがある(図5の7)。これにより、広い質量数範囲で高い分解能が得られる。上記方式では、タンデム質量分析が行なえず、同定精度が不十分である。
【0004】
以上のイオントラップとTOF型質量分析器を組み合わせた従来のIT-TOF MSの方式として、以下の2つが公知である。1つは、同軸加速型の分析装置であり、文献P.W.Purves and Liang Li: J. Am. Soc. Spectrom. 8 (1997) page1085により公知である。本公知例ではイオントラップをプッシャーとして動作させている。すなわち、リング電圧に印加されたRF電圧をOFFするのとほぼ同時に2つのエンドキャップ間に静電圧を印加してイオンを加速する。加速されたイオンはエンドキャップの中央に開口した穴から排出されて、その延長線上のイオン検出器で到達時刻を検出する。この方法はその装置構成が単純であるという利点がある。上記方式では、イオントラップ内部のバッファーガスとイオンの衝突に起因して、質量数が大きいイオンの質量分解能、質量数精度が不十分である。
【0005】
もう一つのIT-TOF MSの例が、特開2001-297730に記載されている。これによると、イオントラップから取り出したイオンをその進行方向とは高真空部で直交方向へ再度加速する。イオンを直交方向に加速する前に、イオン収束機構を用いてイオンを空間収束およびエネルギー収束させることにより、高い質量分解能、質量数精度を実現できる。上記方式では、下記に説明するイオントラップからの1度の排出で検出可能な質量数範囲(Mass Window)が狭いという新たな課題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開2001-297730に記載された方式では、イオントラップ排出で測定可能な質量数範囲(Mass Window)が狭いという課題がある。すなわち、イオントラップからイオンを取り出す操作が1つの質量分離機構となっている。つまり、軽いイオンは早くプッシャーに到達し、重いイオンは遅く到達する。プッシャーの大きさには制限があるため、1度のイオントラップ排出によるTOFMSでの質量分析操作で分析可能な質量数範囲(Mass Window)が存在することになる。イオントラップの中心からエンドキャップまでの距離をz0、ここからプッシャーの入り口までの距離をL、プッシャーの長さをl、加速電圧をVとし、分析可能な最小のイオン質量数をm1とし、分析可能な最大のイオン質量数をm2とすると、分析可能な電荷質量の比、すなわちmass windowは、
【0007】
【数3】
で与えられ、mass windowは実質的に2程度となる。例えば質量数200から400まで、400から800まで、などが1度に分析できる質量範囲である。これでは200から4000までのイオンを測定するためには5回の測定が必要となる。これらの測定を平行して行なうことも可能であるが、この場合にはスループットが低下し、感度は大幅に低下する。よって高感度を維持するには、Mass Windowは20以上あることが望ましい。
【0008】
本発明は、蛋白質分析で求められている広い質量数範囲のイオンを1度のイオントラップ排出によるTOF質量分析操作で分析する操作方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
特開2001-297730で示される従来法でMass Windowという問題が発生する理由は、軽いイオンが先に、重いイオンが後からイオントラップより排出されてくることによる。重いイオンから先に排出され、軽いイオンがあとから排出されてくる操作方法をもちいれば、プッシャー上の1点にすべての質量のイオンを集めることが原理的には可能である。つまり、イオントラップのエンドキャップの開口部から低エネルギーでイオンを重いものから軽いものへ順次排出させ、これを加速する。重いイオンが加速し、ドリフト領域を飛行している間に、軽いイオンをあるタイミングで取り出して加速する。そして、プッシャーに重いイオンが到達したときに、軽いイオンもちょうどプッシャーに到達するようにする。すなわち、本発明では、重いイオンから軽いイオンへ順次、低エネルギーで取り出し、イオントラップ外部でイオンを加速し、プッシャーの1点にすべての質量のイオンを収束する。
【0010】
【発明の実施の形態】
3次元四重極イオントラップにはイオンを取り出すための穴が開口されるため、理想的な回転双曲面で構成された電極であっても、内部に理想的な四重極電場が形成されるわけではない。これを補正するために、電極を変形させることことがある。本発明においても明細書上は便宜上、四重極電場というように記述するが、広く変形させた四重極電場・電極も包含するものと解釈する。
第一の実施例に関する説明図を図1と図5に示した。装置は3次元四重極イオントラップ(図中の番号1から3)、ドリフト領域(5)、直交加速型のTOF質量分析部(6、7、8)からなる。イオントラップからTOF部へとイオンが導入される方向とTOFによるプッシャー部を直交(70から110°)させることにより質量分解能、質量数精度を達成できる。さらに図5に示したように、以上の部分は真空室に格納される。イオントラップ室とTOF室はそれぞれ真空ポンプ(14,15)で排気されている。イオン源(16)で発生させたイオンはオクタポールなどからなるイオンガイド(17)を通過してイオントラップにトラップされる。実施例1の装置構成上の特徴は、イオン取り出し後の加速領域をドリフト領域に比べて実質的に無視できるほど短い点にある。取り出されたイオンはエンドキャップ(3)とドリフト領域(6)の間に印加した静電圧Vaccにより加速される。イオン源で生成したイオンはエンドキャップ2の開口部から入射され、一度イオントラップに保持される。ここで、イオンため込み、イオンアイソレーション、イオン分解が行なわれる。これらの操作は、イオントラップを用いた多段階のタンデム質量分析(multi stage mass spectrometry またはMSn)であり、イオントラップならではの能力が発揮される場所である。ただし、蛋白質分析などの分野ではイオントラップだけでは生成されたイオンを質量数精度が不十分であり、より質量数精度の高い直交加速型の飛行時間型質量分析計(TOFMS)と結合されることが望ましい。本発明は、イオントラップからイオンを取り出し、質量分析を行うまでの手順に関する。装置構成は、イオントラップ、加速領域、ドリフト領域、TOF質量分析装置からなる。イオントラップからのイオンの排出原理の説明図を図4に示す。イオントラップ内部では図4(a)に示す捕捉するポテンシャルが生じる。質量数の大きいイオンほどポテンシャルは小さい。そこに静電界を印加すると図4(b)のようにポテンシャルが変化するが、この際、高質量数のイオンほどz方向への変動幅が大きくなる。その後、捕捉ポテンシャルを小さくしていくことにより、高質量のイオンから順次低エネルギーでイオントラップから排出が可能である。なお、質量数に依らずポテンシャルが等しくなった時点でイオンが排出されるため出射されるイオンのエネルギーは質量数に依らずほぼ一定になる。また、ポテンシャルの極小値付近からイオンが出射されるため、排出されるイオンのエネルギー幅は小さくなる。バッファーガスはイオントラップの内部に噴出させ、イオントラップ内部は10-2Torr程度に維持されている。イオントラップ外部のイオントラップ真空室は10-3Torr以下、TOFMSは10-6〜10-7Torr程度の真空度に保たれている。
【0011】
以下、すべての質量数のイオンを順次排出させて1点で具体的なパラメータ導出方法を数式で導出する。3次元四重極イオントラップ(図1)において、z軸方向の四重極ポテンシャルは(数1)のように記述する。
【0012】
【数1】
ここで、イオントラップの中心を電位ゼロとした。このとき、qパラメータ、永年運動振動数(ω)、擬ポテンシャル(Φ)は、(数2)、(数4)、(数5)のように記述される。
【0013】
【数2】
【数1】
【数2】
このイオントラップのz方向に、(数6)で記述される線形の電位勾配を印加する。
【0014】
【数3】
擬ポテンシャルと電場勾配の合成ポテンシャルは、(数7)のようになる。
【0015】
【数4】
このポテンシャルの極小値を与える位置を求めると、(数8)のようになる。
【0016】
【数5】
電場勾配によりイオンが排出される閾値はZmin=Z0で実現されるので、質量数mをもつイオンが排出されるときの高周波振幅は(数9)で与えられる。
【0017】
【数6】
一方,Vaccで加速されたイオンが距離Lだけ飛行する時間は(数10)となる。
【0018】
【数7】
この式をもちいて、任意の質量数mを持つイオンが距離Lで収束するためのスタート時間をもとめると、(数11)となる。
【0019】
【数8】
ここで、mmaxは、電場勾配を与えたときに高周波電圧の初期値Vrf0でトラップ可能な最大の電荷質量比であり、(数12)で与えられる。
【0020】
【数9】
(数9)と(数11)より、任意のイオンを一点に収束させるように高周波振幅を掃引する時間に対する依存性は、(数13)と(数14)で与えられる。
【0021】
【数10】
【数11】
(数13)で示されたように、イオンを一点に収束させるためには、単純に高周波振幅を線形減少させれば良い。このとき、時刻t=tscan、つまり振幅を減少掃引していたときの高周波振幅の包絡線がゼロにいたる瞬間、すべてのイオンが位置Lに収束される。そこで、最も効率良くイオンを加速するには、イオンが収束した時刻t=tscanで加速を開始すればよいという、単純な関係が得られる。
【0022】
次に、一度のイオントラップ排出で分析可能な質量範囲を考える。分析可能な最大の質量数は(数12)で与えられる。一方、分析可能な最小質量は、イオントラップの安定領域(q<0.908)で決まっていて、(数15)で与えられる。
【0023】
【数12】
1回のイオントラップからの排出で質量分析可能な質量範囲を与えるMass Windowは(数16)で評価することができる。
【0024】
【数13】
(数14)より、tscanを小さくすればLを小さくできて、装置サイズを小さくすることができることがわかる。現実的な装置サイズからtscan<10 msが望ましい。ただし、tscanを小さくし過ぎると、イオンはポテンシャル極小値の移動に追随できずにタイミングどおりにイオントラップから排出されない問題がある。イオントラップ内部の共鳴周波数は数10〜数100 kHzなのでtscan>10 msが望ましい。
【0025】
本発明の操作手順を図2に示す。イオン源で生成したイオンをイオントラップにトラップする。トラップが終了したら、イオンアイソレーションやイオン分解などの諸操作を実施する。そののち静電圧Vddcをエンドキャップ電極間に印加する。このとき静電圧は所定値Vddcまで0.1ミリ秒程度以上の時間をかけて増加させることが望ましい。さもないと、重いイオンはイオントラップからこの時点で失われ、マスウィンドウが十分得られない問題がある。なぜならば、イオンのトラップ内での共鳴振動数は数10〜数100kHz程度であり、この周期分より十分長い周期の時間変動で無いとイオンが共鳴的に不安定になる可能性がある。すなわち0.1ms以上の時間でVddcを増加させればイオンは安定である。所定のVddcまで静電圧を印加したら、高周波電圧を0に向けて線形減少させる。その掃引時間tscanは(数14)による。高周波振幅が実質的に0になった瞬と同時刻にプッシャーを動作させる。プッシュされたイオンはイオントラップの軸方向にeVaccの運動エネルギー、それとは垂直方向にeVpushの運動エネルギーを持つ。この条件のもと、リフレクトロン(7)を経由してMCP(8)にいたるイオン光学系の設計は公知である。つまり、イオントラップを延長した軸とリフレクトロンとの距離をLTOF、プッシャーの中央とMCPの中央の距離をDとすれば、MCPは、(数17)のように設置すればよい。
【0026】
【数14】
以下、本方式をガスとの衝突を考慮したモンテカルロシミュレーションにて実証した結果を示す。設計パラメータとして、イオントラップのサイズz0を5mm、イオントラップ周波数を770kHz、イオントラップ高周波振幅を250Vとし、さらに、Vddc=2 V、Vacc=10 V、tscan =500ms、イオントラップエンドキャップとプッシャーの中央の距離(ドリフト距離)をL=0.15mとする。イオントラップ内部のHeガス圧力は10-2 Torrとし、イオンの衝突断面積は質量数の3乗に比例するという弾性衝突モデルを仮定した。図7にイオントラップから50mmの地点(z=50mm)での質量数200〜4000までのイオンの到達時間分布を示す。イオン到達時間のゼロ点は高周波振幅が線形減少を始めた時間である。この地点では早めに出射された高質量数イオンが到達する。一方、図8は焦点位置(z=150 mm)でのイオン到達時間の分布である。質量数200〜4000のイオンがほぼ同時にこの地点で収束していることが分かる。図9は各地点でのイオン到達時間の平均値を示す。ここに示したように1点で異なる質量数のイオンが収束している。図10にイオントラップから排出されるイオンのr座標の分布を示す。イオントラップの穴を2φ程度に開口しておけば80%のイオンが透過可能であることがわかる。図11にイオントラップから排出されたイオンのプッシャー部でのr方向のエネルギー分布を示す。直角加速TOFMSで検出を行なう場合、r方向のエネルギー分布が分解能を決める重要なファクターである。分解能を得るためにはTOFの構成により異なるが、50meV以下のエネルギーに抑えることが望ましいが、80%のイオンがその中に収まっている。このシミュレーションではイオントラップから出射したイオンすべてのデータを取っているが、途中でスリットを入れることにより高エネルギーのイオンを除去することも可能である。上記の結果より質量数200〜4000のイオンが一度のイオントラップ排出によるTOF分析で測定可能なことが実証された。
【0027】
本発明の操作を装置化するときには以下に開示した事項を必要に応じて採用する。イオントラップへ印加する2種の静電圧、すなわち、電場勾配を印加するためのエンドキャップ電極への電圧と加速電圧を印加するための電圧は、高速を要求しない。そのために、各イオントラップ電極を、イオントラップ電極の静電容量よりも十分に大きい値を持つコンデンサなどを用いて直流的に絶縁し、1メガオーム程度の抵抗を介して各電極にオンオフ可能な定電圧電源を接続すればよい。
【0028】
イオンはイオントラップのイオン排出口から出てきたときに、イオントラップに印加した加速電圧と接地電圧との間で加速される。本実施例ではイオンが通過する穴をもった接地電極はイオントラップの開口部に極接近して設置される。このため、イオントラップエンドキャップに開けた穴と接地金属板の穴により、電子レンズが構成させる。この影響はプッシャーでのイオンの収束に対する影響は加速電圧Vaccやプッシャーとの距離などの条件による。さらに、それぞれの穴には細かい開口比の大きい金属網を張っても良い。金属網によりイオンの透過率は低下するけれども電場が整形されTOF質量分析器の質量分解能を向上させる効果がある。ドリフト領域は不測の力がイオンに作用してプッシャーでの空間分布が広がらないようにするために、イオン飛行領域を電気的にシールドすることがのぞましい。接地した金属筒(5)を設置する。このとき、金属筒の入り口側が加速領域の接地電極を兼ねる場合は、細かい金属網を入り口部分に張ることにより、電場のゆがみによるレンズ効果を排除できる。
【0029】
ドリフト領域の終端とプッシャーの間には静電レンズ(13)を配置して、プッシャー内での加速方向の空間およびエネルギー分布を狭くすることが、質量分解能を向上させるためには有効である。加速方向へのイオンの位置およびエネルギー分布を狭くするために、任意の1方向の収束が可能な四重極静電レンズを導入することが有効と考えられる。特に、2つの四重極静電レンズを組み合わせることが有効である。第一の四重極静電レンズで加速方向に強く収束し、これを第二の四重極静電レンズで加速方向に弱く発散させて、加速方向に強く絞ったビームとする。代わりに、加速方向以外の位置エネルギー分布は広がるがこれらは分解能には影響しない。なお、静電レンズはイオンの運動エネルギーが同じであれば質量による収差を持たないので、通過イオンの質量に対応した静電レンズへの印加電圧の変更は必要としない。
【0030】
一般的にTOF質量分析部はイオントラップ部よりも高真空に保持するために、それぞれは別の真空室に配置され、両者の間にはイオンの通過穴を設けることになる。本実施例の場合、ドリフト領域の適当な位置に真空室壁が位置する。真空室は金属で形成され接地されており、ドリフト領域をなす金属筒との連続性、一体性には問題がない。異種の金属が接続された場合に発生する1V程度の電位差、すなわち接触電位差を避けるために、真空室と金属筒の金属種は同一にし直接接触されておくことがのぞましい。もしくは、隔壁を貫通するように金属筒を配置し、ドリフト領域に沿った金属種の均一性を保つことが有効である。
【0031】
同様に、特にイオンの運動エネルギーの小さいエンドキャップに開けたイオン取り出し口付近のイオンの運動への影響をさけるために、取り出し穴のイオントラップ内部側と外部側に張る金属網の表面材質はイオントラップの表面材質と同一にしておく。たとえば、イオントラップを金メッキしたならば、網にも金メッキを施す。たとえば、イオントラップをステンレス材で整形し、その表面をステンレスのままにするならば、網材も同じ組成のステンレス材を用い、両者を直接、接合する。
図3に第2の実施例を示す。第2実施例の特徴はイオントラップからTOFMSに至る加速領域を長くすることにより、イオントラップとプッシャーの距離を第一の実施例よりも短くすることに特徴がある。本実施例への適用は、第一の実施例でおこなったイオン取り出し原理の解析的な議論で用いたイオントラップとプッシャー中央の間の距離Lを、2Lacc+Lで置き換えるだけでよい。ここで加速領域の長さをLacc、加速領域の出口とプッシャー中央との距離(ドリフト領域)を新たにLとした。このL を小さくとれば、Laccにつく係数2のために、実施例1と同じ動作パラメータにとれば、イオントラップとTOF分析部の距離を約2分の1程度に縮めることが可能となる。第2の実施例について他の原理と効果については実施例1と同様である。
【0032】
上述の第1と第2の実施例の違いは、イオントラップから取り出した後のイオンの加速方法である。第一の実施例では、イオントラップからイオンを取り出した直後でイオンを加速し、距離Lだけ離れたプッシャーへイオンを等速度でドリフトさせる。第2の実施例では、イオントラップからイオンを取り出した直後に数10mm以上の長さの加速領域でイオンを加速し、短いドリフト長さでイオンをプッシャーへ導く。第2の実施例は、第1の実施例に比べてイオントラップとTOF質量分析部との間の距離を短くすることができる。これにより、全体の装置のサイズを小さくすることが出来る。
【0033】
以上の操作原理を実際に装置化するには、図3に示すように、加速部は平行電場勾配となるように、多層の金属板305を配置して、より理想的な平行電場となるようにした。ゆがみがあると、イオンの空間分布を拡散することになり、TOF質量分析部の質量分解能が低下する。必要に応じて、入射面と出射面には細かくかつ開口比の大きい金属網を張って電場の平行性を確保する。
【0034】
イオントラップ部とTOF質量分析部を分ける真空室壁は、加速領域の後段に位置するように装置を設計する。すなわち、イオントラップ、加速領域、真空室壁+ドリフト領域、(必要に応じて四重極静電レンズ)、プッシャーの順に配置される。
【0035】
本発明での、重いイオンを先に取り出し、軽いイオンをあとから取り出す実施形態の1つとして、イオントラップ高周波電圧を一定とし、静電圧Vddcを徐々に増大させていく操作方法が考えられる。すなわち図2のtdcの部分でイオンが排出される程度の静電圧Vddcを印加する。この場合(数9)より分かるようにVddc掃引の時間関数は増加開始からの時間に対して1/2乗に比例させる。この方法は、高い高周波電圧でイオンを取り出すことにともなう大きなマイクロモーション(高周波による強制振動)運動エネルギーが伴うため、イオンのz方向のエネルギー分布が広がり、結果として感度や分解能に悪影響を与える。しかし、図2において高周波振幅の減少前のtdcでイオントラップから排出される高マスのイオンを、tscanで排出されるイオンと同時に検出するために有効である。
【0036】
また上記すべての実施例ではプッシャー部の当初の電位が0Vであることを前提に記述されているが、プッシャー部の電位が0Vでない場合には、その分、他の部位の電位を平行移動することにより同様の効果が得られる。
以上の実施例は、本発明をIT-TOF装置に適用した場合について説明した。本発明によるイオントラップから低エネルギーのイオンを取り出せる利点を利用し、更に高度なIT-TOFも考えられる。そのような例として実施例3を、図12を用いて説明する。図12は四重極イオントラップを2つ並べたものであり、従来からReinholdらにより提案されているもの(PCT特許WO01/15201A2)と電極配置は同じである。これによると、イオン源で生成したイオンを前段のイオントラップ(501,502,503)で蓄積する。その後、イオンを後段のイオントラップ(504,505,506)へ移動させ、その後飛行時間型質量分析計などへ導入してタンデム質量分析を行なう構成図が開示されている。しかし、その具体的な電圧印加方法については述べられておらず、イオントラップ間の輸送は実用化に至っていない。これを実用化する課題としてイオントラップ間の輸送効率の向上が考えられる。従来のイオン排出方式では前段のイオントラップから排出されるイオンのエネルギーが不均一であるため、トラップ間の輸送効率が低い。すなわち、図4の(A)の状態から各質量数のイオンが排出され、質量数毎に異なるポテンシャルからイオンは排出される。つまり、イオンは質量数により異なるエネルギーをもっているため排出されたイオンの収束光学系は大きなエネルギー収差をもち透過効率が小さくなる。従って後段のイオントラップへイオンを高効率で入射させるためには大きな加速電圧を必要とした。しかし、大きな加速電圧は後段のイオントラップでのトラッピング効率を低下させる。一方、本発明のイオン排出方式によれば図4から分かるように各イオンは質量数に依らず、同じポテンシャルとなった時点で排出され、イオントラップからイオンをほぼ等エネルギーで排出できるため、排出されたイオンは質量数に依らずほぼ同じエネルギー分布を持つ。従ってイオン光学系の色収差が無く、イオントラップ間の輸送効率が向上する。本実施例では、イオン源で生成したイオンを前段のイオントラップ(501,502,503)で蓄積した後、イオンを本発明のイオン排出方式を用いて後段のイオントラップ(504,505,506)に移動させる。後段のイオントラップでイオン分解などのイオン操作を行なった後、TOFMS(510)などで質量分析を行なう。静電レンズにはイオンを後段のエンドキャップ電極穴へ収束させる静電圧を印加する。後段のイオントラップでイオン操作が行なわれている間、前段のイオントラップでイオンの蓄積が行なわれるため、全体としてイオンの利用効率が向上する。また、本実施例のイオントラップ間のイオン輸送では質量数の異なるイオンを空間的に収束させる必要性が無いため、実施例1,2のように振幅減少が線形上に行なわれる必要はない。一方、後段のイオントラップからTOFMSへの輸送は実施例1,2の方法で行なわれる。図にはイオントラップ2個の場合のみを示したが、イオントラップを3個以上タンデムに設置しても本発明によるイオントラップ間の輸送効率向上の効果はある。
また、低エネルギーでイオンが排出されることを利用して、質量分析部として飛行時間型質量分析計ではなくフーリエ変換型質量分析計を結合することも可能である。この場合には、イオントラップでイオン分解を行なった後、磁場の印加されたフーリエ変換型質量分析計へイオンが導入されるが、イオンの入射効率が上がるため感度が向上する。
【0037】
本発明に付随する効果として、イオントラップ内部に入れた高圧力のバッファーガスに関する問題が解決される。従来法では、真空度の悪いイオントラップ内部をイオンが有限の速度で加速・移動していたため、ガスによる衝突や粘性抵抗により、所定のタイミングより遅れてイオントラップからイオンが排出される傾向があった。本発明では、真空度の悪いイオントラップ内部では加速せずに、イオントラップから排出されたあとの真空度が高い領域で加速しているために、この問題は解決される。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、蛋白質分析で求められる広い質量数範囲のイオンを一度のTOF質量分析操作で質量精度良く分析することが可能である。このことにより、高速の蛋白質構造分析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の装置構成を模式的に説明図である。
【図2】本発明の実施例1の操作手順を模式的に説明図である。
【図3】本発明の実施例2の装置構成を模式的に説明図である。
【図4】重いイオンから取り出す原理を説明図である。
【図5】本発明を実施するときの装置公正の全体を模式図である。
【図6】従来技術を説明図。
【図7】本方式の効果を示す説明図。
【図8】本方式の効果を示す説明図。
【図9】本方式の効果を示す説明図。
【図10】本方式の効果を示す説明図。
【図11】本方式の効果を示す説明図。
【図12】本発明の実施例3の装置構成を模式的に説明図である。
【符号の説明】
1:リング電極、2:エンドキャップ電極(イオン源側)、3:エンドキャップ電極(TOF側)、4:ヘリウムガス導入管、5:ドリフト領域、6:TOFプッシャー、7:リフレクトロン、8:MCP、9:イオントラップ高周波電源、10:DC電源、11:DC電源、12:DC電源、13: 四重極静電レンズ、14:真空ポンプ、15:真空ポンプ、16:イオン源、301:リング電極、302:エンドキャップ電極(イオン源側)、303:エンドキャップ電極(TOF側)、304:ヘリウムガス導入管、305:加速領域、306:TOFプッシャー、307:リフレクトロン、308:MCP、309:イオントラップ高周波電源、310:DC電源、311:DC電源、312:DC電源、313: 四重極静電レンズ、501:前段イオントラップリング電極、502:前段イオントラップエンドキャップ電極(イオン源側)、503:前段イオントラップエンドキャップ電極(TOF側)504:後段イオントラップリング電極、505:後段イオントラップエンドキャップ電極(イオン源側)、506:後段イオントラップエンドキャップ電極(TOF側)、507:静電レンズ、508:静電レンズ、509:イオン源、510:質量分析部。
Claims (11)
- リング電極および1対の向かい合ったエンドキャップ電極よりなる3次元高周波四重極イオントラップにおいて、イオン排出時に、エンドキャップ電極間に静電圧を印加し、さらにリング電圧に印加する高周波電圧を大きい振幅から小さい振幅へと掃引することを特徴とする3次元四重極イオントラップを有する質量分析装置。
- 上記エンドキャップ電極間の静電圧が、上記高周波電圧が掃引される間、一定値であることを特徴とする請求項1記載の3次元四重極イオントラップを有する質量分析装置。
- 上記高周波電圧を大きい振幅から小さい振幅へと掃引するとき、その振幅が時間に対し線形に減少することを特徴とする請求項1記載の3次元四重極イオントラップを有する質量分析装置。
- 前記イオントラップにより排出されたイオンを飛行時間型質量分析計で検出を行なうことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の質量分析装置。
- 前記、飛行時間型質量分析計のイオン加速方向がイオントラップから飛行時間質量分析計に至るイオン軌道に対し70°〜110°であることを特徴とする請求項4に記載の質量分析装置。
- 高周波電圧の振幅を減少掃引していたときの高周波振幅の包絡線がゼロにいたる瞬間にTOF質量分析器のプッシャーを動作させることを特徴とした請求項4記載の質量分析装置。
- 上記エンドキャップ電極間の静電圧を0.1ミリ秒以上の時間をかけて所定の一定値に増加することを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
- 上記、静電圧が静電圧増加開始からの時間に対し1/2乗に比例することを特徴とする請求項7に記載の質量分析装置。
- 3次元四重極イオントラップと飛行時間質量分析計の間にドリフト領域を備えていることを特徴とする請求項4記載の質量分析装置。
- 3次元四重極イオントラップと飛行時間質量分析計の間に、イオン加速領域を備えていることを特徴とする請求項4記載の質量分析装置。
- 3次元四重極イオントラップと飛行時間型質量分析計の間に1つ以上の四重極静電レンズをそなえていることを特徴とする請求項4記載の質量分析装置。
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