[go: up one dir, main page]

JP3730440B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP3730440B2
JP3730440B2 JP11662199A JP11662199A JP3730440B2 JP 3730440 B2 JP3730440 B2 JP 3730440B2 JP 11662199 A JP11662199 A JP 11662199A JP 11662199 A JP11662199 A JP 11662199A JP 3730440 B2 JP3730440 B2 JP 3730440B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flux
wire
welding
slag
cored wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11662199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000301381A (ja
Inventor
政男 鎌田
力也 高山
武夫 足立
和夫 森
晴敏 窪田
Original Assignee
日鐵住金溶接工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=14691730&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3730440(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 日鐵住金溶接工業株式会社 filed Critical 日鐵住金溶接工業株式会社
Priority to JP11662199A priority Critical patent/JP3730440B2/ja
Priority to US09/342,621 priority patent/US6140607A/en
Priority to KR1019990029752A priority patent/KR100335386B1/ko
Priority to TW088113050A priority patent/TW431930B/zh
Priority to CNB991181735A priority patent/CN1143750C/zh
Priority to EP99117126A priority patent/EP1046454B1/en
Priority to DE69906251T priority patent/DE69906251D1/de
Publication of JP2000301381A publication Critical patent/JP2000301381A/ja
Publication of JP3730440B2 publication Critical patent/JP3730440B2/ja
Application granted granted Critical
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K9/00Arc welding or cutting
    • B23K9/12Automatic feeding or moving of electrodes or work for spot or seam welding or cutting
    • B23K9/133Means for feeding electrodes, e.g. drums, rolls, motors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/36Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest
    • B23K35/3601Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest with inorganic compounds as principal constituents
    • B23K35/3608Titania or titanates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/36Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest
    • B23K35/368Selection of non-metallic compositions of core materials either alone or conjoint with selection of soldering or welding materials

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は船舶、橋梁、鉄骨などの鋼構造物の製造に使用する軟鋼、高張力鋼及び低合金鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ(以下、フラックス入りワイヤと言う。)に関し、特に溶接作業能率向上のために高電流溶接条件で使用した場合でも溶接作業性が良好なすみ肉溶接用及び全姿勢溶接用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
すみ肉溶接に使用するフラックス入りワイヤは、例えば、特開昭61−147993号公報、特開平3−294092号公報など種々提案されているが、水平すみ肉溶接の一段の高速化が要望されている。一般にすみ肉溶接に使用するフラックス入りワイヤには、鋼構造物の製造期間中の防錆を目的に塗布されたプライマに起因して発生するピット、ガス溝の防止対策がなされている。しかし、高速水平すみ肉溶接においては鋼板に塗布されたプライマの種類、膜厚の影響が増長し、耐プライマ`性が問題となる。また、高速化にともない目標脚長を確保するために必然的に高電流溶接条件となり、ビードの凸状化、ビード止端部のなじみ性不良、アンダーカット、スラグ焼き付きによる外観及びスラグ剥離性の劣化などが問題になる。
【0003】
全姿勢溶接用フラックス入りワイヤは、下向、水平、上向、立向などの姿勢溶接が可能であるため最も汎用化しているが、特に高電流溶接条件で使用した場合の立向溶接のメタル垂れ防止及び広い溶接条件範囲での適用性が要望されている。立向溶接においてメタル垂れが発生するとビード止端部のなじみ性や外観、スラグ剥離性が問題となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は高電流溶接条件の高速水平すみ肉溶接に使用した場合でも良好な耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性が得られるすみ肉溶接用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ、及び高電流域を含む広い溶接条件範囲で使用して立向溶接の耐メタル垂れ性を始めとする各種溶接作業性が良好な全姿勢溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高電流溶接条件で行う高速水平すみ肉溶接及び立向溶接で問題となる前記溶接作業性改善のために、それぞれ種々のフラックス入りワイヤを試作して詳細に検討した。
【0006】
まず、水平すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの耐プライマ性の向上には、スラグ形成剤の制限、弗化物の添加、ワイヤの水素量の制限などに加えて、高電流溶接条件で使用した場合のアーク状態の安定性が重要である。即ち、溶接中、安定したアーク状態が継続していれば、溶融プール表面に浮上した溶融スラグはアークカにより後方に連続的に速やかに後退し、溶融プールからの水素ガスの放出がスムーズに行われるのでピットやガス溝が発生しない。他方、ワイヤの溶融状態が乱れてアーク状態が不安定になると溶融スラグの後退が不連続的になり、このとき凝固したスラグが厚めになっている部分にはピットの発生頻度が高くなる。
【0007】
また、高電流溶接条件で使用した場合のビード形状、外観及びスラグ剥離性の向上には、溶融スラグの流動性や凝固温度などを組成的に調整すること及び上記安定したアーク状態を保ち、充分なスラグ被包性を保つことが重要である。スラグ被包性が不充分な場合、ビードの凸状化やアンダーカット、スラグ焼き付きによる外観及びスラグ剥離性が劣化する。
【0008】
次に、全姿勢溶接用フラックス入りワイヤを高電流溶接条件で立向溶接に使用した場合の耐メタル垂れ性に対しても、上記アーク状態の安定化は必須条件である。
【0009】
立向下進溶接ではアークカによって溶融プールの上方に溶融スラグを保持しながら下方に溶接が進行するが、安定したアーク状態が継続していれば溶融スラグは溶融プール上方にスムーズに押し上げられ速やかに凝固するのでメタル垂れは発生しない。このときビード全体をスラグが被包し止端部のなじみ性が良好でなめらかな形状のビードが形成され、スラグ焼き付きやスラグ巻き込みがなく剥離性も良好となる。他方、アーク状態が不安定になると溶融スラグが瞬間的に垂れ、ビード形状の凹凸、スラグ巻き込み欠陥及びそのスラグ巻き込み部から派生した割れが認められるようになる。立向上進溶接の高電流化や溶接条件範囲の拡大にも同様にアーク状態及びスラグ被包性はメタル垂れ、ビード止端部のなじみ性及びスラグ剥離性に影響する。
【0010】
本発明者らは、上記フラックス入りワイヤの溶接作業性改善に共通して重要な影響を及ぼすアーク状態及びスラグ被包性の安定化に対し、前記特定した鉄系Si−Mn合金粉を一定量以上含有させることが極めて効果的であることを見いだし、さらに、スラグ形成剤、弗化物を必須成分として限定したフラックス入りワイヤにおいて、所期の目的を達成したものである。
【0011】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0012】
(1) 鋼製外皮内にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、重量%で、
Cを0.40〜1.20%、Siを5〜12%、Mnを19〜42%含み、残部Feからなり、かつ、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)を満たし、粒径が212μm以下の鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ全重量に対して1.0〜11.0%含有し、
さらに、
TiO:2.0〜7.0%、
SiO:0.2〜1.5%、
ZrO:0.1〜1.2%、
弗化物(F換算値):0.01〜0.3%を含有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0013】
(2) 鋼製外皮内にフラックスを充填してなるすみ肉溶接に使用するガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、重量%で、
Cを0.40〜1.20%、Siを5〜12%、Mnを19〜42%含み、残部Feからなり、かつ、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)を満たし、粒径が212μm以下の鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ全重量に対して1.0〜11.0%含有し、
さらに、
TiO:2.0〜5.0%、
SiO:0.2〜1.2%、
ZrO:0.1〜1.2%、
弗化物(F換算値):0.01〜0.3%を含有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0014】
(3) 鋼製外皮内にフラックスを充填してなる全姿勢溶接に使用するガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、重量%で、
Cを0.40〜1.20%、Siを5〜12%、Mnを19〜42%含み、残部Feからなり、かつ、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)を満たし、粒径が212μm以下の鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ全重量に対して1.0〜11.0%含有し、
さらに、
TiO:4.0〜7.0%、
SiO:0.3〜1.5%、
ZrO:0.3〜1.2%、
Al(1.5%以下)又はMg(0.8%以下)の1種又は2種:0.1〜1.5%、
弗化物(F換算値):0.01〜0.2%を含有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0015】
(4) 上記鉄系Si−Mn合金粉の比透磁率(μ)が1.10以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0016】
(5) ワイヤ全重量に対して鉄粉を10%以下含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0017】
(6) ワイヤ全重量に対してワイヤの水素量が0.007%以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0018】
(7) ワイヤ全重量に対してワイヤの窒素量が0.010%以下であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のフラックス入りワイヤに含有させる鉄系Si−Mn合金粉の作用効果とその限定理由について説明する。
【0020】
フラックス入りワイヤの鋼製外皮素材にはSi、Mnが低く伸線加工性が良好な軟鋼材が一般的に用いられている。このため充填するフラックス中には溶接金属の機械的性質を確保するための脱酸及び合金剤としてSi、Mnの原料粉の配合比率が高い。これの原料粉として従来より金属Si、金属Mn、フェロシリコン、フェロマンガン、シリコマンガンなどが用いられている。また、高張力鋼用や低温用鋼用などのNiを含有するフラックス入りワイヤにはフェロニッケル粉やNi粉が用いられている。
【0021】
しかるに、図3(a)、(b)に示すように、上記金属粉原料を多量に含有させたフラックス入りワイヤの長手方向断面を観察すると、異常部を拡大して図3(a)に模式的に示したように外皮部1に肉厚が薄い部分5やフラックス2内に含有されているフラックス原料粉6(金属粉、合金粉)が外皮部1に噛み込んだ部分7が見られる。このように外皮部肉厚の不均一の度合いが大きくなると、アーク安定剤が含有されていたとしても、ワイヤの溶融状態が乱れ、安定したアーク状態及びスラグ被包状態を保つことが出来なくなる。
【0022】
このような外皮部肉厚の変動は、伸線加工の進行にともないフラックス部が外皮部から連続的な押し圧力を受け、順次圧縮され堅く締まった状態となり、フラックス原料の個々の粒子の移動が妨げられ、外皮部の延びに対するフラックス部の追従性が悪くなったことによって生じたものである。
【0023】
これに対し、図3(b)に本発明のフラックス入りワイヤの長手方向断面のフラックス充填状態を模式的に示した。外皮部1の肉厚の均一性は良好で、フラックス2内に含有されているフラックス原料粉の噛み込みは見られず、このようなフラックス入りワイヤのアーク状態及びスラグ被包状態は極めて安定している。
【0024】
この外皮部肉厚の均一化はフラックス中に分散された本発明で特定したフラックス原料粉である鉄系Si−Mn合金粉8(拡大図)のフェロアロイ粉によってもたらされる。本発明で用いる鉄系Si−Mn合金粉はC、Si及びMnの含有量の限定に加えて、Siの下限をC、Mnとの関係(1式)で規制したことにより得られる極めて脆い鉄合金粉(フェロアロイ粉)である。さらに、粒径を212μm以下に限定したことにより、このような細粒にまで工業的に粉砕製造出来る鉄系Si−Mn合金粉は、個々の粒子に微小な亀裂(ひび割れ)を有している。この亀裂が伸線加工時に粒子を破砕しやすくして外皮部肉厚の均一化に効果的に働く。
【0025】
即ち、フラックス充填後、一般にダイス群あるいはロール群によりワイヤが縮径される毎にフラックス部は押し圧力を受け、このとき非常に脆い原料粉であればその粒子は押し圧力に抗しきれず破砕される。さらに、亀裂を有している個々の粒子の破砕性は極めて良好で、縮径毎にこの破砕挙動が繰り返される結果、鉄合金粉自体及び周囲近傍のフラックス粒子を移動しやすくし、細径段階まで外皮部の延びに対するフラックス部の追従性を良好に保つことが出来るようになる。
【0026】
鉄系Si−Mn合金粉の粒径が212μmを超えて粗粒のものを用いた場合、破砕しにくい粒子の混入や粒子数的にフラックス中に充分に分散させることが出来ず、伸線加工中の破砕効果が小さくフラックス部の追従性が不充分で外皮部肉厚の不均一が生じやすくなる。なお、粒径212μm以下において、仕上がりワイヤ径、充填フラックス中への含有量及び充填フラックスの性状(造粒、非造粒、かさ密度等)などを考慮して最適な粒径のものを選択することが好ましい。
【0027】
さらに、鉄系Si−Mn合金粉を含有させることは、ワイヤ組成の編析を防止してスラグ被包性を改善することにも有効である。即ち、Si、Mnの原料として従来から用いられているSi粉、Mn粉、フェロシリコン、フェロマンガン、シリコマンガンになどを組み合わせて配合するよりも、目標とするSiとMnを同時に満足する組成の鉄系Si−Mn合金粉を予め用意して、これをSi、Mnの原料として配合した方がワイヤ中のフラックス成分の変動が小さくなる。また、鉄系Si−Mn合金粉のSi、Mnの含有量を従来一般的に用いられているシリコマンガン(JIS G 2304−1986)に比較して格段に少なくし、かつ粒径も212μm以下に限定したことは、フラックス中にSi、Mnの品位の低い粒子を充分に分散することが出来るのでSiとMnの偏析防止に効果的である。例えば、ワイヤ長手方向にSi、Mnの偏析が生じていると、これらの脱酸反応で生成したSiO2、MnOはスラグの生成量、流動性などを部分的に変化させスラグ被包性を劣化させ、ビード形状、外観スラグ剥離性、さらには耐プライマ性にまで悪影響をおよぼす。
【0028】
なお、この偏析防止効果を最大限に発揮させるためには、ワイヤ組成としてフラックス中に必要なSi及びMnの所定量の全量を満たすように鉄系Si−Mn合金粉の含有させることが最も好ましい。
【0029】
図1に後記実施例1で水平すみ肉溶接試験に使用したフラックス入りワイヤの鉄系Si−Mn合金粉に含有量とピットの発生状況及び外皮部肉厚の均一性との関係を示した。鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ中に1.0%以上含有させることによって外皮部肉厚の均一性が高まり、ピット発生個数が激減していることがわかり、このときスラグ被包性も改善されている(試験No.1〜5とNo.12との比較)。全姿勢溶接用フラックス入りワイヤについても同様に、鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ中に1.0%以上含有させることによって立向き溶接の高電流使用性を高めることが出来ることを確認した。
一方、鉄系Si−Mn合金粉の使用量の上限については、フラックス入りワイヤに許容されるワイヤ全体のSi(1.5%以下)、Mn(5%以下)の許容量を考慮し、11.0%以下とする。
【0030】
なお、外皮部肉厚の均一性は、図3(a)に示したようにワイヤ長さ20mm(連続しない任意の3箇所から採取)について連続的に50倍で写真撮影し、観察写真上で平均的な肉厚Tlに対する最小肉厚部分の肉厚T2の比率(T2/Tlの最小値)を求めて評価した。
【0031】
鉄系Si−Mn合金粉の成分限定理由を以下に述べる。
【0032】
Cは伸線加工中の鉄合金粉の破砕性を良好にし、また鉄合金粉の非磁性化にも有効に作用する成分であり0.40%以上必要である。鉄系Si−Mn合金粉のCが0.40%未満では伸線加工中に破砕しにくく、外皮部肉厚の均一性が得られない。一方、Cが1.20%を超えても鉄合金粉の破砕性及び非磁性化に対する効果はほとんど変わらないので上限を1.20%に限定した。
【0033】
Siは伸線加工中の破砕性を良好にするために5%以上必要である。Siが5%未満では破砕効果が充分に発揮されず外皮部肉厚の均一性が改善されない。一方、Siが12%を超えても破砕性に対する効果はほとんど変わらないので、Fe成分が多くなるように上限を12%に限定した。このとき、SiはC及びMnの含有量との関係において、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)で規制される。この1式を満たす組成であれば極めて脆くなり、また大部分の粒子に亀裂が生じ伸線加工中の破砕性が良好になる。
Mnは伸線加工中の破砕性及び非磁性化のために19%以上必要である。Mnが42%を超えても破砕性及び非磁性化への効果が変わらないことと、Fe成分が多くなるように上限を42%に限定した。
【0034】
C、Si及びMn以外の残部は実質的にFeからなるが、Al、Ti、P、S及びBなどを添加する場合は伸線加工中の破砕性、非磁性化及び溶接金属の機械的性質を損なわない範囲で含有させることが出来る。またNについては溶接金属の靭性面から出来るだけ少ない方がよいが、破砕性及び非磁性化に有効な成分であり適宜添加することも出来る。
【0035】
以下に本発明のフラックス入りワイヤに必須成分として含有させるスラグ形成剤、弗化物及び強脱酸剤の限定理由を述べる。
【0036】
TiO2:2.0〜7.0%
TiO2はスラグ被包性を良好にし、なめらかな形状、外観のビード形成、スラグ剥離性、また、全姿勢溶接における溶融メタルの保持などに有効で、スラグ形成剤の主要成分として含有させる。
【0037】
すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの場合、TiO2が2.0%未満ではスラグ生成量が不足しスラグ被包性が不充分で、ビードの凸状化やアンダーカットが発生しやすくなる。また、ビードが部分的に露出したりスラグがビード表面に焼き付くことによる外観不良やスラグ剥離性不良となる。一方、TiO2が5.0%を超えるとスラグ生成量が多くなりすぎて溶融プールからのプライマ燃焼ガスの放出が阻害され、ピット、ガス溝が発生しやすくなる。また、図6は立板9と下板10とのすみ肉溶接ビード12の下板へのなじみ性を示し、過剰なTiO2は図6(b)に示したように立板9と下板10とのすみ肉溶接ビード12のビード止端部13を膨らませ下板10とのなじみ性を悪くする。
【0038】
全姿勢用フラックス入りワイヤの場合、TiO2が4.0%未満ではスラグ生成量が不足し、溶融スラグの粘性が小さくなり立向上進溶接や上向溶接が困難になる。一方、TiO2が7.0%を超えるとスラグ生成量が多くなりすぎて、立向溶接でメタル垂れ、ビード止端部形状不良、スラグ巻き込み、ビード表面割れなどが発生しやすくなる。TiO2の原料はルチール、チタンスラグなどでよく、含有量はそれらのTiO2換算値とする。
【0039】
SiO2:0.2〜1.5%
SiO2は溶融スラグに適度の粘性を与え、高電流溶接条件で使用した場合のスラグ被包性の劣化を防止しビード形状を整え、スラグ焼き付きを防止する。
【0040】
すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの場合、SiO2が0.2%未満では高電流溶接条件で使用した場合、溶融スラグの粘性が不足しスラグ被包性が悪くなる。このためビードが凸状になり、また、ビードの立板側に除去しにくいスラグが薄く残ったり、ビード中央部にスラグ焼き付きによるあばた状の痕跡が発生する。一方、SiO2が1.2%を超えるとスラグ生成量が多くなりすぎてピット、ガス溝が発生しやすくなる。また、溶融スラグの粘性が大きくなりすぎてビード止端部のなじみ,性が悪くなる。
【0041】
全姿勢溶接用フラックス入りワイヤの場合、SiO2が0.3%未満ではスラグ被包性が悪くなり立向上進溶接でメタル垂れが発生しやすく、また、ビード形状及びスラグ剥離性が劣化する。一方、SiO2が1.5%を超えると立向溶接で溶融スラグの凝固が遅れ、ビード止端部の不揃い、メタル垂れ、スラグ巻き込みが発生しやすくなる。SiO2の原料は珪砂やジルコンサンドなどでよい。
【0042】
ZrO2:0.1〜1.2%
ZrO2はスラグ被包性を良好にしビード形状を整え、また、全姿勢溶接性のためには必須の成分である。
【0043】
すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの場合、ZrO2が0.1%未満では高電流溶接条件で使用した場合、溶融スラグの凝固が遅く止端部が膨らんだビード形状となる。また、スラグ被包性が悪くビードが露出したり、スラグ焼き付きが発生する。一方、ZrO2が1.2%を超えると溶融プールが小さくなり、ブライマ燃焼ガスの放出が抑制されピット、ガス溝が発生しやすくなる。また、ビード幅が小さく凸状で止端部のなじみが悪いビード形状となる。このときスラグ剥離性も悪くなる。
【0044】
全姿勢用フラックス入りワイヤの場合、ZrO2が0.3%未満では立向上進溶接がほとんど出来ない。一方、ZrO2が1.2%を超えると立向溶接でメタル垂れが発生しやすくなる。ZrO2の原料はジルコンサンド、ジルコニアなどでよい。
【0045】
弗化物(F換算値):0.01〜0.3%
Fはアークに適度の集中性を付与し、半自動溶接時のワイヤの操作性を高めるとともに、その撹拌作用により溶融プールに侵入した水素ガスの放出を促進しピット、ガス溝の発生を防止する。また、溶融スラグの流動性を調整しスラグ被包性を良好にするために含有させる。
【0046】
すみ肉用フラックス入りワイヤの場合、Fを0.01%以上含有させて耐プライマ性とビード形状を良好にするが、0.3%を超えると溶融スラグの粘性が小さくなりすぎて、ビードの凸状化やスラグが焼き付きなどの悪影響が現れる。
全姿勢用フラックス入りワイヤの場合、Fを0.01%以上含有させて同様にピット、ガス溝の防止、スラグ被包性を図るが、0.2%を超えると立向溶接でメタル垂れが発生しやすくなる。Fの原料は弗化リチウム、弗化ナトリウム、珪弗化カリウム、氷晶石などの弗化物でよく、含有量はF換算値とする。
【0047】
Al(1.5%以下)又はMg(0.8%以下)の1種又は2種:0.1〜1.5% 全姿勢溶接用フラックス入りワイヤの場合、強脱酸剤であるAlやMgを必須成分として0.1%以上含有させることは、溶接金属の酸素量を低減して機械的性質を向上させると同時に、立向溶接の耐メタル垂れ性を顕著に改善する。しかし、Alが1.5%を超えた場合やMgが0.8%を超えた場合、Al又はMgの1種又は2種の合計が1.5%を超えた場合は溶融スラグにAl23やMgOが多くなりすぎてメタル垂れが発生しやすくなる。なお、すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの場合、Al、Mgはビード形成に有効であるが、安価なAl23やMgOをスラグ形成剤として用いても良好なビード形状が得られるので適宜添加出来る成分とした。
【0048】
すみ肉溶接用及び全姿勢溶接用フラックス入りワイヤに共通して、ワイヤのもつ水素量を極力低減することは、耐プライマ,性及び耐割れ,性の向上のために効果的である。図2(a)、(b)に示した外皮部1内にフラックス2を有する断面構造のシームレスタイプのフラックス入りワイヤは製造段階で高温度で行う脱水素処理が可能で、また、開封後、使用中の吸湿がないためワイヤの水素量を極めて低く出来る。このような断面構造のフラックス入りワイヤは、図2(a)に示すように、一般的に鋼管にフラックスを充填するか、あるいは、図2(b)に示すように、例えば特公平4−72640号公報、特公平−62838号公報及び特開平5−31594号公報等の提案に見られるような帯鋼を管状体に成形して外皮部1とする段階でフラックス2を充填した後、帯鋼の合わせ目をシーム溶接4する方法で製造される。
【0049】
特に帯鋼の合わせ目をシーム溶接して製造されるシームレスタイプのフラックス入りワイヤにおいては、フラックス中に強磁性の原料粉を含有させるとシーム溶接部にそれらが吸着し微小な外皮割れが発生しやすく溶接性能に悪影響をおよぼすことが問題となる。従って、帯鋼の合わせ目をシーム溶接を行って製造するシームレスタイプのフラックス入りワイヤの溶接性能向上には、前記伸線加工中の破砕性が良好な鉄系Si−Mn合金粉であって、かつ、実質的に非磁性のものを選択してフラックス中に含有させることが最適である。
【0050】
鉄系Si−Mn合金粉の比透磁率(μ)が1.10以下の鉄系合金粉であれば溶接部に融合不良が発生しないで安定したシーム溶接が可能で、溶接中に安定したワイヤ溶融状態となり、ピットの発生やビード形状、外観に悪影響を及ぼすことがないことを確認した。比透磁率(μ)が1.10以下という値はフェライト量がほとんど消失し磁性を僅かに帯びる性質を有する限界値であって実質的に非磁性と言える。比透磁率(μ)は振動試料型磁力計で測定した。
【0051】
本発明のフラックス入りワイヤは、さらに、鉄粉を含有させることにより溶着量が多くなり作業能率が向上するとともに、アーク状態を極めて安定にし、また、溶融プールを拡くすることが出来る。
【0052】
すみ肉溶接用フラックス入りワイヤの場合、アーク状態の安定化と溶融プールの拡大はプライマ燃焼ガスの放出を速やかにして耐プライマ性とビード止端部のなじみ性を一層良好にする。全姿勢溶接用フラックス入りワイヤの場合は立向溶接で問題となる耐メタル垂れ性を向上させる。
【0053】
本発明では鉄粉を含有させる場合、ワイヤ全重量に対し10%以下に限定した。これはフラックス中に金属粉があまり多く含有させてフラックス充填率が高くすると外皮部肉厚が全体的に薄くなりワイヤ製造中に断線しやすくなることを考慮したものである。
【0054】
なお、鉄粉は強磁性体であるため帯鋼の合わせ目のシーム溶接を行って製造する場合、シーム溶接部に吸着しないように、例えば、シーム溶接速度やシーム溶接時の管状体のサイズ、シーム溶接部近傍の装置的対策などに配慮するとともに、原料粉そのままの非造粒フラックスよりも水ガラスやデキストリンなどの粘結剤を添加して造粒したフラックス形態にすることが好ましい。
【0055】
本発明のフラックス入りワイヤの耐プライマ性は、さらに、ワイヤの水素量を0.007%以下にすることにより一層発揮される。ワイヤ表面に付着している水分及び油性潤滑剤、鋼製外皮中の水素及び充填フラックスの水分などフラックス入りワイヤ自体が有する水素は、アーク雰囲気中の水素分圧を高めて溶融プールに侵入する水素量を増加させピット、ガス溝の発生原因になる。従って、シームレスタイプのフラックス入りワイヤの場合には充填前のフラックスの乾燥及び焼成、充分に低水素化出来る中間焼鈍条件を選択することが重要である。これに対して、図2(c)、(d)に示したシームレスタイプとは異なり、外皮部1に合わせ目3がある断面構造のフラックス入りワイヤの場合には耐吸湿処理や内部のフラックス2が変質しない温度で焼成することなどを行うことによりワイヤの水素量を極力低減することが好ましい。なお、ワイヤの水素量の測定はワイヤ全体を溶融して行う不活性ガス融解熱伝導法により行った。
【0056】
本発明のフラックス入りワイヤの窒素量は溶接金属の衝撃靭性を確保するために少なくとも0.010%以下、特に−40℃以下の低温靭性が要求される場合には0.005%以下であることが好ましい。ワイヤの窒素量は鋼製外皮、鉄系Si −Mn合金粉及びその他のフラックス原料粉に含まれる窒素、また、製造過程でフラックスとともに巻き込まれた空気によるものであり、これらに配慮して出来るだけ低減する必要がある。
【0057】
なお、その他のワイヤ成分として、Al23、MgO、FeO、Fe23、MnO、MnO2、FeS2などのスラグ形成剤、MnCO3、CaCO3などのガス発生剤、C、Ti、Zrなどの脱酸剤、Cr、Mo、Nb、V、Bなどの合金剤、Bi、Bi23などのスラグ剥離性補助剤を本発明の効果を損なうことのない範囲で含有させることが出来る。
【0058】
これらの内、すみ肉溶接用フラックス入りワイヤにAl23やMgO、FeO、Fe23などの鉄酸化物をスラグ形成剤として含有させてビード形状や耐プライマ性を改善することが出来る。しかし、Al23が1.0%を超えると水平すみ肉溶接で溶融スラグの凝固むらが見られ、ビード表面の凹凸、ビード止端部の不揃いなどビード形状、外観の劣化、スラグ剥離性も悪くなる。MgOは1.0%を超えると耐ブライマ性が劣化する。鉄酸化物も1.0%を超えるとスラグ生成量が多くなり耐プライマ性の劣化、スラグの粘性が小さくなりすぎてスラグ被包性不良及び下板側ビード止端部のなじみ性不良、スラグ除去性不良などの悪影響が現れる。全姿勢用フラックス入りワイヤにAl23を含有させることは、立向上進溶接には好ましいが、立向上進溶接でメタル垂れを発生しやすくなるので、適宜添加出来る成分とした。
【0059】
鋼製外皮としてはワイヤの伸線加工性の点から従来のフラックス入りワイヤに一般的に用いられている軟鋼材でよいが、SiやMnを高めに含有する合金鋼材を用いてその高溶着性を利用することも出来る。
【0060】
フラックス充填率は高溶着、高能率性を得るために10%以上とし、一方、上限については充填率があまり高くなると外皮部の肉厚が薄くなってワイヤ製造段階で断線が発生しやすくなるので25%以下が好ましい。
【0061】
ワイヤ径は1.0〜2.0mmの細径のものが高溶着で好ましい。ワイヤ断面構造図2に示したような従来のフラックス入りワイヤに一般的な構造のものでよい。
【0062】
本発明のフラックス入りワイヤと組み合わせて使用するシールドガスはCO2ガスでよいが、Ar系混合ガスを使用することもできる。
以下に、実施例により本発明の効果をさらに具体的に示す。
【0063】
【実施例】
(実施例1)
表1に実施例で使用した鋼管、帯鋼のサイズおよび化学成分を示す。
【0064】
【表1】
Figure 0003730440
【0065】
表1に示した軟鋼製鋼管(P1)を所定の充填率が得られる充填径にまで縮径して、これに振動充填方式で鋼管の一方の端口からフラックス(造粒フラックス)を充填後、ロール群及び孔ダイス群により伸線を行った。ワイヤ径3.2mmで脱水素処理及び加工硬化緩和のための中間焼鈍(650℃×2hr)を行い、図2(a)に示したワイヤ断面構造のシームレスタイプのすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ(記号:W1〜W13、ワイヤ径1.6mm)を試作した。表2に鉄系Si−Mn合金粉の組成及び比透磁率を示した。表3に試作ワイヤの詳細、表4に試作ワイヤの断面観察による外皮部肉厚の均一性の調査結果及び水平すみ肉溶接試験結果を示した。
【0066】
【表2】
Figure 0003730440
【0067】
【表3】
Figure 0003730440
【0068】
【表4】
Figure 0003730440
すみ肉溶接の要領およびビード形状の評価として余盛率、ビード止端部角度の測定要領を図4〜図6に示す。
【0069】
試作ワイヤの外皮部の均一性の評価は前記図3の説明に同じであるが、フラックス原料の噛み込みについては(T2/Tl)が0.90未満の場合を噛み込みありとした。
【0070】
水平すみ肉溶接試験は、図4に示すように、立板9と下板10を逆T字すみ肉とし、両者の間はギャップなしに組み立て、T字すみ肉継手として両側同時に自動溶接で行ってすみ肉溶接ビード12を得た。試験に用いた立板9及び下板10は表面にプライマ塗装11を施した無機ジンクプライマ塗装鋼板(鋼種SM490,板厚12mm×長さ150cm、プライマ膜厚約20μm、立板と下板間のギャップなし)を用いた。溶接条件は溶接電流350A、アーク電圧32〜33V、溶接速度80cm/min、チップ・母材間距離25mm、シールドガスはCO2ガス(流量25L/min)で行った。
【0071】
アーク安定性、スラグ被包性、耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性の評価記号は、◎印:極めて良好、○印:良好、△印:劣る、×印:不良とした。スラグ焼き付きの評価記号は、○印:発生しない、△印:少し発生、×印:ひどく発生とした。
【0072】
耐ブライマ性の評価はガス溝の発生がなく、ピット発生個数が3個/m以下の場合を良好とした。ガス溝は溶接ビード長に対するガス溝の発生長さの合計の比率で示した。
【0073】
図5は余盛率の測定方法を示す断面図である。図5に示すように、立板9及び下板10のなす角度を90°とし、上脚長Xx、下脚長yによって求める斜線で示す三角形の断面積をS0、上下ビード止端部間以上に盛られたビードの余盛部の断面積をS1とし、余盛率(%)は{S1/(S0+S1)}×100によって求める。
【0074】
また、図6(a)、(b)は、ビード止端角度の測定法を示す断面である。図6に示すように、ビード止端角度は、立板9及び下板10のすみ肉溶接ビード12の下板10からのビードの立ち上がり部であるビード止端部13からビード断面の接線L1、L2を引き、該接線Lと下板10がなす角度α1、α2である。図6(a)はビード止端部のなじみが良好な場合、図6(b)はビード止端部が膨らんでなじみ性が不良な場合の例である。従って、止端部角度(α)は、図6(a)のほうが図6(b)よりも大きくなる。
【0075】
ビード形状の評価は、図5に示した測定方法による余盛率が20%以下で、かつ、図6に示した測定方法によるビード止端部角度(α)が120゜以上で、さらに、目視判定によるビード止端部がよく揃い、アンダーカットがなく、全体的にも平滑なものを良好とした。
【0076】
なお、試験No.1〜は本発明によるフラックス入りワイヤ(W1〜)を使用した場合で、外皮部肉厚の変動が小さく、安定したアーク状態及びスラグ被包状態下で、良好な耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性が得られた。これに対し、No.6〜13は比較例である。
【0077】
試験No.6(W6)はTiO2が少なすぎるワイヤ、試験No.7(W7)はTiO2が多く弗化物を含有しないワイヤ、試験No.8(W8)はSiO2が少なすぎるワイヤ、試験No.9(W9)はSiO2及びZrO2が多すぎるワイヤ、試験No.10(W10)はZrO2を含有しないワイヤ、試験No.11(W11)は弗化物が多すぎるワイヤ、試験No.12(W12)は鉄系Si−Mn合金粉(FA4)が少なすぎるワイヤ、試験No.13(W13)は本発明で特定した鉄系Si−Mn合金粉を含有しないワイヤを使用した場合で、表4に示したように、それぞれにアーク安定性あるいはスラグ被包性の劣化、ピットやガス溝の発生、ビード形状不良、スラグ剥離性不良などが問題となった。
【0078】
(実施例2)
実施例1と同様に、前記の表1に示す軟鋼製鋼管(P1)に振動充填方式でフラックスを充填して図2(a)に示したワイヤ断面構造のシームレスタイプの全姿勢溶接用フラックス入りワイヤ(記号:W14〜W22、ワイヤ径1.2mm)を試作した。表5に試作ワイヤの詳細、表6に試作ワイヤの断面観察による外皮部肉厚の均一性とともに立向下進及び立向上進姿勢の溶接試験結果を示した。なお、表6には、実施例2及び3の溶接試験結果を併記した。立向溶接試験は、無機ジンクプライマ塗装鋼板(鋼種SM490、板厚12mm×長さ50cm、プライマ膜厚約20μm、立板と下板間のギャップなし)をT字すみ肉継手とし、半自動溶接で行った。
【0079】
【表5】
Figure 0003730440
【0080】
【表6】
Figure 0003730440
【0081】
試験No.14〜22立向溶接の高電流化の可否を調査したものである。立向下進溶接は溶接電流280〜310A、アーク電圧30〜33V、溶接速度約50〜60cm/min、立向上進溶接は溶接電流280A、アーク電圧26〜28V、溶接速度約15cm/min、チップ・母材間距離20〜25mm、シールドガスはCO2ガス(流量25L/min)で行った。
【0082】
表6中に記載のアーク安定性、スラグ被包性、ビード止端部のなじみ及びスラグ剥離性の評価記号は、◎印:極めて良好、○印:良好、△印:劣る、×印:不良とした。
【0083】
試験No.14〜16(表6)は本発明によるフラックス入りワイヤ(W14〜16)を使用した場合で、外皮部肉厚の変動が小さく、安定したアーク状態及びスラグ被包状態下で、メタル垂れやスラグ巻込みの発生がなく、良好なビード形状、スラグ剥離性が得られ、立向下進溶接の高電流化(300A)が可能で、また、立向上進溶接結果も良好であった。これに対し、No.17〜22は比較例である。
【0084】
試験No.171(W17)はTiO2が多すぎるワイヤ、試験No.18(W18)はSiO2が多すぎるワイヤ、試験No.19(W19)はSiO2が少なくZrO2を含有しないワイヤ、試験No.20(W20)はZrO2が多く弗化物を含有しないワイヤ、試験No.21(W21)はAl、Mgを含有しないワイヤ、試験No.22(W22)は鉄系Si−Mn合金粉(FA4)が少なすぎるワイヤを使用した場合で、表6に示したように、立向下進、立向上進溶接のアーク安定,性あるいはスラグ被包性の劣化、メタル垂れ、ビード止端部のなじみ、スラグ巻き込み、スラグ剥離性不良などが問題となった。
【0085】
(実施例3)
前記の表1に示した軟鋼製帯鋼(H2)を管状体に成形する段階でフラックス(造粒フラックス)を供給した後、管状体の相対するエッジ面を高周波誘導加熱によりシーム溶接(シーム溶接時の管状耐の外径約22mm、溶接速度10〜30m/min)して、引き続き連続的にロール群によりワイヤ径3.2mmまで縮径、銅めっき処理した。以後、孔ダイス群により伸線を行い、図2(b)に示したワイヤ断面構造のシームレスタイプのフラックス入りワイヤ(記号:W23〜W26はワイヤ径1.6mm、W27〜W30はワイヤ径1.2mm)を試作した。
【0086】
なお、W23、W26、W27、W30は非磁性の鉄系Si−Mn合金粉(FA4,FA6)を用いて、かつ、フラックス全体の比透磁率(μ)を1.10以下にして、シーム溶接の入熱量を高め溶接速度30m/minで製造した。その他のワイヤは鉄粉を含有するためにシーム溶接の入熱量を制限して溶接速度約10〜15m/minで製造したので外皮割れの発生は認められなかった。なお、伸線にともなう加工硬化の緩和と脱水素のためにワイヤ径10.7mmと3.2mmで中間焼鈍を実施した。
【0087】
表7に試作ワイヤの詳細、そして、表6及び表8に試験結果を示した。
なお、表8には、実施例3及び4の溶接試験結果を併記した。外皮部肉厚の均一性の測定方法、溶接試験条件等は実施例1,2に同じである。なお、表6は前記した。
【0088】
【表7】
Figure 0003730440
【0089】
【表8】
Figure 0003730440
【0090】
試験No.23〜26(表8)は本発明のすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ(W23〜26)を使用した場合である。いずれも良好な耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性が得られているが、鉄粉を含有させたW24及び鉄系Si−Mn合金粉(FA4)を多量に含有させたW26を使用した試験No.24、26は極めて安定したアーク状態及びスラグ被包状態下で、良好な耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性が得られている。
【0091】
試験No.27〜30(表6)、は本発明の全姿勢溶接用フラックス入りワイヤ(W27〜30)を使用した場合で、それぞれに立向下進溶接の高電流化、立向上進溶接の条件範囲の拡大が出来る。
【0092】
(実施例4)
前記の表1に示した軟鋼製帯鋼(H1)をU形に成形し、この溝内にフラックス(非造粒フラックス)を供給した後、帯鋼の両端部を突き合わせて管状体にして、引き続きロール群及び孔ダイス群により伸線を行い、図2(c)に示したワイヤ断面構造のフラックス入りワイヤ(記号:W31〜33、ワイヤ径1.6mm)を試作した。表2に示した鉄系Si−Mn合金粉(FA2)を用いた。表9に試作ワイヤの詳細、表8に試作ワイヤの試験結果を示した。なお、表2及び表8は前記した。
【0093】
【表9】
Figure 0003730440
試験No.31、32(W31、32)は本発明のフラックス入りワイヤを使用した場合で、良好な耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性が得られた。
【0094】
試験No.33(W33)は比較例で、ワイヤ製造段階の低水素化処理が不充分でありワイヤの水素量が多すぎるためにピット、ガス溝が多発した。
【0095】
(実施例5)
表10に全姿勢用フラックス入りワイヤの溶着金属試験結果(J IS Z 3313に準拠)を示した。溶接条件は溶接電流280A、アーク電圧31V、溶接速度35cm/min、チップ・母材間距離25mm、シールドガスはCO2ガス(流量25L/min)で行った。
【0096】
試験No.34(W27)、No.30(W30)は本発明のフラックス入りワイヤを使用した場合で、490N/mm2級高張力鋼用ワイヤとして十分な強度と衝撃靭性が得られている。
【0097】
試験No.36(W21)はAlやMgを含有しないワイヤを使用した場合の比較例で、溶着金属の酸素量が増加し、衝撃靭性が低下した。
【0098】
【表10】
Figure 0003730440
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、高電流溶接条件の高速水平すみ肉溶接に使用した場合でも良好な耐プライマ性、ビード形状、外観及びスラグ剥離性が得られるすみ肉溶接用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ、高電流域を含む広い溶接条件範囲で使用して立向溶接の耐メタル垂れ性を始めとする各種溶接作業性が良好な全姿勢溶接用フラックス入りワイヤを提供したものであり、溶接作業能率及び溶接部の品質が向上する。
【0100】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を含むフラックス入りワイヤにおける鉄系Si−Mn合金粉の含有量とピット発生状況、外皮部肉厚の均一性との関係を示した図である。
【図2】 フラックス入りワイヤの断面構造例を示した模式図である。
【図3】 フラックス入りワイヤの長手方向断面状態例を示した模式図である。
【図4】 実施例における水平すみ肉溶接試験に用いた試験体及び溶接後のビードを示した模式図である。
【図5】 実施例における水平すみ肉溶接試験ビードの余盛り率の測定方法を示した模式図である。
【図6】 実施例における水平すみ肉溶接試験ビードの止端部形状の測定方法を示した模式図である。
【符号の説明】
1 外皮
2 フラックス
3 外皮部の合わせ目
4 シーム溶接部
5 外皮部肉厚の薄い部分
6 フラックス原料粉
7 フラックス原料粉の噛み込み部分
8 鉄系Si−Mn合金粉または鉄系Si−Mn−Ni合金粉
9 立板
10 下板
11 プライマ塗装
12 ビード
13 ビード止端部
x 上脚長
y 下脚長
1、L2 接線
α1、α2 ビード止端部角度

Claims (7)

  1. 鋼製外皮内にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、重量%で、
    Cを0.40〜1.20%、Siを5〜12%、Mnを19〜42%含み、残部Feからなり、かつ、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)を満たし、粒径が212μm以下の鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ全重量に対して1.0〜11.0%含有し、
    さらに、
    TiO:2.0〜7.0%、
    SiO:0.2〜1.5%、
    ZrO:0.1〜1.2%、
    弗化物(F換算値):0.01〜0.3%を含有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 鋼製外皮内にフラックスを充填してなるすみ肉溶接に使用するガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、重量%で、
    Cを0.40〜1.20%、Siを5〜12%、Mnを19〜42%含み、残部Feからなり、かつ、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)を満たし、粒径が212μm以下の鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ全重量に対して1.0〜11.0%含有し、
    さらに、
    TiO:2.0〜5.0%、
    SiO:0.2〜1.2%、
    ZrO:0.1〜1.2%、
    弗化物(F換算値):0.01〜0.3%を含有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  3. 鋼製外皮内にフラックスを充填してなる全姿勢溶接に使用するガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、重量%で、
    Cを0.40〜1.20%、Siを5〜12%、Mnを19〜42%含み、残部Feからなり、かつ、Si≧11.89−2.92C−0.077Mn(1式)を満たし、粒径が212μm以下の鉄系Si−Mn合金粉をワイヤ全重量に対して1.0〜11.0%含有し、
    さらに、
    TiO:4.0〜7.0%、
    SiO:0.3〜1.5%、
    ZrO:0.3〜1.2%、
    Al(1.5%以下)又はMg(0.8%以下)の1種又は2種:0.1〜1.5%、
    弗化物(F換算値):0.01〜0.2%を含有することを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  4. 上記鉄系Si−Mn合金粉の比透磁率(μ)が1.10以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  5. ワイヤ全重量に対して鉄粉を10%以下含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  6. ワイヤ全重量に対してワイヤの水素量が0.007%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
  7. ワイヤ全重量に対してワイヤの窒素量が0.010%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
JP11662199A 1999-04-23 1999-04-23 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ Expired - Fee Related JP3730440B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11662199A JP3730440B2 (ja) 1999-04-23 1999-04-23 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
US09/342,621 US6140607A (en) 1999-04-23 1999-06-29 Gas shielded arc-welding flux cored wire
KR1019990029752A KR100335386B1 (ko) 1999-04-23 1999-07-22 가스쉴드 아크용접용 플럭스충전 와이어
TW088113050A TW431930B (en) 1999-04-23 1999-07-30 Gas shielded arc-welding flux cored wire
CNB991181735A CN1143750C (zh) 1999-04-23 1999-08-25 气体保护电弧焊用药芯焊丝
EP99117126A EP1046454B1 (en) 1999-04-23 1999-08-31 Gas shielded arc-welding flux cored wire
DE69906251T DE69906251D1 (de) 1999-04-23 1999-08-31 Flussmittelkerndraht zum Lichtbogenschweissen in Schutzgas

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11662199A JP3730440B2 (ja) 1999-04-23 1999-04-23 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000301381A JP2000301381A (ja) 2000-10-31
JP3730440B2 true JP3730440B2 (ja) 2006-01-05

Family

ID=14691730

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11662199A Expired - Fee Related JP3730440B2 (ja) 1999-04-23 1999-04-23 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6140607A (ja)
EP (1) EP1046454B1 (ja)
JP (1) JP3730440B2 (ja)
KR (1) KR100335386B1 (ja)
CN (1) CN1143750C (ja)
DE (1) DE69906251D1 (ja)
TW (1) TW431930B (ja)

Families Citing this family (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6367686B1 (en) * 2000-08-31 2002-04-09 United Technologies Corporation Self cleaning braze material
KR100513632B1 (ko) * 2001-12-21 2005-09-09 현대종합금속 주식회사 티타니아계 플럭스 충전 와이어
KR100569252B1 (ko) * 2002-01-10 2006-04-10 현대종합금속 주식회사 오스테나이트계 스테인레스강 용접용 플럭스 충전 와이어
JP3993150B2 (ja) * 2002-10-31 2007-10-17 株式会社神戸製鋼所 2電極エレクトロガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ、2電極エレクトロガスアーク溶接方法及び2電極エレクトロガスアーク溶接装置
KR100562002B1 (ko) * 2003-10-13 2006-03-22 고려용접봉 주식회사 가스 실드 아크 용접용 플럭스 코어드 와이어
US7170032B2 (en) * 2003-11-20 2007-01-30 Tri Tool Inc. Process for welding
US8168922B2 (en) * 2004-10-18 2012-05-01 Lincoln Global, Inc. Self-shielded flux cored electrode
JP4560418B2 (ja) * 2005-02-01 2010-10-13 日鐵住金溶接工業株式会社 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4531586B2 (ja) * 2005-02-21 2010-08-25 日鐵住金溶接工業株式会社 ガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ
US20060261053A1 (en) * 2005-05-18 2006-11-23 Lincoln Global, Inc. Flux cored, gas shielded welding electrode
US20060266799A1 (en) * 2005-05-31 2006-11-30 Lincoln Global, Inc. Slag detachability
JP4841238B2 (ja) * 2005-12-07 2011-12-21 株式会社神戸製鋼所 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4986562B2 (ja) 2006-10-02 2012-07-25 株式会社神戸製鋼所 チタニヤ系ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
KR100774155B1 (ko) * 2006-10-20 2007-11-07 고려용접봉 주식회사 이상 스테인리스강 용접용 플럭스 코어드 와이어와 그제조방법
JP4838100B2 (ja) * 2006-11-06 2011-12-14 日鐵住金溶接工業株式会社 耐候性鋼用水平すみガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP5151421B2 (ja) * 2007-03-07 2013-02-27 Jfeスチール株式会社 フラックス入りワイヤ及びそれを用いた溶接継手
CN101396775B (zh) * 2007-09-30 2010-11-24 苏派特金属(昆山)有限公司 多电极气体保护电弧焊专用药芯焊丝
JP5207994B2 (ja) * 2008-03-26 2013-06-12 日鐵住金溶接工業株式会社 Ar−CO2混合ガスシールドアーク溶接用メタル系フラックス入りワイヤ
FR2961120B1 (fr) * 2010-06-10 2013-04-12 Air Liquide Fil fourre basique pour soudage des aciers a hautes limites elastiques
JP5410466B2 (ja) * 2011-03-01 2014-02-05 株式会社神戸製鋼所 ステンレス鋼フラックス入りワイヤ
US9707643B2 (en) 2012-04-17 2017-07-18 Hobart Brothers Company Systems and methods for welding electrodes
FR2990636B1 (fr) * 2012-05-21 2015-03-20 Air Liquide Fil fourre pour soudage des aciers a hautes limites elastiques
CN104526179B (zh) * 2014-12-02 2016-08-24 常州市正阳焊接材料有限公司 一种co2气体保护高韧性碳钢药芯焊丝
JP6382117B2 (ja) * 2015-01-16 2018-08-29 日鐵住金溶接工業株式会社 Ar−CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP6437327B2 (ja) * 2015-01-28 2018-12-12 日鐵住金溶接工業株式会社 炭酸ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
US11426821B2 (en) * 2015-02-25 2022-08-30 Hobart Brothers Llc Aluminum metal-cored welding wire
US20160318115A1 (en) * 2015-05-01 2016-11-03 Lincoln Global, Inc. Welding process
CN104874942B (zh) * 2015-06-01 2017-06-30 武汉铁锚焊接材料股份有限公司 药芯焊丝及其在立向上自动小车焊接中的应用
CN105057925B (zh) * 2015-07-30 2017-09-29 洛阳双瑞特种合金材料有限公司 一种角焊用金属粉芯型无缝药芯焊丝
JP6399983B2 (ja) * 2015-08-28 2018-10-03 株式会社神戸製鋼所 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
CN105081609A (zh) * 2015-09-22 2015-11-25 机械科学研究院哈尔滨焊接研究所 耐候钢用高强高韧性全位置焊气保护药芯焊丝
JP2017094360A (ja) 2015-11-25 2017-06-01 日鐵住金溶接工業株式会社 Ar−CO2混合ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
CN105562896A (zh) * 2016-02-04 2016-05-11 广州文冲船厂有限责任公司 一种气体保护焊向下立角焊的焊接工艺
JP6765259B2 (ja) * 2016-08-30 2020-10-07 株式会社神戸製鋼所 溶接用フラックス入りシームレスワイヤ
JP7063657B2 (ja) * 2018-02-27 2022-05-09 株式会社神戸製鋼所 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
CN109530962B (zh) * 2018-11-21 2021-03-26 武汉铁锚焊接材料股份有限公司 一种大电流立向上焊接用药芯焊丝及其制备方法与应用
CN111604624B (zh) * 2020-05-29 2022-06-28 广船国际有限公司 一种获取焊缝热裂纹的试验装置及评估方法
CN112122737A (zh) * 2020-09-25 2020-12-25 广船国际有限公司 一种金属粉芯焊丝立向下自动填角焊接方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3461270A (en) * 1966-01-06 1969-08-12 Lincoln Electric Co Tubular welding electrode
GB1115437A (en) * 1967-01-13 1968-05-29 Union Carbide Corp Flux coned welding electrode
US3843867A (en) * 1972-05-26 1974-10-22 Chemetron Corp Process for out-of-position welding
US4343984A (en) * 1978-04-19 1982-08-10 Union Carbide Corporation Gas-shielded flux-cored wire electrodes for high impact weldments
JPS59104291A (ja) * 1982-12-06 1984-06-16 Kobe Steel Ltd ガスシ−ルドア−ク溶接用フラツクス入りワイヤ
JPS61147993A (ja) * 1984-12-24 1986-07-05 Nippon Steel Corp ガスシ−ルドア−ク溶接用フラツクス入りワイヤ
US5219425A (en) * 1989-08-25 1993-06-15 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Flux containing wire for use in stainless steel welding
JPH0669633B2 (ja) * 1989-12-08 1994-09-07 株式会社神戸製鋼所 ガスシールドアーク溶接用フラックス入リワイヤ
JPH0647191B2 (ja) * 1990-04-11 1994-06-22 新日本製鐵株式会社 ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH0531594A (ja) * 1991-07-31 1993-02-09 Kawasaki Steel Corp アーク溶接用フラツクス入りワイヤ
JP3693789B2 (ja) * 1996-10-16 2005-09-07 日鐵住金溶接工業株式会社 粉砕性の良好な鉄系Si−Mn合金または鉄系Si−Mn−Ni合金およびその合金粉
JPH10249583A (ja) * 1997-03-05 1998-09-22 Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH1150206A (ja) * 1997-08-01 1999-02-23 Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd 粉砕性の良好な鉄系Si−Mn−Ni合金およびその合金粉
JPH11179590A (ja) * 1997-12-18 1999-07-06 Nippon Steel Weld Prod & Eng Co Ltd ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH11181507A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Japan Metals & Chem Co Ltd 粉砕性の良好な鉄系Si−Mn合金粉の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW431930B (en) 2001-05-01
CN1271634A (zh) 2000-11-01
KR20000067758A (ko) 2000-11-25
EP1046454B1 (en) 2003-03-26
EP1046454A1 (en) 2000-10-25
US6140607A (en) 2000-10-31
DE69906251D1 (de) 2003-04-30
CN1143750C (zh) 2004-03-31
KR100335386B1 (ko) 2002-05-06
JP2000301381A (ja) 2000-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3730440B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
US4149063A (en) Flux cored wire for welding Ni-Cr-Fe alloys
JP4300153B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP5869066B2 (ja) 多電極片面サブマージアーク溶接用ボンドフラックス
JPH09239587A (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4425756B2 (ja) 水平すみ肉溶接用フラックス入りワイヤ
JP3288535B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP5518773B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP5361797B2 (ja) 水平すみ肉ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP5448497B2 (ja) 2電極水平すみ肉ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP3464334B2 (ja) プライマ塗装鋼板のすみ肉溶接に用いるガスシ−ルドア−ク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2003025088A (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP2014065066A (ja) 横向ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP4531586B2 (ja) ガスシールドアークすみ肉溶接用フラックス入りワイヤ
JPH0521677B2 (ja)
JPH03294092A (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JPH11179590A (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ
JP3828088B2 (ja) すみ肉溶接用フラックス入りワイヤ
JP3652499B2 (ja) ガスシールドアーク溶接用シームレスフラックス入りワイヤ
JPH0362518B2 (ja)
JPH0669634B2 (ja) 薄板用セルフシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ
JPH10180486A (ja) 9%Ni鋼用フラックス入りワイヤ
JPH07276081A (ja) 低水素系被覆アーク溶接棒
JPS6045995B2 (ja) エレクトロガスア−ク溶接用複合ワイヤ
JPH11129092A (ja) ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091014

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101014

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111014

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111014

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121014

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131014

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees