JP3614452B2 - 屋根割付用基準線作成装置 - Google Patents
屋根割付用基準線作成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3614452B2 JP3614452B2 JP27092193A JP27092193A JP3614452B2 JP 3614452 B2 JP3614452 B2 JP 3614452B2 JP 27092193 A JP27092193 A JP 27092193A JP 27092193 A JP27092193 A JP 27092193A JP 3614452 B2 JP3614452 B2 JP 3614452B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roof
- line
- reference line
- ridge
- panel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、屋根を設計する際に、該屋根の屋根面に屋根パネルや小屋梁(屋根内部の梁)を割り付けるための基準線を作成する屋根割付用基準線作成装置に係わり、特に、それぞれ棟を有する二つの屋根が直交するように複合された屋根に用いて好適な屋根割付用基準線作成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プレハブ住宅を施工する方法の一つとして、住宅の床、壁、天井、屋根等をパネルを用いて施工する方法が知られている。この施工方法においては、予め、工場等において、芯材を枠組みすることにより枠体を形成し、該枠体の少なくとも一面に面材を貼設することにより床パネル、壁パネル、天井パネル、屋根パネル等を製造し、建築現場において、これらのパネルを組み付けていくことにより建物を構築するものである。
【0003】
ところで、近年、各種の設計においては、コンピュータシステムからなるCAD(computer aided design)システムが用いられており、上記住宅においても、CADシステムを用いて設計が行なわれる場合がある。一般的なCADシステムにおいては、予め、設計要素となる部材の形状データやグラフィックデータやその他のデータをデータベースとして記憶しておき、設計の際にこれらのデータを呼び出し、ディスプレイの製図上に各部材を配置することにより製図が作成され、設計作業を省力化できるようになっている。
【0004】
したがって、従来の住宅のCADシステムのディスプレイ上においては、間取りを決めることにより、壁や床や天井等のデータが読み出されて配置され、屋根の形状(寄せ棟、切妻等)を決めることにより、屋根のデータが読み出されて配置され、窓やドア等の部材と、その位置を決めることにより、窓やドア等のデータが読み出されて配置され、住宅の形状がディスプレイに図形(三面図や斜視図)として示されるとともに、設計図として出力されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記パネルを用いたプレハブ住宅の設計においては、床、壁、天井、屋根に、予めサイズや形状が決められた上記パネルを割り付ける必要がある。また、CADシステム上において、床、壁、天井、屋根は、必ずしも、パネルの形状にしたがって設計されるものではなく、発注先の設計要求にしたがって決められるので、CADシステムの設計図上において、単にパネルを端から順番かつ機械的に割り付けた場合に、隙間ができたり、大きなパネルを配置すればよいところに複数の小さなパネルが配置されたりして、効率の悪いパネルの割り付けとなる可能性が高かった。
【0006】
上述のように効率の悪いパネルの割り付けのまま、住宅を建築するものとした場合には、工場において、上記隙間を埋めるための特注サイズのパネルを製造したり、大きいパネルに比較して生産効率の悪い小さなパネルを多く製造したりする必要があり、工場におけるパネルの生産性を低下させていた。さらに、建築現場においては、小さなパネルや隙間を埋めるパネルを用いることによりパネルの接合作業が増えたり、パネル同士の僅かな隙間を埋めるための部材を製造したりしなければならなかった。
【0007】
したがって、パネルの割り付け方法が悪いと、住宅の生産性を低下させるとともに、そのコストを増大させることになる。
特に、図36に示すような屋根1は、複数の傾斜した屋根面1a…から立体的に構成されるので、壁や床のように平面上でパネルの割り付けを行なうことが困難であり、屋根1の傾斜した屋根面2…を別々に扱うとともに、屋根勾配の側断面図等を用いてパネルの割り付けを決める必要があった。
【0008】
また、図36に示す屋根においては、一方の屋根1aから他方の屋根1bが突出するとともに、一方の屋根の棟3aより他方の屋根の棟3bの方が低くなった形状、例えば、平面視してL字状やT字状(図においてはL字状)に形成された複合屋根においては、二つの屋根面2、2が谷状に接合されて谷隅4を形成するとともに、通常の寄棟屋根や切妻屋根に比較して屋根面2…の形状の種類が増えるので、さらにパネルの割り付けが困難なものとなり、CAD上において、パネルを効率良く自動的に割り付けることが極めて困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記パネルから構築される建物の平面視してL字状やT字状等の複雑な形状の屋根において、該屋根の屋根面に効率良く屋根パネル及び小屋梁を配置するために、これら屋根パネルの配置及び小屋梁の配置の基準となる基準線を屋根面上に作成する屋根割付用基準線作成装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載された屋根割付用基準線作成装置は、複数の屋根パネルを敷き詰めることにより形成され、かつ、複数の傾斜した屋根面から形成される屋根を設計するに際し、設計すべき屋根の屋根面上に上記屋根パネルの位置や上記屋根パネルを支持する梁の位置を決める基準線を作成するものであり、予め入力された平面図上の屋根の形状を記憶する形状記憶手段aと、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根の屋根面に、該屋根面の傾斜方向に沿って屋根パネルの強度に対応した間隔を開けるとともに上記傾斜方向に対して直角に配置され、かつ、上記傾斜方向に直角な梁の位置を示す第1の基準線を作成する第1の基準線作成手段bと、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根において、二つの屋根面が谷状に接合された谷隅を示す谷隅線と、上記屋根の棟を示す棟線との交点がある場合に、該交点を基準点として認識する基準点認識手段cと、上記基準点認識手段cにより認識された基準点に接するとともに該基準点より上方の部分を有する屋根面において、該屋根面の傾斜方向と直角に配置されるとともに上記基準点を含み、かつ、屋根パネルの上下の接合部及び該接合部に配置される梁の位置を示す第2の基準線を作成する第2の基準線作成手段dとを具備してなることを上記課題の解決手段とした。
【0011】
そして、本発明の請求項2に記載された屋根割付用基準線作成装置は、上記基準点認識手段cが、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根の二つの上記谷隅線と上記棟線との交点を基準点として認識することを上記課題の解決手段とした。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載された屋根割付用基準線作成装置は、上記基準点認識手段cが、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根の上記谷隅線と上記棟線と二つの屋根面が勾配上で棟状に接合された隅棟を示す隅棟線との交点を基準点として認識することを上記課題の解決手段とした。
【0013】
そして、本発明の請求項4に記載された屋根割付用基準線作成装置は、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根において、上記谷隅線と屋根の外周を示す外周線との交点もしくは上記谷隅線と上記第1の基準線のうちの上記梁の位置を示すとともに上記屋根パネルの上下の接合部の位置を示す第1の基準線との交点を補助点として認識する補助点認識手段eと、上記第2の基準線が作成された屋根面において、上記補助点の位置に対応して上記屋根面の傾斜方向に沿った補助線を作成する補助線作成手段fと、上記第2の基準線を上記基準点から上記補助線と第2の基準線との交点までに限定する谷隅用第2の基準線限定手段gとを備えたことを上記課題の解決手段とした。
【0014】
さらに、本発明の請求項5に記載された屋根割付用基準線作成装置は、上記第2の基準線の長さと予め決められた比較値とを比較して、上記屋根面内の第2の基準線の長さが比較値より長いかどうか判定する判定手段hを有し、上記判定手段hが、第2の基準線の長さが比較値より長いと判断した場合に、上記補助点認識手段eが補助点を認識し、上記補助線作成手段fが補助線を作成し、上記谷隅用第2の基準線限定手段gが第2の基準線を限定することを上記課題の解決手段とした。
【0015】
また、本発明の請求項6に記載された屋根割付用基準線作成装置は、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根において、上記第2の基準線と上記屋根の棟を示す棟線の延長線が交差する場合に、上記第2の基準線を上記基準点から該第2の基準線と上記延長線との交点までに限定する隅棟用第2の基準線限定手段iを備えたことを上記課題の解決手段とした。
【0016】
そして、本発明の請求項7に記載された屋根割付用基準線作成装置は、上記形状記憶手段aに記憶された平面図上の屋根において、該屋根の形状を示す各値が基準長さ単位の整数倍にされるとともに、各手段により平面図上に作成される線の位置を示す値は、上記基準長さ単位の整数倍とされていることを上記課題の解決手段とした。
【0017】
また、本発明の請求項8に記載された屋根割付用基準線作成装置は、形状記憶手段aに記憶された屋根において、該屋根を構成する各屋根面の傾斜角度が略同一であることを上記課題の解決手段とした。
【0018】
【作用】
上記請求項1記載の構成によれば、上記形状記憶手段aは、平面図上の屋根の形状を記憶しており、屋根パネルの位置や屋根パネルを支持する梁の位置を決める基準線は、上記平面図上で作成されることになる。
そして、第1の基準線作成手段bは、上記平面図上の屋根面に、該屋根面の傾斜方向に所定の間隔を開けて少なくとも上記梁の位置を示す第1の基準線を作成する。
また、基準点作成手段cは、上記谷隅線と棟線の交点がある場合、すなわち、谷隅がある屋根の場合に、上記交点を基準点として認識する。
【0019】
次に、第2の基準線作成手段dは、上記基準点と接するとともに、上記基準点より上方の部分がある屋根面において、上記基準点を含むとともに上記屋根面の傾斜方向と直角すなわち、水平な第2の基準線を作成する。
上記第2の基準線は、屋根パネルの上下の接合部及び該接合部に配置される梁の位置を示すものなので、上記屋根面は、第2の基準線の上下に分割された状態で、それぞれに屋根パネルが配置されることになり、複雑な形状の屋根面(五角形もしくは七角形など)を単純な形状の屋根面(台形と平行四辺形もしくは三角形と台形など)に分割して、屋根パネルの割り付けを容易なものとすることができる。
【0020】
すなわち、谷隅を構成する二つの屋根面において、上方に有る側の屋根面(この屋根面には、下方側に有る屋根面が接合されているので、形状が複雑になる)に、上記第2の基準線が作成され、第2の基準線により分割されて簡単な形状になった屋根面に屋根パネルが配置されることになる。
【0021】
上記請求項2記載の構成によれば、上記基準点認識手段cが二つの上記谷隅線と上記棟線の交点を基準点として認識する。例えば、一つの屋根面から別の二つの屋根面が棟を構成した状態で延出した形状の屋根の場合に、上記一つの屋根面と棟との交点を基準点として認識する。
上記請求項3記載の構成によれば、上記基準点認識手段cが上記谷隅線と上記棟線と上記隅棟線の交点を基準点として認識する。
例えば、寄棟屋根の一つの屋根面から別の二つの屋根面が棟を構成した状態で延出した形状であるとともに、上記棟と上記寄棟屋根の隅棟が接合した形状の屋根において、上記屋根面の隅棟側の辺と上記棟との交点を基準点として認識する。
【0022】
上記請求項4記載の構成によれば、上記補助点認識手段eにより上記谷隅線と屋根の外周線もしくは第1の基準線との交点が補助点として認識される。次に、上記補助線作成手段fが補助点に対応した位置に上記屋根面の傾斜方向に沿った補助線を作成する。
次いで、上記第2の基準線限定手段dが、作成した第2の基準線を、上記基準点から上記第2の基準線と補助線の交点までに限定する。
すなわち、屋根面の谷隅部分の複雑な形状の部分だけに第2の基準線を限定し、上記複雑な形状の部分だけを上下に二分割して屋根パネルの割り付けを容易なものとし、残りの部分は、通常の屋根面と同様に屋根パネルを割り付けるようにする。
【0023】
上記請求項5記載の構成によれば、第2の基準線により分割される屋根面が小さい場合には、第2の基準線を限定して屋根面の複雑な部分だけを上下に分割するよりも、屋根面全体を上下に分割した方が屋根パネルの割り付けの効率が良いので、第2の基準線の長さと予め決められた比較値とを比較し、該比較値より第2の基準線の長さが長い場合にだけ、上記谷隅用第2の基準線限定手段が第2の基準線を限定する。そして、第2の基準線が短い場合、すなわち屋根面が狭い場合には、第2の基準線を限定せずに、上記屋根面全体を第2の基準線で分割して屋根パネルを配置することができる。
【0024】
上記請求項6記載の構成によれば、谷隅用第2の基準線限定手段iが第2の基準線と上記屋根の棟を示す棟線の延長線とが交差する点において第2の基準線を限定することになる。なお、第2の基準線と上記屋根の棟を示す棟線の延長線とが交差するのは、棟線と隅棟線と谷隅線との交点を基準点とした場合であり、上記交点を基準点とした屋根の妻側の屋根面において、上記基準点を交点する棟線とは別の棟線が第2の基準線と交差することになる。
【0025】
そして、この場合には、第2の基準線を棟線の延長線と交差する所までとし、屋根面を上記棟線の延長線より基準点側の部分と、基準点の反対側の部分とに分け、屋根面のうちの形状の複雑な上記棟線の延長線より基準点側の部分を第2の基準線により上下に分割して屋根パネルを配置し、基準点の反対側の部分は、通常の屋根面として屋根パネルの割付処理を行なうことができる。
【0026】
上記請求項7記載の構成によれば、平面図上において、屋根の形状を示す各値及び上記各手段により作成される線の位置を示す値は、上記基準長さ単位の整数倍とされているので、屋根パネルや梁を容易に規格化することができる。
上記請求項8記載の構成によれば、形状記憶手段に記憶された屋根において、各屋根面の傾斜角度が略同一にされていることにより、複雑な形状の屋根において、屋根パネルや梁を容易に規格化することができる。
なお、上記課題を「解決するための手段」及び「作用」の欄において、図1の符号を参照して説明を行なったが、本発明は、上記図1の構成に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の一実施例の屋根割付用基準線作成装置を図面を参照して説明する。
なお、この実施例の基準線作成装置は、本発明の屋根割付用基準線作成装置を、コンピュータシステムにより構成されるCADシステムに応用したものであり、この実施例において、基準線作成装置は、CADシステムの一部として機能するようになっている。そして、CADシステムの一部である基準線作成装置は、上記CADシステムにより設計された屋根に、屋根パネルや小屋梁を割り付けるための基準線を作成するものである。また、上記CADシステムは、上記設計された屋根に上記基準線に基づいて屋根パネルや小屋梁を割り付けるものである。
【0028】
ここで、上記基準線作成装置を説明する前に、説明を容易にするために、図2ないし図4を参照して屋根の基本的な構造を説明する。
図2及び図4は、屋根パネルP…により構成される寄棟屋根10の小屋梁H…の配置の一例を示したものであり、図3は、上記小屋梁H…上の屋根パネルPの配置を示したものである。
【0029】
図2ないし図4に示すように、上記寄棟屋根10は、壁11…から構成される部屋の形状がL字状となっていることにより、一方の屋根10aから他方の屋根10bが突出するとともに、一方の屋根10aの棟12aより他方の屋根10bの棟12bの方が低くなった形状となっている。従って、一方の屋根10aと他方の屋根10bとの接合部に谷隅13が形成され、屋根10の形状が複雑になるとともに、屋根10を構成する屋根面14…、特に屋根面14(a)、14(b)の形状が複雑なものとなっている。
【0030】
そして、図2及び図4に示すように、屋根パネルP…の下方は、複数の壁(外壁11a、内壁11b)11…により建物が構成されている。そして、これら壁11…のうちの耐力壁もしくは支持壁となるものについては、その上側縁が屋根10の裏面まで達するように立ち上げられている。例えば、屋根1の屋根面1aの傾斜方向と平行に配置される内壁11b、11bは、その上端部が屋根10裏面に沿うように三角形状に形成され、屋根面14…の傾斜方向と直角に配置される外壁11a…は、その上端面が水平にされている。
なお、上記耐力壁は、垂直荷重と水平荷重との両方を受けるものであり、上記支持壁は、主に垂直荷重を受けるものである。
【0031】
そして、これら壁11…の上端部には、屋根1を支持する小屋梁(屋根梁15、B梁16、小梁17)Hが掛け渡されている。これら小屋梁Hのうち、両端を壁11、11に掛ける梁を大梁と称し、この大梁には、屋根梁15とB梁16の二種類がある。
上記B梁16は、図6及び図7に示すように、途中で折れ曲がるか、登り形状(斜めに傾斜した直線状)の梁であり、少なくとも一部が屋根面14の傾斜方向に平行に配置されるものである。
【0032】
また、図6に示すように、上記B梁16のうちの曲がったB梁16aは、図5に示す小屋組みに使われる陸梁18、束19、母屋20の役割を一つの梁で果たすものであり、基本的に、B梁16aは、屋根面1aの傾斜に沿って配置される勾配部16cと、屋根面14の傾斜方向に対して直角に配置される水平部16dとが一体になることで曲がった(Bent=曲がった)形状に形成された梁のことである。
上記B梁16aを用いることにより、梁の部品点数を減らすことができるとともに、屋根裏に陸梁18が配置されなくなり、屋根裏の空間を大きくとることができる。
【0033】
なお、上述のように屋根面14の傾斜に沿って配置される直線上の登り梁(図7に図示)16bも、B梁16の一種とする。
上記屋根梁15は、両端を壁11、11に水平に架け渡す梁であり、屋根面14…の傾斜方向に対して直角に配置されるものである。
そして、少なくとも一端が上記B梁16、屋根梁15に掛けられた梁を小梁17(図2に図示)と称する。
【0034】
また、上記大梁(屋根梁15、B梁16)と小梁17との区別は、小屋梁Hの断面積(この実施例において上記各小屋梁Hは、左右の厚みが略同じに形成され、上下の厚みを代えることにより耐力を調整している。)ではなく、小屋梁Hの両端部を支持するものにより決められるものとしており、両端部が壁11、11に支持されているものだけが大梁(屋根梁15、B梁16)となり、梁の両端部の少なくとも一方が屋根梁15もしくはB梁16に支持されているものが小梁17となる。
なお、屋根パネルP…により構成される屋根10においては、一般の現場軸組の建物に形成される垂木に代わって屋根パネルP…の芯材(図示略)が屋根面14…を支持するようになっている。
【0035】
上述のような小屋梁Hの上に屋根1が設置されている。そして、図3に示すように、屋根10は、複数の屋根面14…から構成されている。
そして、各屋根面14…には、基本的に上記隅棟に接する部分に三角形状の屋根パネルP(1)が配置され、それ以外の部分に矩形状の屋根パネルP(2)が配置されている。そして、これらの屋根パネルP…同士を接合するとともに、屋根パネルP…と上記小屋梁Hとを接合することにより、屋根10が形成されている。
【0036】
また、上記屋根10が谷隅13を有する複雑な形状のために、上記三角形状の屋根パネルP(1)及び矩形状の屋根パネルP(2)以外に、屋根面14(a)においては台形状の屋根パネルP(3)を用い、屋根面14(e)においては平行四辺形状の屋根パネルP(4)を用いている。
【0037】
上記屋根パネルP…を配置する際に、上記屋根面14の傾斜に沿って上下に接合される屋根パネルP…の接合部9には、必ずその裏面に屋根パネルP…の上下側縁を支持する小屋梁Hが配置されるようになっている。図2においては、屋根パネルP…の接合部21に沿って、屋根梁15、B梁16aの水平部分及び小梁17が配置されている。
【0038】
次に、図8に示される基準線作成装置の基本構成を参照して、基準線作成装置を説明する。
図8に示す上記基準線作成装置を備えたCADシステムは、周知のように中央演算処理ユニットや内部記憶装置となるRAM及びROM等のメモリなどを備えた演算処理装置(コンピュータ)31と、ハードディスク、光磁気ディスク等からなる補助記憶装置32と、カラーディスプレイ等からなる表示装置33と、キーボード等からなる入力装置34と、マウス、タブレット、デジタイザー等からなるポインティングデバイス(座標位置入力装置)35と、プリンター及びプロッター等からなる出力装置36とを基本的構成とするものである。
【0039】
上記補助記憶装置32には、住宅を構築するための各種部材の内部コードNo.、グラフィックデータ、形状データ、発注用製品コードNo.、各種部材の単価等がデータベースとして記憶されるとともに、CADシステム上で設計されたデータが記憶されている。
また、上記補助記憶装置32は、CADシステムにより設計されたデータとして屋根の形状を示すデータを記憶する。
【0040】
なお、上記補助記憶装置32に記憶された屋根10の形状のうち、基準線作成装置で用いられる屋根の形状データは、例えば、図9及び図10に示すように平面図上の屋根10(40、41)である。なお、図9の屋根40はL字状に形成された寄棟屋根を示し、図10の屋根41はT字状に形成された寄棟屋根を示したものである。
また、上記補助記憶装置32において、平面図上の屋根10は、屋根10の外周を示す外周線43と、屋根10の各屋根面14…を分割する棟線(棟を示す)44a、44b及び隅棟線(隅棟を示す)45及び谷隅線(谷隅を示す)46と、屋根10の傾斜する屋根面14…と外壁11aが接合する部分を示す外壁線47と、上記外壁線47の水平な部分が含まれる水平な平面と屋根面14…との交差する部分を示す桁線48(図9及び図10において外壁線と桁線とは重複している)とから構成されるものである。
また、平面図上の屋根10には、外壁11a以外の内壁(支持壁もしくは耐力壁)11bの位置を示す壁線11c(図30に図示)も含まれる。
【0041】
また、上記補助記憶装置32には、屋根パネルP…の長さの許容値が、屋根10の傾斜角、積雪量の異なる地域、重量の異なる屋根材の種類に対応したデータテーブル(図11に図示)T1として記憶されている。なお、図11に示すデータテーブルT1においては、データテーブルT1上の実際の値を省略して図示した。
上記データテーブルT1に登録された値は、屋根パネルP…の強度に基づいて決められた屋根10の傾斜方向に沿った屋根パネルP…の平面図上の長さ(以下、許容値と称す)と、屋根10の外壁線47上に配置される屋根パネルP…の上側縁と上記外壁線47との平面図上の長さ(以下、初回許容値と称す)とを示すものである。
【0042】
そして、上記許容値もしくは初回許容値となる屋根パネルP…の平面図上の長さとは、図12に示すように屋根面14に屋根パネルP…を配置した際の屋根パネルP…の上下側縁間の水平距離L(三角形状の屋根パネルの場合は、例えば、頂点と底辺との水平距離)であり、実際の屋根パネルP…の長さSより短いものである。なお、屋根パネルP…の平面図上の長さは、後述するモジュール単位となっている。
【0043】
上記データテーブルT1の値(許容値、初回許容値)は、屋根10の傾斜角(勾配)の後述する種類(屋根の勾配イ、ロ、ハ)と、積雪量により分けられた地域(A地域、B地域、C地域、D地域、E地域)と、瓦、金属、スレート等の屋根葺材の種類(ア、イ、ウ)とにより分けられている。
屋根の傾斜角、積雪量の異なる地域、重量の異なる屋根葺材で分類された許容値は、上述のように屋根パネルP…の強度に基づいて決められたものであり、屋根10の傾斜方向に沿った屋根パネルP…の平面図上の長さが、上記許容値以内の場合には、上記屋根パネルP…を屋根10の傾斜に合わせた角度で配置し、かつ屋根パネルP…の上下側縁を梁によって支持した状態で、屋根葺材、屋根10上の積雪等による荷重に充分に耐え得るようになっている。
【0044】
また、初回許容値については、桁線48上に配置される屋根パネルP…が、桁線48の部分で外壁11aの上端に支持される形態となるので、桁線48上の外壁11aに支持された屋根パネルP…の強度に基づいて決められたものであり、桁線48から屋根パネルP…上側縁までの長さが上記初回許容値の範囲ならば充分な強度を保持できるようになっている。
なお、上記データテーブルT1において、二つに分けられた項の下側は、屋根10に雪止め(屋根10から雪がすべり落ちることにより、雨樋等を傷つけるの防止するものであり、結果的に屋根10に溜まる雪の量を増やすことになる)を設けた際の許容値もしくは初回許容値である。
【0045】
上記演算処理装置31は、周知の住宅用のCADシステムとしての機能を有するとともに、この演算処理装置31を用いて設計された屋根面14に基準線を作成し、該基準線に基づいて、屋根面14に小屋梁H及び屋根パネルP…を配置する機能を有する。
なお、上記基準線は、少なくとも屋根面14の傾斜方向に直角に配置された小屋梁(一般に母屋という)Hの位置を示すものなので、この実施例において、以下、母屋線と称する。また、母屋線には、図13に示すように、屋根パネルP…同士の上下の接合部21(図3に図示)及び該接合部21を支持する小屋梁Hとの位置を示す相対母屋線(第1の基準線)49と、屋根パネルP…の上下側縁の間を支持する小屋梁Hの位置を示す候補母屋線(第1の基準線)50と、後述するように屋根10に谷隅がある場合に設けられ、かつ、屋根パネルP…同士の上下の接合部21(図3に図示)及び該接合部21を支持する小屋梁Hの位置を示す絶対母屋線(第2の基準線)51が設定されている。
【0046】
そして、上記演算処理装置31は、図13、図14に示すように、上記補助記憶装置32から上記平面図上の屋根10の形状を読み出し、上記屋根10の屋根面14…において、該屋根面14…の傾斜方向に沿って上記補助記憶装置32から読み出した許容値毎もしくは製造される屋根パネルの長さの最大値毎に、相対母屋線49(図13及び図14においては一本だけ図示)を上記屋根面14の傾斜方向と略直角な方向に沿って作成する機能を有する。
また、演算処理装置31は、上記相対母屋線49を上記最大値毎に作成した場合に、上記相対母屋線と重ならない位置に、屋根面14…の傾斜方向に沿って上記補助記憶装置32から読み出した許容値毎に、候補母屋線50(図13に一本だけ図示)を上記屋根面14の傾斜方向と略直角な方向に沿って作成する機能を有する。
【0047】
また、上記演算処理装置31は、平面図上の屋根10において、二つの屋根面14、14が谷状に接合された谷隅を示す谷隅線46と、上記屋根10の棟を示す棟線44Bとの交点がある場合に、該交点を基準点52として認識する機能を有するとともに、上記基準点52に接するとともに該基準点52より上方の部分を有する屋根面14において、該屋根面14の傾斜方向と直角に配置されるとともに上記基準点52を含み、かつ、屋根パネルP…の上下の接合部及び該接合部に配置される梁の位置を示す絶対母屋線51を作成する機能を有する。
【0048】
また、演算処理装置31は、図13に示すように、平面図上の屋根10の二つの上記谷隅線46、46と上記棟線44Bの交点を基準点52として認識するとともに、図14に示すように、平面図上の屋根10の上記谷隅線46と上記棟線44Bと上記隅棟線45との交点を基準点52として認識する機能を有する。
また、演算処理装置31は、図13及び図14に示すように、平面図上の屋根10において、上記谷隅線46と外周線43との交点もしくは上記谷隅線46と相対母屋線49との交点を補助点53として認識し、上記絶対母屋線51が作成された屋根面14において、上記補助点53の位置に対応して上記屋根面14の傾斜方向に沿った補助線54を作成し、上記絶対母屋線51を上記基準点52から上記補助線54と絶対母屋線51との交点までに限定する機能を有する。
【0049】
また、演算処理装置31は、絶対母屋線51の長さと予め決められた比較値とを比較して、上記屋根面14内の絶対母屋線51の長さが比較値より長いかどうか判定し、絶対母屋線51の長さが比較値より長い場合に、上述のように絶対母屋線51を限定する機能を有する。
また、演算処理装置31は、図14に示すように、平面図上の屋根41において、絶対母屋線51と上記棟線44aの延長線44cが交差する場合に、上記絶対母屋線51を上記基準点52から絶対母屋線51と上記延長線44cとの交点59までに限定する機能を有する。
【0050】
ここで、この実施例の屋根割付用基準線作成装置による母屋線の作成方法を説明する前に、上記CADシステム上での屋根の設計に際し、予め決められた規則について説明する。
該規則は、予め形成された上記パネルにより構築される建物の設計を容易とするとともに、設計された建物の強度を、予め設定された基準以上のものとするために設けられたものである。
【0051】
1、平面図上において基準長さ単位を用いる。
まず、この実施例の上記CADシステムにおいては、建物を設計するに際して、平面図上における基準長さ単位(モジュール)で設計されるものとなっている。そして、最低の単位としては、1/4もしくは1/8モジュールのものを用いている。なお、モジュールは、建物を設計する上で、基本的な長さを1単位としたことにより、1モジュールが最低の単位とならずに、1/4もしくは1/8モジュールが最低の単位となっている。
【0052】
したがって、壁、床、天井等の縦横の長さは、基本的に、上記1/4もしくは1/8モジュールの整数倍となるように設計される。したがって、上記壁、床、天井等を上記モジュール単位で設計するとともに、壁、床、天井等を構成する壁パネル、床パネル、天井パネル等を、上記モジュール単位で設計すること、すなわち、各パネルの形状を上記モジュール単位で規格化することにより、パネルから構築される建物の設計を容易なものとすることができるようになっている。
【0053】
なお、パネル同士やパネルと他の部材との接合部の取り合いに勝ち負けがある場合には、パネルのサイズは、上記モジュール単位から上記勝ち負けの分だけずれた形状となる。また、建物の設計は、必ずしも上記モジュール単位で行なう必要はなく、敷地の条件などによりモジュール単位では効率の良い建物設計が行なえない場合は、特注のパネルや、建築現場においてモジュールからずれた部分を製作することにより対応することができる。
【0054】
そして、屋根10を設計する際に、屋根面14及び屋根パネルP…の縦横のサイズを上記モジュール単位にした場合には、屋根10が天井や床に対して傾斜した屋根面14からなることにより、屋根10と床及び天井との設計にずれができてしまい、床や天井に対応して屋根10を設計することが困難になってしまうので、平面図上に投影された屋根10をモジュール単位で設計するものとした。
平面図上に投影された屋根10をモジュール単位(モジュール単位)で設計することにより、従来のように各屋根面14の勾配を有する屋根面14毎の断面図等により、屋根パネルP…の割り付けを決める必要がなくなり、屋根10の平面図一枚から屋根パネルP…の割付を決定することが可能となる。
【0055】
なお、図12の屋根面14の断面図に示すように、平面上の屋根パネルP…の上下側縁を示す線は、屋根パネルP…の下面側の上下側縁とする。また、上述のように平面図上の長さをモジュール単位とすることにより、図12に示すように、平面上のモジュール単位の屋根パネルP…の長さと、実際の屋根パネルP…の長さとは、異なることになり、屋根パネルP…は壁パネル等の規格からはずれることになるが、後述するように屋根面24…の傾斜角度を規格化することにより、屋根パネルP…を規格化することができるようになっている。
【0056】
2、屋根の屋根面の傾斜角度を規格化する。
上記屋根10において、屋根勾配は、図12に示すようにa/bで表すとともに、その屋根勾配が、例えば5種類とされている。
また、屋根10の形状が切妻として扱われるものについては、上記屋根勾配の全てを用いることができるが、屋根10の形状が寄棟として扱われるものについては、上記5種類の勾配のうちの一部だけを用いることができることになっている。
また、寄棟屋根においては、寄棟屋根10の全ての屋根面14…を同一の勾配のものとする。
【0057】
3、屋根の軒の出を規格化する。
上記屋根において、外壁線47から延出する部分の長さ(軒の出)は、図15に示すように上記1/4モジュール単位(一部1/8モジュール単位も含む)で、5種類の長さ(N1、N2、N3、N4、N5)に設定されている。
なお、上記N4で示す長さは、1/8モジュールを最低単位とするものである。
【0058】
なお、これらの規則は、設計及び施工を容易とするために、設けたものであり、この実施例の基準線作成装置において、上記規則からずれた屋根面においても基準線を作成することが可能である。しかし、上記規則からずれた場合には、設計する際に強度を再計算をしたり、実際に建物を建築する際に、規格外の屋根パネルを用いたりする必要があり、設計及び施工の生産性を低下させる可能性がある。
【0059】
次いで、図16のフローチャートを参照して、基準線作成装置による相対母屋線49及び候補母屋線50の作成方法を説明する。
なお、ここでは、図17及び図18に示す寄棟屋根の一つの屋根面14を例にとって説明するが、図13及び図14に示すように、相対母屋線49及び候補母屋線50は、平面図上の屋根10の全面に対して等高線状に作成されるものである。
まず、CADシステムにより屋根の形状が決められ、図9及び図10に示すような屋根10の平面図が補助記憶装置32に記憶されるとともに、屋根勾配、積雪量により決められる地域、屋根葺材、雪止めの有無が入力されて記憶される。
【0060】
上記屋根10の平面図には、屋根の外周を示す外周線43と、上記棟線44a、44bと、上記隅棟線45と、上記谷隅線46と、上記外壁線47と、上記桁線48と、内壁のうちの耐力壁もしくは支持壁の位置を示す内壁線11c(図30に図示)等が配置されている。
そして、上記外周線43の内部が屋根10(40、41)とされ、上記外周線43、棟線44a、44b、隅棟線45、谷隅線46で囲まれた範囲が、各屋根面14…とされている。
なお、上記各線分は、それぞれCADシステムに設計された場合に意味づけされており、基準線作成装置に上記屋根10の形状が読み出された際に、それぞれ外周線43、棟線44a、44b、隅棟線45、谷隅線46、桁線48、外壁線47、内壁線11c等として認識された状態となっている。
【0061】
そして、補助記憶装置32の上記データテーブルT1から初回許容値を読み出す。この際には、予め入力された屋根勾配、積雪地域、屋根葺材に対応する初回許容値をデータテーブルT1から選択して読み出す(ステップA1)。
次いで、桁線48から屋根10の傾斜方向に沿って上記初回許容値の距離m(図17、18に図示)に最初の相対母屋線49(a)を作成する(ステップA2)。
次いで、初回許容値と同様に、補助記憶装置32の上記データテーブルT1から許容値を読み出す(ステップA3)。
【0062】
そして、該許容値が所定の値以下の場合には(ステップA4)、許容値を最大値とする(ステップA5)。すなわち、許容値が予め決められた所定の値以下の場合には、許容値を越える値(ここでは規格化された屋根パネルの長さの最大値)を許容値とすることで、短い間隔で、相対母屋線49が作成されることにより、短い屋根パネルP…が割り付けられるのを防止している。
【0063】
次いで、上記最初の相対母屋線49から傾斜方向に沿って上記許容値に対応する距離n(図17及び図18に図示、なお図18の距離nは、上記ステップA5において、3モジュールとされたもの)毎に相対母屋線49(b)を作成する(ステップA6)。
なお、図13に示すように、最初に作成した相対母屋線49から棟までの距離が許容値以下の場合には、そこで、相対母屋線49の作成作業を終了する。また、上記相対母屋線49(b)を作成した際に、該相対母屋線49(b)から棟までの距離が許容値より長ければ、図17に示すように、相対母屋線49(b)から許容値の距離に、さらに相対母屋線(b)を作成することを繰り返す。
そして、相対母屋線49の作成が終了した段階で、作成された相対母屋線49を補助記憶装置32に登録する(ステップA7)。
【0064】
次に、上記許容値を補助記憶装置32から読み出す(ステップA8)。そして、上記相対母屋線49の作成において、読みだされた許容値が所定の値以下の場合に、許容値を上記最大値とすることにしたので、許容値が所定の値より大きければ、許容値毎に相対母屋線49が引かれており、使用される屋根パネルP…は、許容値以下の長さのものであり、屋根パネルP…の中央部を支持する小屋梁Hを必要としない。したがって、許容値が所定の値より大きい場合に(ステップA9)、例えば、図14及び図17に示すように、候補母屋線50を作成せずに作業を終了する。
【0065】
次いで、図18に示すように、読み出された許容値が所定の値以下の場合には、上述のように作成された相対母屋線49から、屋根面14の傾斜方向から上に向かって上記許容値毎に次の相対母屋線49に至るまで、候補母屋線50(a)を作成し、さらに次に相対母屋線49から上記許容値毎に候補母屋線30(b)を作成する作業を相対母屋線49がなくなるまで行なう(ステップA10)。
そして、平面図上に作成された候補母屋線50は、上記相対母屋線49と同様に補助記憶装置32に登録する(ステップA11)。
以上により、相対母屋線49及び候補母屋線50の作成を終了する。
【0066】
次に、基準線作成装置においては、図13及び図14に示す絶対母屋線51の作成を行なう。これら絶対母屋線51の作成について図19のフローチャートを参照して説明する。
まず、上記補助記憶装置32に記憶された平面図上の屋根10(相対母屋線49及び候補母屋線50が作成されたもの)を呼び出し、該平面図上の屋根10において、谷隅線46と棟線44bの交点を検索し、該交点を基準点52として認識する(ステップB1)。
【0067】
また、図13及び図14の屋根40、41以外にも例を上げれば、図20ないし図22に示す各屋根10(55、56、57)においても谷隅線46と棟線44bの交点が基準点52として認識される。
なお、図13の屋根40は、棟線44aを棟とする寄棟屋根40aに、棟線44bを棟とする寄棟屋根40bが寄棟屋根40aより一段低くして接合された形状を有し、平面視してT字状となっている。
図14の屋根41は、同じく棟線44aを棟とする寄棟屋根41aに、棟線44bを棟とする寄棟屋根41bが、寄棟屋根41aより一段低く接合された形状を有し、平面視してL字状となっている。また、屋根41においては、寄棟屋根41aの隅棟線45に寄棟屋根41bの棟線44bが接するようになっている。
【0068】
図20の屋根55は、棟線44aを棟とする切妻屋根55aに、棟線44bを棟とする寄棟屋根55bが、寄棟屋根55aより棟を一段低くして接合された形状を有し、平面視して略T字状となっている。
図21の屋根56は、棟が無い方形屋根56aに、棟線44bを棟とする寄棟屋根56bが、寄棟屋根56aより棟を一段低くして接合された形状を有し、平面視して略L字状となっている。また、屋根56においては、寄棟屋根56aの隅棟線45に寄棟屋根56bの棟線44bが接するようになっている。
図22の屋根57は、棟線44aを棟とする寄棟屋根57aに、棟線44bを棟とする寄棟屋根57bが、寄棟屋根57aより棟を一段低くして接合された形状を有する。また、寄棟屋根57bの位置が寄棟屋根の57aの中央からはずれているので、屋根57は、平面視してL字状に近い略T字状の形状を有するものとなっている。
【0069】
次に、上記ステップB1で基準点52が認識できなかった場合、すなわち、屋根10が谷隅のない屋根の場合には、絶対母屋線51を作成せずに処理を終了する(ステップB2)。
次に、上記基準点51を通り、傾斜方向と直交して屋根面14を遮る線分51aを作成する(ステップB3)。
【0070】
すなわち、図13、図20、図22に示すようなL字状でない屋根40、55、57においては、上記基準点52から左右に屋根面14を上下に分断する線分51a(実線で示される絶対母屋線51を含むとともに点線部分を含む場合がある)が作成され、図14、図21に示すようなL字状の屋根41、56においては、基準点52から2つの屋根面14、14に互いに直交する線分51aが作成される。
【0071】
この際に、基準点52が該基準点52に接する屋根面14の上端にあり、屋根面14を上下に分断できる線分51aがない場合、例えば、平面視してT字状もしくL字状の屋根10において、二つの棟線44a、44bが同じ高さに配置されて互いに接するような場合には、屋根面14を上下に分断する線分51aが作成できないので、絶対母屋線51の作成処理を終了する(ステップB4)。
【0072】
次に、上記基準点52が、棟線44b、谷隅線46、隅棟線45の交点、すなわち図14、図21に示すL字状の屋根41、56の基準点52か、棟線44b、谷隅線46、谷隅線46の交点、すなわち、図13、図20、図22に示す略T字状の屋根40、55、57の基準点52かを判定する(ステップB5)。
そして、基準点52が棟線44b、谷隅線46、隅棟線45の交点の場合には、次に上記線分51aが引かれた屋根面14が谷隅線46を一つの辺として持つ屋根面14(a)か、持たない屋根面14(b)かを判定する(ステップB6)。
なお、図23及び図24に屋根面14(a)の例を図示し、図25に屋根面14(b)の例を図示し、図26及び図27に屋根面14(c)の例を図示した。。
【0073】
そして、図14、図21と、図25に示すように、谷隅線46を一つの辺として持たない屋根面14(b)の場合には、棟線44aの延長線(図21に示す方形屋根の場合には屋根56の頂点58を通り、かつ、屋根面14(b)の外周線43に対して直角な線)44cと、線分51aの交点59を求め、線分51aの範囲を該交点59から上記基準点52までに限定し、この限定された線分を絶対母屋線51とする(ステップB7)。
【0074】
また、上記ステップB5において、基準点52が棟線44b、谷隅線46、谷隅線46と判定された場合と、上記ステップB6において、上記線分51aが作成された屋根面14が谷隅線46を一つの辺として持つ屋根面14(a)場合には、まず、上記線分51aが属する屋根面14(a)、14(c)を認識する(ステップB8)。
該屋根面14(a)、14(c)内において、基準点52から屋根面14(a)、14(c)の辺までの線分51aの長さが所定値(上記許容値に対する所定の値とは異なる値)より長いかどうか判定され(ステップB9)、上記所定値以下の場合には、図21及び図24の屋根面14(a)と、図22及び図27の屋根面(14c)の向かって左側の部分とに示すように、上記屋根面14(b)、14(c)内の基準点52から屋根面14(a)、14(c)の辺までの線分51aを絶対母屋線51として処理を終了する(ステップB10)。
【0075】
また、屋根面14内の線分51aの長さが所定値より大きい場合には、図14及び図23の屋根面14(a)と、図13及び図20及び図26の屋根面14(c)の左右両方と、図22及び図27の屋根面14(c)の向かって右側の部分とに示すように、上記屋根面14(a)、14(c)の辺の一つである谷隅線46と外周線43との交点もしくは谷隅線46と相対母屋線49との交点を補助点53として認識する(ステップB11)。
この際に、相対母屋線49がある場合には、上記基準点52に最も近い相対母屋線49と谷隅線46との交点を補助点53とし、相対母屋線49がない場合に、外周線43と谷隅線46との交点を補助点53とする。
【0076】
次に補助点53から相対母屋線49もしくは外周線53に沿って屋根面14(a)、14(c)の内側に向かって、後述するずらし値だけ補助点53をずらし、ずらされた補助点53a(図23、図26、図27に図示)から屋根面14(a)、14(c)の傾斜方向に沿って補助線54を作成する(ステップB12)。
上記ずらし値は、図28に示すデータテーブルT2に示すように、基本的に、使用される台形パネルP3に合わせて軒の出の最小単位N1(基本的には1/4モジュール)だけずらすものであるが、図15に示す軒先からの屋根10の先端の出の長さにおいて、N1を最低単位とせずに、N1の半分の値を最低単位としたもの(N4)があることにより、N4の場合だけ、ずらし値をN1の半分としたものである。
【0077】
なお、一般的な家屋の設計において、軒の出の長さをN4程度の長さにすることが多いので、特別に軒の出だけにおいて最低単位をN1の半分としたものである。
そして、上記補助線54と上記線分51aの交点60(図23、図26、図27に図示)を認識し、線分51aの長さを上記基準点52から補助線54までとし、この長さを限定された線分51aを絶対母屋線51とする(ステップB13)。
【0078】
そして、CADシステムにおいては、相対母屋線49、候補母屋線50、絶対母屋線51の作成が終了した平面図上において、屋根10の小屋梁Hの配置及び屋根パネルP…の配置を行なう。
この際には、例えば図29に示すように、上記相対母屋線49、候補母屋線50及び絶対母屋線51の部分に、必ず屋根面14…を、該屋根面14…の傾斜に対して直角な方向に沿って支持する小屋梁Hが割り付けられる。また、各屋根パネルP…は、上述のように、相対母屋線49及び絶対母屋線51上で上下に接合されることになるので、屋根パネルP、Pの上側縁及び下側縁が相対母屋線49及び絶対母屋線51上に配置されることになる。
なお、図29の屋根10は、候補母屋線50が配置されていないものであるとともに、一つの絶対母屋線51部分に、支持壁となる内壁11bが配置されているので、内壁11bが小屋梁Hの代わりとなり、上記絶対母屋線51の部分に小屋梁Hが配置されていない。
【0079】
そして、各屋根面14…においては、基本的に屋根面の下側縁(外周線23)と相対母屋線49もしくは絶対母屋線51との間、相対母屋線49と相対母屋線49もしくは絶対母屋線51との間、相対母屋線49もしくは絶対母屋線51と屋根面14…の上側縁(棟)との間に、それぞれ屋根パネルP…が割り付けられることになる。なお、屋根パネルP…の左右の幅は、屋根面24…の左右側縁間の距離に対応して決められる。
【0080】
また、図30に示す寄棟屋根10の台形状もしくは三角形状の屋根面14(d)において、CADシステムは、屋根面14…の隅棟線45の部分に隅棟線45と相対母屋線49もしくは棟線44aとの交点を頂点とし、相対母屋線49もしくは屋根の外周線43を底辺とし、隅棟線46を斜辺とする直角三角形状の屋根パネルP(2)を割り付け、上記三角形状の屋根パネルP(2)の割り付けられなかった部分に、屋根の棟線44aもしくは相対母屋線49を上辺とし、相対母屋線49もしくは外周線43を下辺とする矩形状の屋根パネルP1を割り付けれる。
また、切妻屋根(図示略)の場合には、屋根面が矩形状となるので三角形状の屋根パネルP(2)を用いないことを除けば、上記寄棟屋根10と同様に屋根パネルPが割り付けられる。
【0081】
また、図30に示す屋根29において谷隅があることにより形成される平行四辺形状の屋根面14(e)においては、平行四辺形状の屋根パネルP(4)が、屋根の棟線44aもしくは相対母屋線49を上辺とし、相対母屋線49もしくは外周線43を下辺として割り付けられる。
次に、上記谷隅があることにより、形状が複雑になった屋根面14…について、上述の絶対母屋線51の説明にも用いた屋根面14(a)、14(b)、14(c)(図31ないし図35に図示)を参照して説明する。
【0082】
図31の屋根面14(a)は、上述の棟線44b、谷隅線46、隅棟線45の交点を基準点52とし、かつ、谷隅線46を一つの辺として持つ五角形の屋根面14(a)うちの、上記線分51aが3モジュール以下のものである。
この図31の屋根面14(a)においては、上記絶対母屋線51により、屋根面14(a)が上側の台形部分Dと下側の平行四辺形部分hsとに上下に分割された形状となっている。そして、台形部分Dについては、上記台形状もしくは三角形状の屋根面14(d)と同様に三角形状の屋根パネルP(2)と矩形状の屋根パネルP(1)とを割り付けることができる。
【0083】
また、平行四辺形部分hsには、上記平行四辺形状の屋根パネル14(e)と同様に、平行四辺形状の屋根パネルP(4)を割り付けることができる。
すなわち、谷隅があることにより、形成される五角形状の屋根面14(a)のうちの幅の狭い屋根面14(a)においては、絶対母屋線51により屋根面14(a)を上下に分割することで、台形部分Dと平行四辺形部分hsとに分けることができ、上記台形状の屋根面14(d)及び平行四辺形状の屋根面14(e)と同様に容易に屋根パネルP…を割り付けることができる。
【0084】
また、図32に示す上記五角形状の屋根面14(a)のうちの上記線分51aが所定の値より長いもの、即ち幅の広い屋根面14(a)においては、上述のように絶対母屋線51が、上記補助線54のところまでに制限されているので、屋根面14(a)の谷隅線46の近傍だけが上記基準点52の位置で上下に分割された形状となる。そして、屋根面14(a)の隅棟線45を側辺とする部分(図32において向かって左側の部分)と、絶対母屋線51の上の部分においては、上記台形状もしくは三角形状の屋根面14(d)と同様に三角形状及び矩形状の屋根パネルP(1)、P(2)が割り付けられる。
【0085】
また、上記絶対母屋線51の下側の谷隅線46に接する部分には、台形状の屋根パネルP(4)が割り付けられる。
すなわち、上記五角形状の幅の広い屋根面14(a)においては、絶対母屋線51の下側の谷隅線に接した部分を除いて上記三角形状もしくは台形状の屋根面14(d)と同様に矩形状及び三角形状の屋根パネルP(1)、P(2)が割り付けられ、谷隅線46に沿った部分に台形状の屋根パネルP(3)が割り付けられることになる。
従って、谷隅線46に沿った部分に台形状の屋根パネルP(3)が割り付けられること以外は、台形状の屋根面14(d)と略同様に屋根パネルPの割り付けを行なうことができ、五角形状の屋根面14(a)において、容易に屋根パネルを割り付けることができる。
また、図32の幅の広い屋根面14(a)において、図31の幅の狭い屋根面14(a)のように、絶対母屋線51により屋根面14(a)を完全に上下に分割した場合には、絶対母屋線51の分割された上側部分に小さな屋根パネルP…が多数配置されることになるが、上記のように絶対母屋線51を補助線54までに限定することで、小さな屋根パネルP…が多数配置されるのを防止することができる。従って、相対的に小さな屋根パネルP…の割合を減少させることができるので、工場において生産効率の高い大きな屋根パネルの製造の比率が増加するとともに、建築現場においても施工効率の高い大きな屋根パネルの比率が増えることになり、住宅の製造コストを低減することができる。
【0086】
図33の屋根面14(b)は、上述の棟線44b、谷隅線46、隅棟線45の交点を基準点52とし、かつ、谷隅線46を一つの辺として持たない五角形のものである。
基本的に図33に示す屋根面14(b)は、台形状の屋根面と三角形状の屋根面が複合した形状をしているので、上記絶対母屋線51により、棟線44bより上に突出する三角形状部分Sを分離することで、三角形部分Sと台形部分Dとに上下に分割することができる。従って、上記においては、絶対母屋線51を棟線44aの延長線44cとの交点59までとしたが、屋根面14(b)内の線分51aをそのまま絶対母屋線51として、三角形部分Sと台形部分Dとにそれぞれ上述のように屋根パネルP…を配置するようにすれば、容易に屋根パネルを配置することができる。従って、屋根面14(b)において、絶対母屋線51を棟線44aの延長線44cまでに限定しなくとも良い。
【0087】
しかし、上記のように絶対母屋線51を屋根面内14(b)の線分とした場合には、上記三角形状部分Sに小さな2枚の直角三角形状の屋根パネル(図示略)が配置されることになり、屋根パネルPの割り付けの効率が低下することになる。
それに対して、絶対母屋線51を棟線44aの延長線44cまでに限定した場合には、上記延長線44cから先の部分に大きな三角形状の屋根パネルP(2)を配置することができる。すなわち、上記絶対母屋線により、台形状及び三角形状の屋根面14(d)と略同様に容易に屋根パネルP…を配置することができるとともに、大きな屋根パネルp…を配置することができ、屋根パネルP…の生産性及び屋根10の施工性を向上することができる。
【0088】
図34及び図35の屋根面14(C)は、上述の棟線44b、谷隅線46、谷隅線46の交点を基準点52とした7角形のものである。
そして、基準点52を通る線分51aを絶対母屋線51として、屋根面14(c)を上下に二分かつすれば(図35の向かって左側部分のように)、台形部分と、二つの平行四辺形部分に分割することができる。従って、上述の図31に示した屋根面14(a)と同様に処理することができる。すなわち、台形部分Dについては、上記台形状もしくは三角形状の屋根面14(d)と同様に三角形状の屋根パネルP(2)と矩形状の屋根パネルP(1)とを割り付けることができる。
【0089】
また、二つの平行四辺形部分hs(図35においては、左側の平行四辺形部分H一つだけ)には、上記平行四辺形状の屋根面14(e)と同様に、平行四辺形状の屋根パネルP(4)を割り付けることができる。
また、幅の広い屋根面14(c)に関しては、上述の図32に示した屋根面14(a)と同様に処理することができる。
すなわち、図34に示すように、絶対母屋線51が、上記補助線54のところまでに制限され、屋根面14(c)の谷隅線46、46の近傍だけが上記基準点52の位置で上下に分割された形状となる。そして、屋根面14(c)の隅棟線45、45を側辺とする左右の部分と、絶対母屋線51の上の部分においては、上記台形状もしくは三角形状の屋根面14(d)と同様に三角形状及び矩形状の屋根パネルP(1)、P(2)が割り付けられる。
また、上記絶対母屋線51、51の下側の谷隅線46、46に接する部分には、台形状の屋根パネルP(4)が割り付けられる。
従って、絶対母屋線51を補助線54までに限定することにより、上述の図32に示す屋根面14(a)と同様に、容易に屋根パネルP…を配置できるとともに、比較的大きな屋根パネルP…を優先的に配置できることから、屋根パネルP…の生産性及び屋根10の施工性を向上することができる。
【0090】
そして、以上のように屋根面24に屋根パネルP…を割り付けることにより、CADシステム上において、屋根10に割り付けられる屋根パネルP…のサイズが全て決定されることになるので、補助記憶装置32に記憶された部材としての屋根パネルのデータから、割り付けられた屋根パネルの発注用製品コードNo.や単価を検索することにより、屋根10の部分の見積書や屋根パネルP…の発注書を作成することが可能となる。
なお、上記屋根パネルPは、平面図上で割り当てられたが、平面図上の屋根パネルPの形状と屋根の勾配から対応する形状の実際の屋根パネルPが選択されることになる。
【0091】
以上のような構成の基準線作成装置によれば、傾斜した屋根面24…からなる屋根10へ屋根パネルP…及び小屋梁Hを配置する際の基準となる相対母屋線29及び候補母屋線30を、平面図上において、屋根10の強度と、屋根10の傾斜方向の長さと屋根パネルPの長さとの関係と考慮して作成することができる。そして、作成された相対母屋線29及び候補母屋線30に基づいて、屋根パネルP及び小屋梁Hを効率良く割り付けることができる。
【0092】
したがって、屋根10の強度を保証しながら平面図上で効率良く屋根パネルPや小屋梁Hを割り付けることが可能となり、従来のように屋根勾配上で屋根パネルPの割り付けを考えた場合に比較して、容易に屋根パネルP及び小屋梁Hの割り付けを行なうことができる。
また、上述のような谷隅を持つ形状の複雑な屋根10においても、絶対母屋線51を作成して屋根面14の全体もしくは一部を上下に分割して屋根パネルP…の割り付けを行なうことにより、上記屋根10のうちの形状の複雑な屋根面14(a)、14(b)、14(c)においても、上記絶対母屋線51により簡単な形状の屋根面14に還元して容易に屋根パネルの割り付けを行なうことができる。
【0093】
さらに、絶対母屋線51の長さを上記棟線44aの延長線44cもしくは補助線54で限定することにより、屋根パネルP…を容易に割り付けられるようにするとともに、比較的大きい屋根パネルP…を優先的に割り付けることが可能となる。そして、屋根面14に比較的大きい屋根パネルP…を割り付けられることから、屋根パネルP…の生産現場において、生産効率の悪い小さな屋根パネルP…の生産を削減し、生産効率の良い大きな屋根パネルP…の割合を高めることができるので、屋根パネルP…の生産効率を上げることができる。
【0094】
また、上述のように比較的大きい屋根パネルP…が割り付けられることにより、屋根面14…に割り付けられる屋根パネルP…の数を削減することが可能となり、建築現場における屋根パネルP…の接合作業を省力化することができる。
以上のことから、この実施例の屋根割付用基準線作成装置によれば、屋根パネルの製造から屋根の施工における生産効率を向上させることができるので、住宅の製造コストを低減することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように上記請求項1記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、上記形状記憶手段aは、平面図上の屋根の形状を記憶しており、屋根パネルの位置や屋根パネルを支持する梁の位置を決める基準線は、上記平面図上で作成される。すなわち、平面図上で屋根パネルの割り付けを行なうことができる。そして、第1の基準線作成手段bが作成した第1の基準線に基づいて、一般的な台形、三角形、矩形の屋根面に屋根パネルや小屋梁を容易に割り付けることができる。
【0096】
また、谷隅を有することにより形状の複雑な屋根においては、谷隅線と棟線の交点を基準点とし、該基準点を含む水平な第2の基準線を作成することにより、、上記屋根面は、第2の基準線よって上下に分割された状態となり、分割されたそれぞれの部分に屋根パネルが配置されることになり、複雑な形状の屋根面(五角形もしくは七角形など)を単純な形状の屋根面(台形と平行四辺形もしくは三角形と台形など)に分割して、屋根パネルの割り付けを容易なものとすることができる。
【0097】
上記請求項2記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、上記基準点認識手段が二つの上記谷隅線と上記棟線の交点を基準点として認識することにより、上記基準点となる交点で交わる線分の種類により上記第2の基準線を作成すべき屋根面の形状を区別することが可能となる。
同じく請求項3記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、上記基準点認識手段が上記谷隅線と上記棟線と上記隅棟線の交点を基準点として認識することにより、上記基準点となる交点で交わる線分の種類により上記第2の基準線を作成すべき屋根面の形状を区別することが可能となる。
【0098】
上記請求項4記載の構成によれば、補助線により第2の基準線の長さを限定することにより、屋根面の谷隅部分の複雑な形状の部分だけに第2の基準線を限定し、上記複雑な形状の部分だけを上下に二分割して屋根パネルの割り付けを容易なものとし、残りの部分は、通常の屋根面と同様に屋根パネルを割り付けるようにすることができる。また、上下に分割する部分を屋根面の形状の複雑な部分だけにすることにより、屋根面を上下に分割してしまうことにより、分割部分に小さな屋根パネルが多数割り付けられるのを防止することができる。
従って、谷隅を有することにより複雑な形状の屋根に屋根パネルを容易に割り付けることを可能とするとともに、比較的大きな屋根パネルを優先的に割り付けることが可能となるので、屋根パネルの生産性の向上及び屋根の施工性の向上を図ることができ、住宅の製造コストを削減することが可能となる。
【0099】
上記請求項5記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、第2の基準線により分割される屋根面が小さい場合には、第2の基準線を限定して屋根面の複雑な部分だけを上下に分割するよりも、屋根面全体を上下に分割した方が屋根パネルの割り付けの効率が良いので、第2の基準線の長さと予め決められた比較値とを比較し、該比較値より第2の基準線の長さが長い場合にだけ、上記谷隅用第2の基準線限定手段が第2の基準線を限定することができる。
【0100】
上記請求項6記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、谷隅用第2の基準線限定手段が第2の基準線と上記屋根の棟を示す棟線の延長線が交差する点において第2の基準線を限定することにより、屋根面を上記棟線の延長線より基準点側の部分と、基準点の反対側の部分とに分け、屋根面のうちの形状の複雑な上記棟線の延長線より基準点側の部分を第2の基準線により上下に分割して屋根パネルを配置し、基準点の反対側の部分は、通常の屋根面として屋根パネルの割付処理を行なうことができる。
したがって、上記第2の基準線により屋根面を上下に分割してしまった場合に、屋根面の上側の部分に小さな屋根パネルが複数配置されてしまうのを防止することができるので、上述のように住宅の製造コストの削減をすることができる。
【0101】
上記請求項7記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、平面図上において、屋根の形状を示す各値及び上記各手段により作成される線の位置を示す値は、上記基準長さ単位の整数倍とされているので、屋根パネルや梁を容易に規格化するとともに、屋根パネルの割付を容易なものとすることができる。
上記請求項8記載の屋根割付用基準線作成装置によれば、形状記憶手段に記憶された屋根において、各屋根面の傾斜角度が略同一にされていることにより、複雑な形状の屋根において、容易に平面図上で屋根パネルの割り付けを行なうことができるとともに、屋根の強度を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屋根割付用基準線作成装置の基本構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根の小屋梁を示す斜視図である。
【図3】上記実施例の屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す斜視図である。
【図4】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根の小屋梁を示す平面図である。
【図5】上記実施例の屋根割付用基準線作成装置を説明するための小屋梁の側面図である。
【図6】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するためのB梁の側面図である。
【図7】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための登り梁の側面図である。
【図8】上記屋根割付用基準線作成装置の基本構成を示すブロック図である。
【図9】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図10】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図11】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するためのデータテーブルを示す図表である。
【図12】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根に割り付けられた屋根パネルの断面図である。
【図13】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図14】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図15】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根の軒先の断面図である。
【図16】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するためのフローチャートである。
【図17】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図18】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図19】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するためのフローチャートである。
【図20】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図21】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図22】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図23】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図24】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図25】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図26】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図27】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図28】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するためのデータテーブルを示す図表である。
【図29】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根の小屋梁を示す平面図である。
【図30】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根を示す平面図である。
【図31】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図32】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図33】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図34】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図35】上記屋根割付用基準線作成装置を説明するための屋根面を示す平面図である。
【図36】発明が解決しようとする課題を説明するための屋根を示す斜視図である。
【符号の説明】
H 小屋梁
P 屋根パネル
10 平面図上の屋根
14 屋根面
31 演算処理装置(第1の基準線作成手段b、基準点認識手段c、第2の基準線作成手段d、補助点認識手段e、補助線作成手段f、谷隅用第2の基準線限定手段g、判定手段h、隅棟用第2の基準線限定手段i)
32 補助記憶装置(形状記憶手段a)
40 屋根
41 屋根
43 屋根の外周線
44a 棟線
44b 棟線
44c 棟線の延長線
45 隅棟線
46 谷隅線
49 相対母屋線(第1の基準線)
50 候補母屋線(第1の基準線)
51 絶対母屋線(第2の基準線)
52 基準点
53 補助点
54 補助線
55 屋根
56 屋根
57 屋根
Claims (8)
- 複数の屋根パネルを敷き詰めることにより形成され、かつ、複数の傾斜した屋根面から形成される屋根を設計するに際し、設計すべき屋根の屋根面上に上記屋根パネルの位置や上記屋根パネルを支持する梁の位置を決める基準線を作成する屋根割付用基準線作成装置であって、
予め入力された平面図上の屋根の形状を記憶する形状記憶手段と、
上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根の屋根面に、該屋根面の傾斜方向に沿って屋根パネルの強度に対応した間隔をあけるとともに上記傾斜方向に対して直角に配置され、かつ、少なくとも上記傾斜方向に直角な梁の位置を示す第1の基準線を作成する第1の基準線作成手段と、
上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根において、二つの屋根面が谷状に接合された谷隅を示す谷隅線と、上記屋根の棟を示す棟線との交点がある場合に、該交点を基準点として認識する基準点認識手段と、
上記基準点認識手段により認識された基準点に接するとともに該基準点より上方の部分を有する屋根面において、該屋根面の傾斜方向と直角に配置されるとともに上記基準点を含み、かつ、屋根パネルの上下の接合部及び該接合部に配置される梁の位置を示す第2の基準線を作成する第2の基準線作成手段とを具備してなることを特徴とする屋根割付用基準線作成装置。 - 上記基準点認識手段が、上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根の二つの上記谷隅線と上記棟線との交点を基準点として認識することを特徴とする請求項1記載の屋根割付用基準線作成装置。
- 上記基準点認識手段が、上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根の上記谷隅線と上記棟線と二つの屋根面が勾配上で棟状に接合された隅棟を示す隅棟線との交点を基準点として認識することを特徴とする請求項1記載の屋根割付用基準線作成装置。
- 上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根において、上記谷隅線と屋根の外周を示す外周線との交点もしくは上記谷隅線と上記第1の基準線のうちの上記梁の位置を示すとともに上記屋根パネルの上下の接合部の位置を示す第1の基準線との交点を補助点として認識する補助点認識手段と、
上記第2の基準線が作成された屋根面において、上記補助点の位置に対応して上記屋根面の傾斜方向に沿った補助線を作成する補助線作成手段と、
上記第2の基準線を上記基準点から上記補助線と第2の基準線との交点までに限定する谷隅用第2の基準線限定手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の屋根割付用基準線作成装置。 - 上記第2の基準線の長さと予め決められた比較値とを比較して、上記屋根面内の第2の基準線の長さが比較値より長いかどうか判定する判定手段を有し、上記判定手段が、第2の基準線の長さが比較値より長いと判断した場合に、上記補助点認識手段が補助点を認識し、上記補助線作成手段が補助線を作成し、上記谷隅用第2の基準線限定手段が第2の基準線を限定することを特徴とする請求項4に記載の屋根割付用基準線作成装置。
- 上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根において、上記第2の基準線と上記屋根の棟を示す棟線の延長線が交差する場合に、上記第2の基準線を上記基準点から該第2の基準線と上記延長線との交点までに限定する隅棟用第2の基準線限定手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の屋根割付用基準線作成装置。
- 上記形状記憶手段に記憶された平面図上の屋根は、該屋根の形状を示す各値が基準長さ単位の整数倍にされるとともに、各手段により平面図上に作成される線の位置を示す値は、上記基準長さ単位の整数倍とされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の屋根割付用基準線作成装置。
- 形状記憶手段に記憶された屋根は、該屋根を構成する各屋根面の傾斜角度が略同一であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の屋根割付用基準線作成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27092193A JP3614452B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 屋根割付用基準線作成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27092193A JP3614452B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 屋根割付用基準線作成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07125492A JPH07125492A (ja) | 1995-05-16 |
JP3614452B2 true JP3614452B2 (ja) | 2005-01-26 |
Family
ID=17492851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27092193A Expired - Fee Related JP3614452B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 屋根割付用基準線作成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3614452B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5319484B2 (ja) * | 2009-10-15 | 2013-10-16 | シャープ株式会社 | 配置設計装置および配置設計方法ならびにプログラムおよびこれを記録した記録媒体 |
-
1993
- 1993-10-28 JP JP27092193A patent/JP3614452B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07125492A (ja) | 1995-05-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3614452B2 (ja) | 屋根割付用基準線作成装置 | |
JP3614453B2 (ja) | 屋根割付用基準線作成装置 | |
JP3585532B2 (ja) | 建築物の設計支援装置 | |
JP3267769B2 (ja) | 屋根割付用基準線作成装置 | |
JP3614454B2 (ja) | 屋根割付用基準線作成装置 | |
JP3236427B2 (ja) | 小屋梁割付装置 | |
JP7625563B2 (ja) | 屋根材割付け装置 | |
JP3679138B2 (ja) | 小屋梁受け金物割付装置 | |
JP4215350B2 (ja) | コンピュータを利用した建物の構造計算に使用される耐力壁の配置方法 | |
JP3622794B2 (ja) | 設計支援装置 | |
JP3647486B2 (ja) | 設計支援装置 | |
JPH08302881A (ja) | 勾配屋根の設計方法 | |
JP3683297B2 (ja) | 設計支援装置 | |
JP3140277B2 (ja) | 床領域分割装置 | |
JP3014380U (ja) | 建物の工業化屋根 | |
JP3158380B2 (ja) | 壁面パネル割付装置 | |
JP3423901B2 (ja) | 屋根構造 | |
JPH04111174A (ja) | 建築用伏図の自動作成装置 | |
KR20230082870A (ko) | 직교 체계 내 한옥 설계 지원 방법 | |
JP4598312B2 (ja) | ユニット式建物用cadシステム | |
JP2000080805A (ja) | 建物用cadシステム | |
JPH0830651A (ja) | 周方向部材の割付装置 | |
JPH08123830A (ja) | 設計支援装置 | |
JPH09221924A (ja) | ユニット式建物設計用cadの屋根作成方法およびそのシステム | |
JP3622793B2 (ja) | 設計支援装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041026 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041027 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071112 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081112 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091112 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101112 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111112 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121112 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |