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JP3585532B2 - 建築物の設計支援装置 - Google Patents

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JP3585532B2
JP3585532B2 JP15389994A JP15389994A JP3585532B2 JP 3585532 B2 JP3585532 B2 JP 3585532B2 JP 15389994 A JP15389994 A JP 15389994A JP 15389994 A JP15389994 A JP 15389994A JP 3585532 B2 JP3585532 B2 JP 3585532B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、躯体となるパネルから構築される住宅等の建築物の設計を行うための建築物の設計支援装置に係わり、特に、建築物においてその意匠を決定する要因となる壁の位置や部屋の配置、すなわち、間取りを決めた段階で、建築物に必要な強度を考慮して耐力壁や基礎の配置を決めるとともに、建築物の必要強度に対応してパネルを割り付けて建築物の構造を決定する建築物の設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建築物を構築しようとする者(施主)にとって、建築物の設計を行う場合には、各階の間取りや、屋根の形状や窓やドアの位置等の建築物の意匠を決めることが大きな問題となる。
【0003】
一方、実際に建築物を設計する設計者は、施主が希望する建築物の意匠を具現化するにあたって、その重要な要素として建築物の強度が所定以上の値となることを考慮しながら、建築物の設計を行うことになる。すなわち、設計者は設計の段階において、建築物にかかる応力に対応して躯体となる柱や梁や耐力壁等の強度や配置位置等を決め、かつ、強度計算により設計すべき建築物の強度を確認しながら意匠を最終的に決定する必要がある。
【0004】
すなわち、住宅等の建築物の設計にあたっては、単に間取り等の住宅の意匠だけを単独で決めることができず、常に建築物の必要強度を考慮しながら間取りを決める必要があり、設計の知識を持たない施主がかってに間取り等の意匠を決定することができない。
【0005】
従って、従来の建築物の設計においては、施主がかってに部屋の間取りを変えたり、柱の位置を変えたり、窓やドア等の壁面に設けられる開口部の位置を変えたりすることはできず、施主から間取りや柱の位置や開口部の位置の変更の要望がでた場合には、設計者が、強度を考慮して柱や梁の位置を変更したり、耐力壁の位置や量を変更する必要があった。
【0006】
また、住宅の床や壁や屋根を主に矩形状のパネルから構築するパネル工法が知られている。
このようなパネル工法からなる住宅においては、主に、壁を構成するパネルにより床や屋根を支持し、かつ、床や屋根にかかる荷重を床や屋根に割り付けられるパネルが支持するとともに、該床や屋根に割り付けられたパネルが上記荷重を上記壁に割り付けられるパネルに伝達するようになっており、柱や梁をあまり用いないようになっている。
【0007】
そして、パネル工法による建築物においては、壁の位置、すなわち垂直荷重、水平荷重に対応する耐力壁や垂直荷重に対応する支持壁の配置を考慮して間取りを決める必要があり、また、上記耐力壁や支持壁に支持される床パネルや屋根パネルの強度を考慮する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一軒ずつ、時間と費用をかけて設計を行うことが可能であれば、設計者と施主とが長時間に渡って、建築物の意匠と、強度等を考慮した建築物の構造とのすり合わせを行うことができるが、当然設計に大きな費用がかかることになる。
【0009】
従って、上記パネル工法を用いたプレハブ住宅においては、一般的に営業所の営業担当者と、施主となる顧客とが相談して、建築物の費用、建築物の立地条件等を考慮し、予め複数にタイプ化された建築物の設計から、一つのタイプの建築物の設計を選択するようにすることで、設計及び構造の決定のコストダウンを図っていた。
【0010】
従って、施主は、予めタイプ化された複数の建築物の設計から、自分の好みの間取りや外観に近い建築物の設計を選択するとともに、該建築物に予めオプション設定された内装や外装を選択するのに留まり、自分の好みに完全に合わせた建築物を設計することが困難であった。
【0011】
また、プレハブ住宅においても、施主が間取り等の建築物の意匠を自由に決めるようにした場合には、やはり、建築物の強度を考慮した設計及び構造の決定と、設計及び構造の決定がなされた建築物の強度の確認とに多くの時間が必要となり、設計のコストダウンを行うことが難しかった。
【0012】
さらに、上述のように施主が間取り等の建築物の意匠を自由に決める場合には、プレハブ住宅の営業担当者が設計や構造を決定することができず、すなわち、営業担当者が施主との話し合いにより住宅販売の全てを取り仕切ることができず、営業活動に問題が生じる可能性がある。
【0013】
例えば、施主の決めた住宅の意匠に基づいて住宅の設計及び構造を決定するようにした場合には、見積り一つだすにも、施主の意向を設計者に伝達し、設計者により上記意匠に基づいた住宅の設計及び構造の決定を行ってもらう必要があり、営業活動に時間がかかり、住宅販売の機会をなくす可能性がある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、施主が間取り等の建築物の意匠を略自由に決めることができ、かつ、施主が決めた建築物の意匠に基づいて、建築物の設計及び構造の決定と強度の確認とを容易に行うことができ、施主の意向を反映した建築物を容易かつ迅速に設計することができる建築物の設計支援装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の建築物の設計支援装置は、所定の強度を有するパネルから構築される建築物を設計するとともに構造を決定するためのものであり、図1に示すように、任意の建築物の間取りに対応して建築物の各部屋を囲む壁の配置等を入力するための意匠入力手段aと、該意匠入力手段aにより入力された壁の配置に基づいて、上記建築物の各部屋を囲む壁のうちの建築物を支持する壁を配置可能な位置を示す耐力壁線を含む壁線の作成を行う壁線作成手段bと、該耐力壁線上に配置される耐力壁が建築物を支持するのに充分の量かどうかを判断する壁量チェック手段cと、上記壁線に基づいて、壁、床、屋根の領域にパネルを割り付ける構造モデル作成手段dとを具備してなり、上記壁量チェック手段は、上記耐力壁線により住宅を複数の矩形領域に分割し、各矩形領域内にある上記耐力壁の量が、予め決められた量より多いか少ないかを判断するものであり、隣接する上記矩形領域を分割する上記耐力壁線上の耐力壁を、どちらかの矩形領域に振り分け、一つの耐力壁が二つの矩形領域に属することがないようにするとともに、二つの矩形領域に挟まれ、かつ一方の矩形領域に振り分けられた耐力壁を、他方の矩形領域の耐力壁が予め決められた耐力壁の量より少ない場合に、他方の矩形領域側に振り分けることを上記課題を解決する手段とした。
【0016】
また、上記構成に加えて、本発明の請求項2に記載の建築物の設計支援装置は、上記壁線作成手段bに作成された壁線に基づいて、屋根の領域に割り付けられるパネルの屋根の傾斜方向に直交する側縁の位置と、上記屋根の傾斜方向に直交して配置されるとともに上記パネルを支持する支持部材の位置とを示す母屋線を作成する母屋線作成手段eを有し、上記構造モデル作成手段dは、上記母屋線作成手段eにより作成された母屋線に基づいて屋根の領域に配置されるパネルと、該パネルの一部を支持する支持部材とを割り付けることを上記課題を解決する手段とした。
【0017】
また、上記構成に加えて、本発明の請求項3に記載の建築物の設計支援装置は、上記構造モデル作成手段dが、上記壁線作成手段bに作成された壁線に基づいて床、壁、屋根にパネルを割り付けるパネル割付手段fと、上記建築物の断面算定が必要な部分について断面算定を行う断面算定手段gとからなることを上記課題を解決する手段とした。
【0018】
また、上記構成に加えて、本発明の請求項4に記載の建築物の設計支援装置は、上記断面算定手段gが、所定の強度を有するパネルもしくは梁状の部材を支持する支持部材の間隔、もしくは、上記支持部材に片持ちされた状態の上記パネルもしくは梁状の部材の上記支持部材から延出する長さが所定の範囲内かどうかを判断することを上記課題の解決手段とした。
【0019】
上記構成に加えて、本発明の請求項5に記載の建築物の設計支援装置は、上記意匠入力手段において、窓、通路、入出口となる壁の開口部が入力され、上記壁量チェック手段cが、上記壁線作成手段bにより作成された壁線のうち上記開口部が無い部分に、耐力壁が配置されるものとして耐力壁の量が所定の範囲以上か否かを判断することを上記課題の解決手段とした。
【0020】
上記構成に加えて、本発明の請求項6に記載の建築物の設計支援装置は、上記構造モデル作成手段dが、床、壁、屋根へ割り付けられるパネル以外に、上記壁線作成手段bに作成された壁線に基づいて基礎を割り付けることを上記課題の解決手段とした。
【0021】
上記構成に加えて、本発明の請求項7に記載の建築物の設計支援装置は、上記意匠入力手段において、上記壁の配置に加えて、窓、通路、入出口となる壁の開口部の配置位置と屋根の形状とが入力されるとともに、構造モデル作成手段による構造の決定に先だって配置位置を決めることが可能な建具及び備品の配置位置が入力され、
上記構造モデル作成手段は、床、壁、屋根へのパネルの割り付けとともに、予め設定された建築物に必要な部材を割り付けることを上記課題を解決する手段とした。
【0022】
【作用】
上記請求項1記載の構成によれば、例えば、施主が自分の要望に基づいて、構築すべき建築物の間取りを決めた場合に、上記意匠入力手段aにより各部屋を囲む壁の配置が入力される。
次いで、上記壁線作成手段bは、上記意匠入力手段aにより入力された各部屋を囲む壁のうちの建築物を支持する壁を示す壁線を作成する。
【0023】
次に、上記壁量チェック手段cは、上記壁線作成手段bにより作成された壁線上に配置することができる壁の量が建築物を支持するのに充分であるかを判断する。
次に構造モデル作成手段dが、上記壁線作成手段bにより作成された壁線に基づいて壁、床、屋根の領域にパネルを割り付け、構築すべき建築物の構造を決定する。
【0024】
すなわち、この発明の建築物の設計支援装置において、施主は、建築物の強度等をほとんど考慮せずに、間取り等の建築物の意匠を決定することになる。
そして、この発明の建築物の設計支援装置は、上記施主が決めた間取りに基づく部屋を囲む壁から建築物を支持する壁が配置できる部分を壁線として認識し、さらに、該壁線上に配置できる壁の量が実際に建築物の強度が保てるかどうを壁量チェック手段cにより確認することになる。
【0025】
従って、従来の建築物のように建築物の設計に際し、間取り等の建築物の意匠と、耐力壁の位置等の建築物の構造を平行して決定しいく場合とことなり、建築物の意匠の決定にあたっては、建築物の強度をあまり考慮せずに、施主がある程度自由に決定することができる。
【0026】
また、耐力壁等の住宅を支持する壁の位置が決まった場合に、各壁にパネルを割り付けることが可能となり、さらに、床領域に割り付けられるパネル(床パネル)及び屋根領域に割り付けられるパネル(屋根パネル)は、基本的に上記住宅を支持する壁間に差し渡されるように配置されるので、住宅を支持する壁の位置が決まった段階で、床パネル及び屋根パネルの割り付けを決めることが可能となる。
【0027】
また、上記構成に加えて請求項2記載の構成によれば、母屋線作成手段eが、上記壁線作成手段bに作成された壁線に基づいて、基本的に屋根に割り付けられるパネルの屋根の傾斜に直交する側縁の位置を示す母屋線を作成するので、構造モデル作成手段dは、上記母屋線に対応して容易に屋根の領域にパネルと該パネルを支持する部材を割り付るけることができる。
【0028】
また、上記構成に加えて請求項3記載の構成によれば、上記構造モデル作成手段dは、上述のようにパネルを割り付けるパネル割付手段fを有するとともに、断面算定を行う断面算定手段gを有するので、上記建築物を支持する壁のパネル間に掛け渡される床や屋根のパネルについて強度の面で問題がないかの断面算定を行うことができる。
【0029】
さらに、上記構成に加えて請求項4記載の構成によれば、上記断面算定手段gが、所定の強度を有するパネルもしくは梁状の部材を支持する支持部材の間隔、もしくは、上記支持部材に片持ちされた状態の上記パネルもしくは梁状の部材の上記支持部材から延出する長さが所定の範囲内かどうかを判断するようになっている。
【0030】
すなわち、各パネルは、所定の強度を有するので、例えば、二階の床用のパネルは、その両端部を壁に支持された状態で、家具や人などの予想される荷重を充分支持でき強度とすることができ、上記床用のパネルの両端部を壁により支持できるように壁が配置されていれば、床の断面設計における強度は充分なものと判断できるようになっている。
【0031】
言い換えれば、住宅を支持し、かつ互いに対向する壁間の距離が予め用意された床用のパネルより短ければ、断面設計としての二階の床の構造は充分なものとなる。
【0032】
すなわち、所定の強度を有し、かつ、掛け渡されるように配置されるパネルや梁状の部材が割り付けられる部分、例えば、床や屋根において、上記パネルを支持する支持部材間の距離と、上記パネルもしくは梁状の部材の強度とを対応させて判断することで、充分な強度を有する断面設計を行うことができる。
【0033】
また、上記パネルや梁状の部材が片持ちにより支持されている場合においても、上記パネルや梁状の部材が所定の強度を有するので、支持部材に支持された部分からパネルや梁状の部材がどのくらい延出されているかを判定することにより断面設計を行うことができる。
【0034】
そして、上記請求項5記載の構成によれば、上記意匠入力手段aにより、壁の開口部が入力され、上記壁量チェック手段cが、上記開口部以外の壁線の部分に耐力壁が配置可能なものとし、これらの配置可能な耐力壁の量が構築すべき建築物にとって充分なものかどうか判断することになる。
【0035】
すなわち、施主は、住宅の構造が決定される前に部屋の配置と、窓、入出口、通路等の開口部の位置を指定しておくことができ、本発明の建築物の設計支援装置は、上記開口部によって、建築物の強度が損なわれないかどうか判断することになる。
そして、上記壁量チェック手段cにより配置可能な耐力壁の量が充分なものと判定されれば、施主が決めた開口部がそのまま建築物の設計及び構造に反映されることになる。
【0036】
また、上記請求項6記載の構成によれば、上記構造モデル作成手段dは、上記壁線作成手段bに作成された壁線に基づいて基礎を割り付ける。
すなわち、上記構成によれば、住宅を支持する壁を示す壁線が、壁線作成手段bにより作成されるので、上記壁線部分の壁には、上方から荷重がかかることになり、上記壁の下に基礎や土台が必要となるので、上記壁線に基づいて基礎の配置を決めることができる。
【0037】
そして、上述のように基礎の配置を決めることにより、上記意匠入力手段により入力された任意の間取りに基づく、各部屋を囲む壁の位置に基づいた設計及び構造の決定が住宅の略全ての部分で行われることになる。
また、上記請求項7記載の構成によれば、上記上記意匠入力手段aにより、窓、通路、入出口となる壁の開口部の配置位置と屋根の形状とが入力されるとともに、構造モデル作成手段による構造の決定に先だって配置位置を決めることが可能な建具及び備品の配置位置が入力され、上記構造モデル作成手段が、床、壁、屋根へのパネルの割り付けとともに、予め設定された建築物に必要な部材を割り付けることになり、本発明の建築物の設計支援装置により建築物の設計を略全てを決定することができる。
なお、上記「課題を解決するための手段」及び「作用」の欄の構成要素について図1の符号に基づいて説明を行ったが、本発明が図1に示される構成によって限定されるものではない。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例の建築物の設計支援装置を図面を参照して説明する。
図2に示すように この実施例の建築物の設計支援装置は、周知のように中央演算処理ユニットや内部記憶装置となるRAM(random access memory)及びROM(read only memory)等のメモリなどを備えた演算処理装置(コンピュータ)1と、ハードディスク、光磁気ディスク等からなる補助記憶装置2と、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(liquid crystal display)からなるカラーディスプレイ装置等の表示装置3と、キーボード等からなる入力装置4と、マウス、タブレット、デジタイザー等からなるポインティングデバイス(座標位置入力装置)5と、プリンター及びプロッター等からなる出力装置6とを基本的構成とするものである。
【0039】
上記補助記憶装置2には、住宅を構築するための各種部材の内部コードNo.、グラフィックデータ、形状データ、発注用製品コードNo.、各種部材の単価等がデータベースとして記憶されている。
また、上記補助記憶装置2は、間取り等の意匠の入力を行うためのプログラムや、入力された意匠とこの実施例のパネルからなる住宅の強度上のロジックとに基づい各種部材の割り付け等行うための住宅の構造を決定するプログラムや、これらプログラムの処理に必要なデータが記憶されている。
【0040】
上記演算処理装置1は、上記プログラムに基づき、住宅の意匠を入力するとともに、入力された意匠に基づき、充分な強度を有する住宅の構造を決定する機能を有するものである。
【0041】
すなわち、演算処理装置1は、例えば、施主が考えた間取りに基づいて住宅の意匠として入力された各部屋11(図5に図示)を囲む壁12(図5に図示)の配置に基づき、垂直荷重及び水平荷重に対応する耐力壁23(図11に図示)と垂直荷重に対応する支持壁25(図11に図示)とをそれぞれ配置可能な位置を示す耐力壁線22(図10に図示)と支持壁線24(図10に図示)とを作成する機能を有する。
【0042】
また、演算処理装置1は、上述のように作成された耐力壁線22上において耐力壁23を配置可能部分、すなわち開口部36(図17に図示)がない部分を認識し、耐力壁23を配置可能な部分の量が、住宅の強度を保つのに充分な量かどうかを判断する機能を有する。
【0043】
そして、演算処理装置1は、各部屋を囲む壁12(耐力壁23、支持壁25)に基づいて、壁パネル38(図17に図示)を割り付ける壁12の領域、床パネル44(図19に図示)を割り付ける床29(図14に図示)の領域、屋根パネル34(図16に図示)を割り付ける屋根28(図15に図示)の領域等を認識する機能を有する。
【0044】
そして、演算処理装置1は、上記壁12の領域、床29の領域、屋根28の領域に壁パネル38を割り付ける領域を有する。
また、演算処理装置1は、上記壁パネル38、床パネル44、屋根パネル34以外に住宅の構造上必要な部材、例えば、調整材や屋根28に配置される梁35(図15に図示)等の部材を割り付ける機能を有する。
【0045】
さらに、演算処理装置1は、壁パネル38や屋根パネル34や梁35やマグサ(梁状の部材、図示略)等のように水平もしくは斜めに配置され、少なくともその一端を壁パネル38等の支持部材に支持されて配置される部材について断面算定(断面設計)を行う機能を有する。
そして、演算処理装置1は、上述のように決定されたパネルの割り付け等の住宅の構造を各種図面として出力する機能を有する。
【0046】
以下に、この実施例の建築物の設計支援装置によって住宅の設計及び住宅の構造の決定を行う方法について説明する。
図3は、この実施例の建築物の設計支援装置のメインフローを示す図面である。
【0047】
上記設計支援装置においては、まず、建築物(住宅)の意匠を決定して入力し(ステップA1)、その後に設計チェック(ステップA2)において、耐力壁の配置及び配置された耐力壁が充分か否かをチェックし、構造モデル作成(ステップA3)において、住宅の壁12、床29、屋根28等にパネル及びそれ以外の部材を割り付けるとともに、主に床29と屋根28において断面算定のチェックを行い、以上のようにして決められた住宅の構造を各種図面として出力するようになっている(ステップA4)。
【0048】
図4は、上記意匠入力を説明するためのフローチャートである。
図4に示すように、意匠入力においては、まず、壁12の入力が行われる(ステップB1)。
すなわち、施主は、住宅を建築する敷地の形状や各種条件等に基づいて、各居室、居間、食堂、厨房、風呂、トイレ、階段18(図7に図示)等の住宅の各部屋(スペース)の配置を決め、各部屋11を囲む壁12の配置を入力する。
【0049】
この際に、壁12に窓や入出口や通路等の開口部36がある場所でも壁12を入力する。すなわち、基本的には、階段18部分等を除いて各部屋11の四方が壁12で囲まれるように壁12を配置する。
また、この実施例において、図5及び図6に示すように、表示装置3上に部屋11を囲む壁12の配置の入力画面13が表示されているが、該入力画面13には、グリッド線(図示略)が設定されており、該グリッド線に沿って壁12の中心線が配置されるようになっている。
【0050】
これは、入力画面13上の任意の位置を座標位置入力装置5に指示した場合に、上記任意の位置に最も近いグリッド線に指示位置が移動するようになっているからであり、壁1の中心は、基本的にグリッド線上に配置されるようになっている。
【0051】
なお、図5及び図6においてグリッド線は、格子状の線として表示されずに、グリッド線の交点14だけを表示するようになっている。また、図5及び図6においては、目の大きなグリッド線と目の小さなグリッド線の二つが配置されており、図5及び図6に示される交点3は、目の大きなグリッド線の交点3であり、実際には、この交点3の間にも目の小さなグリッド線が配置されており、壁1の中心線は、目の小さなグリッド線に沿っても配置できるようになっている。
【0052】
そして、この実施例の設計支援装置においては、モジュール単位に設計が行われるようになっており、前記入力画面13上に配置されるグリッド線は、1/2もしくは1/4モジュール毎に配置されるようになっている。そして、1モジュールは、住宅において一般的に用いられる単位長さと略同様の長さであり、該モジュールに従って住宅の各部が設計されるとともに、パネルも上記モジュールに対応して設計及び製造されるようになっている。
【0053】
また、上記壁12の入力においては、一つの部屋11の大きさ(内部に耐力壁23の無いスペース)の制限や、耐力壁23間の距離の制限や、開口部36の幅の制限等がある。また、例えば、一階の外壁より二階の外壁の方が外にでるオーバーハングや、吹き抜けや、床29の段差等の特殊な設計の制限等が決められている。
また、図5は、一階部分の壁12の配置を示し、図6は、二階部分の壁12の配置を示すものであるが、一階の壁12と二階の壁12との間にも対応関係が定められている。
【0054】
これらの制限は、予め強度が決められたパネルにより構成される住宅において必要なものであるが、特殊設計の場合と一階の壁12と二階の壁12との対応関係をのぞき、通常の部屋11の広さや開口部36の広さにおいては、ほとんど、上記制限に抵触する可能性が低く、また、上記特殊な設計の場合の制限及び一階の壁12と二階の壁12との対応関係を含めて、制限自体が容易なものなので、住宅を販売する営業担当者等によりアドバイスすることが可能であり、また、チェックシート等により容易に制限を越えた設計となっていないかを確認できるようになっている。
【0055】
さらに、上記意匠入力のプログラム上において、例えば、制限を越えた場合に警告を与えたり、一階の壁12の配置上に二階の壁12を配置する場合、二階の壁12の配置を入力する入力画面13に、一階の壁12の配置を示す補助線12a(図6において既に壁12が配置された部分は図示略)として表示し、一階の壁12の配置に対応して容易に二階の壁12の配置を決められるようにしたりすることで、意匠入力中に住宅の構造上の制限を越えないようにしている。
【0056】
従って、施主はほとんど自由な発想で部屋の配置を決めることができる。
次に、壁、以外の設計要素を入力する(ステップB2)。
例えば、上記設計要素としては、建具、備品、ポーチ、テラス、収納、床29の仕上げ、壁12の仕上げ、天井高、勾配を有する天井、出窓、バルコニー20(図8に図示)、各種換気口などである。
【0057】
すなわち、図7に示すように窓15やドア16や畳17や階段18やシステムキッチン19やバルコニー20(図8に図示)やトイレ(図示略)やバス(図示略)等の一般的な間取り図に記載されるような住宅の部屋11以外の構成要素が略全て配置される。
そして、ステップB2の操作が終了した後には図7に示すように、一般の住宅の間取り図を描けるだけの部材が割り付けられた状態となっている。
【0058】
次に、屋根の入力及び編集(ステップB3)が行われる。
すなわち、屋根28(図8に図示)には、その形状に切妻、寄棟、入母屋等の種類があり、また、屋根面の傾斜角度や、外壁から延出する長さ(軒の出)などが屋根28により異なっている。従って、これらの屋根28の条件を入力する必要がある。
【0059】
そして、以上のように意匠の入力が行われると、上述の図7に示すような間取り図や、図8に示すようなパース図を得ることが可能となる。
なお、上記設計支援装置の補助記憶装置2には、上記意匠入力で割り付けられる各種部材の形状データや図面データが記憶されており、図7や図8に示す図面が容易に得られるようになっている。
【0060】
そして、図7や図8に示すようにこの意匠入力のステップA1を終了した時点で略設計が終了したような感じを与えるが、この段階において、柱や梁をあまり用いずに、主にパネルからなる住宅において重要な要素となる耐力壁23の割り付けや、床29や屋根28の断面算定や、屋根28や床29を支持するのに一部必要となる梁35の配置等は行われておらず、建築物の設計において重要な要素となる強度については、上述の各種制限を越えていないというだけの状態となっている。
【0061】
従って、パネルからなる住宅の設計を完了するには、後述する耐力壁23の割り付けとチェック、各パネルの割り付けと断面算定のチェックとを行うことで、意匠が入力された住宅の構造を決定するとともに、この構造が充分な強度を有することを確認する必要ある。
言い換えれば、上記制限以外は、施主が強度のことをほとんど考慮せずに、施主にとって最も関心のある意匠の部分を自分の意志で決定することができる。
【0062】
図9は、上記設計チェック(ステップA2)を説明するためのフローチャートである。
まず、設計チェックにおいては、上記意匠入力により入力された意匠データに対して、上記各種制限を越えていないかどうかをチェック(構法・構造チェック)する(ステップC1)。
【0063】
すなわち、上記各種制限は、意匠入力の際にもチェックされているが、上記意匠データが上記制限を越えている場合には、パネルから構築される住宅が充分な強度を有することを証明することが困難であり、ここで再度チェックする。
【0064】
そして、チェックされた結果がエラーとなっていないかどうか判断され(ステップC2)、エラーとなった場合は、エラーリストを出力して(ステップC3)、設計チェックを終了する。
【0065】
この場合には、エラーリストに基づいて意匠データの修正を行う必要がある。そして、エラーとならなかった場合には、次に耐力壁線22の自動生成を行う(ステップC4)。
図10に示すように、耐力壁線(太い実線で図示)22は、耐力壁22を設置することが好ましい部分を示すものであり、意匠入力で入力された壁12の配置の部分で、耐力壁23を設置することが好ましい壁12の配置に沿って生成される(ステップC5)。
【0066】
なお、耐力壁線22上に必ず、耐力壁23が配置されるものではなく、基本的に上記耐力壁線22上の開口部36がない部分、すなわち、めくら壁が配置される部分が耐力壁23の割り付け部分となる。
基本的に、耐力壁線22は、住宅の外壁部分に配置されるとともに、住宅内部においては構造上耐力壁23が必要な間隔が予め決められており、上記間隔を越えないように各内壁(上記間隔に複数の内壁がある場合には一部の内壁)に沿って耐力壁線22が生成されるようになっている。
【0067】
基本的には、住宅の一階部分において布基礎(連続基礎)42が配置される部分に耐力壁線22が生成され、住宅の二階以上において、階下の耐力壁線22上に耐力壁線22が生成される。
【0068】
次に、図11に示すように、上記耐力壁線22上に耐力壁2を自動配置する(ステップC5)。この際に耐力壁23は、一モジュール以上のパネル幅を有する壁パネル38として配置される。
基本的には、耐力壁線22上において、コーナー部、交点部、開口部36の両サイド等に耐力壁23が配置されるようになっている。
【0069】
次に、上記耐力壁23を配置した後に、耐力壁23の量が充分か否かが判断される(ステップC6)。基本的には、耐力壁線(一部を延長したもの)22により住宅を複数の矩形領域に分割し、各矩形領域内にある耐力壁23の量(長さ)が、予め決められた量より多いか少ないかが判断される。
【0070】
なお、隣接する上記矩形領域を分割する耐力壁線22上の耐力壁23は、どちらかの矩形領域に振り分けられるようになっており、一つの耐力壁23が二つの矩形領域に属することがないようになっている。そして、二つの矩形領域に挟まれ、かつ一方の矩形領域に振り分けられた耐力壁23は、他方の矩形領域の耐力壁23が予め決められた耐力壁23の量より少ない場合に、他方の矩形領域側に振り分けられるようになっている。
【0071】
以上のような操作により、全ての矩形領域において耐力壁23の量が足りた場合には正常とされ、一つ以上の矩形領域において、耐力壁量が足りない場合には、エラーと判断され(ステップC7)、エラーリストが出力される(ステップC3)。
【0072】
なお、エラーリストが提出された場合には、設計チェックが終了し、意匠入力の訂正が必要となるが、後述するようにステップC10において、確認・修正が行えるようになっており、ステップC10において、耐力壁線22及び耐力壁23配置の修正を行うことにより、所定の耐力壁23の量を確保できれば、意匠データの訂正を行わなくても良い。
【0073】
すなわち、ステップC7において、エラーと判断された場合でも、単に耐力壁線22や耐力壁23の配置を変更するだけで、所定の耐力壁23の量を確保できる可能性があり、必ずしも壁12の配置や壁12の開口部の配置の変更(すなわち、意匠の変更)を必要とするとは限らない。
【0074】
そして、図11に示すように、次に支持壁線24を自動作成する(ステップC8)。支持壁25は、上述のように垂直荷重だけに対応するための壁12であり、壁12上に配置される床パネル44や屋根パネル34や梁35等の荷重を受けるようになっている。
すなわち、耐力壁23の量が上述の所定量以上であっても、構造的に床パネル44や屋根パネル34や梁35を支持するのに必要な部分には間仕切り壁26ではなく、支持壁24を配置するようになっている
【0075】
また、基本的に床パネル44を支持する場合は、床29が複数の矩形上の床領域30に分割され、各床領域30の周囲が上記耐力壁線22もしくは支持壁線24に囲まれている必要があるので、上記耐力壁線22により、床29の領域を矩形領域に分割できない場合に、支持壁線24を生成して床29を矩形領域で分割できるようにしている。
なお、意匠入力により入力された壁のうち、上記耐力壁線22もしくは支持壁線24と重ならない壁は、上述の間仕切り壁26とされ間仕切り壁線(図示略)が生成される。
【0076】
次に、図12に示すように母屋線(破線、実線(細)、実線(太)で図示)27を自動作成する(ステップC9)。
屋根面において屋根パネル34は、耐力壁23もしくは支持壁25等の壁12に支持されるようになっており、耐力壁23もしくは支持壁25等の壁12の上端は、屋根面の下まで延出するようになっている。
【0077】
しかし、屋根面の形状及び屋根パネル34の断面設計を考慮した場合には、壁12だけでは、必ずしも屋根パネル34を支持できないので、梁35を用いるようになっている。
そして、上記母屋線27は、外壁から、外壁内部の屋根領域に等高線状に傾斜に沿って所定間隔(屋根パネル34及び屋根パネル34上に積もる可能性のある雪を屋根パネル34が充分支持可能なスパン)毎に自動生成されるようになっている。
【0078】
従って、上記母屋線27上に、屋根パネル34を支持する壁12がない場合には、上記母屋線27上に梁35が配置されるようになっている。また、基本的には、屋根パネル34が予め決められた長さより短くないらない限りにおいて、母屋線27上に屋根パネル34の上下の側縁が配置されるようになっている。
【0079】
次に、上述のように自動生成された耐力壁線22、支持壁線24、間仕切り壁線(図示略)、母屋線27と、自動割り付けされた耐力壁23を確認・修正する(ステップC10)。
以上の意匠入力から母屋線27の自動作成までは、設計者がいなくとも、操作を行うことができるようになっている。
【0080】
そして、ステップC10においては、例えば施主もしくは営業担当者により意匠入力され、上記設計支援装置により自動生成もしくは自動割り付けされたものを設計者がチェックすることになる。
【0081】
すなわち、設計者は、自動生成もしくは自動割り付けされた部分において、不備な点がないか、もしくは、充分な強度以上に著しく多くの耐力壁23や母屋線27が配置されていないかをチェックするようになっており、設計者が住宅の安全を確認するようになっている。
【0082】
そして、不備な点がある場合には、設計者が上記自動生成された部分を修正する。なお、ステップC1において、パネルからなる住宅の強度に関する前提条件となる上述の制限をこえていなかどうかのチェックが終了し、ステップC6において、耐力壁の量をチェックしているので、確認の際に、意匠入力されたデータまで修正する必要が生じることはない。
【0083】
図13は、構造モデル作成を説明するためのフローチャートである。
図13に示すように、構造モデル作成にあたっては、まず、断面算定が必要な部分と必要でない部分とに分けられるようになっている。
基本的に断面算定が必要な部分は、床29、開口部36を含む壁12、屋根28となっている。
すなわち、床パネル44は、壁パネル38間に掛け渡されるように配置されており、上記床29及び床29上の荷重を上述のように掛け渡された状態で支持する必要があり、断面算定が必要となる。
【0084】
また、屋根においても、屋根パネル34が壁パネル38もしくは梁35間に掛け渡されるように配置され、屋根(瓦やスレート等の屋根材を含む)28及び屋根28上(積雪等)の荷重を上述のように掛け渡された状態で支持するとともに、荷重を壁パネル38もしくは梁35に伝達する必要があり、断面算定が必要となる。
【0085】
また、開口部36を含む壁12においては、開口部36上に小壁パネル39(図17に図示)もしくはマグサ(上下の幅が狭い場合において、小壁パネル39に代えて使用される梁状の部材)が配置される。そして、上記小壁パネル39及びマグサは、両端部を隣接する壁12及び方立37(図17に図示)に支持されるとともに、隣接する壁12と方立37に両端部を支持された状態で、壁12上にかかる荷重を支持するととに隣接する壁12及び方立37に伝達する必要があり、断面算定が必要となる。
【0086】
従って、床29、屋根28、開口部36を有する壁12において、断面算定に必要な部位の作成(構造の決定)を行う(ステップD1)。
まず、床29においては、(図示略)耐力壁線22及び支持壁線24に囲まれた複数の床領域30を自動設定し、次いで、各床領域における床パネル44の敷き方向(矢印31)を自動設定する。
【0087】
なお、一階部分において、上記耐力壁線22もしくは支持壁線24の下には、布基礎42もしくは土台43が配置されるようになっている。また、図14において床パネル44の敷き方向は、矢印31の方向と床パネル44の長手方向とが一致するようになっている。
従って、上記床領域30の周囲を示す線(耐力壁線及び支持壁線からなる)には、床パネルを支持する基礎42もしくは土台43が配置されることになる。
【0088】
また、二階以上の床29においては、耐力壁線22もしくは支持壁線24の下に階下の壁(開口部を含む)12が配置されるようになっている。
従って、上記床領域30の周囲を示す線(耐力壁線22及び支持壁線24からなる)には、床パネル44を支持する壁12が配置されることになる。
【0089】
以上のように各床領域30とパネルの敷き方向とを決めることにより、パネルを支持する部材(基礎42や壁12)間のスパンを求めることが可能となり、予め強度が決められたパネルを配置する際に、上記スパンが予め決められた長さより短ければ、断面算定において床29が充分な強度を有することを確認することができる。
【0090】
また、屋根においては、図15及び図16に示すように上述のように設定された母屋線27(図12に図示)の部分に壁12もしくは梁35が配置され、屋根パネル34を支持するようになっている。
【0091】
なお、床29の場合には、床領域30とパネルの敷き方向を決めることにより、パネルを支持する支持部材間のスパンを判定して断面算定に代えることができるが、屋根28の場合は、三次元的な床29に比べて複雑な形状を有するので、壁12の配置と梁35の配置を決めるとともに、各屋根パネル34を実際に割り付けるようになっている。
【0092】
そして、各屋根パネル34を割り付けた状態で、各屋根パネル34の強度と、各屋根パネル34を支持する支持部材(壁12、梁35)間のスパンから屋根における断面算定を行い、屋根28が充分な強度を有するか否かを判定するようになっている。
【0093】
次に、図17に示すように開口部36を有する壁12部分においては、開口部13に隣接する壁パネル38、開口部36の上部に配置される小壁39もしくはマグサ(図示略)、開口部36の下に配置される腰壁パネル40もしくは手摺壁パネル(図示略)もしくはマグサ(図示略)等、開口部36上の小壁パネル39もしくはマグサの両端部を補強する方立37等を割り付けることにより、小壁39もしくはマグサの断面算定を行うことになる。
【0094】
基本的には、小壁39もしくはマグサのスパンが予め決められた長さ以内なら充分な強度を有すると判定することができる。
そして、以上のように床29、屋根22、壁12の開口部36において、断面算定に必要な部材の割り付けが行われた後に、上述のように割り付けられるパネルやマグサの種類と、これらパネルやマグサを支持する支持部材(主に、壁12や梁35)間の距離とを対応させて判断することにより断面算定が行われる(ステップD2)
【0095】
そして、断面算定において、パネルやマグサが充分な強度で割り付けられているか否が判定され、否(エラー)と判定された場合には(ステップD3)は、エラーリストの出力が行われ(ステップD4)、強度的に問題点がある部分が指摘されるようになっている。
【0096】
また、断面算定が正常だった場合においては、ステップD1の断面算定部位の作成において、行われた床領域30の設定及び各床領域30における床パネル44の敷き方向の決定、屋根28における梁35と屋根パネル34の割り付け、壁12の開口部36におけるパネル等の部材の割り付けの設計者による確認が行われたかどうかを判定する(ステップD5)。
【0097】
そして、上述のようにエラーリストが出力された場合と設計者による確認が行われていない場合には、断面算定部位の確認・修正が行われる(ステップD6)。
すなわち、自動的に行われた断面算定部位の作成に対して設計者のチェックが行われることになる。
【0098】
そして、エラーリストが出力された場合には、上記エラーリストに記載された問題のある部分について、床領域30の修正、パネル敷き方向の修正、屋根28の梁35の割り付けの修正、屋根パネル34の割り付けの修正、壁12の開口部36周囲の壁パネル38の割り付けの修正等の操作が行われるとともに、エラーリストが出力されない場合や、エラーリストが指摘した部分以外についても設計者がチェックを行うことになる。
そして、設計者が強度上の問題や、それ以外に施工効率やコスト等を考慮して修正が必要と判断した場合には修正を行う。
【0099】
そして、断面算定部位の確認・修正後に再び、断面算定の自動処理を行い(ステップD2)、エラーがなく(ステップD3)、一度設計者による確認が終了している(ステップD5)場合には、構造モデルの作成を行う(ステップD7)。
【0100】
上記構造モデルの作成においては、基礎42の配置の決定、床領域30とパネル敷き方向が決められた床29への床パネル44の割り付け、既に決められた耐力壁、開口部を含む壁へのパネル及びその他の部材の割り付け、梁及び屋根パネルが割り付けられた屋根へのその他の部材の割り付け等が行われる。
【0101】
図18は基礎42の割り付けが行われた入力画面13を示すものである。
上述のように基礎42の配置については、一階の耐力壁線22及び支持壁線24に基づいて決められる。すなわち、耐力壁線22に沿って布基礎42を配置するとともに、床パネル44の配置により土台43を支持する独立基礎や束基礎を配置する。
【0102】
図19は床パネル44の割り付けが行われた入力画面13を示すものである。そして、床29においては、各床領域30へ床パネル44の敷き方向に沿って床パネル44を配置していく、基本的には床領域30と敷き方向が決定され、床パネル44の長さが決定しているので、上記長さの床パネル44を部材データベースから検索して順次割り付けていくことになる。
また、床パネル44以外に半土台45等の床29部分に必要な部材も割り付けられることになる。
【0103】
図20は、壁パネル47の割り付けが行われた入力画面13を示すものである。
そして、壁12においては、耐力壁23と開口部36周囲において壁パネル47が割り付けられた状態となっているので、その他の部分に壁パネル47を割り付けていくことになる。
また、壁パネル47以外に方立37等の壁12部分に必要な部材も割り付けられる。
【0104】
また、梁35及び屋根パネル34が割り付けられた屋根28において、梁35や屋根パネル34以外の部材が割り付けられる。
すなわち、屋根パネル28、壁パネル47、床パネル44等のパネルの割付と、意匠入力の段階で割り付けられたなかったパネル以外の部材として、いわゆる幕板、破風、鼻隠し、軒天材、天井仕上げ下地材、床仕上げ材、化粧枠、建具、アンカーボルト、胴差しボルト等の部材を割り付けるようになっている。
なお、これらの部材は、予め設定された部材であり、それぞれの設置条件がプログラムとして記憶され、上記パネルと同様に割り付けられるようになっている。
以上のようにパネルからなる住宅において、構造上必要な部材が全て自動割り付けされることになる。
【0105】
次に、構造モデルの確認・修正が行われる(ステップD8)すなわち、自動的に割り付けられた各部材について設計者が確認し、問題点があれば修正を行う。なお、構造モデルの確認及び修正は、断面算定部位及び断面算定部位以外の部分の全てを対象として行われる。
【0106】
以上のように構造が決定した住宅においては、次に図データ作成により、図面が自動作成されるとともに出力されるようになっている。
図21は、図データ作成を説明するためのフローチャートである。
なお、基礎42、床29、壁12、屋根28の平面図等は、図15ないし図20に示すように表示画面上に表示されるようになっているが、これらの図面は、予め補助記憶装置2に記憶された部材データベースから各部材の形状データや図データを検索し、これら検索された形状データに基づき図データを作成したり、各図データを合成することにより作成される。
【0107】
そして、図データ作成においても上記補助記憶装置2に記憶された形状データや図データが使用され、プリンタやプロッターへの出力するための図データが作成される。
出力される図面は、予め決められており、基礎42、床29、壁12、屋根28等への各部材の割り付け図等が出力できるようになっている。
【0108】
そして、まず、上述のように予め決められた図面を全部出力するか、一部を選択して出力するかを決める(ステップE1)。そして一部を選択して出力する場合には、図面を選択する(ステップE2)。
そして、選択された図面もしくは全ての図面を作成する(ステップE3)。
すなわち、図データを作成するとともに出力装置6から出力する。
【0109】
以上のように、この実施例の建築物の設計支援装置は、施主もしくは施主と折衝する営業担当者等の設計者以外の者が、予め強度が決められたパネルにより構築される住宅の予め決められた設計上の制限内において、上記制限以外は、特に強度のことを考慮せずに、住宅の意匠を決定するようになっている。
【0110】
すなわち、従来のように、まず、設計者が住宅の強度、すなわち、住宅の構造を決定するとともに、住宅の意匠を確定したのに対して、最初に設計者以外の者が、住宅の構造を考慮せずに、住宅の意匠を決めていくことができるようになっている。
【0111】
そして、住宅の意匠が決定された段階で、設計支援装置が、上記パネルからなる住宅の構造の規則と上述のように決定された意匠に基づいて、床29、壁12、屋根28へのパネルやそれ以外の部材の割り付けを行う共に、強度のチェックを行うようになっている。
【0112】
すなわち、従来の住宅の設計においては、住宅の意匠と住宅の構造とが相互に影響しながらほぼ同時進行で進められていたのに対して、この実施例の設計支援装置は、最初に住宅の意匠が決定されるようになっている(後の強度のチェックで不適となった場合には、決定された住宅の意匠を修正する可能性もある)。
【0113】
従って、施主や営業担当者が、設計者に頼ることなく、自分の好みもしくは顧客の好みに対応して迅速に意匠を決定することができる。
なお、この実施例において、住宅がパネルから構築され、壁12の部分に割り付けらる壁パネル38の一部が耐力壁23となるようになっており、また、床29や屋根28も割り付けられたパネルにより床上や屋根上の荷重を支持するようになっていることから、予めパネルの強度が設定されていれば、住宅に適度に分散して耐力壁23を配置するようにし、かつ、床や屋根に割り付けられるパネルを支持する部材が所定の長さ以下の間隔で配置されていれば、住宅に強度的に問題がでる可能性がないので、上述のように比較的自由に意匠を決定することができる。
【0114】
言い換えれば、四畳半、六畳、八畳といった居室や比較的面積の広いリビングダイニングや、比較的面積の狭いバスルームや洗面所といった一般的な住宅のスペースを配置した場合に、住宅の強度に問題がでないように各パネルの強度が設定されているので、一般的な住宅の意匠を決定する上では、それほど住宅の強度に縛られることがないようになっている。
【0115】
従って、通常の住宅の設計に代えて、上述のように住宅の意匠を先に設計する住宅設計支援装置を作成することが可能となっている。
そして、上述のように施主や営業担当者等が、設計者に関係なく、比較的自由に住宅の意匠を決定できる。また、多額の費用を必要とする住宅の構築において、施主が比較的自由に住宅の意匠を決められることから、施主に自分で住宅を設計したとうい満足感と、自分の思い通りの住宅を造ったという満足感を与えることができる。
【0116】
また、営業担当者は、設計者等との住宅の構造上の打ち合わせ等を行わなくとも、施主とともに住宅の意匠を決定したり、施主の意向に基づいて住宅の意匠を決定することができ、かつ、決定された意匠をすぐに施主に掲示することができるので、設計者との打ち合わせや、設計者による構造の検討などに時間を費やして、住宅の販売の機会を逃すことを防止することができる。
【0117】
そして、上述のようにこの実施例の設計支援装置においては、決定された住宅の意匠に基づいて住宅の構造の決定及び強度のチェックが自動で行われるようになっている。
従って、基本的には、施主が住宅の意匠を決定することにより、住宅の構造も決定されることになる。
【0118】
なお、この際には、予め決められた制限内で住宅の意匠が決められているかをチェックするとともに、耐力壁量のチェックや断面算定等の強度のチェックが行われるので、決定された住宅の意匠自体に問題がある場合には、住宅の意匠を修正する必要がある。
また、自動的に決定された住宅の構造(特に耐力壁の配置と断面算定部位)に問題がある場合には、これを設計者により修正してもらう必要がある。
【0119】
また、この実施例の設計支援装置には、住宅の断面算定部位及びその他の構造の決定にあたって、設計支援装置による自動チェックだけではなく、設計者による確認作業が行われるようになっており、設計者の判断により住宅の構造の修正が行えるようになっている。
【0120】
従って、住宅の意匠は施主や、営業担当者が決め、住宅の構造は、上記住宅の意匠に基づいて、自動的にこの実施例の設計支援装置により決められるものであるが、設計者が最終的にチェックするとともに、問題点があれば修正することから、住宅の構造は設計者が決定したことになり、住宅の強度上の問題について設計者が責任をもって対処できるようになっている。
【0121】
そして、この実施例の設計支援装置は、住宅の意匠に関係する部材が、意匠入力の段階で選択及び入力され、住宅の構造に関する部材が、設計支援装置による構造モデルの作成の段階で決定されるので、略住宅に使用する部材が決定され、この実施例の設計支援装置による処理が終了した段階で、決定された部材に基づいて住宅の見積りを算出することができる。
【0122】
従って、施主や営業担当者により住宅の意匠が入力された後は、設計支援装置の自動処理による構造の決定及び強度のチェックと、設計者による最終チェックにより、見積りを算出することができ、従来のように、設計者と施主もしくは営業担当者による住宅の構造と住宅の意匠とのすり合わせ等を行う必要がなく、短期間で住宅の構造を決定することができ、上述のように住宅販売の機会を逃さないようにすることができるとともに、住宅の設計にかかるコストを低減することができる。
【0123】
また、設計者側から設計支援装置を見た場合には、施主もしくは営業担当者が住宅の意匠を入力し、設計支援装置が住宅の構造を決定することから、入力された住宅の意匠に施主もしくは営業担当者の意向が全て反映されていると判断することができ、施主もしくは営業担当者と設計者との間に住宅の意匠上の問題で勘違いや、うまく伝達されない部分が、生じることがなく、また、住宅の構造も設計支援装置により作成されているので、設計者は、基本的に、構造モデルまで作成された住宅が強度的に問題がないどうかを判断するだけで良く、設計作業を大幅に省力化することができる。
【0124】
なお、上記実施例において、構造モデルを作成するに際し、断面算定部位と、その他の部分を分けて処理を行っているが、必ずしも断面算定部位とそれ以外の部分を分ける必要はなく、全ての構造を決定してから断面算定を行うようにしても良い。
【0125】
すなわち、本発明は、予め設定された強度を有するパネルを用い、かつ、予め設定された制限内で上記パネルを割り付けることにより、強度的に問題のない住宅を構築することができるようになったパネル施工方法において、まず、住宅の意匠を決めた後に、住宅の構造モデルの作成及び住宅の強度のチェックを行うことで、住宅を設計できるようにした建築物の設計支援装置に係わるものであり、住宅の構造及び強度を考慮する前に住宅の意匠だけを決定できるようにすることで、施主の意向を容易に取り入れることができるとともに、住宅の設計にかかるコストを大幅に減少したものであり、構造モデルの作成方法や断面算定の方法は上記実施例に限定されるものではない。
【0126】
【発明の効果】
上記請求項1記載の構成によれば、上記意匠入力手段により各部屋を囲む壁の配置が入力された後に、上記壁線作成手段により、上記意匠入力手段により入力された各部屋を囲む壁のうちの建築物を支持する壁線が作成され、上記壁量チェック手段が、上記壁線作成手段により作成された壁線上に配置することができる壁の量が建築物を支持するのに充分であるかを判断し、次に構造モデル作成手段が、上記壁線作成手段により作成された壁線に基づいて壁、床、屋根の領域にパネルを割り付け、構築すべき建築物の構造を決定するようになっている。
【0127】
従って、従来の建築物のように建築物の設計に際し、間取り等の建築物の意匠と、耐力壁の位置等の建築物の構造を並行して決定していく場合と異なり、建築物の意匠の決定にあたっては、建築物の強度をあまり考慮せずに、施主がある程度自由に決定することができる。すなわち、容易に施主の意向を反映した建築物の設計を行うことができ、施主の注文による建築物の設計において、設計コストを大幅に削減することができる。
【0128】
また、請求項2記載の建築物の設計支援装置によれば、母屋線作成手段が、上記壁線作成手段に作成された壁線に基づいて、屋根に割り付けられるパネルの屋根の傾斜に直交する側縁の位置を示す母屋線を作成するので、構造モデル作成手段は、上記母屋線に対応して容易に屋根の領域にパネルと該パネルを支持する部材を割り付るけることができる。
【0129】
また、請求項3記載の建築物の設計支援装置によれば、上記構造モデル作成手段は、上述のようにパネルを割り付けるパネル割り付け手段を有するとともに、断面算定を行う断面算定手段を有するので、上記建築物を支持する壁パネル間に掛け渡される床や屋根のパネルについて強度の面で問題がないかの断面算定を行うことができる。
【0130】
さらに、請求項4記載の構成によれば、上記断面算定手段が、所定の強度を有するパネルもしくは梁状の部材を支持する支持部材の間隔、もしくは、上記支持部材に片持ちされた状態の上記パネルもしくは梁状の部材の上記支持部材から延出する長さが所定の範囲内かどうかを判断するようになっており、容易に断面算定を行うことができる。
【0131】
そして、上記請求項5記載の構成によれば、上記意匠入力手段により、壁の開口部が入力され、上記壁量チェック手段が、上記開口部以外の壁線の部分に耐力壁が配置可能なものとし、これらの配置可能な耐力壁の量が構築すべき建築物にとって充分なものかどうか判断することになり、施主が、開口部の位置を自由に設定することができる。
そして、上記壁量チェック手段により配置可能な耐力壁の量が充分なものと判定されれば、施主が決めた開口部がそのまま建築物の設計及び構造に反映されることになる。
【0132】
また、上記請求項6記載の構成によれば、上記構造モデル作成手段は、上記壁線作成手段に作成された壁線に基づいて基礎を割り付けるので、基礎から屋根までの住宅の設計を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建築物の設計支援装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の建築物の設計支援装置の概略構成を説明するためのブロック図である。
【図3】上記実施例の建築物の設計支援装置による住宅の設計方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】上記住宅の設計方法における意匠入力を説明するためのフローチャートである。
【図5】上記意匠入力を説明するための設計支援装置の入力画面を示す図面である。
【図6】上記意匠入力を説明するための設計支援装置の入力画面を示す図面である。
【図7】上記意匠入力を説明するための設計支援装置の入力画面を示す図面である。
【図8】上記意匠入力より意匠を入力された住宅のパース図である
【図9】上記住宅の設計方法における設計チェックを説明するためのフローチャートである。
【図10】上記設計チェックを説明するための壁線の生成を示す図面である。
【図11】上記設計チェックを説明するための耐力壁の割り付けを示す図面である。
【図12】上記設計チェックを説明するための母屋線の生成を示す図面である。
【図13】上記住宅の設計方法における構造モデル作成を説明するためのフローチャートである。
【図14】上記構造モデル作成を説明するための床領域を示す図面である。
【図15】上記構造モデル作成を説明するための屋根の梁の割り付けを示す図面である。
【図16】上記構造モデル作成を説明するための屋根パネルの割り付けを示す図面である。
【図17】上記構造モデル作成を説明するための壁パネルの割り付けを示す図面である。
【図18】上記構造モデル作成を説明するための基礎の割り付けを示す図面である。
【図19】上記構造モデル作成を説明するための床パネルの割り付けを示す図面である。
【図20】上記構造モデル作成を説明するための壁パネルの割り付けを示す図面である。
【図21】上記住宅の設計方法における図データ作成を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 演算処理装置(壁線作成手段b、壁量チェック手段c、構造モデル作成手段d、母屋線作成手段e、パネル割付手段f、断面算定手段g)
4 入力装置(意匠入力手段a)
5 座標位置入力装置(意匠入力手段a)
11 部屋
12 壁
22 耐力壁線(壁線)
23 耐力壁(建築物を支持する壁)
24 支持壁線(壁線)
25 支持壁(建築物を支持する壁)
27 母屋線
28 屋根
29 床
34 屋根パネル
36 開口部
38 壁パネル
42 基礎
44 床パネル

Claims (7)

  1. 所定の強度を有するパネルから構築される建築物を設計するとともに構造を決定するための建築物の設計支援装置であって、任意の建築物の間取りに対応して建築物の各部屋を囲む壁の配置等の住宅の意匠を入力するための意匠入力手段と、該意匠入力手段により入力された壁の配置に基づいて、上記建築物の各部屋を囲む壁のうちの建築物を支持する壁を配置可能な位置を示す耐力壁線を含む壁線の作成を行う壁線作成手段と、該耐力壁線上に配置される耐力壁が建築物を支持するのに充分の量かどうかを判断する壁量チェック手段と、上記壁線に基づいて、壁、床、屋根の領域にパネルを割り付ける構造モデル作成手段とを具備してなり、上記壁量チェック手段は、上記耐力壁線により住宅を複数の矩形領域に分割し、各矩形領域内にある上記耐力壁の量が、予め決められた量より多いか少ないかを判断するものであり、隣接する上記矩形領域を分割する上記耐力壁線上の耐力壁を、どちらかの矩形領域に振り分け、一つの耐力壁が二つの矩形領域に属することがないようにするとともに、二つの矩形領域に挟まれ、かつ一方の矩形領域に振り分けられた耐力壁を、他方の矩形領域の耐力壁が予め決められた耐力壁の量より少ない場合に、他方の矩形領域側に振り分けることを特徴とする建築物の設計支援装置。
  2. 上記壁線作成手段に作成された壁線に基づいて、屋根の領域に割り付けられるパネルの屋根の傾斜方向に直交する側縁の位置と、上記屋根の傾斜方向に直交して配置されるとともに上記パネルを支持する支持部材の位置とを示す母屋線を作成する母屋線作成手段を有し、
    上記構造モデル作成手段は、上記母屋線作成手段により作成された母屋線に基づいて屋根の領域に配置されるパネルと、該パネルの一部を支持する支持部材とを割り付けることを特徴とする請求項1記載の建築物の設計支援装置。
  3. 上記構造モデル作成手段は、上記壁線作成手段に作成された壁線に基づいて床、壁、屋根にパネルを割り付けるパネル割付手段と、上記建築物の断面算定が必要な部分について断面算定を行う断面算定手段とからなることを特徴とする請求項1または2記載の建築物の設計支援装置。
  4. 上記断面算定手段は、所定の強度を有するパネルもしくは梁状の部材を支持する支持部材の間隔、もしくは、上記支持部材に片持ちされた状態の上記パネルもしくは梁状の部材の上記支持部材から延出する長さが所定の範囲内か否かを判断することを特徴とする請求項3に記載の建築物の設計支援装置。
  5. 上記意匠入力手段において、窓、通路、入出口となる壁の開口部が入力され、上記壁量チェック手段は、上記壁線作成手段により作成された壁線のうち上記開口部が無い部分に、耐力壁が配置されるものとして耐力壁の量が所定の範囲以上か否かを判断することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の建築物の設計支援装置。
  6. 上記構造モデル作成手段は、床、壁、屋根へ割り付けられるパネル以外に、上記壁線作成手段に作成された壁線に基づいて、基礎を割り付けることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の建築物の設計支援装置。
  7. 上記意匠入力手段において、上記壁の配置に加えて、窓、通路、入出口となる壁の開口部の配置位置と屋根の形状とが入力されるとともに、構造モデル作成手段による構造の決定に先だって配置位置を決めることが可能な建具及び備品の配置位置が入力され、
    上記構造モデル作成手段は、床、壁、屋根へのパネルの割り付けとともに、予め設定された建築物に必要な部材を割り付けることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の建築物の設計支援装置。
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